JPH08737A - スライディングカテーテル - Google Patents

スライディングカテーテル

Info

Publication number
JPH08737A
JPH08737A JP14180594A JP14180594A JPH08737A JP H08737 A JPH08737 A JP H08737A JP 14180594 A JP14180594 A JP 14180594A JP 14180594 A JP14180594 A JP 14180594A JP H08737 A JPH08737 A JP H08737A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
catheter
slide
tip
catheter tube
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14180594A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Egawa
修 江川
Akitoshi Ito
彰敏 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP14180594A priority Critical patent/JPH08737A/ja
Publication of JPH08737A publication Critical patent/JPH08737A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 体腔内の分岐部において、目的とする方向に
容易に侵入させることが可能であり、しかも、きわめて
強い狭窄部でもスライド管の先端が潰れることなく容易
に侵入させることが可能なスライディングカテーテルを
提供すること。 【構成】 体腔40内に挿入されるカテーテル管4と、
このカテーテル管4の内部に軸方向移動自在に装着され
るスライド管6と、このスライド管6の先端部に第1開
口端部8aが接合され、カテーテル管4の先端部に第2
開口端部8bが接合される筒状のバルーン膜8と、スラ
イド管6またはカテーテル管4の先端に軸方向に突出す
るように装着されたスプリング20とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管などの体腔内に挿
入し、きわめて狭い狭窄部、偏心した狭窄部あるいは蛇
行した狭窄部または体腔内分岐部などでも、低摩擦力
で、しかも体腔内壁を傷つけることなく容易に通過させ
ることができるスライディングカテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】血管、消化管、卵管、尿管などの体腔内
の特定部位に、薬液あるいは輸液を供給したり、あるい
は体液の圧力を測定したりする目的で、スライディング
カテーテルが使用されている。スライディングカテーテ
ルは、体腔内に挿入されるカテーテル管と、このカテー
テル管の内部に軸方向移動自在に装着されるスライド管
と、このスライド管の先端部に第1開口端部が接合さ
れ、前記カテーテル管の先端部に第2開口端部が接合さ
れる筒状のバルーン膜とを有する。
【0003】スライド管とカテーテル管との間の隙間に
圧力流体を封入した状態で、スライド管の基端部を操作
し、スライド管を軸方向に前進させることで、バルーン
膜がカテーテル管の先端部からめくり上げられながら突
出する。このバルーン膜は適度な可撓性を有し、その表
面がめくり上げられながら突出することで、このバルー
ン膜は、狭い狭窄部、偏心した狭窄部あるいは蛇行した
狭窄部などでも、低摩擦力で狭窄部を傷つけることなく
容易に通過することができる。
【0004】バルーン膜が狭窄部を通過した後、さらに
スライド管を前進させれば、スライド管も、狭窄部を通
過することができる。したがって、このスライド管を通
して、薬液あるいは輸液を、狭窄部の背後の特定部位に
導入することができる。また、同様な理由から、その特
定部位の圧力などを検出することもできる。さらに特定
部位から検査用のサンプリングも行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来例に係
るスライディングカテーテルでは、スライド管の先端が
柔らかすぎて、体腔内の分岐部において、目的とする方
向へ侵入させることが困難な場合があった。また、きわ
めて強い狭窄部にスライディングカテーテルの先端を侵
入させる場合などには、スライド管の侵入につれて、ス
ライド管の先端が潰れてしまうおそれがあった。スライ
ド管の先端が潰れてしまうと、狭窄部へのスライド管の
侵入が困難になると共に、スライド管を通しての輸液の
