JPH08207769A - 列車保安制御システム - Google Patents

列車保安制御システム

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JPH08207769A
JPH08207769A JP1800095A JP1800095A JPH08207769A JP H08207769 A JPH08207769 A JP H08207769A JP 1800095 A JP1800095 A JP 1800095A JP 1800095 A JP1800095 A JP 1800095A JP H08207769 A JPH08207769 A JP H08207769A
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signal
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修 森谷
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洋男 齊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動閉塞方式で高密度、短時隔運転ができる
列車保安制御システムを提供する。 【構成】 列車11a,11b 上の車上制御装置14a,14b が、
線路に沿って敷設されている同軸漏洩ケーブル12a,12b
との間で信号電波の送受信を行い、先行列車11a からの
信号を受信して自列車11b と先行列車11a との車間距離
Sabを検出し、その車間距離Sabと自列車に設定されて
いる停止可能ブレーキ距離dとに基づいて速度パターン
を算出し、それに基づいて速度制御する。これによっ
て、停止可能ブレーキ距離dabがブレーキ開始が必要な
車間距離db まで先行列車に近づくまでは巡航速度で走
行させ、ブレーキ開始が必要な距離まで近づけば1段ブ
レーキ制御で停止させる運行制御を行い、高密度運転、
短時隔運転を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動閉塞制御を行う列
車保安制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に、列車保安制御システムは固
定閉塞制御を採用していて、一閉塞区間一列車を基本と
した列車制御を行っている。図11はこのような従来の
固定閉塞の階段パターンによる保安制御の一例を示しい
る。この図11において、10a〜10eそれぞれは固
定閉塞区間を示し、11aは先行列車、11bは後続列
車を表していて、後続列車11bは先行列車11aに対
する位置関係によってV1〜V5に示す速度制御信号を
地上側から受け、この速度制御信号に基づいて速度制御
する。
【0003】このような階段パターンによる速度制御で
最も効率的な走行方法は速度制限の切替わり時に走行速
度で次の閉塞区間に突っ込み、速度制限オーバーで自動
列車制御装置(ATC)によってブレーキがかけられて
急減速してその閉塞区間の制限速度以下になれば、ブレ
ーキを緩解して力行制御していく方法である。すなわ
ち、図11において速度制限V1からV2への切替わり
点で列車11bにはブレーキがかけられ、速度がV2を
下回ったところでブレーキを緩解して力行制御に入り、
次のV2からV3への速度制限変更点に突入すれば再び
ブレーキがかけられるという動作が繰り返されるのであ
る。
【0004】このようにして後続列車11bが速度制御
V4の閉塞区間の先端まで達すると停止することにな
る。
【0005】この固定閉塞制御による走行は列車が駅で
停車する場合にも同じように適用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の固定閉塞方式の列車保安制御システムでは、次の
ような問題点があった。図11において*1〜*3で示
す区間はブレーキ中の力行区間であり、本来ならば不要
な区間であるが、固定閉塞方式は先行列車との間隔を十
分にとるための安全上の要求から採用されているもの
で、このような区間*1〜*3が生じることは安全上か
らは特に問題となることはない。
【0007】ところが、近年、特に大都市部の通勤時間
帯の列車の大混雑を少しでも解消するために高密度列車
運転、時隔短縮運転が大いに必要とされており、上記の
固定閉塞方式で生じる不要な区間*1〜*3はこのよう
な高密度列車運転、時隔短縮運転のニーズにはそぐわな
いものとなってきている。そこで、固定閉塞方式の列車
保安制御システムは長い実績と高い安全性があるもの
の、次のような点で改善の要望が強まってきている。
【0008】(1)図11に示した固定閉塞の階段パタ
ーンはブレーキ緩解後の力行区間*1〜*3の余裕走行
分が存在するために実質的にブレーキ距離が長くなる。
【0009】(2)車両性能の向上により高加速、高減
速性能を有する軽量高速車両が導入されるようになって
いるが、このような車両ほど、図11に示す*1〜*3
の余裕走行分が長くなり、車両本来の性能を抑制したパ
ターンの運転しかできない。
【0010】(3)現行の車両で運転時隔を最小にして
輸送力増強を図ろうとしても、現状の固定閉塞では閉塞
自身が障害となって運転時隔を短縮できず、時隔短縮が
限界に来ており、その抜本的な制御方式の見直しが迫ら
れている。
【0011】本発明は、このような従来の固定閉塞方式
による列車保安制御システムの問題点に鑑みてなされた
もので、高密度運転、短時隔運転制御に対応できる移動
閉塞方式の列車保安制御システムを提供することを目的
とする。
【0012】さらに詳しくは、(1)車両の持つ1段ブ
レーキ性能を速度パターンとして発生させ、これを速度
制限信号として速度制御を行うことにより、余裕走行分
をなくす、(2)車両の持つ本来の性能を発揮できる走
行を可能とする、(3)運転時隔を最小にすることがで
きて、高密度運転をさらに進めることができる、(4)
フェイルセーフ性については現状と同等レベルに維持で
きる、という特徴を備えた列車保安制御システムを提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、線路
に沿って敷設され、列車との間で信号電波の送受信を行
う同軸漏洩ケーブルと、列車に搭載された移動閉塞制御
装置とを備えて成る列車保安制御システムであって、移
動閉塞制御装置が、同軸漏洩ケーブルとの間で信号電波
の送受信を行う車上アンテナと、車上アンテナを通して
入力される先行列車からの信号を受信する先行列車信号
受信部と、車上アンテナを通して後続列車に対して信号
を送信する後続列車信号送信部と、先行列車信号受信部
が受信した先行列車からの信号に基づいて先行列車位置
を特定する先行列車位置判定部と、自列車位置を特定す
る自列車位置判定部と、先行列車位置と自列車位置から
両車の車間距離を算出する車間距離演算部と、車間距離
演算部が算出する先行列車との間の車間距離に基づいて
自列車の速度パターンを算出する速度パターン演算部
と、速度パターン演算部の算出する速度パターンに基づ
いて自列車の速度制御を行う速度制御部とを備えたもの
である。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の列車保安制
御システムにおいて、速度パターン演算部が、先行列車
との間の車間距離と自列車に設定されている停止可能ブ
レーキ距離とに基づいて速度パターンを算出するように
したものである。
【0015】請求項3の発明は、請求項1又は2の列車
保安制御システムにおいて、漏洩同軸ケーブルが一定距
離ずつ分断され、前後のケーブル間にそれらのケーブル
間の接続、切断を行う中継器が設置され、中継器が同軸
ケーブルを通して自器の存在を示す信号を出力し、各列
車から同軸ケーブルを通して出力されてくる接続、切断
指令を受信する信号送受信器を備え、移動閉塞制御装置
が、中継器との間で交信を行う中継器交信部と、中継器
交信部が受信した中継器の位置と自列車位置判定部が特
定した自列車位置との関係から中継器の接続、切断の判
定を行い、接続指令、切断指令を出力する接続切断判定
部を備えたものである。
【0016】請求項4の発明は、請求項3の列車保安制
御システムにおいて、中継器が後続車両から接続指令を
優先させる接続切断切換部を備えたものである。
【0017】請求項5の発明は、請求項3又は4の列車
保安制御システムにおいて、移動閉塞制御装置の接続切
断判定部が、自列車と前方の中継器までの間の距離が自
