JP3582110B2 - 不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体と塩化ビニル樹脂とからなるゴム組成物 - Google Patents

不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体と塩化ビニル樹脂とからなるゴム組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体と塩化ビニル樹脂とを含んでなるなるゴム組成物に関し、詳しくは、高速加硫性に優れ、良好な耐候性および機械的強度を有する、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体と塩化ビニル樹脂とを含んでなるゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、耐油性や耐熱性が要求される分野において使用されているアクリロニトリル−ブタジエンゴム(以下、NBRと記す)の成型加工には、生産性、合理性などの点から、射出成型が普及しており、最近では、その利用分野は防振ゴム、電気部品、自動車部品、工業用品、はきものなど広範囲にわたっている。
【0003】
NBRの射出成型には流動特性とともに、高温かつ短時間の加硫によって高い架橋効率が得られること、すなわち、高速加硫性が要求される。一般に、ゴムの加硫は、加硫温度が高くなると加硫状態があまくなる傾向にあり、そのために射出成型品は圧縮成型品と比べて引張応力や反発弾性が劣るとされている(例えば、日本ゴム協会誌第59巻第4号第214〜215頁1986年)。
【0004】
射出成型におけるNBRの高速加硫性を得るために、例えば、NBRの分子中にカルボキシル基やアミノ基などの官能基を導入する方法、適当な加硫促進剤を配合する方法、NBRの乳化重合に際して使用する乳化剤、凝固剤などの量を極力少なくしてNBR中のこれらの残存量を低減させる方法などの方法が提案されている。しかしながら、このような従来提案された方法では、NBRの射出成型における高速加硫性が充分に達成されないばかりか、耐寒性、圧縮永久ひずみなどの他の特性を損うという問題点がある。
【0005】
さらに、高温での加硫がおこなわれるNBRの射出成型においては、いわゆる金型汚染が顕著である。すなわち、NBRの成型において繰り返して使用する金型に次第に汚染物質が付着堆積し、その結果成形品自体まで汚染され、表面状態の優れた成形品が得られなくなる。そのため一定の周期で金型の清掃を行なわねばならず、この清掃には多大の時間と経費がかかり、生産性を低下させる大きな原因となっている。
【0006】
このような金型汚染を防止するためにタルク、チオ硫酸ナトリウム、カーボンワックスあるいはシリコンオイルなどを配合する方法が知られているが、汎用の市販NBRにこれらの手法を用いても、特に射出成型のような高温高速加硫の場合には、ほとんど効果が見られないことが多い。
【0007】
また、NBRは、耐候性が乏しいために、耐候性が要求される分野では一般にNBRに塩化ビニル樹脂を配合した組成物が用いられている。しかしながら、この組成物は硫黄加硫における加硫速度が低下し、ひいては機械的強度が低下し、圧縮永久歪が大きくなるという難点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような事情に鑑み、本発明の目的は、特に射出成型用途において望まれている高速加硫適性に優れ、良好な耐候性、機械的強度、圧縮永久歪および耐金型汚染性を有する不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体と塩化ビニル樹脂とを含有するゴム組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、本発明のゴム組成物、すなわち、少なくとも3個の第3級炭素原子およびその中の少なくとも1個の第3級炭素原子に直接結合した硫黄原子を有する炭素数12〜16のアルキルチオ基を、分子を構成する単量体単位100モル当り0.03モル以上の割合で分子内に有し、ムーニー粘度が15〜150、である不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体と塩化ビニル樹脂とを含んでなるゴム組成物によって達成される。
【0010】
本発明で使用するの不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体は、少くとも3個の第3級炭素原子およびその中の少くとも1個の第3級炭素原子に直接結合した硫黄原子を有する炭素数12〜16のアルキルチオ基を分子内に有する不飽和ニトリルと共役ジエンとの共重合体であって、ムーニー粘度が15〜150、好ましくは20〜90である。ムーニー粘度が15未満では、強度の低い成型体しか得られず、また、射出成型においては多量のばりが発生するなどの問題があり、好ましくない。150を超えた場合は粘度が増大し、射出成型のみならず成型が困難となる。
【0011】
また、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体は、好ましくは数平均分子量35,000以下の成分を3〜20重量%、より好ましくは5〜15重量%含有する。数平均分子量35,000以下の成分の含有量が過度に高いと機械的強度が低下する。また、過度に低い場合は加工性が不良となる。数平均分子量35,000以下の成分を適当量含有せしめることによって良好な機械的強度を維持したまま加工性を改善することができる。
また、上記不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、通常2.3〜5.5、好ましくは2.7〜4である。Mw/Mnが過度に大きいと、たとえ数平均分子量35,000以下の成分が適量含有されていても加工性が不良である。
【0012】
