JPS59215450A - Ti合金の熱間加工板および製造方法 - Google Patents
Ti合金の熱間加工板および製造方法Info
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- JPS59215450A JPS59215450A JP8923483A JP8923483A JPS59215450A JP S59215450 A JPS59215450 A JP S59215450A JP 8923483 A JP8923483 A JP 8923483A JP 8923483 A JP8923483 A JP 8923483A JP S59215450 A JPS59215450 A JP S59215450A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
この発明は、曲げ加工性にすぐれたり系材料の熱間加工
板、特に、例えばTi−6AI−4V合金で代表される
(α+β)型Tt金合金曲げ加工性にすぐれた熱間加工
板およびそれを製造する方法に関する。
板、特に、例えばTi−6AI−4V合金で代表される
(α+β)型Tt金合金曲げ加工性にすぐれた熱間加工
板およびそれを製造する方法に関する。
Ti系材料、一般にTi合金、例えば(α+β)型Ti
合金は、Ti系材料特有のすぐれた耐食性と高い比強度
をそなえているとともに高温クリープ特性にもすぐれて
いることから、Ti系材料の中では最も多量に使用され
ている材料である。しかも、近年の航空機産業の飛躍的
な発展にともなってその使用量が急激な増加をみせてい
る上、種々の新たな用途の開発も期待されているなど、
工業用材料として益々その重要性を増している材料の一
つである。
合金は、Ti系材料特有のすぐれた耐食性と高い比強度
をそなえているとともに高温クリープ特性にもすぐれて
いることから、Ti系材料の中では最も多量に使用され
ている材料である。しかも、近年の航空機産業の飛躍的
な発展にともなってその使用量が急激な増加をみせてい
る上、種々の新たな用途の開発も期待されているなど、
工業用材料として益々その重要性を増している材料の一
つである。
例えば、この(α+β)型Ti合金板は熱間加工、通常
、熱間圧延で製造されているが、しかしながら、通常の
方法で製造すると製品としての熱間加工板の曲げ加工性
が極めて劣るという欠点が存在していた。
、熱間圧延で製造されているが、しかしながら、通常の
方法で製造すると製品としての熱間加工板の曲げ加工性
が極めて劣るという欠点が存在していた。
航空機の機体用として用いる場合、各所に曲げ加工が要
求され、また、その加工度も益々厳しいものとなってい
る現状からは、Ti系材料の上述のような欠点には一日
も早い改善が望まれているにもかかわらず、工業的に加
工性のすぐれた熱間加工板を製造する方法に関してはこ
れまでに殆ど報告されていない。
求され、また、その加工度も益々厳しいものとなってい
る現状からは、Ti系材料の上述のような欠点には一日
も早い改善が望まれているにもかかわらず、工業的に加
工性のすぐれた熱間加工板を製造する方法に関してはこ
れまでに殆ど報告されていない。
かくして、発明者らは、上述のような状況の下で、今後
の着実な産業の発展上、様々の重要な役割が期待される
Ti系材料の曲げ加工性にすぐれた熱間加工板およびそ
れを工業的規模で確実に製造できる方法を見出すべく、
特にTi合金熱間圧延板の曲げ加工性が劣る原因および
その改善方法の解明に鋭意取り組んだ。
の着実な産業の発展上、様々の重要な役割が期待される
Ti系材料の曲げ加工性にすぐれた熱間加工板およびそ
れを工業的規模で確実に製造できる方法を見出すべく、
特にTi合金熱間圧延板の曲げ加工性が劣る原因および
その改善方法の解明に鋭意取り組んだ。
ところで、金属材料の加工性が劣る場合に考えられる一
般的な原因としてば; (i ) 素材自体の延性不足: (it) 素材自体の靭性不足; (iii )素材中に介在物等が存在していること;お
よび、 (iν) 素材中に割れ等の欠陥が存在していること、
等が考えられるが、T+金合金は上記(i )および(
ii)に示すような延性や靭性の不足という観点からの
曲げ割れ原因の説明は十分にあてはまらず、また、素材
中の介在物や割れ等の欠陥についても詳細に検討したが
