JPH08705B2 - 高精度プレス成形用ガラス素材とその成形法及び成形された光学製品 - Google Patents
高精度プレス成形用ガラス素材とその成形法及び成形された光学製品Info
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- JPH08705B2 JPH08705B2 JP13860793A JP13860793A JPH08705B2 JP H08705 B2 JPH08705 B2 JP H08705B2 JP 13860793 A JP13860793 A JP 13860793A JP 13860793 A JP13860793 A JP 13860793A JP H08705 B2 JPH08705 B2 JP H08705B2
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- glass
- glass material
- mold
- press
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B11/00—Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
- C03B11/06—Construction of plunger or mould
- C03B11/08—Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
- C03B11/084—Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor
- C03B11/086—Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor of coated dies
-
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- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
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- C03B11/06—Construction of plunger or mould
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03B—MANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
- C03B2215/00—Press-moulding glass
- C03B2215/02—Press-mould materials
- C03B2215/08—Coated press-mould dies
- C03B2215/14—Die top coat materials, e.g. materials for the glass-contacting layers
- C03B2215/24—Carbon, e.g. diamond, graphite, amorphous carbon
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
Description
【産業上の利用分野】本発明は高い形状精度と滑らかな
面粗さを有する光学製品を製造する高精度プレス成形用
のガラス素材とその成形法及び成形された光学製品に関
するものである。
面粗さを有する光学製品を製造する高精度プレス成形用
のガラス素材とその成形法及び成形された光学製品に関
するものである。
【0001】
【従来の技術】従来より、レンズあるいはプリズム等の
光学製品は、最終段階での研磨作業が必須であり、該研
磨作業終了後に、製品として完成され、市場に出荷され
ていた。
光学製品は、最終段階での研磨作業が必須であり、該研
磨作業終了後に、製品として完成され、市場に出荷され
ていた。
【0002】しかし、近年においては高精度光学面を有
するレンズが最終段階での研磨作業なしに、直接プレス
によって製造できることが見出されるに至った。ここ
で、そのプレス成形法における条件の概略について説明
すると、ガラスの粘性は10の8乗〜10の12乗ポア
ズで、ガラスと金型の温度は等しく保持し、20秒以上
プレスすること等が高精度プレス成形法の条件として挙
げられる。
するレンズが最終段階での研磨作業なしに、直接プレス
によって製造できることが見出されるに至った。ここ
で、そのプレス成形法における条件の概略について説明
