JPH10298472A - インクジェット式製版印刷版用油性インクおよびそれを用いた製版印刷版の作成方法 - Google Patents

インクジェット式製版印刷版用油性インクおよびそれを用いた製版印刷版の作成方法

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JPH10298472A
JPH10298472A JP12321997A JP12321997A JPH10298472A JP H10298472 A JPH10298472 A JP H10298472A JP 12321997 A JP12321997 A JP 12321997A JP 12321997 A JP12321997 A JP 12321997A JP H10298472 A JPH10298472 A JP H10298472A
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ink
printing plate
oil
same
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JP12321997A
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Eiichi Kato
栄一 加藤
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Fuji Photo Film Co Ltd
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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/36Inkjet printing inks based on non-aqueous solvents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • C09D11/02Printing inks
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 再分散性、保存安定性および耐刷性に優れた
インクジェット式製版印刷版用油性インクおよびこれを
用いた印刷版の作成方法を提供する。 【解決手段】 非水溶媒中に、樹脂粒子が分散された油
性インクを用いたインクジェット方式製版印刷版用油性
インクにおいて、樹脂粒子が、一官能性単量体、一般式
(I)で示される繰返し単位からなる重合体の主鎖の一
方の末端にのみ一般式(II)で示される重合性二重結合
基を結合して成る一官能性マクロモノマー、および一般
式(III)で示される重合成分を主成分とし、かつ重合
体主鎖の一方の末端にのみ一般式(II)で示される重合
性二重結合基を結合して成るマクロモノマーと一官能性
単量体を含有する分散安定用樹脂を含有する溶液を、重
合反応させることにより得られる共重合樹脂粒子であ
る。 は、炭素数8〜22の炭化水素基等を表わす。 は炭素数10〜22のアルキル基等を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット式
製版印刷版に用いる油脂インクおよびそれを用いた製版
印刷版の作成方法に関し、さらに詳細には、再分散性、
保存性、画像の再現性、耐刷性の優れた油性インクおよ
びそれを用いた製版印刷版の作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の事務機器の発達とOA化の進展に
伴い、軽印刷分野において、耐水性支持体上に親水性表
面の画像受理層を有する直描型平版印刷原版に種々の方
法で製版、即ち画像形成を行ない印刷版を作成するオフ
セット平版印刷方式が普及している。
【0003】従来の直描型平版印刷用版材は、耐水化処
理を施した紙、プラスチックフィルムなどからなる支持
体上に、無機顔料、水溶性樹脂および耐水化剤等を含む
画像受容層(ないし画像受理層)を設けたものであり、
このような直描型平版印刷用原版上に親油性インキを用
いて、タイプライターまたは手書きによって親油性画像
を形成するか、あるいは熱転写プリンターでインクリボ
ンから画像を熱溶融転写することで親油性画像を形成す
ることで印刷版とする方法が知られている。
【0004】しかし、このような方法で作成された印刷
版は、画像部の機械的強度が充分でなく、印刷すると容
易に画像部の欠落を生じてしまう。
【0005】他方、インクジェット記録は、低騒音で高
速印字が可能な記録方法であり、最近急速に普及しつつ
ある記録方法である。
【0006】このような、インクジェット記録方式とし
ては、静電誘引力を利用してインクを吐出させる、いわ
ゆる電界制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用してイ
ンクを吐出させる、いわゆるドロップ・オン・デマンド
方式(圧力パルス方式)、さらには高熱によって気泡を
形成し、成長させることによって生じる圧力を利用して
インクを吐出させる、いわゆるバブル(サーマル)方式
等の各種インクジェット方式が提案されており、これら
の方式によりきわめて高精細な画像を得ることができ
る。
【0007】これらのインクジェット記録方式には、主
溶媒として水を用いる水性インクと、主溶媒として有機
溶剤を用いる油性インクとが一般に用いられている。
【0008】また、インクジェット記録方式を用いたイ
ンクジェットプリンターにより、上記直描型平板印刷用
原版を製版することも行われており、このとき分散媒を
水とした水性インクも用いられている。しかしながら、
水性インクでは、版材上の画像に滲みを生じたり、乾燥
が遅いために描画速度が低下するという問題があつた。
このような問題を軽減するために、分散媒を非水溶媒と
した油性インクを用いる方法が特開昭54−11720
3号に開示されている。
【0009】しかし、この方法においても、実際の製版
画質には滲みが見られ、更に印刷してみると滲みが生
じ、また印刷枚数もせいぜい数百枚程度が限度であり不
充分であった。またこのようなインクは、高解像度の製
版画像を可能とする微少インク滴を吐出させるノズルの
目詰まりを生じやすいという問題があった。
【0010】一般に、インクジェット記録方式では、イ
ンクはフィルターを通してからノズルより吐出されるの
で、ノズルの目詰まりやフィルターの目詰まりを起こし
たり、あるいはインクの流動性等が経時的に変化する
等、その他各種の要因によってインクの吐出異常を起こ
しやすい。
【0011】このインクの吐出異常は、水性インク組成
物のみならず、油性インク組成物にも起こる。このよう
なインクの吐出異常を改良するための提案が種々なされ
ており、例えば、油性インク組成物を用いた場合のイン
クの吐出異常を防止するために、電界制御方式のインク
ジェット記録方式については、特開昭49−50935
号公報に記載されているように、インク組成物の粘度お
よび比抵抗を制御する提案がなされ、また、特開昭53
−29808号公報に記載されているように、インク組
成物に使用する溶媒の比誘電率および比抵抗を制御する
提案もなされている。
【0012】また、一般的なインクジェットプリンター
用油性インクによるノズルの目詰まりを防止する試みと
して、例えば、顔料粒子の分散安定性を向上させる方法
(特開平4−25573号公報、同5−25413号公
報、同5−65443号公報等)、インク組成物とし
て、特定の化合物を含有させる方法(特開平3−796
77号公報、同3−64377号公報、同4−2023
86号公報、同7−109431号公報等)等が提案さ
れている。
【0013】しかしながら、何れのものも平板印刷版の
画像形成に用いた場合、印刷時の画像の強度不足で、耐
刷性を満足しうるものは得られていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繰り
返し使用してもインクジェット記録が安定に行われ、そ
して耐刷性に優れた平板印刷版を作成するインクジェッ
ト式製版印刷版の作成方法を提供することである。
【0015】また、本発明の他の目的は、鮮明な画像の
印刷物を多数枚印刷可能とするインクジェット式製版印
刷版を提供することである。
【0016】また、本発明の目的は、再分散性、保存安
定性および耐刷性に優れたインクジェット式製版印刷版
用油性インクを提供することである。
【0017】本発明の目的は、ノズルおよびインク供給
経路で目詰まりせず、インク吐出が安定するインクジェ
ット式製版印刷版用油性インクを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の本発明により達成される。 (1)平板印刷可能な親水性表面を有する耐水性支持体
上に、電気抵抗109 Ωcm以上、かつ誘電率3.5以下
の非水溶媒中に、少なくとも樹脂粒子が分散された油性
インクを、ノズルから液滴状に射出するインクジェット
方式にて画像を形成する製版印刷版用油性インクにおい
て、前記分散された樹脂粒子(PL)が、前記非水溶媒
に可溶であって、重合することにより不溶となる一官能
性単量体(A)の少なくとも一種、下記一般式(I)で
示される繰返し単位からなる重合体の主鎖の一方の末端
にのみ下記一般式(II)で示される重合性二重結合基を
結合して成る重量平均分子量量2×104 以下である一
官能性マクロモノマー(MA)の少なくとも1種、およ
び下記一般式(III )で示される重合成分を主成分と
し、かつ重合体主鎖の一方の末端にのみ上記一般式(I
I)で示されるものと同一内容の重合性二重結合基を結
合して成る重量平均分子量1×103 〜2×104 のマ
クロモノマー(MM)および非水溶媒に重合することに
よって不溶性となる一官能性単量体(M)を各々少なく
とも1種含有する、該非水溶媒にコロイド状に分散して
成る分散安定用樹脂〔P〕を少なくとも1種含有する溶
液を、重合反応させることにより得られる共重合樹脂粒
子(PL)であることを特徴とするインクジェット式製
版印刷版用油性インク。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】一般式(I)中、X0 は−COO−、−O
CO−、−(CH2r COO−、−(CH2r OC
O−、−O−、−SO2 −、−CONHCOO−、−C
ONHCONH−、−COND11−、−SO2 ND
11−、またはフェニレン基を表わす(ここでD11は水素
原子または炭素数1〜22炭化水素基を示し、rは1〜
4の整数を示す)。a1 およびa2 は、互いに同じでも
異なっていてもよく、各々水素原子、ハロゲン原子、シ
アノ基、炭化水素基、−COO−D12、または炭化水素
基を介した−COO−D12を表わす(ここでD12は水素
原子または置換されてもよい炭化水素基を示す)。D0
は、炭素数8〜22の炭化水素基、または下記一般式
(I’)で示される置換基から選ばれる置換基を表わ
す。 一般式(I’) −(A1 −B1m −(A2 −B2
n −D21 一般式(I’)中、D21は水素原子または炭素数1〜2
2の炭化水素基を表わす。B1 およびB2 は、互いに同
じでも異なっていてもよく、各々−O−、−CO−、−
CO2 −、−OCO−、−SO2 −、−N(D22)−、
−CON(D22)−または−N(D22)CO−を表す
(ここでD22は上記D21と同一の内容を示す)。A1
よびA2 は、互いに同じでも異なっていてもよく、各々
置換されていてもよい。または下記化3を主鎖の結合に
介在させてもよい、炭素数1〜18の炭化水素基を表
す。
【0022】
【化7】
【0023】化3中、B3 およびB4 は、互いに同じで
も異なっていてもよく、上記B1 、B2 と同一の内容を
示し、A4 は置換されてもよい炭素数1〜18の炭化水
素基を示し、D23は上記D21と同一の内容を示す。m、
nおよびpは、互いに同じでも異なっていてもよく、各
々0〜4の整数を表す。ただし、m、nおよびpが同時
に0になることはない。一般式(II)中、V1 は−CO
O−、−CONHCOO−、−CONHCONH−、−
CONH−またはフェニレン基を表わす。b1 およびb
2 は、互いに同じでも異なっていてもよく、式(I)中
のa1 、a2 と同一の内容を表わす。
【0024】
【化8】
【0025】一般式(III )中、X1 は、式(I)中の
0 と同一の内容を表す。d1 およびd2 は、互いに同
じでも、異なっていてもよく、式(I)中のa1 、a2
と同一の内容を表す。Q1 は炭素数10〜22のアルキ
ル基またはアルケニル基を表す。 (2)該分散安定用樹脂〔P〕が、該非水溶媒に、平均
粒径0.13μm 以下のコロイド状に分散してなるもの
である上記(1)記載のインクジェット式製版印刷版用
油性インク。 (3)平版印刷可能な親水性表面を有する平版印刷用原
版上に、電気抵抗109Ωcm以上、かつ誘電率3.5以
下の非水担体液に、少なくとも樹脂粒子を分散して成る
油性インクを、ノズルから液滴状に射出してインクジェ
ット方式で画像を形成して平版印刷版とするインクジェ
ット式製版印刷版の作成方法において、上記分散樹脂粒
子が、上記(1)または(2)記載の共重合体樹脂粒子
(PL)である油性インクを用いることを特徴とするイ
ンクジェット式製版印刷版の作成方法。 (4)前記インクジェット方式の画像形成が、静電界を
利用して該油性インクを吐出させる方法であることを特
徴とする上記(3)記載のインクジェット式製版印刷版
の作成方法。 (5)前記平版印刷用原版が、耐水性支持体上に平版印
刷可能な親水性表面を有する画像受理層を設けて成り、
且つ前記耐水性支持体として、少なくとも前記画像受理
層直下の部分が1010Ωcm以下の固有電気抵抗値を有す
る支持体を用いる上記(3)または(4)のいずれかに
記載のインクジェット式製版印刷版の作成方法。 (6)前記耐水性支持体として、支持体全体の固有電気
抵抗値が1010Ωcm以下の支持体を用いる上記(3)〜
(5)のいずれかに記載のインクジェット式製版印刷版
の作成方法。 (7)前記油性インク中に分散されて成る樹脂粒子が、
