JP2012136650A - 硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル及びエポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】少なくとも2段階の制御された硬化を可能にする硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを提供する。また、該硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを用いて製造されるエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】2層以上のシェルを有する硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルであって、前記2層以上のシェルのうちの最内層のシェルの内側及び前記2層以上のシェルの層間に、硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包しており、前記2層以上のシェルは、それぞれ異なる崩壊温度を有し、かつ、外側ほど崩壊温度が低い硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル。
【選択図】なし
【解決手段】2層以上のシェルを有する硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルであって、前記2層以上のシェルのうちの最内層のシェルの内側及び前記2層以上のシェルの層間に、硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包しており、前記2層以上のシェルは、それぞれ異なる崩壊温度を有し、かつ、外側ほど崩壊温度が低い硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル。
【選択図】なし
Description
本発明は、少なくとも2段階の制御された硬化を可能にする硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルに関する。また、本発明は、該硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを用いて製造されるエポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂組成物は、接着剤、シール剤、コーティング剤等の様々な用途に用いられている。例えば、半導体装置の製造において、半導体素子を基板又は他の半導体素子に接合する際には、エポキシ樹脂組成物からなる接着フィルムが用いられることが多い。エポキシ樹脂組成物からなる接着フィルムは、一般に、エポキシ樹脂組成物を含有する樹脂溶液を離型フィルム上に塗布した後、乾燥することにより作製される。このような接着フィルムは、ある程度まで硬化が進行してゲル化した状態、即ち、Bステージ化状態にある。
一方、エポキシ樹脂組成物においては、硬化剤又は硬化促進剤を含有するカプセルを配合し、熱等によりカプセルを破壊して硬化反応を開始させることが検討されている。硬化剤又は硬化促進剤を含有するカプセルを用いることにより、貯蔵時には充分に安定であり、かつ、硬化時には熱等により速やかに硬化反応が開始するエポキシ樹脂組成物を得ることができる。
しかしながら、硬化剤又は硬化促進剤を含有するカプセルを接着フィルムに用いた場合には、接着フィルムのゲル化の程度が低く充分にBステージ化されておらず、加熱硬化時の溶融粘度が低いことから、半導体素子の接合時には空気を噛み込みやすく、硬化後にボイドが生じやすいことが問題である。
しかしながら、硬化剤又は硬化促進剤を含有するカプセルを接着フィルムに用いた場合には、接着フィルムのゲル化の程度が低く充分にBステージ化されておらず、加熱硬化時の溶融粘度が低いことから、半導体素子の接合時には空気を噛み込みやすく、硬化後にボイドが生じやすいことが問題である。
この問題に対し、硬化剤又は硬化促進剤を含有するカプセルを用い、かつ、Bステージ化状態にある接着フィルムとして、例えば、特許文献1には、少なくともエポキシ系樹脂、導電粒子及び潜在性硬化剤とを含有する異方性導電接着フィルムにおいて、該異方性導電接着フィルムが、更に、エポキシ系樹脂に対するよりも潜在性硬化剤に対して優先的に反応する架橋剤を含有しており、且つ該架橋剤と該潜在性硬化剤との反応によりBステージ化されている異方性導電接着フィルムが記載されている。
特許文献1には、エポキシ系樹脂のエポキシ基を温存しつつ潜在性硬化剤と架橋剤とを3次元架橋させ、異方性導電接着フィルムをBステージ化することができることが記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の異方性導電接着フィルムは、貯蔵安定性の観点からは未だ不充分である。
特許文献1には、エポキシ系樹脂のエポキシ基を温存しつつ潜在性硬化剤と架橋剤とを3次元架橋させ、異方性導電接着フィルムをBステージ化することができることが記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の異方性導電接着フィルムは、貯蔵安定性の観点からは未だ不充分である。
本発明は、少なくとも2段階の制御された硬化を可能にする硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを提供することを目的とする。また、本発明は、該硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを用いて製造されるエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、2層以上のシェルを有する硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルであって、前記2層以上のシェルのうちの最内層のシェルの内側及び前記2層以上のシェルの層間に、硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包しており、前記2層以上のシェルは、それぞれ異なる崩壊温度を有し、かつ、外側ほど崩壊温度が低い硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルである。
以下、本発明を詳述する。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、エポキシ樹脂組成物の硬化を複数回に分けて行うことができれば、第1の硬化によりエポキシ樹脂組成物をBステージ化して接着フィルムとし、その後、第2の硬化により接着フィルムを完全に硬化させて半導体素子の接合等を行うことができるとともに、Bステージ化状態にある接着フィルムの貯蔵安定性も改善することができると考えた。
本発明者は、2層以上のシェルを有する硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルであって、前記2層以上のシェルのうちの最内層のシェルの内側及び前記2層以上のシェルの層間に、硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包しており、前記2層以上のシェルは、それぞれ異なる崩壊温度を有し、かつ、外側ほど崩壊温度が低い硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルによれば、少なくとも2段階の制御された硬化が可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明者は、2層以上のシェルを有する硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルであって、前記2層以上のシェルのうちの最内層のシェルの内側及び前記2層以上のシェルの層間に、硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包しており、前記2層以上のシェルは、それぞれ異なる崩壊温度を有し、かつ、外側ほど崩壊温度が低い硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルによれば、少なくとも2段階の制御された硬化が可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルは、2層以上のシェルを有し、上記2層以上のシェルのうちの最内層のシェルの内側及び上記2層以上のシェルの層間に、硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包している。なお、本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルにおいて、上記2層以上のシェルのうちの最も内側に位置するシェルを、最内層のシェルといい、最も外側に位置するシェルを、最外層のシェルという。
