JPH086906Y2 - 屋根の角部構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、板金製の屋根板を複数枚隣接させて屋根の
下地面上に敷込むことにより組立てられる屋根の角部構
造に関するものである。

従来の技術 従来、防錆塗装を施した鉄板等の板金製屋根板を複数
枚隣接させて屋根の下地面に敷込み施工する場合、その
端部側においては屋根板の縦，横辺を内曲げした縁辺で
屋根下地の側方に突出する縁取り板の端縁を喰え込んで
下地面に釘着等で固定することにより各屋根板を取付け
ることが行われている。また、この屋根の角部において
は屋根板の縦，横辺を内曲げさせて形成する縁辺の端部
を直角に形状出し成形ししかも剛直に形成するべく各縁
辺の端部を上下に重ね合せた角部分で成形されているの
が通常である。

考案が解決しようとする課題 然し、その屋根の角部構造では屋根板の縁辺を上下に
重ね合せた各端部の合せ目が外部に露呈するところか
ら、この合せ目から屋根下地側に雨水が侵入するのを避
け得ない。

茲において、本考案は極めて簡単な構成で屋根板の端
部重ね目から屋根下地側に雨水が侵入するのを防止でき
るようにする屋根の角部構造を提供することを目的とす
る。

課題を解決するための手段 本考案に係る屋根の角部構造においては、各端部を上
下に重ね合せて縦，横辺を内曲げした縁辺で屋根下地の
側方に突出する縁取り板の端縁を喰え込んで板金製の屋
根板を屋根下地の端部面に被着固定すると共に、その屋
根板と各端部を上下逆に重ね合せて縦，横辺を内曲げし
た縁辺で屋根板の縁辺を喰え込んで板金製の端板を屋根
板の角部面に被着固定することにより構成されている。

作用 この屋根の角部構造では屋根板に内曲げ成形する縁辺
の端部と上下逆に重ね合せて縁辺を内曲げした端板で屋
根板の角部分を被包するため、その端板の上下に重ね合
せた各端部の合せ目が外部に露呈することにより雨水が
内側に侵入しても、この端板の端部合せ目に対して屋根
板の端部合せ目が直角方向に位置ししかも端板の内曲げ
された縁辺の内のり辺に当接されて喰込み挾持されてい
るところから雨水が屋根の下地側に侵入するのを防止で
きるようになる。

実施例 以下、添付図面を参照して説明すれば、次の通りであ
る。

この屋根の角部構造は板金製の屋根板を用い、その屋
根板を複数枚隣接させて屋根の下地面上に敷込むことに
より屋根を組立てるのに適用されている。また、この屋
根は第１図で示すように下地板１の周側面に縁取り板２
を取付け、その縁取り板２の下地板１から側方に突出す
る端縁20,21を屋根板３の縦，横辺に内曲げ成形した縁
辺30,31で喰え込むことにより屋根板３で下地板１の端
部面を被包し、更に屋根板３の縁辺30,31を端板４の
縦，横辺に内曲げ成形した縁辺40,41で喰え込むことに
より屋根板３の角部面を被包するよう組立てられてい
る。その各構成部材としては屋根の下地板１を除き、防
錆塗装を施した鉄板等の板金材を所定形状に折曲成形し
たものを用いるとよい。この板金材を用いる場合、縁取
り板２は隅角部22で直角に折り曲げた側板23,24と各側
板23,24の長手方向から直角に折り曲げた端縁20,21と端
縁20,21から上面側に折り返した当て板（図示せず）と
で形成でき、その当て板を下地板１の板面に釘着等で固
定することにより下地板１の周側面に沿って取付けられ
ている。また、屋根板３には各端部32,33を上下に重ね
合せて縦，横辺を内曲げすることにより縁辺30,31が形
成されている。これに対し、端板４には屋根板３の端部
32,33とは各端部42,43を上下逆に重ね合せて縦，横辺を
内曲げすることにより縁辺40,41が形成されている。

