JPH08736A - スライディングカテーテル - Google Patents

スライディングカテーテル

Info

Publication number
JPH08736A
JPH08736A JP14180494A JP14180494A JPH08736A JP H08736 A JPH08736 A JP H08736A JP 14180494 A JP14180494 A JP 14180494A JP 14180494 A JP14180494 A JP 14180494A JP H08736 A JPH08736 A JP H08736A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catheter
tube
slide
balloon membrane
balloon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14180494A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Egawa
修 江川
Akitoshi Ito
彰敏 伊藤
Takashi Kawabata
隆 川端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP14180494A priority Critical patent/JPH08736A/ja
Publication of JPH08736A publication Critical patent/JPH08736A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 過度に閉塞された狭窄部を有する体腔にも容
易に挿入することができ、しかも狭窄部を拡張すること
ができるスライディングカテーテルを提供すること。 【構成】 体腔40内に挿入されるカテーテル管4と、
このカテーテル管4の内部に軸方向移動自在に装着され
るスライド管6と、このスライド管6の先端近傍部に第
1開口端部8aが接合され、カテーテル管4の先端近傍
部に第2開口端部8bが接合される筒状の第1バルーン
膜8と、第1バルーン膜8の第1開口端部8aが接合さ
れるスライド管6の先端側に、膨張および収縮自在に装
着される第2バルーン膜20とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管などの体腔内に挿
入し、きわめて狭い狭窄部、偏心した狭窄部あるいは蛇
行した狭窄部または体腔内分岐部などでも、低摩擦力
で、しかも体腔内壁を傷つけることなく容易に通過させ
ることができるスライディングカテーテルに係り、さら
に詳しくは、狭窄部の拡張治療をも行うことができるス
ライディングカテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】血管、消化管、卵管、尿管などの体腔内
の特定部位に、薬液あるいは輸液を供給したり、あるい
は体液の圧力を測定したりする目的で、スライディング
カテーテルが使用されている。スライディングカテーテ
ルは、体腔内に挿入されるカテーテル管と、このカテー
テル管の内部に軸方向移動自在に装着されるスライド管
と、このスライド管の先端部に第1開口端部が接合さ
れ、前記カテーテル管の先端部に第2開口端部が接合さ
れる筒状のバルーン膜とを有する。
【0003】スライド管とカテーテル管との間の隙間に
圧力流体を封入した状態で、スライド管の基端部を操作
し、スライド管を軸方向に前進させることで、バルーン
膜がカテーテル管の先端部からめくり上げられながら突
出する。このバルーン膜は適度な可撓性を有し、その表
面がめくり上げられながら突出することで、このバルー
ン膜は、きわめて狭い狭窄部、偏心した狭窄部あるいは
蛇行した狭窄部などでも、低摩擦力で狭窄部を傷つける
ことなく容易に通過することができる。
【0004】バルーン膜が狭窄部を通過した後、さらに
スライド管を前進させれば、スライド管も、狭窄部を通
過することができる。したがって、このスライド管を通
して、薬液あるいは輸液を、狭窄部の背後の特定部位に
導入することができる。また、同様な理由から、その特
定部位の圧力などを検出することもできる。さらに特定
部位から検査用のサンプリングも行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来例に係
るスライディングカテーテルでは、その先端部を狭窄部
に容易に通過させる機能を有するが、その狭窄部を拡張
させる機能は基本的には有していない。したがって、そ
の狭窄部を拡張させたい場合には、まず、スライディン
グカテーテルの先端を狭窄部に通した後、スライディン
グカテーテルを通して、ガイドワイヤを狭窄部に通す。
その後、スライディングカテーテルを抜き取り、狭窄部
拡張用のカテーテルを別途ガイドワイヤに沿って差込
