JPH0872718A - 列車自動連結・解放制御方法及びそれに用いる制御装置 - Google Patents

列車自動連結・解放制御方法及びそれに用いる制御装置

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JPH0872718A
JPH0872718A JP6211408A JP21140894A JPH0872718A JP H0872718 A JPH0872718 A JP H0872718A JP 6211408 A JP6211408 A JP 6211408A JP 21140894 A JP21140894 A JP 21140894A JP H0872718 A JPH0872718 A JP H0872718A
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亨 齋間
Izumi Miura
泉 三浦
Yotaro Minami
陽太朗 南
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現行の固定閉塞システムに少しの変更を加え
るだけで、走行中の自動連結、解放ができるようにす
る。 【構成】 この発明の列車自動連結・解放制御装置は、
閉塞方式を使用している列車路線3に自動連結・解放の
ための特定区間Aを設定し、自動連結又は自動解放を行
う列車に識別コードIDを付与し、地上局2にその識別
コードを発信する列車が自動連結又は自動解放する列車
であることを登録し、自動連結又は自動解放を行うべき
列車が特定区間Aに進入した時に識別コードを表す信号
を地上局2に発信し、地上局は識別コードを表す信号を
受信した時に当該列車が自動連結又は自動解放を行うべ
き列車であると判定し、先行車T1と後続車T2との間の相
対速度を制御しながら自動連結動作又は自動解放動作を
実行する。他方、特定区間に自動連結又は自動解放を行
わない列車が進入した時には通常の運行制御を継続す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄道列車をその走行
中に自動的に列車編成同士を連結したり、解放したりす
る列車自動連結・解放制御方法及び列車自動連結・解放
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、鉄道の運行は線路の構成によ
る制限と駅設備の制限とにより決定されており、共に輸
送密度を上げようとすると莫大な費用を必要とすること
が知られている。特に、駅設備を拡大しようとしても、
交通の便利の良いターミナル駅では場所的な制限が非常
に厳しく、プラットホームの面数を増やそうにもほとん
ど不可能なことが多い。
【0003】それでも列車の運用上やむを得ない場合に
は、プラットホームを増設するか、終点の近くなどに新
たな駅を設置することが考えられるが、その場合には、
その建設費用がどれくらいになるのか、その費用が運用
で回収できるのかが重要な問題となってくる。
【0004】近年、新幹線などの幹線で全国新幹線網な
どが考えられ、始発駅から発車する列車の行先が次第に
増加する傾向が出てきているが、これはとりもなおさ
ず、列車の本数が増加することを意味している。
【0005】そこで山形新幹線に見られるように1編成
に2方向の列車を連結した状態で運行し、所定の分岐駅
で前後の連結を解放して2列車に分割する運行方式をと
ることによって始発駅の発車列車の本数を削減する対策
がとられるようになってきている。
【0006】ところが、このように列車の分割や増結が
行われるのは必ず、一方が停車した駅などの限られた場
所であり、走行中の列車同士を連結するには至っていな
い。走行中に連結、分割を行うことは、以前の御殿場線
や最近の山陽本線の瀬野〜八本松の間で行われてきた。
しかし、最近の信号システムからすると、閉塞方式が採
用されている関係で走行中に別列車同士を同一路線上で
前後に接近させて連結しようとすれば後続車に必ずブレ
ーキが作用してしまい、ATSなどの信号システムを切
らない限り、本来的に不可能なことである。
【0007】他方、停止している列車に後続車を連結す
るには、通常は連結手の手旗信号に従い、後続車の運転
士の目視操作によって行われており、また山形新幹線の
場合などでは、先行車と後続車との間で超音波信号のや
りとりを行い、その超音波信号の遅れを測定して列車間
の距離の自動測定を行い、それを運転士に表示し、運転
士に目視距離判断と表示された測定距離との両方を考慮
しながら運転させ、連結することも行われている。いず
れにしても、現段階では、列車同士の連結は運転士の運
転技術により安全を確保しながら行われているのであ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来で
は、始発駅から発車すべき列車本数は増加する傾向があ
り、しかもプラットホームの数を増やすことは容易でな
い。
【0009】そこで列車運行の現実を見ると、必要列車
本数が全部、長大編成である必要はなく、短い編成であ
ればそのいくつかをまとめて1編成に連結して分岐駅ま
で運行し、そこで分割したり、逆に分割された各編成を
分岐駅で連結して1つの編成にしてターミナル駅まで運
行させるならば、ターミナル駅のプラットホーム面数を
増やす必要がなくなる。
【0010】ところが、所定の分岐駅で連結、分割を行
う従来の運行方式では連結、分割作業の時に必ず一方の
列車を停止させておかなければならず、そのために停車
時間が長くなってダイヤの高密度化が実現できない問題
点があった。
【0011】この問題点を解決するためには、列車の連
結・解放を両列車を走行させながら行うことが必要にな
ってくる。しかし、走行中に連結しようとすることは一
定の閉塞区間に2編成以上の列車が進入することになる
ので現在の閉塞方式の信号システムでは許されない。
【0012】そこで、この発明は、現在の信号システム
を踏襲しながらも若干の運用の変更だけで走行しながら
連結・解放ができる列車自動連結・解放制御方法及び列
車自動連結・解放制御装置を提供することを目的とす
る。
【0013】しかしながら、走行中に自動連結を行うに
は、いかに連結できる場所を決めるかが非常に大きな問
題になる。つまり、連結動作を行う場所で円滑に先行車
と後続車が接近できるようにするためには連結場所の手
前の駅で2つの列車の通過時間を管理することが必要に
なる。例えば、一方の列車が遅れた場合には、連結が終
了する前に次の駅に到着してしまう可能性がある。そこ
で、これを防ぐ方法を考え、しかも、自動連結動作を行
うために準備しなければならない。例えば、LCX設備
とその地上側の制御器の範囲をできるだけ短くすること
が望ましい。
【0014】これに答える1つの方法として、先行車を
手前の駅に停車させ、後続車の遅れを吸収する時間を持
たせ、後続車がある地点を通過するのを確認した時点で
先行車を発車させ、後続車は手前の駅をそのまま通過さ
せて追い付かせる方法があり、この場合には、先行車は
加速中で後続車は高速で走り続けることによって一気に
列車間隔を縮めることが可能である。
【0015】別の方法として、先行車と後続車を手前の
駅に停車させて一定間隔を確保して発車させる方法があ
る。この方法では、手前の駅で停車している列車同士を
連結してしまえばよいことになり、走行させながら連結
するメリットが全く生じない。
【0016】もう1つの別の方法は、先行車と後続車と
の両方も共に手前の駅で停車させずに走行させながら連
結する方法である。この場合には、走行中に連結するメ
リットは最大限に発揮できるが、先行車と後続車とのい
ずれかがダイヤから遅れると、次の駅に到着するまでに
連結作業が終了しない場合が発生することがあり得る。
この場合、終点の駅でこの列車が進入できるホームが準
備できなくなる恐れがある。このように、次の駅に到着
するまでに連結できなければ、それだけでも不都合が生
じるが、その他に、連結作業を支援するLCXが敷設し
てある区間内で連結作業ができないのでは非常に不都合
が生じる。
【0017】そこで、この発明は自動連結を行う区間を
複数区間、例えば、連結準備区間、自動連結作業区間、
予備区間に分け、この区間の中で必ず自動連結作業がす
べて終了するように列車の走行速度を制御する列車自動
連結・解放制御方法及び列車自動連結・解放制御装置を
提供することを目的とする。
【0018】またこの発明は、地上側で路線運行状況を
把握し、現状の固定閉塞保安システムの下に走行する列
車や、走行中に連結・解放することを目的に走行する列
車を混在させてもなんら問題を発生させることがなく、
また各種の列車が混在しても運転上余分な時間を必要と
せず、列車運行管理が行える列車自動連結・解放制御方
法及び列車自動連結・解放制御装置を提供することを目
的とする。
【0019】また従来、相互に連結すべき列車の間隔の
測定に超音波を利用していたが、列車の走行中の騒音に
はおよそあらゆる種類の周波数の音が含まれているの
で、走行中の列車の間隔測定には精度良く利用すること
ができない問題点があった。
【0020】そこでこの発明は、外部からのノイズに影
響を受けないで正確に列車間隔を測定することができ、
列車自動連結・解放を確実に行うことができる列車自動
連結・解放制御装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の自動列
車連結・解放制御方法は、閉塞方式を使用している列車
路線に自動連結・解放のための特定区間を設定し、自動
連結又は自動解放を行う列車に識別コードを付与し、地
上局に識別コードを表す信号を発信する列車が自動連結
又は自動解放する列車であることを登録し、自動連結又
は自動解放を行うべき列車が特定区間に進入した時に識
別コードを表す信号を地上局に発信し、地上局は識別コ
ードを表す信号を受信した時に当該列車が自動連結又は
自動解放を行うべき列車であると判定し、先行車と後続
車との間の相対速度を制御しながら自動連結動作又は自
動解放動作を実行し、特定区間に自動連結又は自動解放
を行わない列車が進入した時には通常の閉塞制御を継続
することを特徴とする。
【0022】請求項2の発明は、請求項1の列車自動連
結・解放制御方法において、自動連結を実行する際に、
先行車を一定の速度パターンで走行させると共に、後続
車を先行車との距離に応じて速度差が漸次小さくなる速
度パターンで走行させることを特徴とする。
【0023】請求項3の発明は、請求項2の列車自動連
結・解放制御方法において、特定区間を接近制御区間、
至近距離制御区間及び連結走行区間に分け、接近制御区
間では先行車と後続車との間の距離が所定の至近距離ま
で狭まるような相対速度差を持つようにして両列車の速
度制御を行い、至近距離制御区間では先行車の連結器に
後続車の連結器が自動連結できる速度差を保ちながら接
触するように両列車間の距離が狭まるにつれて漸減する
相対速度制御を行い、連結走行区間では通常走行速度ま
で加速する速度制御を行うことを特徴とする。
【0024】請求項4の発明は、請求項2又は請求項3
の列車自動連結・解放制御装置において、先行車、後続
車それぞれにそれらの走行位置に応じた一定の速度帯を
設定し、その速度帯内で速度制御を行うことを特徴とす
る。
【0025】請求項5の発明は、請求項1の列車自動連
結・解放制御方法において、自動解放制御を実行する際
に、自動解放後に後続車の速度に対して先行車の相対速
度を加速することを特徴とする。
【0026】請求項6の発明の自動列車連結・解放制御
装置は、閉塞方式を使用している列車路線に自動連結・
解放のための特定区間を設定し、列車に車上局を搭載
し、地上側に地上局を設置し、自動連結又は自動解放を
行う列車の車上局に、地上局と通信を行う通信手段と、
自列車が自動連結又は自動解放を行う列車であることを
識別する識別コードを表す信号を出力する識別コード出
力手段と、地上局からの指示を受けて、通常運転制御モ
ードと自動連結・解放運転制御モードとの運転制御モー
ドを切り換える運転制御モード切換手段と、運転制御モ
ード切換手段が切り換えた通常運転制御モード時に当該
列車の運転を行う通常運転制御手段と、自列車と自動連
結又は自動解放相手となる相手列車の対向面との間の距
離を測定する測距手段と、運転制御モード切換手段が切
り換えた自動連結・解放運転制御モード時に、自動連結
動作又は自動解放動作のために測距手段が測定する相手
列車との間の距離に応じた速度パターンで自列車の速度
制御を行う速度制御手段とを設け、地上局に、車上局と
通信を行う通信手段と、列車が特定区間に進入したこと
を検出する列車存在検出手段と、自動連結又は自動解放
を行うべき列車に付与された識別コードデータを記憶す
