JPH087804Y2

JPH087804Y2 - モータ

Info

Publication number: JPH087804Y2
Application number: JP1990097461U
Authority: JP
Inventors: 勝夫橋元
Original assignee: Nidec Sankyo Corp
Current assignee: Nidec Sankyo Corp
Priority date: 1990-09-17
Filing date: 1990-09-17
Publication date: 1996-03-04
Anticipated expiration: 2005-09-17
Also published as: JPH0454452U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、モータに関するものであり、特に、モータ
のケースの構成に関する。

（従来の技術）磁極片付きのステータコア板と、このステータコア板
に巻き回された励磁コイルと、上記磁極片に対向配置さ
れたロータとを有してなるモータが、例えばPM型ステッ
ピングモータあるいは単相同期モータなどとして知られ
ている。

第７図はこのような従来のPM型ステッピングモータの
例を示す。第７図において、ステータコア板51,52は、
一組のステータ組を構成しており、内周縁部から一面側
に突出形成された櫛歯状の磁極片を有するとともに、そ
れぞれの磁極片が同一内周面で交互に並ぶように対向配
置されている。ステータコア板53,54は、他の一組のス
テータ組を構成しており、内周縁部から一面側に突出形
成された櫛歯状の磁極片を有するとともに、それぞれの
磁極片が同一内周面で交互に並ぶように対向配置されて
いる。上記２組のステータ組にはそれぞれ励磁コイルが
巻き回される。また、上記２組のステータ組は、中心軸
線方向に重ねて接合した状態で有底円筒状のケース55内
に嵌合固定される。上記ケース55の開口端には蓋ケース
56が被せられ、溶接によって固定される。蓋ケース56に
は予めケース55の開口端面と対向する位置にスポット溶
接用の突出部57が形成されていて、ケース55と蓋ケース
56相互間を加圧しながらスポット溶接したとき、突出部
57が溶解し、ケース55の開口端面と蓋ケース56とが密着
状態で結合されるとともに、蓋ケース56が外側のステー
タコア板51に密着し、これによってステータが構成され
る。

上記ケース55の底部中央および上記蓋ケース56の中央
には軸受59,58が嵌められ、軸受59,58によって回転軸61
が支持されている。回転軸61は、リング状永久磁石62と
ともにロータ60を構成している。永久磁石62は、周方向
に所定間隔で磁極が形成されるとともに、その外周面は
前記ステータコア板51,52,53,54の磁極片の内周面と適
宜の間隔をおいて対向している。

以上説明したステッピングモータの回転原理は周知の
とおりであるから、説明は省略する。

（考案が解決しようとする課題）上記従来のモータによれば、ケース55の開口端面と蓋
ケース56のスポット溶接用の突出部57とをスポット溶接
する際の爆火屑がケース内部に入り込んで永久磁石62に
吸着され、ノイズの発生や回転止まりの原因となってい
た。また、上記爆火屑が蓋ケース56とステータコア板51
との間に入って双方の密着を妨げたり、蓋ケース56を各
種機器に固定したとき、モータ全体が傾いて平行度が出
ない、というような問題があった。

本考案は、かかる従来技術の問題点を解消するために
なされたもので、円筒状ケースと蓋ケースとをスポット
溶接で結合する際に生じる爆火屑がモータ内部に侵入す
ることを防止することにより、ノイズの発生や回転止ま
りなどの原因になることを防止し、また、蓋ケースとス
テータコア板との密着性を確保することができるように
したモータを提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段）本考案は、円筒状のケースと、このケースの開口部分
をふさぐように固定された蓋ケースと、上記ケースに装
着されかつ磁極片が突出形成された環状のステータコア
板と、ステータコア板よりも半径方向内側においてステ
ータコア板の磁極片に対向配置されたロータと、上記磁
極片に絶縁部材を介して巻き回された励磁コイルとを有
してなるモータであって、上記絶縁部材は、上記ステー
タコア板の端面から突出すると共に円周方向にある広が
りをもって形成された位置決め用の突部を複数個有し、
上記蓋ケースは、上記位置決め用の突部と係合して蓋ケ
ースの取付位置を規定する位置決め部と、上記円筒状ケ
ースの端面と対向する位置において上記位置決め部と半
径方向に並びかつこの位置決め部より半径方向外側であ
りかつケースの開口端面の厚さ方向中心よりも外側にス
ポット溶接用の突出部を有することを特徴とする。