共重合体中の結合不飽和ニトリル単位の含有量は好ましくは10〜60重量%、より好ましくは20〜50重量%である。また、不飽和ニトリルの組成分布幅(△AN)は3〜20であることが好ましく、より好ましくは5〜15である。△ANが過度に大きい場合は耐油性と耐寒性とのバランスが不良となる。結合不飽和ニトリルの量を10〜60重量%とし、且つ△ANを3〜20とすることによって、高速硫黄加硫性、耐候性、機械的強度、圧縮永久歪の他に、耐油性と耐寒性とのバランスに優れたゴム組成物を得ることができる。
【0013】
不飽和ニトリルの具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどが挙げられる。共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられる。
【0014】
また、本発明によって得られる効果が損なわれない範囲で、これらの単量体以外に全単量体の一部を必要に応じて他の共重合可能な単量体で置き換えることも可能である。他の共重合可能な単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルピリジンなどのビニル系単量体;ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエンなどの非共役ジエン系単量体;(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの不飽和カルボン酸エステル系単量体;さらに、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらは通常、全単量体中に10重量%以下の範囲で使用することができる。
【0015】
不飽和ニトリルと共役ジエンとの共重合体ゴムの中でも結合アクリロニトリル含量10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%のアクリロニトリル−ブタジエンゴム(以下、NBRと記す)が特に好適であって、低ニトリル量ないし極高ニトリル量の範囲の通常市販されているものが使用でき、要求性能に応じて最適の結合アクリロニトリル含量のNBRが選択される。
【0016】
本発明で使用する不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体が分子中に有する、少くとも3個の第3級炭素原子およびその中の少くとも1個の第3級炭素原子に直接結合した硫黄原子を有する炭素数12〜16のアルキルチオ基としては、1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基および1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−(2,2,4,4−テトラメチルペンチル)−1−エチルチオ基が挙げられ、これらは単独でまたは両者が組合されて1分子中に含まれ得る。中でも、1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基が特に好ましい。
【0017】
本発明で使用する不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体の分子内には、分子を構成する単量体単位100モル当り、上記のアルキルチオ基が0.03モル以上、好ましくは0.07モル以上、さらに好ましくは0.09モル以上存在する。また、上記アルキルチオ基の量は、通常0.3モル以下である。上記アルキルチオ基の量が過度に低い場合は、射出成型のような高温短時間の加硫において高い架橋効率が得られず、そのために成型体の引張応力や反発弾性が改良されず目的とする高速加硫が達成されない。また、該アルキルチオ基の量が高くなるにつれてスコーチ時間(T)の短縮が顕著となり、さらに、金型汚染性も大幅に改良されることから、生産性の高い射出成型が可能となる。特に0.09モル以上の場合は架橋効率が大巾に改善され、オシレーティング・デイスクレオメータを用いて測定した加硫曲線における最大トルクが飛躍的に増大する。
【0018】
本発明で使用する不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体は、ラジカル重合開始剤の存在下、分子量調整剤として、少くとも3個の第3級炭素原子およびその中の少くとも1個の第3級炭素原子に直接結合したチオール基を有する炭素数12〜16のアルキルチオール化合物を使用して不飽和ニトリルと共役ジエンとを共重合することによって製造される。
【0019】
上記のような分子量調整剤を用いるラジカル重合において、全単量体量の30〜90重量%の存在下に重合を開始し、さらに重合転化率が20〜70%に達した時点で単量体の残量を重合系に添加しつつ、不飽和ニトリルと共役ジエンとをラジカル重合する手法を採ることができる。このような分割添加法によれば、耐油性と耐寒性とのバランスに優れた結合不飽和ニトリル量10〜60重量%、△AN3〜20の共重合体を得ることができる。
【0020】
分割添加する単量体の種類および量は目的とする結合不飽和ニトリル量および不飽和ニトリルの組成分布幅(△AN)に応じて適宜選択される。例えば、結合不飽和ニトリル量が37%未満の場合は一般に不飽和ニトリルを重合途中で添加し、また、結合不飽和ニトリル量が37%以上の場合は一般に共役ジエンを重合途中で添加する。添加の回数は必要に応じて適宜決められる。
使用するラジカル重合開始剤は、特に限定されるものではないが、通常は有機過酸化物、レドックス重合開始剤系、アゾ系化合物、過硫酸塩などが用いられる。これら重合開始剤の使用量は通常は単量体100重量部当り0.005〜3重量部である。また、重合温度は0〜100℃の範囲が好ましい。
【0021】
