JP2014200371A - バルーンカテーテルおよびその使用方法 - Google Patents

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Yasuo Kurosaki
靖夫 黒崎
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博 後藤
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Takanobu Ishizuka
隆伸 石塚
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Junya Kojima
潤也 小島
英資 古市
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英資 古市
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Abstract

【課題】薬剤が病変部に長時間にわたって作用するように薬剤を供給することができるバルーンカテーテルを提供する。
【解決手段】細長いシャフト1の先端部近傍に拡張可能なバルーン2が配置されると共にバルーン2の少なくとも一部を覆うようにスリーブ3が配置されたバルーンカテーテルを生体管腔内に挿入して、バルーン2を拡張し、拡張されたバルーン2を、スリーブ1に形成された支持部18で後方から支持して前方に移動させることにより、バルーン2と生体管腔内の病変部との間に存在する薬剤Dを病変部に押し込む。
【選択図】図1

Description

この発明は、バルーンカテーテルおよびその使用方法に係り、特に、生体管腔内の病変部に薬剤を供給するためのバルーンカテーテルおよびその使用方法に関する。
医療分野において、血管、胆管、気管、食道、尿道等の生体管腔内に狭窄部あるいは閉塞部等の病変部が発生した場合に、その病変部を拡張して治療を施すためのバルーンカテーテルが用いられている。このバルーンカテーテルは、一般に、長尺なシャフトの先端部近傍に拡張可能なバルーンが配置されると共に、シャフトの先端から導入されたガイドワイヤがシャフトの内部を介して基端側に導出された構造を有する。例えば、血管内に狭窄部が発生することで引き起こされる心筋梗塞や狭心症等の治療では、シャフトの先端から導入されたガイドワイヤに導かれながら血管内にカテーテルを挿入していき、シャフトの先端部近傍に配置されたバルーンを狭窄部内に位置させる。そして、バルーンを径方向に拡張することで狭窄部を押し拡げ、血管内の血流を確保すると共に薬剤等による狭窄部の治療が施される。
しかしながら、血管内を閉じるように肥大化した狭窄部が発生している場合には、バルーンを狭窄部内に位置させることが困難となる。また、血管内に複数の肥大化した狭窄部が発生している場合には、ガイドワイヤを目的の病変部まで送達させることも難しく、カテーテルを挿入する段階で多くの時間と手間を要していた。このため、血管内を閉じるように発生した狭窄部に押し通すことができるバルーンカテーテルが求められている。
例えば、特許文献1には、カテーテル本体の先端部が傾斜すると共にねじれて補強されたバルーンカテーテルが開示されている。この先端部によりバルーンカテーテルの押し能力とトルク能力が向上され、血管内の狭窄部に対して先端部を回転させることにより、狭窄部内にカテーテル本体を押し通すことができる。
特表2012−529304号公報
しかしながら、バルーンカテーテルの先端部が物理的に接触して狭窄部を強制的に押し通すものであり、その先端部が狭窄部以外の血管組織を傷つけてしまうおそれがあった。
そこで、狭窄部を分解するための薬剤を放出するバルーンカテーテルが提案されている。このバルーンカテーテルは、例えば、図17aに示すように、血管V内の狭窄部S付近において、カテーテル51の先端に形成された開口52から薬剤Dを放出すると共にバルーン53を拡張することにより、薬剤Dをバルーン53と狭窄部Sの間に閉じ込める。これにより、薬剤Dを血管V内に拡散させずに狭窄部Sに作用させることができ、狭窄部Sがある程度分解された後で、カテーテル51の先端から導出されたガイドワイヤ54などで狭窄部Sを押し通すことができる。このようなバルーンカテーテルでは、狭窄部Sを押し通すために形状を変形させる必要がないため、血管組織を傷つけることなく血管内に挿入していくことができる。