図1に、本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルの一例を模式的に示す。図1に示す硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル1は、2層のシェル3及び5を有し、2層のシェルのうちの最内層のシェル3の内側2、及び、2層のシェルの層間4に、硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包している。
図1に、本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルの一例を模式的に示す。図1に示す硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル1は、2層のシェル3及び5を有し、2層のシェルのうちの最内層のシェル3の内側2、及び、2層のシェルの層間4に、硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包している。
また、本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルにおいて、上記2層以上のシェルは、それぞれ異なる崩壊温度を有し、かつ、外側ほど崩壊温度が低い。従って、例えば、図1に示す硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル1においては、2層のシェル3及び5は、それぞれ異なる崩壊温度を有し、かつ、シェル5のほうがシェル3よりも崩壊温度が低い。
このような構造を有する本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを加熱すると、上記2層以上のシェルは、温度上昇に伴って外側のシェルから順に崩壊し、その都度硬化剤及び/又は硬化促進剤が放出される。従って、本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを用いることにより、少なくとも2段階の硬化を、充分に制御しながら行うことができる。
なお、従来の単層のシェルを有する硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルであっても、異なる熱応答性を有する2種類以上のカプセルを用いることにより、少なくとも2段階の硬化が可能となると考えられる。しかしながら、異なる熱応答性を有する2種類以上のカプセルをエポキシ樹脂に添加する場合には、添加されるカプセルの総数が多くなり、カプセルの表面積が大きくなることから、エポキシ樹脂組成物が増粘し、塗布性、製膜性、取扱性等が低下してしまう。本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを用いることにより、このようなエポキシ樹脂組成物の増粘も抑制することができる。
なお、従来の単層のシェルを有する硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルであっても、異なる熱応答性を有する2種類以上のカプセルを用いることにより、少なくとも2段階の硬化が可能となると考えられる。しかしながら、異なる熱応答性を有する2種類以上のカプセルをエポキシ樹脂に添加する場合には、添加されるカプセルの総数が多くなり、カプセルの表面積が大きくなることから、エポキシ樹脂組成物が増粘し、塗布性、製膜性、取扱性等が低下してしまう。本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを用いることにより、このようなエポキシ樹脂組成物の増粘も抑制することができる。
本明細書中、シェルの崩壊温度とは、熱、並びに、硬化剤及び/又は硬化促進剤の蒸気圧によって、シェルの少なくとも一部が変形又は溶解して硬化剤及び/又は硬化促進剤が放出される温度であって、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルについて示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて3℃/minで昇温して測定を行ったときの、発熱ピークの立ち上がり温度を意味する。
上記2層以上のシェルの層数は、2層以上であれば特に限定されず、後述するような本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを製造する方法によれば、用途に応じて、目的とする層数のシェルを有する硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを製造することができる。
例えば、本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルが2層のシェルを有する場合には、本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを用いることにより、2段階の硬化を行うことができる。
上記2段階の硬化を行う場合は特に限定されず、例えば、第1の硬化によりエポキシ樹脂組成物をBステージ化して接着フィルムとし、その後、第2の硬化により接着フィルムを完全に硬化させて半導体素子の接合等を行う場合、また、比較的低温でエポキシ樹脂組成物を加熱する第1の硬化によりボイドを充分に排除した後、加熱温度を上げた第2の硬化によりエポキシ樹脂組成物を完全に硬化させて半導体素子の接合等を行う場合等が挙げられる。
上記2段階の硬化を行う場合は特に限定されず、例えば、第1の硬化によりエポキシ樹脂組成物をBステージ化して接着フィルムとし、その後、第2の硬化により接着フィルムを完全に硬化させて半導体素子の接合等を行う場合、また、比較的低温でエポキシ樹脂組成物を加熱する第1の硬化によりボイドを充分に排除した後、加熱温度を上げた第2の硬化によりエポキシ樹脂組成物を完全に硬化させて半導体素子の接合等を行う場合等が挙げられる。
上記2層以上のシェルの崩壊温度は、それぞれ異なっており、かつ、外側ほど崩壊温度が低ければ特に限定されないが、上記2層以上のシェルのうちの最内層のシェルの崩壊温度は、好ましい下限が130℃、好ましい上限が200℃である。上記最内層のシェルの崩壊温度が130℃未満であると、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを含有するエポキシ樹脂組成物は、ボイドの発生を抑制するために2段階の硬化を行おうとしても、ボイドを充分に排除する前に完全に硬化してしまうことがある。上記最内層のシェルの崩壊温度が200℃を超えると、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを含有するエポキシ樹脂組成物が完全に硬化せず、接合信頼性が低下したり、完全に硬化させるために通常の範囲を超えた高温で加熱することが必要となったりすることがある。
上記最内層のシェルの崩壊温度のより好ましい下限は150℃、より好ましい上限は170℃である。
上記最内層のシェルの崩壊温度のより好ましい下限は150℃、より好ましい上限は170℃である。
また、上記2層以上のシェルのうちの最外層のシェルの崩壊温度は、好ましい下限が80℃、好ましい上限が120℃である。上記最外層のシェルの崩壊温度が80℃未満であると、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを含有するエポキシ樹脂組成物は、貯蔵時にも硬化が進行してしまい、貯蔵安定性が低下することがある。上記最外層のシェルの崩壊温度が120℃を超えると、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを含有するエポキシ樹脂組成物は、フィルム状に成形される場合、充分にBステージ化されず、得られる接着フィルムの加熱硬化時の溶融粘度が上昇しないことがある。