なお、屋根板２は上述した縦辺側の縁辺31と相対する
縦辺を内曲げさせて左右で相隣接する屋根板の縁辺と扁
平なチャネル形の繋ぎ板（図示せず）で係着連結させ、
また、第２図で示すように横辺を内曲げした縁辺30と相
対する上辺側を外曲げさせて噛合縁34を成形することに
より上下で隣接する屋根板の縁辺と嵌合せ係着するよう
形成することができる。その屋根板３には上下で隣接す
る屋根板の重ね合せ間をシールするべく弾性を有する防
水性のパッキングシート35を背面側に備付けるとよい。

これら各構成部材を用いては第３図で示す如く縁取り
板２を下地板１に取付け、その縁取り板１の端縁20（2
1）を屋根板３の縁辺30（31）に嵌込んでパッキングシ
ート35を圧縮するよう屋根板３を下地板１の端部面に当
てがい配置する。この屋根板３には縁辺30（31）を端板
４の縁辺40（41）で喰え込んで端板４を角部面に重ね合
せ、その端板４の上端側を第４図で示すように屋根板２
の外曲げさせた噛合縁34の内側に差込むことによりくぎ
穴36を用いて下地板１に釘着固定することができる。

このように構成する屋根の角部構造では屋根板３の縁
辺30,31の重なり合う端部32,33と端板４の縁辺40,41の
重なり合う端縁42,43とが互いに上下逆で各合せ目が直
角方向に位置すると共に、屋根板３の縁辺30,31が端板
４の縁辺40,41で喰込み挾持されているから端板４の端
部42,43が重なり合う合せ目より雨水が侵入しても下地
板１にまで浸透させないように遮断できる。それに加え
て、屋根の角部分は端板４の端部42,43で直角に形状出
し成形でき、しかも屋根板３の端部面を端板４で補強で
きるから更に剛性を付与することができる。

なお、この屋根の全体は左右の隣接間を上述した繋ぎ
板で連結すると共に、内曲げさせた縁辺30と外曲げさせ
た噛合縁34とを係合させて第４図に示すくぎ穴37で下地
板１に釘等を打込むことにより上下を固定できる。その
上下の屋根板３には第５図で示すようにパッキングシー
ト35が挾み込まれるから両者間を緻密に対接させて継ぎ
合せることができ、また、第６図で示すように各屋根板
３を敷詰めて施工するようにできる。

考案の効果 以上の如く、本考案に係る屋根の角部構造に依れば、
屋根板の角部分を良好に雨仕舞できるばかりでなく、直
角に形状出しさせて更に剛性を高めることにより形成す
ることを可能にするものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る屋根の角部構造を展開させて示す
俯角斜視図、第２図は同屋根の角部構造を構成するのに
用い得る屋根板の側断面図、第３図は同屋根の角部構造
を示す側断面図、第４図は同屋根の角部構造を示す俯角
斜視図、第５図は同屋根の角部構造で適用可能な屋根材
の接合構造を示す側断面図、第６図は同接合構造の平面
図である。 1:屋根下地、2:縁取り板、20,21:端縁、3:屋根板、30,3
1:縁辺、32,33:端部、4:端板,40,41:縁辺、42,43:端
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】各端部（32,33）を上下に重ね合せて縦，
   横辺を内曲げした縁辺（30,31）で屋根下地（１）の側
   方に突出する縁取り板（２）の端縁（20,21）を喰え込
   んで板金製の屋根板（３）を屋根下地（１）の端部面に
   被着固定すると共に、その屋根板（３）と各端部（42,4
   3）を上下逆に重ね合せて縦，横辺を内曲げした縁辺（4
   0,41）で屋根板（３）の縁辺（30,31）を喰え込んで板
   金製の端板（４）を屋根板（３）の角部面に被着固定し
   たことを特徴とする屋根の角部構造。