JPH0868296A - 礫対応型泥水加圧式掘進工法およびその掘進機 - Google Patents

礫対応型泥水加圧式掘進工法およびその掘進機

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JPH0868296A
JPH0868296A JP22878594A JP22878594A JPH0868296A JP H0868296 A JPH0868296 A JP H0868296A JP 22878594 A JP22878594 A JP 22878594A JP 22878594 A JP22878594 A JP 22878594A JP H0868296 A JPH0868296 A JP H0868296A
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JP
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mud
viscosity
gravel
excavator
pressure
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Application number
JP22878594A
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English (en)
Inventor
Kentaro Kasai
賢太郎 笠井
Akihiko Saito
昭彦 斎藤
Masaru Nakagawa
大 中川
Naoyuki Aoki
直之 青木
Yoshio Iwai
義雄 岩井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toda Corp
Iseki Poly Tech Inc
Original Assignee
Toda Corp
Iseki Poly Tech Inc
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Publication date
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シルト粘土分の少ない砂礫層において、たと
え掘進口径が小さい場合であっても掘進機の回転不能状
態および切羽面のを崩壊を防止し、かつ土層間に大きな
差がある互層部を掘進する場合でも確実な方向制御を行
うことのできる礫対応型泥水加圧式掘進工法及びその掘
進機を提供する。 【構成】 掘進機10先端に隔壁を設置し、この隔壁2
2と切羽面12との間に加圧した泥水を供給し、この泥
水の圧力により切羽面12の崩壊を防ぎつつ掘進する。
そして、砂礫層掘進時に、隔壁22と切羽面12との間
の泥水中に粘性付与剤を供給して、逸泥を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、礫対応型泥水加圧式掘
進工法及びその掘進機に関し、特に泥水加圧により切羽
の安定を図る場合に泥水の逸泥を防止する礫対応型泥水
加圧式掘進工法及びその掘進機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、管路や共同溝などの各種トンネ
ルの施工にあたっては、加圧泥水により切羽面に泥膜あ
るいは泥水の浸透ゾーンを形成させ、これを介して切羽
の土・水圧より若干高い泥水圧を作用させて土圧及び水
圧に対抗させることにより、無圧気施工が可能で、ずり
の坑内運搬がなく、基本的に地山安定処理工法の採用が
少なくて済み、作業環境の向上、省力化、環境保全の確
保等、数々の利点があることから、泥水加圧式の掘進工
法、例えば泥水加圧式シールド工法が用いられることが
多い。
【0003】また、小口径の管路などの施工において
も、泥水圧による切羽の安定に加えて、掘削排土を泥水
としてスラリー輸送でき、管路内に入り込んで作業する
必要がないことから、掘進工法として泥水加圧式の推進
工法であるアンクルモール工法が採用されることが多
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の泥水加圧式
掘進工法にあっては、加圧泥水により切羽面に泥膜ある
いは泥水の浸透ゾーンを形成させ、これを介して切羽の
土・水圧より若干高い泥水圧を作用させて土圧及び水圧
に対抗させるものであることから、シルト粘土分が15
%以下となるような砂礫層においては、掘削土が塑性流
動化し難く、掘削土が圧密状態となって、カッタートル
クが大きくなり、回転不能状態となる場合があるという
問題があった。