しかしながら、薬剤Dをバルーン53と狭窄部Sとの間に閉じ込めただけでは、薬剤Dを短時間のうちに狭窄部S内の奥深くまで供給することができず、薬剤Dが狭窄部S内に到達していない段階でバルーン53を閉じると、図17bに示すように、薬剤Dが即座に血管V内に拡散してしまう。また、血液中に含まれる阻害因子Mなどに薬剤Dが結合して、不活性化されてしまうことも懸念される。このため、薬剤Dによる狭窄部Sの分解反応を長時間持続させることが難しく、狭窄部Sを分解するためには、薬剤Dを過量に投与する、あるいは、血管V内でバルーン53を長時間にわたって拡張するなどの措置が必要となり、生体に負担がかかるおそれがあった。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、薬剤が病変部に長時間にわたって作用するように薬剤を供給することができるバルーンカテーテルおよびその使用方法を提供することを目的とする。
この発明に係るバルーンカテーテルは、生体管腔内に挿入するための細長いシャフトと、シャフトの先端部近傍に拡張可能に配置されたバルーンと、バルーンの少なくとも一部を覆うように配置され、拡張されたバルーンを後方から支持する支持部を有するスリーブとを備え、拡張されたバルーンを支持部で支持して前方に移動させることにより、バルーンと生体管腔内の病変部との間に存在する薬剤を病変部に押し込むものである。
ここで、スリーブは、バルーンの全体を覆うと共に先端に開口部が形成され、バルーンの拡張方向を前方に誘導するのが好ましい。
また、スリーブは先端部に複数のスリットが形成され、バルーンの拡張に応じた押圧により先端部が開放されて、所定の角度で維持された支持部が形成されるのが好ましい。また、スリーブの先端部は、バルーンの押圧に対して、支持部を所定の角度で維持する弾性力を有することができる。また、スリーブの複数のスリットの根元付近を囲むようにストッパーが配置され、開放されるスリーブの先端部がストッパーに当接することにより支持部を所定の角度で維持することもできる。また、スリーブは、複数のスリットの根元付近の厚みを薄く形成するのが好ましい。
また、バルーンは、拡張する際に生体管腔に沿って変形するような柔軟性を有するのが好ましい。
また、スリーブの先端部は、生体管腔との接触を抑制するように、外径が前方に向かって徐々に細くなるように形成することができる。
また、シャフトは、ガイドワイヤを挿通させるための基端から先端まで延びるルーメンを有し、ルーメンを介してバルーンと病変部との間に薬剤を放出することができる。また、バルーンの前部には薬剤が予め塗布されており、拡張させたバルーンを前方に移動させることにより、塗布された薬剤をバルーンと共に病変部に押し込むこともできる。
この発明に係るバルーンカテーテルの使用方法は、上記に記載のバルーンカテーテルを生体管腔内に挿入し、バルーンを拡張し、拡張されたバルーンを支持部で支持して前方に移動させることにより、バルーンと生体管腔内の病変部との間に存在する薬剤を病変部に押し込むものである。
ここで、バルーンは、血管内を封鎖するように径方向に拡張された後、支持部に後方から支持されて前方に移動され、生体管腔内の病変部との間に閉じ込められた薬剤を病変部に押し込むことが好ましい。
この発明によれば、拡張されたバルーンを支持部で支持して前方に移動させることにより薬剤を病変部に押し込むので、薬剤が病変部に長時間にわたって作用するように薬剤を供給することが可能となる。
この発明の実施の形態1に係るバルーンカテーテルの構成を示す側面図である。 実施の形態1に係るバルーンカテーテルの先端部近傍の構成を示す断面図である。 実施の形態1に係るバルーンカテーテルの先端部近傍の構成を示す側面図である。 図3のA−A線断面図である。 実施の形態1に係るバルーンカテーテルのバルーン拡張時における先端部近傍の構成を示す側面図である。 実施の形態1に係るバルーンカテーテルのバルーン拡張時における先端部近傍の構成を示す断面図である。 血管内の病変部に薬剤を供給するバルーンカテーテルの様子を段階的に示す図である。 実施の形態1の変形例に係るバルーンカテーテルの先端部近傍の構成を示す断面図である。 実施の形態2に係るバルーンカテーテルの先端部近傍の構成を示す側面図である。 