すると、ガラスの粘性は10の8乗〜10の12乗ポア
ズで、ガラスと金型の温度は等しく保持し、20秒以上
プレスすること等が高精度プレス成形法の条件として挙
げられる。
【0003】そして、いわゆるこの高精度プレス成形法
で使用される金型は耐熱性、耐酸化性、高強度を必要と
するため、シリコンカーバイト(SiC)等のセラッミ
クスが中性あるいは還元性雰囲気で使用されることとな
る。
で使用される金型は耐熱性、耐酸化性、高強度を必要と
するため、シリコンカーバイト(SiC)等のセラッミ
クスが中性あるいは還元性雰囲気で使用されることとな
る。
【0004】しかし、シリコンカーバイト(SiC)は
多結晶焼結物であるため、通常気孔が生じてしまう。金
型の表面に気孔が生じてしまうと、その気孔がレンズ面
にキズとして残留してしまうため、前述した高精度プレ
ス成形法においては気孔が生ずることは到底許されな
い。
多結晶焼結物であるため、通常気孔が生じてしまう。金
型の表面に気孔が生じてしまうと、その気孔がレンズ面
にキズとして残留してしまうため、前述した高精度プレ
ス成形法においては気孔が生ずることは到底許されな
い。
【0005】そこで通常、気孔を閉塞して滑らかな面を
得るため、金型の表面にはカーボン薄膜での被覆(カー
ボンコート)が施されるのである。そして、当該カーボ
ンコートとしては、グラファイト型カーボン或いはアモ
ルファスダイヤモンド型カーボンが施されるのが普通で
ある。
得るため、金型の表面にはカーボン薄膜での被覆(カー
ボンコート)が施されるのである。そして、当該カーボ
ンコートとしては、グラファイト型カーボン或いはアモ
ルファスダイヤモンド型カーボンが施されるのが普通で
ある。
【0006】カーボンコートはガラスと濡れにくく、か
つガラスとくっつかないという良好な特性を有するため
一般に使用されるが、ここで光学製品製造上問題となっ
ていたのは、カーボンコートが金型から剥がれてしまう
という現象であった。すなわち、カーボンコートされた
金型を繰り返し使用すると、このカーボンコートが金型
から剥がれてしまい、その結果、金型自体に破損がなく
とも、該金型寿命が短縮されてしまっていたのであっ
た。
つガラスとくっつかないという良好な特性を有するため
一般に使用されるが、ここで光学製品製造上問題となっ
ていたのは、カーボンコートが金型から剥がれてしまう
という現象であった。すなわち、カーボンコートされた
金型を繰り返し使用すると、このカーボンコートが金型
から剥がれてしまい、その結果、金型自体に破損がなく
とも、該金型寿命が短縮されてしまっていたのであっ
た。
【0007】そして、従来、前記金型は前記カーボンコ
ート膜の剥離のため、1万回程度の使用で交換しなけれ
ばならなかったのである。この様に、金型の耐久性が不
十分で多数の金型を必要とするため、光学製品の製造コ
ストが高くつき、高精度プレス成形法による光学製品の
製造は、最も高価な非球面レンズの製造にしか用いられ
ていないのが現状であった。
ート膜の剥離のため、1万回程度の使用で交換しなけれ
ばならなかったのである。この様に、金型の耐久性が不
十分で多数の金型を必要とするため、光学製品の製造コ
ストが高くつき、高精度プレス成形法による光学製品の
製造は、最も高価な非球面レンズの製造にしか用いられ
ていないのが現状であった。
【0008】
【発明解決しようとする課題】本発明は上記従来の課題
を解決するために創案されたものであり、金型からのカ
ーボンコートの剥離を完璧に防止することが出来、もっ
て高精度の光学製品を安価に提供できる高精度プレス成
形用ガラス素材、その高精度プレス成形法及び成形され
た光学製品を提供することを目的とするものである。
を解決するために創案されたものであり、金型からのカ
ーボンコートの剥離を完璧に防止することが出来、もっ
て高精度の光学製品を安価に提供できる高精度プレス成
形用ガラス素材、その高精度プレス成形法及び成形され
た光学製品を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1発明ではカーボン薄
膜で被覆された金型内に充填され、プレス成形されるガ
ラス素材であって、該ガラス素材には、ガラス組成中に
亜砒酸および/または酸化アンチモンを含有しないで構
成し、
膜で被覆された金型内に充填され、プレス成形されるガ
ラス素材であって、該ガラス素材には、ガラス組成中に
亜砒酸および/または酸化アンチモンを含有しないで構
成し、
【0010】また、第2発明では、カーボン薄膜で被覆
された金型内に充填され、プレス成形されるガラス素材
であって、該ガラス素材には、ガラス組成中に亜砒酸お