【0005】このような圧密による回転不能状態に対し
ては、例えば泥水加圧式シールド工法の場合、圧密状態
となった掘削土をスクリューコンベアなどにて取り出し
て排出することにより、回転状態を維持させることも可
能であるが、アンクルモール工法による小口径管路の施
工などにあっては、作業員が入り込んで作業するのが困
難な状態にあるため、圧密状態となった掘削土の取り出
しができない場合があるという問題があった。
【0006】また、シルト粘土分が15%以下の砂礫層
においては、送泥水圧と送泥水の安定液管理で切羽を安
定させようとしても、逸泥により切羽面の泥膜形成が困
難となり、泥水加圧効果が期待できず、このため必要な
切羽土圧に対抗する泥水圧を保持させることができず、
切羽面が崩壊してしまうという問題があった。
【0007】さらに、土層間に大きな差がある互層部を
掘進する場合、例えば下部砂質泥岩層から上部砂礫層に
掘進する場合、両層のN値の差による方向制御性への影
響と、砂礫層の逸泥による切羽面の崩壊弛みが発生する
と、掘進機の方向制御が困難となるという問題がある。
【0008】本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、シルト粘土分の少ない砂
礫層において、たとえ掘進口径が小さい場合であっても
掘進機の回転不能状態および切羽面のを崩壊を防止し、
かつ土層間に大きな差がある互層部を掘進する場合でも
確実な方向制御を行うことのできる礫対応型泥水加圧式
掘進工法及びその掘進機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、第1の発明は、掘進機先端に隔壁を設置し、この隔
壁と切羽との間に加圧した泥水を供給し、この泥水の圧
力により切羽の崩壊を防ぎつつ掘進する泥水加圧式掘進
工法において、砂礫層掘進時に、前記隔壁と切羽との間
の泥水中に粘性付与剤を供給して、逸泥を防止すること
を特徴としている。
【0010】第2の発明は、シルト粘土分が15%以下
の砂礫層掘進時に前記泥水中に前記粘性付与剤を供給す
ることを特徴としている。
【0011】第3の発明は、前記粘性付与剤は、粘度5
00〜3000c Pの高分子材料からなることを特徴と
している。
【0012】第4の発明は、前記掘進機による掘削口径
は、内部で作業が困難な程度の小口径であることを特徴
としている。
【0013】第5の発明は、前記掘進機は、後方に推進
管を接続し、元押しジャッキにて掘進することを特徴と
している。
【0014】第6の発明は、隔壁より前方に突出させた
固定側の筒状のアウタコーンと、先端にスポークカッタ
を有し、前記アウタコーン内で偏心回転して切羽面の掘
削及び礫の破砕を行うコーンロータと、前記アウタコー
ンに送排泥管と接続した送排泥口を有し、この送排泥口
より、切羽、隔壁及びアウタコーンによって囲まれた領
域に対し泥水を供給、排出して一定圧力に維持する送排
泥装置と、前記アウタコーンに粘性付与剤注入管と接続
した注入口を有し、砂礫層掘削時に前記注入口より、前
記泥水中に粘性付与剤を注入して逸泥を防止する粘性付
与剤注入装置と、を備えることを特徴としている。
【0015】
【作用】前記構成の第1の発明にあっては、砂礫層掘進
時に隔壁と切羽との間の泥水中に粘性付与剤を供給する
ことにより、泥水加圧式掘進工法であっても砂礫層掘進
時にこの粘性付与剤により切羽面に泥膜を形成して逸泥
を防止し、かつ、掘削土を塑性流動化させて、掘削土が
圧密状態となるのを防止し、その結果、砂礫層掘進時に
おいても掘進機のカッタートルクを小さくして、カッタ
ーの回転状態を維持することができる。
【0016】また、土層間に大きな差がある互層部の掘
進時においても、切羽面の崩壊を防止して、方向制御を
確実にすることができる。
【0017】第2の発明にあっては、シルト粘土分が1
5%以下の砂礫層掘進時に泥水中に粘性付与剤を供給す
ることにより、泥水加圧式掘進工法おいて切羽崩壊防止
のために地盤改良工法などの補助工法が必要となる場合
であっても、泥水中に粘性付与剤を供給するだけで、補
助工法を併用することなく、そのまま掘進を継続するこ
とができ、掘進作業の中断をなくして、施工期間の短縮
化を図ることが可能となる。
【0018】また、砂礫層の地盤改良のため、例えば、
地上から薬液注入を行おうとしても、その部分の地上付
近に水道管や電力、通信ケーブル用の配管などがあっ
て、地上から注入管を挿入し難いような場合や、交通量
の多い道路や交差点などのように長時間の作業がしにく
いような場合であっても、加圧泥水の逸泥を確実に防止
して、掘進を行うことが可能となる。
【0019】第3の発明にあっては、粘度500〜30
