JPH0873566A - マイクロカプセル型硬化促進剤、これを含むエポキシ樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

マイクロカプセル型硬化促進剤、これを含むエポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Info

Publication number
JPH0873566A
JPH0873566A JP23602994A JP23602994A JPH0873566A JP H0873566 A JPH0873566 A JP H0873566A JP 23602994 A JP23602994 A JP 23602994A JP 23602994 A JP23602994 A JP 23602994A JP H0873566 A JPH0873566 A JP H0873566A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
cured product
resin composition
cure accelerator
phosphorus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP23602994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3480519B2 (ja
Inventor
Satoru Mori
哲 森
Yoshiro Shimamura
芳郎 嶋村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP23602994A priority Critical patent/JP3480519B2/ja
Publication of JPH0873566A publication Critical patent/JPH0873566A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3480519B2 publication Critical patent/JP3480519B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】芯物質がリン系硬化促進剤であり、アリルグリ
シジルエーテルまたはグリシジル(メタ)アクリレート
を主重合成分とする重合体を殻壁の主成分とするマイク
ロカプセル型リン系硬化促進剤及び、これと、エポキシ
樹脂及び硬化剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物及
びその硬化物。 【効果】本発明のマイクロカプセル型リン系硬化促進剤
を含有するエポキシ樹脂組成物は、常温一液保存性、加
熱使用時の硬化性及び硬化物の物性を高レベルで達成で
きるので、塗料、電気、土木、接着分野で応用可能であ
る。さらに、該マイクロカプセル型リン系硬化促進剤
は、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等にも応用可能であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロカプセル型リ
ン系硬化促進剤及び、これを含有し、常温での一液保存
性と硬化物の物性に優れるエポキシ樹脂組成物及びその
硬化物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂に代表されるような、主剤
と副剤の混合により硬化を開始する二液型熱硬化性樹脂
は、優れた反応性、バランスの取れた物性を有する。そ
のため、自動車や缶類の塗装分野、封止材や積層板等の
電気分野、土木、接着分野等、広範囲で利用されてい
る。しかし、主剤と副剤が接触により容易に硬化を開始
するため、その保存法は通常、常温二液分離型、または
冷蔵(冷凍)一液型保存法が採用されている。常温二液
分離型保存法は、使用直前にそれぞれの必要量を計り取
り、混合しなければならず操作が煩雑である。一方、低
温一液保存法は保存コストの面で不利である。
【0003】そこで、永年、常温で一液保存が可能な主
剤と副剤とが一体となったエポキシ樹脂組成物が望まれ
ており、その方法も多数検討されている。中でも主剤成
分と副剤成分からなる組成物のいずれか一方の成分をマ
イクロカプセル化し、常温での一液保存を達成する方法
が有望である。例えば、特開平3−182520、特開
平6−73163に開示されているような硬化剤のマイ
クロカプセル化が行われてきた。
【0004】
【発明が解決すようとする課題】エポキシ樹脂とその硬
化剤からなるエポキシ樹脂組成物の1成分をマイクロカ
プセル化して使用する場合、カプセル化していない他の
成分(以下他成分という)とカプセル化物の殻壁成分と
の相溶性が悪かったり、カプセル化物と他成分の比重が
異なる場合には、加熱硬化時にカプセル化物と他成分と
が分離したまま硬化し、均一な硬化物が得られないこと
がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる問題を
解決するためになされたものであって、殻壁成分を適宜
選択することにより、相溶性や比重差を最適化すること
ができ、均一な硬化物を得ることができる。従って、常
温一液保存性(エポキシ樹脂や硬化剤には、軟化点が高
く常温で固体状態で存在するものもあるが、ここでは、
固液の区別なく、エポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤
等を混合したものを“一液”という。)、加熱使用時の
