JP2640160B2 - 静電写真用液体現像剤 - Google Patents

静電写真用液体現像剤

Info

Publication number
JP2640160B2
JP2640160B2 JP2118533A JP11853390A JP2640160B2 JP 2640160 B2 JP2640160 B2 JP 2640160B2 JP 2118533 A JP2118533 A JP 2118533A JP 11853390 A JP11853390 A JP 11853390A JP 2640160 B2 JP2640160 B2 JP 2640160B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin
carbon atoms
dispersion
monomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2118533A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0415661A (ja
Inventor
栄一 加藤
英行 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2118533A priority Critical patent/JP2640160B2/ja
Priority to US07/697,179 priority patent/US5141835A/en
Priority to DE69120725T priority patent/DE69120725T2/de
Priority to EP91304132A priority patent/EP0456477B1/en
Publication of JPH0415661A publication Critical patent/JPH0415661A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2640160B2 publication Critical patent/JP2640160B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Developers In Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電気抵抗109Ωcm以上、誘電率3.5以下の担体
液に少なくとも樹脂を分散してなる静電写真用液体現像
剤に関するものであり、特に再分散性、保存性、安定
性、画像の再現性、定着性の優れた液体現像剤に関す
る。
(従来の技術) 一般に電子写真用液体現像剤はカーボンブラック、ニ
グロシン、フタロシタニンブルー等の有機又は無機の顔
料あるいは染料とアルキッド樹脂、アクリル樹脂、ロジ
ン、合成ゴム等の天然又は合成樹脂を石油系脂肪族炭化
水素のような高絶縁性・低誘電率の液体中に分散し、更
に金属セッケン、レシチン、アマニ油、高級脂肪酸、ビ
ニルピロリドンを含有するポリマーなどの極性制御剤を
加えたものである。
このような現像剤中では樹脂は不溶性ラレックス粒子
として直径数nm〜数百nmの粒子状に分散されているが、
従来の液体現像剤においては可溶性分散安定用樹脂や極
性制御剤と不溶性ラテックス粒子との結合が不充分な為
に可溶性分散安定用樹脂及び極性制御剤が溶液中に拡散
し易い状態にあった。この為、長期間の保存や繰り返し
使用によって可溶性分散安定用樹脂が不溶性ラテックス
粒子から脱離し、粒子が沈降、凝集、堆積したり、極性
が不明瞭になる、という欠点があった。又、一度凝集、
堆積した粒子は再分散しにくいので現像機の随所に粒子
が付着したままとなり、画像部の汚れや送液ポンプの目
づまり等の現像機の故障にもつながっていた。
これらの欠点を改良する為に可溶性分散安定用樹脂と
不溶性ラテックス粒子を化学的に結合せしめる手段が考
案され、米国特許第3,990,980号等に開示されている。
しかしながら、これらの液体現像剤は、粒子の自然沈降
に対する分散安定性はある程度良化しているもののまだ
充分でなく、実際の現像装置に入れて使用した場合に装
置各部に付着したトナーは塗膜状に固化し、再分散が困
難であるとともに更には装置の故障、複写画像の汚れ等
の原因となるなど実用可能となる再分散安定性には不充
分であるという欠点があった。又上記に記載された樹脂
粒子の製造方法では、粒度分布が狭い単分散の粒子を作
製するためには、使用する分散安定剤と、不溶化する単
量体との組合せに著しい制約があり、概して粗大粒子を
多量に含む粒度分布の広い粒子となったりあるいは平均
粒径が2つ以上存在する多分散粒子となった。又、粒度
分布の狭い単分散の粒子で所望の平均粒径を得ることが
困難で、1μm以上の大粒子あるいは0.1μm以下の非
常に微細な粒子を形成した。更には使用する分散安定剤
は、煩雑且つ長時間を要する製造工程を経て製造しなけ
ればならない等の問題があった。
更に、上記の欠点を改良するために、不溶化する単量
体と、長鎖アルキル部分を含有した単量体あるいは極性
成分を2種以上含有した単量体との共重合体の不溶性分
散樹脂粒子とすることで粒子の分散度、再分散性、保存
安定性を改良する方法が、特開昭60-179751号、同62-15
1868号等に開示されている。また、二官能性モノマーを
利用したポリマーもしくは高分子反応を利用したポリマ
ーの存在下に、不溶化する単量体と、長鎖アルキル部分
を含有した単量体との共重合体の不溶性分散樹脂粒子と
することで粒子の分散度、再分散性保存安定性を改良す
る方法が、特開昭62-166362号、同63-66567号等に開示
されている。
(発明が解決しようとする課題) 一方、近年、電子写真方式によるオフセット印刷用マ
スタープレート用いて、5000枚以上の多数枚を印刷する
方法が試みられ、特にマスタープレートの改良が進めら
れ、大版サイズで1万枚以上印刷することが可能となっ
てきた。又、電子写真製版システムの操作時間の短縮化
も進み、現像−定着工程の迅速化の改良が行なわれてい
る。
前記特開昭60-179751号、同62-151868号、同62-16636
2号、同63-66567号に開示されている手段に従って製造
された分散樹脂粒子は、現像スピードが上昇した場合、
粒子の分散性、再分散性の点で、また定着時間が短縮さ
れた場合もしくは大版サイズ(例えば、A−3サイズ以
上)のマスタープレートの場合、耐刷性の点で各々いま
だ必ずしも満足すべき性能ではなかった。
本発明は、以上の様な従来の液体現像剤の有する課題
を解決するものである。
本発明の目的は、現像−定着工程が迅速化され且つ大
版サイズのマスタープレートを用いる電子写真製版シス
テムにおいても、分散の安定性、再分散性及び定着性に
優れた液体現像剤を提供することである。
本発明の他の目的は、優れた印刷インク感脂性と耐刷
性を有するオフセット印刷用原版の電子写真法による作
成を可能にする液体現像剤を提供することである。
本発明の他の目的は、前記用途に加えて各種静電写真
用及び各種転写用として適切な液体現像剤を提供するこ
とである。
本発明の更に他の目的は、インクジェット記録、陰極
線管記録及び圧力変化あるいは静電変化等の各種変化工
程の記録の様な液体現像剤が使用できるあらゆる系にお
いて使用可能な液体現像剤を提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明の上記諸目的は、電気抵抗109Ωcm以上、かつ
誘電率3.5以下の非水溶媒中に、少なくとも樹脂を分散
して成る静電写真用液体現像剤において、該分散樹脂粒
子が、 該非水溶媒には可溶であるが、重合することによって
不溶化する一官能性単量体(A)及び ホスホノ基、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ
ル基、ホルミル基、カルボキシアミド基、スルホアミド
基、アミノ基、 (R11は−R12基又は−OR12基を示し、R12は炭化水素基
を示す)、環状酸無水物含有基から選択される少なくと
も1種の極性基を含有する重合体成分及び/又は該一官
能性単量体(A)に相当する重合体成分を含有するAブ
ロックと下記一般式(I)で示される重合体成分を少な
くとも含有するBブロックとから構成されるA−Bブロ
ック共重合体を形成し、Bブロックの重合体主鎖の末端
に重合性二重結合基を結合して成る重量平均分子量1×
103〜2×104の一官能性マクロモノマー(M)、及び下
記一般式(II)で示される単量体(B)とを各々少なく
とも1種含有した共重合体で該非水溶媒可溶性の分散安
定用樹脂 を各々少なくとも1種含有する溶液を重合反応させるこ
とにより得られる樹脂粒子であることを特徴とする静電
写真用液体現像剤によって達成される。
一般式(I) 式(I)中、V0は−COO−、−OCO−、 (l1、l2は1〜3の整数を表わす)、−O−、−SO2
−CO−、 −CONHCOO−、−CONHCONH−、又は を表わす(ここでR13は水素原子又は炭化水素基を表わ
す)。
R0は炭化水素基を表わす。
a1及びa2は、互いに同じでも異なってもよく、各々水
素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8の炭化
水素基、−COO−Z1又は炭素数1〜8の炭化水素基を介
した−COO−Z1(ここでZ1は水素原子又は炭素数1〜22
の炭化水素基を表わす)を表わす。
一般式(II) 式(II)中、V1は、−COO−、−OCO−、 (l3、l4は1〜3の整数を表わす)、又は−O−を表わ
す。
R1は炭素数8以上の脂肪族基を表わす。
b1、b2は、同じでも異なってもよく、各々水素原子、
ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を表わす。
以下、本発明の液体現像剤について詳細に説明する。
本発明に用いる電気抵抗109Ωcm以上、かつ誘電率3.5
以下の担体液として好ましくは直鎖状もしくは分枝状の
脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、又は芳香族炭化水
素、及びこれらのハロゲン置換体を用いることができ
る。例えば、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデ
カン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シ
クロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーE、
アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイソパ
ー;エクソン社の商品名)、シエルゾール70、シエルゾ
ール71(シエルゾール;シエルオイル社の商品名)、ア
ムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ;スピリッツ社
の商品名)等を単独あるいは混合して用いる。
本発明における最も重要な構成成分である非水系分散
樹脂粒子(以下、ラテックス粒子と称することもある)
は、非水溶媒において、本発明のグラフト型共重合体で
ある分散安定用樹脂の存在下に、単量体(A)を重合す
ること(いわゆる、重合造粒法)によって製造したもの
である。
ここで、非水溶媒としては、基本的には、前記静電写
真用液体現像剤の担体液に混和するものであれば使用可
能である。
即ち、分散樹脂粒子を製造するに際して用いる溶媒と
しては、前記担体液に混和するものであればよく、好ま
しくは直鎖状又は分枝状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化
水素、芳香族炭化水素及びこれらのハロゲン置換体等が
挙げられる。例えば、ヘキサン、オクタン、イソオクタ
ン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカ
ン、イソドデカン、イソパラフィン系の石油溶剤である
アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパ
ーL、シエルゾール70、シエルゾール71、アムスコOM
S、アムスコ460溶剤等を単独あるいは混合して用いる。
これらの有機溶媒とともに、混合して使用できる溶媒
としては、アルコール類(例えば、メチルアルコール、
エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコ
ール、フッ化アルコール等)、ケトン類(例えば、アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、カ
ルボン酸エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酢酸メチ
ル、プロピオン酸エチル等)、エーテル類(例えば、ジ
エチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等)、ハロゲン化炭化水素類(例え
ば、メチレンジクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、
ジクロロエタン、メチルクロロホルム等)等が挙げられ
る。
これらの混合して使用する非水溶媒は、重合造粒後、
加熱、あるいは減圧下で留去することが望ましいが、ラ
テックス粒子分散物として、液体現像剤に持ちこまれて
も、現像液の液抵抗が109Ωcm以上という条件を満足で
きる範囲であれば問題とならない。
通常、樹脂分散物製造の段階で担体液と同様の溶媒を
用いる方法が好ましく、前述の如く、直鎖状又は分枝状
の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、
ハロゲン化炭化水素などが挙げられる。
本発明における単量体(A)としては、非水溶媒には
可溶であるが重合することによって不溶化する一官能性
単量体であればいずれでもよい。具体的には、例えば一
般式(III)で表わされる単量体が挙げられる。
一般式(III) 式(III)中、V2は−COO−、−OCO−、−CH2OCO−、
−CH2COO−、−O−、−CONHCOO−、−CONHOCO−、−SO
2−、 を表わす。ここでD1は、水素原子又は炭素数1〜8の置
換されてもよい脂肪族基(例えば、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、2−クロロエチル基、2−
ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−ヒドロキシ
エチル基、ベンジル基、クロロベンジル基、メチルベン
ジル基、メトキシベンジル基、フェネチル基、3−フェ
ニルプロピル基、ジメチルベンジル基、フロロベンジル
基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基
等)を表わす。
R2は水素原子又は炭素数1〜6の置換されてもよい脂
肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、2−クロロエチル基、2,2−ジクロロエチル
基、2,2,2−トリフロロエチル基、2−ブロモエチル
基、2−グリシジルエチル基、2−ヒドロキシエチル
基、2−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプ
ロピル基、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル基、2
−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、2−ニトロ
エチル基、2−メトキシエチル基、2−メタンスルホニ
ルエチル基、2−エトキシエチル基、N,N−ジメチルア
ミノエチル基、N,N−ジエチルアミノエチル基、トリメ
トキシシリルプロピル基、3−ブロモプロピル基、4−
ヒドロキシブチル基、2−フルフリルエチル基、2−チ
エニルエチル基、2−ピリジルエチル基、2−モルホリ
ノエチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシ
プロピル基、4−カルボキシブチル基、2−ホスホエチ
ル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、2
−カルボキシアミドエチル基、3−スルホアミドプロピ
ル基、2−N−メチルカルボキシアミドエチル基、シク
ロペンチル基、クロロシクロヘキシル基、ジクロロヘキ
シル基等)を表わす。
d1及びd2は互いに同じでも異なってもよく、各々前記
一般式(I)におけるa1またはa2と同一の内容を表わ
す。
具体的な単量体(A)としては、例えば、炭素数1〜
6の脂肪族カルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、モ
ノクロロ酢酸、トリフロロプロピオン酸等)のビニルエ
ステル類あるいはアリルエステル類;アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸等の不
飽和カルボン酸の炭素数1〜4の置換されてもよいアル
キルエステル類又はアミド類(アルキル基として例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−クロ
ロエチル基、2−ブロモエチル基、2−フロロエチル
基、トリフロロエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2
−シアノエチル基、2−ニトロエチル基、2−メトキシ
エチル基、2−メタンスルホニルエチル基、2−ベンゼ
ンスルホニルエチル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)
エチル基、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル基、2
−カルボキシエチル基、2−ホスホエチル基、4−カル
ボキシブチル基、3−スロホプロピル基、4−スルホブ
チル基、3−クロロプロピル基、2−ヒドロキシ−3−
クロロプロピル基、2−フルフリルエチル基、2−ピリ
ジニルエチル基、2−チエニルエチル基、トリメトキシ
シリルプロピル基、2−カルボキシアミドエチル基
等);スチレン誘導体(例えば、スチレン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、クロロ
スチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ビニル
ベンゼンカルボン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、クロ
ロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、メトキ
シメチルスチレン、N,N−ジメチルアミノメチルスチレ
ン、ビニルベンゼンカルボキシアミド、ビニルベンゼン
スルホアミド等);アクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸;
マレイン酸、イタコン酸の環状酸無水物;アクリロニト
リル;メタクリロニトリル;重合性二重結合基含有のヘ
テロ環化合物(具体的には、例えば、高分子学会編「高
分子データハンドブック−基礎編−」、p175〜184、培
風舘(1986年刊)に記載の化合物、例えば、N−ビニル
ピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリ
ドン、ビニルチオフェン、ビニルテトラヒドロフラン、
ビニルオキサゾリン、ビニルチアゾール、N−ビニルモ
ルホリン等)等が挙げられる。
単量体(A)は二種以上を併用してもよい。
本発明に供される分散安定用樹脂は、 A−B型ブロ
ック共重合体成分より構成される一官能性マクロモノマ
ー(M)と一般式(II)で示される単量体とを各々少な
くとも1種以上含有して重合されたグラフト型共重合体
で、該非水溶媒に可溶性である事を特徴とする。
特にグラフト型共重合体のグラフト部において、グラ
フト型共重合体主鎖から離れたブロック部(すなわち、
Aブロック)が、前記した特定の極性基(−COOH基、−
PO3H2基、−SO3H基、−OH基、 カルボキシアミド基、スルホアミド基、ホルミル基、ア
ミノ基、環状酸無水物含有基)から選ばれた少なくとも
1種の極性基を含有する重合体成分及び/又は該不溶化
する単量体(A)と同一の単量体に相当する重合体成分
により構成されることを特徴とする。
該グラフト型共重合体の重量平均分子量は1.5×104
3×105であり、好ましくは2×104〜1×105である。
重量平均分子量が1.5×104未満や3×105を超える場
合には、いずれも、重合造粒で得られる樹脂粒子の平均