00c Pの高分子材料からなる粘性付与剤を用いること
により、砂礫層掘進時の切羽面に確実に泥膜を形成する
ことができ、また調泥装置などのように大掛かりな設備
を用いる必要がなく、取扱いが容易となる。特に、逸泥
を防止するためには、1000から2000c P程度の
粘度であることが好ましく、500c P未満では逸泥防
止が難しく、3000c Pをこえると送泥が難しくなる
ものである。
【0020】第4の発明にあっては、掘進機による掘削
口径が内部での作業が困難な程度の小口径である場合の
ように、スクリューコンベアやずりトロなどを用いるこ
とができず、しかも地上からの地盤改良作業ができない
ような状態であっても、逸泥による圧密状態を回避して
掘進を行うことができる。
【0021】第5の発明にあっては、推進管を用い元押
しジャッキにて掘進させることで、管路などの小口径の
推進工法においても、逸泥を確実に防止して掘進を行う
ことが可能となる。
【0022】第6の発明にあっては、アウタコーン、コ
ーンロータ、隔壁及び切羽によって囲まれる領域に加圧
泥水を供給して掘進を行うアンクルモール工法におい
て、砂礫層掘削時にアウタコーンに形成した注入口より
泥水中に粘性付与剤を注入することにより、逸泥を防止
して、確実な掘削を行うことができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、図面
を参照しつつ詳細に説明する。
【0024】図1〜図6は、本発明の一実施例に係る礫
対応型泥水加圧式掘進工法およびその掘進機を示す図で
ある。
【0025】本実施例においては、掘進機10により泥
水中で切羽面12の掘削を行ないつつ、後方に推進管1
4を接続し、図示せぬ元押しジャッキにて掘進するアン
クルモール工法が採用されている。
【0026】この掘進機10は、掘進機本体16と、ア
ウタコーン18とコーンロータ20とから主に構成され
ている。
【0027】掘進機本体16は、口径が250〜900
mm程度のもので、その前面部分に隔壁22が設けら
れ、かつ後部にテールシールド24が接続され、このテ
ールシールド24の後方に推進管14が接続されるよう
になっている。また、掘進機本体16は、テールシール
ド24に対し、方向修正ジャッキ26を介して、掘進方
向が修正可能にされている。
【0028】アウタコーン18は、掘進機本体16の隔
壁22外周より前方に突出する筒状のもので、掘進機本
体16に対し固定状態で取り付けられるようになってい
る。また、アウタコーン18は内壁面がテーパ状に形成
されると共に、内部が中空に形成され、そこに二次泥水
室28が形成されるようになっている。
【0029】コーンロータ20は、ほぼ円錐形状をな
し、その先端に複数、例えば4本のスポークカッタ30
を有し、アウタコーン18内で偏心回転可能に掘進機本
体16の隔壁22より前方に突出して取り付けられるよ
うになっている。また、各スポークカッタ30には、そ
れぞれ複数のカッタビット32が取り付けられ、かつ対
応位置の一対のスポークカッタ32には、その外周端に
外周ビット34がそれぞれ取り付けられ、これらカッタ
ビット32および外周ビット34にて切羽面12を掘削
し得るようにしている。さらに、コーンロータ20の外
周には、複数の撹拌羽根36が取り付けられ、この撹拌
羽根36により、切羽面12の掘削土が泥水と共に撹拌
され、かつ、コーンロータ20の偏心回転によりコーン
ロータ20とアウタコーン18の間で、掘削土が破砕さ
れるようになっている。なお、コーンロータ20の回転
軸は、掘進機本体16の隔壁22を貫通して掘進機本体
16内のモータ38に接続されている。また、アウタコ
ーン18の二次泥水室28には、送排泥装置40が接続
されている。
【0030】この送排泥装置40は、アウタコーン18
の二次泥水室28に送排泥管42を接続し、アウタコー
ン18の内側面に二次泥水室28とつながる送排泥口4
4を形成している。そして、送排泥管42から二次泥水
室28内に泥水を供給し、この二次泥水室28から送排
泥口44を経て、隔壁22、切羽面12、アウタコーン
18およびコーンロータ20にて囲まれる一次泥水室4
6内に加圧泥水を供給し、一次泥水室46内を一定の泥
水圧に維持し、切羽面12の土水圧に対向し得るように
している。なお、二次泥水室28は、アウタコーン18
の周方向において連続した状態となっており、一次泥水
室46内に供給した加圧泥水を、掘削破砕した掘削土砂
と共に撹拌し、送排泥口44より二次泥水室28内に取
り込み、送排泥管42を経て泥水処理設備(図示せず)
に搬送し、さらにこれを送排泥管42により循環させる
ようにしている。
【0031】さらに、アウタコーン18には、粘性付与