、その存在を認めることができなかった。
般的な原因としてば; (i ) 素材自体の延性不足: (it) 素材自体の靭性不足; (iii )素材中に介在物等が存在していること;お
よび、 (iν) 素材中に割れ等の欠陥が存在していること、
等が考えられるが、T+金合金は上記(i )および(
ii)に示すような延性や靭性の不足という観点からの
曲げ割れ原因の説明は十分にあてはまらず、また、素材
中の介在物や割れ等の欠陥についても詳細に検討したが
、その存在を認めることができなかった。
したがって、このように、従来の技術常識からは予想し
にくい曲げ加工性の劣化現象について発明者らが種々の
角度から検討した結果、Ti合金熱間圧延板の曲げ加工
性の劣化はα相(最密六方晶−11CP −結晶構造)
の結晶方位、つまり集合組織に起因することを見い出し
た。即ぢ、曲げ加工性の劣るTi合金熱間圧延板のα相
について、(0002)極点図(polefigure
)から集合組織を調べたところ、六方晶のC軸が熱間
圧延板の板面に対して垂直方向に位置する結晶が多く存
在することが確認された。
にくい曲げ加工性の劣化現象について発明者らが種々の
角度から検討した結果、Ti合金熱間圧延板の曲げ加工
性の劣化はα相(最密六方晶−11CP −結晶構造)
の結晶方位、つまり集合組織に起因することを見い出し
た。即ぢ、曲げ加工性の劣るTi合金熱間圧延板のα相
について、(0002)極点図(polefigure
)から集合組織を調べたところ、六方晶のC軸が熱間
圧延板の板面に対して垂直方向に位置する結晶が多く存
在することが確認された。
以上の知見にもとすいて、さらに研究を続けたところ、
以下の点を見い出した。すなわち、(1)六方晶金属に
あっては、塑性変形を支配する主すべり系は、第1図に
示すように、(0001) <1120〉、 (101
0) <1120>、 (1011) <1.120>
のみである。したがって、すべり方向はいずれも底
面上にあるため、底面に対し垂直方向の変形、すなわち
図中C軸方向の変形は、変形に有効な分解剪断応力がゼ
ロとなるので不可能であり、例えば、第2図(a)およ
び(b)の極点図および結晶方位図に示すように底面か
らいくぶん傾斜した方向にC軸を有するような場合も変
形は極めて困難となり、板厚減少変形が主体の曲げ加工
性は劣化する。
以下の点を見い出した。すなわち、(1)六方晶金属に
あっては、塑性変形を支配する主すべり系は、第1図に
示すように、(0001) <1120〉、 (101
0) <1120>、 (1011) <1.120>
のみである。したがって、すべり方向はいずれも底
面上にあるため、底面に対し垂直方向の変形、すなわち
図中C軸方向の変形は、変形に有効な分解剪断応力がゼ
ロとなるので不可能であり、例えば、第2図(a)およ
び(b)の極点図および結晶方位図に示すように底面か
らいくぶん傾斜した方向にC軸を有するような場合も変
形は極めて困難となり、板厚減少変形が主体の曲げ加工
性は劣化する。
(2)しかしながら、第3図(a)および(b)の極点
図並びに結晶方位模式図に示すように、TD力方向ラン
ダム方位に対するX線強度比が18と、C軸の大半がT
D力方向圧延方向および板面法線方向に直交する方向を
いう)に横たわった集合組織をもつ材料は、すべり系の
うち必ず一つ以上が板厚方向の変形に対して有効に働き
、曲げ加工性が良好となる。
図並びに結晶方位模式図に示すように、TD力方向ラン
ダム方位に対するX線強度比が18と、C軸の大半がT
D力方向圧延方向および板面法線方向に直交する方向を
いう)に横たわった集合組織をもつ材料は、すべり系の
うち必ず一つ以上が板厚方向の変形に対して有効に働き
、曲げ加工性が良好となる。
(3)また、(α+β)型Ti合金の曲げ加工の際の割
れを防止するには、第4図の顕微鏡組織の模式図(曲げ
割れのミクロクランクの発生状況を示す)に示したよう
なα相の層状組織をなくし、α相とβ相とが均一に分散
した組織を形成して、α相で発生するミクロクラックの
伝播を阻止するのが有効である。
れを防止するには、第4図の顕微鏡組織の模式図(曲げ
割れのミクロクランクの発生状況を示す)に示したよう
なα相の層状組織をなくし、α相とβ相とが均一に分散
した組織を形成して、α相で発生するミクロクラックの
伝播を阻止するのが有効である。
図中、符号1はα相、2はβ相(変態β相)を示し、黒