よび/または酸化アンチモンを0.1%以上含有しない
で構成し、
された金型内に充填され、プレス成形されるガラス素材
であって、該ガラス素材には、ガラス組成中に亜砒酸お
よび/または酸化アンチモンを0.1%以上含有しない
で構成し、
【0011】また、第3発明では、カーボン薄膜で被覆
された金型内に充填され、プレス成形されるガラス素材
であって、該ガラス素材は、ガラス組成中に亜砒酸およ
び/または酸化アンチモンを0.1%以上含有せず、か
つ硝酸塩原料を含有しないで構成し、
された金型内に充填され、プレス成形されるガラス素材
であって、該ガラス素材は、ガラス組成中に亜砒酸およ
び/または酸化アンチモンを0.1%以上含有せず、か
つ硝酸塩原料を含有しないで構成し、
【0012】第4発明では、ガラス組成中に亜砒酸およ
び/または酸化アンチモンを含まないガラス素材を、カ
ーボン薄膜で被覆された金型内に充填し、プレス成形し
て光学製品を創成し、
び/または酸化アンチモンを含まないガラス素材を、カ
ーボン薄膜で被覆された金型内に充填し、プレス成形し
て光学製品を創成し、
【0013】第5発明では、ガラス組成中に亜砒酸およ
び/または酸化アンチモンを0.1%以上含有しないガ
ラス素材を、カーボン薄膜で被覆された金型内に充填
し、プレス成形して光学製品を創成し、
び/または酸化アンチモンを0.1%以上含有しないガ
ラス素材を、カーボン薄膜で被覆された金型内に充填
し、プレス成形して光学製品を創成し、
【0014】第6発明では、ガラス組成中に亜砒酸およ
び/または酸化アンチモンを0.1%以上含有せず、か
つ硝酸塩原料を含まないガラス素材を、カーボン薄膜で
被覆された金型内に充填し、プレス成形して光学製品を
創成し、
び/または酸化アンチモンを0.1%以上含有せず、か
つ硝酸塩原料を含まないガラス素材を、カーボン薄膜で
被覆された金型内に充填し、プレス成形して光学製品を
創成し、
【0015】第7発明では、ガラス組成中に亜砒酸およ
び/または酸化アンチモンを含まないガラス素材と、該
ガラス素材が充填されるカーボン薄膜で被覆された金型
と、を用い、前記金型内でプレス成形して創成され、
び/または酸化アンチモンを含まないガラス素材と、該
ガラス素材が充填されるカーボン薄膜で被覆された金型
と、を用い、前記金型内でプレス成形して創成され、
【0016】第8発明ではガラス組成中に亜砒酸および
/または酸化アンチモンを0.1%以上含有しないガラ
ス素材と、該ガラス素材が充填されるカーボン薄膜で被
覆された金型と、を用い、前記金型内でプレス成形して
創成され、
/または酸化アンチモンを0.1%以上含有しないガラ
ス素材と、該ガラス素材が充填されるカーボン薄膜で被
覆された金型と、を用い、前記金型内でプレス成形して
創成され、
【0017】第9発明では、ガラス組成中に亜砒酸およ
び/または酸化アンチモンを0.1%以上含有せず、か
つ硝酸塩原料を含まないガラス素材と、該ガラス素材が
充填されるカーボン薄膜で被覆された金型と、を用い、
前記金型内でプレス成形して創成されて構成されている
ものである。
び/または酸化アンチモンを0.1%以上含有せず、か
つ硝酸塩原料を含まないガラス素材と、該ガラス素材が
充填されるカーボン薄膜で被覆された金型と、を用い、
前記金型内でプレス成形して創成されて構成されている
ものである。
【0018】
【作用】金型のカーボン薄膜の耐久性を増すために、ガ
ラス組成中亜砒酸、酸化アンチモンが0.1%以上含有
しないガラス素材を用いることにより、ガラスによるカ
ーボン膜の酸化が防止され、カーボン膜は侵蝕されるこ
となく、カーボン膜は長く保持され、ガラスとの濡れを
防ぎ、金型寿命を長期間とすることが出来る。
ラス組成中亜砒酸、酸化アンチモンが0.1%以上含有
しないガラス素材を用いることにより、ガラスによるカ
ーボン膜の酸化が防止され、カーボン膜は侵蝕されるこ
となく、カーボン膜は長く保持され、ガラスとの濡れを
防ぎ、金型寿命を長期間とすることが出来る。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。先
ず、本発明を創案する上で重要であったのは、何故カー
ボンコートが金型から剥離するかということである。
ず、本発明を創案する上で重要であったのは、何故カー
ボンコートが金型から剥離するかということである。
【0020】本件発明者はガラスとカーボンコートの界
面反応に注目し、ガラスと金型との反応を促進するた
め、プレス温度よりも高い温度でガラスと金型とを接触
させた。例えば、アモルファスダイヤモンド型カーボン
薄膜を施した金型の上に約7ミリメートル角状の立方体