み、狭窄部を拡張する必要があった。狭窄部拡張用のカ
テーテルとしては、PTCA(経皮的冠動脈形成術)用
バルーンカテーテルがある。
【0006】このように、従来のスライディングカテー
テルでは、狭窄部を拡張する機能は基本的に有しておら
ず、狭窄部を拡張する場合には、別途カテーテルを差し
込む必要があり、その作業が煩雑であった。本発明は、
このような実状に鑑みてなされ、過度に閉塞された狭窄
部を有する体腔にも容易に挿入することができ、しかも
狭窄部を拡張することができるスライディングカテーテ
ルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るスライディングカテーテルは、体腔内
に挿入されるカテーテル管と、このカテーテル管の内部
に軸方向移動自在に装着されるスライド体と、このスラ
イド体の先端近傍部に第1開口端部が接合され、前記カ
テーテル管の先端近傍部に第2開口端部が接合される筒
状の第1バルーン膜と、前記第1バルーン膜の第1開口
端部が接合されるスライド体の先端側または基端側に、
膨張および収縮自在に装着される第2バルーン膜とを有
する。なお、本発明において、先端近傍部とは、先端お
よびその近傍を意味し、厳密な意味での先端のみに限定
されない。
【0008】前記第1バルーン膜および第2バルーン膜
は弾性変形可能な材質で構成されるが、第1バルーン膜
より前記第2バルーン膜の方が硬いことが好ましい。た
とえば第1バルーン膜のショア硬度は、70A〜90A
程度が好ましく、第2バルーン膜のショア硬度は、50
D〜70D程度が好ましい。
【0009】また、第1バルーン膜の膜厚より第2バル
ーン膜の膜厚の方が薄いことが好ましい。たとえば第1
バルーン膜の膜厚が、10〜1000μm、好ましくは
50〜500μm、さらに好ましくは60〜100μm
である。第2バルーン膜の膜厚は、10〜1000μ
m、好ましくは20〜300μm、さらに好ましくは3
0〜50μm である。
【0010】
【作用】本発明に係るスライディングカテーテルの使用
方法としては、特に限定されず、種々の使用方法が考え
られる。たとえば、次に示す使用方法が例示される。ま
ず、カテーテル管の先端からスライド管の先端が引っ込
んだ状態で、スライディングカテーテルを、その先端部
から、血管、卵管、消化管、尿管あるいはその他の体腔
内に挿入する。なお、その挿入の前後に、カテーテル管
とスライド体との間の隙間には、圧力流体を封入してお
く。圧力流体としては、たとえば生理食塩水+造影剤な
どの液体が用いられ、その圧力としては、好ましくは
0.5気圧から2気圧である。その圧力は、第1バルー
ン膜内にも伝達する。
【0011】カテーテル管の先端が、体腔内狭窄部ある
いは体腔内分岐部の手前にきた場合に、スライド管の基
端を操作し、スライド管をカテーテル管内で前進させる
ことで、カテーテル管の先端から、第1バルーン膜をめ
くり上げながら突出する。この第1バルーン膜は、可撓
性を有すると共に、めくり上げられながら突出するの
で、体腔との摩擦がほとんどなく、きわめて狭い狭窄
部、偏心した狭窄部あるいは蛇行した狭窄部または体腔
内分岐部などでも、体腔内壁を傷つけることなく容易に
通過させることができる。
【0012】その後、さらにスライド体を前進させれ
ば、第1バルーン膜の内側を通して、スライド体の先端
がカテーテル管の先端から突出し、スライド体の先端
は、上記狭窄部あるいは分岐部を容易に通過する。スラ
イド体の外周に装着してある第2バルーン膜が狭窄部内
に位置した時に、スライド体の前進を停止する。その状
態で、まず、第1バルーン膜の内部の圧力流体を排出
し、次に第2バルーン膜内に圧力流体を送り込む。その
圧力流体としては、放射線不透過性媒体と生理食塩水と
の50/50混合水溶液などが用いられる。第2バルー
ンを膨らますための圧力流体の圧力は、特に限定されな
いが、絶対圧で3〜12気圧、好ましくは、4〜8気圧
程度である。
【0013】第2バルーン膜が膨らむと、第1バルーン
膜と共に狭窄部を押し広げ、PTCA(経皮的冠動脈形
成術)などの良好な治療を行うことができる。本発明で
は、スライディングカテーテルにより狭窄部の拡張を行
うことができるので、PTCAバルーンカテーテルなど
のカテーテルを別途準備する必要がなく、作業が容易で
あると共に経済的である。
【0014】その後、スライド体を狭窄部の背後にさら
に押し進め、このスライド体を構成するスライド管を通
して、薬液や輸液を送り込めば、体腔内狭窄部の背後の
特定部位に良好に、これらを送り込むことができる。ま
た、その特定部位からの体液のサンプリング、体液の圧
力測定などが可能である。
【0015】さらに、スライド体の前進移動を途中で止
め、その後スライド体を後退移動させることで、いった
ん突出させた第1バルーン膜をカテーテル管の先端内に
後退移動させることで、第1バルーン膜により、体腔内