列車のブレーキ距離に余裕距離を加えた必要間隔距離に
達したときに接続指令を出力するようにしたものであ
る。
【0018】請求項6の発明は、請求項1〜5いずれか
の列車保安制御システムにおいて、移動閉塞制御装置の
先行列車信号受信部及び後続列車信号送信部が時分割多
重伝送方式で信号を送受信するようにしたものである。
【0019】請求項7の発明は、請求項1〜6いずれか
の列車保安制御システムにおいて、移動閉塞制御装置の
先行列車信号受信部及び後続列車信号送信部が周波数多
重伝送方式で信号を送受信するようにしたものである。
【0020】請求項8の発明は、請求項1〜7いずれか
の列車保安制御システムにおいて、線路に沿って固定閉
塞の自動列車制御設備が設置され、列車が自動列車制御
設備と交信し、固定閉塞による自動列車制御を行う自動
列車制御装置と、移動閉塞制御装置と、移動閉塞制御装
置の各機器の異常を検出する異常検出部と、異常検出部
が異常検出したときに移動閉塞制御装置の動作を停止し
て自動列車制御装置に切換える制御方式切換部とを備え
たものである。
【0021】
【作用】請求項1の発明の列車保安制御システムでは、
列車上の移動閉塞制御装置が、線路に沿って敷設されて
いる同軸漏洩ケーブルとの間で信号電波の送受信を行
い、先行列車からの信号を受信して自列車と先行列車と
の車間距離を検出し、それに基づいて速度パターンを求
めて自列車の速度制御を行う。したがって、従来の固定
閉塞区間に制限されず、前方の列車との位置関係だけで
速度制御することができ、高密度、短時隔運転が可能と
なる。
【0022】請求項2の発明の列車保安制御システムで
は、移動閉塞制御装置が自車と先行列車との車間距離と
自車に設定されている停止可能ブレーキ距離とに基づい
て速度パターンを算出し、それに基づいて速度制御す
る。したがって、ブレーキ開始が必要な車間距離まで先
行列車に近づくまでは巡航速度で走行させ、ブレーキ開
始が必要な距離まで近づけば1段ブレーキ制御で安全に
停止させることができ、高密度運転、短時隔運転が可能
となる。
【0023】請求項3の発明の列車保安制御システムで
は、一定距離ずつの漏洩同軸ケーブルの間に中継器を設
置し、各列車の移動閉塞制御装置が前方の中継器と交信
し、その中継器の位置と自列車位置との関係から中継器
の接続、切断制御を行う。したがって、交信する漏洩同
軸ケーブルからの信号電波を常に十分強度の高いものと
することができ、信号交信の信頼性を高く保つことがで
きる。
【0024】請求項4の発明の列車保安制御システムで
は、漏洩同軸ケーブル間の中継器が後続車両からの接続
指令を優先させて接続制御する。したがって、中継器を
介して接続され前後の漏洩同軸ケーブルを用いて先行列
車と後続列車との交信が確実に行える。
【0025】請求項5の発明の列車保安制御システムで
は、移動閉塞制御装置が、自列車と前方の中継器までの
間の距離が自列車のブレーキ距離に余裕距離を加えた必
要間隔距離に達したときに接続指令を出力する。したが
って、中継器の直前方に先行列車が存在するような場合
でも安全な車間距離を維持しながら先行列車との交信が
できる。
【0026】請求項6の発明の列車保安制御システムで
は、自車の移動閉塞制御装置が先行列車の移動閉塞制御
装置、後続列車の移動閉塞制御装置との間で時分割多重
伝送方式で信号を送受信する。したがって、信号送受信
のための設備コストを安価に抑えることができる。
【0027】請求項7の発明の列車保安制御システムで
は、自車の移動閉塞制御装置が先行列車の移動閉塞制御
装置、後続列車の移動閉塞制御装置との間で周波数分割
多重伝送方式で信号を送受信する。したがって、信号送
受信を高速化することができる。
【0028】請求項8の発明の列車保安制御システムで
は、移動閉塞制御装置の各機器の異常を検出した時には
自動的に固定閉塞方式の自動列車制御装置に切換える。
これによってシステムの信頼性、安全性を高めることが
できる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説す
る。図1は本発明の列車保安制御システムの一実施例の
システム構成を示しており、従来からの固定閉塞方式と
共に本発明の特徴である移動閉塞方式を採用している。
線路1側に10a〜10fの固定閉塞区間が設定されて
おり、線路1に沿って、約1.5km長の漏洩同軸ケー
ブル(LCXケーブル)12a〜12gが敷設されてい
て、各LCXケーブル間には中継器13a〜13fが設
置されている。各列車11a〜11cには車上制御装置
14a〜14cが搭載されている。
【0030】車上制御装置14は図2に示すような構成
であり、従来の地上側の自動列車制御装置(ATC)か
ら信号を受信入力する受電器21、受電器21で受信し
た信号を復調するATC受信部22を備えていて、地上
のATC設備からの速度制限信号を受信処理する。23
は車上アンテナであり、LCXケーブル12a〜12g
との間で無線信号の送受信する。24は車上無線送受信
部であり、車上アンテナ23が送受信する無線信号の入
出力を行う。
【0031】図2において25は検出切換部であり、固
定閉塞側のATC受信部22と移動閉塞側の無線信号送
受信部24とのいずれを使用するかを切換える部分であ
る。26は現行のATC制御部である。27は走行制御
指令部であり、車上制御装置の中核をなす部分であり、
その詳しい機能を後述するが、この走行制御指令部27
の判断によって検出切換部25に固定閉塞方式/移動閉
塞方式いずれにするかの切換信号を与える。
【0032】28は予定走行情報部であり、走行路線に
おいて距離ベースに勾配、分岐、曲線、臨時工事などの
速度制限情報や駅の位置情報などを記憶していて、速度
距離演算部29から距離情報を得て、現停車駅から次駅
までの路線情報を走行制御指令部27に与える。なお、
この予定走行情報部28にICカードリーダを採用する
ことによって必要なときに情報を容易に入れ替えること
ができるようになる。
【0033】29は速度距離演算部であり、速度発電器
30の速度パルスをベースにして列車の速度演算、距離
演算を行い、走行制御指令部27にその結果を出力する
と共に予定走行情報部28にも与える。
【0034】31はパターン照査部であって、走行制御
指令部27の算出した速度パターンと列車の実速度との
照査を行い、ATCブレーキ回路32の制御を行う。3
3は与えられる走行パターンにしたがって列車自動運転
を実行する自動列車運転装置(ATO)であり、34は
このATO装置33に対して速度パターンを与えるAT
Oパターン発生部であり、走行制御指令部27の算出し
た速度パターンを下回る速度で最も効率的な走行パター
ンを演算して発生する。
【0035】35はマスコン、36はインタフェース部
であって、通常、インタフェース部36はATO装置3
3による運転指令を力行、ブレーキ回路37に与える
が、マスコン35の操作があったときにはマニュアル運
転を優先させてマスコン35からの指令に応じて運転す
る論理が組み込まれている。
【0036】走行制御指令部27は、 (1)これから走行する路線の速度制限情報(予定走行
情報部28から) (2)現在走行中の列車の速度、距離情報(速度距離演
算部29から) (3)現時点での路線状況(検出切換部25を介して地
上側の移動閉塞設備、固定閉塞設備から吸い上げられた
情報) の3種類の情報を収集し、先行列車との間隔を決定する
速度パターンを演算する。
【0037】LCXケーブル12のケーブル間の中継器
13は、図3に示す構成である。図3において、41は
地上アンテナであり、42はこの地上アンテナ41に無
線信号の入出力を行う地上送受信部である。43はLC
Xケーブル12,12間の接続、切断を行うと共にケー
ブルに流れる信号の増幅を行う増幅器、44は電源、4
5は接続、切断の切換指令を与える切換部である。
【0038】中継器13の地上受信部42は、周波数チ
ャンネルを切換えるチャンネルセレクタ46、信号復調
部47、復調信号の誤り訂正、復号化を行う誤り訂正復
号化部48、中継器13によるLCXケーブル12,1
2間の接続、切断の判定を行う判定制御部49を受信系
統として備え、送信系統として誤り訂正符号化部50、
変調部51を備えている。
【0039】次に、上記構成の列車保安制御システムの
動作について説明する。図4に示すように、約1.5k
mのLCXケーブル12上において列車11は、次の中
継器13との間の距離が少なくとも自列車が最大速度か
ら停止可能なブレーキ距離d(車両構造規則では在来線
で600m以内に停止することが決められているが、列