供給または体液のサンプリングが困難になる。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、体腔内の分岐部において、目的とする方向に容易に
侵入させることが可能であり、しかも、きわめて強い狭
窄部でもスライド管の先端が潰れることなく容易に侵入
させることが可能なスライディングカテーテルを提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の観点に係るスライディングカテーテ
ルは、体腔内に挿入されるカテーテル管と、このカテー
テル管の内部に軸方向移動自在に装着されるスライド体
と、このスライド体の先端部に第1開口端部が接合さ
れ、前記カテーテル管の先端部に第2開口端部が接合さ
れる筒状のバルーン膜と、前記スライド体の先端に軸方
向に突出するように装着されたスプリングとを有する。
【0008】本発明の第2の観点に係るスライディング
カテーテルは、体腔内に挿入されるカテーテル管と、こ
のカテーテル管の内部に軸方向移動自在に装着されるス
ライド体と、このスライド体の先端部に第1開口端部が
接合され、前記カテーテル管の先端部に第2開口端部が
接合される筒状のバルーン膜と、前記カテーテル管の先
端に軸方向に突出するように装着されたスプリングとを
有する。本発明の第2の観点に係るスライディングカテ
ーテルでは、バルーン膜の第2開口端部は、カテーテル
管の先端部の内周側に接合されることが好ましい。スプ
リングをバルーン膜の外側に位置させるためである。
【0009】なお、本発明において、先端部とは、実質
的に先端であれば良く、厳密な意味での先端のみでな
く、その先端の近傍位置も含む意味で用いる。前記スプ
リングはコイル状スプリングであり、その外径は、スラ
イド体またはカテーテル管の外径に略等しいことが好ま
しい。
【0010】前記スプリングの軸方向長さは、特に限定
されないが、バルーン膜の軸方向長さに対して、好まし
くは0.5〜20%、さらに好ましくは1〜10%、具
体的には、好ましくは5〜100mm、さらに好ましくは
10〜50mmである。前記スプリングはポリマーなどの
被覆層で補強することが好ましい。
【0011】
【作用】本発明に係るスライディングカテーテルの使用
方法としては、特に限定されず、種々の使用方法が考え
られる。たとえば、次に示す使用方法が例示される。ま
ず、カテーテル管の先端からスライド管の先端が引っ込
んだ状態で、スライディングカテーテルを、その先端部
から、血管、卵管、消化管、尿管あるいはその他の体腔
内に挿入する。なお、その挿入の前後に、カテーテル管
とスライド体との間の隙間には、圧力流体を封入してお
く。圧力流体としては、たとえば生理食塩水+造影剤な
どの液体が用いられ、その圧力としては、好ましくは
0.5気圧から2気圧である。その圧力は、バルーン膜
内にも伝達する。
【0012】カテーテル管の先端が、体腔内分岐部の手
前にきた場合に、スライド体の基端部を操作し、スライ
ド管をカテーテル管内で前進させることで、カテーテル
管の先端から、バルーン膜をめくり上げながら突出す
る。その際に、本発明に係るスライディングカテーテル
では、スライディングカテーテルの先端に適度な弾力性
を有するスプリングが装着してあるので、スライド体を
カテーテル管に対して回転させることで、スプリングの
先端を、分岐部の目的とする方向に容易に侵入させるこ
とができる。
【0013】また、カテーテル管の先端が、体腔内狭窄
部の手前にきた場合には、スライド体の基端部を操作し
て、スライド管をカテーテル管内で前進させることで、
カテーテル管の先端から、バルーン膜をめくり上げなが
ら突出する。その際に、本発明の第1の観点に係るスラ
イディングカテーテルでは、スライド体の先端に適度な
弾力性を有するスプリングが装着してあるので、極めて
強い狭窄部でも、その狭窄部をスプリングの弾力性で拡
張しつつスライド体が侵入するので、スライド体の先端
が潰れることなく、容易に侵入することができる。
【0014】また、バルーン膜は、可撓性を有すると共
に、めくり上げられながら突出するので、体腔との摩擦
がほとんどなく、きわめて狭い狭窄部、偏心した狭窄部
あるいは蛇行した狭窄部または体腔内分岐部などでも、
体腔内壁を傷つけることなく容易に通過させることがで
きる。
【0015】本発明の第2の観点に係るスライディング
カテーテルでは、カテーテル管の先端部にスプリングが
装着してあるので、前記本発明の第1の観点に係るスラ
イディングカテーテルと同様にして、体腔内分岐部また
は狭窄部に対して容易に侵入することができる。
【0016】その後、スライド体を狭窄部の背後にさら
に押し進め、このスライド体を構成するスライド管を通
して、薬液や輸液を送り込めば、体腔内狭窄部の背後の