正電荷もしくは負電荷に荷電されて成る検電性粒子であ
る油性インクを用いる上記(3)〜(6)のいずれかに
記載のインクジェット式製版印刷版の作成方法。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明は、平板印刷用原版上に、油
性インクをインクジェット法で吐出して画像を形成する
ことを特徴とし、用いる油性インクは、分散安定性再分
散性・保存安定性に優れ、また得られた平板印刷版は、
鮮明な画像を多数枚印刷することが可能である。
【0027】以下に本発明に用いられる油性インクにつ
いて説明する。
【0028】本発明に用いる電気抵抗109 Ωcm以上、
かつ誘電率3.5以下の非水溶媒として好ましくは直鎖
状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、
または芳香族炭化水素、およびこれらの炭化水素のハロ
ゲン置換体がある。例えばオクタン、イソオクタン、デ
カン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソ
ドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデ
カン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ア
イソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパー
L(アイソパー;エクソン社の商品名)、シェルゾール
70、シェルゾール71(シェルゾール;シェルオイル
社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤
(アムスコ;スピリッツ社の商品名)等を単独あるいは
混合して用いる。なお、このような非水溶媒の電気抵抗
の上限値は1016Ωcm程度であり、誘電率の下限値は
1.80程度である。
【0029】本発明における最も重要な構成部分である
非水系分散樹脂粒子(PL)(以下、ラテックス粒子と
称することもある)は、非水溶媒において、前記非水溶
媒にコロイド状に分散する分散安定用樹脂(P)の存在
下に、一官能性単量体(A)の少なくとも一種、および
一官能性マイクロモノマー(MA)の少なくとも一種を
重合することによって重合造粒したものである。
【0030】ここで、非水溶媒としては、基本的には、
前記油性インクの担体液に混和するものであれば使用可
能である。
【0031】すなわち、分散樹脂粒子を製造するに際し
て用いる溶媒としては、前記担体液に混和するものであ
ればよく、好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭
化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素およびこれら
のハロゲン置換体等が挙げられる。例えばオクタン、イ
ソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、
ドデカン、イソドデカン、アイソパーE、アイソパー
G、アイソパーH、アイソパーL、シェルゾール70,
シェルゾール71,アムスコOMS、アムスコ460溶
剤等を単独あるいは混合して用いる。
【0032】これらの有機溶媒と共に、混合して使用で
きる溶媒としては、アルコール類(例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチ
ルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、フッ化
アルコール等)、ケトン類(例えば、メチルエチルケト
ン、アセトフェノン、シクロヘキサノン等)、カルボン
酸エステル類(例えば、エチレングリコールモノメチル
エーテルモノアセテート、酢酸エチル、酢酸プロピル、
酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチ
ル、安息香酸エチル等)、エーテル類(例えば、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等)、ハロゲン化炭化水素類(例え
ば、クロロホルム、ジクロロエタン、メチルクロロホル
ム等)等が挙げられる。
【0033】これらの混合して使用する非水溶媒は、重
合造粒後、加熱あるいは減圧下で留去することが望まし
いが、ラテックス粒子分散物として、油性インクに持ち
込まれても、インクの抵抗が109 Ωcm以上という条件
を満足できる範囲であれば問題とならない。
【0034】通常、樹脂分散物製造の段階で担体液と同
様の溶媒を用いる方が好ましく、前述のごとく、直鎖状
もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳
香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
【0035】本発明における一官能性単量体(A)は、
非水溶媒には可溶であるが重合することによって不溶化
する一官能性単量体であればいずれでもよい。具体的に
は、例えば下記一般式(IV)で表される単量体が挙げら
れる。
【0036】
【化9】
【0037】一般式(IV)中、T1 は−COO−、−O
CO−、−CH2 OCO−、−CH2 COO−、−O
−、−CONHCOO−、−CONHOCO−、−SO
2 −、−CON(W1 )−、−SO2 N(W1 )−、ま
たはフェニレン基(以下、フェニレン基を「−Ph−」
と記載する。なお、フェニレン基は1,2−、1,3−
および1,4−フェニレン基を包含する。)を表す。こ
こでW1 は、水素原子または炭素数1〜8の置換されて
いてもよい脂肪族基(たとえば、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、2−クロロエチル基、2−ブロ
モエチル基、2−シアノエチル基、2−ヒドロキシエチ
ル基、ベンジル基、クロロベンジル基、メチルベンジル
基、メトキシベンジル基、フェネチル基、3−フェニル
プロピル基、ジメチルベンジル基、フロロベンジル基、
2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基等)を
表す。
【0038】D3 は水素原子または炭素数1〜6の置換
されてもよい脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、2−クロロエチル基、2,2−
ジクロロエチル基、2,2,2−トリフロロエチル基、
2−ブロモエチル基、2−グリシジルエチル基、2−ヒ
ドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2,3
−ジヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−クロ
ロプロピル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピ
ル基、2−ニトロエチル基、2−メトキシエチル基、2
−メタンスルホニルエチル基、2−エトキシエチル基、
N,N−ジメチルアミノエチル基、N,N−ジエチルア
ミノエチル基、トリメトキシシリルプロピル基、3−ブ
ロモプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、2−フルフ
リルエチル基、2−チェニルエチル基、2−ピリジルエ
チル基、2−モルホリノエチル基、2−カルボキシエチ
ル基、3−カルボキシプロピル基、4−カルボキシブチ
ル基、2−ホスホエチル基、3−スルホプロピル基、4
−スルホブチル基、2−カルボキシアミドエチル基、3
−スルホアミドプロピル基、2−N−メチルカルボキシ
アミドエチル基、シクロペンチル基、クロロシクロヘキ
シル基、ジクロロヘキシル基等)を表す。
【0039】e1 およびe2 は互いに同じでも異なって
もよく、一般式(I)中のa1 、a2 と同一の内容を表
す。
【0040】具体的な一官能性単量体(A)としては、
例えば炭素数1〜6の脂肪族カルボン酸(酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、モノクロロ酢酸、トリフロロプロピオン
酸等)のビニルエステル類あるいはアリルエステル類;
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
マレイン酸等の不飽和カルボン酸の炭素数1〜4の置換
されてもよいアルキルエステル類またはアミド類(アル
キル基として例えばメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、
2−フロロエチル基、トリフロロエチル基、2−ヒドロ
キシエチル基、2−シアノエチル基、2−ニトロエチル
基、2−メトキシエチル基、2−メタンスルホニルエチ
ル基、2−ベンゼンスルホニルエチル基、2−(N,N
−ジメチルアミノ)エチル基、2−(N,N−ジエチル
アミノ)エチル基、2−カルボキシエチル基、2−ホス
ホエチル基、4−カルボキシブチル基、3−スロホプロ
ピル基、4−スルホブチル基、3−クロロプロピル基、
2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル基、2−フルフリ
ルエチル基、2−ピリジニルエチル基、2−チエニルエ
チル基、トリメトキシシリルプロピル基、2−カルボキ
シアミドエチル基等);スチレン誘導体(例えば、スチ
レン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ビニルナ
フタレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモ
スチレン、ビニルベンゼンカルボン酸、ビニルベンゼン
スルホン酸、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチル
スチレン、メトキシメチルスチレン、N,N−ジメチル
アミノメチルスチレン、ビニルベンゼンカルボキシアミ
ド、ビニルベンゼンスルホアミド等);アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の
不飽和カルボン酸;マレイン酸、イタコン酸の環状酸無
水物;アクリロニトリル;メタクリロニトリル;重合性
二重結合基含有のヘテロ環化合物(具体的には、例えば
高分子学会編「高分子データハンドブック−基礎編
−」、p175〜184、培風舘(1986年刊)に記
載の化合物、例えば、N−ビニルピリジン、N−ビニル
イミダゾール、N−ビニルピロリドン、ビニルチオフェ
ン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルオキサゾリン、
ビニルチアゾール、N−ビニルモルホリン等)等が挙げ
られる。
【0041】単量体(A)は2種以上を併用してもよ
い。
【0042】次に、本発明に用いられる一官能性マクロ
モノマー(MA)についてさらに説明する。
【0043】一官能性マクロモノマー(MA)は、下記
一般式(I)で示される繰返し単位からなる重合体の主
鎖の一方の末端にのみ下記一般式(II)で示される重合
性二重結合基を結合してなる重量平均分子量が2×10
4 以下のマクロモノマーである。
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】式(I)中、X0 は−COO−、−OCO
−、−(CH2)r COO−、−(CH2r OCO−、
−O−、−SO2 −、−CONHCOO−、−CONH
CONH−、−COND11−、−SO2 ND11−、また
はフェニレン基(−Ph−)を表わす(ここでD11は水
素原子または炭素数1〜22の炭化水素基を示し、rは
1〜4の整数を示す)。
【0047】a1 およびa2 は、互いに同じでも異なっ
ていてもよく、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ
基、炭化水素基、−COO−D12、または炭化水素基を
介した−COO−D12を表わす(ここでD12は水素原子
または置換されてもよい炭化水素基を示す。
【0048】D0 は炭素数8〜22の炭化水素基、また
は下記一般式(I’)で示される置換基から選ばれる置
換基を表わす。
【0049】一般式(I’) −(A1 −B1m
(A2 −B2n −D21
【0050】一般式(I’)中、D21は水素原子または
炭素数1〜22の炭化水素基を表わす。
【0051】B1 およびB2 は、互いに同じでも異なっ
ていてもよく、各々−O−、−CO−、−CO2 −、−
OCO−、−SO2 −、−N(D22)−、−CON(D
22)−または−N(D22)CO−を表す(ここでD22
上記D21と同一の内容を示す)。
【0052】A1 およびA2 は、互いに同じでも異なっ
ていてもよく、各々置換されていてもよい。または下記
化12を主鎖の結合に介在させてもよい炭素数1〜18
の炭化水素基を表す。
【0053】
【化12】
【0054】化12中、B3 およびB4 は、互いに同じ
でも異なっていてもよく、上記B1、B2 と同一の内容
を示し、A4 は置換されてもよい炭素数1〜18の炭化
水素基を示し、D23は上記D21と同一の内容を示す。
【0055】m、nおよびpは、互いに同じでも異なっ
ていてもよく、各々0〜4の整数を表す。ただし、m、
nおよびpが同時に0となることはない。
【0056】式(II)中、V1 は、−COO−、−CO
NHCO−、−CONHCONH−、−CONH−また
はフェニレン基を表す。
【0057】b1 およびb2 は、互いに同じでも異なっ
ていてもよく、式(I)中のa1 、a2 と同一の内容を
表す。
【0058】一般式(I)および(II)においてa1
2 、X0 、D0 、b1 およびb2に含まれる炭化水素
基は各々示された炭素数(未置換の炭化水素基として
の)を有するが、これら炭化水素基は置換されていても
よい。
【0059】一般式(I)において、X0 で示される置