車車種ごとに独自の距離を有する)に余裕距離lxを加
えた距離Sになった位置で、車上制御装置14が1つの
周波数f1の信号を用いて接続要求(ON)信号を出力
する。このとき、中継器13からは別の周波数f0の信
号を用いて切断中(OFF)の信号を受信していなけれ
ばならない。あるいは、f0の信号の受信がない時には
切断状態であると判断する機能を設定しておく。
【0040】車上制御装置14からの信号は車上無線送
受信部24、車上アンテナ23から無線信号としてLC
Xケーブル12へ送信され、LCXケーブル12から中
継器13へ伝えられる。
【0041】中継器13では、地上アンテナ41がLC
Xケーブル12からの接続要求信号を受信し、チャンネ
ルセレクト部46で周波数をセレクトし、復調部47、
誤り訂正復号化部48を経て判定制御部49に伝達され
る。判定制御部49はこの受信信号に基づいて接続判定
を行い、切換部45に接続切換指令を与え、電源44の
電力を増幅部43に供給するようにして中継器13をオ
ンして、前後のLCXケーブル12,12間を1本のケ
ーブルとなるように接続し、同時に信号増幅も行うよう
にする。
【0042】これと同時に、判定制御部49は誤り訂正
符号化部50、変調部51、チャンネルセレクト部46
を通して地上アンテナ41から「接続中」を示す信号を
出力する。この信号はLCXケーブル12で受信されて
伝播し、列車11の車上制御装置14の車上無線送受信
部24が車上アンテナ21を介してLCXケーブル12
からの漏洩信号を受信し、前方の中継器13が接続状態
(ON)になったことを検出切換部24に与え、検出切
換部25はその信号を走行制御指令部27に与える。
【0043】次に、図5に示すように列車11が中継器
13をONにして、前方の新しいLCXケーブル12の
エリアに入り、その列車11の最後部が中継器13を完
全に通り抜けたことを確認してから車上制御装置14よ
り中継器13に対して「切断要求」を出力する。
【0044】中継器13はこの切断要求信号を受信すれ
ば、上記と同じ経路で電源44を増幅部43から切り離
し、ON状態からOFFにして後方のLCXケーブルを
切り離す。これと同時に、「切断中」を示す信号をLC
Xケーブル12に出力する。
【0045】こうして、列車11の車上制御装置14か
ら中継器13のON/OFFをコントロールする。
【0046】次に、先行列車の存在検出と速度制御の動
作について説明する。図6に示すように、先行列車11
aが中継器13の先のLCXケーブル12aの区間を走
行し、後続列車11bが中継器13よりも後方のLCX
ケーブル12bの区間を走行している状態にあった場
合、後続列車11bが中継器13をONにするまでは、
先行列車11aによって中継器13はOFFされた状態
にあり、中継器13の前後のLCXケーブル12a,1
2b間は切断状態にある。したがって、この状態では先
行列車11aと後続列車11bとの間での交信はできな
い。もっとも、後続列車11bはLCXケーブル12b
を通じて中継器13とは交信できる。
【0047】そこで後続列車11bの車上制御装置14
bは、中継器13の地点情報と自列車の距離情報をもと
にして中継器13までの距離を監視していて、中継器1
3からの距離Sが上述した停止可能なブレーキ距離db
に余裕距離lxを加えた距離になった位置で中継器13
をONにして前後のLCXケーブル12a,12b間を
接続する。この接続によって前後のLCXケーブル12
a,12b間は中継器13を介して1本のケーブルのよ
うになり、先行列車11aと後続列車11bとの間の交
信が可能となる。このとき、信号は減衰しないように中
継器13によって増幅される。
【0048】そこで、後続列車11bが先行列車11a
を認識した時点で直ちに先行列車11aまでの距離Sab
を検出し、その車間距離Sabに見合う速度パターン18
abを演算し、それにしたがってATO装置33を働かせ
る。このときの速度パターンは、例えば、車間距離Sab
から余裕距離lxを引いた距離dabが前述した停止可能
なブレーキ距離dbまで縮まるまでは巡航速度とし、距
離dabがブレーキ距離dbまで縮まれば1段ブレーキを
かける速度パターンとすることができる。
【0049】先行列車11aと後続列車11bとの間の
通信は、先行列車11aが自車のキロ程位置、状態信号
(力行、ブレーキ、惰行、停止状態)、速度信号などの
情報を周波数f3の信号で後続列車11bに伝送し、こ
の信号を受信した後続列車11bは、周波数f4の信号
で先行列車11aに対して「データ受信済み」の意味を
含んだ「後続列車存在」信号を送信する。
【0050】ここで、先行列車11aは中継器13に対
して「切断要求信号」を出しているが、後続列車11b
が中継器13の手前に位置して「接続要求信号」を出し
ているので、中継器13はこの「接続要求信号」を優先
させて自器をONとする。そして、後続列車11bが中
継器13の位置を通り過ぎて「切断要求信号」を出し、
さらに後続の列車から「接続要求信号」を受信していな
い限り、この「切断要求信号」を受けてOFFにし、前
後のLCXケーブル12a,12b間の接続を切ること
になる。
【0051】以上の列車間、列車−中継器間の無線信号
の組合せは、次の表1の通りである。
【0052】
【表1】 上記の表1に基づき、基本機能のシーケンスが進行して
移動閉塞方式が実行される。
【0053】ここで中継器13に故障が発生すればLC
Xケーブル13を通じてその「故障中」の信号を受信し
た列車11の車上制御装置14は検出切換部25によっ
てATC系統に切換え、以後、現行のATCによる固定
閉塞方式によるATC制御に切換えて安全性を確保す
る。そして、正常な中継器13のエリアに入れば、再び
その列車は移動閉塞方式に切換えて走行する。
【0054】ここで、列車間通信、列車−中継器間通信
の態様を図7及び図8に基づいて説明する。図7はそれ
ぞれ2つの無線ゾーン15a,15bで列車11a,1
1b、列車11c,11dがそれぞれ先行列車、後続列
車として相互に交信している状況を示している。この場
合、無線ゾーン15a,15bそれぞれは独立している
ので、同一の周波数を用いて列車間通信を行う。つま
り、無線ゾーン15aにおける先行列車11aと後続列
車11bとの間では周波数f2,f3を用いて交信し、
同じように無線ゾーン15bにおける先行列車11cと
後続列車11dとの間でも周波数f2,f3を用いて交
信するのである。
【0055】図8は1つの無線ゾーン15cに先行列車
11a、中間列車11b、後続列車11cの3列車が入
り、相互に交信している状況を示している。この場合、
無線ゾーン15cにおいて先行列車11aから後続の2
列車11b,11cに対して自列車のIDも含めた先行
列車情報を周波数f2で送信し、同じく中間列車11b
も自列車IDを含めた先行列車情報を周波数f2で送信
する。そして、中間列車11bは先行列車11aに対し
て自列車IDも含めた後続列車信号を周波数f3で送信
し、後続列車11cは先行する2列車11a,11bに
対して自列車のIDを含めた後続列車信号を周波数f3
で送信する。
【0056】そこで、中間列車11bは先行列車11a
から先行列車情報を受けて上述の方法で速度制御する。
また最後尾を走る後続列車11cは先行する2列車11
a,11bから共に先行列車情報を受けるが、近い方の
列車、つまり中間列車11bからの先行列車情報を優先
させてその先行列車情報に基づいて速度制御する。
【0057】なお、この場合、先行列車11aによる中
継器13bに対する「切断要求信号」は、後続列車から
の後続列車信号を受けることによって出力を中止し、後
続する中間列車11bの「接続要求信号」が優先し、中
継器13bはON状態を維持することになる。また中間
列車11bが中継器13bの位置を完全に通過し終わっ
て「切断要求信号」を出力するようになっても、後続列
車11cとの交信でその出力を中止し、後続列車11c
から「接続要求信号」が出力されるので、中継器13b
はそのON状態は維持することになる。
【0058】またこの場合、周波数f2,f3によって
3列車が交信するために混信が発生する恐れがあるが、
それを避けるためには各列車毎のIDを与え、時分割多
重伝送方式を採用することができる。
【0059】3列車以上で同時に相互に交信する場合、
その混信を避ける他の伝送方式としては、周波数分割多
重伝送方式も知られている。この周波数分割多重伝送方
式を採用する場合には、図9に示すように各列車の車上
制御装置14a〜14cそれぞれには先行列車情報の出