る識別コード記憶手段と、特定区間に進入する列車の識
別コード出力手段が出力する識別コードを表す信号を受
信し、識別コード記憶手段の記憶データと照合して当該
列車が自動連結又は自動解放を行うべき列車であること
を判別する列車判別手段と、列車判別手段が識別コード
を判別した時に、通常運転制御モードを解除して当該特
定区間に複数列車が進入するのを許容する自動連結・解
放運転制御モードに切り換える切換信号を車上局に指示
する運転制御モード切換指示手段とを設けたものであ
る。
【0027】請求項7の発明は、請求項6の列車自動連
結・解放制御装置において、車上局が複数種の測距手段
と、これらの測距手段のうち、いちばん小さい距離を検
出する測距手段の距離測定値を選択して速度制御手段に
与える距離測定値選択手段とを備えたものである。
【0028】請求項8の発明は、請求項6又は7の列車
自動連結・解放制御装置において、測距手段として光学
的手段を用いたものである。
【0029】請求項9の発明は、請求項8の列車自動連
結・解放制御装置において、光学的な測距手段を、先行
車と後続車との対向面の一方に一定間隔Dを開けて2つ
の位置に設置されたレーザー光源と、先行車と後続車と
の対向面の他方に設置されたレーザー光源からのレーザ
ー光を受光する受光手段と、車上局に設けられた、受光
手段の受光信号からレーザー光源間の挟み角θを求める
挟み角演算手段及び車間距離LをL=D/tan θの式に
基づいて算出する車間距離演算手段とによって構成した
ものである。
【0030】請求項10の発明は、請求項9の列車自動
連結・解放制御装置において、レーザー光源を対向面の
1辺が一定間隔Dとなる正方形の4隅に相当する位置に
配置し、挟み角演算手段が受光強度の強い一対のレーザ
ー光源からの光を選択してそれらのレーザー光源間の挟
み角θを求めるものである。
【0031】請求項11の発明の自動列車連結・解放制
御装置は、閉塞方式を使用している列車路線に自動連結
・解放のための特定区間を設定し、列車に車上局を搭載
し、地上側に地上局を設置し、自動連結又は自動解放を
行う列車の車上局に、地上局と通信を行う通信手段と、
自列車が自動連結又は自動解放を行う列車であることを
識別する識別コードを表す信号を出力する識別コード出
力手段と、地上局からの指示を受けて、通常運転制御モ
ードと自動連結・解放運転制御モードとの運転制御モー
ドを切り換える運転制御モード切換手段と、運転制御モ
ード切換手段が切り換えた通常運転制御モード時に当該
列車の通常運転制御を行う通常運転制御手段と、運転制
御モード切換手段が切り換えた自動連結・解放運転制御
モード時に、地上局からの速度指令に従って自動連結動
作又は自動解放動作のための速度制御を行う速度制御手
段とを設け、地上局に、車上局と通信を行う通信手段
と、列車が特定区間に進入したことを検出する列車存在
検出手段と、自動連結又は自動解放を行うべき列車に付
与された識別コードデータを記憶する識別コード記憶手
段と、特定区間に進入する列車の識別コード出力手段が
出力する識別コードを表す信号を受信し、識別コード記
憶手段の記憶データと照合して当該列車が自動連結又は
自動解放を行うべき列車であることを判別する列車判別
手段と、列車判別手段が識別コードを判別した時に、通
常運転制御モードを解除して当該特定区間に複数列車が
進入するのを許容する自動連結・解放運転制御モードに
切り換える切換信号を車上局に指示する運転制御モード
切換指示手段と、特定区間を走行する先行車、後続車の
存在位置を検出する列車位置検出手段と、特定区間を走
行する先行車、後続車それぞれの速度を検出する列車速
度検出手段と、列車位置検出手段が検出する先行車と後
続車との間の距離及び列車速度検出手段が検出する先行
車、後続車それぞれの速度に基づいてこれらの先行車、
後続車それぞれが自動連結又は自動解放のために必要と
する速度を演算し、先行車、後続車それぞれの車上局に
速度指令を出力する速度指令演算手段とを設けたもので
ある。
【0032】請求項12の発明の自動列車連結・解放制
御装置は、閉塞方式を使用している列車路線に自動連結
・解放のための特定区間を設定し、列車に車上局を搭載
し、地上側に地上局を設置し、自動連結又は自動解放を
行う列車の車上局に、地上局と通信を行う通信手段と、
自列車が自動連結又は自動解放を行う列車であることを
識別する識別コードを表す信号を出力する識別コード出
力手段と、地上局からの指示を受けて、通常運転制御モ
ードと自動連結・解放運転制御モードとの運転制御モー
ドを切り換える運転制御モード切換手段と、運転制御モ
ード切換手段が切り換えた通常運転制御モード時に当該
列車の通常運転制御を行う通常運転制御手段と、自列車
と自動連結又は自動解放相手となる列車との対向面の間
の距離を測定する測距手段と、運転制御モード切換手段
が切り換えた自動連結・解放運転制御モード時に、地上
局からの接近制御区間指示信号を受けて地上局側からの
速度指令に対応した速度制御を行う接近制御区間速度制
御手段と、地上局からの至近距離制御区間指示信号を受
けて、測距手段が測定する相手列車との間の距離に応じ
た速度パターンで速度制御を行う至近距離速度制御手段
とを設け、地上局に、車上局と通信を行う通信手段と、
列車が特定区間に進入したことを検出する列車存在検出
手段と、自動連結又は自動解放を行うべき列車に付与さ
れた識別コードデータを記憶する識別コード記憶手段
と、特定区間に進入する列車の識別コード出力手段が出
力する識別コードを表す信号を受信し、識別コード記憶
手段の記憶データと照合して当該列車が自動連結又は自
動解放を行うべき列車であることを判別する列車判別手
段と、列車判別手段が識別コードを判別した時に、通常
運転制御モードを解除して当該特定区間に複数列車が進
入するのを許容する自動連結・解放運転制御モードに切
り換える切換信号を車上局に指示する運転制御モード切
換指示手段と、特定区間を先行車と後続車とを自動連結
のために接近させる接近制御区間、自動連結を実行させ
る至近距離制御区間、連結走行区間とに区分し、先行
車、後続車それぞれがいずれの区間に存在しているかを
検出する列車位置検出手段と、列車位置検出手段が先行
車、後続車が共に接近制御区間に存在していることを検
出している時には、接近制御区間指示信号と共に接近制
御に必要な速度パターンの速度指令を、両列車が至近距
離制御区間に進入したことを検出した時には至近距離制
御区間指示信号を先行車、後続車それぞれの車上局に送
信する区間別速度制御切換手段とを設けたものである。
【0033】請求項13の発明は、請求項12の列車自
動連結・解放制御装置において、至近距離制御区間にお
いて、測距手段が測定する先行車と後続車との車間距離
が漸次小さくなるにつれて相対速度差が小さくなり、か
つ所定の速度差に到達した後はその速度差を維持するよ
うに各列車の速度制御を行うものである。
【0034】請求項14の発明は、請求項6〜請求項1
3のいずれかの列車自動連結・解放制御装置において、
車上局、地上局間の通信に異常が発生した場合に、強制
的に閉塞方式の通常運転制御モードに切り換える安全保
護手段を車上局に設けたものである。
【0035】請求項15の発明は、請求項6〜請求項1
4のいずれかの列車自動連結・解放制御装置において、
車上局を同じ働きをする2つのメインプロセッサとバス
ラインを並列に組むと共に、これらの動作を監視するプ
ロセッサを設けて1つの制御系統とし、この制御系統を
2系統設けてフェイルセーフのハードウェア構成とした
ものである。
【0036】請求項16の発明は、請求項6〜請求項1
5のいずれかの列車自動連結・解放制御装置において、
車上局、地上局それぞれの通信手段が特定区間のほぼ全
長に渡って敷設されたLCXケーブル(漏れ同軸ケーブ
ル)を介して相互通信を行うものである。
【0037】
【作用】請求項1の発明の列車自動連結・解放制御方法
では、自動連結又は自動解放を行うべき列車が自動連結
・解放のために設定されている特定区間に進入した時に
当該列車に付与されている識別コードを表す信号を地上
局に発信し、地上局がこの識別コードを表す信号を受信
した時に当該列車が自動連結又は自動解放を行うべき列
車であると判定し、先行車と後続車との間の相対速度を
制御しながら自動連結動作又は自動解放動作を実行す
る。他方、特定区間に自動連結又は自動解放を行わない
列車が進入した時には通常の運行制御を継続する。
【0038】こうして、閉塞方式の運行制御を必要最小
限の区間だけ停止して、自動連結又は自動解放を両列車
の走行中に行う。
【0039】請求項2の発明では、請求項1の列車自動
連結・解放制御方法により自動連結を実行する際に、先
行車を一定の速度パターンで走行させると共に、後続車
を先行車との距離に応じて速度差が漸次小さくなる速度
パターンで走行させる制御を行うことにより、先行車に
対して後続車の距離が徐々に詰まって来るに従ってゆっ
くりと接近するように速度制御し、連結実行時に発生す
る衝撃を小さく抑える。
【0040】請求項3の発明では、請求項2の列車自動
連結・解放制御方法により自動連結を実行する際に、特
定区間を接近制御区間、至近距離制御区間及び連結走行
区間に分け、接近制御区間では先行車と後続車との間の
距離が所定の至近距離まで狭まるような相対速度差を持
つようにして両列車を比較的に速い速度で走行させなが
ら連結を実行する至近距離まで互いに接近させ、至近距
離制御区間では先行車の連結器に後続車の連結器が自動
連結できる速度差を保ちながら接触するように両列車間
の距離が狭まるにつれて漸減する相対速度制御を行い、
連結走行区間では通常走行速度まで加速する速度制御を
行うことにより、両列車を比較的速い速度で走行させな
がらも確実に自動連結する。
【0041】請求項4の発明では、請求項2または請求
項3の列車自動連結・解放制御方法において、先行車、
後続車にそれらの走行位置に応じた一定の速度帯を設定
し、その速度帯内で速度制御を行うことにより、制御の
自由度を向上させる。
【0042】請求項5の発明では、請求項1の列車自動
連結・解放制御方法により自動解放を実行する際に、自
動解放後に後続車の速度に対して先行車の相対速度を加
速することにより、両列車を比較的速い速度で走行させ
ながら自動解放する。
【0043】請求項6の発明の列車自動連結・解放制御
装置では、先行車、後続車それぞれが特定区間に進入す
れば、地上局がそれらの特定区間進入を検出し、また両
列車それぞれが出力する識別コード信号を表す信号を受
信すると通常運行制御モードから自動連結制御モード又
は自動解放制御モードに切り換える運転制御モード切換
指令を各車上局に送信する。
【0044】先行車、後続車それぞれは車上局で運転制
御モード切換指令を受けると、自動連結を行う場合に
は、いずれか少なくとも一方に搭載された測距手段によ
って自列車と自動連結する相手列車の対向面との間の距
離を測定し、速度制御手段が自動連結動作のためにこの
距離測定値に応じた速度パターンで自列車の速度制御を
行い、相手列車との間の距離を徐々に詰めて最終的に一
定の連結速度で自動連結する。
【0045】また自動解放を行う場合には、自動解放の
ために走行速度で制御し、自動解放後には所定の車間距
離になるまで先行車、後続車間の相対速度を制御する。
【0046】こうして、特定区間を走行している間に比
較的速い速度で両列車を走行させながら自動連結又は自
動解放を実行する。
【0047】請求項7の発明では、請求項6の列車自動
連結・解放制御装置において、車上局が備える複数種の
測距手段のうち、いちばん小さい距離を検出する測距手
段の距離測定値を選択して速度制御手段に与え、先行
車、後続車それぞれの速度制御を行うことにより誤動作
を防止し、確実に自動連結又は自動解放が実行できるよ
うにする。
【0048】請求項8の発明では、請求項6又は請求項
7の列車自動連結・解放制御装置において、測距手段と
して光学的手段を用いることによって両列車間の距離測
定にノイズによる悪影響を少なくし、自動連結、自動解
放制御を確実に行えるようにする。
【0049】請求項9の発明では、請求項8の列車自動
連結・解放制御装置において、測距手段として、先行車
と後続車との対向面の一方に一定間隔Dを開けて2つの
位置にレーザー光源を設置し、先行車と後続車との対向
面の他方にレーザー光源からのレーザー光を受光する受
光手段を設置し、車上局に受光手段の受光信号からレー
ザー光源間の挟み角θを求める挟み角演算手段と、車間
距離Lを、 L=D/tan θ の式に基づいて算出する車間距離演算手段とを備えるこ
とにより、比較的簡易な構成の測距手段によって正確に
車間距離測定ができ、しかも厳密な距離情報が必要にな