粒径が粗大化あるいは粒子径の分布が巾広くなり、単分
散性が損なわれたり、更には分散物とならず凝集物とな
ってしまう。
該グラフト型共重合体の共重合成分としての一官能性
マクロモノマー(M)の存在割合は、1重量%〜60重量
%であり、好ましくは5重量%〜40重量%である。この
割合が1重量%未満になると、グラフト部の数が著しく
少なくなる事であり、従来のランダム共重合体と同様な
化学構造になってしまい、本発明の効果である再分散性
向上が見られなくなってしまう。一方その割合が60重量
%を超えると、一般式(II)で示される単量体との共重
合性が充分でなくなってしまう。
又、他の共重合成分である一般式(II)で示される単
量体(B)の該グラフト型共重合体中における存在割合
は、40〜99重量%であり、好ましくは60〜95重量%であ
る。
一方、該グラフト型共重合体のグラフト部となる本発
明の一官能性マクロモノマー(M)は、その重量平均分
子量が1×103〜2×104であり、好ましくは2×103
1×104である。重量平均分子量が1×103未満の場合に
は、得られた分散樹脂粒子の再分散性が低下してしま
う。又2×104を超えると、一般式(II)で示される単
量体との共重合性が低下し、グラフト型共重合体が得ら
れなくなってしまう。
以上の如き本発明のグラフト型共重合体は、該非水溶
媒に可溶性であることから、重合体主鎖部あるいはグラ
フト部の一般式(I)で示される繰り返し単位を含むB
ブロックのいずれか一方又は両方に、可溶性となる繰り
返し単位を含有する。
以下に該グラフト型共重合体の内容について更に詳細
に説明する。
該グラフト型共重合体に供される一官能性マクロモノ
マー(M)において該Aブロックを構成する重合体成分
としては特定の極性基を含有する成分及び/又は不溶化
する一官能性単量体(A)に相当する成分が挙げられ
る。
特定の極性基としては、ホスホノ基、カルボキシル
基、スルホ基、ヒドロキシル基、ホルミル基、カルボキ
シアミド基、スルホアミド基、アミノ基、 環状酸無水物含有基が挙げられる。
の場合、R11は−R12基又は−OR12基を表わし、R12は炭
化水素基を表わす。炭化水素基として好ましくは炭素数
1〜8の脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−クロ
ロエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシプロ
ピル基、アリル基、1−プロペニル基、ブテニル基、シ
クロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、3−フェ
ニルプロピル基、メチルベンジル基、クロロベンジル
基、フロロベンジル基、メトキシベンジル基等)、又は
置換されてもよいアリール基(例えば、フェニル基、ト
リル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、クロ
ロフェニル基、フロロフェニル基、ブロモフェニル基、
クロロ−メチル−フェニル基、ジクロロフェニル基、メ
トキシフェニル基、シアノフェニル基、アセトアミドフ
ェニル基、アセチルフェニル基、ブトキシフェニル基
等)等を表わす。
以上の如き「特定の極性基を含有する重合体成分」を
誘導しうる単量体としては、例えば本発明のA−Bブロ
ック共重合体の他のブロック成分を構成する重合体成分
〔即ち一般式(I)で示される繰り返し単位〕に相当す
るビニル系化合物と共重合可能であり、且つ極性基を含
有するビニル系化合物であればいずれでも用いることが
できる。例えば、高分子学会編「高分子データ・ハンド
ブック〔基礎編〕培風館(1986刊)等に記載されてい
る。具体的には、アクリル酸、α−及び/又はβ−置換
アクリル酸(例えばα−アセトキシ体、α−アセトキシ
メチル体、α−(2−アミノ)メチル体、α−クロロ
体、α−ブロモ体、α−フロロ体、α−トリブチルシリ
ル体、α−シアノ体、β−クロロ体、β−ブロモ体、α
−クロロ−β−メトキシ体、α,β−ジクロロ体等)、
メタクリル酸、イタコン酸、イタコン酸半エステル類、
イタコン酸半アミド類、クロトン酸、2−アルケニルカ
ルボン酸類(例えば2−ペンテン酸、2−メチル−2−
ヘキセン酸、2−オクテン酸、4−メチル−2−ヘキセ
ン酸、4−エチル−2−オクテン酸等)、マレイン酸、
マレイン酸半エステル類、マレイン酸半アミド類、ビニ
ルベンゼンカルボン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、ビ
ニルスルホン酸、ビニルホスホ酸、ジカルボン酸類のビ
ニル基又はアリル基の半エステル誘導体、及びこれらの
カルボン酸又はスルホン酸のエステル誘導体、アミド誘
導体の置換基中に該極性基を有する化合物等が挙げられ
る。
これらの化合物の具体例として以下のものを挙げるこ
とができる。但し、以下の各例において、eは−H,−CH
3−、−Cl、−Br、−CN、−CH2COOCH3又は−CH2COOHを
示し、fは−H又は−CH3を示し、n1は2〜18の整数を
示し、m1は1〜12の整数を示し、l1は1〜4の整数を示
す。
Aブロックを構成する単量体成分は、以上の如き特定
の極性基含有の重合体成分の他に、重合により不溶化す
る単量体(A)に相当する重合体成分であってもよい。
これらの具体例は、前記した一官能性単量体(A)に相
当する重合体成分が挙げられる。
Bブロックは、一般式(I)で示される繰り返し単位
から成る重合体成分より少なくとも構成される。
一般式(I)においてV0は、−COO−、−OCO−、 (l1、l2は1〜3の整数を表わす)、−O−、−SO
2−、−CO−、 −CONHCOO−、−CONHCONH−、又は を表わす。
ここで、R13は水素原子のほか、好ましい炭化水素基
としては、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、へプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−ク
ロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル
基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエ
チル基、3−ブロモプロピル基、等)、炭素数4〜18の
置換されてもよいアルケニル基(例えば、2−メチル−
1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル
基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル
基、1ーヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル
−2−ヘキセニル基、等)、炭素数7〜12の置換されて
もよいアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル
基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−
ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル
基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベ
ンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基
等)、炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例え
ば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、
2−シクロペンチルエチル基、等)、又は、炭素数6〜
12の置換されてもよい芳香族基(例えば、フェニル基、
ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル
基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシル
フェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル
基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、ク
ロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル
基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシ
カルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル
基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェ
ニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシロイルアミ
ドフェニル基等)が挙げられる。
V0を表わす場合、ベンゼン環は置換基を有してもよい。置
換基としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原
子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基
等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、
プロピオキシ基、ブトキシ基等)挙がげられる。
R0は、炭化水素基を表わし、好ましい炭化水素基とし
ては、炭素数1〜22の置換されてもよいアルキル基(例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘ
プチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシ
ル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基、2−クロロエチル基、2−ブロモ
エチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボニ
ルエチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピ
ル基等)、炭素数4〜18の置換されてもよいアルケニル