実施の形態2に係るバルーンカテーテルの先端部近傍の構成を示す断面図である。 実施の形態2に係るバルーンカテーテルのバルーン拡張時の先端部近傍の構成を示す断面図である。 ドラッグエリューティングバルーンを用いたバルーンカテーテルの先端部近傍の構成を示す側面図である。 ドラッグエリューティングバルーンを用いたバルーンカテーテルで血管内の病変部に薬剤を供給する様子を示す図である。 ドラッグエリューティングバルーンを用いたバルーンカテーテルの先端部近傍の構成を示す断面図である。 多角筒形状のスリーブを用いたバルーンカテーテルの構成を示す横断面図である。 先端部近傍から基端部近傍まで延びるスリーブを用いたバルーンカテーテルの構成を示す側面図である。 従来のバルーンカテーテルで血管内の病変部に薬剤を供給する様子を段階的に示す図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、この発明の実施の形態1に係るバルーンカテーテルを示す。このバルーンカテーテルは、血管内に挿入するための細長いシャフト1と、シャフト1の先端部近傍に拡張可能に配置されたバルーン2と、バルーン2の全体を覆うように配置されたスリーブ3とを有する。また、シャフト1の基端部には、ガイドワイヤを導出するためのGW用ハブ4と、バルーン2を拡張する拡張液を供給するための拡張液用ハブ5とが配置されている。また、GW用ハブ4はポート6を有し、このポート6には、ガイドワイヤを引き抜かずに、薬物を供給できるように、分岐ポート6Aおよび6Bが形成されたY字型の分岐コネクターを取り付けることが好ましい。
バルーンカテーテルの先端開口部11から導入されたガイドワイヤ7は、シャフトの内部12を介してポート6に導かれ、ポート6に取り付けられたY字型分岐コネクターのポート6Aから導出される。また、拡張液用ハブ5はポート8を有し、ポート8から注入された拡張液がシャフト1の内部を介してバルーン2内に供給される。
図2に示すように、シャフト1は、シャフト1の先端部近傍から基端部まで延在する外管9と、外管9の内部に配置された内管10とから構成された、いわゆる2重管構造を有する。内管10はGW用ハブ4に接続されており、その内部には先端の開口部11からGW用ハブ4のポート6まで延びるGW用ルーメン12が形成されている。一方、外管9は拡張液用ハブ5に接続されており、内管10の外周面と外管9の内周面との間には、先端の開口部13から拡張液用ハブ5のポート8まで延びる拡張液用ルーメン14が形成されている。
これにより、バルーンカテーテルの先端開口部11から導入されたガイドワイヤ7は、シャフト1の内部に形成されたGW用ルーメン12を介してポート6に導かれ、ポート6に取り付けられたY字型分岐コネクターの分岐ポート6Aから導出することができる。また、血管内の狭窄部を分解するための薬剤を、GW用ハブ4のポート6に取り付けられたY字型分岐コネクターの分岐ポート6Bから供給することもできる。例えば、薬剤を充填したシリンジを分岐ポート6Bに接続して供給することにより、分岐ポート6Bから供給された薬剤がGW用ルーメン12を介して内管10の開口部11から外部に放出される。
シャフト1の外管9および内管10の形成材料としては、ある程度の可撓性を有するものが好ましく、金属や樹脂が挙げられる。金属としては、例えば、Ni−Ti系合金のような擬弾性合金(超弾性合金を含む)、形状記憶合金、ステンレス鋼(例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等、SUSの全品種)、コバルト系合金、金、白金のような貴金属、タングステン系合金、炭素系材料(ピアノ線を含む)等が挙げられる。樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、或いはこれら二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料或いはこれらの混合物、或いは上記2種以上の高分子材料が挙げられる。また、これらの金属や樹脂から形成された複合物からなる多層チューブ等により構成され得る。
ここで、薬剤としては、石灰化および血栓等による血管内の閉塞した狭窄部に対し、コラゲナーゼ、ピロリン酸、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、ウロキナーゼ、t−PA(組織型プラスミノーゲン活性化因子)等を適用することができる。
