JPH0867955A - 酸洗性に優れたチタン熱延板の製造方法 - Google Patents
酸洗性に優れたチタン熱延板の製造方法Info
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- JPH0867955A JPH0867955A JP20313394A JP20313394A JPH0867955A JP H0867955 A JPH0867955 A JP H0867955A JP 20313394 A JP20313394 A JP 20313394A JP 20313394 A JP20313394 A JP 20313394A JP H0867955 A JPH0867955 A JP H0867955A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】熱延板の焼鈍工程を省略することができ、更に
は熱間圧延後のショットブラスト処理工程を省略しても
酸洗性が低下しない熱延板の製造方法を提供するもの
で、安価に酸洗性と冷延光沢性に優れた熱延板を製造す
ることを目的とする。 【構成】連続熱間圧延機で熱延チタン板を製造する方法
であって、スラブを900℃以下の温度で加熱し、仕上げ
温度 760℃以上で熱間圧延することにより再結晶させ、
熱間圧延仕上げ後必要により直ちに急冷し、 300〜 500
℃で巻き取り、必要により巻き取り後急冷する酸洗性と
冷延表面光沢性に優れたチタン熱延板の製造方法、及び
仕上げ温度を 760℃未満で熱間圧延し、熱間圧延仕上げ
後直ちに急冷し、 300〜 500℃で巻き取り、次いで非酸
化性雰囲気で焼鈍する酸洗性と冷延表面光沢性に優れた
チタン熱延板の製造方法。
は熱間圧延後のショットブラスト処理工程を省略しても
酸洗性が低下しない熱延板の製造方法を提供するもの
で、安価に酸洗性と冷延光沢性に優れた熱延板を製造す
ることを目的とする。 【構成】連続熱間圧延機で熱延チタン板を製造する方法
であって、スラブを900℃以下の温度で加熱し、仕上げ
温度 760℃以上で熱間圧延することにより再結晶させ、
熱間圧延仕上げ後必要により直ちに急冷し、 300〜 500
℃で巻き取り、必要により巻き取り後急冷する酸洗性と
冷延表面光沢性に優れたチタン熱延板の製造方法、及び
仕上げ温度を 760℃未満で熱間圧延し、熱間圧延仕上げ
後直ちに急冷し、 300〜 500℃で巻き取り、次いで非酸
化性雰囲気で焼鈍する酸洗性と冷延表面光沢性に優れた
チタン熱延板の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、優れた酸洗性および
冷延表面光沢性を備えたチタン熱延板を安価に製造する
方法に関する。
冷延表面光沢性を備えたチタン熱延板を安価に製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタン材料は優れた耐食性、比強度等の
特性を備えており、航空機材、化学工業設備や海水利用
設備等に多用されている。近時、この材料がよく知られ
るようになるにつれて、建築材料、熱交換器材等他の用
途にも使用されるようになってきた。
特性を備えており、航空機材、化学工業設備や海水利用
設備等に多用されている。近時、この材料がよく知られ
るようになるにつれて、建築材料、熱交換器材等他の用
途にも使用されるようになってきた。
【0003】チタン冷延板の一般的な製造方法は、チタ
ンスラブを 700〜 950℃の温度範囲に加熱し、仕上げ温
度 650〜 750℃で熱間圧延を行った後、 700℃で軟化焼
鈍し、次にスラブ加熱から軟化焼鈍の間で生成したスケ
ールにミクロクラックを入れ酸洗性を高めるためにショ
ットブラスト処理を施し、フッ硝酸液により酸洗を行
い、冷間圧延する方法である。
ンスラブを 700〜 950℃の温度範囲に加熱し、仕上げ温
度 650〜 750℃で熱間圧延を行った後、 700℃で軟化焼
鈍し、次にスラブ加熱から軟化焼鈍の間で生成したスケ
ールにミクロクラックを入れ酸洗性を高めるためにショ
ットブラスト処理を施し、フッ硝酸液により酸洗を行
い、冷間圧延する方法である。
【0004】チタン板を安価に製造する方法として、特
