JPH0867706A - 不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体、その製造方法および加硫性ゴム組成物 - Google Patents

不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体、その製造方法および加硫性ゴム組成物

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JPH0867706A
JPH0867706A JP22609994A JP22609994A JPH0867706A JP H0867706 A JPH0867706 A JP H0867706A JP 22609994 A JP22609994 A JP 22609994A JP 22609994 A JP22609994 A JP 22609994A JP H0867706 A JPH0867706 A JP H0867706A
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傑 辻
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも3個の第3級炭素原子およびその
少なくとも1個に直接結合した硫黄原子を有するアルキ
ルチオ基を有し、ムーニー粘度が15〜150であり、
数平均分子量35,000以下の成分を3〜20%含有
する不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体。この共重合
体は、分子量調整剤として上記のアルキルチオ基を有す
る化合物を使用し、且つ該分子量調整剤を重合系に分割
添加して、ラジカル開始剤の存在下に不飽和ニトリル化
合物と共役ジエンとを共重合することにより製造され
る。 【効果】 上記共重合体に、硫黄系加硫剤を配合してな
るゴム組成物は機械的強度、加工性および高速加硫性に
優る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は不飽和ニトリル−共役ジ
エン共重合体、その製造方法および該共重合体と加硫剤
とを配合してなる加硫性ゴム組成物に関し、詳しくは、
機械的強度と加工性に優れた不飽和ニトリル−共役ジエ
ン共重合体、特定のチオール化合物を分子量調整剤とし
て分割添加する該共重合体の製造方法および該共重合体
と硫黄系加硫剤とを配合してなる加硫性ゴム組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐油性や耐熱性が要求される分野
において使用されているアクリロニトリル−ブタジエン
ゴム(以下、NBRと記す)の成型加工には、生産性、
合理性などの点から、射出成型が普及しており、最近で
は、その利用分野は防振ゴム、電気部品、自動車部品、
工業用品、はきものなど広範囲にわたっている。
【0003】NBRの射出成型には流動特性とともに、
高温かつ短時間の加硫によって高い架橋効率が得られる
こと、すなわち、高速加硫性が要求される。一般に、ゴ
ムの加硫は、加硫温度が高くなると加硫状態があまくな
る傾向にあり、そのために射出成型品は圧縮成型品と比
べて引張応力や反発弾性が劣るとされている(例えば、
日本ゴム協会誌第59巻第4号第214〜215頁19
86年)。
【0004】射出成型におけるNBRの高速加硫性を得
るために、例えば、NBRの分子中にカルボキシル基や
アミノ基などの官能基を導入する方法、適当な加硫促進
剤を配合する方法、NBRの乳化重合に際して使用する
乳化剤、凝固剤などの量を極力少なくしてNBR中のこ
れらの残存量を低減させる方法などの方法が提案されて
いる。しかしながら、このような従来提案された方法で
は、NBRの射出成型における高速加硫性が充分に達成
されないばかりか、耐寒性、圧縮永久ひずみなどの他の
特性を損うという問題点がある。
【0005】さらに、高温での加硫がおこなわれるNB
Rの射出成型においては、いわゆる金型汚染が顕著であ
る。すなわち、NBRの成型において繰り返して使用す
る金型に次第に汚染物質が付着堆積し、その結果成形品
自体まで汚染され、表面状態の優れた成形品が得られな
くなる。そのため一定の周期で金型の清掃を行なわねば
ならず、この清掃には多大の時間と経費がかかり、生産
性を低下させる大きな原因となっている。
【0006】このような金型汚染を防止するためにタル
ク、チオ硫酸ナトリウム、カーボンワックスあるいはシ
リコンオイルなどを配合する方法が知られているが、汎
用の市販NBRにこれらの手法を用いても、特に射出成
型のような高温高速加硫の場合には、ほとんど効果が見
られないことが多い。
【0007】また、NBRは、近年要求されている加工
性の面で満足できるものではなく、その改善が望まれて
いた。NBRの加工性を改善する手法としては、一般に
液状ポリマーや可塑剤を配合する方法および高分子量成
分の生成を抑制するような重合方法が採られている。例
えば、特開昭53−23390号公報には、不飽和ニト
リルと共役ジエンを共重合するに際し、分子量調節剤と
してアルキルメルカプタンとジアルキルキサントゲンジ
スルフィドを併用し、且つ不飽和ニトリルの20〜70