異物(たとえば結石)を取り込むこともできる。さらに
は、本発明に係るスライディングカテーテルは、内視鏡
と組み合わせて用いることもできる。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係るスライディングカテーテ
ルを、図面に示す実施例に基づき、詳細に説明する。図
1は本発明の一実施例に係るスライディングカテーテル
の概略断面図、図2,3は図1に示すスライディングカ
テーテルの使用例を示す要部概略断面図、図4は本発明
のその他の実施例に係るスライディングカテーテルの概
略断面図である。
【0017】第1実施例 まず、図1〜3に示す本発明の第1実施例に係るスライ
ディングカテーテルについて説明する。図1に示すよう
に、本実施例に係るスライディングカテーテル2は、血
管などの体腔内に挿入されるカテーテル管4を有する。
このカテーテル管4は中空管で構成され、その内部に
は、そこにスライド体としてのスライド管6が、軸方向
移動自在に装着してある。
【0018】このスライド管6の先端近傍部(ただし、
先端側に十分な寸法を残しておく)外周には、筒状の第
1バルーン膜8の第1開口端8aが接着または熱融着し
てある。また、カテーテル管4の先端近傍部(先端側に
は余分な寸法を残す必要はないが残してもよい)外周に
は、第1バルーン膜8の第2開口端8bが接着または熱
融着してある。
【0019】本実施例では、第1バルーン膜8の第1開
口端部8aが接合されるスライド管6のさらに先端側
に、筒状の第2バルーン膜20が膨張および収縮自在に
装着してある。第2バルーン膜20の両端部は、スライ
ド管6の外周に接着または熱融着してあり、その内部が
密封されるようになっている。
【0020】スライド管6の内部は、中空であり、第1
ルーメン22が形成してある。また、スライド管6の内
部には、その第1ルーメン22とは別個の第2ルーメン
24が形成してある内管26が、スライド管6の内壁に
接着、熱融着または一体的に形成してある。内管26の
両端部は密封してあり、内管26に形成してある第2ル
ーメン24は、スライド管6の先端近傍部に形成してあ
る通孔28を通して、第2バルーン膜20の内部と連通
してある。
【0021】なお、スライド管6とカテーテル管4との
間の隙間には、第3ルーメン30が形成してある。この
第3ルーメン30は、第1バルーン膜8の内部に連通し
ている。カテーテル管4は、ある程度の可撓性を有する
材質で構成されることが好ましく、たとえばポリエチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ
アミドエラストマー、ポリイミド、ポリイミドエラスト
マー、フッ素樹脂、シリコーンゴム、天然ゴムなどが使
用でき、好ましくは、ポリウレタン、ポリエチレン、ポ
リアミド、ポリ塩化ビニル、シリコーンゴムで構成され
る。このカテーテル管4の内表面には、ハイドローマー
被覆層などの摩擦低減層が被覆してあることが好まし
い。カテーテル管4の内部で、低摩擦力でスライド管6
が軸方向にスライド移動できるようにするためである。
このような観点からは、スライド管6の外表面にも、低
摩擦層を形成することが好ましい。
【0022】スライド管6は、カテーテル管4と同様
に、ある程度の可撓性を有する材質で構成されることが
好ましく、たとえばポリエチレン、フッ素樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエラ
ストマー、ポリイミド、ポリイミドエラストマー、シリ
コーンゴム、天然ゴム、金属(ステンレス、Ni−Ti
合金)などが使用でき、好ましくは、ポリウレタン、ポ
リエチレン、ポリアミドで構成される。また、このスラ
イド管6は、カテーテル管4と異なり、肉厚の薄い細径
の金属チューブ、たとえばステンレス、Ni−Ti合金
で構成することもできる。細径の金属チューブであれ
ば、ある程度の可撓性を有し、しかも、スライド管6を
スライド移動させるための操作力が伝達され易いことか
ら好ましい。
【0023】スライド管6の内壁に軸方向に接着、熱融
着または一体成形してある内管26は、一体成形する場
合には、スライド管6と同様な材質で構成されるが、接
着または熱融着する場合には、肉厚の薄い細径の金属チ
ューブ、たとえばステンレス、Ni−Ti合金で構成す
ることが好ましい。
【0024】第1バルーン膜8は、カテーテル管4およ
びスライド管6よりもさらに柔軟性を有する材質で構成
されることが好ましく、たとえばポリエチレン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリアミ
ド、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリイミド
エラストマー、シリコーンゴム、天然ゴムなど、好まし