剤注入装置50が接続されている。
【0032】この粘性付与剤注入装置50は、砂礫層掘
削時に一次泥水室46内の泥水中に粘性付与剤を注入し
て逸泥を防止するためのもので、アウタコーン18の内
側面に複数(本実施例においては上下2箇所)の注入口
52を形成し、この注入口52に粘性付与剤注入管54
を接続し、注入口52より直接一次泥水室46内に粘性
付与剤を注入するようにしている。この粘性付与剤注入
管54は、粘性付与剤50を貯留するホッパ56に接続
され、このホッパ56からスネークポンプ58にて粘性
付与剤が供給されるようになっている。また、粘性付与
剤注入管54の途中には、圧力計60、流量計62およ
びストップバルブ64が設けられ、送排泥管42に取り
付けた切羽水圧計66のの水圧低下に応じて、遠隔操作
盤68により、圧力計60の注入圧力および流量計62
の流量を確認しつつ、スネークポンプ58の回転数を制
御して、ストップバルブ64を開放し、一次泥水室46
内に粘性付与剤を注入するようにしている。なお、図中
70は、注入ポンプ制御盤である。
【0033】また、粘性付与剤としては、粘度500〜
3000c Pの高分子材料が用いられるようになってい
る。すなわち、500c P未満では逸泥防止が難しく、
3000c Pをこえるとたとえば1インチ(2.54c
m)管では送泥が難しく、したがって、逸泥防止のため
には1000〜2000c P程度が好ましい。この粘度
500〜3000c Pの高分子材料としては、具体的に
は、次のような高吸水性樹脂および増粘剤の混合材料が
採用できる。
【0034】・高吸水性樹脂(「ダイヤウェット.Sシ
リーズ」三菱油化製) 吸水能(純水)300〜400倍 P H 6〜8 粒 径(平均)100〜200μm かさ密度 0.95〜1.05g/cm3 含水率 7wt%以下 ・増粘剤(「ヴィスコ」商品名) ポリマー溶液タイプ さらに、この粘性付与剤の注入は切羽面のシルト粘土分
が15%以下の砂礫層となった場合に、切羽水圧計66
の水圧の状況に応じて行われるようになっている。
【0035】次に、前記実施例におけるアンクルモール
工法を用いた礫対応型泥水加圧式掘進工法について説明
する。
【0036】まず、掘進機10は発進立坑内に据え付
け、レーザ測定装置などにより掘進方向を計測し、掘進
機10内の方向修正ジャッキ26により掘進方向修正を
図りつつ、発進立坑内の元押しジャッキにより掘進さ
せ、これに推進管14を接続し推進する。
【0037】この場合、泥水処理装置より送排泥装置4
0の送排泥管42を経てアウタコーン18の二次泥水室
28内に加圧泥水を供給し、この二次泥水室28より送
排泥口44を経て一次泥水室46内に加圧泥水を供給
し、一次泥水室46内を一定圧の加圧泥水で満たし、こ
の泥水圧力により、切羽面12の土水圧に対抗しつつ、
コーンロータ20の回転によりスポークカッタ30が切
羽面12を切削する。切削された土砂は、コーンロータ
20の撹拌羽根36により撹拌されつつ、コーンロータ
20の偏心回転によりアウタコーン18との間で破砕さ
れ、泥水と共に送排泥口44より二次泥水室28内に取
り込まれた後、送排泥管42を介して泥水処理装置に搬
出された後、泥水処理装置にて調泥されて再び一次泥水
室46へと循環されることとなる。
【0038】したがって、シルト粘土分が15%を越え
る切羽面12の掘削時には、前述の処理により切羽面の
安定化が図れ、かつ、掘削土砂を送排泥管42により搬
出できるため、安定かつ効率のよい掘進を行なうことが
可能となる。
【0039】次に、シルト粘土分が15%以下となる砂
礫層掘進にかかると、切羽面12からの逸泥が生じ、一
次泥水室46内の泥水圧が低下することとなり、この圧
力の低下状態を送排泥管42に取り付けた切羽水圧計6
6により検出して、遠隔操作盤68を操作し、スネーク
ポンプ58を作動させ、ホッパ56より粘性付与剤注入
管54を経て注入口52より一次泥水室46内に直接粘
性付与剤を注入する。
【0040】この場合、粘性付与剤注入管54の途中に
設けた圧力計60、流量計62等を確認しつつ、スネー
クポンプ58の回転数を制御し、ストップバルブ64を
開放して適量の粘性付与剤を注入する。この粘性付与剤
の注入量は、例えば、次のように設定することが可能で
ある。
【0041】配 合 (1)粘 性 1000c P ダイヤウェット.Sシリーズ 3kg/m3 ヴィスコ 0.5kg/m3 (2)粘 性 2000c P ダイヤウェット.Sシリーズ 3kg/m3 ヴィスコ 1kg/m3 上記配合により、粘性1000〜2000c Pに設定さ
れた粘性付与剤を掘削体積に対して10〜40%を注入
する。
【0042】このように、粘性付与剤注入装置50によ