バルーン2は、内管10の先端部と外管9の先端部にそれぞれ接着されて、外管9の開口部13を包むように配置されている。これにより、拡張液用ハブ5のポート8から注入された拡張液は、拡張液用ルーメン14を介して開口部13からバルーン2内に供給される。バルーン2は、拡張する際に血管の形状に沿って変形するような柔軟性を有する素材、例えばゴムなどの柔らかい素材で構成することができる。
スリーブ3は、円筒形状を有し、バルーン2を覆うように配置されている。スリーブ3の先端には開口部15が形成されると共に、スリーブ3の後端はシャフト1の外管9に固定されて閉じられている。すなわち、スリーブ3は、バルーン2の拡張方向を前方に誘導するように、開口部15が形成された前方以外の側壁が閉じられた形状を有する。
また、スリーブ3の先端部16には、図3に示すように、複数のスリット17が形成されている。複数のスリット17は、図4に示すように、周方向に等間隔で形成されており、スリーブ3の先端部16は向きの異なる同形状の側壁に分岐されている。これにより、スリーブ3の先端部16は、内周面を押す圧力に応じて径方向に弾性的に開閉することができ、バルーン2の拡張により内周面が押圧されると、図5および図6に示すように、シャフト1の中心軸に対して所定の角度まで開放される。この先端部16の角度は弾性力により維持されており、これにより、拡張されたバルーン2を後方から支持する支持部18が形成されることになる。
ここで、スリーブ3は、バルーン2の押圧に対して、支持部18を所定の角度で維持するような弾性力を有する素材から形成され、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンエチレンープロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、またはこれらの二種以上の混合物等)、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、ポリイミド、フッ素樹脂等の高分子材料、またはこれらの混合物から形成することができる。スリーブ3をシャフト1に接着する際に熱圧着できるように、熱収縮可能な素材から形成するのが好ましい。また、スリーブ3は、シャフト1に対して、接着剤(シアノアクリレートなど)、熱圧着、およびストッパーリングなどを用いて固定することができる。
なお、シャフト1の内管10には、血管内における位置を認識するためのマーカー19が先端部に形成されている。例えば、X線造影により認識するための造影性マーカーを形成することができる。
次に、この実施の形態1の動作について説明する。
まず、図7aに示すように、血管V内を閉じるように肥大化した狭窄部S(石灰化や血栓など)の近傍までガイドワイヤ7が挿入されると共に、このガイドワイヤ7に導かれながらシャフト1の先端部が狭窄部S付近まで挿入される。この時、シャフト1の先端部近傍に配置されたバルーン2は、スリーブ3で覆われているため、バルーン2の外表面が血管内に接触することはなく、バルーンカテーテルを安定して血管内に挿入していくことができる。
次に、ガイドワイヤ7を後方に引き戻した後、狭窄部Sを分解するための薬剤DがGW用ハブ4のポート6の分岐ポート6Bから注入され、図7bに示すように、GW用ルーメン12を介してシャフト1の開口部11から薬剤Dが血管V内にフラッシュされる。続いて、バルーン2を拡張するための拡張液が拡張液用ハブ5のポート8から注入され、拡張液用ルーメン14を介してシャフト1の開口部13から拡張液がバルーン2内に供給される。
拡張液が供給されたバルーン2は、スリーブ3内の隙間を埋めるように拡張した後、スリーブ3に誘導されて開口部15から血管V内に露出される。この時、バルーン2は、外表面でスリーブ3の内周面を押圧し、スリーブ3の先端部16を径方向に押し広げながら血管V内に露出される。そして、バルーン2がスリーブ3の先端部16を所定の角度まで開放したところで、バルーン2の押圧力と先端部16の弾性力とが均衡し、スリーブ3の先端部16の開放が停止される。これにより、スリーブ3の先端部16が所定の角度で維持され、図7cに示すように、血管V内で拡張するバルーン2を後方から支持する支持部18が形成される。