上記最外層のシェルの崩壊温度のより好ましい下限は90℃、より好ましい上限は100℃である。
上記最外層のシェルの崩壊温度のより好ましい下限は90℃、より好ましい上限は100℃である。
上記シェルを構成する材料は、上述のような崩壊温度のシェルを得ることができるように選択される。上記シェルを構成する材料として、例えば、ラジカル重合性モノマーの重合体、金属アルコキシドの縮合体、熱可塑性樹脂等が挙げられる。
なかでも、上述のような崩壊温度のシェルを得るためには、上記2層以上のシェルのうちの最内層のシェルを構成する材料として、ラジカル重合性モノマーを用いることが好ましく、ラジカル重合性モノマーが架橋性モノマーを含有することが更に好ましい。また、上記2層以上のシェルのうちの最内層のシェルを構成する材料として、金属アルコキシドの縮合体を用いることも好ましい。
また、上記2層以上のシェルのうちの最外層のシェルを構成する材料として、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
なかでも、上述のような崩壊温度のシェルを得るためには、上記2層以上のシェルのうちの最内層のシェルを構成する材料として、ラジカル重合性モノマーを用いることが好ましく、ラジカル重合性モノマーが架橋性モノマーを含有することが更に好ましい。また、上記2層以上のシェルのうちの最内層のシェルを構成する材料として、金属アルコキシドの縮合体を用いることも好ましい。
また、上記2層以上のシェルのうちの最外層のシェルを構成する材料として、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
上記ラジカル重合性モノマーは特に限定されず、例えば、アクリロニトリル、グリシジルメタクリレート(GMA)及びメチルメタクリレート(MMA)等のメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、塩化ビニリデン、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、ブタジエン等が挙げられる。これらのラジカル重合性モノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、アクリロニトリルを用いることにより、ガスバリア性及び耐薬品性に優れたシェルを得ることができる。
上記架橋性モノマーは特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、後述する非架橋ポリマーへの吸収性が良好であることから、ジビニルベンゼンが好ましい。
上記金属アルコキシドの縮合体は特に限定されないが、分子中に2個以上の炭素数1〜6のアルコキシ基を有し、かつ、Si、Al、Zr及びTiからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を含有する金属アルコキシドの縮合体が好ましい。このような金属アルコキシドの縮合体として、例えば、シリコーン樹脂、ポリボロシロキサン樹脂、ポリカルボシラン樹脂、ポリシラスチレン樹脂、ポリシラザン樹脂、ポリチタノカルボシラン樹脂等が挙げられる。なかでも、シリコーン樹脂が好ましい。
上記熱可塑性樹脂として、例えば、親水性基を有する熱可塑性樹脂が好ましい。
上記親水性基を有する熱可塑性樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましい下限が5万、好ましい上限が50万である。上記重量平均分子量が5万未満であると、シェルの耐熱性又は耐薬品性が低下し、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを含有するエポキシ樹脂組成物は、2段階以上の硬化を行えなくなったり、貯蔵時にも硬化が進行してしまい、貯蔵安定性が低下したりすることがある。上記重量平均分子量が50万を超えると、目的とする構造を有する硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルが得られなかったり、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルのアスペクト比が大きくなったりすることがある。
上記親水性基を有する熱可塑性樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましい下限が5万、好ましい上限が50万である。上記重量平均分子量が5万未満であると、シェルの耐熱性又は耐薬品性が低下し、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを含有するエポキシ樹脂組成物は、2段階以上の硬化を行えなくなったり、貯蔵時にも硬化が進行してしまい、貯蔵安定性が低下したりすることがある。上記重量平均分子量が50万を超えると、目的とする構造を有する硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルが得られなかったり、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルのアスペクト比が大きくなったりすることがある。
上記親水性基を有する熱可塑性樹脂として、例えば、グリシジル基、水酸基、カルボキシル基、スルホン基等を有する熱可塑性樹脂が好ましく、具体的には、例えば、部分的にグリシジル基置換されたスチレン系ポリマー、水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂等が挙げられる。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルは、上記2層以上のシェルのうちの最内層のシェルの内側及び上記2層以上のシェルの層間に、同じ硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包していてもよいし、それぞれ異なる硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包していてもよい。
上記硬化剤は特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられる硬化剤が挙げられ、具体的には、例えば、アミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、及び、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物等が挙げられる。
上記硬化剤は特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられる硬化剤が挙げられ、具体的には、例えば、アミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、及び、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物等が挙げられる。
上記硬化促進剤は特に限定されず、例えば、三級アミン化合物、リン系触媒、イミダゾール化合物等が挙げられる。なかでも、他の硬化促進剤に比べて硬化性に優れることから、イミダゾール化合物が好ましい。
上記イミダゾール化合物は特に限定されず、例えば、2−ウンデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、及び、これらの付加体等が挙げられる。