換基中のD11は水素原子のほか、好ましい炭化水素基と
しては、炭素数1〜22の置換されてもよいアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル
基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコサニル
基、ドコサニル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエ
チル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボニル
エチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピル
基等)、炭素数4〜18の置換されてもよいアルケニル
基(例えば、2−メチル−1−プロペニル基、2−ブテ
ニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニ
ル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキ
セニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基、デセニル
基、ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキサデセニル
基、オクタデセニル基、リノレル基等)、炭素数7〜1
2の置換されてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル
基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチル
メチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、
ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル
基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメト
キシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されてもよい
脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキ
シルエチル基、2−シクロペンチルエチル基等)または
炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族基(例えば、
フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロ
ピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル
基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキ
シフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェ
ニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロ
モフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル
基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニ
ルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセト
アミドフェニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシ
ロイルアミドフェニル基等)が挙げられる。
【0060】X0 が−Ph−(フェニレン基)を表わす
場合、ベンゼン環は、置換基を有してもよい。置換基と
しては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子
等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基
等)等が挙げられる。
【0061】a1 及びa2 は、互いに同じでも異なって
いてもよく、好ましくは水素原子、ハロゲン原子(例え
ば、塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜3
のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基等)、−COO−D13、または−CH2 COO−D13
(D13は、水素原子または炭素数1〜18のアルキル
基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式基もしくはア
リール基を表わし、これらは置換されていてもよく、具
体的には、上記D11について説明したものと同様の内容
を示す)を表わす。
【0062】D0 が炭素数8〜22の炭化水素基を表す
場合、具体的には、上記したD11について説明したもの
と同様の内容を表す。
【0063】D0 が前記一般式(I’)で示される置換
基を表す場合について詳しく説明する。
【0064】A1 およびA2 は、互いに同じでも異なっ
ていてもよく、各々置換されてもよい、または前記化1
0を主鎖の結合に介在させてもよい、炭素数1〜18の
炭化水素基(炭化水素基として、アルキル基、アルケニ
ル基、アラルキル基、脂環式基が挙げられ、具体例とし
てはD11において挙げた具体例と同様の内容が挙げられ
る)を表す。
【0065】A1 およびA2 について更に具体例を挙げ
ると、これらは、−C(D31)(D32)−〔D31,D32
は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子等を表す〕、−
(CH=CH)−、フェニレン基(−Pn−)、シクロ
へキシレン基〔以下、シクロへキシレン基を「−C6
10−」で表し、「−C6 10−」は1,2−シクロへキ
シレン基、1,3−シクロへキシレン基、1,4−シク
ロへキシレン基を包含する〕、前記化12等の原子団の
任意の組み合わせで構成されるものである。
【0066】また、一般式(I)中の結合基: −X0 −(A1 −B1m −(A2 −B2n −D21 において、X0 からD21(すなわち、V0 、A1 、B
1 、A2 、B2 、D21)で構成される連結主鎖は原子数
の総和が8以上から構成されるものが好ましい。ここ
で、A1 ,A2 が前記化10を主鎖の結合に介在させる
炭化水素基の場合における、−B3 −(A4 −B4p
−D23も前記連結主鎖に含まれる。連結主鎖の原子数と
しては、例えば、X0 が−COO−や−CONH−を表
す場合、オキソ基(=O基)や水素原子はその原子数と
して含まれず、連結主鎖を構成する炭素原子、エーテル
型酸素原子、窒素原子はその原子数として含まれる。従
って、−COO−や−CONH−は原子数2として数え
られる。同時に、D21が−C9 19を表す場合、水素原
子はその原子数として含まれず、炭素原子は含まれる。
従って、この場合は原子数9として数えられる。
【0067】以上のような一般式(I)で示される繰り
返し単位において、D0 が前記一般式(I’)で示され
る置換基を表す場合、すなわち、繰り返し単位成分とし
て分子内に少なくとも2以上の特定の極性基を含有する
場合、より具体的には、下記の繰り返し単位を例として
挙げることができる。
【0068】なお、下記式(1)〜(19)中、各記号
は以下の内容を表す。
【0069】r1 :−H、−CH3 、−Clまたは−C
N、 r2 :−Hまたは−CH3 l:2〜10の整数、 p:2〜6の整数、 q:2〜4の整数、 m:1〜12の整数、 n:4〜18の整数、
【0070】
【化13】
【0071】
【化14】
【0072】
【化15】
【0073】本発明に供されるマクロモノマー(MA)
は、上述のように、一般式(I)で示される繰り返し単
位からなる重合体主鎖の一方の末端にのみ、一般式(I
I)で示される重合性二重結合基が、直接結合するか、
あるいは、任意の連結基を介して結合された化学構造を
有するものである。
【0074】式(II)中、V1 は、−COO−、−CO
NHCOO−、−CONHCONH−、−CONH−ま
たはフェニレン基を表す。
【0075】ここでフェニレン基の具体的態度は、式
(I)中のX0 におけるフェニレン基と同一の内容を表
す。
【0076】b1 およびb2 は、互いに同じでも異なっ
ていてもよく、式(I)中のa1 またはa2 と同義であ
り、同一の内容を表す。
【0077】式(II)のb1 およびb2 のいずれか一方
が水素原子であることがより好ましい。
【0078】式(I)成分と式(II)成分を連結する基
としては、炭素−炭素結合(一重結合あるいは二重結
合)、炭素−ヘテロ原子結合(ヘテロ原子としては例え
ば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、ケイ素原子
等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原子団の任意の組
合せで構成されるものである。
【0079】本発明のマクロモノマー(MA)のうち好
ましいものは下記一般式(V)で示される如きものであ
る。
【0080】
【化16】
【0081】一般式(V)中、Z以外は、式(I)およ
び(II)中の各記号と同一の内容を表す。
【0082】Zは、単なる結合または、−C(D41
(D42)−〔D41、D42は、各々独立に、水素原子、ハ
ロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子
等)、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキル基(例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基等を示す〕、−
(CH=CH)−、−C610−(シクロヘキシレン
基)、−Ph−(フェニレン基)、−O−、−S−、−
CO−、−N(D43)−、−COO−、−SO−、−C
ON(D43)−、−SON(D43)−、−NHCOO
−、−NHCONH−、−Si(D43)(D44)−〔D
43、D44は、各々独立に、水素原子、前記Dと同様の内
容を表す炭化水素基を示す〕、下記の化17に示す連結
基等の原子団から選ばれた単独の連結基等の原子団から
選ばれた単独の連結基もしくは任意の組合せで構成され
た連結基を表す。
【0083】
【化17】
【0084】式(V)において、a1 、a2 、b1 、b
2 、X0 およびD0 の各々について、特に好ましい例を
次に示す。
【0085】X0 としては、−COO−、−OCO−、
−O−、−CH2 COO−または−CH2 OCO−が、
0 としては前記のものがすべてが、a1 、a2 、b
1 、b2 としては水素原子またはメチル基が挙げられ
る。
【0086】以下に、一般式(V)中における下記一般
式(II’)で示される部分の具体的な例を示す。しか
し、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0087】
【化18】
【0088】以下において、bは−Hまたは−CH3
を;m1 は1〜12の整数を;n1 は2〜12の整数を
示す。
【0089】
【化19】
【0090】
【化20】
【0091】
【化21】
【0092】
【化22】
【0093】また、本発明に供されるマクロモノマー
(MA)において、一般式(I)で示される繰返し単位
とともに、他の繰返し単位を共重合成分として含有して
もよい。
【0094】他の共重合成分としては、一般式(I)の
繰返し単位に相当する単量体と共重合可能な単量体であ
ればいずれの化合物でもよい。例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、ビ
ニル酢酸、4−ペンテン酸等の不飽和カルボン酸および
これら不飽和カルボン酸のエステル類またはアミド類、
炭素数1〜22の脂肪酸ビニルエステル類あるいはアリ
ルエステル類、ビニルエーテル類、スチレンおよびスチ
レン誘導体、不飽和結合基含有のヘテロ環化合物等が挙
げられる。
【0095】具体的には、例えば前記した単量体(A)
で例示した化合物等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0096】マクロモノマー(MA)の繰返し単位の総
和において、一般式(I)で示される繰返し単位成分
は、全体の60重量%以上含有されていることが好まし
く、より好ましくは80〜100重量%である。
【0097】本発明のマクロモノマー(MA)は重量平
均分子量が1×103 〜2×104のものが好ましく、
3×103 〜1.5×104 がより好ましい。
【0098】各々、上記した所定の範囲内において、分
散樹脂粒子の分散安定性、再分散安定性、保存安定性に
優れた効果を示す。
【0099】本発明のマクロモノマー(MA)は、従来
公知の合成方法によって製造することができる。例え
ば、アニオン重合あるいはカチオン重合によって得ら
れるリビングポリマーの末端に種々の試薬を反応させて
マクロモノマーにする。イオン重合法による方法、分
子中に、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基等の
反応性基を含有した重合開始剤及び/又は連鎖移動剤を
用いて、ラジカル重合して得られる末端反応性基結合の
オリゴマーと種々の試薬を反応させて、マクロモノマー
にするラジカル重合法による方法、重付加あるいは重
縮合反応により得られたオリゴマーに上記ラジカル重合
方法と同様にして、重合性二重結合基を導入する重付加
縮合法による方法等が挙げられる。
【0100】具体的には、P.Dreyfuss &
R.P.Quirk,Encycl.Polym.Sc
i.Eng.,,551(1987)、P,F.Re
mpp & E.Franta,Adv.Polym.