%を重合の途中で追加する方法が提案されている。
【0008】しかしながら、液状ポリマーや可塑剤を配
合する方法および高分子量成分の生成を抑制するような
重合方法によれば加工性は改善されるものの、加硫物の
強度が低下する、特に、高温高速加硫性が要求される射
出成型用途においては加硫物の強度その他の物性が顕著
に低下するという難点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような事情に鑑
み、本発明の目的は、特に射出成型用途において望まれ
ている高速加硫適性に優れ、改善された加工性を有し、
且つ良好な機械的強度を有する加硫物を与える不飽和ニ
トリル−共役ジエン共重合体を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的はかかる共重合体を高生
産性をもって製造することができる方法を提供すること
にある。さらに、他の目的は高温高速加硫性および加工
性に優れ、且つ良好な機械的強度を有する加硫物を与え
る加硫性ゴム組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の
(1)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体、(2)そ
の製造方法、および(3)それを含む加硫性ゴム組成物
によって達成される。 (1)少なくとも3個の第3級炭素原子およびその中の
少なくとも1個の第3級炭素原子に直接結合した硫黄原
子を有する炭素数12〜16のアルキルチオ基を、分子
を構成する単量体単位100モル当り0.03モル以上
の割合で分子内に有し、ムーニー粘度が15〜150で
あり、数平均分子量が35,000以下の低分子量成分
を3〜20重量%含有する不飽和ニトリル−共役ジエン
共重合体。
【0012】(2)分子量調整剤とラジカル開始剤の存
在下に不飽和ニトリルと共役ジエンとを共重合するに際
し、分子量調整剤として少くとも3個の第3級炭素原子
およびその中の少くとも1個の第3級炭素原子に直接結
合した硫黄原子を有する炭素数12〜16のアルキルチ
オール化合物を使用し、且つその全使用量の10〜95
重量%を重合前の単量体混合物中に含有せしめ、さらに
重合転化率が20〜70%に達した時点で分子量調整剤
の残量を重合系に添加することを特徴とする(1)の不
飽和ニトリル−共役ジエン共重合体の製造方法。 (3)(1)の不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体1
00重量部当り硫黄系加硫剤0.01〜10重量部を配
合してなる加硫性ゴム組成物。
【0013】本発明の不飽和ニトリル−共役ジエン共重
合体は、少くとも3個の第3級炭素原子およびその中の
少くとも1個の第3級炭素原子に直接結合した硫黄原子
を有する炭素数12〜16のアルキルチオ基を分子内に
有する不飽和ニトリルと共役ジエンとの共重合体であっ
て、ムーニー粘度が15〜150、好ましくは20〜9
0であり、数平均分子量35,000以下の成分を3〜
20重量%、好ましくは5〜15重量%含有するの共重
合体ゴムである。ムーニー粘度が15未満では、強度の
低い成型体しか得られず、また、射出成型においては多
量のばりが発生するなどの問題があり、好ましくない。
150を超えた場合は粘度が増大し、射出成型のみなら
ず成型が困難となる。数平均分子量35,000以下の
成分の含有量が過度に高いと機械的強度が低下する。ま
た、過度に低い場合は加工性が不良となる。
【0014】また、上記不飽和ニトリル−共役ジエン共
重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)は、通常2.3〜5.5、好
ましくは2.7〜4である。Mw/Mnが過度に大きい
と、たとえ数平均分子量35,000以下の成分が適量
含有されていても加工性が不良である。共重合体中の結
合不飽和ニトリル単位の含有量は10〜60重量%、特
に20〜50重量%が好ましい。不飽和ニトリルの具体
例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
α−クロロアクリロニトリルなどが挙げられる。共役ジ
エンとしては、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル
ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどが
挙げられる。
【0015】また、本発明によって得られる効果が損な
われない範囲で、これらの単量体以外に全単量体の一部
を必要に応じて他の共重合可能な単量体で置き換えるこ
とも可能である。他の共重合可能な単量体としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどのビ
ニル系単量体;ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジ
エン、1,4−ヘキサジエンなどの非共役ジエン系単量
体;(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸系単量