くは、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リアミド、ポリウレタン、シリコーンゴムなどで構成さ
れる。
【0025】第2バルーン膜20は、カテーテル管4お
よびスライド管6よりも柔らかいが、第1バルーン膜8
よりも硬い材質で構成されることが好ましい。たとえば
第1バルーン膜8のショア硬度が70A〜90Aである
場合には、第2バルーン膜20のショア硬度は、50D
〜70Dであることが好ましい。このような観点から、
第2バルーン膜20は、たとえばポリエチレン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリアミ
ド、ポリアミドエラストマー、ポリイミド、ポリイミド
エラストマー、シリコーンゴム、天然ゴムなど、好まし
くは、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リアミドなどで構成される。
【0026】カテーテル管4、スライド管6および内管
26の外径、肉厚、軸方向長さなどの寸法は、このスラ
イディングカテーテルの使用目的に応じて種々に改変さ
れるが、一般に、次の寸法であることが好ましい。カテ
ーテル管4の外径は、好ましくは0.3〜〜15mm、さ
らに好ましくは1〜5mmであり、その肉厚は、好ましく
は50〜1000μm、さらに好ましくは100〜50
0μm、その軸方向長さは、好ましくは10〜3000
mm、さらに好ましくは50〜1000mmである。スライ
ド管6の外径は、好ましくは0.1〜10mm、さらに好
ましくは0.5〜4mmであり、その肉厚は、好ましくは
50〜1000μm、さらに好ましくは100〜500
μm、その軸方向長さは、カテーテル管4よりも長く、
好ましくは20〜6000mm、さらに好ましくは100
〜2000mmである。
【0027】スライド管6の内壁に軸方向に接着、熱融
着または一体成形してある内管26の外径は、スライド
管6の内径に比べて十分小さいことが好ましく、スライ
ド管6の内径の1〜10%の外径を有することが好まし
い。また、その肉厚は、好ましくは10〜500μm 、
さらに好ましくは50〜200μm である。
【0028】第1バルーン膜8の両端開口部8a,8b
は、それぞれスライド管6の先端近傍部とカテーテル管
4の先端近傍部とに接合される。したがって、第1バル
ーン膜8の外径は、必ずしも軸方向に一定である必要は
なく、その第1開口端8aがスライド管6の先端近傍部
に接続され、その第2開口端8bがカテーテル管4の先
端近傍部内周に接続されるように都合の良い外径を有す
る。第1バルーン膜8の膜厚は、特に限定されないが、
好ましくは10〜1000μm、さらに好ましくは50
〜500μmである。また、第1バルーン膜8の軸方向
長さは、スライディングカテーテルの使用目的に応じて
種々に変えることができるが、好ましくは50〜100
0mm、さらに好ましくは100〜500mmである。
【0029】第1バルーン膜8の第1開口部8aは、ス
ライド管6の最先端から5〜100mm程度引っ込んだ位
置に取り付けられ、スライド管6の先端側に第2バルー
ン膜20が取り付けられる余裕を残す。第2バルーン膜
20は、スライド管6の最先端位置から第1バルーン膜
8の第1開口端部8aの接合位置までの間に位置するス
ライド管6の外周に接合される。この第2バルーン膜2
0の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは10〜1
000μm、好ましくは20〜300μm、さらに好ま
しくは30〜50μm である。また、第2バルーン膜2
0の軸方向長さLは、スライディングカテーテルの使用
目的に応じて種々に変えることができるが、好ましくは
5〜100mm、さらに好ましくは10〜50mmである。
第2バルーン膜20の外径は、それが膨らんだ状態で、
好ましくは0.5〜10mm、さらに好ましくは1.0〜
5.0mmである。第2バルーン膜20の内部に圧力流体
が導入されない状態では、第2バルーン膜20は収縮さ
れてスライド管6の先端側近傍に巻き付けられている。
【0030】図1に示すように、カテーテル管4の基端
部には、分岐部10が設けられ、カテーテル管4内の第
3ルーメン30と連通する分岐管12が装着してある。
図1に示す実施例では、分岐管12が直接カテーテル管
4の基端側外周に装着してあるが、カテーテル管4の基
端に分岐用ハブを接続し、この分岐用ハブに対して分岐
管12を接続することもできる。その場合には、分岐管
12および分岐ハブは、患者の体外側に位置するので、
カテーテル管4に比較して剛性の高い材質で構成するこ
とができる。
【0031】分岐管12からは、カテーテル管4の第3
ルーメン30を通して、第1バルーン膜8の内部に液体
が導入される。封入される液体としては、特に限定され
ないが、たとえば放射線不透過性媒体と生理食塩水との