Sci.,58,1(1984)、V.Percec,
Appl.Polym.Sci.,285,95(19
84)、R.Asami,M.TakaRi,Makr
omol.Chem.Suppl.,12,163(1
985)、P.Rempp et al,Makrom
ol.Chem.Suppl.,,3(1984)、
川上雄資「化学工業」38,56(1987)、山下雄
也「高分子」31,988(1982)、小林四郎「高
分子」30,625(1981)、東村敏延「日本接着
協会誌」18,536(1982)、伊藤浩一「高分子
加工」35,262(1986)、東貴四郎,津田隆
「機能材料」1987,No.10,5等の総説及びそ
れに引用の文献・特許等に記載の方法に従って合成する
ことができる。
【0101】上記した分子中に反応性基を含有した重合
開始剤としては、例えば、4,4′−アゾビス(4−シ
アノ吉草酸)、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸
クロライド)、2,2′−アゾビス(2−シアノプロパ
ノール)、2,2′−アゾビス(2−シアノペンタノー
ル)、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒ
ドロキシエチル)プロピオアミド〕、2,2′−アゾビ
ス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチ
ル)エチル〕プロピオアミド)、2,2′−アゾビス
(2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチ
ル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオアミド}、2,
2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)、2,2′−
アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)
−プロピオアミド〕、2,2′−アゾビス〔2−(5−
メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、
2,2′−アゾビス〔2−(4,5,6,7−テトラヒ
ドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパ
ン〕、2,2′−アゾビス〔2−(3,4,5,6−テ
トラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン〕、2,
2′−アゾビス〔2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,
6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン〕、
2,2′−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチ
ル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}、2,
2′−アゾビス〔N−(2−ヒドロキシエチル)−2−
メチル−プロピオンアミジン〕、2,2′−アゾビス
〔N−(4−アミノフェニル)−2−メチルプロピオン
アミジン〕等のアゾビス系化合物が挙げられる。
【0102】又、分子中に特定の反応性基を含有した連
鎖移動剤としては、例えば、該反応性基あるいは該反応
性基に誘導しうる置換基含有のメルカプト化合物(例え
ば、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル
酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロ
ピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプト
プロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、
3−〔N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル〕プ
ロピオン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)アミ
ノ〕プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニ
ル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−
メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタン
スルホン酸、2−メルカプトエタノール、3−メルカプ
ト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−
プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メル
カプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−
メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジ
ノール等)、又は該反応性基あるいは該反応性基に誘導
しうる置換基含有のヨード化アルキル化合物(例えば、
ヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノー
ル、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパン
スルホン酸等)等が挙げられる。好ましくはメルカプト
化合物が挙げられる。
【0103】これらの連鎖移動剤あるいは重合開始剤の
使用量は、各々、全単量体100重量部に対して0.5
〜20重量部であり、好ましくは1〜10重量部であ
る。本発明の分散樹脂は、単量体(A)および一官能性
マクロモノマー(MA)の各々少なくとも1種以上から
なり、重要なことは、これら単量体から合成された樹脂
が非水溶媒に不溶であれば、所望の分散樹脂を得ること
ができる。
【0104】より具体的には、不溶化する単量体(A)
に対して、一官能性マクロモノマー(MA)を0.1〜
20重量%使用することが好ましく、さらには0.3〜
15重量%使用することが好ましい。
【0105】また、本発明の分散樹脂の重量平均分子量
は好ましくは、1×103 〜1×106 であり、より好
ましくは8×103 〜5×105 である。また本発明の
分散樹脂は、その熱物性として、ガラス転移点が15〜
80℃または軟化点38〜120℃の範囲が好ましく、
特にガラス転移点が20〜60℃または軟化点40〜9
0℃の範囲が好ましい。
【0106】以上のような範囲であれば、本発明の油性
インクの分散樹脂粒子の分散安定性、再分散安定性、保
存安定性に優れ、かつ画像形成後の迅速な定着性が良好
で、印刷時にも画像の保持がなされ、高耐刷性を示す。
【0107】非水溶媒中で、単量体を重合して生成した
該溶媒不溶の重合体を安定な樹脂分散物とするために用
いられる本発明の分散安定用樹脂(P)について説明す
る。
【0108】この分散安定用樹脂〔P〕は、主鎖部が該
非水溶媒に不溶性の重合体成分そしてクシ部が一般式
(III )で示される重合体成分を主として含有する該溶
媒に可溶性の重合体成分とから構成されるクシ型共重合
体である。
【0109】該クシ型共重合体の共重合成分としてのマ
クロモノマー(MM)の存在割合は、分散安定用樹脂
〔P〕の全成分に対し、10〜80wt%であり、好ま
しは20〜60wt%である。
【0110】この範囲内において、重合造粒で得られる
樹脂粒子(PL)の平均粒子径が均一に揃い、且つ得ら
れた樹脂粒子の再分散性が著しく向上する。
【0111】本発明のクシ型共重合体である分散安定用
樹脂〔P〕の重量平均分子量(以下「Mw」と略称す
る)は2×104 〜5×105 であり、好ましくは3×
104〜1×105 である。
【0112】また、マクロモノマー(MM)のMwは5
×103 〜2×104 であり、好ましくは7×103
1.5×104 である。
【0113】更に、好ましくは、該樹脂〔P〕は、該非
水溶媒において、コロイド状に分散されて成り、コロイ
ド粒子の平均粒子径は、最大粒子径で0.13μmであ
り、好ましくは0.10μmである。
【0114】以下、本発明の分散安定用樹脂〔P〕中に
含有されるマクロモノマー(MM)についてさらに説明
する。
【0115】式(III )中、X1 は、一般式(I)で示
されるX0 と同一の内容を表す。
【0116】Q1 は炭素数10〜32のアルキル基又は
アルケニル基を表わす。
【0117】d1 及びd2 は、互いに同じでも異なって
もよく、式(I)中のa1 、a2 と同一の内容を表す。
【0118】また該マクロモノマー(MM)の重合体主
鎖の片末端に結合する重合性二重結合基は、前記したマ
クロモノマー(MA)で示される一般式(II)に表され
る基と同一内容のものを表す。
【0119】Q1 は、好ましくは直鎖状でも分岐状でも
よい炭素数10〜22のアルキル基またはアルケニル基
を表し、例えば、デシル基、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル
基、ドコサニル基、エイコサニル基、デセニル基、ドデ
セニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ヘキサ
デセニル基、オクタデセニル基、リノレイル基、ドコセ
ニル基等が挙げられる。
【0120】また、上記重合性二重結合基は、一般式
(I)で示される重合体成分からなる重合体主鎖の片末
端に直接結合してもよいし、連結基を介して結合しても
よい。
【0121】具体的には、マクロモノマー(MA)で記
載した同様のものが挙げられる。
【0122】本発明のマクロモノマー(MM)は、従来
公知の合成方法によって製造することができ、具体的合
成方法としては、前記のマクロモノマー(MA)で記載
のものと同様にして行うことができる。
【0123】連鎖移動剤あるいは重合開始剤の使用量
は、各々、全単量体100重量部に対して0.1〜10
重量部であり、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0124】本発明のクシ型共重合体〔P〕のもう一方
の共重合成分を構成する一官能性単量体(M)について
説明する。
【0125】該単量体(M)は、前記マクロモノマー
(MM)と共重合可能であり、且つ重合することによっ
て、該非水溶媒に不溶性となる化合物であればいずれで
もよい。
【0126】好ましくは、前記した一官能性単量体
(A)で例示した一般式(IV)で示される単量体あるい
は、これと共重合可能な他の単量体が挙げられる。
【0127】単量体(M)は一種類でもあるいは2種類
以上を併用してもよい。
【0128】これら式(IV)以外で示される他の単量体
は、該分散安定用樹脂〔P〕の重合体成分100重量部
中20重量%を越えない範囲である。
【0129】本発明で用いられる分散樹脂粒子(PL)
を製造するには、一般に、前述のような分散安定用樹脂
(P)、単量体(A)およびマクロモノマー(MA)と
を非水溶媒中で過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチル
ニトリル、ブチルリチウム等の重合開始剤の存在下に加
熱重合させればよい。具体的には、分散安定用樹脂
(P)、単量体(A)およびマクロモノマー(MA)の
混合物中に重合開始剤を添加する方法、分散安定用樹
脂(P)を分散した溶液中に、単量体(A)およびマク
ロモノマー(MA)を重合開始剤と共に滴下してゆく方
法、あるいは、分散安定用樹脂(P)全量と単量体
(A)およびマクロモノマー(MA)の一部を含む混合
物中に、重合開始剤と共に残りの単量体(A)およびマ
クロモノマー(MA)を任意に添加する方法、さらに
は、非水溶媒中に、分散安定用樹脂(P)、単量体
(A)およびマクロモノマー(MA)の混合物を、重合
開始剤と共に任意に添加する方法があり、いずれの方法
を用いても製造することができる。
【0130】単量体(A)およびマクロモノマー(M
A)の総量は、非水溶媒100重量部に対して、10〜
100重量部程度であり、好ましくは、10〜80重量
部である。
【0131】分散安定用樹脂(P)は、上記で用いられ
る全単量体100重量部に対して、3〜30重量部であ
り、好ましくは5〜20重量部である。
【0132】重合開始剤の量は全単量体の0.1〜10
重量%が適切である。また、重合温度は40〜180℃
程度であり、好ましくは50〜120℃である。反応時
間は3〜15時間が好ましい。
【0133】反応に用いた非水溶媒中に、前記したアル