力周波数としてf2とf4とを切換えて出力し、また後
続列車信号の出力周波数としてもf3とf5とを切換え
て出力することができるようにして、基本的には周波数
f2,f3を用いて先行列車情報、後続列車信号を出力
する設定にしておく。
【0060】そして各列車いずれも、それに先行する列
車から周波数f2で先行列車情報を受信すれば、自車か
ら後続の列車に対して出力する先行列車情報は周波数f
4に自動的に切換えて出力するようにし(このとき、そ
の先行列車情報の受信に対する後続列車信号は周波数f
3で行う)、また先行列車情報を周波数f4で受信すれ
ば後続列車信号を自動的に周波数f5に切換えて出力す
る(このとき、自車から後続の列車に対する先行列車情
報は周波数f2で行う)。
【0061】そこで、これらの時分割多重伝送方式、周
波数分割多重伝送方式のいずれを採用するかは特に限定
されないが、経済性から見れば時分割多重伝送方式の方
が有利であり、高速性を重視するならば周波数分割伝送
方式を採用することができる。
【0062】こうして、この実施例の列車保安制御シス
テムでは、高密度運転、短時隔運転を可能とすると共
に、安全性の面でも従来と変わらぬ性能を維持すること
ができるようになる。図10は従来例の固定閉塞方式と
本発明の移動閉塞方式との性能の比較を示しているが、
本発明の場合、後続列車11bから先行列車11aまで
の距離Sが停止可能なブレーキ距離dに余裕分lxを加
えた距離に近づくまでは巡航速度を継続することがで
き、従来避けることができなかった図11に示したブレ
ーキ中の力行距離*1〜*3が必要ではなくなり、先行
列車11aに距離d´分だけ接近した走行が可能とな
り、高密度運転、短時隔運転が可能となるのである。ま
た、ブレーキパターンも車間距離がSとなったときに働
かせればよいので、多段に設定する必要がなく、1段ブ
レーキをかけるだけでよくなり、制御が簡素になる。
【0063】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、列車上の移動
閉塞制御装置が、線路に沿って敷設されている同軸漏洩
ケーブルとの間で信号電波の送受信を行い、先行列車か
らの信号を受信して自列車と先行列車との車間距離を検
出し、それに基づいて速度パターンを求めて自列車の速
度制御を行うので、従来の固定閉塞区間に制限されず、
前方の列車との位置関係だけで速度制御することがで
き、高密度、短時隔運転が可能となる。
【0064】請求項2の発明によれば、移動閉塞制御装
置が自車と先行列車との車間距離と自車に設定されてい
る停止可能ブレーキ距離とに基づいて速度パターンを算
出し、それに基づいて速度制御するので、ブレーキ開始
が必要な車間距離まで先行列車に近づくまでは巡航速度
で走行させ、ブレーキ開始が必要な距離まで近づけば1
段ブレーキ制御で安全に停止させることができ、高密度
運転、短時隔運転が可能となる。
【0065】請求項3の発明によれば、一定距離ずつの
漏洩同軸ケーブルの間に中継器を設置し、各列車の移動
閉塞制御装置が前方の中継器と交信し、その中継器の位
置と自列車位置との関係から中継器の接続、切断制御を
行うので、交信する漏洩同軸ケーブルからの信号電波を
常に十分強度の高いものとすることができ、信号交信の
信頼性を高く保つことができる。
【0066】請求項4の発明によれば、漏洩同軸ケーブ
ル間の中継器が後続車両からの接続指令を優先させて接
続制御するので、中継器を介して接続され前後の漏洩同
軸ケーブルを用いて先行列車と後続列車との交信が確実
に行える。
【0067】請求項5の発明によれば、移動閉塞制御装
置が、自列車と前方の中継器までの間の距離が自列車の
ブレーキ距離に余裕距離を加えた必要間隔距離に達した
ときに接続指令を出力するので、中継器の直前方に先行
列車が存在するような場合でも安全な車間距離を維持し
ながら先行列車との交信ができる。
【0068】請求項6の発明によれば、自車の移動閉塞
制御装置が先行列車の移動閉塞制御装置、後続列車の移
動閉塞制御装置との間で時分割多重伝送方式で信号を送
受信するので、信号送受信のための設備コストを安価に
抑えることができる。
【0069】請求項7の発明によれば、自車の移動閉塞
制御装置が先行列車の移動閉塞制御装置、後続列車の移
動閉塞制御装置との間で周波数分割多重伝送方式で信号
を送受信するので、信号送受信を高速化することができ
る。
【0070】請求項8の発明によれば、移動閉塞制御装
置の各機器の異常を検出した時には自動的に固定閉塞方
式の自動列車制御装置に切換えるので、システムの信頼
性、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシステム構成を示すブロッ
ク図。
【図2】上記実施例における車上制御装置のブロック
図。
【図3】上記実施例における中継器のブロック図。
【図4】上記実施例の車上制御装置による中継器の接続
制御動作を示す説明図。
【図5】上記実施例の車上制御装置による中継器の切断
制御動作を示す説明図。
【図6】上記実施例の先行列車−後続列車間の交信動作
を示す説明図。
【図7】上記実施例の先行列車−後続列車間の交信動作
の他の例を示す説明図。
【図8】上記実施例の先行列車−後続列車間の交信動作
のさらに他の例を示す説明図。
【図9】上記実施例における列車間交信に周波数分割多
重伝送方式を用いたときの動作を示す説明図。
【図10】上記実施例の車上制御装置の速度制御動作を
示す説明図。
【図11】従来例の固定閉塞方式の速度制御動作を示す
説明図。
【符号の説明】
10a,10b,10c,… 固定閉塞区間 11,11a,11b,11c,… 列車 12,12a,12b,12c,… 漏洩同軸ケーブル
(LCXケーブル) 13,13a,13b,13c,… 中継器 14,14a,14b,14c,… 車上制御装置 15a,15b,… 無線ゾーン 18,18a 速度パターン 21 受電器 22 ATC受信器 23 車上アンテナ 24 車上無線送受信部 25 検出切換部 26 ATC制御部 27 走行制御指令部 28 予定走行情報部 29 速度距離演算部 30 速度発電器 31 パターン照査部 33 ATO装置 34 ATOパターン発生部 35 マスコン 36 インタフェース部 41 地上アンテナ 42 地上送受信部 43 増幅部 44 電源 45 切換部 46 チャンネルセレクト部 47 復調部 48 誤り訂正復号化部 49 判定制御部 50 誤り訂正符号化部 51 変調部
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 列車保安制御システム
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動閉塞制御を行う列
車保安制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に、列車保安制御システムは固
定閉塞制御を採用していて、一閉塞区間一列車を基本と
した列車制御を行っている。図11はこのような従来の
固定閉塞の階段パターンによる保安制御の一例を示しい
る。この図11において、10a〜10eそれぞれは固
定閉塞区間を示し、11aは先行列車、11bは後続列
車を表していて、後続列車11bは先行列車11aに対
する位置関係によってV1〜V5に示す速度制御信号を
地上側から受け、この速度制御信号に基づいて速度制御
する。
【0003】このような階段パターンによる速度制御で
最も効率的な走行方法は速度制限の切替わり時に走行速
度で次の閉塞区間に突っ込み、速度制限オーバーで自動
列車制御装置(ATC)によってブレーキがかけられて
急減速してその閉塞区間の制限速度以下になれば、ブレ
ーキを緩解して力行制御していく方法である。すなわ
ち、図11において速度制限V1からV2への切替わり
点で列車11bにはブレーキがかけられ、速度がV2を
下回ったところでブレーキを緩解して力行制御に入り、
次のV2からV3への速度制限変更点に突入すれば再び
ブレーキがかけられるという動作が繰り返されるのであ
る。
【0004】このようにして後続列車11bが速度制御
V4の閉塞区間の先端まで達すると停止することにな
る。
【0005】この固定閉塞制御による走行は列車が駅で
停車する場合にも同じように適用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の固定閉塞方式の列車保安制御システムでは、次の
ような問題点があった。図11において*1〜*3で示