のガラス片を載せ、750℃、900℃、1250℃に
加熱し、フォーミングガラス中で1時間保持した。
面反応に注目し、ガラスと金型との反応を促進するた
め、プレス温度よりも高い温度でガラスと金型とを接触
させた。例えば、アモルファスダイヤモンド型カーボン
薄膜を施した金型の上に約7ミリメートル角状の立方体
のガラス片を載せ、750℃、900℃、1250℃に
加熱し、フォーミングガラス中で1時間保持した。
【0021】使用した光学ガラスは重クラウンガラス
で、SiO2、B2 O3、BaO等の他に、脱泡剤として
As2 O3 及びSb2 O3 を0.2%含み、BaOの原
料としては硝酸塩と炭酸塩を含むものであった。
で、SiO2、B2 O3、BaO等の他に、脱泡剤として
As2 O3 及びSb2 O3 を0.2%含み、BaOの原
料としては硝酸塩と炭酸塩を含むものであった。
【0022】その結果、750℃(ガラス粘性約10の
5乗ポアズ)では金型と接したガラス面は曇ってしま
い、900℃(ガラス粘性約10の3乗〜10の4乗ポ
アズ)ではガラス全体が泡で満たされ、一部のカーボン
薄膜は剥離してガラス面上に浮かんでいた。
5乗ポアズ)では金型と接したガラス面は曇ってしま
い、900℃(ガラス粘性約10の3乗〜10の4乗ポ
アズ)ではガラス全体が泡で満たされ、一部のカーボン
薄膜は剥離してガラス面上に浮かんでいた。
【0023】さらに、1250℃(ガラス粘性約10の
2乗ポアズ)では、泡が浮上し、僅か大きな泡が認めら
れた。また、いずれの温度においてもガラス素材に接し
たカーボンコート面は化学反応を起こし、金属光沢を失
っていた。
2乗ポアズ)では、泡が浮上し、僅か大きな泡が認めら
れた。また、いずれの温度においてもガラス素材に接し
たカーボンコート面は化学反応を起こし、金属光沢を失
っていた。
【0024】そして、1250℃ではガラス素材は金型
面に完全に融着していた。本件発明者は泡の原因がカー
ボン膜とガラスとの反応であると推察し、 2C+O2 →2CO なる反応が起こっていると考えた。
面に完全に融着していた。本件発明者は泡の原因がカー
ボン膜とガラスとの反応であると推察し、 2C+O2 →2CO なる反応が起こっていると考えた。
【0025】問題はO2 がどこから生じたかである。ガ
ラスは酸化物であるのでSiO2 やB2O3 等の酸素が
カーボンと接触し反応することも考えられるが、最も容
易に起こるのは2つ以上の原子価を有するイオン、例え
ば亜砒酸が As2O5 →As2O3+O2 なる反応によって原子価が5価から3価に変化すること
により酸素を放出することである。
ラスは酸化物であるのでSiO2 やB2O3 等の酸素が
カーボンと接触し反応することも考えられるが、最も容
易に起こるのは2つ以上の原子価を有するイオン、例え
ば亜砒酸が As2O5 →As2O3+O2 なる反応によって原子価が5価から3価に変化すること
により酸素を放出することである。
【0026】そこで、この可能性のある亜砒酸、酸化ア
ンチモンをガラス組成から除いたガラス素材を作り、9
00℃で同じ実験を行ったところ、いかなる発泡性もな
く、ガラスと接触したカーボンコート面は金属光沢を示
し、化学反応が起こっていないことを示した。
ンチモンをガラス組成から除いたガラス素材を作り、9
00℃で同じ実験を行ったところ、いかなる発泡性もな
く、ガラスと接触したカーボンコート面は金属光沢を示
し、化学反応が起こっていないことを示した。
【0027】このようにガラス原料から通常脱泡剤とし
て用いられる亜砒酸、酸化アンチモンを除くことによ
り、カーボンコートの剥離は完全に防止されることが立
証された。
て用いられる亜砒酸、酸化アンチモンを除くことによ
り、カーボンコートの剥離は完全に防止されることが立
証された。
【0028】勿論ガラス素材として硝酸塩を用いるとO
2を発生させる恐れがあるので、硝酸塩の代わりに炭酸
塩を用いることが望ましい。硝酸塩を用いない場合に
は、若干脱泡速度が遅くなるのみである。光学ガラスの
種類は約200種類があり、この約200種類の光学ガ
ラスには亜砒酸および/または酸化アンチモンが通常
0.3%〜0.5%脱泡剤として含まれている。
2を発生させる恐れがあるので、硝酸塩の代わりに炭酸
塩を用いることが望ましい。硝酸塩を用いない場合に
は、若干脱泡速度が遅くなるのみである。光学ガラスの
種類は約200種類があり、この約200種類の光学ガ
ラスには亜砒酸および/または酸化アンチモンが通常
0.3%〜0.5%脱泡剤として含まれている。
【0029】しかし、脱泡剤がなくても溶融技術により