開昭62ー83457号公報にチタンスラブを 950〜1150℃の温
度に加熱し、熱間圧延後このチタン熱延板を 600〜 750
℃の温度範囲で巻き取り、この間に再結晶を完了させる
ことにより熱延板焼鈍を省略して冷間圧延ができるチタ
ン熱延板の製造方法が記載されている。
開昭62ー83457号公報にチタンスラブを 950〜1150℃の温
度に加熱し、熱間圧延後このチタン熱延板を 600〜 750
℃の温度範囲で巻き取り、この間に再結晶を完了させる
ことにより熱延板焼鈍を省略して冷間圧延ができるチタ
ン熱延板の製造方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法では
熱延板の焼鈍が省略できても、加熱温度が 950〜1150℃
で、更に巻取り温度が 650〜 750℃でいずれも通常より
も高温であるため、酸化スケールが増大するという問題
ある。また、この方法は、前記のチタン冷延材の一般的
な製造方法と同様に熱間圧延後脱スケールのためにショ
ットブラスト処理が必須となる。
熱延板の焼鈍が省略できても、加熱温度が 950〜1150℃
で、更に巻取り温度が 650〜 750℃でいずれも通常より
も高温であるため、酸化スケールが増大するという問題
ある。また、この方法は、前記のチタン冷延材の一般的
な製造方法と同様に熱間圧延後脱スケールのためにショ
ットブラスト処理が必須となる。
【0006】ショットブラスト処理は熱延板表面にショ
ット圧痕疵が残るため高光沢の冷延板を得るためには、
この圧痕疵を消すための二回冷延化や高圧下の冷間圧延
を実施しなければならない。そのため製造コストが上昇
する。ショットブラスト処理を軽減させてショット圧痕
を小さくすることも考えられるが、その場合酸洗性が悪
化する。
ット圧痕疵が残るため高光沢の冷延板を得るためには、
この圧痕疵を消すための二回冷延化や高圧下の冷間圧延
を実施しなければならない。そのため製造コストが上昇
する。ショットブラスト処理を軽減させてショット圧痕
を小さくすることも考えられるが、その場合酸洗性が悪
化する。
【0007】本発明は、熱延板の焼鈍工程を省略するこ
とができる製造方法、及び熱間圧延後のショットブラス
ト処理工程を省略しても酸洗性が低下しない熱延板の製
造方法を提供するもので、安価に酸洗性と冷延光沢性に
優れた熱延板を製造することを目的とする。
とができる製造方法、及び熱間圧延後のショットブラス
ト処理工程を省略しても酸洗性が低下しない熱延板の製
造方法を提供するもので、安価に酸洗性と冷延光沢性に
優れた熱延板を製造することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため種々実験検討した結果、下記の知見を得
た。
を達成するため種々実験検討した結果、下記の知見を得
た。
【0009】A )スラブの加熱温度が 900℃をこえると
酸素の拡散が急に速くなり、酸化スケールが増加するの
で、スラブの加熱は 900℃以下にする必要があること。
酸素の拡散が急に速くなり、酸化スケールが増加するの
で、スラブの加熱は 900℃以下にする必要があること。
【0010】B )熱間圧延の仕上げ温度を 760℃以上の
高温にすると再結晶が起こり、熱延板の焼鈍を省略して
も冷間圧延が可能であること。
高温にすると再結晶が起こり、熱延板の焼鈍を省略して
も冷間圧延が可能であること。
【0011】C )スラブの加熱温度を 900℃以下の低温
として、更に熱延板の巻取り温度を500℃以下と低くす
ると熱延板の酸洗性がよくなりショットブラスト処理を
軽減することができること。
として、更に熱延板の巻取り温度を500℃以下と低くす
ると熱延板の酸洗性がよくなりショットブラスト処理を
軽減することができること。
【0012】D )熱間圧延の仕上げ温度を 760℃以上の
高温にして、熱延仕上げ後直ちに急冷すると熱延板の表
面のスケールにミクロクラックを付与することができ、
酸洗前のショットブラスト工程を省略して酸洗のみでス
ケール除去ができること。
高温にして、熱延仕上げ後直ちに急冷すると熱延板の表
面のスケールにミクロクラックを付与することができ、
酸洗前のショットブラスト工程を省略して酸洗のみでス
ケール除去ができること。