コール類、ケトン類、エーテル類、エステル類等の極性
溶媒を併用した場合、あるいは、重合造粒される単量体
(A)の未反応物が残存する場合、該溶媒あるいは単量
体の沸点以上に加温して留去するかあるいは、減圧留去
することによってのぞくことが好ましい。
【0134】以上の如くして本発明により製造された非
水系分散樹脂粒子(PL)は、微細でかつ粒度分布が均
一な粒子として存在する。その平均粒径は、0.15〜
0.8μmであり、好ましくは0.16〜0.4μmで
ある。
【0135】この粒径はCAPA−500(堀場製作所
(株)製商品名)により求めたものである。
【0136】又、本発明の分散樹脂(PL)の分子量は
好ましくは5×103 〜1×106であり、より好まし
くは8×103 〜5×105 である。
【0137】又本発明の分散樹脂は、その熱物性とし
て、ガラス転移点が15℃〜80℃又は軟化点35℃〜
120℃が好ましく、より好ましくはガラス転移点20
℃〜60℃又は軟化点38℃〜90℃である。
【0138】以上の様な範囲内であれば、本発明の油性
インク中の分散樹脂粒子の分散安定性、再分散安定性、
保存安定性に優れ且つ画像形成後の迅速な定着性が良好
で、印刷時にも充分な強度が保たれ高耐刷性を示す。
【0139】又、同時に、非常に安定な分散性を示し、
特に記録装置内において、長く繰り返し使用をしても分
散性が良く、且つ再分散も容易であり装置の各部に付着
し汚れを生じることが全く認められない。
【0140】更には、インク画像形成後の加熱等で迅速
処理で定着すると、容易に平版印刷版用支持体表面に強
固な被膜が形成され良好な定着性を示した。そのことに
より、オフセット印刷においても、多数枚の印刷(高耐
刷性)が可能となる。
【0141】以上の様な効果をもたらす本発明の油性イ
ンクは、本発明によって供される不溶性ラテックスによ
って可能となる。
【0142】即ち、重合体主鎖部分が溶媒に不溶性そし
て、クシ部分が溶媒に可溶性となるクシ型ブロック共重
体の分散安定用樹脂〔P〕は、重合造粒の溶媒中で、コ
ロイド状の微分散の状態で存在し、樹脂粒子となる一官
能性単量体(A)が、重合反応の進行とともに、不溶化
して、粒子を形成する際に、分散安定用樹脂〔P〕の溶
媒不溶性部分と、相互作用して分散粒子を形成すること
から、該樹脂〔P〕が不溶性樹脂粒子(PL)に効率よ
く吸着する。
【0143】樹脂粒子に吸着した樹脂〔P〕は、クシ型
構造をもち、そのクシ部分が非水溶媒に可溶性であるこ
とから非水溶媒への親和性が著しく良好で、吸着した樹
脂〔P〕のクシ部分が分散樹脂粒子界面近傍に存在し、
これにより、粒子界面近傍の親和性が向上し、且つ高分
子鎖であることから、非水系ラテックスの分散安定化と
して公知となっている、いわゆる立体反発効果をもたら
すものと考えられる。
【0144】さらには、分散溶媒と親和性の高い特定の
置換基を含有する繰り返し単位を主成分とするマクロモ
ノマー(MA)を併用して単量体(A)と重合造粒する
ことから、得られた本発明の不溶性樹脂粒子(PL)
は、重合造粒時に不溶化する単量体(A)とマクロモノ
マー(MA)とが共重合するため、中に含有される特定
の置換基部分は、非水系分散重合によって粒子を形成す
ることから、非水溶媒との親和性が良好となるように設
計されている事により、粒子構造の内部にもぐり込んで
いるよりも分散媒との溶媒和性が良好なため、粒子構造
の界面(表面)部分に配向し、その結果として、分散安
定用樹脂〔P〕とともに粒子表面の分散媒との親和性を
向上させて、粒子間の凝集を防止する効果がより一層高
められているものと推定される。
【0145】本発明に供される油性インク中には、前記
の分散樹脂粒子とともに、製版後の版を検版する等のた
めに着色成分として色材を含有させることが好ましい。
【0146】色材としては、従来から油性インク組成物
あるいは静電写真用液体現像剤に用いられている顔料お
よび染料であればどれでも使用可能である。
【0147】顔料としては、無機顔料,有機顔料を問わ
ず、印刷の技術分野で一般に用いられているものを使用
することができる。具体的には、例えば、カーボンブラ
ック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイ
エロー、カドミウムイエロー,チタンイエロー、酸化ク
ロム、ピリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラ
マリンブルー、ブルシアンブルー、コバルトブルー、ア
ゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔
料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、ス
レン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオイ
ンジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、等
の従来公知の顔料を特に限定することなく用いることが
できる。
【0148】染料としては、アゾ染料、金属錯塩染料、
ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、
カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染
料、シアニン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロ
ソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロ
シアニン染料、金属フタロシアニン染料、等の油溶性染
料が好ましい。
【0149】これらの顔料および染料は、単独で用いて
もよいし、適宜組み合わせて使用することも可能である
が、インク全体に対して0.01〜5重量%の範囲で含
有されることが望ましい。
【0150】これらの色材は、分散樹脂粒子とは別に色
材自身を分散粒子として非水溶媒中に分散させてもよい
し、分散樹脂粒子中に含有させてもよい。含有させる場
合の方法の1つとしては、特開昭57−48738号な
どに記載されている如く、分散樹脂物を、好ましい染料
で染色する方法がある。あるいは、他の方法として、特
開昭53−54029号などに開示されている如く、分
散樹脂物と染料を化学的に結合させる方法があり、ある
いは、又、特公昭44−22955号等に記載されてい
る如く、重合造粒法で製造する際に、予め色素を含有し
た単量体を用い、色素含有の共重合体とする方法があ
る。
【0151】本発明の油性インク中の分散樹脂粒子およ
び着色粒子(あるいは色材粒子)は、好ましくは正荷電
または負荷電の検電性粒子である。
【0152】これら粒子に検電性を付与するには、湿式
静電写真用現像剤の技術を適宜利用することで達成可能
である。具体的には、前記の「最近の電子写真現像シス
テムとトナー材料の開発・実用化」139〜148頁、
電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」497〜
505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次「電子
写真」16(No. 2)、44頁(1977年)等に記載
の検電材料および他の添加剤を用いることで行なわれ
る。
【0153】具体的には、例えば、英国特許第8934
29号、同第934038号、米国特許第112239
7号、同第3900412号、同第4606989号、
特公平6−19596号、特公平6−19595号、特
公平6−23865号、特公平4−51023号、特開
平2−13965号、特開昭60−185963号等に
記載されている。
【0154】上述のような荷電調節剤は、担体液体であ
る分散媒1000重量部に対して0.001〜1.0重
量部が好ましい。更に所望により各種添加剤を加えても
よく、それら添加物の総量は、油性インクの電気抵抗に
よってその上限が規制される。即ち、分散粒子を除去し
た状態のインクの電気抵抗が109 Ωcmより低くなる
と良質の連続階調像が得られ難くなるので、各添加物の
添加量を、この限度内でコントロールすることが必要で
ある。
【0155】本発明に用いられる、平版印刷可能な親水
性表面を有する平版印刷用原版は、平版印刷に適した親
水性表面を提供するものであればよく、従来オフセット
印刷版に使用される原版をそのまま用いることができ
る。
【0156】好ましくは、インク画像を受像する画像受
理の表面は、水との接触角が、5度以下、より好ましく
は0度となる親水性表面のものであり、平版印刷版とし
て非画像部へのインク付着汚れが発生しない印刷物が得
られる。
【0157】好ましくは、平版印刷用原版として、耐水
性支持体上に平版印刷可能な親水性表面を有する画像受
理層を設けて成る版材が挙げられる。
【0158】耐水性支持体としては、プラスチックシー
ト、耐刷性を施した紙、アルミニウム板、亜鉛板、銅−
アルミニウム板、銅−ステンレス板、クロム−銅板等の
バイメタル板、クロム−銅−アルミニウム板、クロム−
鉛−鉄板、クロム−銅−ステンレス板等のトライメタル
板等で、その厚さが0.1〜3mm、特に0.1〜1mmの
ものが好ましい。
【0159】また、厚みが80μ〜200μの耐水性処
理を施した紙、プラスチックフィルムあるいは金属泊を
ラミネートした紙またはプラスチックフィルム等が挙げ
られる。
【0160】上記耐水性支持体は、導電性を有するもの
であることが好ましく、少なくともその画像受理層の直
下の部分が1010Ωcm以下の固有電気抵抗値を有するも
のであることが好ましい。上記の固有電気抵抗値は、よ
り好ましくは108 Ωcm以下であり、この抵抗値が小さ
ければ小さい程好ましい。
【0161】紙、フィルム等の基体上に支持体の画像受
理層の直下の部分に上記のような導電性を持たせるに
は、カーボンブラック等の導電性フィラーと結着剤から
なる層を塗布したり、金属箔を貼り付けたり、金属を蒸
着したりする方法があげられる。
【0162】一方、支持体全体が導電性を有するものと
しては、塩化ナトリウムなどを含浸させた導電性紙、カ
ーボンブラック等の導電性フィラーを混入させたプラス
チックフィルム、アルミニウムなどの金属板等があげら
れる。
【0163】導電性が上記の範囲であれば、電界制御式
インクジェット記録において帯電したインク滴が画像受
理層上に付着した際に該インク滴の電荷が速やかに接地
面を通して消失するために、乱れを生じない鮮明な画像
が形成される。
【0164】なお、固有電気抵抗値(体積固有電気抵抗
値または比電気抵抗値とも呼ばれる)の測定はJIS
K−6911に基づきガード電極を設けた3端子法で行
った。
【0165】さらに、本発明では、支持体の画像受理層
に隣接する側の表面の平滑性をベック平滑度で300
(秒/10cc)以上に規制することによって、画像再
現性および耐刷性をさらに向上させることができる。こ
のような向上効果は、画像受理層表面の平滑性が同じで
あっても得られるものであり、支持体表面の平滑性が増
すことで画像部と画像受理層との密着性が向上したため
と考えられる。
【0166】また、該画像受理層表面の平滑性が、ベッ
ク平滑度で好ましくは50(秒/10cc)以上、より
好ましくは80(秒/10cc)以上である。
【0167】画像受理層表面のベック平滑度が50以上
であれば、画像受理層の凹凸の大きさによる形成される
インク画像の欠損、カスレ等が制御される。
【0168】ここで、ベック平滑度とは、ベック平滑度
試験機により測定することができる。ベック平滑度試験
機とは、高度に平滑に仕上げられた中央に穴のある円形
のガラス板上に、試験片を一定圧力(1kg/cm2 )で押
しつけ、減圧下で一定量(10cc)の空気が、ガラス
面と試験片との間を通過するのに要する時間を測定する
ものである。
【0169】さらに、好ましい本発明の平版印刷原版の
作成方法について説明する。
【0170】まず、本発明に供せられる導電性を有する
耐水性支持体について説明する。
【0171】はじめに、支持体全体が導電性を有するも
のについて説明する。
【0172】例えば基体に塩化ナトリウムなどを含浸さ
せた導電性原紙を用い、その両面に耐水性を有する導電
性層を設けることにより得られる。
【0173】本発明において、基体として用いられる原
紙としては、例えば木材パルプ紙、合成パルプ紙、木材
パルプ紙と合成パルプ紙の混抄紙をそのまま用いること
ができる。また原紙の厚さとしては80μm 〜200μ
m が好ましい。
【0174】次に導電層の形成について説明する。
【0175】導電性層の形成は、導電性フィラーと結着
剤を含む層を上記導電性紙の両面に塗布することにより
達成される。塗布される導電性層の厚さは、5μm 〜2
0μm が好ましい。
【0176】導電性フィラーとしては、粒子状のカーボ
ンブラック、グラファイト、例えば銀、銅、ニッケルな