く塗りつぶした箇所がミクロクランクの発生地点である
。
く塗りつぶした箇所がミクロクランクの発生地点である
。
そこで、さらに、発明者らは上述のような曲げ加工性に
すぐれたTi系材料を確実にかつ工業的規模で製造する
方法についてさらに研究を続けたところ次のような知見
を得た。すなわち、 (a)(α+β)型Ti合金を高温(α+、β)温度域
からβ温度域にかけての温度に加熱した後、1ヒートで
所定の加工温度範囲内にて高加工率の熱間加工を施すと
、結晶のC軸が、加圧方向とは直角のTD力方向横たわ
った集合組織を有するようになり、曲げ加工性の良好な
素材を得ることができること。
すぐれたTi系材料を確実にかつ工業的規模で製造する
方法についてさらに研究を続けたところ次のような知見
を得た。すなわち、 (a)(α+β)型Ti合金を高温(α+、β)温度域
からβ温度域にかけての温度に加熱した後、1ヒートで
所定の加工温度範囲内にて高加工率の熱間加工を施すと
、結晶のC軸が、加圧方向とは直角のTD力方向横たわ
った集合組織を有するようになり、曲げ加工性の良好な
素材を得ることができること。
(b)この際に、要すれば、分塊圧延等の鍛練加工を予
め施しておけば、望ましくない凝固マクロ組織を有する
合金塊であってもその組織が微細化され、α相とβ相と
が均一に分散した良好な組織を得ることができ、特定の
結晶のみが冷間圧延時に早期の面割れを発生ずることが
防止され、また熱間加工性も改善されること。
め施しておけば、望ましくない凝固マクロ組織を有する
合金塊であってもその組織が微細化され、α相とβ相と
が均一に分散した良好な組織を得ることができ、特定の
結晶のみが冷間圧延時に早期の面割れを発生ずることが
防止され、また熱間加工性も改善されること。
(c)上述の熱間加工後のTi材料を(α+β)温度域
の再結晶温度以上の温度で焼鈍すると加工性がさらに良
好になること。
の再結晶温度以上の温度で焼鈍すると加工性がさらに良
好になること。
よって、この発明は、その一つの特徴によれば、極点図
からみて、実質上、六方晶結晶構造のC軸が熱間加工方
向および板面法線方向に直交して配置された集合組織を
有し、かつ微細分散組織であることを特徴とする、曲げ
加工性のすぐれたTi系材料の熱間加工板である。
からみて、実質上、六方晶結晶構造のC軸が熱間加工方
向および板面法線方向に直交して配置された集合組織を
有し、かつ微細分散組織であることを特徴とする、曲げ
加工性のすぐれたTi系材料の熱間加工板である。
この発明の好適態様にあっては、上記Ti系材料の熱間
加工板は、六方晶のC軸がTD力方向平行に配列された
集合組織を有するとともに、α相とβ相とが層状になら
ずに均一に分散した微細分散組織を有する、曲げ加工性
のすぐれた(α+β)型Ti合金の熱間圧延板である。
加工板は、六方晶のC軸がTD力方向平行に配列された
集合組織を有するとともに、α相とβ相とが層状になら
ずに均一に分散した微細分散組織を有する、曲げ加工性
のすぐれた(α+β)型Ti合金の熱間圧延板である。
好ましくは、上記集合組織はTD力方向ランダム方向に
対するX線強度比が5以上であるTD力方向集積した組
織である。
対するX線強度比が5以上であるTD力方向集積した組
織である。
さらに、この発明は、別の一つの特徴によれば、850
°C以上、βトランザス以下の温度に加熱し、1ヒート
で、累積圧下率75%以上、仕上げ温度600°C以上
で仕上げ(最終)熱間加工を行い、次いで、650°C
〜750℃で焼鈍することを特徴とした、曲げ加工性の
すぐれたTi系材料の熱間加工板の製造方法である。
°C以上、βトランザス以下の温度に加熱し、1ヒート
で、累積圧下率75%以上、仕上げ温度600°C以上
で仕上げ(最終)熱間加工を行い、次いで、650°C
〜750℃で焼鈍することを特徴とした、曲げ加工性の
すぐれたTi系材料の熱間加工板の製造方法である。
なお、ここにTi系材料とは、純Ti材料、さらにはα
型Ti合金をも含めてα相とβ相との変態領域を有する
、好ましくは、常温でα相とβ相とが混在する組織を有
するTi合金一般を包含するものであって、代表例とし
て挙げられる(α+β)型Ti合金としては、例えばT
i−6Al−4V合金、Ti−6AI−6V−3n合金
、あるいはT i −6八1−1−2Sn−4Zr−2
合金等がある。
型Ti合金をも含めてα相とβ相との変態領域を有する