基(例えば、2−メチル−1−プロペニル基、2−ブテ
ニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニ
ル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキ
セニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基等)、炭素数
7〜12の置換されてもよいアラルキル基(例えば、ベン
ジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフ
チルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル
基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベン
ジル基、エトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジ
メトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されても
よい脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロ
ヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基等)、
炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族基(例えば、フ
ェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピ
ルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル
基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキ
シフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェ
ニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロ
モフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル
基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニ
ルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセト
アミドフェニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシ
ロイルアミドフェニル基等)が挙げられる。
a1及びa2は、互いに同じでも異なっていてもよく、好
ましくは水素原子、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、
臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基
(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等)、−COO−Z1又は炭化水素を介した−COO−Z1(Z
1は、好ましくは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル
基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式基またはアリ
ール基を表わし、これらは置換されていてもよく、具体
的には、上記R13について説明したものと同様の内容を
表わす)を表わす。
上記炭化水素を介した−COO−Z1基における炭化水素
としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が
挙げられる。
更に好ましくは、一般式(I)について、V0は−COO
−、−OCO−、−CH2OCO−、−CH2COO−、−O−、−CON
H−、−SO2NH−又は を表わし、a1、a2は互いに同じでも異なってもよく、各
々水素原子、メチル基、−COOZ1又は−CH2COOZ1を表わ
す。ここで、Z1は、より好ましくは水素原子又は炭素数
1〜6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ヘキシル基等)を表わす。更によ
り好ましくは、a1、a2において、いずれか一方が水素原
子を表わす。
更には、該Bブロック中に含有される重合体成分とし
て、式(I)に示される重合体成分とともに共重合しう
る他の繰り返し単位に相当する単量体として、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、複素環ビニル類(例え
ばビニルピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリ
ドン、ビニルチオフェン、ビニルピラゾール、ビニルジ
オキサン、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。これ
ら他の単量体はBブロックの全重合体成分100重量部中2
0重量部を超えない範囲で用いられる。又、該Bブロッ
ク中には、該Aブロックの構成部分である極性基を含有
する重合体成分を含有しない事が好ましい。
本発明のグラフト型共重合体に供される一官能性マク
ロモノマー(M)においてA−Bブロック共重合体にお
けるブロックAとブロックBの存在割合は、1〜50/99
〜50(重量比)であることが好ましい。
Aブロックにおいて含有される、特定の極性基含有の
重合体成分は、好ましくは該分散安定用樹脂100重量部
中1〜300重量部で、より好ましくは1〜15重量部であ
る。
次に、本発明のマクロモノマー(M)において、上記
した極性基を含有する成分から成るAブロックと一般式
(I)で示される重合体成分から成るBブロックをA−
B型で連結し且つAブロックと連結するBブロックの他
の末端に連結される重合性二重結合基について説明す
る。
具体的には下記一般式(IV)で示される重合性二重結
合基が挙げられる。
一般式(IV) 式(IV)中、V3は式(I)中のV0と同一の内容を表わ
す。
e1、e2は、お互いに異なってもよく、式(I)中の
a1、a2と同一の内容を表わす。
即ち、一般式(IV)で示される重合性二重結合基とし
て、より具体的には、 等が挙げられる。
本発明において供されるマクロモノマー(M)は、上
述の如きBブロックの片末端に、一般式(IV)で示され
る重合性二重結合基が、直接結合するか、あるいは、任
意の連結基で結合された化学構造を有するものである。
連結基としては、炭素−炭素結合(一重結合あるいは
二重結合)、炭素−ヘテロ原子結合(ヘテロ原子として
は例えば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、ケイ素原
子等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合の原子団の任意の
組合せで構成されるものである。
即ち、具体的には、単なる結合または、 〔R14、R15は、同一でも異なってもよく、水素原子、ハ
ロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子
等)、シアノ基、ヒドロキシル基、アルキル基(例えば
メチル基、エチル基、プロピル基等)等を示す〕、 CH=CH、 −O−、−S−、 −COO−、 −SO2−、 −NHCOO−、−NHCONH−、 [R16、R17は、同一でも異なってもよく、 水素原子、又は前記式(I)におけるR0と同様の内容を
表わす炭化水素基等を示す〕等の原子団から選ばれた単
独の連結基もしくは任意の組合せで構成された連結基を
表わす。
マクロモノマー(M)の重量平均分子量が2×104
超えると、単量体(B)との共重合性が低下するため好
ましくない。他方、重量平均分子量が小さすぎると、感
光層の電子写真特性の向上効果が小さくなるため、1×
103以上であることが好ましい。
本発明のマクロモノマー(M)は、従来公知の合成方
法によって製造することができる。例えば、該特定の極
性基を含有する重合体成分に相当する単量体において、
極性基を予め保護した官能基としておき、有機金属化合
物(例えばアルキルリチウム類、リチウムジイソプロピ
ルアミド、アルキルマグネシウムハライド類等)あるい
はヨウ化水素/ヨウ素系等によるイオン重合反応、ポル
フィリン金属錯体を触媒とする光重合反応、あるいはグ
ループ移動重合反応等の公知のいわゆるリビング重合反
応でA−B型ブロック共重合体を合成した後、このリビ
ングポリマーの末端に種々の試薬を反応させて重合性二
重結合基を導入する。この後、極性基を保護した官能基
を加水分解反応、加水素分解反応、酸化分解反応あるい
は光分解反応等によって脱保護反応を行ない、極性基を
形成させる方法が挙げられる。その1つの例を下記の反
応スキーム(1)に示した。
例えば、P.Lutz,P.Masson et al,“Polym.Bull."12,7
9(1984)、B.C.Anderson,G.D.Andrews et al,“Macrom
olecules"14,1601(1981)、K.Hatada,K.Ute et al,“P
olym.J."17,977(1985)、同18,1037(1986)、右手浩
一,畑田耕一「高分子加工」36,366(1987)、東村敏
延,沢本光男「高分子論文集」46,189(1989)、M.Kuro
ki,T.Aida,“J.Am.Chem.Soc."109,4737(1987)、相田
卓三,井上祥平「有機合成化学」43,300(1985)、D.Y.
Sogah,W.R.Hertler et al,“Macromolecules"20,1473
(1987)等に記載の合成方法に従って容易にリビングポ
リマーを合成することができる。又、該リビングポリマ
ーの末端に重合性二重結合基を導入する方法としては、
従来公知のマクロモノマー法の合成法に従って容易に本
発明のマクロモノマーとすることができる。
具体的には、P.Dreyfuss & R.P.Quirk,“Encycl.Pol
ym.Sci.Eng.",551(1987)、P.F.Rempp,E.Franta,“A
dv.Polym.Sci."58,1(1984)、V.Percec,“Appl.Polym.