特定部位に良好に、これらを送り込むことができる。ま
た、その特定部位からの体液のサンプリング、体液の圧
力測定などが可能である。
【0017】さらに、スライド体の前進移動を途中で止
め、その後スライド体を後退移動させることで、いった
ん突出させたバルーン膜をカテーテル管の先端内に後退
移動させることで、バルーン膜により、体腔内異物(た
とえば結石)を取り込むこともできる。さらには、本発
明に係るスライディングカテーテルは、内視鏡と組み合
わせて用いることもできる。
【0018】また、PTCA(経皮的冠動脈形成術)用
バルーンカテーテルが挿入し難い狭窄部に、まず本発明
に係るスライディングカテーテルを通すことで、その狭
窄部にガイドワイヤを通し、その後スライディングカテ
ーテルを抜取り、PTCAバルーンカテーテルを挿入
し、PTCA治療を行うこともできる。
【0019】
【実施例】以下、本発明に係るスライディングカテーテ
ルを、図面に示す実施態様に基づき、詳細に説明する。
図1は本発明の一実施態様に係るスライディングカテー
テルの概略断面図、図2は図1に示すスライディングカ
テーテルの要部断面図、図3,4は図1に示すスライデ
ィングカテーテルの使用例を示す要部概略断面図、図5
は本発明のその他の実施態様に係るスライディングカテ
ーテルの概略断面図、図6は図5に示すスライディング
カテーテルの要部断面図、図7は図6に示す部分の分解
図、図8,9は本発明の実施例で行う試験の要部断面図
である。
【0020】第1実施態様 まず、図1〜4に示す本発明の第1実施態様に係るスラ
イディングカテーテルについて説明する。図1に示すよ
うに、本実施態様に係るスライディングカテーテル2
は、血管などの体腔内に挿入されるカテーテル管4を有
する。このカテーテル管4は中空管で構成され、その内
部には、そこにスライド体としてのスライド管6が、軸
方向移動自在に装着してある。
【0021】このスライド管6の先端部外周には、筒状
のバルーン膜8の第1開口端8aが接着または熱融着し
てある。また、カテーテル管4の先端部外周には、バル
ーン膜8の第2開口端8bが接着または熱融着してあ
る。スライド管6の内部は、中空であり、第1ルーメン
15が形成してある。
【0022】なお、スライド管6とカテーテル管4との
間の隙間には、第2ルーメン17が形成してある。この
第2ルーメン17は、バルーン膜8の内部に連通してい
る。カテーテル管4は、ある程度の可撓性を有する材質
で構成されることが好ましく、たとえばポリエチレン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミ
ドエラストマー、ポリイミド、ポリイミドエラストマ
ー、フッ素樹脂、シリコーンゴム、天然ゴムなどが使用
でき、好ましくは、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ
アミド、ポリ塩化ビニル、シリコーンゴムで構成され
る。このカテーテル管4の内表面には、ハイドローマー
被覆層などの摩擦低減層が被覆してあることが好まし
い。カテーテル管4の内部で、低摩擦力でスライド管6
が軸方向にスライド移動できるようにするためである。
このような観点からは、スライド管6の外表面にも、低
摩擦層を形成することが好ましい。
【0023】スライド管6は、カテーテル管4と同様
に、ある程度の可撓性を有する材質で構成されることが
好ましく、たとえばポリエチレン、フッ素樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリプロピレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リ塩化ビニル(PVC)、架橋型エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエラ
ストマー、ポリイミド、ポリイミドエラストマー、シリ
コーンゴム、天然ゴム、金属(ステンレス、Ni−Ti
合金)などが使用でき、好ましくは、ポリウレタン、ポ
リエチレン、ポリアミドで構成される。また、このスラ
イド管6は、カテーテル管4と異なり、肉厚の薄い細径
の金属チューブ、たとえばステンレス、Ni−Ti合金
で構成することもできる。細径の金属チューブであれ
ば、ある程度の可撓性を有し、しかも、スライド管6を
スライド移動させるための操作力が伝達され易いことか
ら好ましい。
【0024】バルーン膜8は、カテーテル管4およびス
ライド管6よりもさらに柔軟性を有する材質で構成され
ることが好ましく、たとえばポリエチレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩
化ビニル(PVC)、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重
合体、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリアミド、ポ
リアミドエラストマー、ポリイミド、ポリイミドエラス
トマー、シリコーンゴム、天然ゴムなど、好ましくは、
ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミ
ド、ポリウレタン、シリコーンゴムなどで構成される。
【0025】カテーテル管4およびスライド管6の外
径、肉厚、軸方向長さなどの寸法は、このスライディン
グカテーテル2の使用目的に応じて種々に改変される
が、一般に、次の寸法であることが好ましい。カテーテ
ル管4の外径は、好ましくは0.3〜15mm、さらに好
ましくは1〜5mmであり、その肉厚は、好ましくは50
〜1000μm、さらに好ましくは100〜500μ
m、その軸方向長さは、好ましくは10〜3000mm、
さらに好ましくは50〜1000mmである。スライド管
6の外径は、好ましくは0.1〜10mm、さらに好まし
くは0.5〜4mmであり、その肉厚は、好ましくは50
〜1000μm、さらに好ましくは100〜500μ
m、その軸方向長さは、カテーテル管4よりも長く、好
ましくは20〜6000mm、さらに好ましくは100〜
2000mmである。
【0026】バルーン膜8の両端開口部8a,8bは、
それぞれスライド管6の先端部とカテーテル管4の先端
部とに接合される。したがって、バルーン膜8の外径
は、必ずしも軸方向に一定である必要はなく、その第1
開口端8aがスライド管6の先端部に接続され、その第
2開口端8bがカテーテル管4の先端部内周に接続され
るように都合の良い外径を有する。バルーン膜8の膜厚
は、特に限定されないが、好ましくは10〜1000μ
m、さらに好ましくは50〜500μmである。また、
バルーン膜8の軸方向長さは、スライディングカテーテ
ルの使用目的に応じて種々に変えることができるが、好
ましくは50〜1000mm、さらに好ましくは100〜
500mmである。
【0027】図1に示すように、カテーテル管4の基端
部には、分岐部10が設けられ、カテーテル管4内の第
2ルーメン17と連通する分岐管12が装着してある。
図1に示す実施態様では、分岐管12が直接カテーテル
管4の基端側外周に装着してあるが、カテーテル管4の
基端に分岐用ハブを接続し、この分岐用ハブに対して分
岐管12を接続することもできる。分岐管及び分岐ハブ
は、患者の体外側に位置するので、カテーテル管4に比
較して剛性の高い材質で構成することができる。
【0028】分岐管12からは、カテーテル管4の第2
ルーメン17を通して、バルーン膜8の内部に液体が導
入される。封入される液体としては、特に限定されない
が、たとえば放射線不透過性媒体と生理食塩水との50
/50混合水溶液などが用いられる。放射線不透過性媒
体を含ませるのは、スライディングカテーテル2の使用
時に、放射線を用いてバルーン膜8およびカテーテル管
4の位置を造影するためである。封入時の圧力として
は、特に限定されないが、ゲージ圧で好ましくは0.5
〜2気圧程度である。
【0029】カテーテル管4の最基端部には、フランジ
状のカテーテル用ハブ14が装着してある。このカテー
テル用ハブ14は、カテーテル管4の最基端側外周に、
接着ないし融着してあり、カテーテル管4よりも剛性の
高い材質で構成することができる。このハブ14は、具
体的には、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、シリコーン樹脂、ABS樹
脂、好ましくはポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、A
BS樹脂で構成される。このハブ14の外径は、カテー
テル管4の外径に対して100〜1000%大きいこと
が好ましい。
【0030】なお、このハブ14は、前記分岐ハブと一
体に形成することもできる。カテーテル用ハブ14が装
着されたカテーテル管4の内側には、密封用パッキン1
6が装着してある。密封用パッキン16は、バルーン膜
8の内部と、カテーテル管4の内部の第2ルーメン17
とを密封する。しかも、スライド管6を、カテーテル管
4の内部で軸方向にスライド移動自在とするために、密
封用パッキン16は、スライド管6の外周との摺動性に
優れた材質であることが好ましい。このような観点か
ら、密封用パッキンは、好ましくはシリコーンゴム、ポ
リイソプレン、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、さらに好ましくはシリコーンゴ
ム、天然ゴムで構成される。
【0031】スライド管6の最基端にも、フランジ状の