硬化性及び硬化物の物性の三点を高レベルで達成でき
る。
【0006】すなわち、本発明は、(1)芯物質がリン
系硬化促進剤であり、殻壁の必須重合成分がアリルグリ
シジルエーテルまたはグリシジル(メタ)アクリレート
であるマイクロカプセル型リン系硬化促進剤、(2)エ
ポキシ樹脂、硬化剤及び上記(1)記載のマイクロカプ
セル型リン系硬化促進剤を必須成分とするエポキシ樹脂
組成物、(3)上記(2)記載のエポキシ樹脂組成物を
硬化してなる硬化物に関する。
【0007】本発明において、マイクロカプセル化すべ
きリン系硬化促進剤としては、有機ホスフィン化合物、
例えば、エチルホスフィン、プロピルホスフィン、ブチ
ルホスフィン等のアルキルホスフィン及びフェニルホス
フィン等の第1ホスフィン、ジメチルホスフィン、ジエ
チルホスフィン、ジプロピルホスフィン、ジアミルホス
フィン等のジアルキルホスフィン、ジフェニルホスフィ
ン、メチルフェニルホスフィン、エチルフェニルホスフ
ィン等の第2ホスフィン、
【0008】トリメチルホスフィン、トリエチルホスフ
ィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン
等のトリアルキルホスフィン、トリシクロヘキシルホス
フィン、トリフェニルホスフィン、アルキルジフェニル
ホスフィン、ジアルキルフェニルホスフィン、トリベン
ジルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリ−p−ス
チリルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニ
ル)ホスフィン、トリ−4−メチルフェニルホスフィ
ン、トリ−4−メトキシフェニルホスフィン、トリ−2
−シアノエチルホスフィン等の第3ホスフィン、
【0009】ホスフィノアルカン化合物、例えばビス
(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフ
ェニルホスフィノ)エタン、1,4−(ジフェニルホス
フィノ)ブタン等、その他、トリフェニルホスフィン−
トリフェニルボラン、テトラフェニルホスホニウム・テ
トラフェニルボレート等が例示され、特に限定されな
い。
【0010】本発明のマイクロカプセル型リン系硬化促
進剤において殻壁成分である重合体を製造するのにあた
ってはは、(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル
酸エステル、メタクリル酸エステル、イタコン酸エステ
ル、クロトン酸エステル等(これらエステルとしては、
例えば炭素数1〜8のアルキルエステルや、このアルキ
ルエステルのアルキル基がフェニル基等の置換基を有す
るもの等が挙げられる。)のエチレン型単量体が用いら
れるが、本発明においてはこれらのうちアリルグリシジ
ルエーテルまたはグリシジル(メタ)アクリレートを必
須成分とするが中でもグリシジルメタクリレートが特に
好ましい。
【0011】その他、スチレン、α−メチルスチレン、
塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、酢酸ビニル等の単官能性単量体及び、
多官能性単量体、例えばエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジビニルベンゼン、ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミ
ド等も使用しうる。
【0012】これらの単量体は、所望の特性を得るため
に、通常2種類以上併用する。特に単官能性単量体に一
部多官能性単量体を加えて架橋するのが好ましい。この
場合の使用割合は、単官能性単量体50〜95重量%、
多官能性単量体5〜50重量%が好ましい。また必須成
分であるアリルグリシジルエーテルまたはグリシジル
(メタ)アクリレートの使用量は、全単量体の合計重量
に対して通常5〜98重量%、好ましくは5〜80重量
%である。またリン系硬化促進剤1重量部に対して、使
用するエチレン型単量体は好ましくは1〜49重量部よ
り好ましくは1〜19重量部である。
【0013】本発明のマイクロカプセル型リン系硬化促
進剤の製造法は種々挙げられるが、通常の懸濁重合法又
は乳化重合法に則ることができる。具体的には、リン系
硬化促進剤、単量体及び重合開始剤等を予め混合し疎水
性カプセル材料とし、それを分散剤、必要により電解
質、無機微粉末等を配合した水性媒体中に添加、攪拌し
分散粒子を得る。ここで、攪拌羽根の回転数や分散(安
定)剤の添加量を調整することによって、マイクロカプ
セル型リン系硬化促進剤の平均粒径が0.1〜500μ
m、より好ましくは1〜100μmとなるようにする。
もちろん、所望によりホモジナイザー等の分散機を用い
てもよい。その後、必要に応じ反応系内を窒素置換し、
加熱重合反応させる。反応温度は、60〜100℃が好
ましく、反応時間は3〜10時間が好ましい。反応終了
後、ろ過、水洗、乾燥し、硬化促進剤含有微粒子(本発
明のマイクロカプセル型リン系硬化促進剤)を得る。
【0014】上記において重合開始剤としては、一般的
には、アゾ化合物、例えば、V−70、V−68、V−
65、V−60、V−59、V−40、V−601(い
ずれも和光純薬製)等や、有機過酸化物、例えば、ベン
ゾイルパーオキサイド、o−メチルベンジルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シーピバレート、t−ブチルパーオキシ−イソブチレー
ト、クメンハイドロパーオキサイド等が例示される。重
合開始剤の使用量は、単量体100重量部に対して0.
