JPH087464B2 - 静電写真用液体現像剤 - Google Patents

静電写真用液体現像剤

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JPH087464B2
JPH087464B2 JP63064970A JP6497088A JPH087464B2 JP H087464 B2 JPH087464 B2 JP H087464B2 JP 63064970 A JP63064970 A JP 63064970A JP 6497088 A JP6497088 A JP 6497088A JP H087464 B2 JPH087464 B2 JP H087464B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は電気抵抗109Ωcm以上、誘電率3.5以下の担体
液に少なくとも樹脂を分散してなる静電写真用液体現像
剤に関するものであり、特に再分散性、保存性、安定
性、画像の再現性、定着性の優れた液体現像剤に関す
る。
「従来の技術」 一般の電子写真用液体現像剤はカーボンブラツク、ニ
グロシン、フタロシアニンブルー等の有機又は無機の顔
料あるいは染料とアルキツド樹脂、アクリル樹脂、ロジ
ン、合成ゴム等の天然又は合成樹脂を石油系脂肪族炭化
水素のような高絶縁性・低誘電率の液体中に分散し更に
金属セツケン、レシチン、アマニ油、高級脂肪酸、ビニ
ルピロリドンを含有するポリマーなどの極性制御剤を加
えたものである。このような現像剤中では樹脂は不溶性
ラテツクス粒子として直径数nm〜数百nmの粒子状に分散
されているが従来の液体現像剤においては可溶性分散安
定用樹脂や極性制御剤と不溶性ラテツクス粒子との結合
が不充分な為に可溶性分散安定用樹脂及び極性制御剤が
溶液中に拡散し易い状態にあつた。この為、長期間の保
存や繰り返し使用によつて可溶性分散安定用樹脂が不溶
性ラテツクス粒子から脱離し粒子が沈降、凝集、堆積し
たり極性が不明瞭になる、という欠点があつた。又、一
度凝集、堆積した粒子は再分散しにくいので現像機の随
所に粒子が付着したままとなり、画像部の汚れや送液ポ
ンプの目づまり等の現像機の故障にもつながつていた。
これらの欠点を改良する為に可溶性分散安定用樹脂と不
溶性ラテツクス粒子を化学的に結合せしめる手段が考案
され、米国特許第3,990,980号等に開示されている。し
かしながら、これらの液体現像剤は、粒子の自然沈降に
対する分散安定性はある程度良化しているもののまだ充
分でなく、実際の現像装置に入れて使用した場合に装置
各部に付着したトナーは塗膜状に固化し、再分散が困難
であるとともに更には装置の故障、複写画像の汚れ等の
原因となるなど実用可能となる再分散安定性には不充分
であるという欠点があつた。又上記に記載された樹脂粒
子の製造方法では、粒子分布が狭い単分散の粒子を作製
するためには、使用する分散安定剤と、不溶化する単量
体との組合せに著しい制約があり、概して粗大粒子を多
量に含む粒度分布の広い粒子となつたりあるいは平均粒
径が2つ以上存在する多分散粒子となつた。又、粒度分
布の狭い単分散の粒子で所望の平均粒径を得ることが困
難で、1μm以上の大粒子あるいは0.1μm以下の非常
に微細な粒子を形成した。更には使用する分散安定剤
は、頻雑且つ長時間を要する製造工程を経て製造しなけ
ればならない等の問題があつた。
更に、上記の欠点を改良するために、不溶化する単量
体と、長鎖アルキル部分を含有した単量体との共重体の
不溶性分散樹脂粒子とすることで粒子の分散度、再分散
性、保存安定性を改良する方法が、特開昭60−179751
号、特開昭62−151868号等に開示されている。
一方、近年、電子写真方式によるオフセツト印刷用マ
スタープレートを用いて、5000枚以上の多数枚を印刷す
る方法が試みられ、特にマスタープレートの改良が進め
られ、大版サイズで1万枚以上印刷することが可能とな
つてきた。又、電子写真製版システムの操作時間の短縮
化も進み、現像−定着工程の迅速化の改良が行なわれて
いる。
前記特開昭60−179751号や同62−151868号に開示され
ている手段に従って製造された分散樹脂粒子は、現像ス
ピードが上昇した場合、粒子の分散性、再分散性の点
で、また定着時間が短縮された場合もしくは大版サイズ
(例えば、A−3サイズ以上)のマスタープレートの場
合、耐刷性の点で各々いまだ必ずしも満足すべき性能で
はなかつた。
「発明が解決しようとする問題点」 本発明は、以上の様な従来の液体現像剤の有する問題
点を改良するものである。
本発明の目的は、現像−定着工程が迅速化され且つ大
版サイズのマスタープレートを用いる電子写真製版シス
テムにおいても、分散の安定性、再分散性及び定着性に
優れた液体現像剤を提供することである。
本発明の他の目的は、優れた印刷インク感脂性と耐刷
性を有するオフセツト印刷用原版の電子写真法による作
成を可能にする液体現像剤を提供することである。
本発明の他の目的は、前記用途に加えて各種静電写真
用及び各種転写用として適切な液体現像剤を提供するこ
とである。
本発明の更に他の目的は、インクジエツト記録、陰極
線管記録及び圧力変化あるいは静電変化等の各種変化工
程の記録の様な液体現像剤が使用できるあらゆる系にお
いて使用可能な液体現像剤を提供することである。
「課題を解決するための手段」 本発明の目的は、電気抵抗109Ωcm以上、かつ誘電率
3.5以下の非水溶媒中に、少なくとも樹脂を分散して成
る静電写真用液体現像剤において、該分散樹脂粒子が、
該溶媒に可溶で、単量体と重合するグラフト基を含有し
ない樹脂の存在下に、該溶媒には可溶あるが、重合する
ことによつて不溶化する一官能性単量体(A)及び下記
一般式(I)で示される繰返し単位から成る重合体の主
鎖の一方の末端にのみ下記一般式(II)で示される重合
性二重結合基を結合して成る数平均分子量が104以下で
ある一官能性マクロモノマー(B)を、各々少なくとも
1種含有する溶液を、重合反応させることにより得られ
る共重合体樹脂粒子であることを特徴とする静電写真用
液体現像剤によつて達成された。