Sci."285,95(1984)、R.Asami,M.TakaRi,“Makvamol.C
hem.Suppl."12,163(1985)、P.Rempp et al,“Makvamo
l.Chem.Suppl.",3(1984)、川上雄資「化学工業」3
8,56(1987)、山下雄也「高分子」31,988(1982)、小
林四郎「高分子」30,625(1981)、東村俊延「日本接着
協会誌」18,536(1982)、伊藤浩一「高分子加工」35
262(1986)、東貴四郎,津田隆「機能材料」1987No.1
0,5等の総説及びそれに引例の文献・特許等に記載の方
法に従って合成することができる。
又、本発明の特定の極性基を保護する保護基及びその
保護基の脱離(脱保護反応)については、従来公知の知
見を利用して容易に行なうことができる。例えば前記し
た引用文献にも種々記載されており、更には、岩倉義
男、栗田恵輔「反応性高分子」(株)講談社刊(1977
年)、T.W.Greene,“Protective Groups in Organic Sy
ntheses"John Wiley & Sons(1981年)、J.F.W.McOmi
e,“Protective Groups in Chemistry"Plenum Press(1
973年)等の総説に詳細に記載されている方法を適宜選
択して行なうことができる。
他のA−B型ブロック共重合体の合成法としては、ジ
チオカーバメント化合物を開始剤とした光イニファータ
ー重合法によって合成することもできる。例えば、大津
隆行「高分子」37,248(1988)、檜森俊一,大津隆一
“Polym.Rep.Jap."37,3508(1988)、特開昭64-111号、
同64-26619号等に記載の合成方法に従って合成される。
これを上記したマクロモノマー合成法を利用して本発明
のマクロモノマーを得ることができる。
本発明のマクロモノマー(M)は、具体的には、下記
の化合物を例として挙げることができる。但し、本発明
の範囲は、これらに限定されるものではない。
以下において、 a1、a2、a3は−H、−CH3又は−CH2COOCH3を; Rは−CnH2n+1(n:1〜18の整数)、 CH2 mC6H5(m:1〜3の整数)、 (Xは−H、−Cl、−Br、−CH3、−OCH3、又は−COC
H3)、又は (pは0〜3の整数)を; lは2〜12の整数を; a4は−H又は−CH3を; Yは−OH、−COOH、−SO3H、 Y′は−COOH、−SO3H、 R′は−CmH2m+1(m:1〜8の整数)、又は CH2)mC6H5を; kは2〜6の整数を表わす。
本発明の分散安定用樹脂は、該一官能性マクロモノマ
ー(M)とともに、一般式(II)で示される単量体とを
各々少なくとも1種以上含有したグラフト型共重合体で
ある。
一般式(II)においてV1は、好ましくは−COO−、−O
CO−、又は−O−を表わす。
R1は、炭素数8以上の脂肪族基を表わし、好ましくは
炭素数10以上のアルキル基又はアルケニル基を表わし、
これらは直鎖状でも分岐状でもよい。具体的には、デシ
ル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘ
キサデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基、ドコ
サニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル
基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、リノレル基
等が挙げられる。
b1、b2は、お互いに異なっても同じでもよく、好まし
くは各々水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜3の炭
化水素基を表わす。具体的には、水素原子、塩素原子、
臭素原子、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ
る。
該グラフト型共重合体の共重合成分としての一般式
(II)で示される単量体群から選ばれる単量体の存在割
合は、40〜99重量部であり、好ましくは60〜95重量部で
ある。
更に、本発明のグラフト型共重合体の成分として、マ
クロモノマー(M)、式(II)で示される単量体ととも
に、これらと共重合する他の単量体を含有してもよい
が、その存在割合は20重量%以下、好ましくは15重量%
以下である。
本発明で用いられる分散樹脂粒子を製造するには、一
般に、前述の様な分散安定用樹脂及び単量体(A)とを
非水溶媒中で過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニ
トリル、ブチルリチウム等の重合開始剤の存在下に加熱
重合させればよい。具体的には、分散安定用樹脂及び
単量体(A)の混合溶液中に重合開始剤を添加する方
法、分散安定用樹脂を溶解した溶液中に単量体(A)
を重合開始剤とともに滴下してゆく方法、あるいは、
分散安定用樹脂全量と単量体(A)の一部を含む混合溶
液中に、重合開始剤とともに残りの単量体を任意に添加
する方法、更には、非水溶媒中に、分散安定用樹脂及
び単量体(A)の混合溶液を、重合開始剤とともに任意
に添加する方法等があり、いずれの方法を用いても製造
することができる。
単量体(A)の総量は、非水溶媒100重量部に対して
5〜80重量部程度であり、好ましくは10〜50重量部であ
る。
分散安定用樹脂である可溶性の樹脂は、上記で用いる
全単量体100重量部に対して1〜100重量部であり、好ま
しくは5〜50重量部である。
重合開始剤の量は全単量体量の0.1〜5重量%が適切
である。
又、重合温度は50〜180℃程度であり、好ましくは60
〜120℃である。反応時間は1〜15時間が好ましい。
反応に用いた非水溶媒中に、前記したアルコール類、
ケトン類、エーテル類、エステル類等の極性溶媒を併用
した場合あるいは、重合造粒化される単量体(A)の未
反応物が残存する場合、該溶媒あるいは単量体の沸点以
上に加温して留去するかあるいは、減圧留去することに
よって除くことが好ましい。
以上の如くして本発明により製造された非水系分散樹
脂粒子は、微細でかつ粒度分布が均一な粒子として存在
すると同時に、非常に安定な分散性を示し、特に現像装
置内において長く繰り返し使用をしても分散性が良くか
つ現像スピードが向上しても再分散も容易であり装置の
各部に付着汚れを生ずることが全く認められない。
また、加熱等により定着した場合、強固な被膜が形成
され、優れた定着性を示した。
更に、本発明の液体現像剤は、現像−定着工程が迅速
化され且つ大版サイズのマスタープレートを用いた場合
でも、分散安定性、再分散性及び定着性に優れている。
特に、特開昭62-166362号あるいは特開昭63-66567号
に記載された内容の非水系分散樹脂では、重合して不溶
化する単量体と共重合し得る、エステル結合等を分子内
に少なくとも2ケ以上含有する単量体とともに、重合体
主鎖から総原子数8ケ以上離れた部位に、重合性二重結
合基を結合した共重合成分を含有する該非水溶媒に可溶
性のランダム共重合体を分散安定用樹脂として用いて、
重合造粒した樹脂粒子(ラテックス粒子)であるが、こ
れらの粒子の分散性及び耐刷性は従来の粒子に比べ大巾
に性能向上がなされているが、大版サイズのオフセット
印刷用のマスタープレートを用いた製版機(例えば富士
写真フイルム(株)製、ELP-560、ELP-820等)、あるい
は製版機の処理スピードを早くした場合に、粒子の分散
性にいまだ問題があり、製版機の汚れ(特に現像装置の
汚れ)が生じたり、粒子の凝集・沈降を生じたり、ある
いはマスタープレートを印刷した時に、画像部の強度が
未だ十分でなく、耐刷性が低下したりした。本発明で供
される樹脂粒子を用いた場合には、こうした過酷な条件
においても何ら問題を生じない。
以上の如く、本発明のラテックス粒子の高再分散性
は、不溶化する単量体(A)とともに用いる可溶性のグ
ラフト型ブロック共重合体に依存するものである。
即ち本発明の分散安定用樹脂は、該非水溶媒に対し親
和性の大きな長鎖脂肪族基含有の重合体成分から構成さ
れる重合体主鎖部と、該非水溶媒に対し親和性が小さ
く、不溶化する単量体(A)に対して親和性を有する重
合体成分から構成されるグラフト部末端ブロックとが結
合したグラフト型共重合体であることを特徴とする。
これにより、分散樹脂粒子に対し、グラフト部のブロ
ックB部分が重合造粒時に物理化学的な相互作用で充分
に吸着され、且つ非水系分散媒に対して親和性が大きい
重合体主鎖部分が該溶媒に対して充分に溶媒和し且つ立
体的な反発効果も充分に作用する(所謂、テール状吸着