スライド用ハブ18が装着してある。スライド用ハブ1
8は、スライド管6の最基端外周に、接着または融着し
てある。スライド用ハブ18は、カテーテル用ハブと同
様な材質で構成される。スライド管6の内部に形成され
た第1ルーメン15は、その先端部に装着されたバルー
ン膜8によっても先端開口部が閉塞されず、その基端部
に装着されたハブ18によっても基端開口部が閉塞され
ない。
【0032】本実施例では、図1,2に示すように、ス
ライド管6の先端に、軸方向に突出するコイル状のスプ
リング20が装着してある。このスプリング20は、た
とえばステンレス、Tiなどの金属、Ni−Ti合金な
どの超弾性合金、あるいは合成樹脂などで構成してあ
る。Tiなどの金属は生体適合性がよいので好ましい。
スプリング20は、スライド管6の先端に、接着剤また
は超音波融着などの手段で接合される。あるいはスライ
ド管6の先端部にスプリングを埋め込んで一体成形する
こともできる。
【0033】このスプリング20の表面には、図2に示
すように、補強層22がコーティングしてあることが好
ましい。補強層22としては、ポリウレタン樹脂層など
を用いることができる。補強層22は、スライド管6と
同様な材質で構成されることが好ましい。スライド管6
に対するスプリング20の接着力を高めるためである。
スプリング20の表面あるいは補強層22の表面には、
摺動特性を高めるために、親水性ポリマーなどをコーテ
ィングすることが好ましい。
【0034】このスプリング20の線径は、スライド管
6の肉厚に略等しいことが好ましく、スプリング20の
巻外径がスライド管6の外径に略一致することが好まし
い。また、スプリング20の巻内径は、スライド管6の
内径に略一致することが好ましい。スプリング20の軸
方向長さは、バルーン膜8の軸方向長さに対して、好ま
しくは0.5〜20%、さらに好ましくは1〜10%、
具体的には、好ましくは5〜100mm、さらに好ましく
は10〜50mmである。
【0035】次に本実施態様に係るスライディングカテ
ーテル2の使用例について説明する。まず、図3に示す
ように、図1に示すカテーテル管4の先端からスライド
管6の先端が最大限に引っ込んだ状態で、スライディン
グカテーテル2を、その先端部から、血管、卵管、消化
管、尿管あるいはその他の体腔40(図3,4参照)内
に挿入する。スライディングカテーテル2を、たとえば
動脈血管などの体腔内に挿入するには、セルジンガー法
などを採用すれば良い。
【0036】なお、その挿入の前後に、カテーテル管4
とスライド管6との間の隙間の第2ルーメン17には、
図1に示す分岐管12から流体を封入しておく。封入流
体としては、たとえば生理食塩水+造影剤などの液体が
用いられ、その圧力としては、好ましくは0.5気圧か
ら2気圧である。
【0037】図3に示すように、カテーテル管4の先端
が、体腔内狭窄部42あるいは体腔内分岐部の手前にき
た場合に、図1に示すスライド管6の基端部に装着され
たハブ18を操作し、スライド管6をカテーテル管4内
で前進させる。その結果、図4に示すように、カテーテ
ル管4の先端から、バルーン膜8が、その表裏面がめく
り上げられるように突出する。
【0038】このようにバルーン膜8が突出するのは、
バルーン膜8の内部に流体が加圧封入してあると共に、
スライド管6が前進移動するからである。封入流体の圧
力は、スライド管6の前進移動に応じて上昇し、その圧
力により、バルーン膜8が、カテーテル管4の先端部か
ら突出する。バルーン膜8の突出量は、スライド管6の
前進移動量の約1/2である。
【0039】カテーテル管4の先端が、分岐部の手前に
きた場合には、本実施態様に係るスライディングカテー
テル2では、スライド管6の先端に適度な弾力性を有す
るスプリング20が装着してあるので、スライド管6を
カテーテル管4に対して回転させることで、スプリング
20の先端を、分岐部の目的とする方向に容易に侵入さ
せることができる。
【0040】また、図3に示すように、カテーテル管4
の先端が、狭窄部42の手前にきた場合には、スライド
管6の先端に適度な弾力性を有するスプリング20が装
着してあるので、極めて強い狭窄部42でも、図4に示
すように、その狭窄部42をスプリング20の弾力性で
拡張しつつスライド管6が侵入するので、スライド管6
の先端が潰れることなく、容易に侵入することができ
る。
【0041】また、バルーン膜8は、可撓性を有すると
共に、その表裏面がめくり上げられながら突出するの
で、体腔との摩擦がほとんどなく、きわめて狭い狭窄部
42、偏心した狭窄部あるいは蛇行した狭窄部または体
腔内分岐部などでも、体腔40の内壁を傷つけることな
く容易に通過させることができる。
【0042】その後、さらにスライド管6を前進させれ