、好ましくは、常温でα相とβ相とが混在する組織を有
するTi合金一般を包含するものであって、代表例とし
て挙げられる(α+β)型Ti合金としては、例えばT
i−6Al−4V合金、Ti−6AI−6V−3n合金
、あるいはT i −6八1−1−2Sn−4Zr−2
合金等がある。
さらに、上記の仕上げ熱間加工は加熱、後の被処理材が
特定温度にまで冷却する間に所定加工率の熱間加工を終
了できるようなものであれば、具体的な加工方式−1例
えば鍛造方式あるいは圧延方式によって制限されること
はなく、そして、圧延の場合にもその圧延の種類を問わ
ず、いずれの圧延方式であっても適用できる。実用的に
は、圧延スピードが速く温度降下が少ないため、タンデ
ム圧延機を使用したいわゆるホットストリップ式熱間圧
延が最も好ましい。
特定温度にまで冷却する間に所定加工率の熱間加工を終
了できるようなものであれば、具体的な加工方式−1例
えば鍛造方式あるいは圧延方式によって制限されること
はなく、そして、圧延の場合にもその圧延の種類を問わ
ず、いずれの圧延方式であっても適用できる。実用的に
は、圧延スピードが速く温度降下が少ないため、タンデ
ム圧延機を使用したいわゆるホットストリップ式熱間圧
延が最も好ましい。
その場合、加工率をできるだけ高くするのが望ましい。
一方、シート方式の熱間圧延の場合は、2枚以上のTi
合金板または炭素鋼板、ステンレス鋼板を重ねあわせて
圧延する重ね圧延(pack rolling)が、材
料の被圧延材の材料中心の温度降下を小さくするにも有
効な手段である。
合金板または炭素鋼板、ステンレス鋼板を重ねあわせて
圧延する重ね圧延(pack rolling)が、材
料の被圧延材の材料中心の温度降下を小さくするにも有
効な手段である。
この発明にあっては、要すれば、分塊圧延等の鍛練加工
を予め施すが、ここに、鍛練加工とは、分塊圧延に代表
されるような、凝固組織等を改善するために実施される
通常の熱間鍛練加ニ一般を意味するものであって、その
場合、βトランザス以上に加熱後、20%以上の加工率
で熱間粗加工、つまり熱間鍛練加工を施すのが好ましく
、またその際、加熱は1ヒートでも良いが、2ヒ一ト以
上で且つ加熱温度は熱間加工割れの発生しない範囲で低
温とすることが最終的に得られる熱間加工板の組織を均
一化するのに望ましい。
を予め施すが、ここに、鍛練加工とは、分塊圧延に代表
されるような、凝固組織等を改善するために実施される
通常の熱間鍛練加ニ一般を意味するものであって、その
場合、βトランザス以上に加熱後、20%以上の加工率
で熱間粗加工、つまり熱間鍛練加工を施すのが好ましく
、またその際、加熱は1ヒートでも良いが、2ヒ一ト以
上で且つ加熱温度は熱間加工割れの発生しない範囲で低
温とすることが最終的に得られる熱間加工板の組織を均
一化するのに望ましい。
かくして、この発明によれば、曲げ加工性にすぐれたT
i系材料の熱間加工板およびその製造方法が得られるの
である。
i系材料の熱間加工板およびその製造方法が得られるの
である。
次に、この発明において仕上げ熱間加工の加工条件を上
述のように限定した理由について、実施例に関連させて
、以下さらに詳細に説明する。なお、以下の各実施例に
あってはTi系材料としてTi−6AI−4V合金を、
仕上げ熱間加工として熱間圧延を採用しているが、すで
にこれまでの説明から当業者には明らかなように、この
発明はそれらにのみ制限されるものではない。
述のように限定した理由について、実施例に関連させて
、以下さらに詳細に説明する。なお、以下の各実施例に
あってはTi系材料としてTi−6AI−4V合金を、
仕上げ熱間加工として熱間圧延を採用しているが、すで
にこれまでの説明から当業者には明らかなように、この
発明はそれらにのみ制限されるものではない。
尖ル拠−上
下掲表に示す組成のTi−6AI−4V合金の合金組成
を有する各1 トンの複数のTi合金インゴットを25
mm厚にまで鍛造後、得られた鍛造板材を800〜10
50’Cの間のそれぞれの温度に大気中で加熱して30
分保持し、次いで直ちに圧延を開始し、1ヒートで57
0〜680℃の間で熱間圧延を終了し、厚さ3.0mm
の熱間圧延板を得た。そしてさらに750℃で1時間加
熱保持してから空冷して焼鈍処理を施した。熱間圧延の
累積圧下率は88%であった。
を有する各1 トンの複数のTi合金インゴットを25