一般式(I) 一般式(II) 式(I)中、Xは−COO−、−OCO−、−CH2OCO−、−
CH2COO−、−O−、−SO2−、 又は を表わす。
(R1は、水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基を表わ
す)。
Yは、炭素数1〜22の炭化水素基を表わす。
a1及びa2は、互いに同じでも異なってもよく、各々水
素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8の炭化
水素基、−COO−Z又は炭素数1〜8の炭化水素基を介
した−COO−Z(Zは炭素数1〜18の炭化水素基を表わ
す)を表わす。
式(II)中、Vは式(I)中におけるXと同義であ
る。
b1及びb2は、互いに同じでも異なってもよく、各々上
記a1またはa2と同義である。
以下、本発明の液体現像剤について詳細に説明する。
本発明に用いる電気抵抗109Ω・cm以上、誘電率3.5以
下の担体液として好ましくは直鎖状又は分枝状の脂肪族
炭化水素及びこれらのハロゲン置換体を用いることがで
きる。例えばオクタン、イソオクタン、デカン、イソデ
カン、デカリン、)ナン、ドデカン、イソドデカン、ア
イソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパー
L(アイソパー;エクソン社の商品名)、シエルゾール
70、シエルゾール71(シエルゾール;シエルオイル社の
商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:
スピリツツ社の商品名)等を単独あるいは混合して用い
る。
本発明における最も重要な構成成分である非水系分散
樹脂粒子(以下、ラテツクス粒子と称することもある)
は、非水溶媒において、分散安定用樹脂の存在下、該単
量体(A)及びマクロモノマー(B)とを重合すること
(いわゆる、重合造粒法)によつて製造したものであ
る。
ここで、非水溶媒としては、基本的には、前記静電写
真用液体現像剤の担体液に混和するものであれば使用可
能である。
即ち、分散樹脂粒子を製造するに際して用いる溶媒と
しては、前記担体液に混和するものであればよく好まし
くは直鎖状又は分枝状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水
素、芳香族炭化水素及びこれらのハロゲン置換体等が挙
げられる。例えばヘキサン、オクタン、イソオクタン、
デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イ
ソドデカン、アイソパーE、アイソパーG、アイソパー
H、アイソパーL、シエルゾール70、シエルゾール71、
アムスコOMS,アムスコ460溶剤等を単独あるいは混合し
て用いる。
これらの有機溶媒とともに、混合して使用できる溶媒
としては、アルコール類(例えば、メチルアルコール、
エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコ
ール、フツ化アルコール等)、ケトン類(例えばアセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、カル
ボン酸エステル類(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピ
オン酸エチル等)、エーテル類(例えばジエチルエーテ
ル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等)、ハロゲン化炭化水素類(例えばメチレンジク
ロリド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、
メチルクロロホルム等)、等が挙げられる。
これらの混合して使用する非水溶媒は、重合造粒後、
加熱、あるいは減圧下で留去することが望ましいが、ラ
テツクス粒子分散物として、液体現像剤に持ちこまれて
も、現像液の液抵抗が109Ω以上という条件を満足でき
る範囲であれば問題とならない。
通常、樹脂分散物製造の段階で担体液と同様の溶媒を
用いる方が好ましく、前述の如く、直鎖状又は分岐状の
脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハ
ロゲン化炭化水素などが挙げられる。
非水溶媒中で、単量体を重合して生成した該溶媒不溶
の重合体を安定な樹脂分散物とするために必要な分散安
定用樹脂は、単量体と重合するグラフト基を含有しない
樹脂であり、従来公知の分散安定用樹脂を用いることが
できる。即ち、非水溶媒に可溶な各種の合成樹脂又は天
然樹脂を単独あるいは2種以上の組合せにして用いる。
例えば、総炭素数6〜32のアルキル鎖又はアルケニル鎖
〔これらの脂肪族基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、
アミノ基、アルコキシ基等の置換基を含有してもよくあ
るいは酸素原子、イオウ原子、窒素原子等のヘテロ原子
で主鎖の炭素−炭素結合が介されていてもよい〕を有す
るアクリル酸、メタクリル酸、又はクロトン酸のエステ
ル類、炭素数6〜22の高級脂肪酸ビニル類、アルキルビ
ニルエーテル類、又はブタジエン、イソプレン、ジイソ
ブチレン等のオレフイン類等の重合体又は2種以上の組
合せによる共重合体、更には上記の如き非水溶媒に可溶
な重合体を形成する単量体と、得られる共重合体が非水
溶媒に可溶な範囲の割合で下記の如き各種の単量体1種
以上とを重合して得られる共重合体も用いることができ
る。
その単量体としては、例えば、酢酸ビニル、酢酸アリ
ル、アクリル酸・メタクリル酸・クロトン酸・マイレン
酸・イタコン酸のメチル、エチル、あるいはプロピルエ
ステル類、スチレン誘電体(例えばスチレン、ビニルト
ルエン、α−メチルスチレン等)、アクリル酸・メタク
リル酸・クロトン酸・マイレン酸・イタコン酸の如き不
飽和カルボン酸又はその酸無水物、ヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ジエチル
アミノエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、