50/50混合水溶液などが用いられる。放射線不透過
性媒体を含ませるのは、スライディングカテーテル2の
使用時に、放射線を用いて第1バルーン膜8およびカテ
ーテル管4の位置を造影するためである。封入時の圧力
としては、特に限定されないが、ゲージ圧で好ましくは
0.5〜2気圧程度である。
【0032】カテーテル管4の最基端部には、フランジ
状のカテーテル用ハブ14が装着してある。このカテー
テル用ハブ14は、カテーテル管4の最基端側外周に、
接着ないし融着してあり、カテーテル管4よりも剛性の
高い材質で構成することができる。このハブ14は、具
体的には、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、シリコーン樹脂、ABS樹
脂、好ましくはポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、A
BS樹脂で構成される。このハブ14の外径は、カテー
テル管4の外径に対して100〜1000%大きいこと
が好ましい。
【0033】なお、このハブ14は、前記分岐ハブと一
体に形成することもできる。カテーテル用ハブ14が装
着されたカテーテル管4の内側には、密封用パッキン1
6が装着してある。密封用パッキン16は、第1バルー
ン膜8の内部と、カテーテル管4の内部の第3ルーメン
30とを密封する。しかも、スライド管6を、カテーテ
ル管4の内部で軸方向にスライド移動自在とするため
に、密封用パッキン16は、スライド管6の外周との摺
動性に優れた材質であることが好ましい。このような観
点から、密封用パッキンは、好ましくはシリコーンゴ
ム、ポリイソプレン、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリ
ウレタン、ポリ塩化ビニル、さらに好ましくはシリコー
ンゴム、天然ゴムで構成される。
【0034】スライド管6の最基端にも、フランジ状の
スライド用ハブ18が装着してある。スライド用ハブ1
8は、スライド管6の最基端外周に、接着または融着し
てある。スライド用ハブ18は、カテーテル用ハブと同
様な材質で構成される。スライド管6の内部に形成され
た第1ルーメン22は、その先端部に装着された第1バ
ルーン膜8によっても先端開口部が閉塞されず、その基
端部に装着されたハブ18によっても基端開口部が閉塞
されない。
【0035】スライド管6の最基端に装着されたスライ
ド用ハブ18の手前には、分岐管32が接合してある。
この分岐管32は、前記スライド用ハブ18と一体に形
成することもできる。この分岐管32は、スライド管6
の内部に軸方向に沿って装着された内管26の内部の第
2ルーメン24と連通している。第2ルーメン24は、
第2バルーン膜20の内部に連通している。分岐管32
からは、バルーン膜20を膨張させる圧力流体が導入お
よび導出される。
【0036】次に本実施例に係るスライディングカテー
テル2の使用例について説明する。まず、図1示すカテ
ーテル管4の先端からスライド管6の先端が最大限に引
っ込んだ状態で、スライディングカテーテル2を、その
先端部から、血管、卵管、消化管、尿管あるいはその他
の体腔40(図2,3参照)内に挿入する。スライディ
ングカテーテル2を、たとえば動脈血管などの体腔内に
挿入するには、セルジンガー法などを採用すれば良い。
【0037】なお、その挿入の前後に、カテーテル管4
とスライド管6との間の隙間の第1ルーメン30には、
図1に示す分岐管12から流体を封入しておく。封入流
体としては、たとえば生理食塩水+造影剤などの液体が
用いられ、その圧力としては、好ましくは0.5気圧か
ら2気圧である。
【0038】図2に示すように、カテーテル管4の先端
が、体腔内狭窄部42あるいは体腔内分岐部の手前にき
た場合に、図1に示すスライド管6の基端部に装着され
たハブ18を操作し、スライド管6をカテーテル管4内
で前進させる。その結果、図2に示すように、カテーテ
ル管4の先端から、第1バルーン膜8が、その表裏面が
めくり上げられるように突出する。
【0039】このように第1バルーン膜8が突出するの
は、第1バルーン膜8の内部に流体が加圧封入してある
と共に、スライド管6が前進移動するからである。封入
流体の圧力は、スライド管6の前進移動に応じて上昇
し、その圧力により、第1バルーン膜8が、カテーテル
管4の先端部から突出する。第1バルーン膜8の突出量
は、スライド管6の前進移動量の約1/2である。
【0040】なお、その状態では、図1,2に示す第2
バルーン膜20は、スライド管6の先端近傍部に収縮し
て巻き付けられている。そのため、この第2バルーン膜
20が、第1バルーン膜8の前進移動を阻害することは
ない。この第1バルーン膜8は、可撓性を有すると共
に、その表裏面がめくり上げられながら突出するので、
体腔との摩擦がほとんどなく、きわめて狭い狭窄部4
2、偏心した狭窄部あるいは蛇行した狭窄部または体腔