（作用）蓋ケースは、同蓋ケースに設けられたスポット溶接用
の突出部が円筒状ケースの端面にスポット溶接されるこ
とにより円筒状ケースに密着状態で結合される。スポッ
ト溶接で上記突出部が溶けるときに発生してモータ内部
に向かう爆火屑は、上記突出部よりも半径方向の内側に
配置されている位置決め用の突部によって阻止される。

（実施例）以下、図面を参照しながら本考案にかかるモータの実
施例について説明する。

第１図において、モータのステータ35は、４枚のステ
ータコア板1,2,3,4と、２個の励磁コイル7,8と、円筒状
のケース９と、蓋ケース12とを有してなる。第３図にも
示すように、各ステータコア板1,2,3,4は環状に形成さ
れるとともに、内周縁部から一面側に突出形成された櫛
歯状の磁極片1a,2a,3a,4aをそれぞれ有している。２枚
のステータコア板1,2は１組のステータ組37を構成して
いてそれぞれの磁極片1a,2aが同一内周面で交互に並ぶ
ように対向して配置されている。同様に、他の２枚のス
テータコア板3,4は他の１組のステータ組38を構成して
いてそれぞれの磁極片3a,4aが同一内周面で交互に並ぶ
ように対向して配置されている。

２組のステータ組37,38は、それぞれの組の一方のス
テータコア板2,3がその他面側を対向させて重ねられ、
この状態で絶縁部材である樹脂10で一体成形されてい
る。樹脂10は、ステータコア板1,2の対向面と各磁極片1
a,2aの外周とで形成される断面「Ｕ」字状のボビン部５
と、ステータコア板3,4の対向面と各磁極片3a,4aの外周
とで形成される断面「Ｕ」字状のボビン部６と、軸受保
持部11と、ステータコア板１から外側に突出した複数個
の位置決め用の突部29とを有し、また、ステータコア板
４から外側に突出した複数個の樹脂凸部30を有してい
る。上記位置決め用の突部29は、円周方向にある程度の
広がりをもって形成されている。上記複数個の位置決め
用の突部29は円周方向に等間隔に配置されている。上記
軸受保持部11の内周側には軸孔34が形成されている。ま
た、樹脂10による成形の際に、ステータコア板1,2,3,4
の外周縁部に端子保持部31,32が一体成形されている。

絶縁部材である樹脂10でなる上記ボビン部5,6にはそ
れぞれ励磁コイル7,8が巻き回されている。上記のよう
にして樹脂で一体成形された２組のステータ組37,38
は、上記のように励磁コイル7,8が巻き回された状態で
円筒状ケース９の内周に圧入固定される。ケース９の一
方側の開口端部には、樹脂で一体成形されたステータコ
ア板1,2,3,4のうちの最外端のステータコア板４の端面
と当接する延設部21がケース９の内周側に向かって形成
されている。この延設部21は、ケース９の本体部分から
円弧を描きながら僅かに折り返されることによって内側
に凹部22が形成されている。この凹部22は、樹脂で一体
成形されたステータコア板1,2,3,4をケース９に圧入す
る際に生じる削り粉を追い込む削り粉溜りを構成してい
る。

円筒状ケース９の他方の開口端部には蓋ケース12が同
開口端部を塞ぐようにして固定されている。樹脂10の前
記軸受支持部11には軸受13が嵌められている。上記蓋ケ
ース12の中心部にも軸受14が嵌められている。これら軸
受13,14によって回転軸15が支持されている。回転軸に
はロータボス16が嵌合固着され、ロータボス16の外周部
にはリング状の永久磁石17が嵌められている。永久磁石
17は周方向に所定間隔で磁極が形成されている。永久磁
石17の外周面は各ステータコア板1,2,3,4の磁極片1a,2
a,3a,4aの内周面と適宜の空間をおいて対向している。
回転軸15とロータボス16と永久磁石17とによってロータ
20が構成されている。

第１図、第２図に示すように、上記回転軸15は軸受14
から外側に突出しており、この突出部にはピニオン18が
固着されている。前記蓋ケース12は、モータを各種機器
などに取り付けるための取付け板を兼ねていて、各種機
器などに取り付けるための取付け孔44を有している。