す区間はブレーキ中の力行区間であり、本来ならば不要
な区間であるが、固定閉塞方式は先行列車との間隔を十
分にとるための安全上の要求から採用されているもの
で、このような区間*1〜*3が生じることは安全上か
らは特に問題となることはない。
【0007】ところが、近年、特に大都市部の通勤時間
帯の列車の大混雑を少しでも解消するために高密度列車
運転、時隔短縮運転が大いに必要とされており、上記の
固定閉塞方式で生じる不要な区間*1〜*3はこのよう
な高密度列車運転、時隔短縮運転のニーズにはそぐわな
いものとなってきている。そこで、固定閉塞方式の列車
保安制御システムは長い実績と高い安全性があるもの
の、次のような点で改善の要望が強まってきている。
【0008】(1)図11に示した固定閉塞の階段パタ
ーンはブレーキ緩解後の力行区間*1〜*3の余裕走行
分が存在するために実質的にブレーキ距離が長くなる。
【0009】(2)車両性能の向上により高加速、高減
速性能を有する軽量高速車両が導入されるようになって
いるが、このような車両ほど、図11に示す*1〜*3
の余裕走行分が長くなり、車両本来の性能を抑制したパ
ターンの運転しかできない。
【0010】(3)現行の車両で運転時隔を最小にして
輸送力増強を図ろうとしても、現状の固定閉塞では閉塞
自身が障害となって運転時隔を短縮できず、時隔短縮が
限界に来ており、その抜本的な制御方式の見直しが迫ら
れている。
【0011】本発明は、このような従来の固定閉塞方式
による列車保安制御システムの問題点に鑑みてなされた
もので、高密度運転、短時隔運転制御に対応できる移動
閉塞方式の列車保安制御システムを提供することを目的
とする。
【0012】さらに詳しくは、(1)車両の持つ1段ブ
レーキ性能を速度パターンとして発生させ、これを速度
制限信号として速度制御を行うことにより、余裕走行分
をなくす、(2)車両の持つ本来の性能を発揮できる走
行を可能とする、(3)運転時隔を最小にすることがで
きて、高密度運転をさらに進めることができる、(4)
フェイルセーフ性については現状と同等レベルに維持で
きる、という特徴を備えた列車保安制御システムを提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の列車保
安制御システムは、線路に沿って敷設され、列車との間
で信号電波の送受信を行う同軸漏洩ケーブルと、列車に
搭載され、同軸漏洩ケーブルとの間で信号電波の送受信
を行う車上アンテナと、車上アンテナを通して入力され
る先行列車からの信号を受信し、車上アンテナを通して
後続列車に対して信号を送信する車上無線送受信部と、
この車上無線送受信部が受信した先行列車からの信号に
基づいて定る先行列車位置と自列車位置から両車の車間
距離を算出し、この車間距離に基づいて自列車の速度パ
ターンを算出する走行制御指令部と、この走行制御指令
部の算出する速度パターンに基づいて自列車の速度制御
を行う速度制御部とを備えたものである。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の列車保安制
御システムにおいて、走行制御指令部が、先行列車との
間の車間距離とあらかじめ自列車の巡行速度での停止可
能ブレーキ距離とに基づいて速度パターンを算出するよ
うにしたものである。
【0015】請求項3の発明の列車保安制御システム
は、線路に沿って敷設され一定距離ずつ分断された、列
車との間で信号電波の送受信を行う同軸漏洩ケーブル
と、列車に搭載された車上制御装置と、前後のケーブル
間に設置され、それらのケーブル間の接続、切断を行う
中継器と、中継器に設けられ、同軸ケーブルを通して自
器の存在を示す信号を送信し、各列車の車上制御装置か
ら同軸ケーブルを通して出力されてくる接続、切断指令
を受信する地上送受信部と、車上制御装置に設けられ、
中継器との間で交信を行う車上無線送受信部と、この車
上無線送受信部が受信した中継器の位置と自列車位置と
から中継器の接続、切断の判定を行い、接続指令又は切
断指令を出力する接続切換判定部とを備えたものであ
る。
【0016】請求項4の発明は、請求項3の列車保安制
御システムにおいて、中継器が、先行列車の接続切換判
定部から切断指令が出力され、後続列車の接続切換判定
部から接続指令が出力された際に、後続列車からの接続
指令を優先して制御する切換部を備えたものである。
【0017】請求項5の発明は、請求項3又は4の列車
保安制御システムにおいて、接続切換判定部が、自列車
と前方の中継器までの間の距離があらかじめ設定された
自列車のブレーキ距離に余裕距離を加えた必要間隔距離
に達したときに接続指令を出力するようにしたものであ
る。
【0018】請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれ
かの列車保安制御システムにおいて、車上無線送受信部
が時分割多重方式で信号を送受信するようにしたもので
ある。
【0019】請求項7の発明は、請求項1〜5のいずれ
かの列車保安制御システムにおいて、車上無線送受信部
が周波数多重方式で信号を送受信するようにしたもので
ある。
【0020】請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれ
かの列車保安制御システムにおいて、線路に沿って固定
閉塞の自動列車制御設備が設置され、列車が自動列車制
御設備と交信し、固定閉塞による自動列車制御を行う自
動列車制御部と、列車に搭載された各機器の異常を検出
する異常検出部と、異常検出部が異常検出したときに自
動列車制御部への制御に切り換える制御方式切換部とを
備えたものである。
【0021】
【作用】請求項1の発明の列車保安制御システムでは、
車上無線送受信部が線路に沿って敷設されている同軸漏
洩ケーブルとの間で信号電波の送受信を行い、走行制御
指令部が先行列車からの信号に基づいて定る先行列車位
置と自列車位置とから自列車と先行列車との車間距離を
算出し、この車間距離に基づいて速度パターンを求め、
速度制御部がこの速度パターンに基づいて速度制御を行
う。したがって、従来の固定閉塞区間に制限されず、前
方の列車との位置関係だけで速度制御することができ、
高密度、短時隔運転が可能となる。
【0022】請求項2の発明の列車保安制御システムで
は、走行制御指令部が自列車と先行列車との車間距離と
自列車に設定されている停止可能ブレーキ距離とに基づ
いて速度パターンを算出し、それに基づいて速度制御部
が速度制御する。したがって、ブレーキ開始が必要な車
間距離まで先行列車に近づくまでは巡航速度で走行さ
せ、ブレーキ開始が必要な距離まで近づけば1段ブレー
キ制御で安全に停止させることができ、高密度運転、短
時隔運転が可能となる。
【0023】請求項3の発明の列車保安制御システムで
は、一定距離ずつの漏洩同軸ケーブルの間に中継器を設
置し、各列車の車上制御装置に設けられた車上無線送受
信部が前方の中継器と交信し、接続切換判定部が中継器
の位置と自列車の位置との関係から中継器の接続、切断
を判定して接続指令又は切断指令を出力し、中継器に設
けられている地上送受信部がこの接続指令又は切断指令
を漏洩同軸ケーブルを介して受信し、中継器が前後の漏
洩同軸ケーブル間の接続、切断を行う。したがって、交
信する漏洩同軸ケーブルからの信号電波を常に十分強度
の高いものとすることができ、信号交信の信頼性を高く
保つことができる。
【0024】請求項4の発明の列車保安制御システムで
は、漏洩同軸ケーブル間の中継器が後続車両からの接続
指令を優先させて接続制御する。したがって、中継器を
介して接続され前後の漏洩同軸ケーブルを用いて先行列
車と後続列車との交信が確実に行える。
【0025】請求項5の発明の列車保安制御システムで
は、接続切換判定部が、自列車と前方の中継器までの間
の距離が自列車のブレーキ距離に余裕距離を加えた必要
間隔距離に達したときに接続指令を出力する。したがっ
て、中継器の直前方に先行列車が存在するような場合で
も安全な車間距離を維持しながら先行列車との交信がで
きる。
【0026】請求項6の発明の列車保安制御システムで
は、自列車の車上無線送受信部が先行列車の車上無線送
受信部、後続列車の車上無線送受信部との間で時分割多
重伝送方式で信号を送受信する。したがって、信号送受
信のための設備コストを安価に抑えることができる。
【0027】請求項7の発明の列車保安制御システムで
は、自列車の車上無線送受信部が先行列車の車上無線送
受信部、後続列車の車上無線送受信部との間で周波数分
割多重伝送方式で信号を送受信する。したがって、信号