このように、スリーブ3が、バルーン2を覆うように配置されると共に先端に開口部15が形成されることにより、バルーン2の拡張方向を開口部15が形成された前方に誘導することができる。また、バルーン2を後方から支持する支持部18により、バルーン2が血管V内に露出した後もバルーン2の拡張方向を前方に誘導することができる。なお、支持部18は、シャフト1の中心軸に対して90度以内の角度で維持されるのが好ましい。また、支持部18の長さは、血管径の1/2以下であるのが好ましい。
バルーン2が血管内に露出した後もバルーン2内には拡張液が供給され、バルーン2は血管Vに当接して封鎖するまで径方向に拡張していく。このように、バルーン2が血管V内を封鎖することにより、血管V内にフラッシュされた薬剤Dをバルーン2と狭窄部Sとの間に閉じ込めることができ、薬剤Dが血管V内に拡散するのを抑制することができる。
さらに、バルーン2内には拡張液が供給され続け、バルーン2は、スリーブ3の支持部18に後方から支持されることにより、血管に沿って前方に拡張していく。また、バルーン2と狭窄部Sとの間に閉じ込められた薬剤Dもバルーン2と共に前方に移動されていく。バルーンは、そのまま血管に沿って前方に拡張し、バルーン2の前部が狭窄部Sの近傍まで到達したところで、図7dに示すように、シャフト1が前方に向けて移動される。この時、バルーンは、スリーブ3の支持部18により後方から支持されており、シャフト1の移動と共に前方に移動される。そして、バルーン2の前部が狭窄部Sに当接するまで、シャフト1が前方に移動される。バルーン2の前部が狭窄部Sに当接しても支持部18の支持によりバルーン2が後方に移動することはなく、バルーン2の前部は、狭窄部Sの形状に沿って変形し、狭窄部Sの表面に密着する。
このように、スリーブ3の支持部18がバルーン2を後方から支持することにより、シャフト1を前方に移動させるだけで、バルーン2の前部を狭窄部Sの表面に密着させることができる。
なお、バルーンカテーテルの一連の操作において、シャフト1の先端部の位置はマーカー19を指標に判断することができる。このため、マーカー19は、シャフト1の先端部近傍に配置されるのが好ましい。
バルーン2の前部が狭窄部Sに密着することにより、バルーン2と狭窄部Sとの間に閉じ込められた薬剤Dが狭窄部S内に押し込まれる。このように、薬剤Dを狭窄部S内に積極的に押し込むことにより、その後にバルーン2を閉じて血管Vの封鎖を終了しても、薬剤Dが血管内に容易に拡散されず、長時間にわたって狭窄部Sの分解反応を維持することができる。また、薬剤Dが、血液中に含まれる阻害物質、例えばコラゲナーゼ製剤の場合では、α2−マクログロブリン(α2−M)などと結合して不活性化するのを抑制することもできる。さらに、図7dに示すように、バルーン2により狭窄部S内に押し込まれた薬剤Dは、狭窄部Sに形成された間隙G(再疎通微小血管など)を介して狭窄部S内の深部にも供給されるため、狭窄部Sを内部から効果的に分解することができる。
このように、血管V内に供給された薬剤Dは、ほとんど減じることなく狭窄部Sの分解反応に利用されるため、血管V内に供給する薬剤Dの量を抑制することができる。
狭窄部Sは、薬剤Dによりある程度分解されると柔らかくなり、バルーンカテーテルで押し通すことができる。例えば、図7eに示すように、ガイドワイヤ7を再びシャフト1の開口部11から導出し、分解された狭窄部Sをガイドワイヤ7で押し通すことができる。そして、狭窄部Sを押し通したガイドワイヤ7に導かれて、バルーンカテーテルが目的の位置まで挿入される。
本実施の形態によれば、バルーン2と狭窄部Sとの間に存在する薬剤Dをバルーン2により狭窄部Sに積極的に押し込むため、狭窄部Sの分解反応を長時間にわたって維持することができる。
なお、上記の実施の形態では、薬剤DがGW用ルーメン12を介して血管V内にフラッシュされた後にバルーン2を拡張したが、バルーン2を血管V内が封鎖されるまで拡張した後に薬剤Dを血管V内にフラッシュしてもよい。
また、スリーブ3の先端部16には、図8に示すように、外径が前方に向かって徐々に細くなるようなテーパー部20を形成することが好ましい。このテーパー部20が、バルーンカテーテルを血管V内に挿入する際にスリーブ3が血管Vと接触するのを抑制するため、血管V内を損傷せずにバルーンカテーテルを安定して挿入することができる。
実施の形態2