樹脂10で一体成形された前記端子保持部31,32には端
子板24,25が嵌合固定されている。各端子板24,25は回路
基板26を貫通するとともに、回路基板26の回路パターン
に半田付けされている。前記円筒状ケース９には上記回
路基板26を取り囲むようにしてブラケット23が固定され
ている。回路基板26からは適宜数のリード線27が引き出
されている。第２図に示すように、蓋ケース12の外周縁
部には、上記端子保持部31に対する逃げ43が形成されて
いる。蓋ケース12の上記逃げ43と上記取付け孔44との相
対位置関係は、モータを取り付けようとする各種機器に
よって異なるので、ユーザーの要求に応じることができ
る蓋ケースを各種用意してこれを使い分けるようにすれ
ばよい。もっとも、端子保持部31を蓋ケース12の板厚分
だけ後退させれば、蓋ケースを各種用意する必要はな
い。

第５図、第６図に示すように、蓋ケース12には、前記
複数の位置決め用の突部29を嵌めて蓋ケース12の取付位
置を規定するための位置決め部19が複数形成され、ま
た、ケース９の開口端が当接する位置に複数のスポット
溶接用の突出部39が形成されている。一つ一つの位置決
め部19と一つ一つの突出部39とが組をなし、各組の位置
決め部19と突出部39は蓋ケース12の半径方向に並ぶとと
もに、突出部39が位置決め部19より半径方向外側に位置
している。

第４図、第６図に示すように、前記樹脂の一体成形に
よって形成された樹脂凸部30には、ケース９の一方の開
口端側に形成された延設部21が当たるようになってい
る。

そこでいま、第６図に示すように、樹脂成形によって
一体化されたステータコア板1,2,3,4をケース９の内周
に圧入し、ケース９の端面を蓋ケース12と上記突起39と
を密着させながらスポット溶接するするために通電す
る。通電による熱で突起39が溶け、蓋ケース12とケース
９とが接合されるとともに、蓋ケース12とステータコア
板１の外側面とが密着する。一方、蓋ケース12とケース
９とが接合される際に、樹脂凸部30がケース９の延設部
21により圧潰され、上記延設部21がステータコア板４の
外側面に当接する。このようにして、蓋ケース12とケー
ス９が一体化されるとともに、この一体化された蓋ケー
ス12とケース９の延設部21とによってステータコア板1,
2,3,4を挾み込むことになり、蓋ケース12とケース９と
ステータコア板1,2,3,4が相互に確実に密着する。

ケース９の開口端面と蓋ケース12とをスポット溶接す
る際に、溶接用の突出部39が溶解して爆火屑がモータの
内外に向かって飛ぶ。しかし、位置決め用の突部29が、
上記突出部39とともに半径方向に、かつ、突出部39より
も内側に並んで配置されており、しかも、位置決め用の
突部29は周方向にある程度の広がりをもっているため、
モータの内部に向かって飛んだ爆火屑は上記位置決め用
の突部29で阻止される。従って、上記爆火屑がモータ内
部の永久磁石等に吸着または付着するというようなこと
はなくなり、爆火屑を原因とするノイズの発生や、回転
不良等を防止することができる。

また、第６図にも示すように、蓋ケース12を位置決め
した状態で最外側のステータコア板１と蓋ケース12とを
密着させておき、前述のように円筒状のケース９と蓋ケ
ース12とを加圧しながらスポット溶接しつつ樹脂凸部30
を圧潰して、最終的にはケース９の開口端面と蓋ケース
12とを密着状態で結合することができるため、この点か
らもスポット溶接時に発生する爆火屑がモータ内部に侵
入することを防止することができる。

円筒状ケース９は、一般に、長尺の円筒を所定の長さ
に切断して作っており、円筒を切断する場合は、楕円回
転する工具を用いて円筒の内側から切断している。従っ
て、第６図に示すように、ケース９の開口端面にかえり
44を生じ、ケース９の開口端面がテーパー状になる。そ
こで、第５図に示すように、スポット溶接用の突出部39
の中心がケース９の開口端面の厚さ方向の中心よりも外
側に位置するようにしておけば、溶接時の爆火屑の大半
はモータの外側に飛び、モータの内部に向かって飛ぶも
のは少なくなる。従って、爆火屑を原因とするノイズの
発生や、回転不良等を防止する上で有効である。

もっとも、円筒の切断の仕方には各種あり、切断の仕
方によってはケース９の開口端面に「だれ」を生じる場
合もある。この「だれ」を生じた結果、ケース９の開口
端面がテーパー状になるようにすれば、上記の場合と同
様に、溶接時にモータの内部に向かって飛ぶ爆火屑の量
を軽減することができる。