アクリルアミド、アクリロニトリル、2−クロロエチル
メタクリレート、2,2,2−トリフロロエチルメタクリレ
ートの如き、ヒドロキシ基、アミノ基、アミド基、シア
ノ基、スルホン酸基、カルボニル基、ハロゲン原子、ヘ
テロ環等の各種極性基を含有する単量体などを挙げるこ
とができる。
あるいは、上記の合成樹脂の他に、アルキツド樹脂、
各種の脂肪酸で変性したアルキツド樹脂、アマニ油、変
性ポリウレタン樹脂などの天然樹脂も用いることができ
る。
非水系分散樹脂を製造するに際して用いる単量体は、
該非水溶媒に可溶であるが、重合することによつて不溶
化する一官能性単量体(A)と、単量体(A)と共重合
を生ずる一官能性マクロモノマー(B)に区別すること
ができる。
単量体(A)として、例えば、炭素数1〜6の脂肪族
カルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、モノクロロ酢
酸等)のビニルエステル類あるいはアリルエステル類、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
マレイン酸等の不飽和カルボン酸の炭素数1〜3のアル
キルエステル類又はアルキルアミド類、スチレン、ビニ
ルトルエン、クロロスチレン、α−メチルスチレンの如
きスチレン誘導体、アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、マレイン酸、イタコン酸の如き不飽和カルボン酸
又はその無水物、又はそのアミド化物ヒドロキシエチル
メタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、メト
キシエチルメタクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルア
ミノエチルメタクリレート、トリメトキシシリルプロピ
ルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、2−シアノエチルメタク
リレート、2−クロロエチルメタクリレート、N−ビニ
ルピリジン、N−ビニルイミダゾール、2−フルフリル
エチルメタクリレート、の如き、ヒドロキシ基、アミノ
基、アミド基、シアノ基、スルホン酸基、カルボニル
基、ハロゲン原子、ヘテロ環基等の各種極性基を含有す
る重合性単量体等を挙げることができる。
一官能性マクロモノマー(B)は、一般式(I)で示
される繰返し単位から成る重合体の主鎖の一方の末端に
のみ、一般式(II)で示される単量体(A)と共重合し
得る、重合性二重結合基を結合して成る数平均分子量が
104以下のマクロモノマーである。
一般式(I)及び(II)においてa1,a2,X,Y,b1,b2
及びVに含まれる炭化水素基は各々示された炭素数(末
置換の炭化水素基としての)を有するが、これら炭化水
素基は置換されていてもよい。
式(I)において、Xで示される置換基中のR1は水素
原子のほか、好ましい炭化水素基としては、炭素数1〜
18の置換されてもよいアルキル基(例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシ
ル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシ
ル基、オクタデシル基、2−クロロエチル基、2−ブロ
モエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボ
ニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロ
ピル基、等)炭素数4〜18の置換されてもよいアルケニ
ル基(例えば、2−メチル−1−プロペニル基、2−ブ
テニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテ
ニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘ
キセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基、等)炭素
数7〜12の置換されてもよいアラルキル基(例えば、ベ
ンジル基、フエネチル基、3−フエニルプロピル基、ナ
フチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジ
ル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベ
ンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、
ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されて
もよい脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2−シク
ロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基、
等)、又は、炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族基
(例えば、フエニル基、ナフチル基、トリル基、キシリ
ル基、プロピルフエニル基、ブチルフエニル基、オクチ
ルフエニル基、ドデシルフエニル基、メトキシフエニル
基、エトキシフエニル基、ブトキシフエニル基、デシル
オキシフエニル基、クロロフエニル基、ジクロロフエニ
ル基、ブロモフエニル基、シアノフエニル基、アセチル
フエニル基、メトキシカルボニルフエニル基、エトキシ
カルボニルフエニル基、ブトキシカルボニルフエニル
基、アセトアミドフエニル基、プロピオアミドフエニル
基、ドデシロイルアミドフエニル基、等)があげられ
る。
Xが を表わす場合、ベンゼン環は、置換基を有してもよい。
置換基としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素
原子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシメチル
基、等)等が挙げられる。
Yは好ましくは炭素数1〜18の炭化水素基を表わし、
具体的には、上記したR1について説明したものと同様の
内容を表わす。
a1及びa2は、互いに同じでも異なっていてもよく、好
ましくは水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、
臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜3のアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、−CO
O−Z又は−CH2COOZ(Zは、水素原子又は炭素数1〜18
のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式基
又はアリール基を表わし、これらは置換されていてもよ
く、具体的には、上記R1について説明したものと同様の
内容を表わす)を表わす。
式(II)において、Vは、式(I)中のXと同義であ
り、b1及びb2は、互いに同じでも異なつてもよく、上記
式(I)中のa1又はa2と同義である。V、b1及びb2の好
ましい範囲は、各々、上記したX、a1及びa2について説
明したものと同様の内容である。
式(I)のa1およびa2又は式(II)のb1およびb2のい
ずれか一方が水素原子であることがより好ましい。
本発明において供されるマクロモノマーは、上述の如
き、一般式(I)で示される繰返し単位から成る重合体
主鎖の一方の端末にのみ、一般式(II)で示される重合
性二重結合基が、直接結合するか、あるいは、任意の連
結基で結合された化学構造を有するものである。式
(I)成分と式(II)成分を連結する基としては、炭素
−炭素結合(一重結合あるいは二重結合)、炭素−ヘテ
ロ原子結合(ヘテロ原子としては例えば、酸素原子、イ
オウ原子)、窒素原子、ケイ素原子等)、ヘテロ原子−
ヘテロ原子結合の原子団の任意の組合せで構成されるも
のである。
本発明のマクロモノマー(B)のうち好ましいものは
式(III)で示される如きものである。
式(III) 式(III)中、a1,a2,b1,b2,X,Y,Vは、各々、式
(I)、式(II)において説明したものと同一の内容を
表わす。
Wは、単なる結合または、 は水素原子、ハロゲン原子(例えば、フツ素原子、塩素
原子、臭素原子等)、シアノ基、ヒドロキシル基等を示
す〕、 −O−,−S−, −COO−,−SO2−NHCOO−,−NHCONH−, [Rは、水素原子、前記R1と同様の内容を表わす炭
化水素基等を示す]等の原子団から選ばれた単独の連結
基もしくは任意の組合せで構成された連結基を表わす。
マクロモノマー(B)の数平均分子量の上限が1×10
4を越えると耐刷性が低下する。他方、分子量が小さす
ぎると汚れが発生する傾向があるので、1×103以上で
あることが好ましい。
前記一般式(I)、(II)もしくは(III)におい
て、X、Y、V、a1、a2、b1、b2の各々について、特に
好ましい例を次に示す。
Xとしては、−COO−、−OCO−、−O−、−CH2COO−
または−CH2OCO−が、Yとしては炭素数18以下のアルキ
ル基またはアルケニル基が、Vとしては前記のものがす
べて(但し、R1は水素原子である)が、a1、a2、b1、b2
としては水素原子またはメチル基が挙げられる。
本発明のマクロモノマー(B)は、従来公知の合成方
法によつて製造することができる。例えば、アニオン重
合あるいはカチオン重合によつて得られるリビングポリ
マーの末端に種々の試薬を反応させて、マクロモノマー
にする、イオン重合法による方法分子中に、カルボキシ
ル基、ヒドロキシ基、アミノ基等の反応性基を含有した
重合開始剤及び/又は連鎖移動剤を用いて、ラジカル重
合して得られる末端反応性基結合のオリゴマーと種々の
試薬を反応させて、マクロモノマーにするラジカル重合
法による方法、重付加あるいは重縮合反応により得られ
たオリゴマーに上記ラジカル重合方法と同様にして、重
合性二重結合基を導入する重付加縮合法による方法等が
挙げられる。
具体的には、P.Dreyfuss & R.P.Quirk,Encycl,Poly
m.Sci,Eng.,7,551(1987),P.F.Rempp,E.Franta,Adu.,P
olym.Sci.58,1(1984),V.Percec,Appl.,Polym.Sci.,28
5,95(1984),R.Asami,M.TakaRi,Makvamol.Chem.Suppl.
12,163(1985),P.Rempp.etal,Makvamol.Chem.Suppl.8,
3(1984),川上雄資、化学工業、38,56(1987)、山下
雄也、高分子、31,988(1982),小林四郎、高分子、3
0,625(1981)、東村敏延、日本接着協会誌18,536(198
2)、伊藤浩一、高分子加工、35,262(1986)、東貴四
郎、津田隆、機能材料、1987No.10,5等の総説及びそれ
に引例の文献・特許等に記載の方法に従って合成するこ
とができる。
本発明のマクロモノマー(B)は、より具体的には、
下記の化合物を例として挙げることができる。且し、本
発明の範囲は、これらに限定されるものではない。
本発明の分散樹脂は、単量体AとマクロモノマーBの
少なくとも各々1種以上から成り、重要な事は、これら
単量体から合成された樹脂が該非水溶媒に不溶であれ
ば、所望の分散樹脂を得ることができる。より具体的に
は、不溶化する単量体Aに対して、一般式(I)で示さ
れる単量体Bを0.05〜10重量%使用することが好まし
く、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。更により
好ましくは0.3〜3重量%である。又本発明の分散樹脂
の分子量は103〜106であり、好ましくは104〜5×105
ある。
以上の如き本発明で用いられる分散樹脂を製造するに
は、一般に、前述の様な分散安定用樹脂、単量体(A)
及びマクロモノマー(B)とを非水溶媒中で過酸化ベン
ゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、ブチルリチウム