実施の形態1では、スリーブ3の支持部18は、先端部16が有する弾性力により所定の角度で維持されたが、拡張したバルーン2を支持部18が後方から支持することができればよく、これに限るものではない。
例えば、図9に示すように、実施の形態1で用いられたスリーブ3に換えて、スリーブ21をシャフト1の先端部近傍に配置することができる。このスリーブ21は、先端部22に複数のスリット23が形成されると共に、複数のスリット23の根元付近を囲むようにリング状のストッパー24が配置されている。また、図10に示すように、スリーブ21の内周面には、複数のスリット23の根元付近の厚みを薄くするために、内周面に沿って一周する溝25が形成されている。
なお、スリーブ21は、バルーン2の押圧により変形しない程度の剛性を有する素材から形成するのが好ましく、例えばプラスチックなどから形成することができる。
バルーン2を拡張する際には、実施の形態1と同様に、拡張液が拡張液用ルーメン14を介してバルーン2内に供給され、バルーン2がスリーブ21の内周面に誘導されて開口部15から前方に向けて拡張すると共にその外表面でスリーブ21の先端部22を押し広げるように径方向に拡張していく。
ここで、スリーブ21の先端部22には弾性力がほとんどなく、バルーン2の拡張により、先端部22は溝25から折れるように容易に開放される。そして、先端部22が所定の角度まで開放されたところで、図11に示すように、先端部22の外表面がストッパー24に当接し、先端部22の開放が停止される。これにより、スリーブ21の先端部22が所定の角度で維持され、拡張するバルーン2を後方から支持する支持部材26が形成される。なお、支持部16は、シャフト1の中心軸に対して90度以内の角度で維持されるのが好ましい。
本実施の形態によれば、スリーブ21の先端部22が容易に開放されるため、バルーン2を速やかに径方向に拡張して血管V内を封鎖することができ、薬剤Dの拡散を抑制することができる。
なお、上記の実施の形態1および2では、薬剤Dは、スリーブのGW用ルーメン12を介してシャフト1の開口部11から血管V内にフラッシュされたが、バルーン2の前方に薬剤Dを存在させて狭窄部Sとの間で閉じ込めることができればよく、これに限るものではない。
例えば、シャフト1の内部に先端まで延びる薬剤用ルーメンを新たに形成し、この薬剤用ルーメンを介して薬剤Dをバルーン2の前方にフラッシュすることができる。
また、図12に示すように、バルーン31の前部32に薬剤Dが予め塗布された、いわゆるドラッグエリューティングバルーン(DEB)を用いることもできる。血管V内に生じた狭窄部S付近でバルーン31を拡張すると、予め薬剤Dを塗布した前部32が血管V内に露出する。続いて、図13に示すように、シャフト1を前方に移動させると、スリーブ3の支持部18に後方から支持されることによりバルーン31が前方に移動し、バルーン31の前部32が狭窄部Sの表面に密着される。これにより、バルーン31の前部32に塗布された薬剤Dが狭窄部S内に押し込まれ、狭窄部Sの分解反応を長時間にわたって維持することができる。
なお、上記のように、ドラッグエリューティングバルーンを用いる場合には、径方向に拡張して血管Vを封鎖する必要はなく、前方に向かって積極的に拡張していく先端拡張型のゴムバルーンを用いるのが好ましい。例えば、図14に示すように、内部に拡張液用ルーメン33が形成された管状のシャフト34に対し、その先端に形成された開口部35を覆うように、予め前部36に薬剤が塗布された先端拡張型のバルーン37を配置することができる。
このような構成により、拡張液用ルーメン33を介してバルーン37内に拡張液が供給されると、バルーン37は積極的に前方に向かって拡張されていく。そして、バルーン37が、スリーブ3の支持部18に後方から支持されつつ前方に移動されることにより、バルーン37の前部36を狭窄部Sに密着させて前部36に塗布された薬剤Dを狭窄部S内に押し込むことができる。
また、上記の実施の形態1および2では、スリーブは、円筒形状を有していたが、先端部が開放されて支持部を形成することができればよく、これに限るものではない。
例えば、図15に示すように、スリーブ38は、多角筒形状を有し、その頂点部分にそれぞれスリット39を形成することができる。これにより、バルーン2の拡張に応じて、スリーブ38の平坦な側壁部分がそれぞれ開放されて、支持部が形成される。なお、スリーブは、4角筒形状から32角筒形状の範囲で形成し、それぞれ4個から32個のスリットを形成するのが好ましい。