【0013】本発明はこれらの知見に基づき完成された
もので、その要旨とするところは、「連続熱間圧延機で
熱延チタン板を製造する方法であって、スラブを 900℃
以下の温度に加熱し、仕上げ温度 760℃以上で熱間圧延
することにより再結晶させ、熱間圧延仕上げ後必要によ
り直ちに急冷し、 300〜 500℃の温度範囲で巻取り、必
要により巻き取り後急冷する酸洗性と冷延表面光沢性に
優れたチタン熱延板の製造方法、及び別の態様として、
連続熱間圧延機で熱延チタン板を製造する方法であっ
て、スラブを 900℃以下の温度で加熱し、仕上げ温度を
760℃未満 700℃以上で熱間圧延し、熱間圧延仕上げ後
直ちに急冷し、 300〜 500℃の温度範囲で巻取り、次い
で非酸化性雰囲気で焼鈍する酸洗性と冷延表面光沢性に
優れたチタン熱延板の製造方法」である。
もので、その要旨とするところは、「連続熱間圧延機で
熱延チタン板を製造する方法であって、スラブを 900℃
以下の温度に加熱し、仕上げ温度 760℃以上で熱間圧延
することにより再結晶させ、熱間圧延仕上げ後必要によ
り直ちに急冷し、 300〜 500℃の温度範囲で巻取り、必
要により巻き取り後急冷する酸洗性と冷延表面光沢性に
優れたチタン熱延板の製造方法、及び別の態様として、
連続熱間圧延機で熱延チタン板を製造する方法であっ
て、スラブを 900℃以下の温度で加熱し、仕上げ温度を
760℃未満 700℃以上で熱間圧延し、熱間圧延仕上げ後
直ちに急冷し、 300〜 500℃の温度範囲で巻取り、次い
で非酸化性雰囲気で焼鈍する酸洗性と冷延表面光沢性に
優れたチタン熱延板の製造方法」である。
【0014】
【作用】次に、本発明の方法における諸条件を限定した
理由と作用について、より具体的に説明する。
理由と作用について、より具体的に説明する。
【0015】1 )スラブ加熱温度 チタンは、 900℃以上になると酸素の拡散が急に速くな
り、チタン熱延板のスケール生成が増大し、酸洗性が悪
化するのでスラブ加熱温度は 900℃以下とする。
り、チタン熱延板のスケール生成が増大し、酸洗性が悪
化するのでスラブ加熱温度は 900℃以下とする。
【0016】2 )熱間圧延仕上げ温度 本発明において仕上げ温度を 760℃以上の高温にするの
は、熱間圧延後に冷間圧延する際に必要な軟化焼鈍を省
略するためである。この軟化焼鈍は熱間圧延により導入
された歪を焼鈍により再結晶させて取り除くために一般
に行われているものである。
は、熱間圧延後に冷間圧延する際に必要な軟化焼鈍を省
略するためである。この軟化焼鈍は熱間圧延により導入
された歪を焼鈍により再結晶させて取り除くために一般
に行われているものである。
【0017】JIS2種に相当する純チタンの場合、 550℃
以上の焼鈍により再結晶がおこる。
以上の焼鈍により再結晶がおこる。
【0018】しかし、熱延中の動的再結晶、熱延直後の
静的再結晶を起こすためには、再結晶速度を速くする必
要があり普通の再結晶温度よりも高くする必要がある。
760 ℃未満では、ほとんど再結晶が起こらないので、熱
間圧延仕上げ温度を 760℃以上とした。
静的再結晶を起こすためには、再結晶速度を速くする必
要があり普通の再結晶温度よりも高くする必要がある。
760 ℃未満では、ほとんど再結晶が起こらないので、熱
間圧延仕上げ温度を 760℃以上とした。
【0019】なお、動的再結晶を生じさせるためには、
動的再結晶の駆動力となるある程度の歪エネルギーが必
要であり、この歪を得るために熱間圧延の最終パスでの
圧下率を15%以上にするのが好ましい。また、熱間圧延
仕上げ温度を 760℃以上として再結晶させても一部未再
結晶組織が残る場合があれば、軟化焼鈍を補足的に行う
とより完全となる。
動的再結晶の駆動力となるある程度の歪エネルギーが必
要であり、この歪を得るために熱間圧延の最終パスでの
圧下率を15%以上にするのが好ましい。また、熱間圧延
仕上げ温度を 760℃以上として再結晶させても一部未再
結晶組織が残る場合があれば、軟化焼鈍を補足的に行う
とより完全となる。
【0020】仕上げ温度を 760℃未満で仕上げる場合は
再結晶はほとんど起こらないので、巻取り後の軟化焼鈍
が必要である。焼鈍する場合は熱間圧延時に再結晶させ