01〜5重量部、好ましくは0.05〜1重量部であ
る。
【0015】水性媒体中には、分散剤等を加え、分散系
を安定化するのが好ましい。分散剤としては分散(安
定)作用があるものならば特に限定されないが、使用し
うる分散剤としては非イオン性界面活性剤、例えば、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレ
ンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタント
リステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラ
ウレート、ポリオキシソルビタンモノオレエート等、
【0016】陰イオン性界面活性剤、例えば、ラウリル
硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリ
ウム等、陽イオン性界面活性剤、例えば、ラウリルトリ
メチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチル
アンモニウムクロライド等、水溶性高分子化合物、例え
ば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロー
ス等が例示される。これらの分散剤は、2種類以上併用
してもよい。分散剤の使用量は、分散剤を1種類のみ使
用する場合は、疎水性カプセル材料100重量部に対し
て、通常0.01〜30重量部、好ましくは0.1〜2
0重量部である。また、2種以上を併用する場合、各々
の分散剤について上記した量使用する。
【0017】本発明のマイクロカプセル型リン系硬化促
進剤は、硬化すべきエポキシ樹脂組成物に配合する。エ
ポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤を主成分と
し、使用目的に応じて、無機充填剤、加とう性付与剤、
有機充填剤、溶媒、反応性希釈剤、顔料、難燃剤、離型
剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を
配合することができる。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物を調製するに
当たり使用しうるエポキシ樹脂としては、一分子中にエ
ポキシ基を二つ以上持つ化合物ならば特に限定されない
が、グリシジルエーテル系のエポキシ樹脂、例えば、ビ
スフェノールAのグリシジルエーテル、ビスフェノール
Fのグリシジルエーテル、レゾルシンのグリシジルエー
テル、グリセリンのグリシジルエーテル、ポリアルキレ
ンオキサイドのグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノ
ールAのグリシジルエーテル及びそれらのオリゴマー、
【0019】さらにフェノールノボラックのグリシジル
エーテル等に代表されるような、フェノール類、オルト
クレゾール類及び/又はナフトール類等とホルマリン
類、脂肪族や芳香族アルデヒド類或はケトン類との縮合
体のエポキシ化物、脂環式エポキシ樹脂、例えば、アリ
サイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリック
ジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカ
ルボキシレート等が例示される。
【0020】その他、グリシジルエステル系のエポキシ
樹脂、例えば、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラ
ヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフ
タル酸ジグリシジルエステル等、グリシジルアミン系エ
ポキシ樹脂、例えば、N,N−ジグリシジルアニリン、
テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、複素環式エ
ポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、トリグリシ
ジルイソシアヌレート等が例示され、これらエポキシ樹
脂は併用してもよい。
【0021】更に本発明のエポキシ樹脂組成物を調製す
るに当たり使用しうる硬化剤としては、一般に使用され
ている硬化剤ならば特に限定されないが、アミン系硬化
剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤等が例示さ
れる。具体的には、脂肪族ジアミン類、脂肪族ポリアミ
ン類、芳香環を含む脂肪族ポリアミン類、脂環式及び環
状ポリアミン類、芳香族第一アミン類等、脂肪族酸無水
物類、脂環式酸無水物類、芳香族酸無水物類、ハロゲン
系酸無水物類等、トリスフェノール、フェノールノボラ
ック、クレゾールノボラック等が例示される。またこれ
らの硬化剤は併用も可能である。