上記イミダゾール化合物は特に限定されず、例えば、2−ウンデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、及び、これらの付加体等が挙げられる。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルにおける硬化剤及び/又は硬化促進剤の内包率は特に限定されないが、好ましい下限が5重量%、好ましい上限が40重量%である。上記内包率が5重量%未満であると、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルは、内包する硬化剤及び/又は硬化促進剤の量が少なくなり、硬化性が低下することがある。上記内包率が40重量%を超えると、上記2層以上のシェルの厚みが薄くなりすぎることがある。上記2層以上のシェルの厚みが薄すぎると、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを含有するエポキシ樹脂組成物は、貯蔵時にも硬化が進行してしまい、貯蔵安定性が低下したり、ボイドの発生を抑制するために2段階の硬化を行おうとしても、ボイドを充分に排除する前に完全に硬化してしまったりすることがある。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルにおける硬化剤及び/又は硬化促進剤の内包率のより好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は30重量%である。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルにおける硬化剤及び/又は硬化促進剤の内包率のより好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は30重量%である。
本明細書中、硬化剤及び/又は硬化促進剤の内包率とは、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル全体の重量に対する、2層以上のシェルのうちの最内層のシェルの内側及び2層以上のシェルの層間に内包される硬化剤及び/又は硬化促進剤の合計重量の占める割合を意味する。例えば、以下の方法により、硬化剤及び/又は硬化促進剤の内包率を求めることができる。
まず、所定量の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルの乾燥粉末を秤量し、乳鉢ですり潰し、すり潰した硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを硬化剤及び/又は硬化促進剤を溶解することができる溶剤中で一晩撹拌して、硬化剤及び/又は硬化促進剤を抽出する。次いで、遠心分離を行い、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルのシェルを取り出し、アルミカップに乗せ、真空乾燥機を用いて110℃で5時間乾燥する。乾燥後の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルのシェルを計量し、下記式(1)により硬化剤及び/又は硬化促進剤の内包率を算出する。
内包率(重量%)=[(A−B)/A]×100 (1)
式(1)中、Aは、硬化剤及び/又は硬化促進剤抽出前の重量を表し、Bは硬化剤及び/又は硬化促進剤抽出後の重量を表す。
まず、所定量の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルの乾燥粉末を秤量し、乳鉢ですり潰し、すり潰した硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを硬化剤及び/又は硬化促進剤を溶解することができる溶剤中で一晩撹拌して、硬化剤及び/又は硬化促進剤を抽出する。次いで、遠心分離を行い、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルのシェルを取り出し、アルミカップに乗せ、真空乾燥機を用いて110℃で5時間乾燥する。乾燥後の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルのシェルを計量し、下記式(1)により硬化剤及び/又は硬化促進剤の内包率を算出する。
内包率(重量%)=[(A−B)/A]×100 (1)
式(1)中、Aは、硬化剤及び/又は硬化促進剤抽出前の重量を表し、Bは硬化剤及び/又は硬化促進剤抽出後の重量を表す。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルの平均粒子径は特に限定されず、上記2層以上のシェルの層数によっても異なるが、好ましい下限は0.5μm、好ましい上限は3.0μmである。上記平均粒子径が0.5μm未満であると、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルは、内包する硬化剤及び/又は硬化促進剤の量が少なくなり、硬化性が低下することがある。上記平均粒子径が3.0μmを超えると、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルのエポキシ樹脂組成物中での分散性が低下し、エポキシ樹脂組成物の硬化が均質とならないことがある。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルの平均粒子径のより好ましい下限は 0.7μm、より好ましい上限は1.0μmである。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルの平均粒子径のより好ましい下限は 0.7μm、より好ましい上限は1.0μmである。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルは、粒子径のCV値の好ましい上限が50%である。上記粒子径のCV値が50%を超えると、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを含有するエポキシ樹脂組成物の硬化が均質とならないことがある。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルの粒子径のCV値のより好ましい上限は30%である。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルの粒子径のCV値のより好ましい上限は30%である。
本明細書中、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルの平均粒子径とは、走査型電子顕微鏡により1視野に約100個が観察できる倍率で硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを観察し、任意に選択した50個の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルについて、ノギスを用いて、粒子径(外径)の最長径を測定し、得られた値の数平均値を求めることにより算出した値を意味する。また、粒子径のCV値とは、平均粒子径mと標準偏差σから、下記式(2)により算出される値を意味する。
CV=σ/m×100(%) (2)
CV=σ/m×100(%) (2)
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを製造する方法は特に限定されないが、単層のシェルを有する1次カプセルを製造した後、得られた1次カプセルを用いて2層のシェルを有する2次カプセルを製造し、必要に応じて2次カプセルを製造する工程と同様の工程を順次繰り返して、2層以上のシェルを有する硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを製造する方法が好ましい。
上記1次カプセルを製造する方法は特に限定されない。シェルが上記ラジカル重合性モノマーの重合体で構成される場合には、上記1次カプセルを製造する方法として、例えば、上記ラジカル重合性モノマーと上記硬化剤及び/又は硬化促進剤と重合開始剤との混合溶液を、水性媒体中に乳化分散させ、上記ラジカル重合性モノマーを重合して、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤と相分離させながら重合体を析出させる方法等が挙げられる。
ただし、上記ラジカル重合性モノマーが上記架橋性モノマーを含有する場合には、相分離過程で重合体に架橋構造が形成されてしまうため、重合体と上記硬化剤及び/又は硬化促進剤との相分離が充分に進まず、モノコア構造が形成されないことがある。