る至近距離になればなる程正確に距離測定ができるよう
になり、自動連結、自動解放制御が確実に行える。
【0050】請求項10の発明では、請求項9の列車自
動連結・解放制御装置において、レーザー光源を先行車
と後続車との対向面の一方に1辺が一定間隔Dとなる正
方形の4隅に相当する位置に配置し、挟み角演算手段が
受光強度の強い一対のレーザー光源からの光を選択して
それらのレーザー光源間の挟み角θを求めるようにする
ことにより、特定区間の路線がカーブになっていたり、
対向面間に障害物が入った場合にも正確に車間距離測定
が継続でき、自動連結・解放制御が確実に行える。
【0051】請求項11の発明の列車自動連結・解放制
御装置では、先行車、後続車それぞれが特定区間に進入
すれば、地上局がそれらの特定区間進入を検出し、また
両列車それぞれが出力する識別コード信号を受信すると
通常運行制御モードから自動連結制御モード又は自動解
放制御モードに切り換える運転制御モード切換指令を各
車上局に送信する。
【0052】また地上局側の列車位置検出手段が先行
車、後続車の存在位置を検出し、列車速度検出手段が両
列車の速度を検出し、速度指令演算手段がそれらの両列
車間の距離検出値、速度検出値に基づいてこれらの先行
車、後続車それぞれが自動連結又は自動解放のために必
要とする速度を演算し、先行車、後続車それぞれの車上
局に速度指令を送信する。
【0053】そこで先行車、後続車それぞれの車上局
は、地上局からの速度指令を受けて各々の速度制御を行
い、自動連結又は自動解放を実行する。
【0054】こうして、先行車と後続車とが特定区間を
走行している間に比較的速い速度で両列車を走行させな
がら自動連結又は自動解放を実行する。
【0055】請求項12の発明の列車自動連結・解放制
御装置では、先行車、後続車が特定区間に進入した時
に、両列車が接近制御区間を走行している間は地上局側
から両列車それぞれに速度指令を与えて互いに至近距離
まで接近するように速度制御し、至近距離制御区間に入
れば、両列車それぞの車上局のいずれか少なくとも一方
に搭載されている測距手段が測定する相手列車との間の
距離に応じた速度パターンで速度制御を行うことによっ
て自動連結を実行し、両列車を走行させながら自動連結
する。
【0056】請求項13の発明では、請求項12の列車
自動連結・解放制御装置において、至近距離制御区間に
おいて、測距手段が測定する先行車と後続車との車間距
離が漸次小さくなるにつれて相対速度差が小さくなり、
かつ所定の速度差に到達した後はその速度差を維持する
ように各列車の速度制御を行うことにより、自動連結の
実行時の衝撃を小さく抑える。
【0057】請求項14の発明では、請求項6〜請求項
13のいずれかの列車自動連結・解放制御装置におい
て、車上局、地上局間の通信に異常が発生した場合に、
安全保護手段が強制的に閉塞方式の通常運転制御モード
に切り換えることにより、異常発生時の安全性を確保す
ることができる。
【0058】請求項15の発明では、請求項6〜請求項
14のいずれかの列車自動連結・解放制御装置におい
て、車上局を同じ働きをする2つのメインプロセッサと
バスラインを並列に組み、さらにこれらを監視するプロ
セッサを設けて1つの制御系統とし、この制御系統を2
系統設けてフェイルセーフのハードウェア構成とするこ
とにより、装置の冗長性を向上させ、自動連結・解放の
制御動作の信頼性を高める。
【0059】請求項16の発明では、請求項6〜請求項
15のいずれかの列車自動連結・解放制御装置におい
て、車上局、地上局それぞれの通信手段が特定区間のほ
ぼ全長に渡って敷設されたLCXケーブル(漏れ同軸ケ
ーブル)を介して相互通信を行う構成とすることによ
り、通信の信頼性を向上させる。
【0060】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて詳説
する。図1(a)、(b)はこの発明を適用しようする
列車T1,T2の運行形態を示しており、同図(a)で
はプラットホーム1から出た連結された列車T1,T2
が特定の連結・解放区間Aにおいて自動解放され、先行
車T1、後続車T2が異なった行先に分離して走行する
例を示している。また同図(b)では異なった方向から
走行してきた先行車T1と後続車T2とが連結・解放区
間Aにおいて自動連結され、プラットホーム1には1編
成として到着し、以後、ターミナル駅まで1編成で運転
される例を示している。
【0061】この発明はこのような自動連結、自動解放
の運行形態を実現する列車自動連結・解放制御方法及び
列車自動連結・解放制御装置にかかるものであり、図2
はこの発明の一実施例における地上設備2のシステム構
成を示している。地上設備2について説明すると、線路
3の特定の固定閉塞区間の中に連結・解放区間Aが設定
されている。そして地上側には、連動装置6a,6b,
…と、これらの連動装置を制御する列車集中制御装置
(CTC)7a.7b,…と、これらのCTCを統括制
御する運行管理システム8が設置されている。地上側に
はまた、特定の連結・解放区間Aのほぼ全長に渡る長さ
のLCXケーブル(漏れ同軸ケーブル)11が線路3上
を走行する列車と無線通信するために敷設され、このL
CXケーブル11に列車上の車上局と無線通信を行う無
線基地局10が接続され、列車T1,T2間の自動連結
・解放制御に地上側から関与するために連結・解放制御
局9がこの無線基地局10に接続され、運行管理システ
ム8の監視の下で自動連結・解放制御するようになって
いる。
【0062】連結・解放制御局9の詳しい構成を図3に
基づいて説明すると、この制御局9は次の5つの機能ユ
ニットから構成されている。すなわち、列車の識別番号
や運行列車のダイヤデータを収集する列車運行データ収
集部21、列車の在線検知情報を収集する在線検知部2
2、連結・解放区間Aの線路データ(例えば、勾配、曲
線、分岐、駅位置など)を収納する路線データ記憶部2
3、連結・解放区間Aを走行する列車のうち、連結・解
放を行う列車の走行速度、走行位置などのデータを収集
する走行データ収集部24、これらのデータ記憶部23
およびデータ収集部24から関連するデータを集めて列
車T1,T2に対して最終的な指令を出力する、制御局
9の中枢をなす列車制御指令部25から構成されてい
る。
【0063】走行データ収集部24はLCXケーブル1
1が複数列車T1,T2,T3…各々の車上局15と交
信することによって車上局15から受信し上記の各種デ
ータを無線基地局10を経由して収集する。
【0064】以上の構成の連結・解放制御局9は、次の
ような働きをする。
【0065】(1)連結・解放区間Aに進入してきた列
車が自動連結又は自動解放を行うべき列車であるか否か
の判断を行う。この判断は、列車識別番号やダイヤデー
タなど、主として運行管理システム8から収集する列車
運行データ収集部21のデータと走行データ収集部24
のデータに基づいて列車制御指令部25が実行する。
【0066】(2)連動装置6a,6b,6c,…や列
車集中制御装置7a,7b,7c,…で収集されている
列車在線位置データを運行管理システム8より在線検知
データ収集部22が集め、このデータを利用して連結・
解放区間Aに進入してくる列車、この区間Aから出てい
く列車をすべて把握した上で、列車制御指令部25が車
上局15に対して制御指令を出力する。このCTC7
a,7b,…を利用した在線検知は、連結・解放区間A
に存在する列車に対しても行うことができる。
【0067】(3)列車制御指令部25は連結・解放区
間Aにおける路線データを定期的に路線データ記憶部2
3より読み込み、制御対象の列車の車上局装置15に対
して速度制限データを送る。
【0068】(4)車上局装置15の故障を検知して列
車に非常停止指示を出力する。図4及び図5は各列車T
1,T2に搭載されている車上局装置15の内部構成を
示している。図4に明らかなように、この車上局装置1
5は機能的に大きく分けると、検出部31、車上局制御
保安部32、ATO装置33、マスターコントローラ3
4、インタフェース部(I/F)35、レーザー光通信
部36及び速度発電機(SG)37から構成されてい
る。
【0069】そして図5に詳しいように、検出部31は
3つの部分から構成されている。その1つは従来のAT
Cで使用されるATC受信部42及び線路3からの速度
制限信号を受信する受信器41で構成される部分であ
り、2つ目は連結・解放区間Aに進入した時にLCXケ
ーブル11と無線通信による制御データを交信する車上
アンテナ43及び車上無線送受信部44である。そして
3つ目は列車間でダイレクトに列車間隔を検知するレー
ザー測距部46及びレーザー受光器45である。これら
3つの部分は通常運行制御、接近制御、至近距離制御な
どの制御モードに応じて切り換えて使用される。
【0070】車上局制御保安部32は次のように構成さ
れている。検出部31の3種類の検出機能の検出切換部
51、列車速度に見合うパルス信号を出力する速度発電
機(SG)37の速度パルス信号から速度と距離を検出
する速度距離演算部52、現在汎用されている一般的な
ATC制御を行う現行ATC制御部53、検出部31か
らの検出データを集める制御情報部54、列車が走行す
るために必要な路線データを集める予定走行情報部5
5、これらのデータを収集して車上で連結・解放を判断
し、またその時の走行パターンを決定する連結・解放指
令部56、この連結・解放指令部56から走行パターン
を受けて列車がこのパターンを超えた時にブレーキを作
用させ、逆に下回る時にブレーキを緩解する作用を行う
照査部57、さらに連結・解放指令部56の指令を受け
てATO装置33に対して最適パターンを演算して出力
するATO走行パターン発生部58から構成されてい
る。ATO装置33はATO走行パターン発生部58か
ら走行パターンを受けて列車を自動運転する。またマス
ターコントローラ部34は運転士がこれを用いて力行、
ブレーキなどの指令を出力する手動運転を行う部分であ
る。
【0071】そしてインタフェース部(I/F)35は
自動運転出力と手動運転出力のインタフェースで、内部
回路的には手動運転を優先させる論理が組み込まれてい
る。このインタフェース部35からの出力はレーザー光
通信部36に伝達され、レーザー光送受信部47へ伝え
られる。レーザー光通信部36はまた、連結・解放指令
部56との情報交換も行う。
【0072】上述の構成を有する車上局装置15は、次
の機能を有する。
【0073】(1)従来の固定閉塞のATC制御機能を
含むことにより、固定閉塞区間、連結・解放区間Aを走
行する時にそれらの自動切換を行う。
【0074】(2)この車上局装置15を備えた列車が
ATC受信部42と車上無線送受信部44、レーザー測
距部46を切り換えて使用する。このために設けられた
検出切換部51は速度距離演算部52及び予定走行情報
部55より情報を得て切り換え制御を行う。
【0075】(3)検出切換部51の切換作用は次のよ
うになる。 a.固定閉塞区間では現行ATC制御部53を使用す
る。 b.連結・解放区間Aで列車T1,T2が連結のために
相互に接近している時には車上無線送受信部44を使用
する。 c.連結・解放区間Aで列車T1,T2が至近距離(0
〜200m程度)にある時にはレーザー測距部46で測
定した距離データを優先使用する。これは、分離解放
時、連結時ともに列車T1,T2同士が至近距離にある
時には全く同じである。 d.連結後の走行区間では先行車T1、後続車T2の車
上無線送受信部44を使用する。ただし、後続車T2の
車上局装置15の制御出力はカットし、先行車T1の車
上局装置15の制御出力をのみ生かし、これに従う。 e.分離解放時は至近距離制御区間を除いてすべて、車
上無線送受信部44を用いた制御を行う。
【0076】以上の検出切換部51の切換動作機能の関
連をまとめたのが次の表1である。
【表1】 (4)車上局制御保安部32の中核部分は連結・解放指
令部56にあり、ここでは地上局との情報交信を行うた
めの判断機能及び列車をどのように運転すべきかを決定
するための走行パターンを演算して出力する。この走行
パターンが列車運転保安のパターンとなる。
【0077】(5)車上局制御保安部32は照査部57
によるパターン付きATC機能を有する保安部分と、A
TO装置33による列車自動運転を行う運転指令部分と
の2つの機能を備えている。
【0078】(6)2列車T1,T2が至近距離に接近
した時、先行車T1の運転指令を後続車T2に伝達する
機能を有している。
【0079】以上の機能を有する車上局装置15はフェ
イルセーフマイクロコンピュータで構成され、図6に示
す回路構成である。すなわち、全く同一の構成を有する
二重系I,IIのフェイルセーフマイクロコンピュータ