送受信を高速化することができる。
【0028】請求項8の発明の列車保安制御システムで
は、移動閉塞制御用の各機器の異常を検出した時には自
動的に固定閉塞方式の自動列車制御装置に切換える。こ
れによってシステムの信頼性、安全性を高めることがで
きる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説す
る。図1は本発明の列車保安制御システムの一実施例の
システム構成を示しており、従来からの固定閉塞方式と
共に本発明の特徴である移動閉塞方式を採用している。
線路側に10a〜10fの固定閉塞区間が設定されてお
り、線路に沿って、約1.5km長の漏洩同軸ケーブル
(LCXケーブル)12a〜12gが敷設されていて、
各LCXケーブル間には中継器13a〜13fが設置さ
れている。各列車11a〜11cには車上制御装置14
a〜14cが搭載されている。
【0030】車上制御装置14は図2に示すような構成
であり、従来の地上側の自動列車制御装置(ATC)か
ら信号を受信入力する受電器21、受電器21で受信し
た信号を復調するATC受信部22を備えていて、地上
のATC設備からの速度制限信号を受信処理する。23
は車上アンテナであり、LCXケーブル12a〜12g
との間で無線信号の送受信する。24は車上無線送受信
部であり、車上アンテナ23が送受信する無線信号の入
出力を行う。
【0031】図2において25は検出切換部であり、固
定閉塞側のATC受信部22と移動閉塞側の無線信号送
受信部24とのいずれを使用するかを切換える部分であ
る。26は現行のATC制御部である。27は走行制御
指令部であり、車上制御装置の中核をなす部分であり、
その詳しい機能を後述するが、この走行制御指令部27
の判断によって検出切換部25に固定閉塞方式/移動閉
塞方式いずれにするかの切換信号を与える。
【0032】28は予定走行情報部であり、走行路線に
おいて距離ベースに勾配、分岐、曲線、臨時工事などの
速度制限情報や駅の位置情報などを記憶していて、速度
距離演算部29から距離情報を得て、現停車駅から次駅
までの路線情報を走行制御指令部27に与える。なお、
この予定走行情報部28にICカードリーダを採用する
ことによって必要なときに情報を容易に入れ替えること
ができるようになる。
【0033】29は速度距離演算部であり、速度発電器
(SG)30の速度パルスをベースにして列車の速度演
算、距離演算を行い、走行制御指令部27にその結果を
出力すると共に予定走行情報部28にも与える。
【0034】31はパターン照査部であって、走行制御
指令部27の算出した速度パターンと列車の実速度との
照査を行い、ATCブレーキ回路32の制御を行う。3
3は与えられる走行パターンにしたがって列車自動運転
を実行する自動列車運転装置(ATO装置)であり、3
4はこのATO装置33に対して速度パターンを与える
ATOパターン発生部であり、走行制御指令部27の算
出した速度パターンを下回る速度で最も効率的な走行パ
ターンを演算して発生する。
【0035】35は主幹制御器(マスコン)、36はイ
ンタフェース部(I/F部)であって、通常、インタフ
ェース部36はATO装置33による運転指令を力行ブ
レーキ回路37に与えるが、マスコン35の操作があっ
たときにはマニュアル運転を優先させてマスコン35か
らの指令に応じて運転する論理が組み込まれている。列
車の速度制御は、上述したATCブレーキ回路32、A
TO装置33又はマスコン35からの指令に基づいて制
御される力行ブレーキ回路37のような速度制御部によ
り行われる。
【0036】走行制御指令部27は、 (1)これから走行する路線の速度制限情報(予定走行
情報部28からの入力情報) (2)現在走行中の列車の速度、距離情報(速度距離演
算部29からの入力情報) (3)現時点での路線状況(検出切換部25を介して地
上側の移動閉塞設備、固定閉塞設備から吸い上げられた
情報) の3種類の情報を収集し、先行列車との間隔を決定する
速度パターンを演算する。
【0037】39は接続切換判定部であり、走行制御指
令部27から自列車位置と中継器13a〜13fのうち
の直前方の中継器までの距離と自列車の停止可能距離と
の関係から前方の中継器の接続の必要性を判定し、前方
の中継器の接続が必要になったときに車上無線送受信部
24を通じて接続指令を出力し、逆に直後方の中継器の
接続の必要性が無くなったときに車上無線送受信部24
を通じて切断指令を出力する。
【0038】LCXケーブル12a〜12gのケーブル
間の中継器13a〜13fは、図3に示す構成である。
以下、説明中、LCXケーブルを符号12で示し、中継
器を符号13で示す。図3において、41は地上アンテ
ナであり、42はこの地上アンテナ41に無線信号の入
出力を行う地上送受信部である。43はLCXケーブル
12,12間の接続、切断を行うと共にケーブルに流れ
る信号の増幅を行う増幅器、44は電源、45は接続、
切断の切換指令を与える切換部である。
【0039】中継器13の地上送受信部42は、周波数
チャンネルを切換えるチャンネルセレクト部46、信号
復調部47、復調信号の誤り訂正、復号化を行う誤り訂
正復号化部48、中継器13によるLCXケーブル1
2,12間の接続、切断の判定を行う判定制御部49を
受信系統として備え、送信系統として誤り訂正符号化部
50、変調部51を備えている。
【0040】次に、上記構成の列車保安制御システムの
動作について説明する。図4に示すように、約1.5k
mのLCXケーブル12上において列車11は、次の中
継器13との間の距離が少なくとも自列車が最大速度か
ら停止可能なブレーキ距離d(車両構造規則では在来線
で600m以内に停止することが決められているが、列
車車種ごとに独自の距離を有する)に余裕距離lxを加
えた距離Sになった位置で、車上制御装置14が1つの
周波数f1の信号を用いて接続要求(ON)信号を出力
する。このとき、車上制御装置14は中継器13から別
の周波数f0の信号を用いて切断中(OFF)の信号を
受信していなければならない。あるいは、f0の信号の
受信がない時には切断状態であると判断する機能を設定
しておく。
【0041】車上制御装置14からの信号は車上無線送
受信部24、車上アンテナ23から無線信号としてLC
Xケーブル12へ送信され、LCXケーブル12から中
継器13へ伝えられる。
【0042】中継器13では、地上アンテナ41がLC
Xケーブル12からの接続要求信号を受信し、チャンネ
ルセレクト部46で周波数をセレクトし、復調部47、
誤り訂正復号化部48を経て判定制御部49に伝達され
る。判定制御部49はこの受信信号に基づいて接続判定
を行い、切換部45に接続切換指令を与え、電源44の
電力を増幅部43に供給するようにして中継器13をオ
ンして、前後のLCXケーブル12,12間を1本のケ
ーブルとなるように接続し、同時に信号増幅も行うよう
にする。
【0043】これと同時に、判定制御部49は誤り訂正
符号化部50、変調部51、チャンネルセレクト部46
を通して地上アンテナ41から周波数f0の信号を用い
て「接続中」を示す信号を出力する。この信号はLCX
ケーブル12で受信されて伝播し、列車11の車上制御
装置14の車上無線送受信部24が車上アンテナ23を
介してLCXケーブル12からの漏洩信号を受信し、前
方の中継器13が接続状態(ON)になったことを検出
切換部25に与え、検出切換部25はその信号を走行制
御指令部27に与える。
【0044】次に、図5に示すように列車11が中継器
13をONにして、前方の新しいLCXケーブル12の
エリアに入り、その列車11の最後部が中継器13を完
全に通り抜けたことを確認してから車上制御装置14よ
り中継器13に対して例えば、周波数f1の信号を用い
て「切断要求」を出力する。
【0045】中継器13はこの切断要求信号を受信すれ
ば、上記と同じ経路で電源44を増幅部43から切り離
し、ON状態からOFF状態にして後方のLCXケーブ
ルを切り離す。これと同時に、周波数f0の信号を用い
て「切断中」を示す信号をLCXケーブル12に出力す
る。
【0046】こうして、列車11の車上制御装置14か
ら中継器13のON/OFFをコントロールする。
【0047】次に、先行列車の存在検出と速度制御の動
作について説明する。図6に示すように、先行列車11
aが中継器13の先のLCXケーブル12aの区間を走
行し、後続列車11bが中継器13よりも後方のLCX
ケーブル12bの区間を走行している状態にあった場
合、後続列車11bが中継器13をONにするまでは、