従って、例えば、上記ラジカル重合性モノマーが上記架橋性モノマーを含有する場合には、上記1次カプセルを製造する方法として、例えば、シェルが非架橋ポリマーからなり、コアに上記硬化剤及び/又は硬化促進剤を含有するモノコア構造を有する種粒子に、水性媒体中で、上記架橋性モノマーを含有するラジカル重合性モノマーと重合開始剤との混合溶液を吸収させ、上記架橋性モノマーを含有するラジカル重合性モノマーを重合して、シェルに架橋構造を形成する方法等が挙げられる。
従って、例えば、上記ラジカル重合性モノマーが上記架橋性モノマーを含有する場合には、上記1次カプセルを製造する方法として、例えば、シェルが非架橋ポリマーからなり、コアに上記硬化剤及び/又は硬化促進剤を含有するモノコア構造を有する種粒子に、水性媒体中で、上記架橋性モノマーを含有するラジカル重合性モノマーと重合開始剤との混合溶液を吸収させ、上記架橋性モノマーを含有するラジカル重合性モノマーを重合して、シェルに架橋構造を形成する方法等が挙げられる。
また、シェルが上記親水性基を有する熱可塑性樹脂で構成される場合には、上記1次カプセルを製造する方法として、例えば、上記親水性基を有する熱可塑性樹脂と上記硬化剤及び/又は硬化促進剤とを溶剤に溶解した溶液を、水性媒体中に乳化分散させ、溶剤を加熱除去して、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤と相分離させながら上記親水性基を有する熱可塑性樹脂を析出させる方法等が挙げられる。
この場合、上記親水性基を有する熱可塑性樹脂と上記硬化剤及び/又は硬化促進剤とを溶剤に溶解した溶液に、更に、上記金属アルコキシドの縮合体を添加してもよい。
この場合、上記親水性基を有する熱可塑性樹脂と上記硬化剤及び/又は硬化促進剤とを溶剤に溶解した溶液に、更に、上記金属アルコキシドの縮合体を添加してもよい。
上記2次カプセルを製造する方法は特に限定されず、例えば、上記1次カプセルを上記硬化剤及び/又は硬化促進剤で被覆し、次いで、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤で被覆された1次カプセルを、上記シェルを構成する材料で更に被覆して2次カプセルとする方法(本明細書中、方法1ともいう)等が挙げられる。
上記方法1において、上記1次カプセルを上記硬化剤及び/又は硬化促進剤で被覆する方法は特に限定されず、例えば、水と、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤は溶解するが上記1次カプセルのシェルは溶解しない溶剤との混合溶剤に、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤を溶解し、次いで、上記1次カプセルを分散させ、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤は溶解するが上記1次カプセルのシェルは溶解しない溶剤を加熱除去して、上記1次カプセルの表面に上記硬化剤及び/又は硬化促進剤を析出させる方法等が挙げられる。
上記硬化剤及び/又は硬化促進剤は溶解するが上記1次カプセルのシェルは溶解しない溶剤は特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等が挙げられる。
上記硬化剤及び/又は硬化促進剤は溶解するが上記1次カプセルのシェルは溶解しない溶剤は特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等が挙げられる。
上記方法1において、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤で被覆された1次カプセルを、上記シェルを構成する材料で更に被覆する方法は特に限定されず、例えば、懸濁重合法、ミニエマルション法、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、分散重合法、界面重縮合反応法、液中硬化法、液中乾燥法、転相乳化法、コアセルベーション法、ヘテロ凝集法、スプレードライ法、ハイブリダイゼーション法等が挙げられる。特に、上記2層以上のシェルのうちの最外層のシェルを構成する材料としては上記熱可塑性樹脂を用いることが好ましいことから、液中乾燥法が好ましい。
また、上記2次カプセルを製造する方法として、例えば、上記1次カプセルを水性媒体に分散させた分散液を、上記シェルを構成する材料と上記硬化剤及び/又は硬化促進剤とを溶剤に溶解した溶液に分散させ、溶剤を加熱除去して、上記1次カプセルの表面に、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤と相分離させながら上記シェルを構成する材料を最表層となるように析出させる方法(本明細書中、方法2ともいう)等も挙げられる。
上記方法2において、上記シェルを構成する材料と上記硬化剤及び/又は硬化促進剤とを溶解する溶剤は特に限定されず、例えば、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサンとイソプロピルアルコールとの混合溶剤、シクロヘキサンとアセトンとの混合溶剤、酢酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶剤、酢酸エチルとアセトンとの混合溶剤、メチルエチルケトンとイソプロピルアルコールとの混合溶剤、メチルエチルケトンとアセトンとの混合溶剤等が挙げられる。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルは、少なくとも2段階の制御された硬化を可能にすることから、例えば、第1の硬化によりエポキシ樹脂組成物をBステージ化して接着フィルムとし、その後、第2の硬化により接着フィルムを完全に硬化させて半導体素子の接合等を行う場合、また、比較的低温でエポキシ樹脂組成物を加熱する第1の硬化によりボイドを充分に排除した後、加熱温度を上げた第2の硬化によりエポキシ樹脂組成物を完全に硬化させて半導体素子の接合等を行う場合等に好適に用いられる。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルと、エポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物もまた、本発明の1つである。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルと、エポキシ樹脂とを含有するエポキシ樹脂組成物もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、少なくとも2段階の制御された硬化を可能にする硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを提供することができる。また、本発明によれば、該硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを用いて製造されるエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
(1)1次カプセルの製造
硬化促進剤として2−ウンデシルイミダゾール4.0gと、ラジカル重合性モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート(TMP−A)9.0gとジビニルベンゼン(DVB)4.0gと、重合開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601、和光純薬工業社製)0.2gとを溶解して、混合溶液を調製した。また、イオン交換水300gに乳化剤(エマールTD、花王社製)4.0gを溶解して、水性媒体を調製した。
得られた混合溶液と水性媒体とを混合して、超音波ホモジナイザーで20分間乳化した後、得られた乳化液を反応容器に移し、9時間重合を行った。重合後、遠心分離を行い、1次カプセルを得た。
(1)1次カプセルの製造
硬化促進剤として2−ウンデシルイミダゾール4.0gと、ラジカル重合性モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート(TMP−A)9.0gとジビニルベンゼン(DVB)4.0gと、重合開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601、和光純薬工業社製)0.2gとを溶解して、混合溶液を調製した。また、イオン交換水300gに乳化剤(エマールTD、花王社製)4.0gを溶解して、水性媒体を調製した。