体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アク
リル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリルな
どの不飽和カルボン酸エステル系単量体;さらに、ポリ
エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコール(メタ)アクリレート、エポキシ(メ
タ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなど
が挙げられる。これらは通常、全単量体中に10重量%
以下の範囲で使用することができる。
【0016】不飽和ニトリルと共役ジエンとの共重合体
ゴムの中でも結合アクリロニトリル含量10〜60重量
%、好ましくは20〜50重量%のアクリロニトリル−
ブタジエンゴム(以下、NBRと記す)が好適であっ
て、低ニトリル量ないし極高ニトリル量の範囲の通常市
販されているものが使用でき、要求性能に応じて最適の
結合アクリロニトリル含量のNBRが選択される。
【0017】本発明の不飽和ニトリル−共役ジエン共重
合体が分子中に有する、少くとも3個の第3級炭素原子
およびその中の少くとも1個の第3級炭素原子に直接結
合した硫黄原子を有する炭素数12〜16のアルキルチ
オ基としては、1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピ
ル)−1−エチルチオ基および1,1−ジ(2,2−ジ
メチルプロピル)−1−(2,2,4,4−テトラメチ
ルペンチル)−1−エチルチオ基が挙げられ、これらは
単独でまたは両者が組合されて1分子中に含まれ得る。
中でも、1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1
−エチルチオ基が特に好ましい。
【0018】本発明の不飽和ニトリル−共役ジエン共重
合体の分子内には、分子を構成する単量体単位100モ
ル当り、上記のアルキルチオ基が0.03モル以上、好
ましくは0.07モル以上、さらに好ましくは0.09
モル以上存在する。上記アルキルチオ基の量が過度に低
い場合は、射出成型のような高温短時間の加硫において
高い架橋効率が得られず、そのために成型体の引張応力
や反発弾性が改良されず目的とする高速加硫が達成され
ない。また、該アルキルチオ基の量が高くなるにつれて
スコーチ時間(T5 )の短縮が顕著となり、さらに、金
型汚染性も大幅に改良されることから、生産性の高い射
出成型が可能となる。特に0.09モル以上の場合は架
橋効率が大巾に改善され、オシレーティング・デイスク
レオメータを用いて測定した加硫曲線における最大トル
クが飛躍的に増大する。
【0019】本発明の不飽和ニトリル−共役ジエン共重
合体は、ラジカル重合開始剤の存在下、分子量調整剤と
して、少くとも3個の第3級炭素原子およびその中の少
くとも1個の第3級炭素原子に直接結合したチオール基
を有する炭素数12〜16のアルキルチオール化合物を
使用し、しかも、この分子量調整剤を重合過程で分割添
加しつつ、不飽和ニトリルと共役ジエンとをラジカル重
合することにより製造される。
【0020】また、別法として、分子量調整剤を重合過
程で分割添加する方法に依らずに、上記分子量調整剤を
用いて別途製造した分子量の異なる2種以上の共重合体
を混合して調整することもできる。使用するラジカル重
合開始剤は、特に限定されるものではないが、通常は有
機過酸化物、レドックス重合開始剤系、アゾ系化合物、
過硫酸塩などが用いられる。これら重合開始剤の使用量
は通常は単量体100重量部当り0.005〜3重量部
である。また、重合温度は0〜100℃の範囲が好まし
い。
【0021】本発明の不飽和ニトリル−共役ジエン共重
合体を製造する際に分子量調整剤として使用するアルキ
ルチオール化合物の具体例としては、2,2′,4,
6,6′−ペンタメチルヘプタン−4−チオールおよび
2,2′,4,6,6′,8,8′−ヘプタメチルノナ
ン−4−チオールが挙げられる。なかでも、2,2′,
4,6,6′−ペンタメチルヘプタン−4−チオールが
特に好ましく、該チオール化合物を使用して製造した不
飽和ニトリル−共役ジエン共重合体は高速加硫性が極め
て良好である。
【0022】本発明の不飽和ニトリル−共役ジエン共重
合体を製造する際に、分子量調整剤として使用する該ア
ルキルチオール化合物は、それぞれ単独であるいは組合
せて使用することができる。また、必要に応じて、従
来、ラジカル重合において分子量調整剤として知られて
いる他の化合物と併用することも可能である。この場
合、該アルキルチオール化合物は使用する分子量調整剤
全重量の少くとも50重量%以上、好ましくは80重量
%以上、さらに好ましくは95重量%以上含有されるべ
きである。
【0023】ラジカル重合において分子量調整剤として
知られている他の化合物としては、2,4,4−トリメ
チルペンタン−2−チオール、ドデカン−12−チオー
ル、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−4−メタ
ンチオール、2,4,6−トリメチルノナン−4−チオ
ールなどのアルキルチオール化合物類;ジメチルキサン
トゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィ
ド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキ
サントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジス
ルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラ
ブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィ
ド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化
水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭化水素類;およ
びアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、
2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレ
ン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、α
−メチルスチレンダイマー(2−4−ジフェニル−4−
メチル−1−ペンテンが50重量%以上のものが好まし
い)、2,5−ジヒドロフラン、3,6−ジヒドロ−2
H−ピン、フタラン、1,2−ブタジエン、1,4−ヘ
キサジエンなどを挙げることができる。
【0024】ラジカル重合に際して使用する分子量調整
剤の使用量は、通常、共重合に供される単量体混合物1
00重量部に対し、0.05〜3重量部、好ましくは
0.1〜1重量部であり、この範囲の使用量が、得られ
る共重合体の分子量を調節するうえで有利である。分子
量調整剤は、その全使用量の10〜95重量%を重合前
の単量体混合物中に含有せしめ、さらに重合転化率が2
0〜70重量%に達した時点で分子量調整剤の残量を重
合系に添加する。添加の回数は必要に応じて適宜決めら
れる。
【0025】本発明の不飽和ニトリル−共役ジエン共重
合体の製造に際して、かかる特定のアルキルチオール化
合物を分子量調整剤として使用することにより、ラジカ
ル重合の重合転化率を75%以上、好ましくは80%以
上の高転化率とすることができ、その結果、高い生産性
で該ニトリル系ゴムを製造することができる。
【0026】一般にニトリル系ゴムのラジカル重合にお
いては、重合転化率が増大するほど分岐反応あるいはゲ
ル化反応が増加する。その結果、得られたニトリル系ゴ
ムを加硫剤によって加硫した場合には高い架橋効率を得
ることができず、引張り応力や反発弾性などの加硫物性
が低下する。従来、ニトリル系ゴムのラジカル重合にお
いて汎用の分子量調整剤として使用されているt−ドデ
シルメルカプタンは、炭素数9〜16を有するアルキル
チオール化合物の異性体の混合物であり、このような異
性体の混合物を分子量調整剤として使用して得られたニ
トリル系ゴムは、射出成型などの高温短時間の加硫に際
して、充分な高速加硫性が得られない。
【0027】これに対して、本発明の不飽和ニトリル−
共役ジエン共重合体の製造方法によれば、重合転化率を
80%以上という高い値に設定しても、たとえば、オシ
レーティング・ディスク・レオメータを用いて測定した
加硫曲線における最大トルクが高い値を示すなど、高速
加硫性に優れたニトリル系ゴムを得ることができる。な
お、ラジカル重合の方法は特に限定されす、バルク重
合、溶液重合、懸濁重合あるいは乳化重合などを必要に
応じて適宜選択することができる。なかでも、乳化重合
が好適である。本発明の不飽和ニトリル−共役ジエン共
重合体を乳化重合によって製造する際には、乳化剤とし
てカルボン酸系乳化剤を使用すると得られた共重合体
は、射出成型などの高温短時間加硫において金型汚染性
の問題がさらに改善される。
【0028】使用するカルボン酸系乳化剤としては、脂
肪酸石けんあるいはロジン酸石けんなどが例示される。
具体的には、脂肪酸石けんは炭素数12〜18個の長鎖
状脂肪族カルボン酸、例えば、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などおよ
びこれらの混合脂肪族カルボン酸のナトリウム塩または
カリウム塩から選択される。また、ロジン酸石けんはガ
ムロジン、ウッドロジンまたはトール油ロジンなどの天
然ロジンを不均化または水添したもののナトリウム塩ま
たはカリウム塩から選択される。これらの天然ロジンは
アビエチン酸、レボピマル酸、パラストリン酸、デヒド
ロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸およびネオ
アビエチン酸などを主成分としている。乳化剤の使用量
は特に制限されないが、通常は、単量体100重量部当
り、0.05〜10重量部、好ましくは0.5〜3重量部
である。
【0029】本発明の不飽和ニトリル−共役ジエン共重
合体を乳化重合によって製造する場合は、通常の乳化重
合の手法により重合を行い、所定の転化率に達した時に
ヒドロキシルアミン、カルバミン酸ナトリウムなどを加