る必要がないので上限を 760℃未満とした。また、下限
は特に限定しないが仕上げ温度は必然的に圧延が可能な
温度域となる。
再結晶はほとんど起こらないので、巻取り後の軟化焼鈍
が必要である。焼鈍する場合は熱間圧延時に再結晶させ
る必要がないので上限を 760℃未満とした。また、下限
は特に限定しないが仕上げ温度は必然的に圧延が可能な
温度域となる。
【0021】巻取り後の焼鈍は通常の温度約 700℃で行
えばよいが、酸洗性を悪化させないために焼鈍はアルゴ
ン雰囲気中、真空中等の非酸化雰囲気中で行う必要があ
る。
えばよいが、酸洗性を悪化させないために焼鈍はアルゴ
ン雰囲気中、真空中等の非酸化雰囲気中で行う必要があ
る。
【0022】3 )巻取り温度 ショットブラスト処理を軽減させ酸洗性をよくするため
には、加熱温度を 900℃以下とすると共に 500℃以下で
巻取る必要がある。 500℃を超えた高温で巻取ると酸化
の進行が速くなるので上限を 500℃とする。一方、 300
℃未満になると硬くなり巻取りが困難となる。
には、加熱温度を 900℃以下とすると共に 500℃以下で
巻取る必要がある。 500℃を超えた高温で巻取ると酸化
の進行が速くなるので上限を 500℃とする。一方、 300
℃未満になると硬くなり巻取りが困難となる。
【0023】4 )熱間圧延仕上げ後の急冷 熱間圧延後急冷するのは、チタンとスケール(酸化チタ
ン)の熱膨張係数の違いにより、高温からの急冷により
スケールにミクロクラックを付与することにより脱スケ
ール性を改善するためである。
ン)の熱膨張係数の違いにより、高温からの急冷により
スケールにミクロクラックを付与することにより脱スケ
ール性を改善するためである。
【0024】急冷による熱衝撃により、スケールにミク
ロクラックを発生させるためには、700℃以上の高温か
ら 500℃以下の温度に急冷する必要がある。 700℃未満
の温度では、急冷による熱衝撃によるスケールミクロク
ラックの発生の効果は小さくなるが、仕上げ後のスケー
ルの増加が少なくなるため酸洗性は悪くならない。
ロクラックを発生させるためには、700℃以上の高温か
ら 500℃以下の温度に急冷する必要がある。 700℃未満
の温度では、急冷による熱衝撃によるスケールミクロク
ラックの発生の効果は小さくなるが、仕上げ後のスケー
ルの増加が少なくなるため酸洗性は悪くならない。
【0025】冷却速度はおよそ 100℃/秒以上が好まし
く、通常水冷でよいが、強制空気冷却でもよい。
く、通常水冷でよいが、強制空気冷却でもよい。
【0026】5 )巻取り後の急冷 巻取り後に急冷するのは、巻取りしたコイル状の熱延板
は容量が大きくなるので冷却速度が極めて遅くなり、そ
の間の酸化を防止するため、及びコイルの冷却時間を短
縮し、製造効率を上げるためである。
は容量が大きくなるので冷却速度が極めて遅くなり、そ
の間の酸化を防止するため、及びコイルの冷却時間を短
縮し、製造効率を上げるためである。
【0027】
【実施例】 厚さ18mmのJIS2種相当の、重量%で O:
0.095%、Fe: 0.057%、 C: 0.006%、 H: 0.001
%、 N: 0.005%残部Tiからなる純チタンスラブを用意
し、これを表1、2に示す各条件において熱間圧延を行
い、熱間圧延仕上げ後放冷または水冷し、その熱延板を
巻取り温度相当の熱処理炉に挿入後炉冷(冷却速度50℃
/時間)した。この炉冷は実操業の巻取り行程を想定し
たものである。巻取り後水冷したものについては、炉に
挿入後30分保持後取り出し水冷した。その後、熱間圧延
仕上げ温度が 760℃以上のものは焼鈍せずに、また 760
℃未満のものは比較例を除き焼鈍を施し、ショトブラス
ト処理し、フッ硝酸により酸洗を行った。但し、熱間圧
延仕上げ後水冷したものは、ショットブラスト処理を施
さずに酸洗した。その後、酸洗した熱延板を冷間圧延し
た。
0.095%、Fe: 0.057%、 C: 0.006%、 H: 0.001
%、 N: 0.005%残部Tiからなる純チタンスラブを用意
し、これを表1、2に示す各条件において熱間圧延を行
い、熱間圧延仕上げ後放冷または水冷し、その熱延板を
巻取り温度相当の熱処理炉に挿入後炉冷(冷却速度50℃