システムにより構築されている。
【0080】まず1つの系統Iであるが、この中もさら
に二重系構成となっている。この構成を説明すると、第
1メインプロセッサ(CPUI−1)65のコントロー
ル下におかれるバスライン76と、第2メインプロセッ
サ(CPUI−2)66のコントロール下におかれるバ
スライン77にはそれぞれ同一のメモリボード(ME
M)71、パルス入力ボード(PI)72、ディジタル
入出力ボード(DI/O)73、アナログ入出力ボード
(AI/O)74、さらに出力伝送インタフェース(S
IF)75が接続されている。つまり、1つのボードに
2つのバスライン76,77が配設され、これらによっ
て2つのメインプロセッサ65,66が全く同一の動作
を行うようにしてある。
【0081】そしてこれらの2つのメインプロセッサ6
5,66を監視するために監視用プロセッサ(SV−C
PUI)67が設けられている。この監視用プロセッサ
67は同一入力、同一プログラムで作動する2つのメイ
ンプロセッサ65,66の動作を常時比較し、両者の動
作が正常と判断した時には、励振AND回路68に対し
て連続的なパルス波形を出力する。さらにこの励振AN
D回路68からの連続パルス波形は次の故障検知器69
に伝達される。そこでもし、監視用プロセッサ67が出
力に異常ありと判断した時には、励振AND回路68へ
の連続パルス波形が途切れて故障検知器69が作動す
る。
【0082】この故障検知器69が出力する異常検出信
号はOR回路70を通して外部に出力される。すなわ
ち、監視用プロセッサ67の状態信号と故障検知器69
の出力によってOR回路70を経由して他方のII系の
監視用プロセッサ(SV−CPUII)87に異常が伝
えられることになる。
【0083】このように2つのメインプロセッサ65,
66の動作を監視用プロセッサ67で動作チェックする
目的は、「故障監視の範囲を広げること」と「監視する
故障状況を判断すること」の2つである。この動作チェ
ックの意味のうち、故障状況の判断に関しては、いまま
で検出が困難であったノイズによる一過性の誤動作、故
障といったモードに対して状況に応じた判断を行わせ、
可能な限りシステムの動作を継続させていくためにイン
テリジェントな機能を加えるものである。
【0084】ところが、このような思想で構成したフェ
イルセーフマイクロコンピュータにおいても、監視用プ
ロセッサ67は1系統であり、この監視用プロセッサ6
7自身の故障に関してはこのままではバックアップが不
足する。そこで、この実施例では同じ回路構成でもう一
つの系、II系を用意して監視用プロセッサの動作につ
いてもフェイルセーフを保証する。
【0085】このII系についてその構成を説明する
と、第1メインプロセッサ(CPUII−1)85のコ
ントロール下におかれるバスライン96と、第2メイン
プロセッサ(CPUII−2)86のコントロール下に
おかれるバスライン97それぞれに同一のメモリボード
(MEM)91、パルス入力ボード(PI)92、ディ
ジタル入出力ボード(DI/O)93、アナログ入出力
ボード(AI/O)94、さらに出力伝送インタフェー
ス(SIF)95が接続されている。
【0086】そしてこれらの2つのメインプロセッサ8
5,86を監視するために監視用プロセッサ(SV−C
PUII)87が設けられている。この監視用プロセッ
サ87は同一入力、同一プログラムで作動する2つのメ
インプロセッサ85,86の動作を常時比較し、両者の
動作が正常と判断した時には監視用プロセッサ87は励
振AND回路88に対して連続的なパルス波形を出力す
る。この励振AND回路88からの連続パルス波形が次
の故障検知器89に伝達される。そこでもし、監視用プ
ロセッサ87が出力に異常ありと判断した時には、励振
AND回路88への連続パルス波形が途切れて故障検知
器89が作動する。
【0087】この故障検知器89が出力する異常検出信
号はOR回路90を通して外部に出力される。すなわ
ち、監視用プロセッサ87の状態信号と故障検知器89
の出力によってOR回路90を経由して他方のI系の監
視用プロセッサ(SV−CPUI)67に異常が伝えら
れることになる。
【0088】このようにしてI系、II系を組み合わせ
ることによって相互の故障検知を情報交換することによ
り、図5に示した車上局装置15を二重系構成にするこ
とが可能となり、併せて通常のフェイルセーフ回路構成
よりもはるかに冗長度の高いシステムを構成することが
でき、人命に影響するために失敗が許されない高い信頼
性が要求されるシステムでも適用できるようになる。
【0089】図8は連結する列車同士で列車の接近認識
と距離測定用のレーザー光源の配置例を示している。連
結する列車T1,T2それぞれの対向面、例えば先行車
T1にあっては少なくともその後面、また後続車T2に
あっては少なくともその前面に一辺が適当な長さ(ここ
ではDの長さで表している)の正方形の4隅に相当する
位置にレーザー光源111が配置され、進行方向前方あ
るいは後方に向かって投射するようになっている。また
列車T1,T2それぞれの対向面の左右にレーザー受光
器45が配置され、これらのレーザー受光器45はレー
ザー光の存在と共に4個あるレーザー光源の縦横の開き
角度を測定する角度測定機能を有している。列車T1,
T2それぞれの対向面の中央部には、レーザー光通信の
ためのレーザー光を受信するレーザー光送受信部47が
配置されている。
【0090】なお、このレーザー光送受信部47は測距
用のレーザー光を利用してレーザー光通信も同時に行え
るものを使用するのであれば、先のレーザー受光器45
によって兼用させることができるが、このように独立し
て設けてもよい。しかしながら、一般的には、列車間隔
測定用のレーザー光と光通信用のレーザー光とでは必要
とする光の強度にかなりのレベル差があり、通信用のレ
ーザー光送受信部47にはできればレーザー光が直接到
達することが望ましいが、測距用のレーザー光受光器4
5にはレンズの一部で発生する散乱光でもその目的を達
することが可能である場合が多いので、この実施例では
別構成にしている。
【0091】図9はレーザー光による測距原理を示して
いる。レーザー光を利用した一般的な距離測定では、レ
ーザー光を対象とする物体に投射し、その時の反射光が
帰ってくるまでの時間のずれを測定し、その時間から距
離を測定する方法が利用されている。しかしながら、こ
のようにすると光の速度自体があまりにも大きいので、
至近距離の場合には測定誤差が大きくなってしまい、測
定対象とする距離よりも誤差の方が大きくなり、結局、
正確な距離測定ができなくなる。そこで、この発明で
は、一定の間隔を離して配置した複数のレーザー光源か
らの光の挟み角度を認識することによって距離を割り出
す方法を採用している。この測定方法によれば、車間距
離が狭まるほどに挟み角度が大きくなるので測距精度が
上昇する効果を期待することができ、特に列車T1,T
2同士を連結する直前にどの位の間隔があるのかを精度
良く判定することができるようになる。
【0092】つまり、図9において相手の列車(ここで
は、説明の便宜のために先行車T1とする)の後面の隣
り合う2つのレーザー光源111を後続車T2のレーザ
ー受光器45で見た時、受光器45のレンズ114を通
過したレーザー光は車間距離L1,L2に応じてa1あ
るいはa2の寸法に検出され、レーザー光源111の間
隔Dがあらかじめ設定されており、またレンズ114か
ら検出面までの距離lは一定であるので、列車間距離L
1,L2は次の式によって正確に検出されることにな
る。
【0093】L:D=l:a ゆえに、 L=D・l/a また、挟み角度θとすると、 L・tan θ=D ゆえに、 L=D/tan θ しかもこの場合、求める距離が近くなるほど挟み角度θ
が大きくなるために、一定の測定誤差を含んでいるとし
ても測定精度は、求める距離が近くなるほど向上するこ
とになる。すなわち、列車T1,T2間の距離が接近す
るほど車間距離の測定精度が向上し、いちばん正確に車
間距離を必要とする連結直前がいちばん良い精度で車間
距離Lの測定ができることになる。
【0094】また、レーザー投光器111を列車の端面
に4個取り付ける理由は、最近の高速鉄道では騒音公害
を防ぐことが非常に重要な問題となっており、線路の側
方には防音壁を用意するのがきわめて当たり前になって
いる。この防音壁は車体の窓のすぐ下まで高さがあり、
しかも車体のすぐ近くまで配置されている。このため、
列車を正面から見ると、直線の場合にはかなりの距離ま
で問題なく見通せるが、わずかな曲線でもあると曲線の
中心寄りの部分はすぐにこの防音壁に遮られて見えなく
なってしまい、レーザー光も通らなくなってしまう。
【0095】そこでこの発明では、路線に多少の曲線が
存在してもレーザー光が遮られなくするように、曲線の
反対側にもレーザー投光器111を配置し、さらに1点
だけでは距離判定が困難であるので上下にDだけ離して
配置することにより、レーザー投光器111の上下のD
の間隔と、左右のDの間隔のどちらを測定しても距離判
定可能にしている。
【0096】このように、レーザー投光器111を縦横
Dの間隔で4個配置すると同時に、このレーザー投光器
111を監視するレーザー測距部46のレーザー受光器
45もやはり、列車端面の左右端に1つずつ用意してい
る。これにより、曲線でレーザー投光器111を視認し
やすくなると同時に、接近して連結する直前など、正確
に距離を知りたい時に2重系で距離測定が行えるなどの
利点がある。
【0097】なお、車体端面に4カ所レーザー投光器1
11を配置して相手の列車から視認が可能な本線条件は
約200m程度と予測されるが、この距離は自動連結・
解放の至近距離を測定するには十分な距離である。
【0098】レーザー測距部46は車間距離を測定する
ものであるが、実際の自動連結・解放制御のためには列
車の接近速度も知る必要があり、その場合には、車間距
離を時間微分することによって求めることになる。な
お、この接近速度の測定には、その他の方法として、一
方の列車のレーザー投光器111から投射した光を相手
の列車に当て、その反射光のドップラー効果を測定する
ことによって微分値を求めなくても直接、測定すること
もできる。
【0099】連結準備のために、連結・解放区間Aで
は、地上に配置されたLCXケーブル11を使用して相
互に連結作業を行うべき列車T1,T2であることの確
認を行い自動連結の準備を開始するが、至近距離ではレ
ーザー光自体を通信手段として利用できるので、両列車
T1,T2を統括制御するための制御引通線と同じ機能
をレーザー光に持たせ、レーザー光通信部36によりレ
ーザー光送受信部47を用いたレーザー光通信を行う。
すなわち、地上に敷設されたLCXケーブル11はレー
ザー光通信によって伝達される内容とほぼ同じ内容の信
号を相手列車に送るようにして、レーザー光通信とLC
Xケーブル11による通信との2重系を用意し、至近距
離での制御では時間遅れの少ないレーザー光通信を優先
させるが、このレーザー光通信側が障害物の影響あるい
は軌道の曲がりなどのために相手列車と通信ができなく
なった場合にはLCXケーブル11による通信を優先さ
せる切換制御を可能にしている。
【0100】図11〜図14は連結準備に入った先行車
T1に対して連結すべき後続車T2との間に設けられた
速度パターンの例を示している。まず図10に示すよう
に、先行車T1と後続車T2との間の距離と対応した速
度差ΔVのパターンは、先行車T1と後続車T2との車
間距離Lが狭まるほどに速度差ΔVが小さくなるように
している。なお、列車の実際の速度に直す場合にはこの
速度差パターンで得られる速度差ΔVを先行車T1の現
在の走行速度Vに加算することによって後続車T2の速
度とすることになる。
【0101】そこで、図12に示すように先行列車T1
が連結準備段階に入った時には、一定の予定速度パター
ン103で走行させ、後続車T2側を図10に示す速度
差パターンが実現されるような速度104に調整して走
行させることにより、先行車T1に後続車T2を追い付
かせて連結することになる。
【0102】この時、先行車T1と後続車T2の間隔の
関数として相互の列車の速度差を定めるが、相互に連結
する直前の若干の区間で、図10に示すようにΔVmの
一定の速度差で走行させることによって一定の連結力が
出るようにする。この速度差ΔVmの大きさは、連結時
のショックが一定の範囲にあり、かつ連結のためにあま
り過大な距離を必要としない最適値に実験的に設定され
る。
【0103】速度差を判定する基準としては、両列車T
1,T2それぞれが自車の走行速度V1,V2を相互に
連絡し合い、同時に一定の間隔Dに配置されたレーザー
光源111をレーザー光受光器45より見た挟み角度θ