等の重合開始剤の存在下に加熱重合させればよい。具体
的には、分散安定用樹脂、単量体(A)及びマクロモノ
マー(B)の混合溶液中に重合開始剤を添加する方法、
分散安定用樹脂を溶解した溶液中に単量体(A)及びマ
クロモノマー(B)を重合開始剤とともに滴下してゆく
方法、あるいは分散安定用樹脂全量と単量体(A)及び
マクロモノマー(B)の混合物の一部を含む混合溶液中
に、重合開始剤とともに残りの単量体混合物を任意に添
加する方法、更には、非水溶媒中に、分散安定用樹脂及
び単量体の混合溶液を、重合開始剤とともに任意に添加
する方法等があり、いずれの方法を用いても製造するこ
とができる。
単量体(A)及びマクロモノマー(B)の総量は、非
水溶媒100重量部に対して5〜80重量部程度であり好ま
しくは10〜50重量部である。
分散安定用樹脂である可溶性の樹脂は、上記で用いる
全単量体100重量部に対して1〜100重量部であり、好ま
しくは5〜50重量部である。
重量開始剤の量は、全単量体量の0.1〜5%(重量)
が適切である。
又、重合温度は50〜180℃程度であり、好ましくは60
〜120℃である。反応時間は1〜15時間が好ましい。
反応に用いた非水溶媒中に、前記したアルコール類、
ケトン類、エーテル類、エステル類等の極性溶媒を併用
した場合あるいは、重合造粒化される単量体(A)の未
反応物が残存する場合、該溶媒あるいは単量体の沸点以
上に加温して留去するかあるいは、減圧留去することに
よつて除くことが好ましい。
以上の如くして本発明により製造された非水系分散樹
脂は、微細でかつ粒度分布が均一な粒子として存在する
と同時に、非常に安定な分散性を示し、特に現像装置内
において長く繰り返し使用をしても分散性が良くかつ現
像スピードが向上しても再分散も容易であり装置の各部
に付着汚れを生ずることが全く認められない。
また、加熱等により定着した場合、強固な被膜が形成
され、優れた定着性を示した。
更に、本発明の液体現像剤は、現像−定着工程が迅速
化され且つ大版サイズのマスタープレートを用いた場合
でも、分散の安定性、再分散性及び定着性に優れてい
る。
本発明の液体現像剤において必要なら着色剤を使用し
ても良い。
その着色剤は特に指定されるものではなく従来公知の
各種顔料又は染料を使用することができる。
分散樹脂自体を着色する場合には、例えば着色の方法
の1つとしては、顔料又は染料を用いて分散樹脂に物理
的に分散する方法があり、使用する顔料又は染料は非常
に多く知られている。例えば、磁性酸化鉄粉末、粉末ヨ
ウ化鉛、カーボンブラツク、ニグロシン、アルカリブル
ー、ハンザイエロー、キナクリドンレツド、フタロシア
ニンブルーなどが挙げられる。
着色の方法の他の1つとしては、特開昭57−48738号
などに記載されている如く、分散樹脂を、好ましい染料
で染色する方法がある。あるいは、他の方法として、特
開昭53−54029号に開示されている如く、分散樹脂と染
料を化学的に結合させる方法があり、あるいは、又、特
公昭44−22955号等に記載されている如く、重合造粒法
で製造する際に、予め色素を含有した単量体を用い、色
素含有の共重合体とする方法がある。
本発明の液体現像剤には、荷電特性の強化あるいは画
像特性の改良等のために、必要に応じて種々の添加剤を
加えても良く、例えば原崎勇次「電子写真」等16巻、第
2号、44頁に具体的に記載されているものが用いられ
る。
例えばジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸金属
塩、ナフテン酸金属塩、高級脂肪酸金属塩、レシチン、
ポリ(ビニルピロリドン)、半マレイン酸アミド成分を
含む共重合体等が挙げられる。
本発明の液体現像剤の主要な各組成分の量について説
明すれば下記の通りである。
樹脂及び着色剤を主成分として成るトナー粒子は、担
体液体1000重量部に対して0.5重量部〜50重量部が好ま
しい。0.5重量部未満であると画像濃度が不足し、50重
量部を越えると非画像部へのカブリを生じ易い。更に、
前記の分散安定用の担体液体可溶性樹脂も必要に応じて
使用され、担体液体1000重量部に対して0.5重量部〜100
重量部程度加えることができる。上述の様な荷電調節剤
は、担体液体1000重量部に対して0.001〜1.0重量部が好
ましい。更に必要に応じて各種添加剤を加えても良く、
それら添加物の総量は、現像剤の電気抵抗によつてその
上限が規制される。即ち、トナー粒子を除去した状態の
液体現像剤の電気抵抗が109Ω・cmより低くなると良質
の連続階調像が得られ難くなるので、各添加物の各添加
量を、この限度内でコントロールすることが必要であ
る。
以下に本発明の実施態様を例示するが、本発明の内容
がこれらに限定されるものではない。
マクロモノマーの製造例1: メチルメタクリレート92g、チオグリコール酸5g及び
トルエン200gの混合溶液を、窒素気流下攪拌しながら、
温度75℃に加温した。2,2′−アゾビス(シアノ吉草
酸)(略称A.C.V.)31gを加え、8時間反応した。次に
この反応溶液にグリシジルメタクリレート8g、N,N−ジ
メチルドデシルアミン1.0g及びt−ブチルハイドロキノ
ン0.5gを加え、温度100℃にて、12時間攪拌した。冷却
後この反応溶液をメタクノール2l中に再沈し、白色粉末
を82g得た。重合体の数平均分子量は6,500であつた。
マクロモノマーの製造例2: メチルメタクリレート95g、チオグリコール酸5g及び
トルエン200gの混合溶液を窒素気流下攪拌しながら、温
度70℃に加温した。2,2′−アゾビス(イソブチルニト
リル)(略称A.I.B.N.)1.5gを加え、8時間反応した。
次にこの反応溶液に、グリシジルメタクリレート7.5g、
N,N−ジメチルドデシルアミン1.0g及びt−ブチルハイ
ドロキノン0.8gを加え、温度100℃にて、12時間攪拌し
た。冷却後、この反応溶液をメタノール2l中に再沈し、
無色透明の粘稠物85gを得た。重合体の数平均分子量は
2,400であつた。
マクロモノマーの製造例3: メチルメタクリレート94g、2−メルカプトエタノー
ル6g、トルエン200gの混合溶液を窒素気流下温度70℃に