どの金属粉、酸化スズ粉末、フレーク状のアルミまたは
ニッケル、繊維状の炭素、真鍮、アルミ、銅、ステンレ
スなどがあげられる。
【0177】一方、結着剤として使用される樹脂として
は、各種の樹脂が適宜選択して用いられる。具体的に
は、疎水性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、塩化
ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン
系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、
塩化ビニリデン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等が挙げら
れ、親水性樹脂としては例えばポリビニルアルコール系
樹脂、セルロール系誘導体、でんぷんおよびその誘導
体、ポリアクリルアミド系樹脂、スチレン無水マレイン
酸系共重合体等が挙げられる。
【0178】導電性層を形成する他の方法として、導電
性の薄膜をラミネートすることがあげられる。導電性薄
膜としては、例えば金属箔、導電性プラスチックフィル
ムなどを用いることができる。さらに具体的には、金属
箔ラミネート材としてアルミ箔、導電性プラスチックフ
ィルムのラミネート材としては、カーボンブラックを混
入したポリエチレン樹脂などがあげられる。アルミ箔と
しては、硬質および軟質のどちらでも良く、厚みは5μ
m 〜20μm が好ましい。
【0179】カーボンブラックを混入したポリエチレン
樹脂のラミネートは押し出しラミネート法が好ましい。
押し出しラミネート法とは、ポリオレフィンを熱溶融
し、これをフィルムにしてから直ちに原紙に圧着後、冷
却してラミネートする方法であり、種々の装置が知られ
ている。ラミネート層の厚みは、10μm 〜30μm が
好ましい。支持体全体が導電性を有するものとして、基
体として導電性を有するプラスチックフィルムや、金属
板を用いる場合は、耐水性が満たされていればそのまま
で使用できる。
【0180】導電性を有するプラスチックフィルムとし
ては、例えば炭素繊維やカーボンブラック等の導電性フ
ィラーを混入させたポリプロピレン、ポリエステルフィ
ルムなどが、また金属板としては、アルミニウムなどが
使用できる。基体の厚みは80μm 〜200μm が好ま
しい。80μm 未満では印刷版としての強度が不足し、
200μを超えると描画装置内での搬送性などのハンド
リング性が低下する。
【0181】次に、導電性を有する層を設ける構成につ
いて説明する。
【0182】耐水性基体として、厚みが80μ〜200
μの耐水性処理を施した紙、プラスチックフィルムある
いは金属箔をラミネートした紙またはプラスチックフィ
ルム等を用いることができる。
【0183】該基体上に導電性層を形成する方法として
は、上記の支持体全体が導電性を有する場合で述べた方
法が使用できる。すなわち該基体の一つの面に導電性フ
ィラーと結着剤を含む層を厚さ5μm 〜20μm で塗布
する、または金属箔、あるいは導電性を有するプラスチ
ックフィルムをラミネートすることにより得られる。
【0184】上記以外の方法として、例えばプラスチッ
クフィルムにアルミ、スズ、パラジュウム、金などの金
属蒸着膜を設けても良い。
【0185】以上のようにして固有電気抵抗が1010Ω
cm以下の導電性を有する耐水性支持体を得ることができ
る。
【0186】この耐水性支持体上に画像受理層を設け
る。設けられる画像受理層の厚さは5〜50μm の範囲
が適当である。
【0187】画像受理層としては、例えば、水溶性バイ
ンダー、無機顔料および耐水化剤を主成分として構成さ
れる。バインダーとしてはPVA、カルボキシPVAの
ような変性PVA、澱粉およびその誘導体、CMC、ヒ
ドロキシエチルセルロース、カゼイン、ゼラチン、ポリ
ビニルピロリドン、酢酸ビニル〜クロトン酸共重合体、
スチレン〜マレイン酸共重合体等の水溶性樹脂が使用さ
れる。
【0188】耐水化剤としてはグリオキザール、メラミ
ンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂等
のアミノプラストの初期縮合物、メチロール化プロアミ
ド樹脂のような変性ポリアミド樹脂、ポリアミド・ポリ
アミン・エピクロルヒドリン付加物、ポリアミドエピク
ロルヒドリン樹脂、変性ポリアミドポリイミド樹脂等が
挙げられる。無機顔料としてはカオリン、クレー、炭酸
カルシウム、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリ
ウム、アルミナ等が挙げられるが、中でもシリカが好ま
しい。
【0189】その他、画像受理層中には塩化アンモニウ
ム、シランカップリング剤等の架橋触媒を併用できる。
【0190】次に、前記した平板印刷原版(以下「マス
ター」とも称する)上に画像を形成する方法を説明す
る。このような方法を実施する装置系としては例えば図
1に示すものがある。
【0191】図1に示す装置系は油性インクを使用する
インクジェット記録装置1を有するものである。
【0192】図1のように、まず、マスター2に形成す
べき画像(図形や文章)のパターン情報を、コンピュー
タ3のような情報供給源から、パス4のような伝達手段
を通し、油性インクを使用するインクジェット記録装置
1に供給する。記録装置1のインクジェット記録用ヘッ
ド10は、その内部に油性インクを貯え、記録装置1内
にマスター2が通過すると、前記情報に従い、インクの
微小な液滴をマスター2に吹き付ける。これにより、マ
スター2に前記パターンでインクが付着する。
【0193】こうしてマスター2に画像を形成し終え、
製版マスター(製版印刷原版)を得る。
【0194】図1の装置系におけるようなインクジェッ
ト記録装置の構成例を図2および図3に示す。図2およ
び図3では図1と共通する部材は共通の符号を用いて示
している。
【0195】図2はこのようなインクジェット記録装置
の要部を示す概略構成図であり、図3はヘッドの部分断
面図である。
【0196】インクジェット記録装置に備えられている
ヘッド10は、図2、図3に示されるように、上部ユニ
ット101と下部ユニット102とで挟まれたスリット
を有し、その先端は吐出スリット10aとなっており、
スリット内には吐出電極10bが配置され、スリット内
には油性インク11が満たされた状態になっている。
【0197】ヘッド10では、画像のパターン情報のデ
ジタル信号に従って、吐出電極10bに電圧が印加され
る。図2に示されるように、吐出電極10bに対向する
形で対向電極10cが設置されており、対向電極10c
上にはマスター2が設けられている。電圧の印加によ
り、吐出電極10bと、対向電極10cとの間には回路
が形成され、ヘッド10の吐出スリット10aから油性
インク11が吐出され対向電極10cに設けられたマス
ター2上に画像が形成される。
【0198】吐出電極10bの幅は、高画質の画像形
成、例えば印字を行うためにその先端はできるだけ狭い
ことが好ましい。
【0199】例えば油性インクを図3のヘッド10に満
たし、先端が20μm 幅の吐出電極10bを用い、吐出
電極10bと対向電極10cの間隔を1.5mmとして、
この電極間に3KVの電圧を0.1ミリ秒印加すること
で40μm のドットの印字をマスター2上に形成するこ
とができる。
【0200】
【実施例】以下に本発明の分散安定用樹脂の製造例、ラ
テックス粒子の製造例および実施例を示し、本発明の効
果をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0201】マクロモノマー(M)の製造例1:マクロ
モノマーM−1 オクタデシルメタクリレート100g、3−メルカプト
プロピオン酸2gおよびトルエン200gの混合溶液
を、窒素気流下撹拌しながら、温度70℃に加温した。
2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(略称A.
I.B.N.)を1.0g加え4時間反応し、更にA.
I.B.N.を0.5g加え3時間、更にA.I.B.
N.を0.3g加え3時間反応した。次に、この反応溶
液にグリシジルメタクリレート8g、N,N−ジメチル
ドデシルアミン1.0g及びt−ブチルハイドロキノン
0.5gを加え、温度100℃にて、10時間撹拌し
た。冷却後この反応溶液をメタノール2リットル中に再
沈し、白色粉末を82g得た。重合体の重量平均分子量
(Mw)は1×104 であった。(重量平均分子量は、
G.P.C法によるポリスチレン換算値を表わす。以下
同じ)。
【0202】
【化23】
【0203】マクロモノマー(M)の製造例2〜11:
マクロモノマーM−2〜M−11 マクロモノマーの製造例1において、オクタデシルメタ
クリレートのみを下記表1に相当する化合物に代えた他
は、製造例1と同様にして反応してマクロモノマーM−
2〜M−11を合成した。得られた各マクロモノマーの
重量平均分子量は9×103 〜1×104 の範囲であっ
た。
【0204】
【表1】
【0205】マクロモノマー(M)の製造例12:マク
ロモノマーM−12 テトラデシルメタクリレート100g、チオエタノール
2g及びトルエン200gの混合溶液を窒素気流下撹拌
しながら温度70℃に加温した。A.I.B.N.を
1.0g加え4時間反応した。更に、A.I.B.N.
を0.5g加え3時間、その後、更にA.I.B.N.
を0.3g加え3時間反応した。この反応溶液を、室温
に冷却し、2−カルボキシエチルアクリレート8gを加
え、これにジシクロヘキシルカルボジイミド(略称D.
C.C.)を12.7g及び塩化メチレン60gの混合
溶液を1時間で滴下した。t−ブチルハイドロキノン
1.0gを加え、そのまま4時間撹拌した。
【0206】析出した結晶を濾別して得た濾液を、メタ
ノール2リットル中に再沈した。沈澱した油状物をデカ
ンテーションで捕集し、これを塩化メチレン150mlに
溶解し、メタノール1リットル中に再度再沈した。油状
物を捕集し、減圧乾燥して、収量60gで,Mwが8×
103 の重合体を得た。
【0207】
【化24】
【0208】マクロモノマー(M)の製造例13〜1
5:マクロモノマーM−13〜M−15 マクロモノマーM−12の製造例において、メタクリレ
ートモノマー(テトラデシルメタクリレートに相当)及
び不飽和カルボン酸(2−カルボキシエチルメタクリレ
ートに相当)を各々代えて、M−12の製造例と同様に
して、下記表2のマクロモノマーを各々製造した。60
〜70g で得られた各マクロモノマーの重量平均分子量
は7×103 〜9×103 の範囲であった。
【0209】
【表2】
【0210】マクロモノマー(M)の製造例16:マク
ロモノマーM−16 2,3−ジヘキサノイルオキシプロピルメタクリレート
100g、テトラヒドロフラン150g及びイソプロピ
ルアルコール50gの混合溶液を窒素気流下に、温度7
5℃に加温した。4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草
酸)(略称:A.C.V.)を5.0g加え5時間反応
し、更にA.C.V.を1.0g加えて4時間反応し
た。冷却後、反応溶液をメタノール1.5リットル中に
再沈し、油状物をデカンテーションで捕集し、減圧乾燥
した。収量は85gであった。
【0211】この油状物50g、グリシジルメタアクリ
レート15g、N,N−ジメチルドデシルアミン1.0
g、2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−p−ク
レゾール)1.0gおよびトルエン100g の混合物
を、温度100℃で15時間撹拌した。冷却後、この反
応液を石油エーテル1リットル中に再沈し、白色の粉末
63gを得た。重量平均分子量は7×103 であった。
【0212】
【化25】
【0213】分散安定用樹脂〔P〕の製造例1:樹脂P
−1 スチレン30g、マクロモノマーM−1を70gおよび
トルエン200gの混合溶液を窒素気流下撹拌しながら
温度85℃に加温した。2,2′−アゾビス(イソブチ
ロニトリル)(略称A.I.B.N.)を3.0g加え
4時間反応した。更にA.I.B.N.を1.0g加え
て2時間反応し、更にA.I.B.N.を0.5g加え
て2時間反応した。冷却後、メタノール1.5リットル
中にこの混合溶液を再沈し、粉末を濾集後、乾燥して、
白色粉末88gを得た。
【0214】得られた重合体の重量平均分子量(Mwと
略称する)は4.5×104 であった。
【0215】得られた重合体を、溶媒としてアイソパー
H中に分散しレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置L
A−910型(堀場製作所製)を用いて、その粒子径を
測定した所0.05μmであった。
【0216】分散安定用樹脂〔P〕の製造例2〜11:
樹脂P−2〜P−11 分散安定用樹脂〔P〕の製造例1において、スチレン及
びマクロモノマーM−1の代りに下記表3の単量体及び
マクロモノマー(M)を各々用いる他は製造例1と全く
同様に操作して各分散安定用樹脂を製造した。
【0217】各樹脂のMwは4.0×104 〜6×10
4 であった。
【0218】
【表3】
【0219】ラテックス粒子の製造例1:ラテックス粒
子PL−1 分散安定用樹脂P−1を10g、メタクリレート20
g,メチルアクリレート80g、マクロモノマーM−1
1.0g 及びアイソパーHを400gの混合溶液を窒
素気流下撹拌しながら温度65℃に加温した。重合開始
剤として2,2′−アゾビス(イソバレロニトリル)
(略称A.I.V.N.)を1.2g加え、3時間反応
した。次に開始剤を0.8g加え、2時間反応した後、
さらに、開始剤A.I.B.N.0.8g を加え、温度
を85℃に上げ3時間撹拌した。冷却後200メッシュ
のナイロン布を通し、得られた白色分散物は重合率98
%で平均粒径0.20μmのラテックスであった。粒径
はCAPA−500(堀場製作所(株)製)で測定し
た。
【0220】上記白色分散物の一部を遠心分離機(回転
数1×104 r.p.m.、回転時間1時間)にかけ、
沈降した樹脂粒子分を捕集、乾燥し、該樹脂粒子分の重
量平均分子量(Mw)とガラス転移点(Tg)を測定し
たところ、Mwは、2×105 、ガラス転移点:Tgは
26℃であった。
【0221】ラテックス粒子の製造例2〜6:ラテック
ス粒子PL−2〜PL−6 ラテックス粒子の製造例1において、分散安定用樹脂P
−1及び単量体(A)(すなわちメチルメタクリレート
とメチルアクリレート)およびマクロモノマーM−1の
代わりに下記表の化合物を用いた他は、上記製造例1と
同様にしてラテックス粒子を製造した。
【0222】得られた各ラテックス粒子の重合率は95
〜100%で、平均粒径は0.18〜0.25μmの範
囲内で且つ単分散性が良好であった。
【0223】各樹脂粒子のMwは9×104 〜2×10
5 の範囲であった。
【0224】
【表4】
【0225】ラテックス粒子の製造例7:ラテックス粒
子PL−7 分散安定用樹脂P−4を11gとアイソパーHを177
gの混合溶液を、窒素気流下撹拌しながら温度60℃に
加温した。
【0226】メチルメタクリレート30g、メチルアク
リレート70g、マクロモノマーM−6 1.5g、ア
イソパーGを200g及びA.I.V.N.を1.0g
の混合溶液を2時間で滴下し、そのまま2時間撹拌し
た。更にA.I.B.N.を0.5g加えて温度を80
℃に加温して3時間撹拌した。冷却後200メッシュの
ナイロン布を通し、得られた白色分散物は重合率99%
で平均粒径0.22μmのラテックスであった。
【0227】樹脂粒子分のMwは3×105 、Tgは2
7℃であった。
【0228】ラテックス粒子の製造例8〜16:ラテッ
クス粒子PL−8〜PL−16 ラテックス粒子の製造例7において用いた、分散安定用
樹脂P−4、単量体(即ち、メチルメタクリレートとメ
チルアクリレート)マクロモノマーM−6の代わりに、
下記表5に記載の化合物をそれぞれ用いた他は、上記製
造例7と同様にして本発明の樹脂粒子PL−8〜PL−
16を製造した。
【0229】得られた各樹脂粒子の重合率は95〜99
%で、平均粒径は0.18〜0.25μmの範囲内で且
つ単分散性も良好であった。
【0230】
【表5】
【0231】実施例1 <平版印刷用原版の作成> 下記内容の組成物を、ガラスビーズとともに、ペイント
シェーカー(東洋精機(株)製)に入れ、60分間分散
した後、ガラスビーズを濾別し、分散物を得た。
【0232】 ゼラチンの10%水溶液 100g シリカ:サイリシア310(富士シリシア化学(株)製) 8g コロイダルシリカ20%溶液:スノーテックC(日産化学工業(株)製) 37.5g フッ化アルキルエステルFC430(3M社製) 0.8g 硬膜性化合物 0.24g CH2=CHSO2CH2CONH(CH2)3NHCOCH2SO2CH=CH2 水 50g
【0233】厚み100μm のPETフィルムの版面上
に蒸着アルミ層を設けてなる基体のメタルミー100T
S(東洋メタライジング(株)製)を支持体として用
い、この上に上記組成物をワイヤーバーを用いて塗布
し、100℃で10分間乾燥して、塗布量8g/m2の画像
受理層を形成し、平板印刷用原版を得た。
【0234】表面のベック平滑度は、250(秒/10
cc)で、表面の水との接触角は、5度以下であった。
【0235】ただし、表面層の平滑度は、平板印刷用原
版をベック度試験機(熊谷理工(株)製)を用い、空気
容量10ccの条件にてその平滑度(秒/10cc)を測定
した。
【0236】また、表面の接触角は、平板印刷用原版の
表面に蒸留水2μlを乗せ、30秒後の表面接触角
(度)を、表面接触計(CA−D、協和界面化学(株)
製商品名)を用いて測定した。本値が低い程、水への濡
れ性がよく、親水的であることを示す。
【0237】<油性インク(IK−1)の作成>ドデシ
ルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合比;9
5/5重量比)を10g 、アルカリブルー10g 、およ
びアイソパーGの30g をガラスビーズと共にペイント
シェーカー(東京精機(株)製)に入れて4時間分散
し、アルカリブルーの微少な分散物を得た。
【0238】ラテックス粒子の製造例1のラテックス粒
子(PL−1)45g (固体分量として)、上記アルカ
リブルーの分散物を18g 、FOC−1400(日産化
学(株)製、テトラデシルアルコール)20g 、および
オクタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合
体0.08g をアイソパーGの1リットルに希釈するこ
とにより青色油性インクを作成した。
【0239】上記のようにして作成した平版印刷用原版
を用いて、パソコン出力を描画できるグラフテック社製
サーボ・プロターDA8400を改造し、ペン・プロタ
ー部に図2に示したインク吐出ヘッドを装着し、1.5
mmの間隔をおいた対向電極上に設置された平板印刷用原
版に上記内容の油性インク(IK−1)を用いて印字を
行い製版した。なお、製版に際して、印刷用原版の画像
受理層直下のアルミ蒸着層と対向電極を、銀ペーストを
用いて電気的に接続した。続けて、RICOHFUSE
R モデル592(リコー(株)製)を用いて、インク
画像面の表面温度が70℃となるように調整して20秒
間加熱し、画像部を充分に定着した。
【0240】得られた製版物(即ち印刷版)の複写画像
を、光学顕微鏡により200倍の倍率で目視観察したと
ころ、複写画像に問題なく、細線や細文字も良好で、滲
み、欠落、ツブレ等の異常は認められず、かつ非画像部
に汚染も認められなかった。
【0241】この印刷版を、浸し水として、SLM−O
D(三菱製紙(株)製)を水で10倍に希釈した溶液を
用い、印刷機として、オリバー94型((株)桜井製作
所製)を用い、オフセット印刷用墨インクで印刷した。
【0242】その結果、地汚れの発生しない鮮明な画像
の印刷物が3千枚以上得られた。
【0243】次に、上記インクジェットプリンターを用
いて、インク噴射試験を行ったところ、800時間でも
安定したインクの噴射が得られた。
【0244】室温で6ヶ月保存したインクは、凝集物の
発生も見られず、上記と同様の噴射試験を行っても安定
したインクの噴射が得られた。
【0245】また、これらの条件での製版印刷版を、実
際に印刷したところ、地汚れのない鮮明な画像の印刷物
が3千枚以上得られた。
【0246】さらに、インクの再分散性の強制条件下で
の評価を行った。すなわち、上記プリンターに用いた吐
出ヘッドにインクを満たして、取り外し、35℃で3日
間放置した後、吐出ヘッドをアイソパーG中に3分間漬
けた後、軽く撹拌すると、インクIK−1はスリット内
から全て取り除かれた。
【0247】すなわち、放置で吐出ヘッドのスリット先
端部に、流動性の無い状態で付着していたIK−1のイ
ンクは、分散媒との溶媒和により、容易に再分散したこ
とによると考えられる。
【0248】以上のように、本発明の油性インクは、長
時間連続して製版しても、インクの吐出安定性が良好
で、汚れのない鮮明な画像を形成し、かつ印刷版として
印刷しても、高耐刷性を示すものである。
【0249】実施例2〜6および比較例1〜2 〈耐水性支持体の作成〉基体として秤量100g/m2の上
質紙を用い、基体の一方の面に下記組成のバック層用塗
料をワイヤーバーを用いて塗布して、乾燥塗布量12g/
m2のバック層を設けた後、バック層の平滑度が50(秒
/10cc)程度になるようにカレンダー処理を行っ
た。
【0250】 〈バックコート層用塗料〉 ・カオリン(50%水分散液) 200部 ・ポリビニルアルコール水溶液(10%) 60部 ・SBRラテックス(固形分50%、Tg0℃) 100部 ・メラミン樹脂(固形分80%、スミレッツレジンSR−613) 5部
【0251】次いで、基体の他方の面に下記組成のアン
ダー層用塗料A〜G(表1に詳細を示した)をワイヤー
バーを用いて塗布して、乾燥塗布量10g/m2のアンダー
層を設けた後、アンダー層の平滑度は1500(秒/1
0cc)程度になるようにカレンダー処理を行った。こ
のようにして得られた耐水性支持体7種を、表6に示す
ように塗布量A〜Gに対応して、各々支持体サンプルN
o.01〜No.07とした。
【0252】
【表6】
【0253】<アンダー層用塗布> ・カーボンブラック(30%水分散液) ・クレー(50%水分散液) ・SBRラテックス(固形分50%、Tg25℃) ・メラミン樹脂(固形分80%、スミレッツレジンSR
−613)
【0254】上記の各成分を表7に示す組成で混合し、
全体の固形分濃度が25%となるように水を加えてアン
ダー層用塗料A〜Gの塗布液とした。
【0255】1)アンダー層の固有電気抵抗値 アンダー層の固有電気抵抗値の測定は、以下のようにし
て行った。
【0256】アンダー層用塗料A〜Gを、充分に脱脂洗
浄したステンレス板上に各々塗布し、乾燥塗布量10g
/m2の塗膜とした。得られた7種のサンプルについて、
その固有電気抵抗値をJISK−6911に基づきガー
ド電極を設けた3端子法で測定した。結果は表7中に示
した。
【0257】
【表7】
【0258】<平板印刷用原版の作成>次いで支持体サ
ンプルNo.01〜No.07上に、下記組成の分散液
を乾燥後塗布量として6g/m2となるように画像受理層
を設けてそれぞれ平版印刷版用原版を作成した。各原版
の表面の平滑度は、200〜230(秒/10cc)の範
囲にあり、水との接触角は5度以下であった。
【0259】<画像受理層塗布物>下記内容の組成物
を、ガラスビーズとともに、ペイントシェーカー(東洋
精機(株)製)に入れ、60分間分散した後、ガラスビ
ーズを濾別して、分散物を得た。
【0260】 ゼラチンの10%水溶液 100g シリカ:サイリシア310 22g (富士シリシア化学(株)製)平均粒径1.4μm アルミナゾル−520 90g (日産化学工業(株)製)平均粒径10〜20nm フッ化アルキルエステルFC−430 0.3g 硬膜性化合物(K−2) 1.5g CH2=CHSO2(CH2)2O(CH2)2O(CH2)2SO2CH=CH2 水 70g
【0261】以上のように作成した平板印刷用原版の各
サンプルを用いて、パソコン出力を描画できるグラフテ
ック社製サーボ・プロターDA8400を改造し、ペン
・プロッター部に図2に示したインク吐出ヘッドを装着
し、1.5mmの間隔をおいた対向電極上に設置された平
板印刷版用原版に下記内容の油性インク(IK−2)を
用いて印字を行い製版した。製版に際しては、各印刷用
原版サンプルの画像受理層直下に設けられたアンダー層
と対向電極を、銀ペーストを用いて電気的に接続した。
【0262】〈油性インク(IK−2)の作成〉ドデシ
ルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合比;9
5/5重量比)を10g 、ニグロシン10g およびシェ
ルゾール71の30g をガラスビーズとともにペイント
シェーカー(東京精機(株)製)に入れ、4時間分散
し、ニグロシンの微小な分散物を得た。
【0263】ラテックス粒子の製造例6のラテックス粒
子(PL−6)40g (固体分量として)、上記ニグロ
シン分散物を7.5g 、FOC−1400(日産化学
(株)製、テトラデシルアルコール)15g 、およびオ
クタデセン−半マレイン酸オクタデシルアミド共重合体
0.08g をアイソパーGの1リットルに希釈すること
により青色油性インクを作成した。
【0264】次に、上記のように製版した後、全自動印
刷機(AM−2850、エーエム社(株)製商品名)を
用い、湿し水として、SLM−ODを水で15倍に希釈
した溶液を、湿し水受皿部に入れ、オフセット印刷用墨