mm厚にまで鍛造後、得られた鍛造板材を800〜10
50’Cの間のそれぞれの温度に大気中で加熱して30
分保持し、次いで直ちに圧延を開始し、1ヒートで57
0〜680℃の間で熱間圧延を終了し、厚さ3.0mm
の熱間圧延板を得た。そしてさらに750℃で1時間加
熱保持してから空冷して焼鈍処理を施した。熱間圧延の
累積圧下率は88%であった。
衷 」■IKし
八l V Fe CONこ
のようにして得られた一連の熱間圧延板について曲げ加
工性を試験した。この曲げ加工性の試験ばMIL規格(
T−9046H)で定められた曲げ試験機を使用して、
割れ発生限界における最大曲げ半径(R)を求めること
によって行い、曲げ指数:R/l(を二板厚)で表示し
た。結果を第5図にグラフにまとめて示すが、これは曲
げ加工性を加熱温度によってまとめたものである。図示
データから加熱温度850°C以上、仕上げ温度600
℃以上でR/l≧5のすぐれた曲げ加工性が得られるこ
とがわかる。また、熱間圧延板の集合組織の(0002
)極点図を加熱条件および仕上温度とともに第8図に示
すが、これからも分かるように、加熱温度を800℃と
した低温圧延を行った場合第2図(a)タイプの集合組
織が得られのが分かる。すでに述べたように、このよう
な組織を有する材料については満足のゆく曲げ加工性が
確保されない。加熱温度850°C以上、仕上げ温度6
00℃以上の場合いずれも第3図(a)タイプの集合組
織かえられるのがわかる。
のようにして得られた一連の熱間圧延板について曲げ加
工性を試験した。この曲げ加工性の試験ばMIL規格(
T−9046H)で定められた曲げ試験機を使用して、
割れ発生限界における最大曲げ半径(R)を求めること
によって行い、曲げ指数:R/l(を二板厚)で表示し
た。結果を第5図にグラフにまとめて示すが、これは曲
げ加工性を加熱温度によってまとめたものである。図示
データから加熱温度850°C以上、仕上げ温度600
℃以上でR/l≧5のすぐれた曲げ加工性が得られるこ
とがわかる。また、熱間圧延板の集合組織の(0002
)極点図を加熱条件および仕上温度とともに第8図に示
すが、これからも分かるように、加熱温度を800℃と
した低温圧延を行った場合第2図(a)タイプの集合組
織が得られのが分かる。すでに述べたように、このよう
な組織を有する材料については満足のゆく曲げ加工性が
確保されない。加熱温度850°C以上、仕上げ温度6
00℃以上の場合いずれも第3図(a)タイプの集合組
織かえられるのがわかる。
以上からも明らかなように、熱間加工の際の加熱温度が
850°Cを下まわる場合、得られる熱間加工板の曲げ
加工性が著しく低下してしまう。一方、この加熱温度が
βトランザス以上の場合(Ti−6AI−4V合金では
βトランザスは970〜1020℃)、ミクロ組織が粗
大化すると同時にスケール生成量が多(、歩留りが低下
する。
850°Cを下まわる場合、得られる熱間加工板の曲げ
加工性が著しく低下してしまう。一方、この加熱温度が
βトランザス以上の場合(Ti−6AI−4V合金では
βトランザスは970〜1020℃)、ミクロ組織が粗
大化すると同時にスケール生成量が多(、歩留りが低下
する。
したがって、この発明にあっては、仕上熱間加工に先立
つ加熱温度は850℃〜βトランザスに制限する。
つ加熱温度は850℃〜βトランザスに制限する。
なお、熱間加工の仕上げ温度はこの加熱温度と密接な関
係があり、加熱温度によってほぼ定まるものであるが、
その温度が600℃未満となると曲げ加工の際にR/l
が5以上の曲げ加工を加えただけで割れを発生するよう
になることから、この発明では仕上げ温度を600℃以
上と限定する。
係があり、加熱温度によってほぼ定まるものであるが、
その温度が600℃未満となると曲げ加工の際にR/l
が5以上の曲げ加工を加えただけで割れを発生するよう
になることから、この発明では仕上げ温度を600℃以
上と限定する。
この発明の好適態様にあっては、本例のように、熱間鍛
造後に冷却することなく、そのまま仕上げ圧延を行うの
が好ましい。
造後に冷却することなく、そのまま仕上げ圧延を行うの
が好ましい。
人里■1
この実施例においても実施例1を繰り返したが、ただし
、この場合、仕上げ熱間圧延に先立つ加熱は950℃で
30分行い、次いで累積圧下率を40%ないし92%ま
で変化させ、そして焼鈍処理は750°Cに1時間加熱
