JPH086934Y2 - Ａｌｃ床板への束の固定構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ALC床板への床の固定構造に関する。

（従来の技術） 従来、手摺，フェンス，門扉等の束を床に固定する際
には、床表面に束の太さよりもやや大きめの穴を切削
し、該穴に束の下端部を挿入した後、穴と束との隙間に
モルタル等の充填材を埋め込むのが一般的であった。従
って、束の高さ調整及び垂直出しは、モルタルが乾燥硬
化する前に行われることになる（実公昭61−28832号公
報参照）。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、このような従来の束の固定構造にあっ
ては、束の固定作業において、モルタル等の充填材を乾
燥硬化する工程が必要であるため、作業効率が悪い。し
かも、前記充填材が乾燥硬化するまで、束の高さ及び角
度が最終的に決定されないという問題があった。

本考案は上記従来の問題に着目し、作業効率良くALC
床板に束を垂直に固定することができるALC床板への束
の固定構造を提供することを目的としている。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案のALC床板への束
の固定構造は、締付部材との螺合によりALC床板を貫通
してボルトが設けられ、該ALC床板に垂直に固定される
束の下端部の側面には下方に張り出した固定プレートと
断面Ｌ字状の調整プレートが固定され、前記ALC床板の
上面に突出して設けられたボルトのネジ部には、調整ナ
ットと固定ナットが前記束の調整プレートの水平板部を
介して螺合され、前記調整ナットと固定ナットの間並び
に前記束の固定プレートとALC床板の側端部の間で束が
締め付け固定されているものである。

（作用） 本考案のALC床板への束の固定構造では、予め締付部
材によりALC床板にボルトを固定させ、かつALC床板の上
面から突出した前記ボルトのネジ部に調整ナットを螺合
しておき、又束の下端部側面には下方に張り出した固定
プレートと断面Ｌ字状の調整プレートを固定する事とし
たので、ALC床板に束を垂直に固定する際には、前記ボ
ルトのネジ部に前記断面Ｌ字状の調整プレートの水平板
部を介して固定ナットを螺合して、前記調整ナットと固
定ナットの間並びに前記束の固定プレートとALC床板の
側端部の間で締め付け固定することができる。

また、固定ナットを締め付ける前に、ボルトに対する
調整ナットの高さを調整する事と同時に、束の固定プレ
ートとALC床板の側端部の間で垂直度を調整する事によ
り、束の高さ調整及び垂直出しができる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を第１図及び第２図に基いて詳
述する。

まず、実施例の構成を説明する。

第１図及び第２図は、本考案のALC床板１への束２の
固定構造を示す縦断面図で、第１図は束２の固定前の状
態を示し、第２図は束２の固定後の状態を示している。

ALC床板１は、ALC（Autoclaved Light weight Concre
te）を主原料として形成されており、必要に応じて鉄筋
が埋め込まれている。

このALC床板１は、側縁にＬ形ブラケット11が取り付
けられており、該Ｌ形ブラケット11が床梁３にリベット
４で固定されている。

また、このALC床板１の側縁部には、予め厚さ方向へ
貫通した貫通穴12が形成されており、この貫通穴12に
は、タップ付座金５との螺合によりボルト６が締め付け
固定されている。即ち、前記ボルト６は、ネジ部61が前
記貫通穴12に対してALC床板１の下面1a側から差し込ま
れ、上面1b側へ突出するように設けられている。そし
て、前記タップ付座金５は、前記貫通穴12から突出した
前記ボルト６のネジ部61に対して螺合され、ALC床板１
の上面1b側に設けられている。

更に、前記ボルト６のネジ部61の先端には、調整ナッ
ト７が螺合されている。

束２の下端部には、外側面2aにフラット状の固定プレ
ート８が固定されており、内側面2bに断面Ｌ字状の調整
プレート９が固定されている。尚、前記固定プレート８
及び調整プレート９は、リベット４によって束２に固定
されている。

また、前記固定プレート８は、下半部が束２の下端面
より下方へ張り出すように設けられており、前記調整プ
レート９は、垂直板部91の下半部及び水平板部92が束２
の下端面より下方へ張り出すように設けられている。そ
して、前記調整プレート９の水平板部92にはボルト穴92
1が形成されている。

即ち、この束２をALC床板１に取り付ける際には、床
梁３に固定プレート８を当接させると共に、ALC床板１
から突出したボルト６のネジ部61に調整プレート９のボ
ルト穴921を挿通させる。そして、束２を所定の高さ位
置に設定し、固定プレート８と床梁３に両者を貫通させ
てリベット穴41を開口し、該リベット穴41にリベット４
を打ち込む。次に、調整ナット７によって調整プレート
９の高さを調整し、束２の垂直出しを行う。束２が所定
の高さ位置において垂直に立設されていることを確認
し、最後に、前記調整プレート９のボルト穴921から突
出したボルト６のネジ部61に対して固定ナット10を螺合
し、調整プレート９を前記調整ナット７と固定ナット10
との間で締め付け固定する。尚、前記固定ナット10と調
整プレート９との間には座金101を介在させるのが好ま
しい。

また、ALC床板１に対する固定プレート７の固定箇所
及び調整プレート９の固定箇所は、それぞれ一箇所でも
よいし、複数箇所設けてもよい。

このように、本実施例の固定構造では、ボルト６とナ
ット7,10の螺合による乾式固定工法により作業効率良く
ALC床板１に束２を固定することができ、しかも容易に
束２の高さ調整及び垂直出しができる。

以上、本考案の実施例を図面により詳述してきたが、
具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく本考
案の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本考
案に含まれる。

例えば、実施例では締付部材としてラップ付座金を用
いた例を示したが、前記タップ付座金に代えてナットを
用いてもよい。尚、締付部材としてナットを用いる場
合、ナットとALC床板の間に座金を介在させてもよい
し、座金は設けなくてもよい。

（考案の効果） 以上説明してきたように、本考案のALC床板への束の
固定構造にあっては、作業効率良くALC床板に束を固定
することができ、しかも容易に束の高さ調整及び垂直出
しができるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案実施例のALC床板への床の固
定構造を示す縦断面図である。 １…ALC床板 ２…束 ５…タップ付座金（締付部材） ６…ボルト 61…ネジ部 ７…調整ナット 10…固定ナット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】締付部材との螺合によりALC床板を貫通し
   てボルトが設けられ、該ALC床板に垂直に固定される束
   の下端部の側面には下方に張り出した固定プレートと断
   面Ｌ字状の調整プレートが固定され、前記ALC床板の上
   面に突出して設けられたボルトのネジ部には、調整ナッ
   トと固定ナットが前記束の調整プレートの水平板部を介
   して螺合され、前記調整ナットと固定ナットの間並びに
   前記束の固定プレートとALC床板の側端部の間で束が締
   め付け固定されていることを特徴とするALC床板への束
   の固定構造。