また、上記実施例によれば、円筒状ケース９の一方の
開口端部に、最外端のステータコア板４の端面と当接す
る延設部21を上記ケース９の内周側に向かって形成し、
上記延設部21には、削り粉溜としての凹部22を形成した
ため、樹脂で一体化されたステータコア板1,2,3,4をケ
ース９に圧入する際に生じた削り粉は凹部22に溜り、モ
ータ内部に侵入することを防止することができるし、ス
テータコア板1,2,3,4をケース９にきつく圧入してこれ
らを緊密に結合させても何ら不具合を生じないという利
点もある。

なお、一体化されたステータコア板1,2,3,4をケース
９に圧入したとき、ケース９は上記ステータコア板挿入
側の開口端部が開きぎみになるので、ケース９の一端側
開口部に蓋ケース12を取り付ける際に、ケース９の外周
を治具で押さえ込んで各ステータコア板1,2,3,4と密着
させ、この状態でケース９と蓋ケース12とを固着するよ
うにするとよい。

（考案の効果）本考案によれば、円筒状のケースと、このケースの開
口部分をふさぐように固定された蓋ケースと、上記ケー
スに装着されかつ磁極片が突出形成された環状のステー
タコア板と、ステータコア板よりも半径方向内側におい
てステータコア版の磁極片に対向配置されたロータと、
上記磁極片に絶縁部材を介して巻き回された励磁コイル
とを有してなるモータにおいて、ステータコア板の端面
から突出すると共に円周方向にある広がりをもって形成
された位置決め用の複数個の突部を上記絶縁部材に設
け、上記蓋ケースには、上記位置決め用の突部と係合し
て蓋ケースの取付位置を規定する位置決め部を設けると
ともに、円筒状ケースの端面と対向する位置において上
記位置決め部と半径方向に並びかつこの位置決め部より
半径方向外側でありかつケースの開口端面の厚さ方向中
心よりも外側にスポット溶接用の突出部を設けたため、
ケースの開口端面と蓋ケースとをスポット溶接する際
に、溶接用の突出部からモータ内部に向かって飛ぶ爆火
屑が上記位置決め用の突部で阻止される。従って、上記
爆火屑がモータ内部の永久磁石等に吸着または付着する
というようなことはなくなり、爆火屑を原因とするノイ
ズの発生や、回転不良等を防止することができる。又、
スポット溶接用の突出部をケースの開口端面の厚さ方向
の中心よりも外側に設けたため、溶接時の爆火屑の大半
はモータの外側に飛び、モータの内部に向かって飛ぶも
のは少なくなる。従って、爆火屑を原因とするノイズの
発生や、回転不良等を防止する上で有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるモータの実施例を示す断面正面
図、第２図は同上実施例を縮小して示す平面図、第３図
は上記実施例中のステータコア板の構成を示す断面正面
図、第４図は上記実施例中の円筒状ケースと蓋ケースと
の関係を拡大して示す断面正面図、第５図は上記実施例
の一部分を拡大して示す平面図、第６図は上記実施例中
の円筒状ケースと蓋ケースとの組立て途中の関係を拡大
して示す断面正面図、第７図は従来のモータにおける円
筒状ケースと蓋ケースとの関係を示す断面正面図であ
る。 1,2,3,4……ステータコア板、1a,2a,3a,4a……磁極片、
5,6……絶縁部材としてのボビン部、7,8……励磁コイ
ル、９……円筒状のケース、12……蓋ケース、20……ロ
ータ、19……位置決め部、29……位置決め用の突部、39
……スポット溶接用の突出部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】円筒状のケースと、このケースの開口部分
をふさぐように固定された蓋ケースと、上記ケースに装
着されかつ磁極片が突出形成された環状のステータコア
板と、ステータコア板よりも半径方向内側においてステ
ータコア版の磁極片に対向配置されたロータと、上記磁
極片に絶縁部材を介して巻き回された励磁コイルとを有
してなるモータであって、上記絶縁部材は、上記ステータコア板の端面から突出す
ると共に円周方向にある広がりをもって形成された位置
決め用の突部を複数個有し、上記蓋ケースは、上記位置決め用の突部と係合して蓋ケ
ースの取り付け位置を規定する位置決め部と、上記円筒
状ケースの端面と対向する位置において上記位置決め部
と半径方向に並びかつこの位置決め部より半径方向外側
でありかつケースの開口端面の厚さ方向中心よりも外側
にスポット溶接用の突出部を有することを特徴とするモ
ータ。