【0022】本発明のエポキシ樹脂組成物における前記
硬化剤の使用量は、特に制限はないが、エポキシ樹脂中
のエポキシ基1当量に対して、0.1〜2.0当量が好
ましく、より好ましくは0.3〜1.5当量である。ま
た、本発明のマイクロカプセル型リン系硬化促進剤は、
含有される硬化促進剤量が、エポキシ樹脂100重量部
に対して、好ましくは0.05〜5.0重量部、より好
ましくは0.07〜3.0重量部になるように配合す
る。本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記各成分を均一
に混合することにより得ることができる。
【0023】本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来知ら
れている方法と同様の方法で硬化させ容易にエポシキシ
樹脂組成物の硬化物を得ることができる。例えば、本発
明のエポキシ樹脂組成物を構成する各成分を必要に応じ
ニーダー、押し出し機、ロール等を用いて均一に混合し
た後、必要に応じ溶融し、注型あるいはトランスファー
成型機等を用いて成型し、さらに、80〜200℃で
0.5〜10時間加熱することにより硬化物を得ること
ができる。
【0024】また、本発明のエポキシ樹脂組成物に、例
えばトルエン、キシレン等の溶剤を含有させ、ガラス繊
維、ガラス布、カーボン繊維、ポリエステル繊維、ポリ
アミド繊維、アルミナ繊維、紙等の基材に含浸させた後
加熱乾燥して得たプリプレグを、熱プレス成型して硬化
物を得ることもできる。また、一般的なワニス調製、含
浸、乾燥、プリプレグ化、積層、硬化により積層板とす
ることも可能である。
【0025】さらに、本発明のマイクロカプセル型リン
系硬化促進剤は、固形エポキシ樹脂、芳香族アミン、ポ
リカルボン酸又はその酸無水物、カルボン酸ヒドラジ
ド、ジシアンジアミド等の硬化剤、顔料及びレベリング
剤等を加えて、熱ロールやニーダーで練り混ぜ、その後
分級粉砕し粉体塗料とし、静電塗装法や流動浸漬法で被
着体に塗布し、加熱、溶融、硬化後、塗膜を得ることも
できる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、常温一液保存
性に優れ、加熱硬化性及び硬化物の物性へのカプセル膜
材による影響は殆どなく、塗装、電気、土木、接着の各
分野において利用することができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明する。な
お実施例において貯蔵安定性の評価は、ゲルタイムテス
ターNo.153(安田精器(株)製)を用い、硬化遅
延率を算出することにより行った。ここで、硬化遅延率
は、 硬化遅延率=(所定温度でのマイクロカプセル化硬化促
進剤含有樹脂組成物のゲルタイム)/(上記所定温度で
の非マイクロカプセル化硬化促進剤含有樹脂組成物のゲ
ルタイム) と定義し、50℃での硬化遅延率が5未満のものを可、
5以上20未満のものを良、20以上ものを優とした。
尚、上記式中のマイクロカプセル化硬化促進剤含有樹脂
組成物とは本発明のエポキシ樹脂組成物をさし、非マイ
クロカプセル化硬化促進剤含有樹脂組成物とは、上記エ
ポキシ樹脂組成物においてマイクロカプセル化硬化促進
剤中の硬化促進剤をこれと同量マイクロカプセル化しな
いで含有し、且つ硬化促進剤以外の成分は、該エポキシ
樹脂組成物と同一及び同量のエポキシ樹脂組成物をさ
す。
【0027】実施例1 疎水性マイクロカプセル材料の調製 トリフェニルホスフィン2.5重量部、メタクリル酸メ
チル34.2重量部、グリシジルメタクリレート3.8
重量部、エチレングリコールジメタクリレート9.5重
量部、V−65、0.05重量部、を室温で混合した。
【0028】水性媒体の調製 水200重量部、ポリビニルアルコール(ゴーセノール
GL−05、日本合成化学(株)製)3重量部を混合し
た。
【0029】マイクロカプセル化 上記の疎水性マイクロカプセル材料と水性媒体を密封容
器内で混合し、攪拌羽根で500r.p.m.で攪拌し
ながら分散した。容器内を窒素置換した後、48℃で2
時間、60℃で2時間反応した。反応終了後、溶液をろ
過、水洗、乾燥し平均粒径30μmのマイクロカプセル
(本発明のマイクロカプセル型リン系硬化促進剤)を4
0重量部得た。
【0030】実施例2 貯蔵安定性及び硬化物の物性の測定 エピコート828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
油化シェルエポキシ(株)製)100重量部、リカシッ
ドMT−500(メチルテトラヒドロ無水フタル酸、新
日本理化(株)製)91重量部、上記で調製したマイク
ロカプセル20重量部を混合して本発明のエポキシ樹脂
組成物を得、そのゲル化時間を50℃で測定したとこ
ろ、その硬化遅延率は優であった。また、この組成物を
150℃で3時間硬化した硬化物のTg点(ガラス転移
温度)を熱機械試験機(TMA−7000、真空理工