ば、バルーン膜8は、その表裏面が完全に逆転し、その
内側を通して、スライド管6の先端がカテーテル管4の
先端から突出し、スライド管6の先端は、狭窄部42あ
るいは分岐部を完全に通過する。その後、このスライド
管6の第1ルーメン15を通して、薬液や輸液を送り込
めば、体腔内狭窄部42または分岐部の背後の特定部位
に対して良好に、これらを送り込むことができる。ま
た、その特定部位からの体液のサンプリング、体液の圧
力測定などが可能である。
【0043】さらに、スライド管6の前進移動を途中で
止め、その後スライド管6を後退移動させることで、い
ったん突出させたバルーン膜8をカテーテル管4の先端
内に後退移動させることで、バルーン膜8により、体腔
内異物(たとえば結石)を取り込むこともできる。
【0044】さらには、本実施態様に係るスライディン
グカテーテル2は、内視鏡と組み合わせて用いることも
できる。内視鏡は、スライディングカテーテル2のスラ
イド管6に形成された第1ルーメン15を通して送り込
むことができる。また、PTCA(経皮的冠動脈形成
術)用バルーンカテーテルが挿入し難い狭窄部に、まず
本実施態様に係るスライディングカテーテル2を通すこ
とで、その狭窄部にガイドワイヤを通し、その後スライ
ディングカテーテル2を抜取り、PTCAバルーンカテ
ーテルを挿入し、PTCA治療を行うこともできる。
【0045】第2実施態様 次に、本発明の他の実施態様に係るスライディングカテ
ーテルについて説明する。図5〜7に示す実施態様のス
ライディングカテーテル2aでは、バルーン膜8の第2
開口端部8bの接合構造と、スプリング20aの接合位
置とが、図1に示す実施態様のスライディングカテーテ
ル2に比較して相違するのみであり、その他の部分の構
成は共通するので、共通する部材には同一符号を付し、
その説明は省略する。
【0046】本実施態様では、図5,6に示すように、
スプリング20aを、カテーテル管4の先端に装着して
ある。このスプリング20aは、その線径が、カテーテ
ル管4の肉厚と略同一であることが好ましく、その巻外
径が、カテーテル管4の外径と略同等であることが好ま
しい。また、その巻内径は、カテーテル管4の内径と略
同等であることが好ましい。さらに、スプリング20a
の軸方向長さは、前記実施態様のスプリング20と略同
等である。
【0047】本実施態様では、バルーン膜8の第2開口
端部8bは、カテーテル管4の先端外周に接合しても良
いが、次に示すように、カテーテル管4の先端部内周に
接合することが好ましい。スプリング20aが、バルー
ン膜8の外部に位置するように構成するためである。
【0048】本実施態様では、図6に詳細に示すよう
に、カテーテル管4の先端部に、カテーテル管4の内周
から外周に向けて円錐状の凹部30を形成することで、
カテーテル管4を先端チップ管32とカテーテル管本体
34とに分離してある。そして、この凹部30内に、バ
ルーン膜8の外周に拡開された第2開口端部8bを挟み
込み、その状態で接着ないし融着してある。先端チップ
管32の軸方向長さは、特に限定されないが、好ましく
は5〜50mm、さらに好ましくは10〜30mmである。
【0049】このような接合構造を得るためには、図7
に示すように、カテーテル管4の基端部側から、バルー
ン膜8を、その第2開口端部側から挿入する。その状態
では、図示しないが、バルーン膜8の第1開口端部は、
既にスライド管6の先端部に接着ないし熱融着してあ
る。
【0050】バルーン膜8の第2開口端部8bを、カテ
ーテル管本体24と先端チップ管22との分離部(凹部
20となる)まで挿入した後、その第2開口端部8bを
外周に拡開する。拡開方法としては、マンドレルなどを
用いた加熱拡開方法などを採用することができる。拡開
に際して、拡開を容易にするために、バルーン膜8の第
2開口端部8bに対してスリットを形成しても良い。
【0051】次に、分離された先端チップ管22を、バ
ルーン膜8の第2開口端部8bを介してカテーテル管本
体24の先端に接着ないし熱融着する。カテーテル管4
の外周からはみ出た第2開口端部8bは、切断あるいは
研磨などの手段で削除することが好ましい。
【0052】本実施態様に係るスライディングカテーテ
ル2aでも、前記実施態様に係るスライディングカテー
テル2と同様な作用を有する。なお、本発明は、上述し
た実施態様に限定されるものではなく、本発明の範囲内
で種々に改変することができる。
【0053】次に、本発明をさらに具体的な実施例を比
較例との関係において説明するが、本発明は、これら実
施例に限定されない。実施例1 図1,2に示す構造のスライディングカテーテル2を準
備した。ただし、この実施例では、スライド管6とし
て、外径1.5mmのポリウレタン製チューブを用いた。