先行列車11aによって中継器13はOFFされた状態
にあり、中継器13の前後のLCXケーブル12a,1
2b間は切断状態にある。したがって、この状態では先
行列車11aと後続列車11bとの間での交信はできな
い。もっとも、後続列車11bはLCXケーブル12b
を通じて中継器13とは交信できる。
【0048】そこで後続列車11bの車上制御装置14
bは、中継器13の地点情報と自列車の距離情報をもと
にして中継器13までの距離を監視していて、中継器1
3からの距離Sが上述した停止可能なブレーキ距離db
に余裕距離lxを加えた距離になった位置で中継器13
をONにして前後のLCXケーブル12a,12b間を
接続する。この接続によって前後のLCXケーブル12
a,12b間は中継器13を介して1本のケーブルのよ
うになり、先行列車11aと後続列車11bとの間の交
信が可能となる。このとき、信号は減衰しないように中
継器13によって増幅される。
【0049】そこで、後続列車11bが先行列車11a
を認識した時点で直ちに先行列車11aまでの距離Sab
を検出し、その車間距離Sabに見合う速度パターン18
abを演算し、それにしたがってATO装置33を働かせ
る。このときの速度パターンは、例えば、車間距離Sab
から余裕距離lxを引いた距離dabが前述した停止可能
なブレーキ距離dbまで縮まるまでは巡航速度とし、距
離dabがブレーキ距離dbまで縮まれば1段ブレーキを
かける速度パターンとすることができる。
【0050】先行列車11aと後続列車11bとの間の
通信は、先行列車11aが自列車のキロ程位置、状態信
号(力行、ブレーキ、惰行、停止状態)、速度信号など
の情報を周波数f2の信号で後続列車11bに伝送し、
この信号を受信した後続列車11bは、周波数f3の信
号で先行列車11aに対して「データ受信済み」の意味
を含んだ「後続列車存在」信号を送信する。
【0051】ここで、先行列車11aは中継器13に対
して「切断要求信号」を出しているが、後続列車11b
が中継器13の手前に位置して「接続要求信号」を出し
ているので、中継器13はこの「接続要求信号」を優先
させて自器をONとする。そして、後続列車11bが中
継器13の位置を通り過ぎて「切断要求信号」を出し、
さらに後続の列車から「接続要求信号」を受信していな
い限り、この「切断要求信号」を受けてOFFにし、前
後のLCXケーブル12a,12b間の接続を切ること
になる。
【0052】以上の列車間、列車−中継器間の無線信号
の組合せは、次の表1の通りである。
【0053】
【表1】 上記の表1に基づき、基本機能のシーケンスが進行して
移動閉塞方式が実行される。
【0054】ここで中継器13に故障が発生すればLC
Xケーブル13を通じてその「故障中」の信号を受信し
た列車11の車上制御装置14は検出切換部25によっ
てATC系統に切換え、以後、現行のATCによる固定
閉塞方式によるATC制御に切換えて安全性を確保す
る。そして、正常な中継器13のエリアに入れば、再び
その列車は移動閉塞方式に切換えて走行する。
【0055】ここで、列車間通信、列車−中継器間通信
の態様を図7及び図8に基づいて説明する。図7はそれ
ぞれ2つの無線ゾーン15a,15bで列車11a,1
1b、列車11c,11dがそれぞれ先行列車、後続列
車として相互に交信している状況を示している。この場
合、無線ゾーン15a,15bそれぞれは独立している
ので、同一の周波数を用いて列車間通信を行う。つま
り、無線ゾーン15aにおける先行列車11aと後続列
車11bとの間では周波数f2,f3を用いて交信し、
同じように無線ゾーン15bにおける先行列車11cと
後続列車11dとの間でも周波数f2,f3を用いて交
信するのである。
【0056】図8は1つの無線ゾーン15cに先行列車
11a、中間列車11b、後続列車11cの3列車が入
り、相互に交信している状況を示している。この場合、
無線ゾーン15cにおいて先行列車11aから後続の2
列車11b,11cに対して自列車のIDも含めた先行
列車情報を周波数f2で送信し、同じく中間列車11b
も自列車IDを含めた先行列車情報を周波数f2で送信
する。そして、中間列車11bは先行列車11aに対し
て自列車IDも含めた後続列車信号を周波数f3で送信
し、後続列車11cは先行する2列車11a,11bに
対して自列車のIDを含めた後続列車信号を周波数f3
で送信する。
【0057】そこで、中間列車11bは先行列車11a
から先行列車情報を受けて上述の方法で速度制御する。
また最後尾を走る後続列車11cは先行する2列車11
a,11bから共に先行列車情報を受けるが、近い方の
列車、つまり中間列車11bからの先行列車情報を優先
させてその先行列車情報に基づいて速度制御する。
【0058】なお、この場合、先行列車11aによる中
継器13bに対する「切断要求信号」は、後続列車から
の後続列車信号を受けることによって出力を中止し、後
続する中間列車11bの「接続要求信号」が優先し、中
継器13bはON状態を維持することになる。また中間
列車11bが中継器13bの位置を完全に通過し終わっ
て「切断要求信号」を出力するようになっても、後続列
車11cとの交信でその出力を中止し、後続列車11c
から「接続要求信号」が出力されるので、中継器13b
はそのON状態は維持することになる。
【0059】またこの場合、周波数f2,f3によって
3列車が交信するために混信が発生する恐れがあるが、
それを避けるためには各列車毎のIDを与え、時分割多
重伝送方式を採用することができる。
【0060】3列車以上で同時に相互に交信する場合、
その混信を避ける他の伝送方式としては、周波数分割多
重伝送方式も知られている。この周波数分割多重伝送方
式を採用する場合には、図9に示すように各列車の車上
制御装置14a〜14cそれぞれには先行列車情報の出
力周波数としてf2とf4とを切換えて出力し、また後
続列車信号の出力周波数としてもf3とf5とを切換え
て出力することができるようにして、基本的には周波数
f2,f3を用いて先行列車情報、後続列車信号を出力
する設定にしておく。
【0061】そして各列車いずれも、それに先行する列
車から周波数f2で先行列車情報を受信すれば、自列車
から後続の列車に対して出力する先行列車情報は周波数
f4に自動的に切換えて出力するようにし(このとき、
その先行列車情報の受信に対する後続列車信号は周波数
f3で行う)、また先行列車情報を周波数f4で受信す
れば後続列車信号を自動的に周波数f5に切換えて出力
する(このとき、自列車から後続の列車に対する先行列
車情報は周波数f2で行う)。
【0062】そこで、これらの時分割多重伝送方式、周
波数分割多重伝送方式のいずれを採用するかは特に限定
されないが、経済性から見れば時分割多重伝送方式の方
が有利であり、高速性を重視するならば周波数分割伝送
方式を採用することができる。
【0063】こうして、この実施例の列車保安制御シス
テムでは、高密度運転、短時隔運転を可能とすると共
に、安全性の面でも従来と変わらぬ性能を維持すること
ができるようになる。図10は従来例の固定閉塞方式と
本発明の移動閉塞方式との性能の比較を示しているが、
本発明の場合、後続列車11bから先行列車11aまで
の距離Sが停止可能なブレーキ距離dに余裕分lxを加
えた距離に近づくまでは巡航速度を継続することがで
き、従来避けることができなかった図11に示したブレ
ーキ中の力行距離*1〜*3が必要ではなくなり、先行
列車11aに距離d´分だけ接近した走行が可能とな
り、高密度運転、短時隔運転が可能となるのである。ま
た、ブレーキパターンも車間距離がSとなったときに働
かせればよいので、多段に設定する必要がなく、1段ブ
レーキをかけるだけでよくなり、制御が簡素になる。
【0064】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
車上無線送受信部が線路に沿って敷設されている同軸漏
洩ケーブルとの間で信号電波の送受信を行い、走行制御
指令部が先行列車からの信号に基づいて定る先行列車位
置と自列車位置とから自列車と先行列車との車間距離を
算出し、この車間距離に基づいて速度パターンを求め、
速度制御部がこの速度パターンに基づいて速度制御を行
うようにしているので、従来の固定閉塞区間に制限され
ず、前方の列車との位置関係だけで速度制御することが
でき、高密度、短時隔運転が可能である。
【0065】請求項2の発明によれば、走行制御指令部
が自列車と先行列車との車間距離と自列車に設定されて