となる)ことが可能となり本発明の効果が達成されたと
推定される。
これに対し、従来公知のブロックAで用いられる重合
体成分とブロックBで用いられる重合体成分とのランダ
ム共重合体では、吸着部分となる成分が溶媒和する成分
で構成される高分子鎖中にランダムに結合しているた
め、分散樹脂粒子への吸着が充分でなく、更に、その吸
着のパターンがループ状となるために立体反発効果も疎
外されてしまい、分散安定性が充分でなかった。
又、オフセットマスター原版として印刷した時のトナ
ー画像部の劣化を生じない高耐刷性、不溶化する単量体
(A)と、それに吸着した分散ポリマーが、お互いの相
溶性が良好で、温和な定着条件でも十分に相溶化し、均
一で強固な皮膜を形成することで達成されるものと推定
される。
本発明の液体現像剤において所望により着色剤を使用
しても良い。その着色剤は特に限定されるものではなく
従来公知の各種顔料又は染料を使用することができる。
分散樹脂自体を着色する場合には、例えば着色の方法
の1つとしては、顔料又は染料を用いて分散樹脂に物理
的に分散する方法があり、使用する顔料又は染料は非常
に多く知られている。例えば、磁性酸化鉄粉末、粉末ヨ
ウ化鉛、カーボンブラック、ニグロシン、アルカリブル
ー、ハンザイエロー、キナクリドンレッド、フタロシア
ニンブルーなどが挙げられる。
着色の方法の他の1つとしては、特開昭57-48738号な
どに記載されている如く、分散樹脂を、好ましい染料で
染色する方法がある。あるいは、他の方法として、特開
昭53-54029号に開示されている如く、分散樹脂と染料を
化学的に結合させる方法があり、あるいは、特公昭44-2
2955号等に記載されている如く、重合造粒法で製造する
際に、予め色素を含有した単量体を用い、色素含有の共
重合体とする方法がある。
本発明の液体現像剤には、荷電特性の強化あるいは画
像特性の改良等のために、所望により種々の添加剤を加
えて良く、例えば原崎勇次「電子写真」第16巻、第2
号、44頁に具体的に記載されているものが用いられる。
例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸金属
塩、ナフテン酸金属塩、高級脂肪酸金属塩、レシチン、
ポリ(ビニルピロリドン)、半マレイン酸アミド成分を
含む共重合体等が挙げられる。
本発明の液体現像剤の主要な各組成分の量について説
明すれば下記の通りである。
樹脂(及び所望により用いられる着色剤)を主成分と
して成るトナー粒子は、担体液体100重量部に対して0.5
重量部〜50重量部が好ましい。0.5重量部未満であると
画像濃度が不足し、50重量部を超えると非画像部へのカ
ブリを生じ易い。更に、前記の分散安定用の担体液体可
溶性樹脂も所望により使用され、担体液体1000重量部に
対して0.5重量部〜100重量部程度に加えることができ
る。上述の様な荷電調節剤は、担体液体1000重量部に対
して0.001〜1.0重量部が好ましい。更に所望により各種
添加剤を加えても良く、それら添加物の総量は、現像剤
の電気抵抗によってその上限が規制される。即ち、トナ
ー粒子を除去した状態の液体現像剤の電気抵抗が109Ωc
mより低くなると良質の連続階調像が得られ難くなるの
で、各添加物の添加量を、この限度内でコントロールす
ることが必要である。
(実施例) 以下に本発明の実施例を例示するが、本発明の内容が
これらに限定されるものではない。
マクロモノマー(M)の合成例1:M−1 トリフェニルメチルメタクリレート30g及びトルエン1
00gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気し−20℃に冷
却した。
1,1−ジフェニルブチルリチウム2gを加え10時間反応
した。
更にこの混合溶液に、エチルメタクリレート70g及び
トルエン100gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気した
後、添加し、更に10時間反応した。この混合物を0℃に
した後、炭酸ガスを60ml/minの流量で30分間通気し、重
合反応を停止させた。
得られた反応液を、攪拌下に、温度25℃とし、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート6gを加え、更に、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド5g、4−N,N−ジメチルアミ
ノピリジン0.2g及び塩化メチレン10gの混合溶液を30分
間で滴下し、そのまま3時間攪拌した。
析出した不溶物を濾別後、この混合溶液に30%塩化水
素エタノール溶液10mlを加え1時間攪拌した。次に、減
圧下に反応混合物を全体量が半分になるまで溶媒を留去
した後、石油エーテル1中に再沈した。
沈澱物を捕集し、減圧乾燥して得られた重合体は重量
平均分子量6.5×103で、収量56gであった。
マクロモノマー(M)の合成例2:M−2 ベンジルメタクリレート5g、(テトラフェニルポルフ
ィナート)アルミニウムメチル0.5g及び塩化メチレン60
gの混合溶液を窒素気流下に温度30℃とした。これに300
W−キセノンランプ光をガラスフィルターを通して25cm
の距離から光照射し、12時間反応した。この混合物に更
にブチルメタクリレート45gを加え、同様に8時間光照
射した後、この反応混合物に4−ブロモメチルスチレン
4g加え、30分間攪拌し反応を停止させた。
次にこの反応混合物にPd-Cを加え、温度25℃で1時間
接触還元反応を行なった。
不溶物を濾別した後、石油エーテル500ml中に再沈
し、沈澱物を捕集し乾燥した。得られた重合体は収量33
gで重量平均分子量7×103であった。
マクロモノマー(M)の合成例3:M−3 4−ビニルフェニルオキシトリメチルシラン20g及び
トルエン100gの混合溶液を窒素気流下に、充分に脱気
し、0℃に冷却した。1,1−ジフェニル−3−メチルペ
ンチルリチウム2gを加え、6時間攪拌した。更にこの混
合物にドデシルメタクリレート80g及びトルエン100gの
混合溶液を窒素気流下にに充分脱気した後添加して8時
間反応した。この反応混合物に充分に攪拌しながらエチ
レンオキサイドを30ml/minの流量で30分間通気した後、
温度15℃に冷却しメタクリル酸クロライド10gを30分間
で滴下し、更にそのまま3時間攪拌した。
次にこの反応混合物に30%塩化水素エタノール溶液10
gを加え、25℃で1時間攪拌した後、石油エーテル1
中に再沈し、捕集した沈澱物をジエチルエーテル300ml
で2回洗浄し乾燥した。
得られた重合体は、収量55gで重量平均分子量7.8×10
3であった。
マクロモノマー(M)の合成例4:M−4 トリフェニルメチルアクリレート40g及びトルエン100
gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気し、−20℃に冷
却した。sec−ブチルリチウム0.2gを加え、10時間反応
した。
次にこの混合溶液にオクタデシルビニルエーテル60g
及びトルエン100gの混合溶液を窒素気流下で充分に脱気
した後、添加し、12時間反応した。この混合物を0℃に
した後、ベンジルブロマイド4gを加え、1時間反応し、
温度25℃で更に2時間反応させた。
この反応混合物に30%塩化水素含有エタノール溶液10
gを加え、2時間攪拌した。不溶物を濾別後、n−ヘキ
サン1中に再沈し、沈澱物を捕集して減圧乾燥した。
得られた重合体の収量は58gで、重量平均分子量4.5×10
3であった。
マクロモノマー(M)の合成例5:M−5 オクタデシルメタクリレート70g、ベンジル−N−ヒ
ドロキシエチル−N−エチルジチオカーバメート4.8gの
混合物を、窒素気流下に容器に密閉し、温度60℃に加温
した。
これに400Wの高圧水銀灯で10cmの距離からガラスフィ
ルターを通して、10時間光照射し光重合した。
これにアクリル酸30g及びメチルエチルケトン180gを
加えた後、窒素置換し再び10時間光照射した。
得られた反応混合物に2−イソシアナートエチルメタ
クリレート6gを温度30℃で1時間で滴下し、更に2時間
攪拌した。
得られた反応物をヘキサン1.5lに再沈し、捕集し乾燥
した。得られた重合体は、68gで重量平均分子量6.0×10
3であった。
分散安定用樹脂の合成例1:P−1 オクタデシルメタクリレート80g、マクロモノマーM
−1を20g、トルエン150gの混合溶液を窒素気流下に温
度75℃に加温した。
2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)(略称:A.I.
B.N.)6gを加え4時間反応し、更に3時間毎にA.I.B.N.