えて重合を停止する。次いで、残存単量体を加熱、水蒸
気蒸留などによって除去した後、塩化カルシウム、硫酸
アルミニウムなどの無機の凝固剤、高分子凝集剤または
感熱凝固剤などの通常の乳化重合で使用される凝固剤を
加え、共重合体を凝固、回収する。回収された共重合体
を水洗、乾燥し、目的とする共重合体を得る。
【0030】本発明の不飽和ニトリル−共役ジエン共重
合体に硫黄系加硫剤を配合することによって高速加硫性
および加工性に優れたゴム組成物を得ることができる。
使用する硫黄系加硫剤としては、粉末硫黄、硫黄華、沈
降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄など
の硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリン・ジスルフ
ィド、アルキルフェノール・ジスルフィド、N,N′−
ジチオービス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−
2)、含りんポリスルフィド、高分子多硫化物などの硫
黄化合物;さらに、テトラメチルチウラムジスルフィル
ド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、2−(4′−
モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールなどの硫黄を含む
加硫促進剤を挙げることができる。
【0031】さらに、これらの硫黄系加硫剤に加えて、
亜鉛華、ステアリン酸などの加硫促進剤;グアニジン
系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア
系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、
ザンテート系などの他の加硫促進剤を使用することがで
きる。硫黄系加硫促進剤の使用量は特に限定されない
が、通常、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体100
重量部当り、0.10〜10重量部、好ましくは0.1
〜5重量部である。
【0032】ゴム組成物が加硫剤として硫黄系加硫剤を
含まない場合は、高温短時間加硫において良好な高速加
硫性を達成することができない。ただし、例えば、有機
過酸化物系加硫剤のような硫黄系加硫剤以外の他の加硫
剤を硫黄系加硫剤の他に適宜併用することは可能であ
る。
【0033】併用される有機過酸化物系加硫剤として
は、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒ
ドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−
ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−t−ブ
チルペルオキシヘキサン、2,5−ジメチル−t−ブチ
ルペルオキシヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルペル
オキシイソプロピル)ベンゼン、p−クロロベンゾイル
ペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t
−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、t−ブ
チルベンゾエートなどが挙げられる。また、他の併用可
能な加硫剤としてはトルメチロールプロパントリメタク
リレート、ジビニルベンゼン、エチレンジメタクリレー
ト、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性化合物
が挙げられる。さらに、金属せっけん/硫黄系、トリア
ジン/ジチオカルバミン酸塩系、ポリカルボン酸/オニ
ウム塩系、ポリアミン系(ヘキサメチレンジアミン、ト
リエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンカルバ
メート、エチレンジアミンカルバメート、トリエチレン
ジアミンなど)、安息香酸アンモニウム塩系などの加硫
剤も必要に応じて併用できる。
【0034】また、本発明のゴム組成物には、必要に応
じて、ゴム分野において使用される通常の他の配合剤、
例えば、補強剤(各種カーボンブラック、シリカ、タル
クなど)、充填剤(炭酸カルシウム、クレーなど)、加
工助剤、プロセス油(含可塑剤)、酸化防止剤、オゾン
裂化防止剤などを配合することができる。
【0035】なお、本発明のゴム組成物には、必要に応
じて、アクリルゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエ
ン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重
合ゴム(EPDM)、天然ゴム、ポリイソプレンゴムな
どの他のゴムを不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体に
組合せて使用することができる。本発明のゴム組成物の
製造方法は特に限定されないが、通常は、ロール、バン