いる停止可能ブレーキ距離とに基づいて速度パターンを
算出し、それに基づいて速度制御部が速度制御するよう
にしているので、ブレーキ開始が必要な車間距離まで先
行列車に近づくまでは巡航速度で走行させ、ブレーキ開
始が必要な距離まで近づけば1段ブレーキ制御で安全に
停止させることができ、高密度運転、短時隔運転が可能
である。
【0066】請求項3の発明によれば、一定距離ずつの
漏洩同軸ケーブルの間に中継器を設置し、各列車の車上
制御装置に設けられた車上無線送受信部が前方の中継器
と交信し、接続切換判定部が中継器の位置と自列車の位
置との関係から中継器の接続、切断を判定して接続指令
又は切断指令を出力し、中継器に設けられている地上送
受信部がこの接続指令又は切断指令を漏洩同軸ケーブル
を介して受信し、中継器が前後の漏洩同軸ケーブル間の
接続、切断を行うようにしているので、交信する漏洩同
軸ケーブルからの信号電波を常に十分強度の高いものと
することができ、信号交信の信頼性を高く保つことがで
きる。
【0067】請求項4の発明によれば、漏洩同軸ケーブ
ル間の中継器が後続車両からの接続指令を優先させて接
続制御するようにしているので、中継器を介して接続さ
れ前後の漏洩同軸ケーブルを用いて先行列車と後続列車
との交信が確実に行える。
【0068】請求項5の発明によれば、接続切換判定部
が、自列車と前方の中継器までの間の距離が自列車のブ
レーキ距離に余裕距離を加えた必要間隔距離に達したと
きに接続指令を出力するようにしているので、中継器の
直前方に先行列車が存在するような場合でも安全な車間
距離を維持しながら先行列車との交信ができる。
【0069】請求項6の発明によれば、自列車の車上無
線送受信部が先行列車の車上無線送受信部、後続列車の
車上無線送受信部との間で時分割多重伝送方式で信号を
送受信するようにしているので、信号送受信のための設
備コストを安価に抑えることができる。
【0070】請求項7の発明によれば、自列車の車上無
線送受信部が先行列車の車上無線送受信部、後続列車の
車上無線送受信部との間で周波数分割多重伝送方式で信
号を送受信するようにしているので、信号送受信を高速
化することができる。
【0071】請求項8の発明によれば、移動閉塞制御用
の各機器の異常を検出した時には自動的に固定閉塞方式
の自動列車制御装置に切換えるようにしているので、シ
ステムの信頼性、安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシステム構成を示すブロッ
ク図。
【図2】上記実施例における車上制御装置のブロック
図。
【図3】上記実施例における中継器のブロック図。
【図4】上記実施例の車上制御装置による中継器の接続
制御動作を示す説明図。
【図5】上記実施例の車上制御装置による中継器の切断
制御動作を示す説明図。
【図6】上記実施例の先行列車−後続列車間の交信動作
を示す説明図。
【図7】上記実施例の先行列車−後続列車間の交信動作
の他の例を示す説明図。
【図8】上記実施例の先行列車−後続列車間の交信動作
のさらに他の例を示す説明図。
【図9】上記実施例における列車間交信に周波数分割多
重伝送方式を用いたときの動作を示す説明図。
【図10】上記実施例の車上制御装置の速度制御動作を
示す説明図。
【図11】従来例の固定閉塞方式の速度制御動作を示す
説明図。
【符号の説明】 10a,10b,10c,… 固定閉塞区間 11,11a,11b,11c,… 列車 12,12a,12b,12c,… 漏洩同軸ケーブル
(LCXケーブル) 13,13a,13b,13c,… 中継器 14,14a,14b,14c,… 車上制御装置 15a,15b,… 無線ゾーン 18,18a 速度パターン 21 受電器 22 ATC受信器 23 車上アンテナ 24 車上無線送受信部 25 検出切換部 26 ATC制御部 27 走行制御指令部 28 予定走行情報部 29 速度距離演算部 30 速度発電器 31 パターン照査部 33 ATO装置 34 ATOパターン発生部 35 マスコン 36 インタフェース部 39 接続切換判定部 41 地上アンテナ 42 地上送受信部 43 増幅部 44 電源 45 切換部 46 チャンネルセレクト部 47 復調部 48 誤り訂正復号化部 49 判定制御部 50 誤り訂正符号化部 51 変調部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線路に沿って敷設され、列車との間で信
    号電波の送受信を行う同軸漏洩ケーブルと、列車に搭載
    された移動閉塞制御装置とを備えて成る列車保安制御シ
    ステムであって、 前記移動閉塞制御装置が、前記同軸漏洩ケーブルとの間
    で信号電波の送受信を行う車上アンテナと、前記車上ア
    ンテナを通して入力される先行列車からの信号を受信す
    る先行列車信号受信部と、前記車上アンテナを通して後
    続列車に対して信号を送信する後続列車信号送信部と、
    前記先行列車信号受信部が受信した先行列車からの信号
    に基づいて先行列車位置を特定する先行列車位置判定部
    と、自列車位置を特定する自列車位置判定部と、先行列
    車位置と自列車位置から両車の車間距離を算出する車間
    距離演算部と、前記車間距離演算部が算出する先行列車
    との間の車間距離に基づいて自列車の速度パターンを算
    出する速度パターン演算部と、前記速度パターン演算部
    の算出する速度パターンに基づいて自列車の速度制御を
    行う速度制御部とを備えたことを特徴とする列車保安制
    御システム。
  2. 【請求項2】 前記速度パターン演算部が、前記先行列
    車との間の車間距離と自列車に設定されている停止可能
    ブレーキ距離とに基づいて速度パターンを算出すること
    を特徴とする請求項1記載の列車保安制御システム。
  3. 【請求項3】 前記漏洩同軸ケーブルが一定距離ずつ分
    断され、 前後のケーブル間にそれらのケーブル間の接続、切断を
    行う中継器が設置され、 前記中継器が前記同軸ケーブルを通して自器の存在を示
    す信号を出力し、各列車から前記同軸ケーブルを通して
    出力されてくる接続、切断指令を受信する信号送受信器
    を備え、 前記移動閉塞制御装置が、前記中継器との間で交信を行
    う中継器交信部と、前記中継器交信部が受信した中継器
    の位置と前記自列車位置判定部が特定した自列車位置と
    の関係から前記中継器の接続、切断の判定を行い、接続
    指令、切断指令を出力する接続切断判定部を備えて成る
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の列車保安制御シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 前記中継器が後続車両からの接続指令を
    優先させる接続切断切換部を備えて成ることを特徴とす
    る請求項3記載の列車保安制御システム。
  5. 【請求項5】 前記移動閉塞制御装置の接続切断判定部
    が、自列車と前方の中継器までの間の距離が自列車のブ
    レーキ距離に余裕距離を加えた必要間隔距離に達したと
    きに接続指令を出力することを特徴とする請求項3又は
    4記載の列車保安制御システム。
  6. 【請求項6】 前記移動閉塞制御装置の先行列車信号受
    信部及び後続列車信号送信部が時分割多重伝送方式で信
    号を送受信することを特徴とする請求項1〜5いずれか
    記載の列車保安制御システム。
  7. 【請求項7】 前記移動閉塞制御装置の先行列車信号受
    信部及び後続列車信号送信部が周波数多重伝送方式で信
    号を送受信することを特徴とする請求項1〜5いずれか
    記載の列車保安制御システム。
  8. 【請求項8】 線路に沿って固定閉塞の自動列車制御設
    備が設置され、 前記列車が前記自動列車制御設備と交信し、固定閉塞に
    よる自動列車制御を行う自動列車制御装置と、前記移動
    閉塞制御装置と、前記移動閉塞制御装置の各機器の異常
    を検出する異常検出部と、前記異常検出部が異常検出し
    たときに前記移動閉塞制御装置の動作を停止して前記自
    動列車制御装置に切換える制御方式切換部とを備えて成
    る請求項1〜7いずれか記載の列車保安制御システム。
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