内分岐部などでも、体腔40の内壁を傷つけることなく
容易に通過させることができる。
【0041】その後、さらにスライド管6を前進させれ
ば、図3に示すように、第1バルーン膜8の内側を通し
て、スライド管6の先端がカテーテル管4の先端から突
出し、スライド管6の先端は、狭窄部42を容易に通過
する。スライド管6の先端近傍部外周に装着してある第
2バルーン膜20が狭窄部42内に位置した時に、スラ
イド管6の前進を停止する。その状態で、まず、第1バ
ルーン膜8の内部の圧力流体を排出し、次に、図1に示
す分岐管32および第2ルーメン24を通して、第2バ
ルーン膜20内に圧力流体を送り込む。その圧力流体と
しては、放射線不透過性媒体と生理食塩水との50/5
0混合水溶液などが用いられる。第2バルーン20を膨
らますための圧力流体の圧力は、特に限定されないが、
絶対圧で3〜12気圧、好ましくは、4〜8気圧程度で
ある。
【0042】第2バルーン膜20が膨らむと、図3に示
すように、第1バルーン膜8と共に狭窄部42を押し広
げ、PTCA(経皮的冠動脈形成術)などの良好な治療
を行うことができる。第2バルーン膜20の膨張は、一
回のみでなく、狭窄部42が良好に拡張されるまで何回
でも行っても良い。
【0043】本実施例では、スライディングカテーテル
2により狭窄部の拡張を行うことができるので、PTC
Aバルーンカテーテルなどのカテーテルを別途準備する
必要がなく、作業が容易であると共に経済的である。狭
窄部42が拡張した後で、第2バルーン膜20内の圧力
を抜き、第1バルーン膜8内にもう一度圧力流体を封入
し、スライド管6を狭窄部42の背後にさらに押し進め
れば、第1バルーン膜8は、その表裏面が完全に逆転
し、その内側を通して、スライド管6の先端がカテーテ
ル管4の先端から突出し、スライド管6の先端は、狭窄
部42あるいは分岐部を容易に通過する。その後、この
スライド管6の第1ルーメン22を通して、薬液や輸液
を送り込めば、体腔内狭窄部42または分岐部の背後の
特定部位に対して良好に、これらを送り込むことができ
る。また、その特定部位からの体液のサンプリング、体
液の圧力測定などが可能である。
【0044】さらに、スライド管6の前進移動を途中で
止め、その後スライド管6を後退移動させることで、い
ったん突出させた第1バルーン膜8をカテーテル管4の
先端内に後退移動させることで、第1バルーン膜8によ
り、体腔内異物(たとえば結石)を取り込むこともでき
る。
【0045】さらには、本実施例に係るスライディング
カテーテル2は、内視鏡と組み合わせて用いることもで
きる。内視鏡は、スライディングカテーテル2のスライ
ド管6に形成された第1ルーメン22を通して送り込む
ことができる。第2実施例 次に、本発明の他の実施例に係るスライディングカテー
テルについて説明する。図4に示す実施例のスライディ
ングカテーテル2aでは、第1バルーン膜8の第1開口
端部8aの接合位置が、図1に示す実施例のスライディ
ングカテーテル2に比較して相違するのみであり、その
他の部分の構成は共通するので、共通する部材には同一
符号を付し、その説明は省略する。
【0046】本実施例では、第1バルーン膜8の第1開
口端部8aを、第2バルーン膜20の接合位置よりも先
端側に位置するスライド管6の外周に接合してある。接
合方法としては、接着または熱融着である。本実施例に
係るスライディングカテーテル2aでも、前記実施例に
係るスライディングカテーテル2と同様な作用を有す
る。
【0047】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
スライディングカテーテルによれば、過度に閉塞された
狭窄部を有する体腔にも容易に挿入することが可能にな
り、しかも別途カテーテルを準備することなく、狭窄部
を容易に拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係るスライディング
カテーテルの概略断面図である。
【図2】図2は図1に示すスライディングカテーテルの
使用例を示す要部概略断面図である。
【図3】図3は図1に示すスライディングカテーテルの
使用例を示す要部概略断面図である。
【図4】図4は本発明のその他の実施例に係るスライデ
ィングカテーテルの概略断面図である。
【符号の説明】
2… スライディングカテーテル 4… カテーテル管 6… スライド管 8… 第1バルーン膜 8a… 第1開口端 8b… 第2開口端 10… 分岐部 12… 分岐管 14… カテーテル用ハブ 18… スライド用ハブ 20… 第2バルーン膜 22… 第1ルーメン 24… 第2ルーメン 26… 内管 28… 通孔 30… 第3ルーメン 32… 分岐管 40… 体腔 42… 狭窄部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体腔内に挿入されるカテーテル管と、 このカテーテル管の内部に軸方向移動自在に装着される