バリーミキサーなどの通常の混合機により原料ゴムと加
硫系、その他の配合剤とを混練・混合することによって
該ゴム組成物を製造する。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例、比較例及び参考例中の部及
び%は特に断りのないかぎり重量基準である。ゴム組成
物および原料成分の特性は以下のように測定した。 (1) 高速加硫性評価試験 日本ゴム協会規格SRIS 3102 に従い、表1または表2の
配合処方によって調製した未加硫ゴム組成物約10グラ
ムを用いて、オシレーティング・ディスクレオメーター
によって、160℃におけるスコーチ時間(T5 )(単
位:分)および最大トルク(Vmax )(単位:kgf・c
m)を測定した。T5 の値は小さいほど加硫速度が速
い。また、Vmaxの値は大きいほど架橋効率が高い。
【0037】(2)加硫物性評価試験 日本工業規格JIS K6301 に従い、表1(配合A)または
表2(配合B)の配合処方によって調製した未加硫ゴム
組成物を160℃×20分の条件で加硫して得られた厚
さ2mmのシートを、3号形ダンベルを用いて打ち抜いて
試験片を作成し、引張強さ(単位:kgf/cm2)、100
%引張り応力(単位:kgf/cm2)および伸び(単位:
%)を測定した。また、硬さはJISスプリング式A形
硬さ試験機を用いて測定した。さらに、反発弾性はJIS
K6301に従って測定した(単位:%)。なお、耐油性試
験については、JIS K6301 に従い、潤滑油No3(動粘
度31.9〜34.1、アニリン点69.5±1℃、引火点162.7
℃)中にゴム試験片を浸漬し、体積変化率(単位:%)
を測定した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】(3)結合ニトリル量 日本工業規格JIS K6384 に従い、ケルダール法によって
共重合体中の窒素含量を測定し、計算により結合ニトリ
ル量を求めた(単位:%)。 (4)ムーニー粘度 日本工業規格JIS K6383 に従い、共重合体約40グラム
を用いて100℃にて測定した。
【0041】(5)分子量、分子量分布 ゲルパーミエーション(溶媒:テトラヒドロフラン)に
より、標準ポリスチレンに換算した数平均分子量(M
n)および重量平均分子量(Mw)を測定した(単位:
万)。また、MwとMnとの比を計算により求めた。測
定した分子量分布全体の面積と数平均分子量35,00
0以下の成分の面積とを用いて該成分の重量%を求め
た。
【0042】(6)共重合体中の1,1−ジ(2,2−
ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基濃度 共重合体をベンゼンに溶解した後、メチルアルコール中
で凝固する操作を3回繰り返して精製し、精製共重合体
についてNMR測定を行なった。1H−NMR- 測定
(400MHz)により、該エチルチオ基中の末端メチ
ル基のプロトンに起因するピークが1.05ppm 付近に
検出され、さらに、13C−NMR測定(100MHz)
により、該エチルチオ基中のメチレン基の炭素に起因す
るピークが54.6ppm 付近に検出される。共重合体中
の該エチルチオ基濃度の定量は 1H−NMR- 測定にお
ける末端メチル基に起因するピークの積分値と、4.8
〜5.8ppm 付近に検出されるブタジエンの不飽和結合
に結合するプロトンに起因するピークの積分値との比を
用いて計算により求めた(単位:モル%)。
【0043】(7)金型汚染性の評価 表1または表2の配合処方によって調製した未加硫ゴム
組成物を径12mmの穴に詰めた厚さ2mmの金属板の上下
を、表面をきれいにみがいた2枚の1mmの金属板(JIS
G3141 軟鋼板)ではさみ、220℃、20kg/cm2、2
分間の条件で加硫する。次いで、加硫したゴム片を除去
し、再び未加硫ゴム組成物を詰めて同様な操作を行う。
この操作を50回繰り返した後、上下の軟鋼板の表面の
汚染を評価した。評価は、該軟鋼板の表面が汚染されな
いものを1とし、表面全体が著しく汚染されたものを5
とし、汚染の程度に従って5段階で表示した。
【0044】(8)加工性の評価 ASTM D−2230−77に従い、ガーベダイを用
いて未加硫ゴム組成物を押出し、ダイスエル(%)およ
び押出量(g/分)を求めるとともに、押出物の形状ない
し状態を、膨油度・多孔度ならびにエッジ、表面および
コーナー部について評価し、それぞれ5段階で表示した
(いずれも5が最良、1が最悪である。)
【0045】実施例1〜5 内容積10リットルの反応器中に、乳化剤としてオレイ
ン酸カリウム2部、安定剤としてリン酸カリウム0.1
部、水150部を仕込み、さらに表3に記載した量のブ
タジエンおよびアクリロニトリル、および分子量調整剤
として2,2′,4,6,6′−ペンタメチルヘプタン
−4−チオール(以下、PMHTと記す)を加えて、活
性剤として硫酸第一鉄0.015部および重合開始剤と
してパラメンタンハイドロパーオキサイド0.05部の
存在下に10℃で乳化重合を開始した。次いで表3に記
載した重合転化率に達した時にさらにPMHTを添加
し、重合を継続した。所定の重合転化率に達した時点
で、単量体100部あたり0.2部のヒドロキシルアミ