/時間)した。この炉冷は実操業の巻取り行程を想定し
たものである。巻取り後水冷したものについては、炉に
挿入後30分保持後取り出し水冷した。その後、熱間圧延
仕上げ温度が 760℃以上のものは焼鈍せずに、また 760
℃未満のものは比較例を除き焼鈍を施し、ショトブラス
ト処理し、フッ硝酸により酸洗を行った。但し、熱間圧
延仕上げ後水冷したものは、ショットブラスト処理を施
さずに酸洗した。その後、酸洗した熱延板を冷間圧延し
た。
【0028】なお、ショットブラスト処理条件は、回転
数700rpmの回転ドラムよりショットを放出させて実施し
た。
数700rpmの回転ドラムよりショットを放出させて実施し
た。
【0029】熱間圧延仕上げ温度が 760℃未満と低い場
合には再結晶しないので、熱延板焼鈍が必要となるが、
その場合巻取り後それ以上スケールが生成しないように
真空またはアルゴンガス等の酸化雰囲気で焼鈍する必要
がある。本実施例ではアルゴンガス中で焼鈍を行った。
合には再結晶しないので、熱延板焼鈍が必要となるが、
その場合巻取り後それ以上スケールが生成しないように
真空またはアルゴンガス等の酸化雰囲気で焼鈍する必要
がある。本実施例ではアルゴンガス中で焼鈍を行った。
【0030】巻取り後の熱延板について再結晶している
か調べるため光学顕微鏡でミクロ組織を観察した。ま
た、酸洗後に酸洗性を評価するためスケールの付着度を
目視検査した。冷延板については、光沢度を光沢計(60
゜グロス値)により調べた。それらの結果を表1に示
す。
か調べるため光学顕微鏡でミクロ組織を観察した。ま
た、酸洗後に酸洗性を評価するためスケールの付着度を
目視検査した。冷延板については、光沢度を光沢計(60
゜グロス値)により調べた。それらの結果を表1に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】再結晶度の評価は、結晶粒が観察されるも
のを○、変形組織が観察されるものを×、両方混在して
いるものを△とした。
のを○、変形組織が観察されるものを×、両方混在して
いるものを△とした。
【0034】酸洗性の評価は、スケールが残っているも
のを×、残っていないものを○、極僅かにスケールが残
っているものを△とした。
のを×、残っていないものを○、極僅かにスケールが残
っているものを△とした。
【0035】光沢度の評価は、60゜グロス値が 200以上
のものを○、 150以下を×、 150超え 200を△とした。
のものを○、 150以下を×、 150超え 200を△とした。
【0036】表1、表2から明かなように、本発明例の
No.1〜No.8は熱間圧延仕上げ温度が760℃以上であるた
め全て熱延板焼鈍なしで全て再結晶している。また、こ
れらはスラブを低温で加熱し、低温巻取りしているため
にショトブラスト処理は軽度の処理ですむため冷間圧延
後の表面光沢も比較的良好であった。
No.1〜No.8は熱間圧延仕上げ温度が760℃以上であるた
め全て熱延板焼鈍なしで全て再結晶している。また、こ
れらはスラブを低温で加熱し、低温巻取りしているため
にショトブラスト処理は軽度の処理ですむため冷間圧延
後の表面光沢も比較的良好であった。
【0037】比較例No.9は、熱間圧延仕上げ温度が 700
℃と低いため再結晶していない。仕上げ温度が 740℃の
No.10 は部分的に再結晶していた。
℃と低いため再結晶していない。仕上げ温度が 740℃の
No.10 は部分的に再結晶していた。
【0038】比較例No.11 〜No.14 は、加熱温度や巻取
り温度が高いので強いショトブラストを施したにもかか
わらず酸洗性がよくない。
り温度が高いので強いショトブラストを施したにもかか
わらず酸洗性がよくない。
【0039】本発明例No.16 〜No.22 は、熱間圧延ご直
ちに水冷しているのでショットブラスト処理を施してい
ないにも拘らず、全て酸洗性に優れている。
ちに水冷しているのでショットブラスト処理を施してい
ないにも拘らず、全て酸洗性に優れている。
【0040】比較例No.24 は、熱間圧延仕上げ温度が低
いので再結晶していない。
いので再結晶していない。
【0041】
【発明の効果】本発明法によれば、熱間圧延仕上げ温度