バルーン膜8はポリウレタンで形成され、その長さは3
00mm、外径は1.6mm、肉厚は100μm であった。
カテーテル管4としては、外径が2.3mm、肉厚250
μm 、長さ300mmのポリウレタン製チューブ(全長に
わたりJIS硬度75(D硬度を言う。以下同様))を
用いた。
【0054】スライド管6の先端には、Tiで構成され
た線径0.25mm、巻外径1.5mm、巻内径1.0mm、
軸方向長さ20mmのスプリング20を接着により接合し
た。スプリング20には、ポリウレタンの補強層22を
形成した。比較例1 スプリング20をスライド管6の先端に接合しない以外
は、実施例1と同様にしてスライディングカテーテルを
作製した。
【0055】実験1 比較例1および実施例1の各スライディングカテーテル
について、バルーン膜の全長のうち半分をカテーテル管
の先端部より突出させた状態で(ほぼ図4に対応す
る)、図8に示すように、分岐部51を有する塩化ビニ
ル製の模擬血管50の入口52からスライディングカテ
ーテルの先端部を差込み、分岐部51から矢印A方向の
分岐管方向に侵入させる際の挿入選択性について評価し
た。模擬血管50の内径は、カテーテル管の外径の約二
倍に等しい。
【0056】一分以内に矢印A方向の分岐管方向へスラ
イディングカテーテルを約10mm侵入させることができ
た回数を評価した。10回試行して、成功した回数が、
0〜3回を×とし、4〜6回を△とし、7〜8回を○と
し、9〜10回を◎とした。結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】表1に示すように、本実施例に係るスライ
ディングカテーテルでは、分岐部での挿入選択性が向上
することが確認された。実験2 比較例1および実施例1の各スライディングカテーテル
について、バルーン膜の全長のうち半分をカテーテル管
の先端部より突出させた状態で(ほぼ図4に対応す
る)、図9に示すように、大径管部58、狭窄管部6
0、およびテーパ部62を有する塩化ビニル製の模擬血
管54の入口56からスライディングカテーテルの先端
部を差込み、狭窄管部60への侵入性について評価し
た。模擬血管54の大径管部58の内径d1 は、カテー
テル管の外径に略等しい。また、狭窄管部60の内径d
2 はカテーテル管の外径の約半分である。
【0059】狭窄管部60内にスライディングカテーテ
ルの先端を何mm侵入させることができたかを評価した。
10回試行して、その平均値が10mm以下を×とし、1
0〜30mmを△とし、30〜50mmを○とし、50mm以
上を◎とした。結果を表1に示す。
【0060】表1に示すように、本実施例に係るスライ
ディングカテーテルでは、狭窄部に対する侵入性が向上
することが確認された。
【0061】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明に係る
スライディングカテーテルによれば、体腔内の分岐部に
おいて、目的とする方向に容易に侵入させることが可能
であり、しかも、きわめて強い狭窄部でもスライド管の
先端が潰れることなく容易に侵入させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施態様に係るスライディン
グカテーテルの概略断面図である。
【図2】図2は図1に示すスライディングカテーテルの
要部断面図である。
【図3】図3は図1に示すスライディングカテーテルの
使用例を示す要部概略断面図である。
【図4】図4は図1に示すスライディングカテーテルの
使用例を示す要部概略断面図である。
【図5】図5は本発明のその他の実施態様に係るスライ
ディングカテーテルの概略断面図である。
【図6】図6は図5に示すスライディングカテーテルの
要部断面図である。
【図7】図7は図6に示す部分の分解図である。
【図8】図8は本発明の実施例で行う試験の要部断面図
である。
【図9】図9は本発明の実施例で行うその他の試験の要
部断面図である。
【符号の説明】
2,2a… スライディングカテーテル 4… カテーテル管 6… スライド管 8… バルーン膜 8a… 第1開口端 8b… 第2開口端 10… 分岐部 12… 分岐管 14… カテーテル用ハブ 15… 第1ルーメン 16… 密封用パッキン 17… 第2ルーメン 18… スライド用ハブ 20,20a… スプリング 22… 補強層 30… 凹部 32… 先端チップ 34… カテーテル管本体 40… 体腔 42… 狭窄部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体腔内に挿入されるカテーテル管と、 このカテーテル管の内部に軸方向移動自在に装着される
    スライド体と、 このスライド体の先端部に第1開口端部が接合され、前