脱泡できれば、亜砒酸、酸化アンチモンをガラス組成か
ら完全に取り除くことが可能であり、どうしても泡が切
れない場合は、ガラス原料中の亜砒酸、酸化アンチモン
量を0.1%以下にしても、脱泡出来るものである。
脱泡できれば、亜砒酸、酸化アンチモンをガラス組成か
ら完全に取り除くことが可能であり、どうしても泡が切
れない場合は、ガラス原料中の亜砒酸、酸化アンチモン
量を0.1%以下にしても、脱泡出来るものである。
【0030】すなわち、融点の低い重バリウムクラウン
やランタンガラスのように、脱泡剤がなくとも溶融温度
を上げたり、溶融時間を延長することにより、脱泡する
ことができる。従って、As2O3やSb2O3をガラス組
成から完全に取り除いても構わないものである。
やランタンガラスのように、脱泡剤がなくとも溶融温度
を上げたり、溶融時間を延長することにより、脱泡する
ことができる。従って、As2O3やSb2O3をガラス組
成から完全に取り除いても構わないものである。
【0031】また、融点の高いガラス(例えばホウケイ
サンガラス)については比較的泡が切れにくいとの現象
があるが、このようなガラスの場合には、ガラス組成中
のAs2O3やSb2O3の量を0.1%以下にして添加
し、溶融温度を上げたり、溶融時間を延ばしたりしする
ことにより脱泡効果を向上させることができる。
サンガラス)については比較的泡が切れにくいとの現象
があるが、このようなガラスの場合には、ガラス組成中
のAs2O3やSb2O3の量を0.1%以下にして添加
し、溶融温度を上げたり、溶融時間を延ばしたりしする
ことにより脱泡効果を向上させることができる。
【0032】そして、ガラス素材の高精度プレス成形法
に使用される金型の寿命は、カーボンコート膜の剥離の
ため、従来、1万回程度の寿命であったが、本発明によ
るガラス素材であると、金型におけるカーボン薄膜の剥
離は解消され、金型の耐用回数は大幅に長くなり、高精
度プレスにおいて最も高いコスト要因であった金型のコ
ストが低減し、プレス光学部品の採算性は飛躍的に向上
するものと期待される。
に使用される金型の寿命は、カーボンコート膜の剥離の
ため、従来、1万回程度の寿命であったが、本発明によ
るガラス素材であると、金型におけるカーボン薄膜の剥
離は解消され、金型の耐用回数は大幅に長くなり、高精
度プレスにおいて最も高いコスト要因であった金型のコ
ストが低減し、プレス光学部品の採算性は飛躍的に向上
するものと期待される。
【0033】さらに、本発明は、金型の耐久性を飛躍的
にアップさせ、金型のコストを低減できるので、一気に
生産性を向上できると考えられる。
にアップさせ、金型のコストを低減できるので、一気に
生産性を向上できると考えられる。
【0034】また、高精密プレスによる光学製品の製造
方法の利用分野としては非球面レンズの分野にとどまら
ず、大量生産される一般の光学レンズ、高度な精密研磨
を要するガラス基板(例えば、コンピュータ用フォトマ
スク、メモリーディスク、液晶基板)、眼鏡レンズ、コ
ンタクトレンズ等にも利用されることは言うまでもな
い。
方法の利用分野としては非球面レンズの分野にとどまら
ず、大量生産される一般の光学レンズ、高度な精密研磨
を要するガラス基板(例えば、コンピュータ用フォトマ
スク、メモリーディスク、液晶基板)、眼鏡レンズ、コ
ンタクトレンズ等にも利用されることは言うまでもな
い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は以上の構
成よりなり、本発明による高精度プレス成形用ガラス素
材及びその成形法によれば、金型からのカーボンコート
の剥離を完璧に防止することが出来、もって高精度の光
学製品を安価に提供することができる。
成よりなり、本発明による高精度プレス成形用ガラス素
材及びその成形法によれば、金型からのカーボンコート
の剥離を完璧に防止することが出来、もって高精度の光
学製品を安価に提供することができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 カーボン薄膜で被覆された金型内に充填
され、プレス成形されるガラス素材であって、 該ガラス素材は、ガラス組成中に亜砒酸および/または
酸化アンチモンを含まないことを特徴とする高精度プレ
ス成形用ガラス素材。 - 【請求項2】 カーボン薄膜で被覆された金型内に充填
され、プレス成形されるガラス素材であって、 該ガラス素材は、ガラス組成中に亜砒酸および/または
酸化アンチモンを0.1%以上含有しないことを特徴と
する高精度プレス成形用ガラス素材。 - 【請求項3】 カーボン薄膜で被覆された金型内に充填
