JP2010013292A - ガラス成形体の製造方法、及びガラス成形体の曇り低減方法 - Google Patents

ガラス成形体の製造方法、及びガラス成形体の曇り低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プレス成形を行った後において、ガラス成形体の表面の凹凸や曇りを低減することのできるガラス成形体の製造方法、及びガラス成形体の曇り低減方法を提供する。
【解決手段】ガラス成形体の製造方法は、軟化したガラスに対して金型内でプレス成形を行うガラス成形体の製造方法において、Sb成分を実質的に含有しないガラスを用いるものである。また、ガラス成形体の曇り低減方法は、軟化したガラスに対する金型内でのプレス成形によって作製されるガラス成形体の曇り低減方法であって、プレス成形前のガラスに含まれるSb成分を低減するものである。
【選択図】なし

Description

本発明はガラス成形体の製造方法と、この製造方法により製造されたガラス成形体からなる光学素子、及び、ガラス成形体の曇り低減方法に関する。
近年、デジタルカメラやプロジェクタ等の光学機器の分野においては、小型化、軽量化が要求され、それに伴い、光学素子の小型化、使用レンズ枚数の低減が課題となっている。これに伴い、レンズ枚数の削減を図るため、高屈折率高分散ガラス等の光学ガラスから作製された非球面レンズを用いて光学設計することが主流になりつつある。
プレス成形によってガラス成形体を製造する方法としては、例えば特許文献1から4に開示された方法が知られている。特許文献1及び2には、厚板状のガラスを切断、研削、研磨して作製されるプリフォームから、プレス成形を用いてガラス成形体を製造する方法が記載されている。また、特許文献3及び4には、溶融ガラスを滴下することで得られる液滴状のプリフォームから、プレス成形を用いてガラス成形体を製造する方法が記載されている。
特開昭59−116137号公報 特公昭54−038126号公報 特開昭62−021720号公報 特開昭60−118639号公報
しかしながら、特許文献1〜4に開示されるようなプレス成形の手段によってガラス成形体を製造する場合、金型の形状を転写したガラス成形体の表面に凹凸や曇りが発生することがあった。表面に凹凸や曇りが発生したガラス成形体は、近年高まっている光学設計上の要求を満たすには不十分なものである。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、精密プレス成形をはじめとするプレス成形を行った後において、表面の凹凸や曇りを低減することのできるガラス成形体の製造方法、及びガラス成形体の曇り低減方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意試験研究を重ねた結果、ガラス成形体の表面への凹凸や曇りの原因が金型への付着物であり、この付着物の主成分がSb成分であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 軟化したガラスに対して金型内でプレス成形を行うガラス成形体の製造方法において、
Sb成分を実質的に含有しないガラスを用いるガラス成形体の製造方法。
(2) 前記ガラスが、酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%でSiO成分を70.0%以下含有している(1)記載のガラス成形体の製造方法。
(3) 前記ガラスが、酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%でLa成分を0〜50.0%さらに含有している(2)記載のガラス成形体の製造方法。
(4) 前記ガラスが、酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
成分 0〜40.0%及び/又は
成分 0〜60.0%及び/又は
Al成分 0〜10.0%及び/又は
成分 0〜25.0%及び/又は
Lu成分 0〜10.0%及び/又は
Gd成分 0〜25.0%及び/又は
Yb成分 0〜10.0%及び/又は
GeO成分 0〜10.0%及び/又は
TiO成分 0〜40.0%及び/又は
ZrO成分 0〜15.0%及び/又は
Nb成分 0〜50.0%及び/又は
Ta成分 0〜25.0%及び/又は
WO成分 0〜10.0%及び/又は
ZnO成分 0〜35.0%及び/又は
MgO成分 0〜10.0%及び/又は
CaO成分 0〜20.0%及び/又は
SrO成分 0〜25.0%及び/又は
BaO成分 0〜30.0%及び/又は
LiO成分 0〜15.0%及び/又は
NaO成分 0〜20.0%及び/又は
O成分 0〜15.0%及び/又は
Bi成分 0〜85.0%及び/又は
F成分 0〜10%
をさらに含有している(2)又は(3)記載のガラス成形体の製造方法。
(5) 前記ガラスが100℃以上640℃以下のガラス転移点(Tg)を有している(1)から(4)のいずれか記載のガラス成形体の製造方法。
(6) 前記ガラスとしてプリフォームを加熱して軟化したガラスを用いる(1)から(5)のいずれか記載のガラス成形体の製造方法。
(7) 前記ガラスとして100℃以上800℃以下に加熱して軟化したガラスを用いる(6)記載のガラス成形体の製造方法。
(8) 最表面層がPt、Au、Ir、Ni、Cr、Mo、Rh,Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Re及びCからなる元素群から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を含む保護膜が形成された前記金型を用いる(1)から(7)のいずれか記載のガラス成形体の製造方法。
(9) (1)から(8)のいずれかの製造方法により製造されたガラス成形体からなる光学素子。
(10) 軟化したガラスに対する金型内でのプレス成形によって作製されるガラス成形体の曇り低減方法であって、
プレス成形前のガラスに含まれるSb成分を低減するガラス成形体の曇り低減方法。
本発明によれば、Sb成分を実質的に含有しないガラスを用いることによって、金型に付着していた不純物が低減される。このため、プレス成形を行った後において、表面の凹凸や曇りを低減することのできるガラス成形体の製造方法、及びガラス成形体の曇り低減方法を提供することができる。
本発明のガラス成形体の製造方法は、軟化したガラスに対して金型内でプレス成形を行うガラス成形体の製造方法において、Sb成分を実質的に含有しないガラスを用いる。Sb成分を実質的に含有しないガラスを用いることによって、金型に付着していた不純物が低減される。このため、プレス成形を行った後のガラスでは、表面の凹凸や曇りを低減することができる。
また、本発明のガラス成形体の曇り低減方法は、軟化したガラスに対する金型内でのプレス成形によって作製されるガラス成形体の曇り低減方法であって、プレス成形前のガラスに含まれるSb成分を低減するものである。プレス成形前のガラスに含まれるSb成分を低減することによって、金型に付着していた不純物の主成分となっていたSb成分が低減され、金型に付着する不純物が低減される。このため、プレス成形を行った後のガラスでは、表面の凹凸や曇りを低減することができる。
以下、本発明のガラス成形体の製造方法及びガラス成形体の曇り低減方法の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の趣旨を限定するものではない。
[ガラス成分]
まず、本発明のガラス成形体の製造方法及びガラス成形体の曇り低減方法で用いられるガラスについて説明する。本発明で用いられるガラスは、Sb成分を実質的に含有せず、プレス成形を行うことのできるガラスである限り、特に限定されないが、その中でも、以下に述べるようなガラスを用いることが好ましい。
以下、本発明で用いられるガラスを構成する各成分の組成範囲を以下に述べる。本明細書中において、各成分の含有率は特に断りがない場合は、全て酸化物換算組成のガラス全質量に対する質量%で表示されるものとする。ここで、「酸化物換算組成」とは、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が溶融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総質量を100質量%として、ガラス中に含有される各成分を表記した組成である。
<必須成分、任意成分について>
SiO成分は、ガラス転移点(Tg)を高め、安定なガラス形成を促し、ガラスの耐失透性を高め、ガラスの化学的耐久性を高める成分である。一方、SiO成分の含有率を70.0%以下にすることで、ガラス融液の粘度の過剰な上昇が抑えられるため、Sb成分を含有しなくとも優れた溶融ガラスの脱泡性が維持できる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するSiO成分の含有率は、好ましくは70.0%、より好ましくは66.0%、最も好ましくは65.0%を上限とする。SiOを含有しないガラスであっても、本願発明の方法を使用することにより、精密プレス時の曇り低減を図ることは可能であるが、SiO成分の含有率を2.0%以上にすることで、ガラス転移点(Tg)が高まりプレス成形温度が上昇するが、不純物の原因物質が低減されているため、プレス成形後のガラスに対する凹凸や曇りの低減効果を得ることができる。この場合、酸化物換算組成のガラス全質量に対するSiO成分の含有率は、好ましくは2.0%、より好ましくは2.5%、最も好ましくは3.0%を下限とする。SiO成分は、原料として例えばSiO、KSiF、NaSiF等を用いてガラス内に含有することができる。
La成分は、溶融ガラスの粘性を小さくし、ガラスの屈折率を高めるとともに、ガラスの分散を小さくしてガラスのアッベ数を大きくする成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、La成分の含有率を50.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高めてガラスの失透を低減することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するLa成分の含有率は、好ましくは50.0%、より好ましくは45.0%、最も好ましくは42.0%を上限とする。なお、La成分を含有しなくとも技術的な不利益はないが、La成分を1.0%以上含有することで、溶融ガラスの粘性が小さくなり易いため、Sb成分を含有しなくとも優れた溶融ガラスの脱泡性を維持し易くなるという有利な効果が奏される。従って、この場合における酸化物換算組成のガラス全質量に対するLa成分の含有率は、好ましくは1.0%、より好ましくは3.0%、最も好ましくは5.0%を下限とする。La成分は、原料として例えばLa、La(NO・XHO(Xは任意の整数)等を用いてガラス内に含有することができる。
成分は、安定なガラスの形成を促し、ガラスの高い熱的安定性に寄与する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、B成分の含有率を40.0%以下にすることで、より大きな屈折率を得易くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するB成分の含有率は、好ましくは40.0%、より好ましくは37.0%、最も好ましくは35.0%を上限とする。B成分は、原料として例えばHBO、Na、Na・10HO、BPO等を用いてガラス内に含有することができるが、HBOの形態で導入することが好ましい。
成分は、ガラスの溶融性を向上する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、P成分の含有率を60.0%以下にすることで、ガラスの失透傾向を低減してガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するP成分の含有率は、好ましくは60.0%、より好ましくは10.0%、最も好ましくは1.0%を上限とする。P成分は、原料として例えばAl(PO、Ca(PO、Ba(PO、BPO、HPO等を用いてガラス内に含有することができる。
Al成分は、ガラスの化学的耐久性を向上し、溶融ガラスの耐失透性を向上する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、Al成分の含有率を10.0%以下にすることで、ガラスの失透傾向を弱めて、ガラスの安定性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するAl成分の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは9.0%、最も好ましくは8.0%を上限とする。Al成分は、原料として例えばAl、Al(OH)、AlF等を用いてガラス内に含有することができる。
成分は、ガラスの屈折率を高めるとともに、ガラスの分散を小さくしてガラスのアッベ数を大きくする成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、Y成分の含有率を25.0%以下にすることで、ガラスの所望の光学恒数が得易くなるとともに、ガラスの耐失透性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するY成分の含有率は、それぞれ好ましくは25.0%、より好ましくは22.0%、最も好ましくは20.0%を上限とする。Y成分は、原料として例えばY、YF、Gd、GdF、Yb等を用いてガラス内に含有することができる。
Lu成分は、ガラスの屈折率を高めるとともに、ガラスの分散を小さくしてガラスのアッベ数を大きくする成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、Lu成分の含有率を10.0%以下にすることで、ガラスの所望の光学恒数が得易くなるとともに、ガラスの耐失透性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するLu成分の含有率は、それぞれ好ましくは10.0%、より好ましくは8.0%、最も好ましくは5.0%を上限とする。Lu成分は、原料として例えばLu等を用いてガラス内に含有することができる。
Gd成分は、ガラスの屈折率を高めるとともに、ガラスの分散を小さくしてガラスのアッベ数を大きくする成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、Gd成分の含有率を25.0%以下にすることで、ガラスの所望の光学恒数が得易くなるとともに、ガラスの耐失透性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するGd成分の含有率は、それぞれ好ましくは25.0%、より好ましくは22.0%、最も好ましくは20.0%を上限とする。Gd成分は、原料として例えばGd、GdF等を用いてガラス内に含有することができる。
Yb成分は、ガラスの屈折率を高めるとともに、ガラスの分散を小さくしてガラスのアッベ数を大きくする成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、Yb成分の含有率を10.0%以下にすることで、ガラスの所望の光学恒数が得易くなるとともに、ガラスの耐失透性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するYb成分の含有率は、それぞれ好ましくは10.0%、より好ましくは8.0%、最も好ましくは6.0%を上限とする。Yb成分は、原料として例えばYb等を用いてガラス内に含有することができる。
GeO成分は、ガラスの耐失透性と屈折率を向上する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、GeO成分の含有率を10.0%以下にすることで、ガラスの材料コストを低減することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するGeO成分の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは8.0%、最も好ましくは6.0%を上限とする。GeO成分は、原料として例えばGeO等を用いてガラス内に含有することができる。
TiO成分は、ガラスの屈折率及びアッベ数を調整する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、TiO成分の含有率を40.0%以下にすることで、ガラスの着色を低減し、ガラスの耐失透性を高めることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するTiO成分の含有率は、好ましくは40.0%、より好ましくは38.0%、最も好ましくは35.0%を上限とする。TiO成分は、原料として例えばTiO等を用いてガラス内に含有することができる。
ZrO成分は、ガラスの屈折率を高め、耐失透性を向上する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、難溶融成分であるZrO成分の含有率を15.0%以下にすることで、ガラス製造時の溶解温度の上昇を抑え、エネルギー損失を低減することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するZrO成分の含有率は、好ましくは15.0%、より好ましくは12.0%、最も好ましくは10.0%を上限とする。ZrO成分は、原料として例えばZrO、ZrF等を用いてガラス内に含有することができる。
Nb成分は、ガラスの屈折率を高め、ガラスを安定化する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、Nb成分の含有率を50.0%以下にすることで、ガラス製造時の溶解温度の上昇を抑えることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するNb成分の含有率は、好ましくは50.0%、より好ましくは49.0%、最も好ましくは48.0%を上限とする。Nb成分は、原料として例えばNb等を用いてガラス内に含有することができる。
Ta成分は、ガラスの屈折率を高め、ガラスを安定化する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、Ta成分の含有率を25.0%以下にすることで、希少鉱物資源であるTa成分の使用量が低減されるため、ガラスの材料コストを低減することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するTa成分の含有率は、好ましくは25.0%、より好ましくは22.0%、最も好ましくは20.0%を上限とする。Ta成分は、原料として例えばTa等を用いてガラス内に含有することができる。
WO成分は、ガラスの屈折率及び分散を調整し、ガラスの耐失透性を向上する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、WO成分の含有率を10.0%以下にすることで、ガラスの着色を低減し、特に可視−短波長領域(500nm未満)における透過率を低下し難くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するWO成分の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは9.0%、最も好ましくは8.0%を上限とする。WO成分は、原料として例えばWO等を用いてガラス内に含有することができる。
ZnO成分は、ガラスの溶融性を向上する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、ZnO成分の含有率を35.0%以下にすることで、ガラスの高い熱的安定性を得易くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するZnO成分の含有率は、好ましくは35.0%、より好ましくは33.0%、最も好ましくは32.0%を上限とする。ZnO成分は、原料として例えばZnO、ZnF等を用いてガラス内に含有することができる。
MgO成分は、ガラスの屈折率を調整する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、MgO成分の含有率を10.0%以下にすることで、所望の屈折率を得易くし、ガラスの失透の発生を低減することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するMgO成分の含有率は、好ましくは10.0%、より好ましくは8.0%、最も好ましくは5.0%を上限とする。MgO成分は、原料として例えばMgCO、MgF等を用いてガラス内に含有することができる。
CaO成分は、ガラスの溶融性を改善する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、CaO成分の含有率を20.0%以下にすることで、所望の屈折率を得易くし、ガラスの失透を低減することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するCaO成分の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは18.0%、最も好ましくは17.0%を上限とする。CaO成分は、原料として例えばCaCO、CaF等を用いてガラス内に含有することができる。
SrO成分は、ガラスの屈折率を調整し、ガラスの失透性を改善する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、SrO成分の含有率を25.0%以下にすることで、所望の屈折率を得易くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するSrO成分の含有率は、好ましくは25.0%、より好ましくは24.0%、最も好ましくは23.0%を上限とする。SrO成分は、原料として例えばSr(NO、SrF等を用いてガラス内に含有することができる。
BaO成分は、ガラスの屈折率を調整し、ガラスの失透性を改善する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、BaO成分の含有率を30.0%以下にすることで、所望の屈折率を得易くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するBaO成分の含有率は、好ましくは30.0%、より好ましくは29.0%、最も好ましくは28.0%を上限とする。BaO成分は、原料として例えばBaCO、Ba(NO、BaF等を用いてガラス内に含有することができる。
LiO成分は、ガラスの溶融性を改善するとともに、ガラスを再加熱したときの失透を低減する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、LiO成分の含有率を15.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、ガラスの安定性を高めて失透等の発生を低減することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するLiO成分の含有率は、好ましくは15.0%、より好ましくは14.0%、最も好ましくは13.0%を上限とする。LiO成分は、原料として例えばLiCO、LiNO、LiF等を用いてガラス内に含有することができる。
NaO成分は、ガラスの溶融性を改善するとともに、ガラスを再加熱したときの失透を低減する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、NaO成分の含有率を20.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、ガラスの安定性を高めて失透等の発生を低減することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するNaO成分の含有率は、好ましくは20.0%、より好ましくは18.0%、最も好ましくは17.0%を上限とする。NaO成分は、原料として例えばNaCO、NaNO、NaF、NaSiF等を用いてガラス内に含有することができる。
O成分は、ガラスの溶融性を改善するとともに、ガラスの屈折率及びアッベ数を調整する成分であり、ガラス中の任意成分である。特に、KO成分の含有率を15.0%以下にすることで、ガラスの屈折率を低下し難くし、ガラスの安定性を高めて失透等の発生を低減することができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するKO成分の含有率は、好ましくは15.0%、より好ましくは13.0%、最も好ましくは12.0%を上限とする。KO成分は、原料として例えばKCO、KNO、KF、KHF、KSiF等を用いてガラス内に含有することができる。
Bi成分は、ガラスの屈折率を上げ、ガラスの屈伏温度(At)を下げる成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特に、Bi成分の含有率を85.0%以下にすることで、ガラスの安定性を高め、ガラスの透過率を低下し難くすることができる。従って、酸化物換算組成のガラス全質量に対するBi成分の含有率は、好ましくは85.0%、より好ましくは30.0%、最も好ましくは10.0%を上限とする。
F成分は、ガラスの分散を低くしつつ、転移温度(Tg)を低下させ、耐失透性を向上させるために有効な成分であり、本発明の光学ガラス中の任意成分である。特にF成分をLa成分と共存させることにより、高屈折率低分散の光学定数を有し、かつ、精密プレス成形が可能な低い転移温度(Tg)を有する、高屈折率低分散性の光学ガラスを得ることができる。本発明の光学ガラスにおいては、酸化物換算組成のガラス全質量に対するF成分の含有率は、上述した各元素の一種又は二種以上の酸化物の一部又は全部と置換した弗化物のFとしての合計量で、好ましくは10%、より好ましくは7%、最も好ましくは5%を上限として含有する。F成分は上述した各種酸化物の導入において、原料形態を弗化物にて導入した際に、ガラス中に導入される。
なお本明細書において、F成分の含有率を表す表記「各金属元素の一種又は二種以上の酸化物の一部又は全部と置換した弗化物のFとしての合計量」とは、本発明のガラス構成成分の原料として使用される酸化物、複合塩、金属弗化物等が熔融時に全て分解され酸化物へ変化すると仮定した場合に、当該生成酸化物の総質量に対する実際に含有されるF原子の質量を質量百分率で表したものである。
<含有すべきでない成分について>
次に、本発明で用いられるガラスに含有すべきでない成分、及び含有することが好ましくない成分について説明する。
Sb成分は、少量含有した場合でも、溶融ガラスから揮発して金型に不純物として付着し、ガラス成形体の表面に凹凸や曇りが発生する原因となる。このため、Sb成分を低減することにより、不純物の主成分となっていたSb成分がガラスから除去され、金型に付着する不純物が低減される。また、本発明では、Sb成分を実質的に含有しないガラスを用いることが好ましい。特に、プレス成形温度を高める場合には、金型への不純物の形成が顕著になるため、Sb成分を実質的に含まないことによる効果が顕著になる。
Tiを除く、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びMo等の各金属成分は、それぞれを単独又は複合して少量含有した場合でもガラスが着色し、可視域の特定の波長に吸収を生じる性質があるため、特に可視領域の波長を使用するガラス成形体を作製する場合は、実質的に含まないことが好ましい。
また、PbO等の鉛化合物及びAs等の砒素化合物は、環境負荷が高い成分であるため、実質的に含有しないこと、すなわち、不可避な混入を除いて一切含有しないことが望ましい。これにより、特別な環境対策上の措置を講じなくとも、このガラスを製造し、加工し、及び廃棄することができる。
さらに、Th、Cd、Tl、Os、Be、及びSeの各成分は、近年有害な化学物資として使用を控える傾向にあり、ガラスの製造工程のみならず、加工工程、及び製品化後の処分に至るまで環境対策上の措置が必要とされる。従って、環境上の影響を重視する場合には、これらを実質的に含有しないことが好ましい。
本発明で好ましく用いられるガラス組成物は、その組成が酸化物換算組成のガラス全質量に対する質量%で表されているため直接的にモル%の記載に表せるものではないが、本発明において要求される諸特性を満たすガラス組成物中に存在する各成分のモル%表示による組成は、酸化物換算組成で概ね以下の値をとる。
SiO成分 0〜70mol%及び/又は
La成分 0〜25mol%及び/又は
成分 0〜50mol%及び/又は
成分 0〜75mol%及び/又は
Al成分 0〜7mol%及び/又は
成分 0〜15mol%及び/又は
Lu成分 0〜5mol%及び/又は
Gd成分 0〜15mol%及び/又は
Yb成分 0〜5mol%及び/又は
GeO成分 0〜15mol%及び/又は
TiO成分 0〜30mol%及び/又は
ZrO成分 0〜15mol%及び/又は
Nb成分 0〜20mol%及び/又は
Ta成分 0〜10mol%及び/又は
WO成分 0〜5mol%及び/又は
ZnO成分 0〜45mol%及び/又は
MgO成分 0〜20mol%及び/又は
CaO成分 0〜25mol%及び/又は
SrO成分 0〜20mol%及び/又は
BaO成分 0〜15mol%及び/又は
LiO成分 0〜35mol%及び/又は
NaO成分 0〜20mol%及び/又は
O成分 0〜15mol%及び/又は
Bi成分 0〜60mol%及び/又は
F成分 0〜10mol%
[ガラスの物性]
本発明は、用いられるガラスに求められる特性、例えば熱的特性や光学特性を制限するものではないが、本発明は特に以下に示す特性を有するガラスを用いた場合に有効な方法であることが確認されている。ここで、ガラスの熱的性質としてガラス転移点(Tg)及び屈伏点(At)が挙げられ、ガラスの光学特性として屈折率(n)及びアッベ数(ν)が挙げられる。
本発明で用いられるガラスにおいて、ガラス転移点(Tg)は、好ましくは100℃、より好ましくは200℃、最も好ましくは300℃が下限とし、好ましくは640℃、より好ましくは630℃、最も好ましくは620℃を上限とする。ガラス転移点(Tg)が100℃以上のガラスを用いることにより、ガラスの化学的耐久性を高めることができる。一方で、プレス成形の温度は一般にガラス転移点(Tg)より高い温度に設定されることから、ガラス転移点(Tg)が640℃以下のガラスを用いることにより、より低い温度でのプレス成形が可能になり、金型の寿命をより長くすることができる。
また、本発明で用いられるガラスにおいて、屈伏点(At)は、好ましくは150℃、より好ましくは250℃、最も好ましくは450℃が下限とし、好ましくは690℃、より好ましくは680℃、最も好ましくは670℃を上限とする。屈伏点(At)は、ガラス転移点(Tg)と同様にガラスの軟化性を示す指標の一つであり、プレス成形温度に近い温度を示す指標である。そのため、屈伏点(At)が430℃以上のガラスを用いることにより、Sb成分を含有すると金型への不純物の形成反応が活発になり易いため、本発明の効果をより顕著にすることができる。また、屈伏点(At)が690℃以下のガラスを用いることにより、より低い温度でのプレス成形が可能になるため、より容易にプレス成形を行うことができる。
また、本発明で用いられるガラスの屈折率(n)は、好ましくは1.45、より好ましくは1.47、最も好ましくは1.50を下限とし、好ましくは2.10、より好ましくは2.00、最も好ましくは1.95を上限とする。また、本発明で用いられるガラスのアッベ数(ν)は、好ましくは10、より好ましくは15、最も好ましくは20を下限とし、好ましくは70、より好ましくは68、最も好ましくは66を上限とする。屈折率がこの範囲内にあるガラスを用いることにより、非球面レンズをはじめとした光学素子の薄型化を図ることができる。また、アッベ数がこの範囲内にあるガラスを用いることにより、単レンズであっても光の波長による焦点のずれ(色収差)が小さくなる。そのため、上記光学定数を有するガラスを用いることで、光学設計上有用な光学素子を作製することができ、特に光学系の小型化を図ることができる。
[ガラス成形体の製造方法]
上述のような組成を有するガラスから、例えば以下のようにしてプリフォームが作製される。すなわち、上記原料を各成分が所定の含有率の範囲内になるように均一に混合し、作製した混合物を白金坩堝、石英坩堝又はアルミナ坩堝に投入して粗溶融した後、白金坩堝又は金坩堝に投入し、ガラス組成の溶融難易度に応じて電気炉で900〜1500℃の温度範囲で1〜5時間溶融して攪拌均質化して溶融ガラスを作製する。この溶融ガラスを適当な温度に下げた鋳型に鋳込み、これを徐冷して得られる厚板状のガラスを切断、研削、研磨することで、プリフォームが作製される。或いは、この溶融ガラスをパイプから滴下して、得られたガラス滴を成形型で受けつつ、成形型の底部にガスを上向きに噴出してガラス滴をランダムな方向に回転することで、プリフォームが作製される。
このように作製したプリフォームについて、例えば上型、下型、スリーブ型を含む型部品により構成される金型で加熱により軟化してプレス成形を行う。ここで、金型の母材の材質、及び、金型の成形面に形成する保護膜の材質は、軟化したプリフォームに溶解しない材質である限りは特に限定されず、公知の材質を用いることができる。その中でも、金型の母材の材質はタングステンカーバイト(WC)やシリコンカーバイト(SiC)或いはステンレス合金等の公知の金型材料であることが好ましく、保護膜の材質は最表面層がPt、Au、Ir、Ni、Cr、Mo、Rh,Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Re及びCからなる元素群から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を含む材質であることが好ましい。金型の母材をこのような材料から作製することで、金型の母材が変形し難くなるため、金型の長寿命化を図ることができる。ただし、加工の容易性から金型の母材にステンレス合金等の金属を使用してもよい。また、保護膜を最表面層がPt、Au、Ir、Ni、Cr、Mo、Rh,Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Re及びCからなる元素群から選ばれる少なくとも1種類以上の元素から作製することで、軟化したガラスと保護膜との反応が抑えられるため、保護膜への不純物の付着をより低減することができる。なお、金型の成形面の表面粗さRmaxは、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、最も好ましくは0.01μm以下の平滑さを有する光学鏡面仕上げ面とすることにより、金型の成形面が転写されるガラス成形体の表面粗さが小さくなるため、プレス成形後の研磨工程を省略することができる。また、プリフォームの軟化は、金型内での加熱によるものに限定されない。
プレス成形は、例えば以下の手順で行われる。プリフォームをスリーブ型の貫通孔内に挿入した下型の成形面の中心に配置し、上型をスリーブ型の貫通孔内に挿入する。このとき、下型の成形面と上型の成形面とが対向するようにする。次に、プリフォームと金型とを一緒に加熱し、プリフォームを構成するガラスが軟化したところで、上型及び下型でプリフォームを加圧することでプレスを行う。これにより、プリフォームは型閉めした上型、下型、及びスリーブ型により囲まれたキャビティの内部に押し広げられるため、ガラスをキャビティの内部に充填し、キャビティの内面形状をガラスに転写することができる。ここで、ガラスを加熱して軟化する温度(プレス成形温度)は、好ましくは100℃、より好ましくは350℃、最も好ましくは500℃を下限とし、好ましくは800℃、より好ましくは730℃、最も好ましくは720℃を上限とする。これにより、プレス成形温度がガラス転移点(Tg)よりも高くなるため、ガラスの全体をより確実に軟化して所望の形状にプレス成形することができる。
ここで、金型は、型閉めした状態で上型、下型、及びスリーブ型の各成形面の相対位置や、成形面の法線のなす角度について精密に形成する。また、金型によるプレスが終了するまで、上型及び下型の向きが互いに対向し、かつ上型及び下型の中心軸が一致するように正確に維持する。これらにより、光学機能面や位置決め基準面が互いに高精度の位置関係、角度で形成されたガラス成形体を作製することができる。
[光学素子]
本発明は、様々な光学素子及び光学設計に有用なガラス成形体を作製することができるが、その中でも特に、レンズやプリズム等の光学素子を作製することが好ましい。金型に不純物が形成され難く、光学素子の表面に凹凸や曇りが発生し難くなるため、カメラやプロジェクタ等の光学機器に用いたときに、高精細で高精度な結像特性及び投影特性を実現することができる。
表1〜表6に、ガラス成形体の作製に用いられるガラスの組成、及び、これらのガラスの屈折率(n)、アッベ数(ν)、ガラス転移点(Tg)、及び屈伏点(At)を示す。なお、以下の実施例はあくまで例示の目的であり、これらの実施例のみ限定されるものではない。
ここで、表1〜表6のガラスの屈折率(n)及びアッベ数(ν)は、徐冷降温速度を−25℃/hにして得られたガラスについて測定を行うことで求めた値である。
また、表1〜表6のガラスのガラス転移点(Tg)及び屈伏点(At)は、示差熱測定装置(ネッチゲレテバウ社製 STA 409 CD)を用いた測定を行うことで求めた値である。なお、測定を行う際のサンプル粒度は425〜600μmであり、昇温速度を10℃/minとして測定している。
表1〜表6のガラスは、いずれも各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、弗化物、水酸化物、メタ燐酸化合物等の通常の光学ガラスに使用される高純度原料を選定し、表1〜表6の実施例(No.1〜No.56)に示す各組成の割合になるように秤量して均一に混合した後、白金坩堝に投入し、ガラス組成の熔融難易度に応じて電気炉で900〜1500℃の温度範囲で1〜5時間溶融した後、攪拌均質化してから金型等に鋳込み徐冷して、これらのガラスからなるプリフォームをそれぞれ作製した。
作製したプリフォームについて、上型、下型、及びスリーブ型により構成される金型で各々プレス成形を行った。金型は、母材がPt、Au、Ir、Ni、Cr、Mo、Rh,Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Re及びCからなる元素群から選ばれる少なくとも1種類以上からなり、上型及び下型の成形面が直径9mm、深さ0.5mm、曲率半径20mmの球面形状を有するものを用いた。この金型の成形面は表面粗さRmax0.03μmの平滑さを有する光学鏡面仕上げ面となっており、この成形面の上にはPtからなる厚さ0.3μmの保護膜が形成されている。