本発明で使用するの不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体を製造する際に分子量調整剤として使用するアルキルチオール化合物の具体例としては、2,2′,4,6,6′−ペンタメチルヘプタン−4−チオールおよび2,2′,4,6,6′,8,8′−ヘプタメチルノナン−4−チオールが挙げられる。なかでも、2,2′,4,6,6′−ペンタメチルヘプタン−4−チオールが特に好ましく、該チオール化合物を使用して製造した不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体は高速加硫性が極めて良好である。
【0022】
不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体を製造する際に、分子量調整剤として使用する該アルキルチオール化合物は、それぞれ単独であるいは組合せて使用することができる。また、必要に応じて、従来、ラジカル重合において分子量調整剤として知られている他の化合物と併用することも可能である。この場合、該アルキルチオール化合物は使用する分子量調整剤全重量の少くとも50重量%以上、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上含有されるべきである。
【0023】
ラジカル重合において分子量調整剤として知られている他の化合物としては、2,4,4−トリメチルペンタン−2−チオール、ドデカン−12−チオール、2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−4−メタンチオール、2,4,6−トリメチルノナン−4−チオールなどのアルキルチオール化合物類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭化水素類;およびアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、α−メチルスチレンダイマー(2−4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンが50重量%以上のものが好ましい)、2,5−ジヒドロフラン、3,6−ジヒドロ−2H−ピン、フタラン、1,2−ブタジエン、1,4−ヘキサジエンなどを挙げることができる。
【0024】
ラジカル重合に際して使用する分子量調整剤の使用量は、通常、共重合に供される単量体混合物100重量部に対し、0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜1重量部であり、この範囲の使用量が、得られる共重合体の分子量を調節するうえで有利である。
分子量調整剤を重合途中で分割添加することによって、Mn35,000未満の低分子量成分を3〜20重量%含む上記の好ましい重合体を得ることができ、この重合体は良好な加工性を有する。一般に、分子量調整剤の全使用量の10〜95重量%を重合前の単量体混合物中に含有せしめ、さらに重合転化率が20〜70重量%に達した時点で分子量調整剤の残量を重合系に添加することが好ましい。添加の回数は必要に応じて適宜決められる。
【0025】
また、別法として、分子量調整剤を重合過程で分割添加する方法に依らずに、上記分子量調整剤を用いて別途製造した分子量の異なる2種以上の共重合体を混合して加工性のよい重合体を調整することもできる。
【0026】
本発明で使用する不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体の製造に際して、かかる特定のアルキルチオール化合物を分子量調整剤として使用することにより、ラジカル重合の重合転化率を75%以上、好ましくは80%以上の高転化率とすることができ、その結果、高い生産性で該ニトリル系ゴムを製造することができる。
【0027】
一般にニトリル系ゴムのラジカル重合においては、重合転化率が増大するほど分岐反応あるいはゲル化反応が増加する。その結果、得られたニトリル系ゴムを加硫剤によって加硫した場合には高い架橋効率を得ることができず、引張り応力や反発弾性などの加硫物性が低下する。従来、ニトリル系ゴムのラジカル重合において分子量調整剤として汎用されているt−ドデシルメルカプタンは、炭素数9〜16を有するアルキルチオール化合物の異性体の混合物であり、このような異性体の混合物を分子量調整剤として使用して得られたニトリル系ゴムは、射出成型などの高温短時間の加硫に際して、充分な高速加硫性が得られない。
【0028】
これに対して、分子量調整剤として上記のアルキルチオール化合物を使用する製造方法によれば、重合転化率を80%以上という高い値に設定しても、例えば、オシレーティング・ディスク・レオメータを用いて測定した加硫曲線における最大トルクが高い値を示すなど、高速加硫性に優れたニトリル系ゴムを得ることができる。 なお、ラジカル重合の方法は特に限定されす、バルク重合、溶液重合、懸濁重合あるいは乳化重合などを必要に応じて適宜選択することができる。なかでも、乳化重合が好適である。
不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体を乳化重合によって製造する際には、乳化剤としてカルボン酸系乳化剤を使用すると得られた共重合体は、射出成型などの高温短時間加硫において金型汚染性がさらに改善される。
【0029】
使用するカルボン酸系乳化剤としては、脂肪酸石けんあるいはロジン酸石けんなどが例示される。具体的には、脂肪酸石けんは炭素数12〜18個の長鎖状脂肪族カルボン酸、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などおよびこれらの混合脂肪族カルボン酸のナトリウム塩またはカリウム塩から選択される。また、ロジン酸石けんはガムロジン、ウッドロジンまたはトール油ロジンなどの天然ロジンを不均化または水添したもののナトリウム塩またはカリウム塩から選択される。これらの天然ロジンはアビエチン酸、レボピマル酸、パラストリン酸、デヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸およびネオアビエチン酸などを主成分としている。乳化剤の使用量は特に制限されないが、通常は、単量体100重量部当り、0.05〜10重量部、好ましくは0.5〜3重量部である。