加温した。A.I.B.N.1.2gを加え、8時間反応した。
次にこの反応溶液を水浴中で冷却して温度20℃とし、
トリエチルアミン10.2gを加え、メタクリル酸クロライ
ド14.5gを温度25℃以下で攪拌下して滴下した。滴下後
そのまま1時間更に攪拌した。その後、t−ブチルハイ
ドロキノン0.5gを加え温度60℃に加温し、4時間攪拌し
た。冷却後、メタノール2l中に再沈し、無色透明な粘稠
物79gを得た。数平均分子量は4,500であつた。
マクロモノマーの製造例4: ヘキシルルメタクリレート95g及びトルエン200gの混
合溶液を窒素気流下に温度70℃に加温した。2,2′−ア
ゾビス(シアノヘプタノール)5gを加え、8時間反応し
た。
冷却後、この反応液を水浴中で温度20℃とし、トリエ
チルアミン1.0g及びメタクリル酸無水物21gを加え1時
間攪拌した後、温度60℃で6時間攪拌した。
得られた反応物を冷却した後メタノール2l中に再沈
し、無色透明な粘稠物75gを得た。数平均分子量は6,200
であつた。
マクロモノマーの製造例5: ドデシルメタクリレート93g、3−メルカプトプロピ
オン酸7g、トルエン170g及びイソプロパノール30gの混
合物を窒素気流下に温度70℃に加温度し、均一溶液とし
た。A.I.B.N.2.0gを加え、8時間反応した。冷却後、メ
タノール2l中に再沈し、減圧下に温度50℃に加熱して、
溶媒を留去した。得られた粘稠物をトルエン200gに溶解
し、この混合溶液にグリシジルメタクリレート16g、N,N
−ジメチルドデシルメタクリレート1.0g及びt−ブチル
ハイドロキノン1.0gを加え温度110℃で10時間攪拌し
た。この反応溶液を再びメタノール2l中に再沈した。得
られた淡黄色の粘稠物の数平均分子量は3,400であつ
た。
マクロモノマーの製造例6: オクタデシルメタクリレート95g、チオグリコール酸5
g及びトルエン200gの混合溶液を窒素気流下攪拌しなが
ら温度75℃に加温した。A.I.B.N.1.5gを加え8時間反応
した。次に反応溶液にグリシジルメタクリレート13g、
N,N−ジメチルドデシルアミン1.0g及びt−ブチルハイ
ドロキノン1.0gを加え、温度100℃にて10時間攪拌し
た。冷却後、この反応溶液をメタノール2l中に再沈し、
白色粉末を86g得た。数平均分子量は2,300であつた。
マクロモノマーの製造例7: メチルメタクリレート40g、エチルメタクリレート54
g、2−メルカプトエチルアミン6g、トルエン150g及び
テトラヒドロフラン50gの混合物を窒素気流下攪拌しな
がら温度75℃に加温した。A.I.B.N.2.0gを加え8時間反
応した。次にこの反応溶液を水浴中温度20℃とし、これ
にメタクリル酸無水物23gを温度が25℃を越えない様に
して滴下し、その後そのまま更に1時間攪拌した。2,
2′−メチレンビス−(6−t−ブチル−p−クレゾー
ル)0.5gを加え、温度40℃で3時間攪拌した。冷却後、
この溶液をメタノール2l中に再沈し、粘稠物83gを得
た。数平均分子量は2,200であつた。
マクロモノマーの製造例8: メチルメタクリレート95g及びトルエン200gの混合溶
液を窒素気流下に温度75℃に加温した。A.C.V.5gを加
え、8時間反応した。次に、グリシジルアクリレート15
g,N,N−ジメチルドデシルアミン1.0g及び2,2′−メチレ
ンビス−(6−t−ブチル−p−クレゾール)1.0gを加
え温度100℃で15時間攪拌した。冷却後、この反応液を
メタノール2l中に再沈し、透明な粘稠物83gを得た。数
平均分子量は3,600であつた。
ラテツクス粒子の製造例1 ポリ(オクタデシルメタクリレート)18g、酢酸ビニ
ル100g、マクロモノマーの製造例1の化合物1.0g及びア
イソパーH380gの混合溶液を窒素気流下攪拌しながら温
度75℃に加温した。A.I.B.N.1.7gを加え、6時間反応し
た。開始剤添加後20分して白濁を生じ、反応温度は88℃
まで上昇した。温度を100℃に上げ2時間攪拌して未反
応の酢酸ビニルを留去した。冷却後200メツシユのナイ
ロン布を通し、得られた白色分散物は、重合率90%で平
均粒径0.20μmのラテツクスであつた。
ラテツクス粒子の製造例2 ポリ(ドデシルメタクリレート)20g、酢酸ビニル100
g、マクロモノマーの製造例2の化合物1.0g及びイソド
デカン385gの混合溶液を、窒素気流下攪拌しながら、温
度70℃に加温した。A.I.B.N.1.7gを加え6時間反応し
た。開始剤添加して40分後均一溶液が白濁を始め反応温
度は85℃まで上昇した。冷却後、200メツシユのナイロ
ン布を通し得られた白色分散物は重合率88%で平均粒径
0.26μmのラテツクスであつた。
ラテツクス粒子の製造例3 ポリ(ステアリルメタクリレート)14gとシエルゾル7
1 200gの混合溶液を窒素気流下攪拌しながら温度75℃に
加温した。
酢酸ビニル100g、マクロモノマーの製造例1の化合物
1.0g、シエルゾル71 180g及びA.I.B.N.1.7gの混合溶液
を2時間で滴下し、さらに4時間そのまま攪拌した。冷
却後200メツシユのナイロン布を通し、得られた白色分
散物は重合率85%で平均粒径0.18μmのラテツクスであ
つた。
ラテツクス粒子の製造例4 〔ドデシルメタクリレートアクリル酸(共重合比(95
/5)重量比)〕共重合体15g、酢酸ビニル100g、マクロ
モノマーの製造例3の化合物1.0g及びアイソパーG380g
の混合溶液を、窒素気流下攪拌しながら温度75℃に加温
した。過酸化ベンゾイル1.5gを加え、6時間反応した。
開始剤投入後10分して白濁を生じ反応温度は90℃まで上
昇した。その後、温度を100℃に上昇しそのまま1時間
攪拌し、残存する酢酸ビニルを留去した。冷却後200メ
ツシユのナイロン布を通し、得られた白色分散物は重合
率90%で、平均粒径0.25μmのラテツクスであつた。
ラテツクス粒子の製造例5 [オクタデシルメタクリレート−2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート(共重合比(92/81重量比)]共重合
体16g、酢酸ビニル100g、マクロモノマーの製造例4の