を2g加え6時間反応した。
得られた共重合体の重量平均分子量は5×104であっ
た。
分散安定用樹脂の合成例2〜12:P−2〜P-12 分散安定用樹脂の合成例1と同様の重合方法で下記表
−1の重合体を合成した。得られた各重合体の重量平均
分子量は3×104〜6×104であった。
分散安定用樹脂の合成例P-13〜35 樹脂の合成例1において、マクロモノマーM−1の代
わりに他のマクロモノマー(M)を用いた他は、合成例
1と同様の重合条件で下記表−2の共重合体を合成し
た。得られた各重合体の重量平均分子量は3×104〜7
×104であった。
ラテックス粒子の製造例1:D−1 分散安定用樹脂P−1を10g、酢酸ビニル100g及びア
イソパーHを380gの混合溶液を、窒素気流下攪拌しなが
ら温度75℃に加温した。2,2′−アゾビス(イソバレロ
ニトリル)(略称A.B.V.N.)を1.0g加え2時間反応し、
更にA.B.V.N.を0.6g加えて2時間反応した。開始剤添加
後20分して白濁を生じ、反応温度は88℃まで上昇した。
温度を100℃に上げ2時間攪拌して未反応の酢酸ビニル
を留去した。冷却後200メッシュのナイロン布を通して
粗大粒子を除去し、得られた白色分散物は、重合率86%
で平均粒径0.22μmのラテックスであった。
ラテックス粒子の製造例2〜18:D−2〜D-18 ラテックス粒子の製造例1において、分散安定用樹脂
P−1を下記表−3の各樹脂に代えた他は、製造例1と
同様にして、各ラテックス粒子D−2〜D-18を製造し
た。
ラテックス粒子の製造例19:D-19 酢酸ビニル85g、N−ビニルピロリドン15g、分散安定
用樹脂P-13を12g及びn−デカン380gの混合溶液を、窒
素気流下攪拌しながら温度75℃に加温した。2,2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル(略称A.I.B.N.)を1.7g加え
4時間反応し、さらにA.I.B.N.を0.5gを加え2時間反応
した。冷却後200メッシュのナイロン布を通して粗大粒
子を除去し、得られた白色分散物は平均粒径0.25μmの
ラテックスであった。
ラテックス粒子の製造例20:D-20 分散安定用樹脂P-13を20g及びn−ドデカン470gの混
合溶液を、窒素気流下攪拌しながら、温度60℃に加温し
た。この溶液中に、メチルメタクリレート100g、n−ド
デシルメルカプタン1.0g及びA.B.V.N.を0.8gの混合溶液
を、2時間で滴下した。そのまま2時間反応後、A.B.V.
N.を0.3gを加え2時間反応した。冷却後、200メッシュ
のナイロン布を通して粗大粒子を除去し、得られた白色
分散物は粒径0.28μmのラテックスであった。
ラテックス粒子の製造例21:D-21 分散安定用樹脂P-21を14g、酢酸ビニル100g、クロト
ン酸5g及びアイソパーEを468gの混合溶液を、窒素気流
下攪拌しながら、温度70℃に加温した。A.B.V.N.を0.8g
加え6時間反応後、温度100℃に上げてそのまま1時間
攪拌し、残存する酢酸ビニルを留去した。冷却後、200
メッシュのナイロン布を通して粗大粒子を除去し、得ら
れた白色分散物は重合率85%で、平均粒径0.24μmのラ
テックスであった。
ラテックス粒子の製造例22:D-22 分散安定用樹脂P-25を14g、酢酸ビニル100g、4−ペ
ンテン酸6.0g及びアイソパーGを380gの混合溶液を、窒
素気流下攪拌しながら、温度75℃に加温した。A.B.V.N.
を0.7gを加え4時間反応し、さらにA.B.V.N.を0.5gを加
えて2時間反応した。冷却後200メッシュのナイロン布
を通して粗大粒子を除去し、得られた白色分散物は平均
粒径0.23μmのラテックスであった。
ラテックス粒子の製造例23: スチレン100g、分散安定用樹脂P-27を20g及びアイソ
パーHを380gの混合溶液を、窒素気流下攪拌しながら温
度60℃に加温した。A.B.V.N.を0.6gを加えて4時間反応
し、更にA.B.V.N.を0.3gを加えて3時間反応した。冷却
後、200メッシュのナイロン布を通して粗大粒子を除去
し、得られた白色分散物は、平均粒径約0.23μmのラテ
ックスであった。
ラテックス粒子の製造例24:D-24 スチレン40g、ビニルトルエン60g、分散安定用樹脂P-
17を20g及びアイソパーHを380gの混合溶液とし、他
は、製造例23と同様にして製造した。得られた白色分散
物は重合率80%で平均粒径0.24μmのラテックスであっ
た。
ラテックス粒子の製造例25:(比較例A) ラテックス粒子D−1の製造例1において、ポリ(オ
クタデシルメタクリレート)20g、酢酸ビニル100g。オ
クタデシルメタクリレート1.0g及びアイソパーHを385g
の混合溶液を用いた他は、製造例1と同様に操作した。
得られた白色分散物は重合率85%で平均粒径0.20μm
のラテックスであった。(特開昭60-179751号記載のラ
テックス粒子) ラテックス粒子の製造例26:(比較例B) ラテックス粒子D−1の製造例1において、下記構造
の分散安定用樹脂R−1を10g、酢酸ビニル100g、下記
化学構造の単量体(I)を1g及びアイソパーHを385gの
混合溶液を用いた他は、製造例1と同様に操作した。
得られた白色分散物は重合率86%で平均粒径0.24μm
のラテックスであった。(特開昭63-66567号記載のラテ
ックス粒子) 実施例1 ドデシルメタクリレート/アクリル酸(共重合比:95/
5重量比)共重合体10g、ニグロシン10g及びシェルゾー
ル71の30gをガラスビーズと共にペイントシェーカー
(東京精機(株))に入れ、4時間分散しニグロシンの
微小な分散物を得た。
ラテックス粒子の製造例1の樹脂分散物30g、上記ニ
グロシン分散物2.5g、FOC-1400(日産化学(株)製、テ
トラデシルアルコール)15g、〔オクタデセン−半マレ
イン酸オクタデシルアミド共重合体〕の0.08gをシェル
ゾール71の1に希釈することにより静電写真用液体現
像剤を作製した。
(比較用現像剤A〜B) 上記製造例において樹脂分散物を以下の樹脂粒子に代
えて比較用の液体現像剤A、Bの2種を作製した。
比較用液体現像剤A: ラテックス粒子の製造例25の樹脂分散物 比較用液体現像剤B: ラテックス粒子の製造例26の樹脂分散物 これらの液体現像剤を全自動製版機ELP404V(富士写
真フイルム(株)製)の現像剤として用い、電子写真感
光材料であるELPマスターIIタイプ(富士写真フイルム
(株)製)を露光、現像処理した製版スピードは5版/
分で行なった。更に、ELPマスターIIタイプを2000枚処
理した後の現像装置へのトナー付着汚れの有無を観察し
た。複写画像の黒化率(画像面積)は、30%の原稿を用
いて行なった。
その結果を表−4に示した。
前記した製版条件で各現像剤を用いて製版した所、現
像装置の汚れを生じず、又2000枚目の製版プレートの画
像が鮮明な現像剤は、本発明の場合のみであった。
一方、各現像剤より製版して得られたオフセット印刷
用マスタープレート(ELPマスター)を常法により印刷
し、印刷物の画像に文字の欠落、ベタ部のカスレ等の発
生するまでの印刷枚数を比較した所、本発明の現像剤を
用いて得られたマスタープレートは10000枚以上でも発
生せず、比較例Aを用いたマスタープレートでは6000枚
で発生した。又比較例Bの場合は8000枚で発生した。
以上の結果の如く、本発明の樹脂粒子を使って現像剤
としたもののみが、現像装置の汚れを全く生じないと同
時に、マスタープレートの印刷枚数も著しく向上したも
のであった。
又、比較例A及び比較例Bの場合は、製版条件が過酷
な条件(従来は2〜3枚/分の製版スピードで複写画像
の黒化率は8〜10%程度である)で用いられると、現像
装置(特に背面電極板上)の汚れが生じる様になり、20
00枚後位には、プレート上の複写画像の画質に影響(Dm
axの低下、細線のカスレ等)がでてくる様になった。ま
た、マスタープレートの印刷枚数は、比較例Aで著しく
低下した。
これらの結果は、本発明の樹脂粒子が明らかに優れて
いることを示すものである。
実施例2 ラテックス粒子の製造例2で得られた白色分散物100g
及びスミカロンブラック1.5gの混合物を温度100℃に加
温し、4時間加熱攪拌した。室温に冷却後200メッシュ
のナイロン布を通し、残存した染料を除去することで、
平均粒径0.24μmの黒色の樹脂分散物を得た。
上記黒色樹脂分散物32g、ナフテン酸ジルコニウム0.0
5g、FOC-1600(日産化学(株)製、ヘキサデシルアルコ
ール)20gをシェルゾール71の1に希釈することによ
り液体現像剤を作製した。
これを実施例1と同様の装置により現像した所、2000
枚現像後でも装置に対するトナー付着汚れは全く発生し
なかった。
又、得られたオフセット印刷用マスタープレートの画
質は鮮明であり、1万枚印刷後の印刷物の画質も非常に
鮮明であった。
実施例3 ラテックス粒子の製造例22で得られた白色分散物100g
及びビクトリアブルーBを3gの混合物を温度70℃〜80℃
に加温し6時間攪拌した。室温に冷却後200メッシュの
ナイロン布を通し、残存した染料を除去して平均粒径0.