(株))を用いて測定したところ、135℃であった。
また、得られた硬化物は硬化物表面のざらつき等は確認
されず均一に硬化しており、本発明のマイクロカプセル
型リン系硬化促進剤のエポキシ樹脂及び硬化剤等に対す
る高い相溶性が示された。
【0031】実施例3〜14 リン系硬化促進剤、エチレン型単量体の種類及び量を表
1及び2に示したように変更し、それ以外は実施例1と
同様にしてマイクロカプセル(本発明のマイクロカプセ
ル型リン系硬化促進剤)を調製した。次に、実施例2に
従い、芯物質がエポキシ樹脂に対して1phr(ここで
phrとはエポキシ樹脂100重量部に対して用いる硬
化促進剤の重量部をいう、以下同様)になるように上記
マイクロカプセルを添加した本発明のエポキシ樹脂組成
物を調製した。このエポキシ樹脂組成物について実施例
2と同様にして貯蔵安定性試験を行ったところ、いずれ
も優または良であった。又、それらの硬化物のTg点を
測定したところ、硬化促進剤をマイクロカプセル化した
ことによる硬化物のTg点への影響は、いずれの場合も
ほとんど認められなかった。また、得られた硬化物は硬
化物表面のざらつき等は確認されず均一に硬化してお
り、本発明のマイクロカプセル型リン系硬化促進剤のエ
ポキシ樹脂及び硬化剤等に対する高い相溶性が示され
た。
【0032】表1、2中の略号の説明 MMA:メチルメタクリレート GMA:グリシジルメタクリレート St:スチレン t−BMA:t−ブチルメタクリレート VAc:酢酸ビニル EGDM:エチレングリコールジメタクリレート DVB:ジビニルベンゼン TPP:トリフェニルホスフィン TBP:トリブチルホスフィン TTP:トリトリルホスフィン DPPM:ビス(ジフェニルフォスフィノ)メタン TPP−TPB:トリフェニルフォスフィン−トリフェ
ニルボラン PP:フェニルホスフィン DPP:ジフェニルホスフィン
【0033】
【表1】 表1 (表中、数字は重量部を示す) 実施例 3 4 5 6 7 8 9 10 MMA 32.4 22.7 28.8 22.7 19.4 22.7 32.4 GMA 36 3.6 3.6 3.2 3.6 3.6 3.6 3.6 St 9.7 13 t-BMA 9.7 VAc 9.7 EGDM 9 9 9 8 9 9 6 DVB 9 3 TPP 5 5 5 10 5 5 TBP 5 TTP 5 貯蔵安定性 良 優 良 良 良 良 良 良
【0034】
【表2】
【0035】比較例1 撹拌機、冷却管付きの300ml4つ口丸底フラスコ
に、エマルゲン920(花王(株)製);0.3重量
部、ポバール217EE(クラレ(株)製);0.8重
量部、水;140重量部を溶解した。次いで、トリフェ
ニルホスフィン(TPP);10重量部、塩化メチレ
ン;16重量部、トリメチルヘキサメチレンジアミン;
2重量部を均一に混合溶解したものを添加し、300
r.p.m.で撹拌し分散させた。
【0036】メチロールメラミン(スミレズレジンSR
−613、住友化学(株)製);8重量部を水;30重
量部に溶解したものを添加し、りん酸水溶液を加えpH
を4に調整し、系内を50℃に保ち3時間反応させた。
反応終了後、反応液をスプレードライを用いて乾燥し、
平均粒径40μmのマイクロカプセル型硬化促進剤を2
5重量部得た。
【0037】エピコート828;100重量部、リカシ
ッドMT−500;91重量部及び、上記で調整したマ
イクロカプセルをTPPが1phrとなるように混合
し、実施例1と同様にして貯蔵安定性を測定したとこ
ろ、硬化遅延率は可であった。また、貯蔵前のこの一液
型エポキシ樹脂組成物を150℃で3時間硬化した硬化
物のTg点を測定したところ、130℃であった。ま
た、得られた硬化物の表面はざらつきが確認され、上記
マイクロカプセルの殻壁と思われるものが残存してお
り、硬化は不均一であった。
【0038】比較例2 特開平6−73163号公報実施例8の記載に準じてマ
イクロカプセル型硬化促進剤、それを含有するエポキシ
樹脂組成物及びその硬化物を得た。得られたエポキシ樹
脂組成物について貯蔵安定性を本願実施例1と同様にし
て測定した結果は良であった。しかし、得られた硬化物
の表面はざらつきが確認され、上記マイクロカプセルの
殻壁と思われるものが残存しており、硬化は不均一であ
った。
【0039】
【発明の効果】本発明のマイクロカプセル型リン系硬化
促進剤は、エポキシ樹脂組成物に配合することにより、
貯蔵安定性を長期間保持することが可能であり、かつ硬
化物の物性に与える影響は少なく、かつ均一な硬化物が
得られる。従って、本発明のマイクロカプセル型リン系
硬化促進剤をエポキシ樹脂組成物に配合し、塗料、電
材、土木、接着等広範囲の用途に利用可能である。更
に、本発明のマイクロカプセル型リン系硬化促進剤は、
エポキシ樹脂に限らず主剤と副剤の混合により硬化を開
始するような二液型熱硬化製樹脂組成物、例えば、ウレ