得られた混合溶液と水性媒体とを混合して、超音波ホモジナイザーで20分間乳化した後、得られた乳化液を反応容器に移し、9時間重合を行った。重合後、遠心分離を行い、1次カプセルを得た。
(2)2次カプセルの製造
イオン交換水1000gに乳化剤(エマルゲン109P、花王社製)3.0gを溶解した水性媒体に、超音波ホモジナイザーを用いて1次カプセル20gを懸濁して、分散液を調製した。この分散液を、2−プロパノール75gと酢酸エチル125gとの混合溶剤に2−メチルイミダゾール3.0gとマープルーフG−0130SP(部分的にグリシジル基置換されたスチレン系ポリマー、日油社製)6.0gとを溶解した溶液中に、撹拌速度300rpmで攪拌しながら、速度20mL/minで滴下した。分散液を全量滴下した後、液中の溶剤を加熱除去することで、2次カプセルを得た。
イオン交換水1000gに乳化剤(エマルゲン109P、花王社製)3.0gを溶解した水性媒体に、超音波ホモジナイザーを用いて1次カプセル20gを懸濁して、分散液を調製した。この分散液を、2−プロパノール75gと酢酸エチル125gとの混合溶剤に2−メチルイミダゾール3.0gとマープルーフG−0130SP(部分的にグリシジル基置換されたスチレン系ポリマー、日油社製)6.0gとを溶解した溶液中に、撹拌速度300rpmで攪拌しながら、速度20mL/minで滴下した。分散液を全量滴下した後、液中の溶剤を加熱除去することで、2次カプセルを得た。
(3)シェルの崩壊温度の測定
得られた2次カプセルについて、示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて、昇温速度3℃/min、窒素雰囲気下で測定を行い、発熱ピークの立ち上がり温度をシェルの崩壊温度として測定した。得られたシェルの崩壊温度を表1に示した。
得られた2次カプセルについて、示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて、昇温速度3℃/min、窒素雰囲気下で測定を行い、発熱ピークの立ち上がり温度をシェルの崩壊温度として測定した。得られたシェルの崩壊温度を表1に示した。
(実施例2)
実施例1と同様にして、1次カプセルを作製した。
イオン交換水1000gに乳化剤(エマルゲン109P、花王社製)3.0gを溶解した水性媒体に、超音波ホモジナイザーを用いて1次カプセル20gを懸濁して、分散液を調製した。この分散液を、2−プロパノール75gと酢酸エチル125gとの混合溶剤に2−ウンデシルイミダゾール3.0gとポリスチレン6.0gとを溶解した溶液中に、撹拌速度300rpmで撹拌しながら、速度20mL/minで滴下した。分散液を全量滴下した後、液中の溶剤を加熱除去することで、2次カプセルを得た。実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
実施例1と同様にして、1次カプセルを作製した。
イオン交換水1000gに乳化剤(エマルゲン109P、花王社製)3.0gを溶解した水性媒体に、超音波ホモジナイザーを用いて1次カプセル20gを懸濁して、分散液を調製した。この分散液を、2−プロパノール75gと酢酸エチル125gとの混合溶剤に2−ウンデシルイミダゾール3.0gとポリスチレン6.0gとを溶解した溶液中に、撹拌速度300rpmで撹拌しながら、速度20mL/minで滴下した。分散液を全量滴下した後、液中の溶剤を加熱除去することで、2次カプセルを得た。実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
(実施例3)
実施例1と同様にして、1次カプセルを作製した。
イオン交換水1000gに乳化剤(エマルゲン109P、花王社製)3.0gを溶解した水性媒体に、超音波ホモジナイザーを用いて1次カプセル20gを懸濁して、分散液を調製した。この分散液を、2−プロパノール75gと酢酸エチル125gとの混合溶剤に2−ウンデシルイミダゾール3.0gとポリメタクリル酸メチル6.0gとを溶解した溶液中に、撹拌速度300rpmで撹拌しながら、速度20mL/minで滴下した。分散液を全量滴下した後、液中の溶剤を加熱除去することで、2次カプセルを得た。実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
実施例1と同様にして、1次カプセルを作製した。
イオン交換水1000gに乳化剤(エマルゲン109P、花王社製)3.0gを溶解した水性媒体に、超音波ホモジナイザーを用いて1次カプセル20gを懸濁して、分散液を調製した。この分散液を、2−プロパノール75gと酢酸エチル125gとの混合溶剤に2−ウンデシルイミダゾール3.0gとポリメタクリル酸メチル6.0gとを溶解した溶液中に、撹拌速度300rpmで撹拌しながら、速度20mL/minで滴下した。分散液を全量滴下した後、液中の溶剤を加熱除去することで、2次カプセルを得た。実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
(実施例4)
実施例1と同様にして、1次カプセルを作製した。
イオン交換水1000gに乳化剤(エマルゲン109P、花王社製)3.0gを溶解した水性媒体に、超音波ホモジナイザーを用いて1次カプセル20gを懸濁して、分散液を調製した。この分散液を、2−プロパノール75gと酢酸エチル125gとの混合溶剤に2−ウンデシルイミダゾール3.0gとマープルーフG−0150M(部分的にグリシジル基置換されたアクリル系ポリマー)6.0gとを溶解した溶液中に、撹拌速度300rpmで撹拌しながら、速度20mL/minで滴下した。分散液を全量滴下した後、液中の溶剤を加熱除去することで、2次カプセルを得た。実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
実施例1と同様にして、1次カプセルを作製した。
イオン交換水1000gに乳化剤(エマルゲン109P、花王社製)3.0gを溶解した水性媒体に、超音波ホモジナイザーを用いて1次カプセル20gを懸濁して、分散液を調製した。この分散液を、2−プロパノール75gと酢酸エチル125gとの混合溶剤に2−ウンデシルイミダゾール3.0gとマープルーフG−0150M(部分的にグリシジル基置換されたアクリル系ポリマー)6.0gとを溶解した溶液中に、撹拌速度300rpmで撹拌しながら、速度20mL/minで滴下した。分散液を全量滴下した後、液中の溶剤を加熱除去することで、2次カプセルを得た。実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
(実施例5)
(1)1次カプセルの製造
実施例1と同様にして、1次カプセルを作製した。
(1)1次カプセルの製造
実施例1と同様にして、1次カプセルを作製した。
(2)2次カプセルの製造
イオン交換水1000gに乳化剤(エマルゲン109P、花王社製)3.0gを溶解した水性媒体に、超音波ホモジナイザーを用いて1次カプセル20gを懸濁して、分散液を調製した。この分散液を、2−プロパノール75gと酢酸エチル125gとの混合溶剤に2−ウンデシルイミダゾール3.0gとマープルーフG−0130SP(部分的にグリシジル基置換されたスチレン系ポリマー、日油社製)3.0gとX−41−1053(一部グリシジル基置換されたシリコーンアルコキシオリゴマー、信越化学工業社製)とを溶解した溶液中に、撹拌速度300rpmで撹拌しながら、速度20mL/minで滴下した。分散液を全量滴下した後、液中の溶剤を加熱除去することで、2次カプセルを得た。
イオン交換水1000gに乳化剤(エマルゲン109P、花王社製)3.0gを溶解した水性媒体に、超音波ホモジナイザーを用いて1次カプセル20gを懸濁して、分散液を調製した。この分散液を、2−プロパノール75gと酢酸エチル125gとの混合溶剤に2−ウンデシルイミダゾール3.0gとマープルーフG−0130SP(部分的にグリシジル基置換されたスチレン系ポリマー、日油社製)3.0gとX−41−1053(一部グリシジル基置換されたシリコーンアルコキシオリゴマー、信越化学工業社製)とを溶解した溶液中に、撹拌速度300rpmで撹拌しながら、速度20mL/minで滴下した。分散液を全量滴下した後、液中の溶剤を加熱除去することで、2次カプセルを得た。
(3)3次カプセルの製造
イオン交換水1000gに乳化剤(エマルゲン109P、花王社製)3.0gを溶解した水性媒体に、超音波ホモジナイザーを用いて2次カプセル15gを懸濁して、分散液を調製した。この分散液を、2−プロパノール75gと酢酸エチル125gとの混合溶剤に2−ウンデシルイミダゾール2.0gとマープルーフG−0130SP(部分的にグリシジル基置換されたスチレン系ポリマー、日油社製)5.0gとを溶解した溶液中に、撹拌速度300rpmで撹拌しながら、速度20mL/minで滴下した。分散液を全量滴下した後、液中の溶剤を加熱除去することで、3次カプセルを得た。
イオン交換水1000gに乳化剤(エマルゲン109P、花王社製)3.0gを溶解した水性媒体に、超音波ホモジナイザーを用いて2次カプセル15gを懸濁して、分散液を調製した。この分散液を、2−プロパノール75gと酢酸エチル125gとの混合溶剤に2−ウンデシルイミダゾール2.0gとマープルーフG−0130SP(部分的にグリシジル基置換されたスチレン系ポリマー、日油社製)5.0gとを溶解した溶液中に、撹拌速度300rpmで撹拌しながら、速度20mL/minで滴下した。分散液を全量滴下した後、液中の溶剤を加熱除去することで、3次カプセルを得た。
(4)シェルの崩壊温度の測定
実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
(比較例1)
実施例1で得られた1次カプセルをそのまま使用した。実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
実施例1で得られた1次カプセルをそのまま使用した。実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
(比較例2)
硬化促進剤として2−ウンデシルイミダゾール4.0gと、ラジカル重合性モノマーとしてメタクリル酸メチル13.0gと、重合開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601、和光純薬工業社製)0.2gとを溶解して、混合溶液を調製した。また、イオン交換水300gに乳化剤(エマールTD、花王社製)4.0gを溶解して、水性媒体を調製した。
得られた混合溶液と水性媒体とを混合して、超音波ホモジナイザーで20分間乳化した後、得られた乳化液を反応容器に移し、9時間重合を行った。重合後、遠心分離を行い、1次カプセルを得た。実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
硬化促進剤として2−ウンデシルイミダゾール4.0gと、ラジカル重合性モノマーとしてメタクリル酸メチル13.0gと、重合開始剤としてジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(V−601、和光純薬工業社製)0.2gとを溶解して、混合溶液を調製した。また、イオン交換水300gに乳化剤(エマールTD、花王社製)4.0gを溶解して、水性媒体を調製した。
得られた混合溶液と水性媒体とを混合して、超音波ホモジナイザーで20分間乳化した後、得られた乳化液を反応容器に移し、9時間重合を行った。重合後、遠心分離を行い、1次カプセルを得た。実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
(比較例3)
比較例2で得られた1次カプセルを用いたこと以外は実施例1と同様にして、2次カプセルを作製した。実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
比較例2で得られた1次カプセルを用いたこと以外は実施例1と同様にして、2次カプセルを作製した。実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
(比較例4)
比較例2で得られた1次カプセルを用いたこと以外は実施例3と同様にして、2次カプセルを作製した。実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
比較例2で得られた1次カプセルを用いたこと以外は実施例3と同様にして、2次カプセルを作製した。実施例1と同様にしてシェルの崩壊温度を測定し、表1に示した。
(比較例5)
実施例1で得られた1次カプセルと比較例2で得られた1次カプセルとを等量混合したものを使用した。
実施例1で得られた1次カプセルと比較例2で得られた1次カプセルとを等量混合したものを使用した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル(1次カプセル、2次カプセル又は3次カプセル)について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られた硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル(1次カプセル、2次カプセル又は3次カプセル)について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)粘度の測定
エポキシ樹脂(三菱化学社製「YL980」)100重量部と、硬化剤(三菱化学社製「YH306」)50重量部と、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル20重量部と、溶剤としてメチルエチルケトン20重量部とを混合して、樹脂溶液を調製した。
E型粘度測定装置(商品名「VISCOMETER TV−22」、TOKI SANGYO CO.LTD社製、使用ローターφ15mm、設定温度25℃)を用いて、得られた樹脂溶液の回転数50rpmにおける粘度を測定した。
エポキシ樹脂(三菱化学社製「YL980」)100重量部と、硬化剤(三菱化学社製「YH306」)50重量部と、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル20重量部と、溶剤としてメチルエチルケトン20重量部とを混合して、樹脂溶液を調製した。
E型粘度測定装置(商品名「VISCOMETER TV−22」、TOKI SANGYO CO.LTD社製、使用ローターφ15mm、設定温度25℃)を用いて、得られた樹脂溶液の回転数50rpmにおける粘度を測定した。
(2)貯蔵安定性
エポキシ樹脂(三菱化学社製「YL980」)100重量部と、硬化剤(三菱化学社製「YH306」)50重量部と、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル20重量部と、溶剤としてメチルエチルケトン20重量部とを混合して、樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を離型フィルム上に厚さ100μmで塗工することで、フィルムを作製した。
得られたフィルムを40℃7日間放置した。その後、フィルムをメチルエチルケトン中で24時間浸漬撹拌し、フィルムを取り出して110℃1時間乾燥させた。下記式(3)によりゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (3)
式(3)中、W0は基材の重量を表し、W1はメチルエチルケトンに浸漬する前のフィルムの重量を表し、W2はメチルエチルケトンに浸漬し乾燥した後のフィルムの重量を表す。
エポキシ樹脂(三菱化学社製「YL980」)100重量部と、硬化剤(三菱化学社製「YH306」)50重量部と、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル20重量部と、溶剤としてメチルエチルケトン20重量部とを混合して、樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を離型フィルム上に厚さ100μmで塗工することで、フィルムを作製した。
得られたフィルムを40℃7日間放置した。その後、フィルムをメチルエチルケトン中で24時間浸漬撹拌し、フィルムを取り出して110℃1時間乾燥させた。下記式(3)によりゲル分率を算出した。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (3)