り、一次泥水室46内に粘性材を注入することにより、
シルト粘土分が15%以下となる砂礫層掘進においても
粘性付与剤により切羽面に泥膜を形成して逸泥を防止
し、一次泥水室46内の泥水圧をいっていに維持して切
羽面12の土圧に対抗させることにより崩壊掘削を防止
し、かつ、掘削土の塑性流動化を促し、一次泥水室46
内の圧密によるカッタトルクの増大を防止し、コーンロ
ータ20の回転不能状態を防止し、安定した掘進を可能
とすることができる。特に、小口径管路などのように、
圧密状態の土砂を取り除くためのスクリューコンベアや
ずりトロなどを用いることができず、しかも地上からの
地盤改良が行なえないような場合に有効である。
【0043】次いで、図5および図6に示すように、例
えば、下部砂質泥岩層72から上部砂礫層74に書けて
掘進する場合のように、土層間に大きな差がある互層部
を掘進する場合、上部砂礫層74から逸泥が生じ、上部
砂礫層74の崩壊緩みが発生すると、掘進機10の方向
制御が困難となり、この場合においても同様に、粘性付
与剤注入装置50の粘性付与剤注入管54より注入口5
2を経て一次泥水室46内に粘性付与剤を注入すること
により、上部砂礫層74の崩壊緩みを防止し、掘進機1
0の方向制御を確実に行なえるようにしている。
【0044】このように、シルト粘土分が15%以下と
なる砂礫層掘進や、土層間に大きな差がある互層部を掘
進するような場合、粘性付与剤注入装置50より一次泥
水室46内に粘性付与剤を注入することにより、圧密状
態となった掘削土砂を推進管14内での作業により排出
する必要がなく、内部作業が困難な程度の小口径の掘進
において特に有効なものとなる。
【0045】本発明は、前記実施例に限定されるもので
はなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施
が可能である。
【0046】例えば、前記実施例においては、本発明を
アンクルモール工法に適用した場合について説明した
が、この例に限らず、泥水加圧式シールド工法に適用す
ることも可能である。
【0047】また、粘性付与剤の注入をスネークポンプ
58にて行なうようにしているが、この例に限らず、例
えばプランジャポンプその他のポンプを用いて注入する
ことも可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、第1の発明にあっ
ては、砂礫層掘進時に隔壁と切羽との間の泥水中に粘性
付与剤を供給することにより、泥水加圧式掘進工法であ
っても砂礫層掘進時にこの粘性付与剤により切羽面に泥
膜を形成して逸泥を防止し、かつ、掘削土を塑性流動化
させて、掘削土が圧密状態となるのを防止し、その結
果、砂礫層掘進時においても掘進機のカッタートルクを
小さくして、カッターの回転状態を維持することができ
るという効果がある。
【0049】また、土層間に大きな差がある互層部の掘
進時においても、切羽面の崩壊を防止して、方向制御を
確実にすることができるという効果がある。
【0050】第2の発明にあっては、シルト粘土分が1
5%以下の砂礫層掘進時に泥水中に粘性付与剤を供給す
ることにより、泥水加圧式掘進工法おいて切羽崩壊防止
のために地盤改良工法などの補助工法が必要となる場合
であっても、泥水中に粘性付与剤を供給するだけで、補
助工法を併用することなく、そのまま掘進を継続するこ
とができ、掘進作業の中断をなくして、施工期間の短縮
化を図ることができるという効果がある。
【0051】また、砂礫層の地盤改良のため、例えば、
地上から薬液注入を行おうとしても、その部分の地上付
近に水道管や電力、通信ケーブル用の配管などがあっ
て、地上から注入管を挿入し難いような場合や、交通量
の多い道路や交差点などのように長時間の作業がしにく
いような場合であっても、加圧泥水の逸泥を確実に防止
して、掘進を行うことができるという効果がある。
【0052】第3の発明にあっては、粘度500〜30
00c Pの高分子材料からなる粘性付与剤を用いること
により、砂礫層掘進時の切羽面に確実に泥膜を形成する
ことができ、また調泥装置などのように大掛かりな設備
を用いる必要がなく、取扱いを容易にすることができる
という効果がある。
【0053】第4の発明にあっては、掘進機による掘削
口径が内部での作業が困難な程度の小口径である場合の
ように、スクリューコンベアやずりトロなどを用いるこ
とができず、しかも地上からの地盤改良作業ができない
ような状態であっても、逸泥による圧密状態を回避して
掘進を行うことができるという効果がある。
【0054】第5の発明にあっては、推進管を用い元押
しジャッキにて掘進させることで、管路などの小口径の