され、プレス成形されるガラス素材であって、 該ガラス素材は、ガラス組成中に亜砒酸および/または
酸化アンチモンを0.1%以上含有せず、かつ硝酸塩原
料を含有しないことを特徴とする高精度プレス成形用ガ
ラス素材。 - 【請求項4】 ガラス組成中に亜砒酸および/または酸
化アンチモンを含まないガラス素材を、カーボン薄膜で
被覆された金型内に充填し、プレス成形して光学製品を
創成することを特徴とするガラス素材の高精度プレス成
形法。 - 【請求項5】 ガラス組成中に亜砒酸および/または酸
化アンチモンを0.1%以上含有しないガラス素材を、
カーボン薄膜で被覆された金型内に充填し、プレス成形
して光学製品を創成することを特徴とするガラス素材の
高精度プレス成形法。 - 【請求項6】 ガラス組成中に亜砒酸および/または酸
化アンチモンを0.1%以上含有せず、かつ硝酸塩原料
を含まないガラス素材を、カーボン薄膜で被覆された金
型内に充填し、プレス成形して光学製品を創成すること
を特徴とするガラス素材の高精度プレス成形法。 - 【請求項7】 ガラス組成中に亜砒酸および/または酸
化アンチモンを含まないガラス素材と、 該ガラス素材が充填されるカーボン薄膜で被覆された金
型と、 を用い、 前記金型内でプレス成形して創成された、ことを特徴と
する光学製品。 - 【請求項8】 ガラス組成中に亜砒酸および/または酸
化アンチモンを0.1%以上含有しないガラス素材と、 該該ガラス素材が充填されるカーボン薄膜で被覆された
金型と、 を用い、 前記金型内でプレス成形して創成された、ことを特徴と
する光学製品。 - 【請求項9】 ガラス組成中に亜砒酸および/または酸
化アンチモンを0.1%以上含有せず、かつ硝酸塩原料
を含まないガラス素材と、 該ガラス素材が充填されるカーボン薄膜で被覆された金
型と、 を用い、 前記金型内でプレス成形して創成された、ことを特徴と
する光学製品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13860793A JPH08705B2 (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | 高精度プレス成形用ガラス素材とその成形法及び成形された光学製品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13860793A JPH08705B2 (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | 高精度プレス成形用ガラス素材とその成形法及び成形された光学製品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06345461A JPH06345461A (ja) | 1994-12-20 |
JPH08705B2 true JPH08705B2 (ja) | 1996-01-10 |
Family
ID=15226044
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13860793A Expired - Lifetime JPH08705B2 (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | 高精度プレス成形用ガラス素材とその成形法及び成形された光学製品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08705B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3820486B2 (ja) | 1995-09-18 | 2006-09-13 | Hoya株式会社 | ガラス光学素子の製造方法 |
JP4944128B2 (ja) * | 2006-12-26 | 2012-05-30 | 株式会社メニコン | 眼用レンズの製造方法及び装置 |
JP2010013292A (ja) * | 2008-06-30 | 2010-01-21 | Ohara Inc | ガラス成形体の製造方法、及びガラス成形体の曇り低減方法 |
-
1993
- 1993-06-10 JP JP13860793A patent/JPH08705B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH06345461A (ja) | 1994-12-20 |
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