からレーザー光源111までの距離Lを上記の数1式に
基づいて判定し、列車間隔によって定められた減速パタ
ーンに基づいて先行列車T1との速度差ΔVを決定し、
後続車T2の速度V2を制御する。
【0104】つまり、 V2=V1+ΔV となるように後続車T2の速度を制御するのである。
【0105】この時、レーザー受光器45で測定できる
のはレーザー光源111までの距離であり、接近速度は
厳密に分からないが、後続車T2側で先行車T1までの
距離が連続的に測定されているので、この距離測定結果
の時間軸の微分値が列車T1,T2間の接近速度とな
り、この接近速度が図10に示された速度差パターンに
従うように制御される。
【0106】先行車T1と後続車T2との自動連結のた
めには、その準備態勢としてまず連結器60が突き出
し、前後の列車T1,T2が接近した時に連結器60同
士が自動的に連結できるようにロック機能があればそれ
を解放し、かつ連結器60同士のセンターが合うように
連結器60の方向が調整される。一般的な自動連結器6
0ではロック機能を解除しなければ連結動作ができない
が、密着連結器では特にロックの解除を行う必要性がな
く、相互に接近すれば自動的に連結動作が可能となる。
【0107】連結器の方向の調整は、自動連結器の場合
には復心装置が取り付けられていて、連結器が常に真っ
直ぐに中心位置近辺に来るように調心される機能を備え
たものが多いが、密着連結器の場合にはこの復心装置が
取り付けられた例は比較的少なく、ほとんどの密着連結
器では首を横に振った時にそのままの状態になって相手
方の連結器と嵌り合う可能性が少なくなってしまう。
【0108】この連結器の方向制御は、列車が直線上で
は列車の横方向の相対振動で連結器が嵌り合わなくなる
可能性はあまり問題にならない(通常、それくらいの振
動があっても十分連結できる余裕が持たせてあるので)
が、厳しい曲線上で列車同士を連結しようとする場合に
は、連結器の方向が完全にずれてしまって連結が不可能
となる場合が発生する。
【0109】しかし、この発明の場合には、走行中に自
動連結を行うことが目的であり、しかもかなり高速で運
転している最中に連結を行うことを考えると、カーブし
た線路上で連結するとしてもその曲率半径は相当大きい
ものであり、従来の密着連結器であっても、復心装置を
持たせるだけでそのまま利用できる。なお、連結器を確
実に相互のセンターを合致させる案内用の腕を取り付
け、連結させる方式の密着連結器が一部の海外の鉄道で
採用されているので、必要ならば、このような方式の密
着連結器を路線状況と走行速度などの環境条件に応じて
採用することもできる。
【0110】また密着連結器には、連結した直後からい
ままで地上のLCXケーブル11又はレーザー光通信に
よって行っていた運転指令信号の送受信を直接列車同士
でやりとりできるように電気連結器を持たせる必要があ
る。さらに、連結・解放する場合には、心を合わせる必
要がなく、単にロックを解除するだけでよい。
【0111】そこで望ましい連結器60として、新交通
システムで現在使用されているような密着連結器にエア
シリンダを組み込み、エアを供給することによって解放
レバーが動いて連結状態が解除される自動解放装置付き
の密着連結器を使用する。なお、連結器60がこのよう
に自動解放可能となると、予定していない時に連結器の
分離解放が発生すると危険であるので、車上局制御保安
部32で連結器60の状況を常に確認するようにする。
【0112】そして、自動解放後にはあらかじめ設定さ
れている図11に示すような分離速度パターンに基づく
速度制御を行い、先行車T1を後続車T2から離すため
に先行車T1の速度を後続車T2よりも高くすることに
よって一定の間隔を開け、その後に通常の閉塞方式の制
御に切り換えてそれぞれの列車の運転制御を行うことに
なる。なお、この運転制御の方式は後で詳述する。
【0113】次に、上記構成の列車自動連結・解放制御
装置を用いた列車自動連結・解放制御方法について説明
する。
【0114】図2に示すように現状の地上信号システム
に対して新しく自動連結、解放動作を行うための連結・
解放区間Aを定め、この区間Aに漏れ同軸ケーブル(L
CXケーブル)11を敷設し、この区間で特定の列車T
1,T2について自動連結、自動解放を行う。
【0115】まず、先行車T1、後続車T2が自動連結
・解放区間Aに進入して解放作業を行う過程を図11に
基づいて説明する。図11は、先行車T1と後続車T2
とが連結された状態で分離解放のために固定閉塞区間か
ら自動連結・解放区間Aに進入しようとしている状態か
ら、自動解放されて先行車T1と後続車T2が分割され
て自動連結・解放区間Aから出ていくまでの制御方法を
示している。
【0116】まず進入時には、列車T1,T2はその順
序で車上局装置15とLCXケーブル11との間で無線
信号の交信を行う。先行車T1から点線矢印の方向に周
波数f0 で「接続要求信号」が出力される。これは、連
結・解放区間Aで分離解放の許可を求める信号であり、
LCXケーブル11、無線基地局10を経由して連結、
解放制御局9に到達する。ここで列車識別番号IDやダ
イヤデータなどと照合し、問題がなければ許可信号を出
力する。
【0117】この許可信号は無線基地局10で「チャン
ネル割当て」信号として周波数f0で先行車T1の車上
局装置15に届けられる。同時に、交信用周波数f1 が
与えられる。
【0118】さらに後続車T2からも同様の「接続要求
信号」が出力され、「チャンネル割当て信号」が帰って
来て連結・解放区間Aでの制御に入る。この時、交信周
波数f2 が与えられる。列車T1,T2は以上の動作を
準備区間γの範囲内で完了させる。
【0119】これで自動解放動作の準備が完了するが、
相互の列車にはこの後も安全に運転を継続させるために
運転士が乗車しており、運転士はこの段階を確認するこ
とが必要であり、確認ボタン(図示せず)を押すなどの
操作によって確認を行う。また、この確認は両列車T
1,T2それぞれの運転士が行う必要があり、確認が終
了すれば列車T1,T2は自動的に解放動作に移行して
いく。
【0120】ただし、この列車同士が分離した直後には
列車T1,T2相互の間隔はきわめて接近しており、そ
れぞれの列車が勝手な運転をされると衝突する危険があ
るので、至近距離制御区間βでは統括制御を行い、各列
車が決められた運転を行うように構成され、先行車T1
の制御指令下に後続車T2が従う形で自動的に速度制御
が実行され、後続車T2の運転士が勝手な運転をするこ
とができない状態にする。
【0121】この分離解放後の統括制御の制御指令の伝
達方法は、至近距離制御区間β内ではレーザー光通信と
LCXケーブル11による無線通信の両方を並列に実行
し、常に早く伝達された方を優先的に使用する方法がと
られるが、レーザー光通信は制御遅れなどが少ないの
で、通常はレーザー光通信により制御が実行されること
になる。しかしながら、光通信では鳥などの障害物が間
に入ると一時的に通信不能となることがあるので、その
ような場合には無線通信に切り換えて制御が継続される
ことになる。
【0122】図7は至近距離制御区間βでの制御、すな
わち統括制御の状態を示しており、この状態において、
先行車T1、後続車T2とLCXケーブル11との間で
は交信が開始されている。しかしながら、先行車T1の
速度距離情報が後続車T2に伝達されるには、先行車T
1での演算、LCXケーブル11での受信、図3に示す
無線基地局10において無線信号を制御信号に変換し、
これが連結・解放制御局9に伝送され、ここでデータを
チェックし演算し、判断した指令が再び同じ経路をたど
って後続車T2に届く。このため、LCXケーブル11
を経由した統括指令情報には当然ながら、伝達時間の遅
れが発生し、これが最悪の場合、1秒近くになることも
ある。
【0123】至近距離におけるこのような制御指令の伝
達時間の遅れは制御上きわめて致命的であり、絶対避け
ねばならないことである。このため、上述したようにL
CXケーブル11経由の無線信号による通信手段の他
に、レーザー光通信による列車間の直接伝送手段が用意
され、使用される。
【0124】統括制御時には限られた区間で列車相互間
の距離を確保せねばならないので、後続車T2に手動運
転を採用することが困難である。先行車T1の場合に
は、手動運転を採用しても原理的には成立するが、やは
り、一定区間で列車間距離を確保する目的からすれば、
ATO装置33などの自動運転によって行うことが必要
である。
【0125】ここで先行列車T1のレーザー光通信部3
6が作動し、光送受信部47を通して後続車T2に車上
局制御保安部32内の連結・解放指令部56の指令情報
を送信する。すなわち、先行車T1が手動運転であって
も、ATO装置33による自動運転であっても、例え
ば、力行、ブレーキ、惰行などの制御内容を後続車T2
に伝達する。
【0126】一方、後続車T2においても、連結器60
が分離解放されると連結器60に取り付けられている電
気連結器が解放されるので、車上局制御保安部32の中
の検出切換部51の判断でレーザー測距部46及びレー
ザー光通信部36が生かされることになる。
【0127】相互の列車T1,T2はレーザー測距部4
6によって相手の列車の対向面に取り付けられているレ
ーザー投光器111の隣り合う2つの間の挟み角度θを
測定し、前述の数1式に基づいて車間距離を判定する。
【0128】すなわち、相手の列車の対向面から見た時
の挟み角度をθとし、車間距離Lとし、隣り合う投光器
111間の距離Dとすると、前述の数1式のように、L
=D/tan θによって車間距離Lを求めるのである。
【0129】こうしてレーザー測距部46で測定した距
離データは車上局制御保安部32内の検出切換部51を
経由して、制御情報部54に伝えられ、さらに連結・解
放指令部56に伝えられる。
【0130】また先行車T1からの指令情報は後続車T
2のレーザー光送受信部47、レーザー光通信部36を
通して連結・解放指令部56に伝えられる。すなわち、
後続車T2の連結・解放指令部56は、先行車T1まで
の距離と制御状態(力行、ブレーキ、惰行など)を常時
把握して制御指令を出すことが可能である。
【0131】このように至近距離における列車の運転制
御は、先行車T1の制御状況が時間遅れなしで後続車T
2に認識され、先行車T1との距離間隔を大きくしてい
くような運転指令を連結・解放指令部56がATO装置
33に出力する。この場合、後続車T2は人間判断によ
る運転は排除され、先行車T1の状況を判断しながら自
動運転で列車制御が行われる。
【0132】以上の統括制御による分離解放運転の様子
は図11に示されており、準備区間γでは通常速度で走
行しており、至近距離制御区間βに入ると先行車T1は
走行パターン101で走行し、加速しながら後続車T2
から離れて行く。後続車T2は走行パターン102で少
し速度を落としながら走行することにより、できるだけ
短い距離で先行車T1との車間距離を大きくする。もっ
とも、この後続車T2の走行パターン102はその走行
速度を可能な限り一定に保ちながら自動解放することが
目的であるために、減速度は小幅にとどめておくことが
望ましい。
【0133】先行車T1と後続車T2の間隔が約200
m程度まで離れると、制御の形態は接近制御区間αの形
態に変わる。すなわち、後続車T2は自動運転、手動運
転どちらでも行うことができるようになる。しかし、運
転士が勝手に切換を判断するのは不都合であり、原則的
には地上側の連結・解放制御局9の判断に基づいて行う
ことになる。このため、この区間αでは両列車T1,T
2の車上局装置15は制御方式をLCXケーブル11に
よる無線通信制御に切り換えることになる。
【0134】この場合の車上局から地上局への通信、地
上局から車上局への通信を行う内容は次の表2〜表4の
ようになる。
【0135】
【表2】
【表3】
【表4】 この表4に示すように、地上から車上に伝送する情報伝
達は情報伝達効率を考慮して、全列車の情報を一括して
送るブロードキャスト伝送を行うのである。
【0136】このような信号を地上−車上間で交信しな
がら、列車T1,T2は定められた車間距離を確保する
ように制御していく。そして列車T1が連結・解放区間
Aの終点付近に来れば、自列車T1は「切断要求」を出
力し、地上側からの「切断指示」を受信して一般の固定
閉塞区間に進入していくことになる。この時、車上局装
置15においては、検出部31内のATC受信部42を
用いるように検出切換部51に切換指示を行う。
【0137】こうした自動解放制御の場合、接近制御は
先行車T1が連結・解放区間Aを去ったところで終了す
る。
【0138】その後は、後続車T2が単独走行となり、
先行車T1と後続車T2は在線位置を連結・解放制御局
9から入手し、最適間隔を保つように制御してこの区間
を去ることになる。この間、後続車T2も先行車T1と
同じように情報のやりとりを地上局との間で行う。な
お、車上局と地上局との間の接続、切断要求は共通周波
数foで行われる。この共通周波数foにより交換され
る情報を整理して表5に示してある。
【0139】
【表5】 次に、図11〜図14に基づいて連結制御の方法を説明
する。地上のLCXケーブル11と車上局装置15との
関係は分割解放制御の場合と全く同じである。この連結
制御を行うために、連結・解放区間Aを近接制御区間
α、至近距離制御区間β、連結走行区間γの3つに区分
する。
【0140】まず接近制御区間αでは、列車T1が進入
してきた時に、走行パターン103に応じて減速され
る。後続車T2が進入してきた時には走行パターン10
4に応じて高速で走行を継続する。この走行パターン1
03,104それぞれは車上局装置15において演算し
て求める。
【0141】この接近制御区間αの目的は、両方の列車
T1,T2の間隔をいかに安全に、かつ確実に接近させ
るかにある。この間の走行は、先行車T1、後続車T2
共に地上側の連結・解放制御局9と無線通信を用いて制
御情報の交換を行う。
【0142】このようにして接近制御区間αの終了時点
では先行車T1と後続車T2との間の間隔を約200m
程度まで接近させる。
【0143】両方の列車T1,T2が至近距離制御区間
βに進入しても無線交信は継続するが、この前に両方の
列車T1,T2の車上局装置15はレーザー測距部4
6、レーザー受光器45及びレーザー光通信部36、レ
ーザー光送受信部47が生かされ、列車間のレーザー光
通信によるダイレクト通信が開始される。
【0144】この場合、走行中の路線条件が良くて直線
区間が長ければ、かなりの距離離れていてもダイレクト
通信によって列車の統括制御に移行することができる
が、その後に途中で曲線などあると光通信が中断されて
しまうので、実際に統括制御に切り換えるのは連結走行
区間Aに入り、レーザー光通信が中断される危険性がな
くなる時に行うことにする。統括制御に移行すると、列
車間隔、速度、制御情報の遅れがなくなり、前後の列車
T1,T2は置かれている条件をほとんどリアルタイム
に把握することができるようになる。
【0145】自動連結のために連結・解放区間Aに入っ
た後の連結のための速度制御は異常時の処理を除けば基
本的にはATO装置33による自動運転制御が実施さ
れ、この状態が連結が完了するまで継続される。
【0146】列車T1,T2同士が連結する直前の走行
状態を先行車T1の列車後端を規準に後続車T2の前端
との位置関係により速度差により表示したのが図10で
あるが、先行車T1の速度V1に対して距離Lの位置で
はΔVだけ速い速度V2で後続車T2が接近するが、列
車間隔Lの情報は前後の列車端面のレーザー測距部46
によって測定した距離を相互に連絡し合い、両方の列車
T1,T2の測定値が合致していればその値を用い、合
致しない場合にはより小さい方の距離測定値を選択し、
その距離測定値LがLoよりも小さくなった時から、そ
のまま衝突しても十分安全で乗り心地が確保できる速度
差ΔVmの一定値、例えば、1km/hを保持して連結
を行う。
【0147】連結が完了した時には、図7における列車
T1と列車T2との連結器60,60同士が連結完了信
号を車上局制御保安部32に入力し、後続車T2の車上
局装置15全体が制御出力を自らカットするようにな
る。また、先行車T1のレーザー光通信部36も作動を
停止する。このようにして連結が完了すると、先行車T
1のみの車上局装置15の指令に従うようになる。
【0148】こうして連結が完了した時点で至近距離制
御区間βでの制御が完了し、連結走行区間γに入る。こ
の区間は、連結が完了した列車T1,T2が再び加速す
る区間であり、固定閉塞区間に進入する準備を行う区間
でもある。
【0149】このようにして連結された列車T1,T2
はLCXケーブル11との間で表5に示すような「切断
要求」、「切断指示」を受け、さらに現行ATC受信部
42に切り換えて次の固定閉塞区間に進入していくこと
になる。
【0150】自動連結制御は自動解放制御に比較して相
当難しい要素を含んでおり、図13に示すような速度帯
把握制御が必要となる。この速度帯把握制御というの
は、各地点地点における速度はどの範囲にあれば無理な
く連結が可能かという観点から速度帯105,106を
決定したものである。
【0151】接近制御区間αでは、基本的には地上側の
連結・解放制御局9の列車指令制御部25の指示で行
う。そこで列車指令制御部25は、列車T1,T2を所
定の位置で連結動作をさせるために地点P1,P2,
…,Pn各々の位置における各列車T1,T2の速度幅
の上限値V1max ,V2max 、下限値V1min ,V2mi
nを決定して車上局装置15に無線信号で送信する。
【0152】各列車の車上局装置15の連結・解放指令
部56は、この値を参考にしてATO速度パターン発生
部58へのパターンを修正し、また照査部57での照査
パターンを一定にすることにより、結果的に列車間隔を
最適に保つ働きをする。
【0153】図14に示すように、自動連結動作に入っ
ても、接近制御区間αで列車T1が自らの情報信号周波
数f1 を送信できないなどのトラブルが発生した時に
は、直ちに固定閉塞による保安制御に切り換えられる。
すなわち、走行パターン103で走行している時にt1
点で異常が発生したとすると、そのt1点ですぐに固定
閉塞制御の階段パターン107に切り換えられるのであ
る。このため、走行パターン103の速度で走行してい
る列車T1を走行速度パターン108のような高速の速
度に切り換えられ、接近していた列車間隔が大きくな
る。
【0154】また点t2に存在する後続車T2は自分で
正常であっても直ちに速度パターン104から固定閉塞
の階段パターン107に切り換えられるので、直ちにブ
レーキが作用して速度パターン109のように減速する
ことになる。
【0155】このようにして、このシステムのいずれか
が故障したような場合には、直ちに列車間隔を大きくす
る制御に切り換えられることもこの発明の大きな特徴で
ある。
【0156】このように、上記実施例の列車自動連結・
解放制御方法及び列車自動連結・解放制御装置によれ
ば、走行中に自動連結又は自動解放できる列車の運用を
考えると、列車の運転時間をロスすることが少なく、プ
ラットホーム面数が不足して列車の運用に限界が来た時
でも、行先の異なる編成を1列車に仕立てることによ
り、プラットホームの面数に余裕を持たすことが可能と
なる。
【0157】現在の信号システムでは固定閉塞方式が採
用され、1つの区間に2つの列車が存在できないという
申し合わせを守ることにより、列車の安全を作り上げて
きた。しかし、1つの区間に2つの列車が入らないと連
結動作を行うことができない。
【0158】そこで、上記実施例では、特定の連結・解
放区間を設定し、列車がその連結・解放区間に進入する
時に列車のID番号を地上の信号システムにまず認識さ
せ、その列車が自動連結又は自動解放を行う列車である
ことが確認されれば自動連結又は自動解放動作に入る
が、そうでない場合には在来の信号システムのまま通過
させるようにしているため、自動連結又は自動解放を行
う列車と在来の信号システムのままの列車が混在しても
問題なく制御することができる。
【0159】そしてこの場合、自動連結、自動解放を行
うために特定の区間Aに接近制御区間α、至近距離制御
区間β、連結走行区間(自動連結の場合)及び準備区間
(自動解放の場合)γを設定し、それぞれの区間に定め
られたステップを踏んで自動連結又は自動解放動作する
ようにしている。
【0160】そこで、相互の列車T1,T2が接近し、
相手の列車が確認できることと列車相互間で制御指令が
伝えられるような条件がそろった時、列車T1,T2相
互の間隔をレーザー光を利用した測距部46で測定し、
またレーザー光通信によってダイレクトに通信し、列車
間の間隔によって定められる接近速度で両列車T1,T
2を接近させて連結するようにしているので、安全な自
動連結動作ができることになる。
【0161】また自動解放動作の場合には、1つの編成
が決められた地点に来た時に連結器解放動作がなされ、
列車T1,T2相互の間隔と列車相互の速度差が決めら
れた関係を保ちながら一定の間隔が確保されるようにな
るまで加速制御し、その後、一般の信号システムに復帰
し、通常の2編成の列車T1,T2としての運行に戻る
ことができる。
【0162】さらに、このような運行制御を行う場合、
この実施例では地上に設けられたLCXケーブル11を
使用して地上設備と車上局とが無線通信で密接な連絡を
取りながら自動連結又は自動解放を安全に行うことがで
きる。しかも、連結・解放区間Aで制御機能に何らかの
異常が発生した場合には必ず固定閉塞制御に切り換えら
れるようにしているので、安全性が損なわれることはな
い。
【0163】さらに、このように構成することによって
現行の運行管理システムに1つのサブシステムを追加す
る態様で走行中の自動連結、自動解放動作を実行するこ
とができるようになり、費用的にもきわめて有利にな
る。
【0164】なお、この発明は上記の実施例に限定され
ることはなく、例えば、列車間の距離を測定する手段と
しては一定間隔を開けて位置する2つのレーザー光源を
1つの受光器が見るときの挟み角度により判断するよう
にしているが、その他、汎用されている種々の測距方式
を利用することができる。
【0165】また列車間の通信にレーザー光通信方式を
利用したが、これも無線通信方式を利用することができ
る。
【0166】また上記実施例の場合、特定の連結・解放
区間Aを接近制御区間、至近距離制御区間及び連結走行
区間に分け、接近制御区間、連結走行区間では地上局側
の速度指令に基づいて列車速度の制御を行い、至近距離
制御区間では列車側で相互に速度制御するようにした
が、地上側からの速度制御が十分高速に行える場合に
は、至近距離制御区間の速度制御も地上側から行うよう
にすることができる。
【0167】さらに、両列車が特定の連結・解放区間A
に進入すれば、もっぱら列車間で連絡し合いながら相互
に速度制御する方式とすることもできる。
【0168】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明の列車自動
連結・解放制御方法によれば、自動連結又は自動解放を
行うべき列車が自動連結・解放のために設定されている
特定区間に進入した時に当該列車に付与されている識別
コードを表す信号を地上局に発信し、地上局がこの識別
コードを表す信号を受信した時に当該列車が自動連結又
は自動解放を行うべき列車であると判定し、先行車と後
続車との間の相対速度を制御しながら自動連結動作又は
自動解放動作を実行し、他方、特定区間に自動連結又は
自動解放を行わない列車が進入した時には通常の運行制
御を継続するようにしているので、閉塞方式の運行制御
機能を必要最小限の区間だけ停止させ、自動連結又は自
動解放を両列車の走行中に行うことができる。
【0169】したがって、この制御方法を使用すること
によって行先の異なる列車でしかも連結車両数の少ない
ものを連結してターミナル駅に収容し、途中で行先別に
分離するという運行管理を行うことができ、ターミナル
駅のプラットホームの面数が不足していても必要に応じ
て多方面の列車本数を増発することができるようにな
る。
【0170】請求項2の発明によれば、請求項1の列車
自動連結・解放制御方法により自動連結を実行する際
に、先行車を一定の速度パターンで走行させると共に、
後続車を先行車との距離に応じて速度差が漸次小さくな
る速度パターンで走行させる制御を行うようにしている
ので、先行車に対して後続車の距離が徐々に詰まって来
るに従ってゆっくりと接近するように速度制御し、連結
実行時に発生する衝撃を小さく抑えることができる。
【0171】請求項3の発明によれば、請求項2の列車
自動連結・解放制御方法により自動連結を実行する際
に、特定区間を接近制御区間、至近距離制御区間及び連
結走行区間に分け、接近制御区間では先行車と後続車と
の間の距離が所定の至近距離まで狭まるような相対速度
差を持つようにして両列車を比較的に速い速度で走行さ
せながら連結を実行する至近距離まで互いに接近させ、
至近距離制御区間では先行車の連結器に後続車の連結器
が自動連結できる速度差を保ちながら接触するように両
列車間の距離が狭まるにつれて漸減する相対速度制御を
行い、連結走行区間では通常走行速度まで加速する速度
制御を行うようにしているので、両列車を比較的速い速
度で走行させながらも確実に自動連結できる。
【0172】請求項4の発明によれば、請求項2又は請
求項3の列車自動連結・解放制御方法において、先行
車、後続車にそれらの走行位置に応じた一定の速度帯を
設定し、その速度帯内で速度制御を行うようにしている
ので、制御の自由度を向上させることができる。
【0173】請求項5の発明によれば、請求項1の列車
自動連結・解放制御方法により自動解放制御を実行する
際に、自動解放後に後続車の速度に対して先行車の相対
速度を加速するようにしているので、両列車の走行速度
を比較的速い速度で走行させながら自動解放できる。
【0174】請求項6の発明の列車自動連結・解放制御
装置によれば、先行車、後続車それぞれが特定区間に進
入すれば、地上局がそれらの特定区間進入を検出し、ま
た両列車それぞれが出力する識別コード信号を受信する
と通常運行制御モードから自動連結制御モード又は自動
解放制御モードに切り換える運転制御モード切換指令を
各車上局に送信し、先行車、後続車それぞれは車上局で
運転制御モード切換指令を受けると、自動連結を行う場
合にはいずれか少なくとも一方に搭載された測距手段に
よって自列車と自動連結する相手列車の対向面との間の
距離を測定し、速度制御手段が自動連結動作のためにこ
の距離測定値に応じた速度パターンで自列車の速度制御
を行い、相手列車との間の距離を徐々に詰めて最終的に
一定の連結速度で自動連結し、また自動解放を行う場合
には、自動解放のために走行速度で制御し、自動解放後
には所定の車間距離になるまで先行車、後続車間の相対
速度を制御するようにしているので、特定区間を走行し
ている間に比較的速い速度で両列車を走行させながら自
動連結又は自動解放することができ、従来の固定閉塞方
式に最小限度の変更を加えるだけで走行中の自動連結・
解放制御ができる。したがって、この制御装置を使用す
ることによって行先の異なる列車でしかも連結車両数の
少ないものを連結してターミナル駅に収容し、途中で行
先別に分離するという運行管理を行うことができ、ター
ミナル駅のプラットホームの面数が不足していても必要
に応じて多方面の列車本数を増発することができるよう
になる。
【0175】請求項7の発明によれば、請求項6の列車
自動連結・解放制御装置において、車上局が備える複数
種の測距手段のうち、いちばん小さい距離を検出する測
距手段の距離測定値を選択して速度制御手段に与え、先
行車、後続車それぞれの速度制御を行うようにしている
ので、誤動作を防止し、確実に自動連結又は自動解放が
実行できる。
【0176】請求項8の発明によれば、請求項6又は請
求項7の列車自動連結・解放制御装置において、測距手
段として光学的手段を用いることによって両列車間の距
離測定にノイズによる悪影響を少なくし、自動連結、自
動解放制御を確実に行える。請求項9の発明によれば、
請求項8の列車自動連結・解放制御装置において、光学
的な測距手段として、先行車と後続車との対向面の一方
に一定間隔Dを開けて2つの位置にレーザー光源を設置
し、先行車と後続車との対向面の他方にレーザー光源か
らのレーザー光を受光する受光手段を設置し、車上局に
受光手段の受光信号からレーザー光源間の挟み角θを求
める挟み角演算手段と、車間距離LをL=D/tan θの
式に基づいて算出する車間距離演算手段とを備えたもの
としているので、比較的簡易な構成の測距手段によって
正確に車間距離測定ができ、自動連結、自動解放制御を
確実に行える。
【0177】請求項10の発明によれば、請求項9の列
車自動連結・解放制御装置において、レーザー光源を先
行車と後続車との対向面の一方に1辺が一定間隔Dとな
る正方形の4隅に相当する位置に配置し、挟み角演算手
段が受光強度の強い一対のレーザー光源からの光を選択
してそれらのレーザー光源間の挟み角θを求めるように
することにより、特定区間の路線がカーブになっていた
り、対向面間に障害物が入った場合にも正確に車間距離
測定が継続でき、自動連結、解放制御を確実に行える。
【0178】請求項11の発明の列車自動連結・解放制
御装置によれば、先行車、後続車それぞれが特定区間に
進入すれば、地上局がそれらの特定区間進入を検出し、
また両列車それぞれが出力する識別コード信号を受信す
ると通常運行制御モードから自動連結制御モード又は自
動解放制御モードに切り換える運転制御モード切換指令
を各車上局に送信し、また地上局側の列車位置検出手段
が先行車、後続車の存在位置を検出し、また列車速度検
出手段が両列車の速度を検出し、速度指令演算手段がそ
れらの両列車間の距離検出値、速度検出値に基づいてこ
れらの先行車、後続車それぞれが自動連結又は自動解放
のために必要とする速度を演算し、先行車、後続車それ
ぞれの車上局に速度指令を送信し、先行車、後続車それ
ぞれの車上局が、地上局からの速度指令を受けて各々の
速度制御を行い、自動連結又は自動解放を実行するよう
にしているので、従来の固定閉塞方式に最小限の変更を
加えるだけで、先行車と後続車とが特定区間を走行して
いる間に比較的速い速度で両列車を走行させながら自動
連結又は自動解放を実行することができる。
【0179】したがって、この制御装置を使用すること
によって行先の異なる列車でしかも連結車両数の少ない
ものを連結してターミナル駅に収容し、途中で行先別に
分離するという運行管理を行うことができ、ターミナル
駅のプラットホームの面数が不足していても必要に応じ
て多方面の列車本数を増発することができるようにな
る。
【0180】請求項12の発明の列車自動連結・解放制
御装置によれば、先行車、後続車が特定区間に進入した
時に、両列車が接近制御区間を走行している間は地上局
側から両列車それぞれに速度指令を与えて互いに至近距
離まで接近するように速度制御し、至近距離制御区間に
入れば、両列車それぞの車上局のいずれか少なくとも一
方に搭載されている測距手段が測定する相手列車との間
の距離に応じた速度パターンで速度制御を行うことによ
って自動連結を実行するようにしているので、両列車を
走行させながら円滑に自動連結できる。
【0181】したがって、この制御装置を使用すること
によって行先の異なる列車でしかも連結車両数の少ない
ものを連結してターミナル駅に収容し、途中で行先別に
分離するという運行管理を行うことができ、ターミナル
駅のプラットホームの面数が不足していても必要に応じ
て多方面の列車本数を増発することができるようにな
る。
【0182】請求項13の発明によれば、請求項12の
列車自動連結・解放制御装置において、至近距離制御区
間では測距手段が測定する先行車と後続車との車間距離
が漸次小さくなるにつれて相対速度差が小さくなり、か
つ所定の速度差に到達した後はその速度差を維持するよ
うに各列車の速度制御を行うようにしているので、自動
連結の実行時の衝撃を小さく抑えることができる。
【0183】請求項14の発明によれば、請求項6〜請
求項13のいずれかの列車自動連結・解放制御装置にお
いて、車上局、地上局間の通信に異常が発生した場合
に、安全保護手段が強制的に閉塞方式の通常運転制御モ
ードに切り換えるようにしているので、異常発生時の安
全性を確保することができる。
【0184】請求項15の発明によれば、請求項6〜請
求項14のいずれかの列車自動連結・解放制御装置にお
いて、車上局を同じ働きをする2つのメインプロセッサ
とバスラインを並列に組み、さらにこれを監視するプロ
セッサを設けて1つの制御系統とし、この制御系統を2
系統設けてフェイルセーフのハードウェア構成としてい
るので、装置の冗長性が向上し、自動連結・解放の制御
動作の信頼性を高めることができる。
【0185】請求項16の発明によれば、請求項6〜請
求項15のいずれかの列車自動連結・解放制御装置にお
いて、車上局、地上局それぞれの通信手段が特定区間の
ほぼ全長に渡って敷設されたLCXケーブルを介して相
互通信を行う構成としているので、通信の信頼性を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の列車自動連結・解放制御方法の一実
施例による運行管理の説明図。
【図2】この発明の列車自動連結・解放制御装置の一実
施例の地上システムの回路ブロック図。
【図3】上記実施例の地上システムの連結・解放制御局
の回路ブロック図。
【図4】上記実施例の車上局装置の回路ブロック図。
【図5】上記実施例の車上局装置の詳しい回路構成を示
すブロック図。
【図6】上記実施例の車上局装置のハードウェア構成を
示す説明図。
【図7】上記実施例の至近距離制御区間における統括制
御時の機能説明図。
【図8】上記実施例の列車端面の装置配置例を示す斜視
図。
【図9】上記実施例のレーザー光を利用した測距動作の
説明図。
【図10】上記実施例の自動連結動作時の速度制御原理
の説明図。
【図11】上記実施例の自動解放動作の速度パターン
図。
【図12】上記実施例の自動連結動作の速度パターン
図。
【図13】上記実施例の自動連結動作時の速度帯把握制
御の速度パターン図。
【図14】上記実施例の自動連結動作中の故障発生時の
システム切換方法を示す説明図。
【符号の説明】
1 プラットホーム 2 地上局 3 線路 6a,6b,… 連動装置 7a,7b,… CTC(列車集中制御装置) 8 運行管理システム 9 連結・解放制御局 10 無線基地局 11 LCXケーブル(漏れ同軸ケーブル) 15 車上局装置 21 列車運行データ収集部 22 在線検知部 23 路線データ収集部 24 走行データ収集部 25 列車制御指令部 31 検出部 32 車上局制御保安部 33 ATO装置 34 マスターコントロール部 35 インタフェース部 36 レーザー光通信部 37 速度発電機 41 受電器 42 ATC受信部 43 車上アンテナ 44 車上無線送受信部 45 レーザー受光部 46 レーザー測距部 47 レーザー光送受信部 51 検出切換部 52 速度距離演算部 53 現行ATC制御部 54 制御情報部 55 予定走行情報部 56 連結・解放指令部 57 照査部 58 ATO走行パターン発生部 60 連結器 111 レーザー光源 114 受光レンズ 101〜104 速度パターン 105,106 速度帯 107 階段パターン T1 先行車 T2 後続車 CPUI−1,CPUI−2 メインプロセッサ CPUII−1,CPUII−2 メインプロセッサ SV−CPUI 監視用プロセッサ SV−CPUII 監視用プロセッサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鬼頭 誠 東京都千代田区永田町二丁目14番2号 日 本鉄道建設公団内 (72)発明者 小奈 勝也 東京都千代田区内幸町2丁目2番2号 富 国生命ビル13階 株式会社テクノバ内 (72)発明者 齊藤 洋男 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 齋間 亨 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 三浦 泉 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 南 陽太朗 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉塞方式を使用している列車路線に自動
    連結・解放のための特定区間を設定し、 自動連結又は自動解放を行う列車に識別コードを付与
    し、 地上局に前記識別コードを表す信号を発信する列車が自
    動連結又は自動解放する列車であることを登録し、 自動連結又は自動解放を行うべき列車が前記特定区間に
    進入した時に前記識別コードを表す信号を地上局に発信
    し、 前記地上局は前記識別コードを表す信号を受信した時に
    当該列車が自動連結又は自動解放を行うべき列車である
    と判定し、 先行車と後続車との間の相対速度を制御しながら自動連
    結動作又は自動解放動作を実行し、 前記特定区間に前記自動連結又は自動解放を行わない列
    車が進入した時には通常の閉塞制御を継続することを特
    徴とする列車自動連結・解放制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の列車自動連結・解放制御
    方法において、自動連結を実行する際に、先行車を一定
    の速度パターンで走行させると共に、後続車を前記先行
    車との距離に応じて速度差が漸次小さくなる速度パター
    ンで走行させることを特徴とする列車自動連結・解放制
    御方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の列車自動連結・解放制御
    方法において、前記特定区間を接近制御区間、至近距離