推進工法においても、逸泥を確実に防止して掘進を行う
ことができるという効果がある。
【0055】第6の発明にあっては、アウタコーン、コ
ーンロータ、隔壁及び切羽によって囲まれる領域に加圧
泥水を供給して掘進を行うアンクルモール工法におい
て、砂礫層掘削時にアウタコーンに形成した注入口より
泥水中に粘性付与剤を注入することにより、逸泥を防止
して、確実な掘削を行うことができるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる礫対応型泥水加圧式
掘進機および粘性付与剤注入装置の状態を示す概略説明
図である。
【図2】図1の掘進機10の詳細を示す断面図である。
【図3】図2の掘進機を前方から見た正面図である。
【図4】図2の掘進機を内部側から見た正面図である。
【図5】互層部掘進状態を示す断面図である。
【図6】図5のA点,B点,C点の各点における断面図
である。
【符号の説明】
10 掘進機 12 切羽面 14 推進管 16 掘進機本体 18 アウタコーン 20 コーンロータ 22 隔壁 30 スポークカッタ 40 送排泥装置 42 送排泥管 44 送排泥口 50 粘性付与剤注入装置 52 注入口 54 粘性付与剤注入管 72 下部砂質泥岩層 74 砂礫層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 大 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田建 設株式会社内 (72)発明者 青木 直之 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田建 設株式会社内 (72)発明者 岩井 義雄 東京都中央区京橋1丁目7番1号 戸田建 設株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘進機先端に隔壁を設置し、この隔壁と
    切羽との間に加圧した泥水を供給し、この泥水の圧力に
    より切羽の崩壊を防ぎつつ掘進する泥水加圧式掘進工法
    において、 砂礫層掘進時に、前記隔壁と切羽との間の泥水中に粘性
    付与剤を供給して、逸泥を防止することを特徴とする礫
    対応型泥水加圧式掘進工法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 シルト粘土分が15%以下の砂礫層掘進時に前記泥水中
    に前記粘性付与剤を供給することを特徴とする礫対応型
    泥水加圧式掘進工法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記粘性付与剤は、粘度500〜3000c Pの高分子
    材料からなることを特徴とする礫対応型泥水加圧式掘進
    工法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記掘進機による掘削口径は、内部で作業が困難な程度
    の小口径であることを特徴とする礫対応型泥水加圧式掘
    進工法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 前記掘進機は、後方に推進管を接続し、元押しジャッキ
    にて掘進することを特徴とする礫対応型泥水加圧式掘進
    工法。
  6. 【請求項6】 隔壁より前方に突出させた固定側の筒状
    のアウタコーンと、 先端にスポークカッタを有し、前記アウタコーン内で偏
    心回転して切羽面の掘削及び礫の破砕を行うコーンロー
    タと、 前記アウタコーンに送排泥管と接続した送排泥口を有
    し、この送排泥口より、切羽、隔壁及びアウタコーンに
    よって囲まれた領域に対し泥水を供給、排出して一定圧
    力に維持する送排泥装置と、 前記アウタコーンに粘性付与剤注入管と接続した注入口
    を有し、砂礫層掘削時に前記注入口より、前記泥水中に
    粘性付与剤を注入して逸泥を防止する粘性付与剤注入装
    置と、 を備えることを特徴とする礫対応型泥水加圧式掘進機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106703826A (zh) * 2017-02-23 2017-05-24 淮南矿业(集团)有限责任公司 一种矿用tbm刀盘结泥岩饼的控制及清理方法
CN108895201A (zh) * 2018-07-09 2018-11-27 中国铁建重工集团有限公司 一种顶管机及可退回式顶管施工方法

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