    スライド体と、 このスライド体の先端近傍部に第1開口端部が接合さ
    れ、前記カテーテル管の先端近傍部に第2開口端部が接
    合される筒状の第1バルーン膜と、 前記第1バルーン膜の第1開口端部が接合されるスライ
    ド体の先端側または基端側に、膨張および収縮自在に装
    着される第2バルーン膜とを有するスライディングカテ
    ーテル。
JP14180494A 1994-06-23 1994-06-23 スライディングカテーテル Pending JPH08736A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14180494A JPH08736A (ja) 1994-06-23 1994-06-23 スライディングカテーテル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14180494A JPH08736A (ja) 1994-06-23 1994-06-23 スライディングカテーテル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08736A true JPH08736A (ja) 1996-01-09

Family

ID=15300522

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14180494A Pending JPH08736A (ja) 1994-06-23 1994-06-23 スライディングカテーテル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08736A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020522309A (ja) * 2017-06-03 2020-07-30 センティネル メディカル テクノロジーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー 腹部内圧力をモニタするためのカテーテル

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020522309A (ja) * 2017-06-03 2020-07-30 センティネル メディカル テクノロジーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー 腹部内圧力をモニタするためのカテーテル

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2939893B2 (ja) 交換可能な一体式−ワイヤーバルーンカテーテル
EP0409427B1 (en) Catheter apparatus
US5074845A (en) Catheter with heat-fused balloon with waist
DK172616B1 (da) Kateter til behandling af indsnævrede steder, f.eks. i et blodkar
JPS63238877A (ja) 灌流型バルーン膨脹装置及びそのカテーテル
US20070282302A1 (en) Stent Positioning Using Inflation Tube
JPH0356068B2 (ja)
JPH02501712A (ja) 血管再建カテーテル
JP6348486B2 (ja) バルーンカテーテル、およびバルーンカテーテルの製造方法
JPH0951954A (ja) ガイドワイヤ固定具およびそれを備えたカテーテルセット
US20030163118A1 (en) Catheter having a tapered distal tip and method of making
JP2014200371A (ja) バルーンカテーテルおよびその使用方法
JPH0871155A (ja) スライディングカテーテル
JPH08308932A (ja) スライディングカテーテル
JPH0852218A (ja) スライディングカテーテル
JPH08736A (ja) スライディングカテーテル
JPH0434914B2 (ja)
JP4914282B2 (ja) 押圧性を備えたカテーテル
JPH07136283A (ja) 拡張カテーテル
JPH07313601A (ja) スライディングカテーテル
JP3687110B2 (ja) スライディングカテーテル
JPH0847538A (ja) スライディングカテーテル
JPH07313602A (ja) スライディングカテーテル
JPH0866476A (ja) スライディングカテーテル
JPH08737A (ja) スライディングカテーテル