タン樹脂、シリコン樹脂等にも応用が可能である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯物質がリン系硬化促進剤であり、殻壁の
    必須重合成分がアリルグリシジルエーテルまたはグリシ
    ジル(メタ)アクリレートであるマイクロカプセル型リ
    ン系硬化促進剤。
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂、硬化剤及び請求項1記載の
    マイクロカプセル型リン系硬化促進剤を必須成分とする
    エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項2記載のエポキシ樹脂組成物を硬化
    してなる硬化物。
JP23602994A 1994-09-06 1994-09-06 マイクロカプセル型リン系硬化促進剤の製造方法 Expired - Fee Related JP3480519B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23602994A JP3480519B2 (ja) 1994-09-06 1994-09-06 マイクロカプセル型リン系硬化促進剤の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23602994A JP3480519B2 (ja) 1994-09-06 1994-09-06 マイクロカプセル型リン系硬化促進剤の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0873566A true JPH0873566A (ja) 1996-03-19
JP3480519B2 JP3480519B2 (ja) 2003-12-22

Family

ID=16994714

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23602994A Expired - Fee Related JP3480519B2 (ja) 1994-09-06 1994-09-06 マイクロカプセル型リン系硬化促進剤の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3480519B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008537028A (ja) * 2005-04-22 2008-09-11 ウニベルシダージ ド ミーニョ 繊維に結合する反応性官能基を有するマイクロカプセル及びその使用方法
WO2010052823A1 (ja) * 2008-11-07 2010-05-14 横浜ゴム株式会社 エポキシ樹脂組成物用硬化促進剤、および1液型熱硬化性エポキシ樹脂組成物
CN104226191A (zh) * 2014-09-01 2014-12-24 南京理工大学 乙基纤维素多孔颗粒的常温制备方法
WO2017130659A1 (ja) 2016-01-26 2017-08-03 東レ株式会社 エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
WO2018159574A1 (ja) 2017-03-02 2018-09-07 東レ株式会社 エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
WO2019189458A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 ナガセケムテックス株式会社 エポキシ樹脂用潜在性硬化触媒、及びこれを用いたエポキシ樹脂組成物

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008537028A (ja) * 2005-04-22 2008-09-11 ウニベルシダージ ド ミーニョ 繊維に結合する反応性官能基を有するマイクロカプセル及びその使用方法
WO2010052823A1 (ja) * 2008-11-07 2010-05-14 横浜ゴム株式会社 エポキシ樹脂組成物用硬化促進剤、および1液型熱硬化性エポキシ樹脂組成物
JP4561937B2 (ja) * 2008-11-07 2010-10-13 横浜ゴム株式会社 1液型熱硬化性エポキシ樹脂組成物
US8084519B2 (en) 2008-11-07 2011-12-27 The Yokohama Rubber Co., Ltd. Curing accelerator for epoxy resin composition, and one-pack type thermosetting epoxy resin composition
JPWO2010052823A1 (ja) * 2008-11-07 2012-03-29 横浜ゴム株式会社 1液型熱硬化性エポキシ樹脂組成物