化合物1.5g及びアイソパーH385gの混合溶液を、窒素気
流下攪拌しながら、温度70℃に加温した。2,2′−アゾ
ビス(イソバレロニトリル)(略号A.I.V.N.)1.2gを加
え、6時間反応後、温度100℃に上げて、そのまま1時
間攪拌し、残存する酢酸ビニルを留去した。冷却後200m
eshのナイロン布を通し得られた白色分散物は重合率85
%で平均粒径0.17μmのラテツクスであつた。
ラテツクス粒子の製造例6 [ドデシルメタクリレート−オクチルメタクリレート
(共重合比(70/30重量比)]共重合体18g、酢酸ビニル
100g、マクロモノマーの製造例5の化合物1.2g及びイソ
デカン380gの混合溶液を窒素気流下攪拌しながら、温度
70℃に加温した。
A.I.V.N.1.2gを加え、6時間反応後、温度100℃に上
げてそのまま1時間し、残存する酢酸ビニルを留去し
た。冷却後200meshのナイロン布を通し,得られた白色
分散物は重合率87%で平均粒径0.24μmのラテツクスで
あつた。
ラテツクス粒子の製造例7 ポリ(オクタデシルメタクリレート)20g、酢酸ビニ
ル100g、クロトン酸5g、マクロモノマーの製造例6の化
合物1.0g及びアイソパーE468gの混合溶液を窒素気流下
攪拌しながら温度70℃に加温した。A.I.V.N.1.3gを加
え、6時間反応後温度100℃に上げてそのまま1時間攪
拌し、残存する酢酸ビニルを留去した。冷却後200メツ
シユのナイロン布を通し、得られた白色分散物は重合率
85%で、平均粒径0.23μmのラテツクスであつた。
ラテツクス粒子の製造例8 ポリ(ドデシルメタクリレート)20g、酢酸ビニル100
g、4−ペンテン酸6.0g、マクロモノマーの製造例7の
化合物1.5g及びアイソパーG380gの混合溶液を、窒素気
流下攪拌しながら、温度75℃に加温した。A.I.B.N.0.7g
を加え4時間反応し、さらにA.I.B.N.1.5gを加えて2時
間反応した。冷却後200メツシユのナイロン布を通し、
得られた白色分散物は、平均粒径0.24μmのラテツクス
であつた。
ラテツクス粒子の製造例9 〔ドデシルメタクリレート−2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート(共重合比(8/2モル比)〕共重合体18g、
酢酸ビニル85g、N−ビニルピロリドン15g、マクロモノ
マーの製造例1の化合物1.2g及びn−デカン380gの混合
溶液を、窒素気流下攪拌しながら温度75℃に加温した。
A.I.B.N.1.7gを加え4時間反応し、さらにA.I.B.N.0.5g
を加えて2時間反応した。冷却後200メツシユのナイロ
ン布を通し、得られた白色分散物は平均粒径0.20μmの
ラテツクスであつた。
ラテツクス粒子の製造例10 ポリ(オクタデシルメタクリレート)20g、イソプロ
ピルメタクリレート100g、マクロモノマーの製造例8の
化合物1.0g及びn−デカン470gの混合溶液を窒素気流
下、攪拌しながら温度70℃に加温した。A.I.V.B.1.0gを
加え、2時間反応した。開始剤投入後数分で青白濁が始
まり反応温度は90℃まで上昇した。冷却後200メツシユ
のナイロン布を通して粗大粒子を除去し、得られた白色
分散物は粒径約0.45μmのラテツクスであつた。
ラテツクス粒子の製造例11 ポリ(トリデシルメタクリレート)25g、スチレン100
g、マクロモノマーの製造例1の化合物((B)−1)
1.2g及びアイソパーH380gの混合溶液を窒素気流下攪拌
しながら、温度50℃に加温した。n−ブチルリチウムヘ
キサン溶液をn−ブチルリチウムの固形分量として、1.
0gとなる量を加え、4時間反応した。冷却後2meshのナ
イロン布を通し、得られた白色分散物は、平均粒径0.32
μmのラテツクスであつた。
ラテツクス粒子の製造例12(比較例A) 製造例1において、マクロモノマーの製造例1の化合
物((B)−1)を除き他は同様の方法で行ない、得ら
れた白色分散物は重合率85%で平均粒径0.25μmのラテ
ツクスであつた。
ラテツクス粒子の製造例13(比較例B) ポリ(オクタデシルメタクリレート)18g、酢酸ビニ
ル100g、オクタデシルメタクリレート1.0g及びアイソパ
ーH385gの混合溶液とし以降は、製造例1と同様に操作
した。
得られた白色分散物は重合率85%で平均粒径0.22μm
のラテツクスであつた。
ラテツクス粒子の製造例13(比較例C) ポリ(オクタデシルメタクリレート)18g、酢酸ビニ
ル100g、下記化学構造の単量体(I)1g及びアイソパー
H385gの混合溶液とし、以降は製造例1と同様に操作し
た。
得られた白色分散物は重合率85%で平均粒径0.24μm
のラテツクスであつた。
実施例1 〔ドデシルメタクリレート−アクリル酸(共重合比
(95/5)重量比)〕共重合体10g、ニグロシン10g及びシ
エルゾル71 30gをガラスビーズと供にペイントシエーカ
ー(東京精機(株))に入れ、4時間分散しニグロシン
の微小な分散物を得た。
ラテツクス粒子の製造例1の樹脂分散物30g、上記ニ
グロシン分散物2.5g、〔オクタデセン−半マレイン酸オ
クタデシルアミド共重合体〕0.08gをシエルゾル71 1
に希釈することにより静電写真用液体現像剤を作製し
た。
(比較用現像剤A〜C) 上記製造例において樹脂分散物を以下の樹脂粒子に代
えて比較用の液体現像剤A、B、Cの3種を作製した。
比較用液体現像剤A: ラテツクス粒子の製造例12の樹脂分散物 比較用液体現像剤B: ラテツクス粒子の製造例13 〃 比較用液体現像剤C: ラテツクス粒子の製造例14 〃 これらの液体現像剤を全自動製版機ELP404V(富士写
真フイルム(株)製)の現像剤として用い、電子写真感
光材料であるELPマスターIIタイプ(富士写真フイルム
(株)製)を露光、現像処理した。製版スピードは、5
版/分で行なつた。さらに、ELPマスターIIタイプを200
0枚処理した後の現像装置へのトナー付着汚れの有無を
観察した。複写画像の黒化率(画像面積)は、30%の原
稿を用いて行なつた。
その結果を表1に示した。
前記した、製版条件で各現像剤を製版した所、現像装