    記カテーテル管の先端部に第2開口端部が接合される筒
    状のバルーン膜と、 前記スライド体の先端に軸方向に突出するように装着さ
    れたスプリングとを有するスライディングカテーテル。
  2. 【請求項2】 体腔内に挿入されるカテーテル管と、 このカテーテル管の内部に軸方向移動自在に装着される
    スライド体と、 このスライド体の先端部に第1開口端部が接合され、前
    記カテーテル管の先端部に第2開口端部が接合される筒
    状のバルーン膜と、 前記カテーテル管の先端に軸方向に突出するように装着
    されたスプリングとを有するスライディングカテーテ
    ル。
JP14180594A 1994-06-23 1994-06-23 スライディングカテーテル Pending JPH08737A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14180594A JPH08737A (ja) 1994-06-23 1994-06-23 スライディングカテーテル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14180594A JPH08737A (ja) 1994-06-23 1994-06-23 スライディングカテーテル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08737A true JPH08737A (ja) 1996-01-09

Family

ID=15300545

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14180594A Pending JPH08737A (ja) 1994-06-23 1994-06-23 スライディングカテーテル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08737A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021049257A (ja) * 2019-09-26 2021-04-01 テルモ株式会社 バルーンカテーテル
CN113813495A (zh) * 2021-10-08 2021-12-21 山东大学第二医院 一种输尿管镜扩张球囊

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021049257A (ja) * 2019-09-26 2021-04-01 テルモ株式会社 バルーンカテーテル
CN113813495A (zh) * 2021-10-08 2021-12-21 山东大学第二医院 一种输尿管镜扩张球囊
CN113813495B (zh) * 2021-10-08 2023-06-16 山东大学第二医院 一种输尿管镜扩张球囊

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5396032B2 (ja) 拡張カテーテル
JP2004357805A (ja) カテーテル組立体
JP2001218851A (ja) カテーテル
JP2008513180A (ja) 医療装置のためのデリバリーシステム
WO2014162842A1 (ja) バルーンカテーテル、およびバルーンカテーテルの製造方法
JP6456728B2 (ja) イントロデューサシースセット
US20110160682A1 (en) Medical device
JP2011019664A (ja) カテーテル
JP4914281B2 (ja) カテーテル
JPH0871155A (ja) スライディングカテーテル
JPH08308932A (ja) スライディングカテーテル
JPH08737A (ja) スライディングカテーテル
JPH09192235A (ja) 血管拡張器具およびカテーテル
JP2014200371A (ja) バルーンカテーテルおよびその使用方法
JPH01121064A (ja) カテーテル
JPH0852218A (ja) スライディングカテーテル
JP3687110B2 (ja) スライディングカテーテル
JP4914282B2 (ja) 押圧性を備えたカテーテル
JPH07313601A (ja) スライディングカテーテル
JP3998918B2 (ja) ガイドワイヤー
JPH0847538A (ja) スライディングカテーテル
JP4174277B2 (ja) 拡張バルーンカテーテル
JPH07313602A (ja) スライディングカテーテル
JPH07289642A (ja) スライディングカテーテル
JPH08736A (ja) スライディングカテーテル