してから空冷して行った。曲げ加工性は前述のように曲
げ指数によって評価した。得られたデータを仕上げ熱間
圧延の累積圧下率でまとめて第6図にグラフで示す。こ
のとき得られた熱間圧延板の集合組織の(0002)極
点図を累積圧下率とともに第9図に示す。累積圧下率が
40%あるいは70%では第2図(a)タイプの集合組
織が得られるのが分かる。
、この場合、仕上げ熱間圧延に先立つ加熱は950℃で
30分行い、次いで累積圧下率を40%ないし92%ま
で変化させ、そして焼鈍処理は750°Cに1時間加熱
してから空冷して行った。曲げ加工性は前述のように曲
げ指数によって評価した。得られたデータを仕上げ熱間
圧延の累積圧下率でまとめて第6図にグラフで示す。こ
のとき得られた熱間圧延板の集合組織の(0002)極
点図を累積圧下率とともに第9図に示す。累積圧下率が
40%あるいは70%では第2図(a)タイプの集合組
織が得られるのが分かる。
累積圧下率が80.85.88.92%では、TD方向
のランダム方位に対するX線強度比が、5以上とTD力
向に集積した集合組織を有し、累積圧下率の増加に伴い
その傾向は顕著になる。このように、熱間加工の際の累
積圧下率は、得られる熱間圧延板の曲げ加工性に特に大
きな影響を及ぼす因子であって、累積圧下率の増加につ
れて大きな改善効果を得ることができ、R/lが5以下
の値となる良好な曲げ加工性を示すのは、累積圧下率が
75%以上である。また、集合組織の面からも、累積圧
下率75%以上で第3図(a)タイプの集合組織となる
のが分かる。
のランダム方位に対するX線強度比が、5以上とTD力
向に集積した集合組織を有し、累積圧下率の増加に伴い
その傾向は顕著になる。このように、熱間加工の際の累
積圧下率は、得られる熱間圧延板の曲げ加工性に特に大
きな影響を及ぼす因子であって、累積圧下率の増加につ
れて大きな改善効果を得ることができ、R/lが5以下
の値となる良好な曲げ加工性を示すのは、累積圧下率が
75%以上である。また、集合組織の面からも、累積圧
下率75%以上で第3図(a)タイプの集合組織となる
のが分かる。
したがって、この発明にあっては、累積圧下率を75%
以上に制限する。
以上に制限する。
実施例
Ti−6A1−4V合金の合金組成を有する各1 トン
の複数のTi合金インゴットを25mm厚にまで鍛伸後
、得られた鍛伸板材を950°Cの温度に大気中で加熱
して30分保持し、次いで直ちに圧延を開始し、1ヒー
トで645℃で熱間圧延を終了し、厚さ3.0mmの熱
間圧延板を得た。そしてさらに650℃〜1050℃の
間の各温度に1時間加熱保持してから空冷して焼鈍処理
を施した。比較のために熱間圧延ままの材料(as h
ot−roiled )も用意した。熱間圧延の累積圧
下率は88%であった。
の複数のTi合金インゴットを25mm厚にまで鍛伸後
、得られた鍛伸板材を950°Cの温度に大気中で加熱
して30分保持し、次いで直ちに圧延を開始し、1ヒー
トで645℃で熱間圧延を終了し、厚さ3.0mmの熱
間圧延板を得た。そしてさらに650℃〜1050℃の
間の各温度に1時間加熱保持してから空冷して焼鈍処理
を施した。比較のために熱間圧延ままの材料(as h
ot−roiled )も用意した。熱間圧延の累積圧
下率は88%であった。
曲げ試験の結果を焼鈍温度に対してまとめたものを第7
図にグラフで示す。第7図には同じ(機械的特性につい
ても示す。
図にグラフで示す。第7図には同じ(機械的特性につい
ても示す。
図示データからも分かるように、焼鈍温度がβトランザ
スを越えると(この例では980°C)、曲げ加工性が
急激に低下することが分かるが、これば組織のランダム
化が起こり、熱間圧延で形成された良好な集合組織が破
壊されるためである。し、かじ、焼鈍温度が650℃未
満では熱間圧延歪が残留し、好ましくない。また、機械
的特性の点からも高強度Ti合金としては、ys <降
伏強度)≧85kg/mm2、TS (引張強度〉≧9
5kg/mm2は必要とされていることから、そのよう
な高強度Tt金合金しての特性を発揮するためには、焼
鈍温度は750℃以下とする必要がある。
スを越えると(この例では980°C)、曲げ加工性が
急激に低下することが分かるが、これば組織のランダム
化が起こり、熱間圧延で形成された良好な集合組織が破
壊されるためである。し、かじ、焼鈍温度が650℃未