インクを用い、印刷機に製版物を通して印刷を行った。
【0265】このようにして得られた製版物の描画画像
の画質を以下のようにして評価した。結果を表8に示
す。
【0266】
【表8】
【0267】表8に示した評価項目は、以下のとおりで
ある。
【0268】注1)製版画質 得られた製版物の描画画像を光学顕微鏡により、200
倍の倍率で観察して評価した。表中には◎、○、×で表
示する。 ◎ 描画画像に全く問題がなく、細線や細文字も非
常に良好 ○ 描画画像に問題がなく、細線や細文字も良好 × 細線や細文字に欠落や滲みがあり、不良
【0269】注2)印刷画像 得られた印刷物の画像を上記製版画質と同様の方法で評
価した。
【0270】注3)耐刷性 印刷物の地汚れもしくは画像の欠落が目視で判別できる
までの印刷枚数を調べた。
【0271】表7の固有電気抵抗値を参考にして、表8
の結果について考察する。
【0272】本発明の実施例2〜6は、アンダー層の固
有電気抵抗値が105 〜103 Ωcmと小さい支持体から
なり、画像に全く問題がなく、細線や細文字も非常に良
好である。耐刷性も高い。
【0273】他方固有電気抵抗値が1012〜1011Ωcm
と大きい比較例1と2の原版は、画像が欠けたり、滲ん
だりする。また滲みの結果として描画画像の樹脂層が薄
くなるために耐刷性が低い。
【0274】すなわち、画像受理層直下の支持体アンダ
ー層の導電性が高いほど、製版画質および印刷画質が良
好となることを示している。
【0275】また、インクIK−2について、実施例1
と同様に800時間以上のインク噴射試験および再分散
性強制試験でも、インクIK−1と全く同等以上の性能
を示し良好なものであった。
【0276】実施例7 〈平版印刷用原版の作成〉下記内容の組成物を、ガラス
ビーズとともに、ペイントシェーカー(東洋精機(株)
製)に入れ、60分間分散した後、ガラスビーズを濾別
し、分散物を得た。
【0277】 ゼラチンの10%水溶液 100g シリカ:サイリシア350 25g コロイダルシリカ:スノーテックC 100g ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 2.0g 硬膜性化合物(K−3) 2.2g CH2 =CH−CONH(CH22 N(CH22 NHCOCH=CH2 水 65g
【0278】実施例6で用いた耐水性支持体を用い、こ
の上に上記組成物をワイヤーバーを用いて塗布し、11
0℃で20分間乾燥して、塗布量6g/m2の画像受理層を
形成し、平版印刷用原版を得た。表面層のベック平滑度
は、210(秒/10cc)、水との接触角は5度以下で
あった。
【0279】この印刷原版と下記内容の油性インク(I
K−3)とを用いて、実施例6と同様にして、製版し、
印刷版とし、オフセット印刷を行った。
【0280】<油性インク(IK−3)の作成> <油性インク(IK−3)>ラテックス粒子の製造例1
1で得られた白色分散物(PL−11)500g および
スミカロンブラック7.5g の混合物を、温度100℃
に加温し、6時間加熱撹拌した。室温に冷却後200メ
ッシュのナイロン布を通し、残存した染料を除去するこ
とで、平均粒径0.20μm の黒色の樹脂分散物を得
た。
【0281】上記黒色樹脂分散物250g 、下記構造の
荷電調節材(CD−3)0.10g、FOC−1600
(日産化学(株)製、ヘキサデシルアルコール)10g
をアイソパーGの1リットルに希釈することにより、黒
色油性インクを作成した。
【0282】
【化26】
【0283】得られた印刷物は、実施例6の印刷版と同
様に、非画像部の汚れの無い鮮明な画質のものであり、
耐刷性3千枚以上と良好なものであった。
【0284】また、油性インクIK−3について実施例
1と同様に、800時間のインク噴射試験および再分散
性強制試験でも良好なものであった。
【0285】実施例8〜21 実施例1において油性インク(IK−1)の代わりに、
下記表の油性インクを用いた他は、実施例1と同様にし
て製版・印刷を行った。油性インクは油性インク(IK
−1)において樹脂粒子(PL−1)の代わりに下記表
9の樹脂粒子(PL)を45g (固体分量として)用い
る他は同様にして作成したものである。
【0286】
【表9】
【0287】各版とも、実施例1の印刷版と同等の画質
のものが得られることが分かり、かつ耐刷性も3千枚以
上であった。
【0288】また、実施例1と同様に800時間以上の
インク噴射試験および再分散性強制試験でも良好なもの
であった。
【0289】実施例22 実施例1において油性インク(IK−1)の代わりに、
下記内容の油性インク(IK−18)を用いるほかは、
実施例2と同様にして製版・印刷を行った。
【0290】<油性インク(IK−18)>ラテックス
粒子の製造例2で得られた白色分散物(PL−2)30
0g およびビクトリアブルーB 5g の混合物を、温度
100℃に加温し、4時間加熱撹拌した。室温に冷却後
200メッシュのナイロン布を通し、残存した染料を除
去することで、平均粒径0.22μm の青色の樹脂分散
物を得た。
【0291】上記青色の樹脂分散物260g 、ナフテン
酸ジルコニウム0.15g 、FOC−1600(日産化
学(株)製、ヘキサデシルアルコール)10g をシェル
ゾール71の1リットルに希釈することにより、青色油
性インクを作成した。
【0292】得られた印刷物は、実施例1の印刷版と同
様に、非画像部の汚れの無い鮮明な画質のものであり、
耐刷性3千枚以上と良好なものであった。
【0293】また、実施例1と同様に、800時間以上
のインク噴射試験および再分散性強制試験でも、インク
IK−1と全く同等の性能を示し良好なものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる装置系の一例を示す概略構成図
である。
【図2】本発明に用いるインクジェット記録装置の要部
を示す概略構成図である。
【図3】本発明に用いるインクジェット記録装置のヘッ
ドの部分断面図である。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置 2 マスター 3 コンピューター 4 パス 10 ヘッド 10a 吐出スリット 10b 吐出電極 10c 対向電極 11 油性インク 101 上部ユニット 102 下部ユニット

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板印刷可能な親水性表面を有する耐水
    性支持体上に、電気抵抗109 Ωcm以上、かつ誘電率
    3.5以下の非水溶媒中に、少なくとも樹脂粒子が分散
    された油性インクを、ノズルから液滴状に射出するイン
    クジェット方式にて画像を形成する製版印刷版用油性イ
    ンクにおいて、 前記分散された樹脂粒子(PL)が、前記非水溶媒に可
    溶であって、重合することにより不溶となる一官能性単
    量体(A)の少なくとも一種、 下記一般式(I)で示される繰返し単位からなる重合体
    の主鎖の一方の末端にのみ下記一般式(II)で示される
    重合性二重結合基を結合して成る重量平均分子量量2×
    104 以下である一官能性マクロモノマー(MA)の少
    なくとも1種、 および下記一般式(III )で示される重合成分を主成分
    とし、かつ重合体主鎖の一方の末端にのみ上記一般式
    (II)で示されるものと同一内容の重合性二重結合基を
    結合して成る重量平均分子量1×103 〜2×104
    マクロモノマー(MM)および非水溶媒に重合すること
    によって不溶性となる一官能性単量体(M)を各々少な
    くとも1種含有する、該非水溶媒にコロイド状に分散し
    て成る分散安定用樹脂〔P〕を少なくとも1種含有する
    溶液を、重合反応させることにより得られる共重合樹脂
    粒子(PL)であることを特徴とするインクジェット式
    製版印刷版用油性インク。 【化1】 【化2】 一般式(I)中、X0 は−COO−、−OCO−、−
    (CH2r COO−、−(CH2r OCO−、−O
    −、−SO2 −、−CONHCOO−、−CONHCO
    NH−、−COND11−、−SO2 ND11−、またはフ
    ェニレン基を表わす(ここでD11は水素原子または炭素
    数1〜22炭化水素基を示し、rは1〜4の整数を示
    す)。a1 およびa2 は、互いに同じでも異なっていて
    もよく、各々水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭化
    水素基、−COO−D12、または炭化水素基を介した−
    COO−D12を表わす(ここでD12は水素原子または置
    換されてもよい炭化水素基を示す)。D0 は、炭素数8
    〜22の炭化水素基、または下記一般式(I’)で示さ
    れる置換基から選ばれる置換基を表わす。 一般式(I’) −(A1 −B1m −(A2 −B2
    n −D21 一般式(I’)中、D21は水素原子または炭素数1〜2
    2の炭化水素基を表わす。B1 およびB2 は、互いに同
    じでも異なっていてもよく、各々−O−、−CO−、−
    CO2 −、−OCO−、−SO2 −、−N(D22)−、
    −CON(D22)−または−N(D22)CO−を表す
    (ここでD22は上記D21と同一の内容を示す)。A1
    よびA2 は、互いに同じでも異なっていてもよく、各々
    置換されていてもよい。または下記化3を主鎖の結合に
    介在させてもよい、炭素数1〜18の炭化水素基を表
    す。 【化3】 化3中、B3 およびB4 は、互いに同じでも異なってい
    てもよく、上記B1 、B2 と同一の内容を示し、A4
    置換されてもよい炭素数1〜18の炭化水素基を示し、
    23は上記D21と同一の内容を示す。m、nおよびp
    は、互いに同じでも異なっていてもよく、各々0〜4の
    整数を表す。ただし、m、nおよびpが同時に0になる
    ことはない。一般式(II)中、V1 は−COO−、−C
    ONHCOO−、−CONHCONH−、−CONH−
    またはフェニレン基を表わす。b1 およびb2 は、互い
    に同じでも異なっていてもよく、式(I)中のa1 、a
    2 と同一の内容を表わす。 【化4】 一般式(III )中、X1 は、式(I)中のX0 と同一の
    内容を表す。d1 およびd2 は、互いに同じでも、異な
    っていてもよく、式(I)中のa1 、a2 と同一の内容
    を表す。Q1 は炭素数10〜22のアルキル基またはア
    ルケニル基を表す。
  2. 【請求項2】 該分散安定用樹脂〔P〕が、該非水溶媒
    に、平均粒径0.13μm 以下のコロイド状に分散して
    なるものである請求項1記載のインクジェット式製版印
    刷版用油性インク。
  3. 【請求項3】 平版印刷可能な親水性表面を有する平版
    印刷用原版上に、電気抵抗109 Ωcm以上、かつ誘電率
    3.5以下の非水担体液に、少なくとも樹脂粒子を分散
    して成る油性インクを、ノズルから液滴状に射出してイ
    ンクジェット方式で画像を形成して平版印刷版とするイ
    ンクジェット式製版印刷版の作成方法において、上記分
    散樹脂粒子が、請求項1または2記載の共重合体樹脂粒
    子(PL)である油性インクを用いることを特徴とする
    インクジェット式製版印刷版の作成方法。
  4. 【請求項4】 前記インクジェット方式の画像形成が、
    静電界を利用して該油性インクを吐出させる方法である
    ことを特徴とする請求項3記載のインクジェット式製版
    印刷版の作成方法。
  5. 【請求項5】 前記平版印刷用原版が、耐水性支持体上
    に平版印刷可能な親水性表面を有する画像受理層を設け
    て成り、且つ前記耐水性支持体として、少なくとも前記
    画像受理層直下の部分が1010Ωcm以下の固有電気抵抗
    値を有する支持体を用いる請求項3または4のいずれか
    に記載のインクジェット式製版印刷版の作成方法。
  6. 【請求項6】 前記耐水性支持体として、支持体全体の
    固有電気抵抗値が1010Ωcm以下の支持体を用いる請求
    項3〜5のいずれかに記載のインクジェット式製版印刷
    版の作成方法。
  7. 【請求項7】 前記油性インク中に分散されて成る樹脂
    粒子が、正電荷もしくは負電荷に荷電されて成る検電性
    粒子である油性インクを用いる請求項3〜6のいずれか
    に記載のインクジェット式製版印刷版の作成方法。
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