ン硫酸塩を添加して重合を停止させた。続いて、加温
し、減圧下で約70℃にて水蒸気蒸溜により残留単量体
を回収した後、老化防止剤としてアルキル化フェノール
を2部添加し、次いで、塩化カルシウム溶液中に重合体
ラテックスを加え重合体を凝固した。生成したクラムを
取り出し、水洗後50℃減圧下で乾燥し、それぞれ共重
合体I〜Vを得た。各共重合体中の結合ブタジエン量お
よび結合ニトリル量、さらに共重合体のムーニー粘度そ
の他の特性の測定結果を表3に示す。次に、各共重合体
を表1に示す配合処方に従って、バンバリーミキサーに
より混練してゴム組成物を得た後、160℃で20分間
プレス加硫し、得られた加硫物の物性を評価した。結果
を表4に示す。
【0046】比較例1 分子量調整剤を市販のt−ドデシルメルカプタン(フィ
リプス石油社製)に変え、それ以外は実施例2と同様の
条件でブタジエンとアクリロニトリルとを共重合し、共
重合体VIを得た。重合結果を表3に示す。次に、および
実施例1と同様に共重合体VIの加硫物の物性を評価した
結果を表4に示す。
【0047】比較例2 分子量調整剤としてPMHTを使用し、PMHTを重合
途中で分割添加することなく、他の条件は実施例2と同
様に重合して共重合体VIIを得た。重合結果を表3に示
す。次に、実施例1と同様に共重合体VIIの加硫物の物
性を評価した結果を表4に示す。
【0048】比較例3 表2に示す配合処方(配合B)により、共重合体VII1
00部と液状NBR(日本ゼオン社製 NIPOL1312)を5
部とを混合し、実施例1と同様にしてゴム組成物を得、
さらに加硫物を得て、その物性を評価した。結果を表4
に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】なお、共重合体VのH−NMR測定チャー
トを図1に示し、また、13C−NMR測定チャートを図
2に示す。また、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体I〜VおよびVIIのNMR測定により1,1−ジ
(2,2−ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基の存
在が確認された。
【0052】表4から、本発明の不飽和ニトリル−共役
ジエン共重合体I〜Vと硫黄系加硫剤とを配合した加硫
性ゴム組成物は、オシレーティング・ディスクレオメー
ターで測定したスコーチ時間(T5 )が短く、また、最
大トルク(Vmax )が高い値を示し、高速加硫性に優れ
ていることがわかる。その結果、加硫物性における10
0%引張り応力および反発弾性は高水準を示し、架橋効
率の高い加硫が行われていることがわかる。さらに、金
型汚染性にも優れることがわかる。また、ガーベダイに
よる加工性評価結果も良好であり、機械的強度と加工性
に優れた共重合体であることがわかる。
【0053】これに対して、従来、ラジカル重合におい
て汎用の分子量調整剤として知られているt−ドデシル
メルカプタンを(市販品)使用して乳化重合したもの
は、十分な高速加硫性が得られず、金型汚染性も不良で
ある。また、市販のt−ドデシルメルカプタンを使用し
て得た共重合体についてNMR測定を行なったが、1,
1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−エチルチオ
基の存在は確認されなかった。
【0054】さらに、1,1−ジ(2,2−ジメチルプ
ロピル)−1−エチルチオ基を有するものの数平均分子
量35,000以下の成分の割合が少ない共重合体VII
は十分な高速加硫性と機械的強度が得られるが、加工性
が不十分であることがわかる。そして、共重合体VIIに
液状NBRを配合した組成物は、加工性がわずかに改良
されるものの引張り強さなどの機械的強度が低下し、し
かも金型汚染性に劣ることがわかる。これとは対照的
に、本発明のゴム組成物は高い機械的強度の水準を保ち
ながら、改善された加工性を示している。
【0055】
【発明の効果】かくして、本発明によれば、機械的強度
および加工性に優れ、さらに高温短時間の加硫におい
て、優れた高速加硫性を示し、金型汚染性の問題が改善
された不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体が提供され
る。この共重合体は優れた高速加硫性を有することによ
り、特に、射出成型用途に好適であって、ゴム製品の成
型における生産性の向上、省力化が可能となる。
【0056】また、本発明の不飽和ニトリル−共役ジエ
ン共重合体の製造は、重合に際して、使用する分子量調
整剤を分割添加することによって行うことが可能であ
り、製造工程における生産性が大巾に向上する。本発明
の不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体を原料ゴム成分
とする加硫性ゴム組成物は、Oリングその他シール材用
途に好適であり、さらに、ベルト、ホース、ロール等の
各種ゴム製品に利用することができる。
【0057】請求項1、2および3に、それぞれ記載さ
れる本発明の不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体、そ