を高くしているので熱延板焼鈍工程を省略することがで
き、スラブ加熱温度、巻取り温度を制御しているので酸
洗性にも優れた熱延板の製造ができる。また、熱間圧延
後の急冷によりスケールにミクロクラックを付与するこ
とにより、ショトブラスト工程の省略が可能であり、そ
れにより冷間圧延光沢度が改善される。このように、本
発明法は工程省略により、酸洗性及び冷延表面光沢性に
優れたチタン熱延板が安価に製造できるものである。
を高くしているので熱延板焼鈍工程を省略することがで
き、スラブ加熱温度、巻取り温度を制御しているので酸
洗性にも優れた熱延板の製造ができる。また、熱間圧延
後の急冷によりスケールにミクロクラックを付与するこ
とにより、ショトブラスト工程の省略が可能であり、そ
れにより冷間圧延光沢度が改善される。このように、本
発明法は工程省略により、酸洗性及び冷延表面光沢性に
優れたチタン熱延板が安価に製造できるものである。
Claims (4)
- 【請求項1】連続熱間圧延機で熱延チタン板を製造する
方法であって、スラブを 900℃以下の温度に加熱し、仕
上げ温度 760℃以上で熱間圧延することにより再結晶さ
せ、300〜 500℃の温度範囲で巻取ることを特徴とする
酸洗性に優れたチタン熱延板の製造方法。 - 【請求項2】巻き取り後急冷することを特徴とする第1
項記載のチタン熱延板の製造方法。 - 【請求項3】連続熱間圧延機で熱延チタン板を製造する
方法であって、スラブを 900℃以下の温度に加熱し、仕
上げ温度 760℃以上で熱間圧延することにより再結晶さ
せ、熱間圧延仕上げ後直ちに急冷し、 300〜 500℃の温
度範囲で巻取ることを特徴とする酸洗性と冷延表面光沢
性に優れたチタン熱延板の製造方法。 - 【請求項4】連続熱間圧延機で熱延チタン板を製造する
方法であって、スラブを 900℃以下の温度で加熱し、仕
上げ温度を 760℃未満で熱間圧延し、熱間圧延仕上げ後
直ちに急冷し、 300〜 500℃の温度範囲で巻取り、次い
で非酸化性雰囲気で焼鈍することを特徴とする酸洗性と
冷延表面光沢性に優れたチタン熱延板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20313394A JPH0867955A (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | 酸洗性に優れたチタン熱延板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20313394A JPH0867955A (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | 酸洗性に優れたチタン熱延板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0867955A true JPH0867955A (ja) | 1996-03-12 |
Family
ID=16468966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20313394A Pending JPH0867955A (ja) | 1994-08-29 | 1994-08-29 | 酸洗性に優れたチタン熱延板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0867955A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016152678A1 (ja) * | 2015-03-25 | 2016-09-29 | 株式会社神戸製鋼所 | 冷間圧延用圧延板の製造方法、及び純チタン板の製造方法 |
CN110735096A (zh) * | 2019-11-19 | 2020-01-31 | 南昌航空大学 | 一种新型tb6合金表面强化方法 |
-
1994
- 1994-08-29 JP JP20313394A patent/JPH0867955A/ja active Pending
Cited By (6)
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