    制御区間及び連結走行区間に分け、 前記接近制御区間では先行車と後続車との間の距離が所
    定の至近距離まで狭まるような相対速度差を持つように
    して両列車の速度制御を行い、 前記至近距離制御区間では先行車の連結器に後続車の連
    結器が自動連結できる速度差を保ちながら接触するよう
    に両列車間の距離が狭まるにつれて漸減する相対速度制
    御を行い、 前記連結走行区間では通常走行速度まで加速する速度制
    御を行うことを特徴とする列車自動連結・解放制御方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載の列車自動
    連結・解放制御装置において、先行車、後続車それぞれ
    にそれらの走行位置に応じた一定の速度帯を設定し、そ
    の速度帯内で速度制御を行うことを特徴とする列車自動
    連結・解放制御方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の列車自動連結・解放制御
    方法において、自動解放制御を実行する際に、自動解放
    後に後続車の速度に対して先行車の相対速度を加速する
    ことを特徴とする列車自動連結・解放制御方法。
  6. 【請求項6】 閉塞方式を使用している列車路線に自動
    連結・解放のための特定区間を設定し、列車に車上局を
    搭載し、地上側に地上局を設置し、 自動連結又は自動解放を行う列車の前記車上局に、 前記地上局と通信を行う通信手段と、 自列車が自動連結又は自動解放を行う列車であることを
    識別する識別コードを表す信号を出力する識別コード出
    力手段と、 前記地上局からの指示を受けて、通常運転制御モードと
    自動連結・解放運転制御モードとの運転制御モードを切
    り換える運転制御モード切換手段と、 前記運転制御モード切換手段が切り換えた通常運転制御
    モード時に当該列車の運転を行う通常運転制御手段と、 自列車と自動連結又は自動解放相手となる相手列車の対
    向面との間の距離を測定する測距手段と、 前記運転制御モード切換手段が切り換えた自動連結・解
    放運転制御モード時に、自動連結動作又は自動解放動作
    のために前記測距手段が測定する相手列車との間の距離
    に応じた速度パターンで自列車の速度制御を行う速度制
    御手段とを設け、 前記地上局に、 前記車上局と通信を行う通信手段と、 列車が前記特定区間に進入したことを検出する列車存在
    検出手段と、 前記自動連結又は自動解放を行うべき列車に付与された
    識別コードデータを記憶する識別コード記憶手段と、 前記特定区間に進入する列車の前記識別コード出力手段
    が出力する識別コードを表す信号を受信し、前記識別コ
    ード記憶手段の記憶データと照合して当該列車が自動連
    結又は自動解放を行うべき列車であることを判別する列
    車判別手段と、 前記列車判別手段が前記識別コードを判別した時に、前
    記通常運転制御モードを解除して当該特定区間に複数列
    車が進入するのを許容する自動連結・解放運転制御モー
    ドに切り換える切換信号を前記車上局に指示する運転制
    御モード切換指示手段とを設けて成る列車自動連結・解
    放制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の列車自動連結・解放制御
    装置において、前記車上局が複数種の測距手段と、これ
    らの測距手段のうち、いちばん小さい距離を検出する測
    距手段の距離測定値を選択して前記速度制御手段に与え
    る距離測定値選択手段とを備えて成ることを特徴とする
    列車自動連結・解放制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載の列車自動連結・解
    放制御装置において、前記測距手段として光学的手段を
    用いることを特徴とする列車自動連結・解放制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の列車自動連結・解放制御
    装置において、前記光学的な測距手段を、 先行車と後続車との対向面の一方に一定間隔Dを開けて
    2つの位置に設置されたレーザー光源と、 前記先行車と後続車との対向面の他方に設置された前記
    レーザー光源からのレーザー光を受光する受光手段と、 前記車上局に設けられた、前記受光手段の受光信号から
    前記レーザー光源間の挟み角θを求める挟み角演算手段
    と、車間距離LをL=D/tan θの式に基づいて算出す
    る車間距離演算手段とによって構成して成ることを特徴
    とする列車自動連結・解放制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の列車自動連結・解放制
    御装置において、前記レーザー光源を前記対向面の1辺
    が一定間隔Dとなる正方形の4隅に相当する位置に配置
    し、前記挟み角演算手段が受光強度の強い一対のレーザ
    ー光源からの光を選択してそれらのレーザー光源間の挟
    み角θを求めることを特徴とする列車自動連結・解放制
    御装置。
  11. 【請求項11】 閉塞方式を使用している列車路線に自
    動連結・解放のための特定区間を設定し、列車に車上局
    を搭載し、地上側に地上局を設置し、 自動連結又は自動解放を行う列車の前記車上局に、 前記地上局と通信を行う通信手段と、 自列車が自動連結又は自動解放を行う列車であることを
    識別する識別コードを表す信号を出力する識別コード出
    力手段と、 前記地上局からの指示を受けて、通常運転制御モードと
    自動連結・解放運転制御モードとの運転制御モードを切
    り換える運転制御モード切換手段と、 前記運転制御モード切換手段が切り換えた通常運転制御
    モード時に当該列車の通常運転制御を行う通常運転制御
    手段と、 前記運転制御モード切換手段が切り換えた自動連結・解
    放運転制御モード時に、前記地上局からの速度指令に従
    って自動連結動作又は自動解放動作のための速度制御を
    行う速度制御手段とを設け、 前記地上局に、 前記車上局と通信を行う通信手段と、 列車が前記特定区間に進入したことを検出する列車存在
    検出手段と、 前記自動連結又は自動解放を行うべき列車に付与された
    識別コードデータを記憶する識別コード記憶手段と、 前記特定区間に進入する列車の前記識別コード出力手段
    が出力する識別コードを表す信号を受信し、前記識別コ
    ード記憶手段の記憶データと照合して当該列車が自動連
    結又は自動解放を行うべき列車であることを判別する列
    車判別手段と、 前記列車判別手段が前記識別コードを判別した時に、前
    記通常運転制御モードを解除して当該特定区間に複数列
    車が進入するのを許容する自動連結・解放運転制御モー
    ドに切り換える切換信号を前記車上局に指示する運転制
    御モード切換指示手段と、 前記特定区間を走行する先行車、後続車の存在位置を検
    出する列車位置検出手段と、 前記特定区間を走行する先行車、後続車それぞれの速度
    を検出する列車速度検出手段と、 前記列車位置検出手段が検出する先行車と後続車との間
    の距離及び前記列車速度検出手段が検出する先行車、後
    続車それぞれの速度に基づいてこれらの先行車、後続車
    それぞれが自動連結又は自動解放のために必要とする速
    度を演算し、先行車、後続車それぞれの車上局に速度指
    令を出力する速度指令演算手段とを設けて成る列車自動
    連結・解放制御装置。
  12. 【請求項12】 閉塞方式を使用している列車路線に自
    動連結・解放のための特定区間を設定し、列車に車上局
    を搭載し、地上側に地上局を設置し、 自動連結又は自動解放を行う列車の前記車上局に、 前記地上局と通信を行う通信手段と、 自列車が自動連結又は自動解放を行う列車であることを
    識別する識別コードを表す信号を出力する識別コード出
    力手段と、 前記地上局からの指示を受けて、通常運転制御モードと
    自動連結・解放運転制御モードとの運転制御モードを切
    り換える運転制御モード切換手段と、 前記運転制御モード切換手段が切り換えた通常運転制御
    モード時に当該列車の通常運転制御を行う通常運転制御
    手段と、 自列車と自動連結又は自動解放相手となる列車との対向
    面の間の距離を測定する測距手段と、 前記運転制御モード切換手段が切り換えた自動連結・解
    放運転制御モード時に、前記地上局からの接近制御区間
    指示信号を受けて地上局側からの速度指令に対応した速
    度制御を行う接近制御区間速度制御手段と、 前記地上局からの至近距離制御区間指示信号を受けて、
    前記測距手段が測定する相手列車との間の距離に応じた
    速度パターンで速度制御を行う至近距離速度制御手段と
    を設け、 前記地上局に、 前記車上局と通信を行う通信手段と、 列車が前記特定区間に進入したことを検出する列車存在
    検出手段と、 前記自動連結又は自動解放を行うべき列車に付与された
    識別コードデータを記憶する識別コード記憶手段と、 前記特定区間に進入する列車の前記識別コード出力手段
    が出力する識別コードを表す信号を受信し、前記識別コ
    ード記憶手段の記憶データと照合して当該列車が自動連
    結又は自動解放を行うべき列車であることを判別する列
    車判別手段と、 前記列車判別手段が前記識別コードを判別した時に、前
    記通常運転制御モードを解除して当該特定区間に複数列
    車が進入するのを許容する自動連結・解放運転制御モー
    ドに切り換える切換信号を前記車上局に指示する運転制
    御モード切換指示手段と、 前記特定区間を先行車と後続車とを自動連結のために接
    近させる接近制御区間、自動連結を実行させる至近距離
    制御区間、連結走行区間とに区分し、先行車、後続車そ
    れぞれがいずれの区間に存在しているかを検出する列車
    位置検出手段と、 前記列車位置検出手段が先行車、後続車が共に前記接近
    制御区間に存在していることを検出している時には、接
    近制御区間指示信号と共に接近制御に必要な速度パター
    ンの速度指令を、両列車が至近距離制御区間に進入した
    ことを検出した時には至近距離制御区間指示信号を先行
    車、後続車それぞれの車上局に送信する区間別速度制御
    切換手段とを設けて成る列車自動連結・解放制御装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の列車自動連結・解放
    制御装置において、前記至近距離制御区間において、前
    記測距手段が測定する先行車と後続車との車間距離が漸
    次小さくなるにつれて相対速度差が小さくなり、かつ所
    定の速度差に到達した後はその速度差を維持するように
    各列車の速度制御を行うことを特徴とする列車自動連結
    ・解放制御装置。
  14. 【請求項14】 請求項6〜請求項13のいずれかに記
    載の列車自動連結・解放制御装置において、前記車上
    局、地上局間の通信に異常が発生した場合に、強制的に
    閉塞方式の通常運転制御モードに切り換える安全保護手
    段を前記車上局に設けて成る列車自動連結・解放制御装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項6〜請求項14のいずれかに記
    載の列車自動連結・解放制御装置において、前記車上局
    を同じ働きをする2つのメインプロセッサとバスライン
    を並列に組むと共に、これらの動作を監視するプロセッ
    サを設けて1つの制御系統とし、この制御系統を2系統
    設けてフェイルセーフのハードウェア構成としたことを
    特徴する列車自動連結・解放制御装置。
  16. 【請求項16】 請求項6〜請求項15のいずれかに記
    載の列車自動連結・解放制御装置において、前記車上
    局、地上局それぞれの通信手段が前記特定区間のほぼ全
    長に渡って敷設されたLCXケーブル(漏れ同軸ケーブ
    ル)を介して相互通信を行うことを特徴とする列車自動
    連結・解放制御装置。
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