の製造方法、および加硫性ゴム組成物の好ましい具体的
態様は以下のとおりである。
【0058】(請求項1)少なくとも3個の第3級炭素
原子およびその中の少なくとも1個の第3級炭素原子に
直接結合した硫黄原子を有する炭素数12〜16のアル
キルチオ基を、分子を構成する単量体単位100モル当
り0.03モル以上の割合で分子内に有し、ムーニー粘
度が15〜150であり、数平均分子量が35,000
以下の低分子量成分を3〜20重量%含有する不飽和ニ
トリル−共役ジエン共重合体。
【0059】(1)該アルキルチオ基を、分子を構成す
る単量体単位100モル当り0.07モル以上の割合で
分子内に有する請求項1記載の不飽和ニトリル−共役ジ
エン共重合体。 (2)該アルキルチオ基が1,1−ジ(2,2−ジメチ
ルプロピル)−1−エチルチオ基および1−(2,2−
ジメチルプロピル)−1−(2,2,4,4−テトラメ
チルペンチル)−1−エチルチオ基から選ばれる少なく
とも1種である請求項1記載の不飽和ニトリル−共役ジ
エン共重合体。
【0060】(3)該アルキルチオ基が1,1−ジ
(2,2−ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基であ
る請求項1記載の不飽和ニトリル−共役ジエン共重合
体。 (4)アクリロニトリル10〜60重量%とブタジエン
90〜40重量%との共重合体であってムーニー粘度2
0〜90を有する請求項1記載の不飽和ニトリル−共役
ジエン共重合体。 (5)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
との比(Mw/Mn)、が2.3〜5.5である請求項
1記載の不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体。
【0061】(請求項2)分子量調整剤とラジカル開始
剤の存在下に不飽和ニトリルと共役ジエンとを共重合す
るに際し、分子量調整剤として、少なくとも3個の第3
級炭素原子およびその中の少なくとも1個の第3級炭素
原子に直接結合した硫黄原子を有する炭素数12〜16
のアルキルチオ基を有するアルキルチオール化合物を使
用し、且つその全使用量の10〜95重量%を重合前の
単量体混合物中に含有せしめ、さらに重合転化率20〜
70%に達した時点で分子量調整剤の残量を重合系に添
加することを特徴とする不飽和ニトリル−共役ジエン共
重合体の製造方法。
【0062】(6)該アルキルチオール化合物が2,
2′,4,6,6′−ペンタメチルヘプタン−4−チオ
ールおよび2,2′,4,6,6′,8,8′−ペプタ
メチルノナン−4−チオールの中から選ばれる請求項2
記載の製造方法。 (7)乳化剤としてカルボン酸素乳化剤を使用する請求
項2記載の製造方法。 (8)重合転化率をが20〜70%に達した時点で分子
量調整剤の残量を複数回に分割して重合系に添加する請
求項2記載の製造方法。
【0063】(請求項3)請求項1記載の不飽和ニトリ
ル−共役ジエン共重合体および該共重合体100重量部
当り硫黄系加硫剤0.01〜10重量部を含有してなる
加硫性ゴム組成物。 (9)射出成型用である請求項3記載のゴム組成物。 (10)Oリング用である請求項3記載のゴム組成物。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例5で得られた本発明の不飽和ニトリル−
共役ジエン共重合体Vの1H−NMR測定チャート。
【図2】実施例5で得られた本発明の不飽和ニトリル−
共役ジエン共重合体Vの13H−NMR測定チャート。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3個の第3級炭素原子および
    その中の少なくとも1個の第3級炭素原子に直接結合し
    た硫黄原子を有する炭素数12〜16のアルキルチオ基
    を、分子を構成する単量体単位100モル当り0.03
    モル以上の割合で分子内に有し、ムーニー粘度が15〜
    150であり、数平均分子量35,000以下の低分子
    量成分を3〜20重量%含有する不飽和ニトリル−共役
    ジエン共重合体。
  2. 【請求項2】 分子量調整剤とラジカル開始剤の存在下
    に不飽和ニトリルと共役ジエンとを共重合するに際し、
    分子量調整剤として、少なくとも3個の第3級炭素原子
    およびその中の少なくとも1個の第3級炭素原子に直接
    結合した硫黄原子を有する炭素数12〜16のアルキル
    チオール化合物を使用し、且つその全使用量の10〜9
    5重量%を重合前の単量体混合物中に含有せしめ、さら
    に重合転化率が20〜70%に達した時点で分子量調整
    剤の残量を重合系に添加することを特徴とする不飽和ニ
    トリル−共役ジエン共重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の不飽和ニトリル−共役
    ジエン共重合体および該共重合体100重量部当り硫黄
    系加硫剤0.01〜10重量部を含有してなる加硫性ゴ
    ム組成物。
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