置の汚れを生じず又2000枚目の製版プレートの画像が鮮
明な現像剤は、本発明の場合のみであつた。
一方各現像剤より製版して得られたオフセツト印刷用
マスタープレート(ELP−マスター)を常法により印刷
し、印刷物の画像に文字の欠落、ベタ部のカスレ等の発
生するまでの印刷枚数を比較した所、本発明、比較例A
及び比較例Cの現像剤を用いて得られたマスタープレー
トは、10000枚以上でも発生せず比較例Bを用いたマス
タプレートでは、8000枚で発生した。
以上の結果の如く、本発明の樹脂粒子を使つて現像剤
としたもののみが、現像装置の汚れを全く生じないと同
時に、マスタープレートの印刷枚数も著しく向上したも
のであつた。
即ち、比較例Aの場合は印刷枚数に問題はないが現像
装置の汚れが著しく、連続して、使用するには耐え得な
かつた。
又、比較例B及び比較例Cの場合は、製版スピードが
5枚/分といつた早い状態(従来は2〜3枚/分の製版
スピード)で用いられると、現像装置(特に背面電極版
上)の汚れが生じる様になり、2000枚後位には、プレー
ト上の複写画像の画質に影響(Dmの低下、細線のカスレ
等)がでてくる様になつた。マスタープレートの印刷枚
数は、比較例Cでは、問題なかつたが、比較例Bは低下
した。
これらの結果は、本発明の樹脂粒子が明らかに優れて
いることを示すものである。
実施例2 ラテツクス粒子の製造例1で得られた白色分散液100g及
びスミカロンブラツク1.5gの混合物を温度100℃に加温
し、4時間加熱攪拌した。室温に冷却後200メツシユの
ナイロン布を通し、残存した染料を除去することで、平
均粒径0.20μmの黒色の樹脂分散物を得た。
上記黒色樹脂分散物32g、ナフテン酸ジルコニウム0.0
5gをシエルゾル71、1に希釈することにより液体現像
剤を作製した。
これを実施例1と同様の装置により現像した所、2000
枚現像後でも装置に対するトナー付着汚れは全く発生し
なかつた。
又、得られたオフセツト印刷用マスタープレートの画
質は鮮明であり、1万枚印刷後の印刷物の画質も非常に
鮮明であつた。
実施例3 ラテツクス粒子の製造例7で得られた白色分散液100g
及びビクトリア・ブルーB3gの混合物を温度70°〜80℃
に加温し6時間攪拌した。室温に冷却後200メツシユの
ナイロン布を通し、残存した染料を除去して平均粒径0.
16μmの青色の樹脂分散物を得た。
上記青色樹脂分散物32g、ナフテン酸ジルコニウム0.0
5gをアイソパーH1に希釈することにより液体現像剤を
作製した。
これを、実施例1と同様の装置により現像した所、20
00枚現像後でも装置に対するトナー付着汚れは全く見ら
れなかった。又、得られたオフセツト印刷用マスタープ
レートの画質は鮮明であり、1万枚印刷後の印刷物の画
質も非常に鮮明であつた。
実施例4 ラテツクス粒子の製造例2で得た白色樹脂分散物32
g、実施例1で得たニグロシン分散物2.5g及びジイソブ
チレンと無水マイレン酸の共重合体の半ドコサニルアミ
ド化物0.02gをアイソパーG1に希釈することにより、
液体現像剤を作製した。
これを実施例1と同様の装置により現像した所、2000
枚現像後でも装置に対するトナー付着汚れは、全く見ら
れなかった。又得られたオフセツト印刷用マスタープレ
ートの画質及び1万枚印刷後の印刷物の画質とも鮮明で
あつた。
更にこの現像剤を3カ月間放置した後上記と全く同様
の処理を行なつたが、経時前と全く変わらなかった。
実施例5 ポリ(デシルメタクリレート)10g、アイソパーH30g
及びアルカリブルー8gを、ガラスビーズと共に、ペイン
トシエーカーに入れ、2時間分散を行ないアルカリ・ブ
ルーの微小な分散物を得た。
ラテツクス粒子の製造例3で得られた白色樹脂分散物
30g、上記のアルカリ・ブルー分散物4.2g、及びジイソ
ブチレンと無水マイレン酸の共重合体の半ドコサニルア
ミド化物0.06gをアイソパーG1に希釈することにより
液体現像剤を作製した。
これを実施例1と同様の装置により現像した所、2000
枚現像後でも装置に対するトナー付着汚れは全く見られ
なかった。又、得られたオフセツト印刷用マスタープレ
ートの画質及び1万枚印刷後の印刷物の画質ともに非常
に鮮明であつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気抵抗109Ωcm以上、かつ誘電率3.5以下
    の非水溶媒中に、少なくとも樹脂を分散して成る静電写
    真用液体現像剤において、該分散樹脂粒子が、非水溶媒
    に可溶で、単量体と重合するグラフト基を含有しない樹
    脂の存在下に、非水溶媒には可溶であるが、重合するこ
    とによつて不溶化する一官能性単量体(A)及び下記一
    般式(I)で示される繰返し単位から成る重合体の主鎖
    の一方の末端にのみ下記一般式(II)で示される重合性
    二重結合基を結合して成る数平均分子量が104以下であ
    る一官能性マクロモノマー(B)を、各々少なくとも1
    種含有する溶液を重合反応させることにより得られる共
    重合体樹脂粒子であることを特徴とする静電写真用液体
    現像剤。 一般式(I) 一般式(II) 式(I)中、Xは−COO−、−OCO−、−CH2OCO−、−CH
    2COO−、−O−、−SO2−、 又は を表わす。 (R1は、水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基を表わ
    す)。 Yは、炭素数1〜22の炭化水素基を表わす。 a1及びa2は、互いに同じでも異なってもよく、各々水素
    原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8の炭化水
    素基、−COO−Z又は炭素数1〜8の炭化水素基を介し
    た−COO−Z(Zは炭素数1〜18の炭化水素基を表わ
    す)を表わす。 式(II)中、Vは式(I)中におけるXと同義である。 b1及びb2は、互いに同じでも異なってもよく、各々上記
    a1またはa2と同義である。
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