CN104226191A (zh) * 2014-09-01 2014-12-24 南京理工大学 乙基纤维素多孔颗粒的常温制备方法
WO2017130659A1 (ja) 2016-01-26 2017-08-03 東レ株式会社 エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
US10344132B2 (en) 2016-01-26 2019-07-09 Toray Industries, Inc. Epoxy resin composition, prepreg and fiber reinforced composite material
WO2018159574A1 (ja) 2017-03-02 2018-09-07 東レ株式会社 エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
KR20190120184A (ko) 2017-03-02 2019-10-23 도레이 카부시키가이샤 에폭시 수지 조성물, 프리프레그 및 섬유 강화 복합 재료
WO2019189458A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 ナガセケムテックス株式会社 エポキシ樹脂用潜在性硬化触媒、及びこれを用いたエポキシ樹脂組成物
JPWO2019189458A1 (ja) * 2018-03-29 2021-04-01 ナガセケムテックス株式会社 エポキシ樹脂用潜在性硬化触媒、及びこれを用いたエポキシ樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP3480519B2 (ja) 2003-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100680095B1 (ko) 주위 온도 안정성의 1액형 경화성 에폭시 접착제
CN101583648B (zh) 潜伏性固化剂
CN103282442A (zh) 聚合物微粒分散树脂组合物及其制造方法
TW201623363A (zh) 鋁螯合物系潛在性硬化劑、其製造方法及熱硬化型環氧樹脂組成物
JP3308347B2 (ja) マイクロカプセル型硬化促進剤、これを含むエポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JPH0873566A (ja) マイクロカプセル型硬化促進剤、これを含むエポキシ樹脂組成物及びその硬化物
CN102421814B (zh) (甲基)丙烯酸酯系聚合物、树脂组合物和成型体
CN107250266A (zh) 聚合物组合物、其制备方法、其用途和包含其的组合物
JP2013079317A (ja) 硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル、及び、熱硬化性樹脂組成物
TW201829527A (zh) 潛在性硬化劑及其製造方法、以及熱硬化型環氧樹脂組成物
JPH03182520A (ja) アミン系硬化剤のマイクロカプセル
JPH0625470A (ja) マイクロカプセル型硬化促進剤及びこれを含む樹脂組成物
KR102042782B1 (ko) 에멀젼, 에멀젼의 제조 방법 및 에멀젼을 이용한 코팅막 형성 방법
JPH07133339A (ja) マイクロカプセル型リン系硬化促進剤、これを含むエポキシ樹脂組成物及びその硬化物
KR20130090773A (ko) 중합체용 캡슐화 난연제
JP2009242476A (ja) エポキシ樹脂硬化促進用マイクロカプセル及びエポキシ樹脂硬化促進用マイクロカプセルの製造方法
JPH04110320A (ja) エポキシ樹脂系球状粒子
JP5941318B2 (ja) 硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル、及び、熱硬化性樹脂組成物
KR20150053731A (ko) 경화제 및/또는 경화 촉진제 복합 입자의 제조 방법, 경화제 및/또는 경화 촉진제 복합 입자, 그리고 열경화성 수지 조성물
JPH06322074A (ja) 新規硬化促進剤包含微粒子、エポキシ樹脂組成物及び硬化物
JP2019199511A (ja) エポキシ樹脂組成物の製造方法
JP2000159861A (ja) マイクロカプセル型硬化促進剤の製造方法
JP2012136650A (ja) 硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル及びエポキシ樹脂組成物
JPS59170114A (ja) エポキシ系微粒子およびその製造方法
JPH06211965A (ja) 新規硬化促進剤包含微粒子、エポキシ樹脂組成物及び硬化物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees