JP2006052119A - リン酸塩光学ガラス、精密プレス成形用プリフォームおよびその製造方法、光学素子およびその製造方法 - Google Patents

リン酸塩光学ガラス、精密プレス成形用プリフォームおよびその製造方法、光学素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】精密プレス成形に適した低温軟化性、優れた耐候性を有し、加えて優れた失透安定性をも備える低分散性リン酸塩光学ガラス、前記ガラスによって構成された精密プレス成形用プリフォームおよびその製造方法、上記光学特性ならびに優れた耐候性を有するガラス製の光学素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】アッベ数(νd)が59超のリン酸塩光学ガラス。前記リン酸塩光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームおよびその製造方法。前記リン酸塩光学ガラスよりなる光学素子およびその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はアッベ数(νd)が59超かつ70未満で精密プレス成形に適したリン酸塩光学ガラス、および前記ガラスからなる精密プレス成形用プリフォーム、更に、アッベ数(νd)が59超のリン酸塩光学ガラスからなる精密プレス成形用プリフォームとその製造方法、ならびに前記ガラスからなる光学素子とその製造方法に関する。
低分散ガラスは様々な光学素子の材料として使用される有用な光学ガラスである。例えば、特許文献1には、アッベ数(νd)が約60〜73の低分散ガラスが開示されている。一方、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話等の撮像機器の普及により、少ない枚数のレンズ構成によって撮像光学系を小型化する要求が高まっており、それに伴い非球面レンズに対する需要も高まっている。
研削、研磨による製造ではコストが高くなる非球面レンズ等の光学素子を高い生産性のもとに量産する方法として、精密プレス成形法が知られている。精密プレス成形法には低温軟化性および耐候性を備えるガラスが必要であるが、従来の低分散性ガラスは耐候性に乏しく、精密プレス用成形ガラスとして用いることができなかった。
特開昭60-171244号公報
そこで、本発明は、アッベ数(νd)が59超かつ70未満の低分散性のリン酸塩光学ガラスであって、精密プレス成形に適した低温軟化性、優れた耐候性を有し、加えてプリフォームを流出する熔融ガラスから直接成形する熱間成形に適した、優れた失透安定性をも備えるリン酸塩光学ガラスを提供することを目的とする。
更に、本発明は、前記リン酸塩光学ガラスまたはアッベ数(νd)が59超のリン酸塩光学ガラスによって構成され、上記光学特性を有する光学素子を精密プレス成形によって高生産性のもとに作製することを可能にする精密プレス成形用プリフォームおよびその製造方法、上記光学特性ならびに優れた耐候性を有するガラス製の光学素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための手段は、以下の通りである。
[請求項1]アッベ数(νd)が59超かつ70未満のリン酸塩光学ガラスであって、
質量%表示で、
P2O5 18〜70%(ただし、70%を除く)、
B2O3 0〜34%(ただし、0%を除く)、
Al2O3 0〜8%、
Li2O 0〜20%(ただし、0%を除く)、
Na2O 0〜18%、
K2O 0〜15%、
MgO 0〜25%(ただし、0%を除く)
CaO 0〜18%(ただし、MgO+CaO>4%)、
SrO 0〜20%、
BaO 0〜40%(ただし、SrO+BaO>1%、BaO/B2O3(質量%の比)は0〜15)、
ZnO 0〜14%
(ただし、ΣR''O=(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)、ΣR'O=(LiO+Na2O+K2O)としたときのΣR''O/ΣR'Oは質量%の比で23未満)、
Gd2O3 0〜18%、
Sb2O3 0〜1%、
を含み、かつ、上記以外の成分のうち最も多く含有されている成分の量がB2O3およびLi2Oの含有量のいずれよりも少ないことを特徴とするリン酸塩光学ガラス。
[請求項2]アッベ数(νd)が59超かつ70未満のリン酸塩光学ガラスであって、
質量%表示で、
P2O5 18〜70%(ただし、70%を除く)、
B2O3 0.6%〜34%(ただし、P2O5/B2O3(質量%の比)は2.04〜30)、
Al2O3 0〜8%、
Li2O 0〜20%(ただし、0%を除く)、
Na2O 0〜18%、
K2O 0〜15%、
MgO 0〜25%、
CaO 0〜18%(ただし、MgO+CaO>4%)、
SrO 0〜20%、
BaO 0〜40%(ただし、SrO+BaO>1%、BaO/B2O3(質量%の比)は0〜15)、
ZnO 0〜14%
(ただし、ΣR''O=(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)、ΣR'O=(Li2O+Na2O+K2O)としたときのΣR''O/ΣR'Oは質量%の比で23未満)、
Gd2O3 0〜18%、
Sb2O3 0〜1%、
を含み、かつ、上記以外の成分のうち最も多く含有されている成分の量がB2O3およびLi2Oの含有量のいずれよりも少ないことを特徴とするリン酸塩光学ガラス。
[請求項3]質量%表示で、
P2O5 20〜60%、
B2O3 0.6〜28%(ただし、P2O5/B2O3(質量%の比)は2.1〜30)、
Al2O3 0〜8%、
Li2O 1〜20%(ただし、1%を除く)、
Na2O 0〜18%、
K2O 0〜15%、
MgO 0〜25%(ただし、0%を除く)、
CaO 0〜18%(ただし、MgO+CaO>4%)、
SrO 0〜20%、
BaO 0〜39%(ただし、SrO+BaO>1%、BaO/B2O3(質量%の比)は0〜15)、
ZnO 0〜14%、
(ただし、ΣR''O=(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)、ΣR'O=(Li2O+Na2O+K2O)としたときのΣR''O/ΣR'Oは質量%の比で23未満)、
Gd2O3 0〜18%、
Sb2O3 0〜1%、
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のリン酸塩光学ガラス。
[請求項4]屈折率(nd)が1.54〜1.66であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス。
[請求項5]屈伏点(Ts)が500℃を超え600℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス。
[請求項6]請求項1〜5のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォーム。
[請求項7]アッベ数(νd)が59超のリン酸塩光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームにおいて、
前記ガラスは、必須成分としてP2O5、B2O3、Li2O、MgO、CaOおよびBaOを含み、かつ、500℃を超え600℃以下の屈伏点(Ts)を示すことを特徴とする精密プレス成形用プリフォーム。
[請求項8]前記ガラスが、質量%表示で、
P2O5 18〜70%(ただし、70%を除く)、
B2O3 0〜34%(ただし、0%を除く)、
Li2O 0〜20%(ただし、0%を除く)、
MgO 0〜25%(ただし、0%を除く)、
CaO 0〜18%(ただし、0%を除く)、
SrO 0〜20%、
BaO 0〜40%(ただし、0%を除く)、
Al2O3 0〜8%、
Na2O 0〜18%、
K2O 0〜15%、
ZnO 0〜14%
Gd2O3 0〜18%、
Sb2O3 0〜1%、
を含むことを特徴とする請求項7に記載の精密プレス成形用プリフォーム。
[請求項9]炭化珪素製のプレス成形型を使用して精密プレス成形されることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォーム。
[請求項10]流出パイプから流出する溶融ガラス流から所要重量の溶融ガラスを分離して請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームまたは請求項6〜9のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームを成形することを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
[請求項11]請求項1〜5のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラスよりなる光学素子。
[請求項12]ガラス製のプリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する光学素子の製造方法において、
前記プリフォームが請求項6〜9のいずれか1項に記載のプリフォームであるか、または請求項10に記載の方法により製造されたプリフォームであることを特徴とする光学素子の製造方法。
[請求項13]プレス成形型に前記プリフォームを導入し、前記成形型と前記プリフォームを一緒に加熱し、精密プレス成形することを特徴とする請求項12に記載の光学素子の製造方法。
[請求項14]プレス成形型に予熱したプリフォームを導入し、精密プレス成形することを特徴とする請求項12に記載の光学素子の製造方法。
本発明によれば、アッベ数(νd)59超かつ70未満の低分散性を有するとともに、精密プレス成形に適した低温軟化性、優れた耐候性を有し、加えてプリフォームを流出する熔融ガラスから直接成形する熱間成形に適した、優れた失透安定性をも備えたリン酸塩光学ガラスが提供される。
本発明の精密プレス成形用プリフォームは、アッベ数(νd)59超かつ70未満またはアッベ数(νd)59超の低分散性、精密プレス成形に適した低温軟化性、優れた耐候性を有し、失透安定性をも備えるリン酸塩光学ガラスによって構成されている。よって、本発明の精密プレス成形用プリフォームによれば、上記光学特性を有する光学素子を精密プレス成形によって高生産性のもとに作製することができる。
本発明の精密プレス成形用プリフォームの製造方法では、アッベ数(νd)59超の低分散性、精密プレス成形に適した低温軟化性、優れた耐候性および失透安定性を有するガラスを使用するため、流出する熔融ガラスから直接プリフォームを安定して製造することができ、高品質のプリフォームを高生産性のもとに製造することができる。
更に、本発明によれば、アッベ数(νd)59超の低分散性、優れた耐候性を有するガラス製の光学素子が提供される。
本発明の光学素子の製造方法によれば、アッベ数(νd)59超の低分散性、優れた耐候性を有するガラス製の光学素子、例えば非球面レンズなどの機械加工では高い生産性を得るのが難しい光学素子であっても、精密プレス成形によって高生産性のもとに製造することができる。
以下、本発明のリン酸塩光学ガラス、精密プレス成形用プリフォームとその製造方法、光学素子とその製造方法について説明する。

[リン酸塩光学ガラス]
本発明の第一の態様のリン酸塩光学ガラス(以下、「ガラスI」ともいう)は、
アッベ数(νd)が59超かつ70未満のリン酸塩光学ガラスであって、
質量%表示で、
P2O5 18〜70%(ただし、70%を除く)、
B2O3 0〜34%(ただし、0%を除く)、
Al2O3 0〜8%、
Li2O 0〜20%(ただし、0%を除く)、
Na2O 0〜18%、
K2O 0〜15%、
MgO 0〜25%(ただし、0%を除く)
CaO 0〜18%(ただし、MgO+CaO>4%)
SrO 0〜20%、
BaO 0〜40%(ただし、SrO+BaO>1%、BaO/B2O3(質量%の比)は0〜15)
ZnO 0〜14%
(ただし、ΣR''O=(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)、ΣR'O=(LiO+Na2O+K2O)としたときのΣR''O/ΣR'Oは質量%の比で23未満)
Gd2O3 0〜18%、
Sb2O3 0〜1%、
を含み、かつ、上記以外の成分のうち最も多く含有されている成分の量がB2O3およびLi2Oの含有量のいずれよりも少ないことを特徴とするリン酸塩光学ガラスである。
本発明の第二の態様のリン酸塩光学ガラス(以下、「ガラスII」ともいう)は、
アッベ数(νd)が59超かつ70未満のリン酸塩光学ガラスであって、
質量%表示で、
P2O5 18〜70%(ただし、70%を除く)、
B2O3 0.6%〜34%(ただし、P2O5/B2O3(質量%の比)は2.04〜30)、
Al2O3 0〜8%、
Li2O 0〜20%(ただし、0%を除く)
Na2O 0〜18%、
K2O 0〜15%、
MgO 0〜25%、
CaO 0〜18%(ただし、MgO+CaO>4%)、
SrO 0〜20%、
BaO 0〜40%(ただし、SrO+BaO>1%、BaO/B2O3(質量%の比)は0〜15)
ZnO 0〜14%
(ただし、ΣR''O=(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)、ΣR'O=(Li2O+Na2O+K2O)としたときのΣR''O/ΣR'Oは質量%の比で23未満)
Gd2O3 0〜18%、
Sb2O3 0〜1%、
を含み、かつ、上記以外の成分のうち最も多く含有されている成分の量がB2O3およびLi2Oの含有量のいずれよりも少ないことを特徴とするリン酸塩光学ガラス
である。
本発明の光学ガラスでは、低分散化に有利に働く、P2O5、B2O3、Li2Oの成分を共存させる。その上でガラスの耐候性を向上させるため2価成分を導入する。2価成分のうち耐候性および失透安定性の向上、屈折率の増加に有利なものは、イオン半径の比較的大きいBaOとSrOである。そのため、P2O5、B2O3、Li2OとともにBaOおよびSrOの少なくとも一方の2価成分を必須成分として導入する。
しかし、2価成分のうち低分散化に有利なものはMgO、続いてCaO、SrO、BaO、ZnOの順であるため、2価成分をすべてBaOまたはSrOに割り当てることは、低分散化の目的にそぐわない。したがって、BaOまたはSrO以外の2価成分として、MgOおよびCaOの少なくとも一方を導入して、低分散化の目的を達成する。
ガラスIでは、2価成分のうち低分散化に有効なMgOを必須成分として導入することにより、網目構造形成成分の1つであるB2O3の導入量に関して自由度が大きくなる。一方、ガラスIIでは、ガラスの網目構造形成成分であるP2O5とB2O3の導入量の質量比を所定の範囲にすることで、MgOを任意成分とすることができる。
その他の2価成分としてZnOを任意成分とし、失透安定性、耐候性、熔解性、清澄効果の向上および光学特性の調整のため、Al2O3、Na2O、K2O、Gd2O3を任意成分として導入するとともに、Sb2O3を任意添加の清澄剤として導入する。
特に、低分散性、高耐候性、更にはより高い屈折率といった材料特性を両立するためには、ガラスの熱安定性を高めることが好ましい。そのために、本発明では、ガラス中により多種のガラス成分を共存させ、1つの成分の含有量を突出させないことが望ましい。多種のガラス成分を含有することによって、1つの成分に起因する結晶種が析出する速度を遅延させることができ、結果として、ガラスの熱安定性を高め、上記諸特性を両立することができる。このことから、本発明の光学ガラスには、後述するように、例えば2価成分については、BaOやSrOに対して一定量以上のMgOやCaOを含有させることが望ましい。
このように、本発明の光学ガラスは、本発明の目的を達成するために各成分の導入量を最適化したことによって完成された。
次に、ガラスIおよびガラスIIの組成範囲の限定理由を説明する。なお、各含有量は特記しない限り、質量%にて表示するものとする。また、組成範囲の限定理由は特記しない限り、ガラスIおよびガラスIIに共通するものである。
P2O5は、ガラスの網目構造の形成成分であり、ガラスに製造可能な安定性を持たせるための必須成分である。しかし、その含有量が70%以上になるとガラス転移温度や屈伏点が上昇してプレス成形温度が高くなり、屈折率や耐候性が低下し、18%未満ではガラスの失透傾向が強くなりガラスが不安定になる。よって、本発明のガラスでは、P2O5の含有量を20〜70%(ただし、70%を除く)とする。好ましくは20〜60%、より好ましくは24〜58%である。
B2O3は、本発明のガラスの必須成分である。B2O3は、ガラスの溶融性の向上やガラスの均質化に非常に有効な成分であると同時に、ガラスの耐久性を向上させる非常に有効な成分である。しかし、B2O3を過剰に導入すると、ガラスの低分散性が損なわれる。そのため、ガラスIでは、その導入量を0〜34%(ただし、0%を除く)とし、ガラスIIでは、0.6〜34%の範囲とする。ガラスIおよびガラスIIのいずれにおいても、B2O3の導入量は好ましくは0.6〜28%、より好ましくは3%超かつ28%以下、更に好ましくは4%超かつ28%以下、一層好ましくは4%超かつ25%以下である。
なお、前述のように、ガラスIでは、2価成分のうち低分散化に有効なMgOを必須成分として導入することにより、網目構造形成成分の1つであるB2O3の導入量に関して自由度が大きくなる。一方、ガラスIIでは、ガラスの網目構造形成成分であるP2O5とB2O3の導入量の質量比を所定の範囲にすることで、MgOを任意成分とすることができる。即ち、ガラスIIでは、ガラスに低分散性を付与することと、ガラスの分相を抑制して均一なガラスを得ることを両立するために、前述のP2O5含有量およびB2O3含有量の範囲内で、B2O3含有量に対するP2O5含有量の割合P2O5/B2O3(質量比)を2.04〜30とする。P2O5/B2O3は、好ましくは2.1〜30、より好ましくは2.1〜25、更に好ましくは2.2〜15である。このようにP2O5とB2O3の割合をバランスさせることにより、屈折率を高め、分散を小さくしつつ、優れた耐候性、安定性、溶融性を得ることができる。ガラスIIにおいて、ガラス中のB2O3含有量に対するP2O5含有量の割合P2O5/B2O3(モル比)は1より大きく、15より小さいことが好ましい。
一方、ガラスIは後述するようにガラスの低分散化に有効なMgOを必須成分として導入することにより、P2O5/B2O3(質量比)は2.04〜30に限定されない。但し、ガラスIにおいても、上記P2O5/B2O3(質量比)を2.04〜30にすることが好ましく、2.1〜30にすることが好ましく、2.1〜25にすることがより好ましく、2.2〜15にすることがいっそう好ましい。
Al2O3は、本発明のガラスの必須成分ではないが、ガラスの耐候性を向上させるために有効な成分として用いられる。しかし、その導入量が8%を超えると、ガラスの転移温度や屈伏点が高くなり、ガラスの安定性、高温溶解性が悪化し、屈折率も低下してしまう恐れがあるので、その導入量は0〜8%とする。好ましくは0〜6%、より好ましくは0〜5%である。
Li2Oは本発明のガラスにおける必須成分であり、ガラス転移温度および屈伏点を低下させ、プレス成形温度を低下させるために導入する成分である。特に、前述のように、ガラスの低分散化のために、P2O5、B2O3およびLi2Oを共存させることは非常に重要である。但し、過剰の導入により、ガラスの耐候性と安定性が悪化し、屈折率も急激に低下してしまう恐れがあるため、その導入量は0〜20%(ただし、0%を除く)の範囲とする。好ましくは1%超〜20%、より好ましくは1.5〜15%、さらに好ましくは2.5%超〜10%の範囲である。
Na2OおよびK2Oは、いずれもガラスの耐失透性を向上させ、ガラス転移温度、屈伏点、液相温度を低下させ、ガラスの高温溶融性を改善するために導入される任意成分である。適当量のNa2OおよびK2Oの導入はガラスの安定性を改善し、液相温度や転移温度の低下につながるが、過剰に導入すると、ガラスの安定性が悪くなるばかりでなく、耐候性が著しく悪化し、屈折率も低下する。よって、本発明のガラスにおいて、Na2Oの導入量は0〜18%の範囲とし、K2Oの導入量は0〜15%の範囲とする。好ましくは、Na2Oが0〜15%、K2Oが0〜12%の範囲、より好ましくは、Na2Oが0〜10%、K2Oが0〜4.5%の範囲、さらに好ましくは、Na2Oが0〜9%、K2Oが0〜4%の範囲である。モル%表示によるNa2O含有量の好ましい範囲は0〜9モル%、より好ましい範囲は、0〜7モル%である。また、Li2O+Na2O+K2Oが1%未満となると、ガラスの屈伏点が高くなり、良好な精密プレス成形ができなくなる恐れがあるので、その合計量を1%超にすることが好ましく、2%超とすることがより好ましく、2.5%超とすることがいっそう好ましい。なお、Li2O、Na2O、K2Oといったアルカリ金属酸化物の導入は、液相温度を低下させ、熔融ガラスの成形性を向上させるため、プリフォームの熱間成形の面からも好ましい。
本発明のガラスにおいて、アルカリ金属酸化物であるCs2Oの導入は不要である。Cs2Oは耐候性を著しく損なうため、本発明のガラスにはCs2Oを導入しないことが好ましい。
MgOは、ガラスの高耐候性と低分散化を両立させるために導入される成分で、ガラスIでは必須成分、ガラスIIでは任意成分である。少量のMgOの導入により、ガラス転移温度や屈伏点または液相温度を低める効果もある。しかし、多量に導入すると、ガラスの失透安定性が著しく悪化し、液相温度も逆に高くなる恐れがあるので、その導入量はガラスIでは0%超かつ25%以下の範囲、ガラスIIでは0〜25%の範囲とする。ガラスIおよびガラスIIにおけるMgOの含有量は、好ましくは1〜20%、より好ましくは2〜15%の範囲である。MgOはB2O3、Li2Oと同様にガラスの低分散化にとって有利な働きをする。よって、精密プレス成形およびプリフォームの熱間成形に要求される諸特性を損なわずに所望の分散を得る上から、本発明のガラスには、MgO、B2O3、Li2Oのいずれか一種の成分を4%超導入することが好ましく、4.1%以上導入することがより好ましく、特に、ガラスに低分散性を付与するためには、5%を超えて導入することが好ましい。
CaOは、ガラスの安定性を改善し、液相温度を低下させるために用いられる任意成分である。但し、過剰のCaOの導入によりガラスの耐久性が悪化するだけでなく、屈折率も低下してしまう恐れがあるので、本発明のガラスにおいて、その導入量は0〜18%の範囲とする。好ましい範囲は1〜18%、より好ましい範囲は2〜18%、さらに好ましい範囲は4%超15%以下、より好ましい範囲は4.5〜12%である。なお、ガラスの安定性を向上するとともに液相温度を低下させ、耐候性をも向上させるとともに、低分散性を維持する上から、MgOとCaOをともに含む(ガラス成分としてMgOとCaOが共存する)ガラスであることが望ましい。MgOとCaOをともに含む場合においてもMgOおよびCaOの各含有量の好ましい範囲は上記のとおりである。
ガラスIおよびガラスIIのいずれにおいても、ガラスの低分散性と安定性、および耐候性を両立するために、前記範囲内であって、更にMgOとCaOの合計量(MgO+CaO)が4%超、好ましくは5%以上、より好ましくは7〜25%となるように、MgOおよびCaO導入量を設定する。
SrOは、ガラスの低分散特性を損なわずにガラスの屈折率を高める有効な成分である。特にガラスの耐候性を高める成分としても有効である。しかし、過剰のSrOを導入すると、ガラスの安定性が悪化し、液相温度も上昇する。よって、本発明のガラスにおいて、SrOの導入量は0〜20%の範囲とする。好ましくは0〜15%、より好ましくは0〜10%の範囲である。
BaOは、適当量の導入によって、ガラスの屈折率を高め、失透安定性を向上させるために非常に有効な成分であり、特にガラスの耐候性を高める成分として最も有効である。しかし、過剰のBaOを導入するとガラスの失透安定性が著しく損なわれ、またガラス転移温度が上昇し、かつ低分散特性を損なうデメリットがある。従って、本発明のガラスでは、その導入量を0〜40%の範囲とする。好ましくは0〜39%、より好ましくは1〜38%の範囲である。本発明のガラスでは、ガラスの耐候性を高めるために、前記範囲内であって、更にSrOとBaOの合計量(SrO+BaO)が1%超、好ましくは2%以上、さらに好ましくは3%〜40%なるように、SrOおよびBaOの導入量を設定する。
ガラスの安定性向上の面からは、SrOとBaOの合計量(SrO+BaO)に対するMgOとCaOの合計量(MgO+CaO)の割合、すなわち、(MgO+CaO)/(SrO+BaO)(質量比)を0.11〜40にすることが好ましく、0.16〜30であることがより好ましく、0.21〜25であることがさらに好ましく、0.26〜20であることがいっそう好ましい。よって、本発明のガラスでは、前記範囲内であって、更にこの質量比を満たすように、各成分の含有量を設定することが好ましい。
また、ガラスの分散を低くし、かつガラスの安定性を高める上から、本発明のガラスでは、前記範囲内であって、更にB2O3含有量に対するBaO含有量の割合BaO/B2O3(質量比)が0〜15の範囲になるように、BaOおよびB2O3の導入量を設定する。BaO/B2O3の好ましい範囲は0〜12、より好ましい範囲は0〜10である。
ZnOは、ガラスの安定性を改善し、液相温度を低下させるために用いられる任意成分である。但し、過剰のZnOの導入によりガラスの耐久性が悪化するだけでなく、分散も大きくなる恐れがある。そこで、本発明のガラスにおいて、ZnOの導入量は0〜14%の範囲とする。本発明のガラスでは、分散を低くし、ガラスの安定性をより一層改善したい場合には、ZnOの導入量を0〜6%(ただし、6%を含まず。)とすることが好ましく、0〜5%にすることがより好ましく、0〜3%にすることがいっそう好ましい。ZnOは任意成分であり、特に分散を低くしたい場合には導入しないことが好ましい。
なお、ガラスの耐久性を向上し、所望の光学特性を得る上から、MgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計量(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)を10%以上とすることが好ましく、20%以上とすることがより好ましい。よって、本発明のガラスでは、前記範囲内であって、更に、これらの成分の合計量が上記範囲となるように、各成分の導入量を設定することが好ましい。
精密プレス成形の温度をより低下する上から、Li2O、Na2OおよびK2Oの合計量(Li2O+Na2O+K2O)に対するMgO、CaO、SrO、BaOおよびZnOの合計量の割合(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)/(Li2O+Na2O+K2O)(質量比)を23未満とする。本発明のガラスでは、前記範囲内であって、更に上記質量比を満たすように、各成分の導入量を設定する。上記質量比は、好ましくは22以下、より好ましくは2〜20の範囲である。
Gd2O3は、ガラスの耐候性や屈折率を大幅に改善することができる任意成分である。但し、過剰のGd2O3を導入すると、ガラスの安定性が悪化してしまう恐れがあるので、その導入量は0〜18%とする。より好ましくは0〜14%、さらに好ましくは0〜10%である。
Sb2O3はガラスの清澄剤として有効である。しかし、1%を超えて添加すると、精密プレス成形時にガラスが発泡しやすくなる。また、またSbは強い酸化力を示すため、Sb2O3を過剰に添加するとプレス成形型の成形面がダメージを受けやすくなる。そこで、本発明のガラスにおけるSb2O3の導入量は0〜1%とする。好ましい範囲は0〜0.6%である。
本発明のガラスは、基本的にP2O5、B2O3、Al2O3、Li2O、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Gd2O3およびSb2O3によって構成されることが好ましい。本発明のガラスにおける前記成分の合計量は、95%超とすることが好ましく、98%超とすることがより好ましく、99%超とすることがさらに好ましく、100%とすることがより一層好ましい。
本発明の光学ガラスは基本的に上記成分により構成されるものであるが、その他の成分を導入することも可能である。但し、その場合は、上記以外の成分のうち最も多く含有されている成分の量が、B2O3、Li2Oのいずれの含有量よりも少なくなるようにする。
例えば、Y2O3は、ガラスの耐候性や屈折率を改善することができる成分として導入することができる。但し、過剰のY2O3の導入により、ガラスの安定性が悪化してしまう恐れがあるため、B2O3およびLi2Oの各含有量が1%以上の場合であってもY2O3の導入量は1%未満とすることが好ましく、ガラスの安定性が低下しないように十分配慮する場合は、導入しないことが好ましい。
SiO2は、少量の導入でガラスの液相温度を低下させ、安定性を高める効果があるため、B2O3、Li2Oの含有量との関係を満たせば導入してもよい。その導入量は、例えば0〜2%の範囲とすることができ、1%以下にすることがより好ましく、導入しないことがさらに好ましい。
Nb25は、分散を大きくする働きがあるため、B2O3およびLi2Oの各含有量が2%以上の場合であっても導入量を2%未満に抑えることが好ましく、1%以下にすることがより好ましく、導入しないことがさらに好ましい。
また、Yb2O3、Lu2O3、ZrO2、Ta2O5、Bi2O3、WO3、TiO2からなる群から選ばれる1種または複数種の成分も、本発明の目的を損なわない範囲で導入可能である。
ただし、La2O3は不要な成分であり、少量の導入によりガラスの安定性が急激に悪化するとともに、溶解性も低下するため導入しないことが好ましい。また、SnOは、ガラスの分散を急激に大きくするため、導入しないことが好ましい。
本発明のガラスでは、フッ素を敢えて導入する必要はない。プリフォームを熱間成形する場合、フッ素を含むとフッ素の揮発によりプリフォーム表面に微小な凹凸が生じたり、脈理が発生しやすくなったりするため、フッ素を導入しないことが好ましい。
Te、Pb、Cd、Tl、Asの各化合物は環境への影響に配慮する立場から導入しないことが望ましい。さらに、精密プレス成形を非酸化性雰囲気あるいは還元性雰囲気下で行う場合、還元により金属として析出しやすいAg化合物も導入しないことが好ましい。
さらに発光素子を作製する場合を除き、Nd、Er、Prなどの導入も不要である。また、燐光などの発光源となる物質の導入も、発光素子などの作製を目的にしない場合には好ましくない。
以下、本発明のガラスの好ましい組成範囲を示す。
質量%表示で、P2O5 20〜60%、B2O3 0.6〜28%(ただし、P2O5/B2O3(質量%の比)は2.1〜30)、Al2O3 0〜8%、Li2O 1〜20%(ただし、1%を除く)、Na2O 0〜18%、K2O 0〜15%、MgO 0〜25%(ただし、0%を除く)、CaO 0〜18%(ただし、MgO+CaO>4%)、SrO 0〜20%、BaO 0〜39%(ただし、SrO+BaO>1%、BaO/B2O3(質量%の比)は0〜15)、ZnO 0〜14%(ただし、ΣR''O=(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)、ΣR'O=(Li2O+Na2O+K2O)としたときのΣR''O/ΣR'Oは質量%の比で23未満)、Gd2O3 0〜18%、Sb2O3 0〜1%。
中でもMgO 1〜25%かつBaO 1〜39%とすることがより好ましい。
本発明のガラスの更に好ましい態様として、目的とする特性に応じて以下の3つのタイプのガラスを挙げることができる。
第1のタイプのガラスは、BaO含有量を1〜20質量%(ただし、20質量%を含まない)、好ましくは1〜18質量%と少なくすることにより、より低い分散とより優れた耐候性を実現するものである。第1のタイプのガラスにおいては、B2O3含有量を5質量%超とすることが好ましく、7質量%以上とすることがより好ましい。また、MgO含有量を5質量%超とすることが好ましく、6質量%以上とすることがより好ましい。
第2のタイプのガラスは、BaOを比較的多く導入し、かつBaO含有量に対するP2O5含有量の質量比(P2O5/BaO)を1未満とすることにより、より高い屈折率とより優れた耐候性を実現するものである。第2のタイプのガラスにおいて、P2O5含有量を37質量%未満(28モル%未満)、BaO含有量は40質量%以下とすることがより好ましく、P2O5含有量を36質量%以下(27モル%以下)、BaO含有量を20質量〜38質量%以下とすることがさらに好ましい。
第3のタイプのガラスは、BaOを比較的多く導入しながら、BaO含有量に対するP2O5含有量の質量比(P2O5/BaO)を1以上として、第2のタイプのガラスよりも比較的多くのP2O5を導入することにより、より高い屈折率、より優れた耐候性と安定性を実現するものである。
第3のタイプのガラスにおいて、P2O5含有量は48質量%未満とすることが好ましく、45質量%未満とすることがより好ましく、42質量%未満(28モル%未満)とすることが更に好ましく、24質量%〜38質量%、(18モル%〜27モル%)とすることがいっそう好ましい。BaO含有量は40質量%未満とすることが好ましく、20質量%〜38質量%とすることがさらに好ましい。なお、第3のタイプのガラスにおいては、ZnOの含有量を6質量%未満とすることが望ましく、4質量%以下とすることがより望ましく、2質量%以下とすることが更に望ましい。より低分散特性を得るためには、ZnOを含有しなくても構わない。
上記のように、どの特性を重視するかによって、第1〜第3のガラスのいずれかを選択することができる。
本発明の光学ガラスは、プレス温度における高い熱安定性を有している。
本発明のガラスのプレス温度における熱安定性は、例えば以下のように評価することができる。
例えば、本発明のガラスを大気中にて熔融状態から鋳型にキャストし、上面に平坦な自由表面を有するガラス成形体を作る。なお、自由表面とは、成形型表面が転写されることなく形成された面を意味する。このガラス成形体を切断し、1×1×2cm3の直方体状のガラス試料を作る。なお、前記試料の表面のうちの1つ(1×2cm2)が、上記自由表面の一部になるように、前記切断を行うものとする。このガラス試料をプレス温度より10℃〜40℃程度高い610℃まで30℃/minの速度で昇温して10分間保持した後に放冷(熱処理Aとする)した際、ガラス内部に100nm以上の大きさの結晶粒子が10個/cm3以下であるガラスが好ましい。さらに好ましくは1個/cm3以下であり、結晶粒子が認められないものが最も好ましい。また、ガラスの自由表面部分に結晶析出やクモリなどの欠陥が認められないガラスが求められることから、上記熱処理Aの後で自由表面に析出する結晶核の数が少ないガラスが好ましい。具体的には、直径0.1μm〜30μmの結晶粒子の平均密度が1×105個/cm2以下であるガラスが好ましく、直径0.1μm〜100μmの結晶粒子の平均密度が1×104個/cm2以下であるガラスがより好ましく、直径0.1μm〜300μmの結晶粒子の平均密度が1×103個/cm2以下であるガラスが更に好ましく、直径0.1μm〜1000μmの結晶粒子の平均密度が1×102個/cm2以下であるガラスがいっそう好ましく、直径0.1μm〜3000μmの結晶粒子の平均密度が0〜10個/cm2であるガラスが特に好ましい。
[光学特性]
本発明のガラスは、アッベ数(νd)が59超かつ70未満であり、好ましくは60〜69、より好ましくは62〜68である。屈折率(nd)については1.54〜1.66の範囲にすることが好ましい。本発明のガラスの組成は、これらの特性を満たすように上記範囲で適宜組成を設定する事ができる。前述の好ましい範囲で各成分を導入することにより、低分散特性を示す範囲でありながら、比較的屈折率が高いガラスを得ることができる。
[転移温度および屈伏点温度]
本発明のガラスは、転移温度(Tg)が好ましくは530℃以下、より好ましくは500℃以下である。また屈伏点温度(Ts)は好ましくは600℃以下、より好ましくは570℃以下、更に好ましくは540℃以下である。このような低温軟化性により、精密プレス成形時の温度を比較的低く抑えることができる。本発明のガラスでは、転移温度(Tg)および屈伏点温度(Ts)が上記のようになるように組成を前記の範囲内で適宜設定する事ができる。
なお、本発明のガラスの組成系では、屈伏点温度を低下させるとガラスの安定性も低下する、例えば、精密プレス成形時の加熱によってガラス表面が曇ってしまう、といった傾向が見られる。このような曇りを除去するには、ガラス表面を研磨しなければならないが、そうすると精密プレス成形法の特長が損なわれることになる。したがって、精密プレス成形に使用するガラスには上記ガラスの安定性に対する配慮が特に重要となる。以上の観点から、屈伏点温度の好ましい範囲は、上記ガラス安定性および精密プレス成形時の温度を考慮して、500℃超かつ600℃以下とすることが望ましく、505〜600℃とすることがより望ましく、510〜600℃とすることがさらに望ましく、510〜570℃とすることがより一層好ましく、510〜540℃とすることが特に好ましい。
[液相温度および液相温度における粘性]
ガラスの安定性を示す指標の一つは液相温度である。本発明のガラスは、液相温度が好ましくは950℃以下、より好ましくは930℃以下、さらに好ましくは900℃以下である。このような高い安定性を有する本発明のガラスを用いれば、熔融ガラスからプリフォーム1個分に必要な熔融ガラス塊を分離し、ガラスが軟化点以上の高温状態にある間に失透することなしにプレス成形用プリフォームを成形することができる。本発明のガラスでは、液相温度が上記のようになるように組成を前記範囲内で適宜設定する事ができる。
上記プリフォームの成形に適した光学ガラスを提供するという観点から、本発明の光学ガラスは、液相温度における粘性が2〜20dPa・sの範囲であることが好ましい。
[耐候性]
ガラスの耐候性は、例えば、両面光学研磨したガラスを温度65℃、湿度90%の清浄な恒温恒湿機内に1週間保持し、そのガラスの研磨面に生じた変質層および析出物の程度を、ガラスに対し垂直に白色光を透過させた時の散乱光/透過光の比(ヘイズ値)を求めることにより評価することができる。ヘイズ値の大きいガラスは、ガラスに付着する水滴や水蒸気および使用環境におけるガスなど種々の化学成分によって、ガラスが侵食されたり、ガラス表面に反応物が生成したりする速度の大きい、いわゆる化学的耐久性が低いガラスである。このようなガラスを光学素子として用いる場合、ガラスの侵食やガラス表面の生成物が原因で、光学ガラス素子の表面に異物が発生し、透過率等の光学特性が低下する恐れがあるため、このようなガラスは光学ガラス組成物として好ましくない。特に精密プレス成形用プリフォームを作る場合、表面に変質層が生じると精密プレス成形に悪影響が生じるため、上記用途に使用する場合にはガラスの耐候性には十分注意を払う必要がある。このような観点から、本発明のガラスのヘイズ値は0.20(20%)以下であることが好ましく、12%以下であることがより好ましく、6%以下であることがいっそう好ましく、3%以下であることが特に好ましい。
[光学ガラスの製造方法]
本発明の光学ガラスは、ガラス原料を加熱、熔融することにより製造することができる。P2O5の原料としてはH3PO4、メタリン酸塩、五酸化二燐など、B2O3の原料としてはH3BO3、B2O3、BPO4など、他の成分については炭酸塩、硝酸塩、酸化物などを適宜用いることが可能である。これらの原料を所定の割合に秤取し、混合して調合原料とし、これを、例えば1000〜1250℃に加熱した熔解炉に投入し、熔解・清澄・攪拌し、均質化することにより、泡や未熔解物を含まず均質な熔融ガラスを得る。この熔融ガラスを成形、徐冷することにより、本発明のリン酸塩光学ガラスを得ることができる。
[精密プレス成形用プリフォームとその製法]
次に、本発明の精密プレス成形用プリフォーム(以下、プリフォームという。)およびその製造方法について説明する。プリフォームは、精密プレス成形品に等しい質量のガラス製成形体である。プリフォームは精密プレス成形品の形状に応じて適当な形状に成形されているが、その形状として、球状、回転楕円体状などを例示することができる。プリフォームは、精密プレス成形可能な粘度になるよう、加熱して精密プレス成形に供される。
本発明の第一の態様のプリフォームは、前述の本発明のリン酸塩光学ガラスよりなるものである。
本発明の第二の態様のプリフォームは、アッベ数(νd)が59超のリン酸塩光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームであり、前記ガラスは、必須成分としてP2O5、B2O3、Li2O、MgO、CaOおよびBaOを含み、かつ、500℃を超え600℃以下の屈伏点(Ts)を示すことを特徴とする精密プレス成形用プリフォームである。
いずれのプリフォームも、必要に応じて離型膜などの薄膜を表面に備えていてもよい。上記プリフォームは、所要の光学恒数を有する光学素子の精密プレス成形が可能であり、また耐候性に優れたガラスからなるので、保管中にプリフォーム表面が劣化しにくい。精密プレス成形では、成形型の成形面を精密に転写することにより、機械加工を施すことなしに光学素子の光学機能面を形成する。もし、精密プレス成形に供するプリフォームの表面が劣化し、劣化した表面に光学機能面が転写されると、劣化部分を精密プレス成形後の機械加工で除去できないので、その光学素子は不良品となってしまう。しかし、このプリフォームによれば、表面が良好な状態に保たれるので、上記問題を防ぐことができる。さらに耐候性が優れているので、上記プリフォームを精密プレス成形して得られる光学素子の耐候性も優れており、長期にわたり、高い信頼性を有する光学素子を提供することもできる。
第二の態様のプリフォームを構成するガラスは、質量%表示で、
P2O5 18〜70%(ただし、70%を除く)、
B2O3 0〜34%(ただし、0%を除く)、
Li2O 0〜20%(ただし、0%を除く)、
MgO 0〜25%(ただし、0%を除く)、
CaO 0〜18%(ただし、0%を除く)、
SrO 0〜20%、
BaO 0〜40%(ただし、0%を除く)、
Al2O3 0〜8%、
Na2O 0〜18%、
K2O 0〜15%、
ZnO 0〜14%
Gd2O3 0〜18%、
Sb2O3 0〜1%、
を含むことが好ましい。
前記ガラスについての詳細は、先に本発明のガラスについて述べた通りである。
本発明のプリフォームの製造方法は、流出パイプから流出する溶融ガラス流から所要重量の溶融ガラスを分離して本発明の光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームを成形することを特徴とするものであり、上記本発明のプリフォームを製造するための一つの方法である。具体例としては、流出する熔融ガラス流から所定重量の熔融ガラス塊を分離して、前記ガラス塊を冷却する過程で、前記重量の本発明のガラスよりなるプリフォームを成形することにより製造する方法を示すことができる。
前記方法によれば、切断、研削、研磨などの機械加工が不要という特長がある。機械加工が施されたプリフォームでは、機械加工前にアニールを行うことによって破損しない程度にまでガラスの歪を低減しておかなければならない。しかし、上記プリフォームの製造方法によれば、破損防止用アニールは不要である。また表面が滑らかなプリフォームを成形することもできる。
さらに、上記プリフォームの製造方法において、滑らかなで清浄な表面を付与するという観点から、風圧が加えられた浮上状態でプリフォームを成形することが好ましい。また、表面が自由表面からなるプリフォームが好ましい。さらに、シアマークと呼ばれる切断痕のないものが望ましい。シアマークは、流出する熔融ガラスを切断刃によって切断する時に発生する。シアマークが精密プレス成形品に成形された段階でも残留すると、その部分は欠陥となってしまう。そのため、プリフォームの段階からシアマークを排除しておくことが好ましい。切断刃を用いず、シアマークが生じない熔融ガラスの分離方法としては、流出パイプから熔融ガラスを滴下する方法、あるいは流出パイプから流出する熔融ガラス流の先端部を支持し、所定重量の熔融ガラス塊を分離できるタイミングで上記支持を取り除く方法(降下切断法という。)などがある。降下切断法では、熔融ガラス流の先端部側と流出パイプ側の間に生じたくびれ部でガラスを分離し、所定重量の熔融ガラス塊を得ることができる。続いて、得られた熔融ガラス塊が軟化状態にある間にプレス成形に供するために適した形状に成形する。
上記プリフォームの製造方法では、プリフォーム1個分の熔融ガラス塊を分離し、このガラス塊が軟化点以上の高温状態にある間にプリフォームに成形するが、熔融ガラスを鋳型に流し込んで上記光学ガラスからなるガラス成形体を成形し、このガラス成形体に機械加工を加えて所望重量のプリフォームとしてもよい。なお機械加工を加える前にガラスが破損しないよう、ガラスをアニールすることにより十分除歪処理を行うことが好ましい。
[光学素子とその製法]
本発明の光学素子は、前述の本発明のリン酸塩光学ガラスからなることを特徴とするものである。
本発明の光学素子は、光学素子を構成するガラスが前記各特性を備えているので、所要の光学恒数、優れた耐候性を活かして、長期にわたって高い信頼性を維持することができる。
本発明の光学素子としては、球面レンズ、非球面レンズ、マイクロレンズなどの各種のレンズ、回折格子、回折格子付のレンズ、レンズアレイ、プリズムなどを例示することができる。上記光学素子としては、本発明のプリフォームを加熱、軟化し精密プレス成形して得られたものであることが望ましい。
なお、この光学素子には必要に応じて、反射防止膜、全反射膜、部分反射膜、分光特性を有する膜などの光学薄膜を設けることもできる。
次に光学素子の製造方法について説明する。
本発明の光学素子の製造方法は、ガラス製のプリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する光学素子の製造方法において、前記プリフォームが上記本発明のプリフォームであるか、または上記本発明の製造方法により製造されたプリフォームであることを特徴とするものである。
精密プレス成形法はモールドオプティクス成形法とも呼ばれ、既に当該発明の属する技術分野においてはよく知られたものである。
光学素子の光線を透過したり、屈折させたり、回折させたり、反射させたりする面を光学機能面と呼ぶ。例えばレンズを例にとると非球面レンズの非球面や球面レンズの球面などのレンズ面が光学機能面に相当する。精密プレス成形法はプレス成形型の成形面を精密にガラスに転写することにより、プレス成形で光学機能面を形成する方法である。つまり光学機能面を仕上げるために研削や研磨などの機械加工を加える必要がない。
したがって、本発明の方法は、レンズ、レンズアレイ、回折格子、プリズムなどの光学素子の製造に好適であり、特に非球面レンズを高生産性のもとに製造する際に最適である。
本発明の光学素子の製造方法によれば、上記光学特性を有する光学素子を作製できるとともに、プリフォームを構成するガラスの転移温度(Tg)が低く、ガラスのプレス成形としては比較的低い温度でプレスが可能になるので、プレス成形型の成形面への負担が軽減され、成形型の寿命を延ばすことができる。またプリフォームを構成するガラスが高い安定性を有するので、再加熱、プレス工程においてもガラスの失透を効果的に防止することができる。さらに、ガラス溶解から最終製品を得る一連の工程を高生産性のもとに行うことができる。
精密プレス成形法に使用するプレス成形型としては公知のもの、例えば炭化珪素、超硬材料、ステンレス鋼などの型材の成形面に離型膜を設けたものを使用することができる。離型膜としては炭素含有膜、貴金属合金膜などを使用することができる。プレス成形型は上型および下型を備え、必要に応じて胴型も備える。ただし、屈伏点が500℃を超えるガラスからなるプリフォームを使用する場合は、超硬材料などの型材の成形面に貴金属合金膜を離型膜として設けた型を使用することができるが、耐熱性がより一層優れた材料からなるプレス成形型を使用することが好ましく、型成形面に設ける離型膜の同様により優れた耐熱性を有するものが好ましい。このような観点から、上記プリフォームを精密プレス成形する場合には、炭化珪素からなるプレス成形型を使用することがより好ましく、前記型の成形面に炭素含有膜を離型膜として備えるものがさらに好ましい。
精密プレス成形法では、プレス成形型の成形面を良好な状態に保つため成形時の雰囲気を非酸化性ガスにすることが望ましい。非酸化性ガスとしては窒素、窒素と水素の混合ガスなどが好ましい。特に、炭素含有膜を離型膜として成形面に備えたプレス成形型を使用する場合や、炭化珪素からなるプレス成形型を使用する場合には、上記非酸化性雰囲気中で精密プレス成形するべきである。
次に本発明の光学素子の製造方法に特に好適な精密プレス成形法について説明する。
(精密プレス成形法1)
この方法は、プレス成形型にプリフォームを導入し、プレス成形型とプリフォームを一緒に加熱し、精密プレス成形するというものである(精密プレス成形法1とういう)。
精密プレス成形法1において、プレス成形型と前記プリフォームの温度をともに、プリフォームを構成するガラスが106〜1012dPa・sの粘度を示す温度に加熱して精密プレス成形を行うことが好ましい。
また前記ガラスが1012dPa・s以上、より好ましくは1014dPa・s以上、さらに好ましくは1016dPa・s以上の粘度を示す温度にまで冷却してから精密プレス成形品をプレス成形型から取り出すことが望ましい。
上記の条件により、プレス成形型成形面の形状をガラスにより精密に転写することができるとともに、精密プレス成形品を変形することなく取り出すこともできる。
(精密プレス成形法2)
この方法は、プレス成形型に予熱したプリフォームを導入し、精密プレス成形することを特徴とするものである(精密プレス成形法2という)。この方法では、プレス成形型とプレス成形用プリフォームを別々に予熱し、予熱されたプリフォームをプレス成形型に導入して精密プレス成形することが好ましい。
この方法によれば、前記プリフォームをプレス成形型に導入する前に予め加熱するので、サイクルタイムを短縮化しつつ、表面欠陥のない良好な面精度の光学素子を製造することができる。
プレス成形型の予熱温度は前記プリフォームの予熱温度よりも低くすることが好ましい。このような予熱によりプレス成形型の加熱温度を低く抑えることができるので、プレス成形型の消耗を低減することができる。
精密プレス成形法2において、前記プリフォームを構成するガラスが109dPa・s以下、より好ましくは109dPa・sの粘度を示す温度に予熱することが好ましい。
また、前記プリフォームを浮上しながら予熱することが好ましく、さらに前記プリフォームを構成するガラスが105.5〜109dPa・s、より好ましくは105.5dPa・s以上109dPa・s未満の粘度を示す温度に予熱することがさらに好ましい。
またプレス開始と同時またはプレスの途中からガラスの冷却を開始することが好ましい。
なおプレス成形型の温度は、前記プリフォームの予熱温度よりも低い温度に調温させるが、前記ガラスが109〜1012dPa・sの粘度を示す温度を目安にすればよい。
この方法において、プレス成形後、前記ガラスの粘度が1012dPa・s以上にまで冷却してから離型することが好ましい。
精密プレス成形された光学素子はプレス成形型より取り出され、必要に応じて徐冷される。成形品がレンズなどの光学素子の場合には、必要に応じて表面に光学薄膜をコートしてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに説明する。
(実施例1〜20)
表1に各実施例のガラスの組成、屈折率(nd)、アッべ数(νd)、転移温度(Tg)、屈伏点温度(Ts)、および液相温度(L.T.)、比重、耐候性の指標であるヘイズ値を示す。いずれのガラスとも、各成分の原料として各々相当する酸化物、水酸化物、炭酸塩、および硝酸塩を使用し、ガラス化した後に表1に示す組成となるように前記原料を秤量し、十分混合した後、白金坩堝に投入して電気炉で1050〜1200℃の温度範囲で熔融し、攪拌して均質化を図り、清澄してから適当な温度に予熱した金型に鋳込んだ。鋳込んだガラスを転移温度まで冷却してから直ちにアニール炉に入れ、室温まで徐冷して各リン酸塩光学ガラスを得た。
得られた光学ガラスについて、屈折率(nd)、アッべ数(νd)、転移温度(Tg)、屈伏点温度(Ts)、液相温度(L.T.)、液相温度におけるガラスの粘性(L.T.粘性)、ヘイズ値、比重を、以下のようにして測定した。
(1)屈折率(nd)およびアッべ数(νd)
徐冷降温速度を−30℃/時にして得られた光学ガラスについて測定した。
(2)転移温度(Tg)および屈伏点温度(Ts)
理学電機株式会社の熱機械分析装置により昇温速度を4℃/分にして測定した。
(3)液相温度(L.T.)
白金ルツボにガラス試料約50gを入れ、約1100〜1200℃にて約15〜60分溶融後、それぞれ860℃、870℃、880℃、890℃、900℃、910℃、920℃、930℃、940℃、950℃、960℃にて2時間保温したものを冷却して結晶析出の有無を顕微鏡により観察し、結晶の認められない最低温度を液相温度(L.T.)とした。
(4)液相温度における粘性(L.T.粘性)
JIS規格Z8803、共軸二重円筒型回転粘度計による粘度測定方法により粘度を測定した。
(5)ヘイズ値
温度65℃-湿度90%の清浄な恒温恒湿機内に1週間保持された、両面光学研磨されたガラス平板に、研磨面に対し垂直に白色光を透過させたときの散乱光強度と透過光強度の比 (散乱光強度/透過光強度)を%表示した。
(6)比重
アルキメデス法を用いて算出した。
(7)表面結晶、内部結晶
ガラスを大気中にて熔融状態から鋳型にキャストし、上面に平坦な自由表面を有するガラス成形体を作製し、このガラス成形体を切断し、1×1×2cm3の直方体状のガラス試料を得た。なお、前記試料の表面のうちの1つ(1×2cm2)が、上記自由表面の一部になるようにガラス成形体の切断を行った。このガラス試料を、610℃まで30℃/minの速度で昇温して10分間保持した後に放冷(熱処理A)した後、ガラスを顕微鏡によって拡大観察し、ガラス内部に存在する直径100nm以上の結晶粒子の個数を数えた。更に、顕微鏡による拡大観察によって、上記熱処理Aの後にガラスの自由表面に析出する、直径0.1μm以上の結晶粒子の平均密度を求めた。
実施例1〜20のガラスは、アッベ数(νd)が59超〜70未満の低分散ガラスであり、高い屈折率を示した。これらのガラスは、転移温度が530℃以下、屈伏点温度が570℃以下であり、優れた低温軟化性を有していた。また、いずれのガラスも、液相温度における粘性はプリフォームの成形に適したものであった。更に、これらのガラスはヘイズ値が低く耐候性にも優れていた上、内部結晶は認められず、表面結晶もきわめて少なく、失透安定性にも優れていた。なお、各ガラスとも目視により着色は認められなかった。
(実施例21)
次に実施例1〜20に相当する清澄、均質化した熔融ガラスを、ガラスが失透することなく、安定した流出が可能な温度域に温度調整された白金合金製のパイプから一定流量で流出し、滴下または降下切断法にて目的とするプリフォームの質量の熔融ガラス塊を分離し、熔融ガラス塊をガス噴出口を底部に有する受け型に受け、ガス噴出口からガスを噴出してガラス塊を浮上しながら精密プレス成形用プリフォームを成形した。熔融ガラスの分離間隔を調整、設定することにより直径2〜30mmの球状プリフォームを得た。プリフォームの質量は設定値に精密に一致しており、いずれも表面が滑らかなものであった。
(実施例22)
実施例21で得られたプリフォームを、図1に示すプレス装置を用いて精密プレス成形して非球面レンズを得た。具体的にはプリフォームを、プレス成形型を構成する下型2および上型1の間に設置した後、石英管11内を窒素雰囲気としてヒーター12に通電して石英管11内を加熱した。プレス成形型内部の温度を成形されるガラスが108〜1010dPa・sの粘度を示す温度に設定し、同温度を維持しつつ、押し棒13を降下させて上型1を押して成形型内にセットされたプリフォームをプレスした。プレスの圧力は8MPa、プレス時間は30秒とした。プレスの後、プレスの圧力を解除し、プレス成形されたガラス成形品を下型2および上型1と接触させたままの状態で前記ガラスの粘度が1012dPa・s以上になる温度まで徐冷し、次いで室温まで急冷してガラス成形品を成形型から取り出し非球面レンズを得た。得られた非球面レンズは、極めて高い面精度を有するレンズであった。
精密プレス成形により得られた非球面レンズには必要に応じて反射防止膜を設けてもよい。
(実施例23)
実施例22で得られたプリフォームを、浮上しながらプリフォームを構成するガラスの粘度が108dPa・sになる温度に予熱した。一方で上型、下型、胴型を備えるプレス成形型を加熱し、前記ガラスが109〜1012dPa・sの粘度を示す温度にし、予熱したプリフォームをプレス成形型のキャビティ内に導入して精密プレス成形した。プレスの圧力は10MPaとした。プレス開始とともにガラスとプレス成形型の冷却を開始し、成形されたガラスの粘度が1012dPa・s以上となるまで冷却した後、成形品を離型して非球面レンズを得た。得られた非球面レンズは、極めて高い面精度を有するレンズであった。
精密プレス成形により得られた非球面レンズには必要に応じて反射防止膜を設けてもよい。
Figure 2006052119
Figure 2006052119
本発明によれば、精密プレス成形、特に熱間成形に好適な低分散リン酸塩光学ガラスを提供することができる。本発明の光学ガラスを熱間成形することにより、精密プレス成形用プリフォームを高い生産性のもとに製造することができる。更に、本発明によれば、低分散ガラスからなる光学素子を提供することができる。
精密プレス装置の断面説明図である。

Claims (14)

  1. アッベ数(νd)が59超かつ70未満のリン酸塩光学ガラスであって、
    質量%表示で、
    P2O5 18〜70%(ただし、70%を除く)、
    B2O3 0〜34%(ただし、0%を除く)、
    Al2O3 0〜8%、
    Li2O 0〜20%(ただし、0%を除く)、
    Na2O 0〜18%、
    K2O 0〜15%、
    MgO 0〜25%(ただし、0%を除く)
    CaO 0〜18%(ただし、MgO+CaO>4%)、
    SrO 0〜20%、
    BaO 0〜40%(ただし、SrO+BaO>1%、BaO/B2O3(質量%の比)は0〜15)、
    ZnO 0〜14%
    (ただし、ΣR''O=(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)、ΣR'O=(LiO+Na2O+K2O)としたときのΣR''O/ΣR'Oは質量%の比で23未満)、
    Gd2O3 0〜18%、
    Sb2O3 0〜1%、
    を含み、かつ、上記以外の成分のうち最も多く含有されている成分の量がB2O3およびLi2Oの含有量のいずれよりも少ないことを特徴とするリン酸塩光学ガラス。
  2. アッベ数(νd)が59超かつ70未満のリン酸塩光学ガラスであって、
    質量%表示で、
    P2O5 18〜70%(ただし、70%を除く)、
    B2O3 0.6%〜34%(ただし、P2O5/B2O3(質量%の比)は2.04〜30)、
    Al2O3 0〜8%、
    Li2O 0〜20%(ただし、0%を除く)、
    Na2O 0〜18%、
    K2O 0〜15%、
    MgO 0〜25%、
    CaO 0〜18%(ただし、MgO+CaO>4%)、
    SrO 0〜20%、
    BaO 0〜40%(ただし、SrO+BaO>1%、BaO/B2O3(質量%の比)は0〜15)、
    ZnO 0〜14%
    (ただし、ΣR''O=(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)、ΣR'O=(Li2O+Na2O+K2O)としたときのΣR''O/ΣR'Oは質量%の比で23未満)、
    Gd2O3 0〜18%、
    Sb2O3 0〜1%、
    を含み、かつ、上記以外の成分のうち最も多く含有されている成分の量がB2O3およびLi2Oの含有量のいずれよりも少ないことを特徴とするリン酸塩光学ガラス。
  3. 質量%表示で、
    P2O5 20〜60%、
    B2O3 0.6〜28%(ただし、P2O5/B2O3(質量%の比)は2.1〜30)、
    Al2O3 0〜8%、
    Li2O 1〜20%(ただし、1%を除く)、
    Na2O 0〜18%、
    K2O 0〜15%、
    MgO 0〜25%(ただし、0%を除く)、
    CaO 0〜18%(ただし、MgO+CaO>4%)、
    SrO 0〜20%、
    BaO 0〜39%(ただし、SrO+BaO>1%、BaO/B2O3(質量%の比)は0〜15)、
    ZnO 0〜14%、
    (ただし、ΣR''O=(MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO)、ΣR'O=(Li2O+Na2O+K2O)としたときのΣR''O/ΣR'Oは質量%の比で23未満)、
    Gd2O3 0〜18%、
    Sb2O3 0〜1%、
    を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のリン酸塩光学ガラス。
  4. 屈折率(nd)が1.54〜1.66であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス。
  5. 屈伏点(Ts)が500℃を超え600℃以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラス。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォーム。
  7. アッベ数(νd)が59超のリン酸塩光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームにおいて、
    前記ガラスは、必須成分としてP2O5、B2O3、Li2O、MgO、CaOおよびBaOを含み、かつ、500℃を超え600℃以下の屈伏点(Ts)を示すことを特徴とする精密プレス成形用プリフォーム。
  8. 前記ガラスが、質量%表示で、
    P2O5 18〜70%(ただし、70%を除く)、
    B2O3 0〜34%(ただし、0%を除く)、
    Li2O 0〜20%(ただし、0%を除く)、
    MgO 0〜25%(ただし、0%を除く)、
    CaO 0〜18%(ただし、0%を除く)、
    SrO 0〜20%、
    BaO 0〜40%(ただし、0%を除く)、
    Al2O3 0〜8%、
    Na2O 0〜18%、
    K2O 0〜15%、
    ZnO 0〜14%
    Gd2O3 0〜18%、
    Sb2O3 0〜1%、
    を含むことを特徴とする請求項7に記載の精密プレス成形用プリフォーム。
  9. 炭化珪素製のプレス成形型を使用して精密プレス成形されることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォーム。
  10. 流出パイプから流出する溶融ガラス流から所要重量の溶融ガラスを分離して請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学ガラスよりなる精密プレス成形用プリフォームまたは請求項6〜9のいずれか1項に記載の精密プレス成形用プリフォームを成形することを特徴とする精密プレス成形用プリフォームの製造方法。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のリン酸塩光学ガラスよりなる光学素子。
  12. ガラス製のプリフォームを加熱し、プレス成形型を用いて精密プレス成形する光学素子の製造方法において、
    前記プリフォームが請求項6〜9のいずれか1項に記載のプリフォームであるか、または請求項10に記載の方法により製造されたプリフォームであることを特徴とする光学素子の製造方法。
  13. プレス成形型に前記プリフォームを導入し、前記成形型と前記プリフォームを一緒に加熱し、精密プレス成形することを特徴とする請求項12に記載の光学素子の製造方法。
  14. プレス成形型に予熱したプリフォームを導入し、精密プレス成形することを特徴とする請求項12に記載の光学素子の製造方法。
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