ここで、プリフォームをスリーブ型の中に挿入した下型の成形面の中心に配置し、上型をスリーブ型の貫通孔内に挿入して、下型の成形面と上型の成形面とが対向するようにした。金型に配置されたプリフォームを金型と一緒に300〜700℃に加熱し、プリフォームのガラスが軟化したところで、上型及び下型でプリフォームを加圧してプレス成形を行い、光学素子を作製した。
表1〜表6のガラスを用いて作成した光学素子について、表面への曇りの形成の有無を目視又は顕微鏡により確認し、表面に曇りが形成されなかった光学素子が作製されたものには◎印を、表面の一部に曇りが形成された光学素子が作製されたものには△印を、表面の全体に曇りが形成された光学素子が作製されたものには×印を、それぞれ表1〜表6の「曇り」欄に記載した。また、これら光学素子について、表面への凹凸の形成の有無を精密形状測定器(松下電器UAP3、タイラーボブソンタリサーフ)及び粗さ測定器(ZYGO NEW VIEW)により確認し、表面に凹凸が形成されなかった光学素子が作製されたものには◎印を、表面の一部に凹凸が形成された光学素子が作製されたものには△印を、表面の全体に凹凸が形成された光学素子が作製されたものには×印を、それぞれ表1〜表6の「凹凸」欄に記載した。
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その結果、実施例1〜56に記載された組成のガラスを用い、プレス成形により作製された光学素子は、プレス成形を行った後で表面に凹凸や曇りが生じなかった。一方、比較例1に記載された組成のガラスを用い、プレス成形により作製された光学素子は、プレス成形を行った後で表面に凹凸や曇りが生じた。このため、本発明のガラス成形体の製造方法によれば、成形されるガラス成形体の表面への凹凸や曇りを低減しつつ、様々な光学素子、すなわちレンズ及びプリズムの形状に安定的にプレス成形することができることが明らかになった。
以上、本発明を例示の目的で詳細に説明したが、本実施例はあくまで例示の目的のみであって、本発明の思想及び範囲を逸脱することなく多くの改変を当業者により成し得ることが理解されよう。

Claims (10)

  1. 軟化したガラスに対して金型内でプレス成形を行うガラス成形体の製造方法において、
    Sb成分を実質的に含有しないガラスを用いるガラス成形体の製造方法。
  2. 前記ガラスが、酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%でSiO成分を70.0%以下含有している請求項1記載のガラス成形体の製造方法。
  3. 前記ガラスが、酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%でLa成分を0〜50.0%さらに含有している請求項2記載のガラス成形体の製造方法。
  4. 前記ガラスが、酸化物換算組成のガラス全質量に対して、質量%で
    成分 0〜40.0%及び/又は
    成分 0〜60.0%及び/又は
    Al成分 0〜10.0%及び/又は
    成分 0〜25.0%及び/又は
    Lu成分 0〜10.0%及び/又は
    Gd成分 0〜25.0%及び/又は
    Yb成分 0〜10.0%及び/又は
    GeO成分 0〜10.0%及び/又は
    TiO成分 0〜40.0%及び/又は
    ZrO成分 0〜15.0%及び/又は
    Nb成分 0〜50.0%及び/又は
    Ta成分 0〜25.0%及び/又は
    WO成分 0〜10.0%及び/又は
    ZnO成分 0〜35.0%及び/又は
    MgO成分 0〜10.0%及び/又は
    CaO成分 0〜20.0%及び/又は
    SrO成分 0〜25.0%及び/又は
    BaO成分 0〜30.0%及び/又は
    LiO成分 0〜15.0%及び/又は
    NaO成分 0〜20.0%及び/又は
    O成分 0〜15.0%及び/又は
    Bi成分 0〜85.0%及び/又は
    F成分 0〜10%
    をさらに含有している請求項2又は3記載のガラス成形体の製造方法。
  5. 前記ガラスが100℃以上640℃以下のガラス転移点(Tg)を有している請求項1から4のいずれか記載のガラス成形体の製造方法。
  6. 前記ガラスとしてプリフォームを加熱して軟化したガラスを用いる請求項1から5のいずれか記載のガラス成形体の製造方法。
  7. 前記ガラスとして100℃以上800℃以下に加熱して軟化したガラスを用いる請求項6記載のガラス成形体の製造方法。
  8. 最表面層がPt、Au、Ir、Ni、Cr、Mo、Rh,Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Re及びCからなる元素群から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を含む保護膜が形成された前記金型を用いる請求項1から7のいずれか記載のガラス成形体の製造方法。
  9. 請求項1から8のいずれかの製造方法により製造されたガラス成形体からなる光学素子。
  10. 軟化したガラスに対する金型内でのプレス成形によって作製されるガラス成形体の曇り低減方法であって、
    プレス成形前のガラスに含まれるSb成分を低減するガラス成形体の曇り低減方法。
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