23μmの青色の樹脂分散物を得た。
上記青色樹脂分散物32g、ナフテン酸ジルコニウム0.0
5gをアイソパーHの1に希釈することにより液体現像
剤を作製した。
これを、実施例1と同様の装置により現像した所、20
00枚現像後でも装置に対するトナー付着汚れは全く見ら
れなかった。又、得られたオフセット印刷用マスタープ
レートの画質は鮮明であり、1万枚印刷後の印刷物の画
質も非常に鮮明であった。
実施例4 ラテックス粒子の製造例6で得た白色樹脂分散物32
g、実施例1で得たニグロシン分散物2.5g、FOC-1400
(日産化学(株)製、テトラデシルアルコール)20g及
びジイソブチレンと無水マレイン酸の共重合体の半ドコ
サニルアミド化物0.02gをアイソパーGの1に希釈す
ることにより、液体現像剤を作製した。
これを実施例1と同様の装置により現像した所、2000
枚現像後でも装置に対するトナー付着汚れは全く見られ
なかった。又、得られたオフセット印刷用マスタープレ
ートの画質及び1万枚印刷後の印刷物の画質とも鮮明で
あった。
更にこの現像剤を3カ月放置した後、上記と全く同様
の処理を行なったが、経時前と全く変わらなかった。
実施例5 ポリ(デシルメタクリレート)10g、アイソパーHを3
0g及びアルカリブルー8gを、ガラスビーズと共にペイン
トシェーカーに入れ、2時間分散を行ないアルカリブル
ーの微小な分散物を得た。
ラテックス粒子の製造例5で得られた白色樹脂分散物
D−5を30g、上記のアルカリブルー分散物4.2g、イソ
ステアリルアルコール15g及びジイソブチレンと無水マ
レイン酸の共重合体の半ドコサニルアミド化物0.06gを
アイソパーGの1に希釈することにより液体現像剤を
作製した。
これを実施例1と同様の装置により現像した所、2000
枚現像後でも装置に対するトナー付着汚れは全く見られ
なかった。又、得られたオフセット印刷用マスタープレ
ートの画質及び1万枚印刷後の印刷物の画質ともに非常
に鮮明であった。
実施例6〜21 実施例5において、ラテックス粒子D−5に代えて下
記表−5の各ラテックスを用いた他は、実施例5と同様
にして液体現像剤を作製した。
これを実施例1と同様の装置により現像した所、2000
枚現像後でも装置に対するトナー付着汚れは全く発生し
なかった。
又、得られたオフセット印刷用マスタープレートの画
質は鮮明であり、1万枚印刷後の印刷物の画質も非常に
鮮明であった。
更にこの現像剤を3か月放置した後、上記と全く同様
の処理を行なったが、経時前と全く変わらなかった。
(発明の効果) 本発明により、分散安定性、再分散性、及び定着性の
優れた現像液が得られた。特に、非常に製版スピードの
速い製版条件で用いても、現像装置に汚れを生じず、且
つ得られたオフセット印刷用マスタープレートの画質及
び1万枚印刷後の印刷物の画質ともに非常に鮮明であっ
た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気抵抗109Ωcm以上、かつ誘電率3.5以下
    の非水溶媒中に、少なくとも樹脂を分散して成る静電写
    真用液体現像剤において、該分散樹脂粒子が、 該非水溶媒には可溶であるが、重合することによって
    不溶化する一官能性単量体(A)及び ホスホノ基、カルボキシル基、スルホ基、ヒドロキシ
    ル基、ホルミル基、カルボキシアミド基、スルホアミド
    基、アミノ基、 (R11は−R12基又は−OR12基を示し、R12は炭化水素基
    を示す)、環状酸無水物含有基から選択される少なくと
    も1種の極性基を含有する重合体成分及び/又は該一官
    能性単量体(A)に相当する重合体成分を含有するAブ
    ロックと下記一般式(I)で示される重合体成分を少な
    くとも含有するBブロックとから構成されるA−Bブロ
    ック共重合体を形成し、Bブロックの重合体主鎖の末端
    に重合性二重結合基を結合して成る重量平均分子量1×
    103〜2×104の一官能性マクロモノマー(M)、及び下
    記一般式(II)で示される単量体(B)とを各々少なく
    とも1種含有したグラフト型共重合体で該非水溶媒可溶
    性の分散安定用樹脂 を各々少なくとも1種含有する溶液を重合反応させるこ
    とにより得られる樹脂粒子であることを特徴とする静電
    写真用液体現像剤。 一般式(I) 式(I)中、V0は−COO−、−OCO−、 (l1、l2は1〜3の整数を表わす)、−O−、−SO2
    −CO−、 −CONHCOO−、−CONHCONH−、又は を表わす(ここでR13は水素原子又は炭化水素基を表わ
    す)。 R0は炭化水素基を表わす。 a1及びa2は、互いに同じでも異なってもよく、各々水素
    原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜8の炭化水
    素基、−COO−Z1又は炭素数1〜8の炭化水素基を介し
    た−COO−Z1(ここでZ1は水素原子又は炭素数1〜22の
    炭化水素基を表わす)を表わす。 一般式(II) 式(II)中、V1は、−COO−、−OCO−、 (l3、l4は1〜3の整数を表わす)、又は−O−を表わ
    す。 R1は炭素数8以上の脂肪族基を表わす。 b1、b2は、同じでも異なってもよく、各々水素原子、ハ
    ロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を表わす。
JP2118533A 1990-05-10 1990-05-10 静電写真用液体現像剤 Expired - Fee Related JP2640160B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2118533A JP2640160B2 (ja) 1990-05-10 1990-05-10 静電写真用液体現像剤
US07/697,179 US5141835A (en) 1990-05-10 1991-05-08 Liquid developer for electrostatic photography
DE69120725T DE69120725T2 (de) 1990-05-10 1991-05-08 Flüssiger Entwickler für elektrostatische Photographie
EP91304132A EP0456477B1 (en) 1990-05-10 1991-05-08 Liquid developer for electrostatic photography

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2118533A JP2640160B2 (ja) 1990-05-10 1990-05-10 静電写真用液体現像剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0415661A JPH0415661A (ja) 1992-01-21
JP2640160B2 true JP2640160B2 (ja) 1997-08-13

Family

ID=14738952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2118533A Expired - Fee Related JP2640160B2 (ja) 1990-05-10 1990-05-10 静電写真用液体現像剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2640160B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0415661A (ja) 1992-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH087471B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2640170B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2640155B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JPH0812491B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JPH087472B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2916551B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2640160B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2597196B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2597188B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2640167B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2640164B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2640163B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2640165B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2597189B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2916546B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2609152B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP3300461B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2597198B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2597203B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2592322B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2916562B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2652237B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2592323B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JPH087470B2 (ja) 静電写真用液体現像剤
JP2609158B2 (ja) 静電写真用液体現像剤

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370