式(3)中、W0は基材の重量を表し、W1はメチルエチルケトンに浸漬する前のフィルムの重量を表し、W2はメチルエチルケトンに浸漬し乾燥した後のフィルムの重量を表す。
(3)Bステージ化後の貯蔵安定性
エポキシ樹脂(三菱化学社製「YL980」)100重量部と、硬化剤(三菱化学社製「YH306」)50重量部と、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル20重量部と、溶剤としてメチルエチルケトン20重量部とを混合して、樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を離型フィルム上に塗布した後、80℃で30分間乾燥してBステージ化し、厚さ100μmのBステージ化フィルムを作製した。
得られたBステージ化フィルムを40℃7日間放置した。その後、Bステージ化フィルムをメチルエチルケトン中で24時間浸漬撹拌し、Bステージ化フィルムを取り出して110℃1時間乾燥させた。上記(2)貯蔵安定性の評価と同様に、上記式(3)によりゲル分率を算出した。
エポキシ樹脂(三菱化学社製「YL980」)100重量部と、硬化剤(三菱化学社製「YH306」)50重量部と、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル20重量部と、溶剤としてメチルエチルケトン20重量部とを混合して、樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を離型フィルム上に塗布した後、80℃で30分間乾燥してBステージ化し、厚さ100μmのBステージ化フィルムを作製した。
得られたBステージ化フィルムを40℃7日間放置した。その後、Bステージ化フィルムをメチルエチルケトン中で24時間浸漬撹拌し、Bステージ化フィルムを取り出して110℃1時間乾燥させた。上記(2)貯蔵安定性の評価と同様に、上記式(3)によりゲル分率を算出した。
(4)ボイドの有無
ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製「HP4032D」)50重量部と、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製「HP7200」)50重量部と、エポキシ基含有アクリルゴム(エチルアクリレート/グリシジルメタクリレート=99/1、溶液ラジカル重合法にて作製)45重量部と、硬化剤(三菱化学社製「YH306」)8重量部と、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル10重量部と、アミノシラン(チッソ社製「S320」)1重量部とにメチルエチルケトンを加えて樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液をバーコーターを用いて離型PETフィルム上に塗布し、110℃で3分加熱乾燥し、厚さ35μmの接着フィルムを作製した。
得られた接着フィルムを介してFR−4のガラスエポキシ基板(10mm×10mm×厚さ0.2mm)とガラスチップ(松浪硝子工業社製、10mm×10mm)とを積層し、80℃で30分間、次いで、150℃で1時間加熱して接着フィルムを硬化させることによりガラスエポキシ基板とガラスチップとを接着し、ガラスチップ−接着フィルム−ガラスエポキシ基板のボイドの発生を観察して下記の基準で評価した。
○:ガラスエポキシ基板上にボイドが観察されなかった。
△:ガラスエポキシ基板上にボイドが1〜3個観察された。
×:ガラスエポキシ基板上にボイドが4個以上観察された。
ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製「HP4032D」)50重量部と、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製「HP7200」)50重量部と、エポキシ基含有アクリルゴム(エチルアクリレート/グリシジルメタクリレート=99/1、溶液ラジカル重合法にて作製)45重量部と、硬化剤(三菱化学社製「YH306」)8重量部と、硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル10重量部と、アミノシラン(チッソ社製「S320」)1重量部とにメチルエチルケトンを加えて樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液をバーコーターを用いて離型PETフィルム上に塗布し、110℃で3分加熱乾燥し、厚さ35μmの接着フィルムを作製した。
得られた接着フィルムを介してFR−4のガラスエポキシ基板(10mm×10mm×厚さ0.2mm)とガラスチップ(松浪硝子工業社製、10mm×10mm)とを積層し、80℃で30分間、次いで、150℃で1時間加熱して接着フィルムを硬化させることによりガラスエポキシ基板とガラスチップとを接着し、ガラスチップ−接着フィルム−ガラスエポキシ基板のボイドの発生を観察して下記の基準で評価した。
○:ガラスエポキシ基板上にボイドが観察されなかった。
△:ガラスエポキシ基板上にボイドが1〜3個観察された。
×:ガラスエポキシ基板上にボイドが4個以上観察された。
本発明によれば、少なくとも2段階の制御ささた硬化を可能にする硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを提供することができる。また、本発明によれば、該硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルを用いて製造されるエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
1 硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル
2 硬化剤及び/又は硬化促進剤
3 シェル(最内層)
4 硬化剤及び/又は硬化促進剤
5 シェル(最外層)
2 硬化剤及び/又は硬化促進剤
3 シェル(最内層)
4 硬化剤及び/又は硬化促進剤
5 シェル(最外層)
Claims (3)
- 2層以上のシェルを有する硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルであって、
前記2層以上のシェルのうちの最内層のシェルの内側及び前記2層以上のシェルの層間に、硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包しており、
前記2層以上のシェルは、それぞれ異なる崩壊温度を有し、かつ、外側ほど崩壊温度が低い
ことを特徴とする硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル。 - 2層以上のシェルのうちの最外層のシェルの崩壊温度が、80〜120℃であることを特徴とする請求項1記載の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル。
- 請求項1又は2記載の硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセルと、エポキシ樹脂とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010290696A JP2012136650A (ja) | 2010-12-27 | 2010-12-27 | 硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル及びエポキシ樹脂組成物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013142107A (ja) * | 2012-01-10 | 2013-07-22 | Sekisui Chem Co Ltd | 硬化剤及び/又は硬化促進剤内包カプセル、及び、熱硬化性樹脂組成物 |
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2010
- 2010-12-27 JP JP2010290696A patent/JP2012136650A/ja active Pending
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