満では熱間圧延歪が残留し、好ましくない。また、機械
的特性の点からも高強度Ti合金としては、ys <降
伏強度)≧85kg/mm2、TS (引張強度〉≧9
5kg/mm2は必要とされていることから、そのよう
な高強度Tt金合金しての特性を発揮するためには、焼
鈍温度は750℃以下とする必要がある。
したがって、以上を綜合してこの発明においては焼鈍温
度を650℃以上、750℃以下に限定するのである。
度を650℃以上、750℃以下に限定するのである。
以上、詳述したように、この発明によれば、極めて簡単
な手段で曲げ加工性の良好なTi系祠材料特に高強度(
α+β)型Ti合金熱間圧延板が確実に得られるのであ
り、したがって、例えば、従来殆ど不可能とされていた
(α+β)型Ti合金熱間圧延板の工業的規模での量産
を可能にすることができ、かかる種類の合金の用途を飛
躍的に拡大できるなど、この発明は工業上有用な効果を
もたらす。
な手段で曲げ加工性の良好なTi系祠材料特に高強度(
α+β)型Ti合金熱間圧延板が確実に得られるのであ
り、したがって、例えば、従来殆ど不可能とされていた
(α+β)型Ti合金熱間圧延板の工業的規模での量産
を可能にすることができ、かかる種類の合金の用途を飛
躍的に拡大できるなど、この発明は工業上有用な効果を
もたらす。
第1図は、六方晶金属の結晶方位模式図;第2図(a)
および第2図(b)は、それ、ぞれ極点図および結晶方
位模式図; 第3図(a)および第3図(b)は、同じくそれぞれ極
点図および結晶方位模式図; 第4図は、顕微鏡組織の模式図; 第5図および第6図は、それぞれ熱間圧延の加熱温度お
よび累積圧下率に対して曲げ指数を示すグラフ; 第7図は、同じく焼鈍温度に対し曲げ指数および機械的
特性を示すグラフ;および 第8図および第9図は、各製造条件に対してそれぞれ示
す(0002)極点図である。 符号の説明: 1:α相 2:β相 出願人 住友金属工業株式会社 代理人 弁理士 広 瀬 章 − 抵/ 図 IC軸 秦2[2] 毛3圀竿、d−図 45凹 萬6 図 系槓圧下牢と4〕
および第2図(b)は、それ、ぞれ極点図および結晶方
位模式図; 第3図(a)および第3図(b)は、同じくそれぞれ極
点図および結晶方位模式図; 第4図は、顕微鏡組織の模式図; 第5図および第6図は、それぞれ熱間圧延の加熱温度お
よび累積圧下率に対して曲げ指数を示すグラフ; 第7図は、同じく焼鈍温度に対し曲げ指数および機械的
特性を示すグラフ;および 第8図および第9図は、各製造条件に対してそれぞれ示
す(0002)極点図である。 符号の説明: 1:α相 2:β相 出願人 住友金属工業株式会社 代理人 弁理士 広 瀬 章 − 抵/ 図 IC軸 秦2[2] 毛3圀竿、d−図 45凹 萬6 図 系槓圧下牢と4〕
Claims (1)
- (1)極点図からみて、実質上、六方晶結晶構造のC軸
が熱間加工方向および板面法線方向に直交して配置され
た集合組織を有し、かつ微細分散組織であることを特徴
とする、曲げ加工性のすぐれたTi系材料の熱間加工板
。 (21850℃以上、βトランザス以下の温度に加熱し
、圧下率75%以上、仕上げ温度600℃以上で仕上げ
熱間加工を行い、次いで、650℃〜750℃で焼鈍す
ることを特徴とした、曲げ加工性のすぐれたTi系材料
の熱間加工板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8923483A JPS59215450A (ja) | 1983-05-23 | 1983-05-23 | Ti合金の熱間加工板および製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8923483A JPS59215450A (ja) | 1983-05-23 | 1983-05-23 | Ti合金の熱間加工板および製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59215450A true JPS59215450A (ja) | 1984-12-05 |
JPH0135915B2 JPH0135915B2 (ja) | 1989-07-27 |
Family