また、上記の実施の形態1および2では、スリーブは、バルーンの全体を覆うように配置されていたが、拡張されたバルーンを後方から支持する支持部を形成することができれば、バルーンの一部を覆うように配置することもできる。また、図16に示すように、シャフト1の先端部近傍から基端部近傍まで延びるようにスリーブ40を形成することもできる。このようにスリーブ40を形成することにより、例えば、スリーブ40をガイディングカテーテルとしても使用することができる。すなわち、スリーブ40を予め血管内に挿入した後、スリーブ40をガイディングカテーテルとしてその内部にバルーンカテーテルを挿入し、バルーンカテーテルがスリーブ40の先端部まで挿入されたところでバルーンを拡張してスリーブ40の先端部が開放され、これにより支持部を形成することができる。ここで、ガイディングカテーテルとは、バルーンカテーテルを血管内に挿入する際にバルーンなどが血管組織に接触するのを防ぎ、バルーンカテーテルを目的の部位へガイドするために使用される。
また、スリーブは、シャフトに接着すると共に、バルーンに対して移動しないようにバルーンにも接着することができる。この時、バルーンが前方に拡張するのを妨げないように、バルーンの後部に接着するのが好ましい。
また、上記の実施の形態1および2では、バルーンカテーテルは、血管内に生じた狭窄部等の病変部に対して用いられたが、胆管、気管、食道、尿道等の生体管腔内に生じた病変部に対して使用することもできる。
また、上記の実施の形態1および2では、基端部から先端部までガイドワイヤが挿通される、いわゆるオーバー・ザ・ワイヤ型のバルーンカテーテルを用いたが、バルーンカテーテルの先端部付近にのみガイドワイヤが通される、いわゆるラピッドエクスチェンジ型のバルーンカテーテルを用いることもできる。
1,34 シャフト、2,31,37 バルーン、3,21,38,40 スリーブ、4 GW用ハブ、5 拡張液用ハブ、6 ポート、6A,6B 分岐ポート7 ガイドワイヤ、8 ポート、9 外管、10 内管、11 開口部、12 GW用ルーメン、13,35 開口部、14,33 拡張液用ルーメン、15 開口部、16,22 先端部、17,23,39 スリット、18,26 支持部、19 マーカー、20 テーパー部、24 開放停止部材、25 溝、32,36 前部、V 血管、S 狭窄部、G 間隙、D 薬剤。

Claims (5)

  1. 生体管腔内に挿入するための細長いシャフトと、
    前記シャフトの先端部近傍に拡張可能に配置されたバルーンと、
    前記バルーンの少なくとも一部を覆うように配置され、拡張された前記バルーンを後方から支持する支持部を有するスリーブと
    を備え、
    拡張された前記バルーンを前記支持部で支持して前方に移動させることにより、前記バルーンと生体管腔内の病変部との間に存在する薬剤を病変部に押し込むことを特徴とするバルーンカテーテル。
  2. 前記スリーブは、前記バルーンの全体を覆うと共に先端に開口部が形成され、前記バルーンの拡張方向を前方に誘導する請求項1に記載のバルーンカテーテル。
  3. 前記スリーブは先端部に複数のスリットが形成され、前記バルーンの拡張に応じた押圧により先端部が開放されて、所定の角度で維持された前記支持部が形成される請求項2に記載のバルーンカテーテル。
  4. 前記バルーンの前部には薬剤が予め塗布されており、拡張させた前記バルーンを前方に移動させることにより、塗布された薬剤が前記バルーンと共に病変部に押し込まれる請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルーンカテーテル。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルーンカテーテルを生体管腔内に挿入し、
    前記バルーンを拡張し、
    拡張された前記バルーンを前記支持部で支持して前方に移動させることにより、前記バルーンと生体管腔内の病変部との間に存在する薬剤を病変部に押し込むことを特徴とするバルーンカテーテルの使用方法。
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