ID=13965052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8923483A Granted JPS59215450A (ja) | 1983-05-23 | 1983-05-23 | Ti合金の熱間加工板および製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59215450A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012224935A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Kobe Steel Ltd | チタン合金ビレットおよびチタン合金ビレットの製造方法並びにチタン合金鍛造材の製造方法 |
US9587770B2 (en) | 2011-12-20 | 2017-03-07 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | α + β type titanium alloy sheet for welded pipe, manufacturing method thereof, and α + β type titanium alloy welded pipe product |
US9850564B2 (en) | 2011-02-24 | 2017-12-26 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | High-strength α+β titanium alloy hot-rolled sheet excellent in cold coil handling property and process for producing the same |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5825422A (ja) * | 1981-08-05 | 1983-02-15 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高強度・高延性チタン合金圧延材の製造方法 |
-
1983
- 1983-05-23 JP JP8923483A patent/JPS59215450A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5825422A (ja) * | 1981-08-05 | 1983-02-15 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 高強度・高延性チタン合金圧延材の製造方法 |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9850564B2 (en) | 2011-02-24 | 2017-12-26 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | High-strength α+β titanium alloy hot-rolled sheet excellent in cold coil handling property and process for producing the same |
JP2012224935A (ja) * | 2011-04-22 | 2012-11-15 | Kobe Steel Ltd | チタン合金ビレットおよびチタン合金ビレットの製造方法並びにチタン合金鍛造材の製造方法 |
US9587770B2 (en) | 2011-12-20 | 2017-03-07 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation | α + β type titanium alloy sheet for welded pipe, manufacturing method thereof, and α + β type titanium alloy welded pipe product |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0135915B2 (ja) | 1989-07-27 |
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