【0030】
不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体を乳化重合によって製造する場合は、通常の乳化重合の手法により重合を行い、所定の転化率に達した時にヒドロキシルアミン、カルバミン酸ナトリウムなどを加えて重合を停止する。次いで、残存単量体を加熱、水蒸気蒸留などによって除去した後、塩化カルシウム、硫酸アルミニウムなどの無機の凝固剤、高分子凝集剤または感熱凝固剤などの通常の乳化重合で使用される凝固剤を加え、共重合体を凝固、回収する。回収された共重合体を水洗、乾燥し、本発明で使用する不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体を得る。
【0031】
本発明で使用するポリ塩化ビニル樹脂は格別限定されるものではないが、通常平均重合度600〜2,000のものが使用される。
不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体とポリ塩化ビニル樹脂との混合比は、通常、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体95〜50重量部、好ましくは80〜60重量部に対しポリ塩化ビニル樹脂5〜50重量部、好ましくは20〜40重量部である。特に、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体約70重量部とポリ塩化ビニル樹脂との混合物が最適である。
【0032】
不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体とポリ塩化ビニル樹脂とをブレンドする方法はとくに限定されないが、通常は、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体とポリ塩化ビニル樹脂粉末とをバンバリーミキサーなどを用い高温で混合するドライブレンド法、または不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体とポリ塩化ビニル樹脂とをラテックス状態で混合して凝固乾燥した後押出し機やバンバリーミキサーなどを用いて熱処理するラテックス共沈法などが採られる。
【0033】
本発明のゴム組成物には、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体に対する加硫剤として硫黄系加硫剤が配合される。硫黄系加硫剤としては、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などの硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリン・ジスルフィド、アルキルフェノール・ジスルフィド、N,N′−ジチオービス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、含りんポリスルフィド、高分子多硫化物などの硫黄化合物;さらに、テトラメチルチウラムジスルフィルド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾールなどの硫黄を含む加硫促進剤を挙げることができる。
【0034】
さらに、これらの硫黄系加硫剤に加えて、亜鉛華、ステアリン酸などの加硫促進剤;グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、ザンテート系などの他の加硫促進剤を使用することができる。
硫黄系加硫促進剤の使用量は特に限定されないが、通常、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体100重量部当り、0.10〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。
【0035】
加硫剤として硫黄系加硫剤を用いない場合は、高温短時間加硫において良好な高速加硫性を達成することができない。ただし、例えば、有機過酸化物系加硫剤のような硫黄系加硫剤以外の他の加硫剤を硫黄系加硫剤の他に適宜併用することは可能である。
【0036】
併用される有機過酸化物系加硫剤としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−t−ブチルペルオキシヘキサン、2,5−ジメチル−t−ブチルペルオキシヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、p−クロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、t−ブチルベンゾエートなどが挙げられる。また、他の併用可能な加硫剤としてはトルメチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼン、エチレンジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性化合物が挙げられる。さらに、金属せっけん/硫黄系、トリアジン/ジチオカルバミン酸塩系、ポリカルボン酸/オニウム塩系、ポリアミン系(ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、エチレンジアミンカルバメート、トリエチレンジアミンなど)、安息香酸アンモニウム塩系などの加硫剤も必要に応じて併用できる。
【0037】
本発明のゴム組成物には、必要に応じて、ゴム分野において使用される通常の他の配合剤、例えば、補強剤(各種カーボンブラック、シリカ、タルクなど)、充填剤(炭酸カルシウム、クレーなど)、加工助剤、プロセス油(含可塑剤)、酸化防止剤、オゾン裂化防止剤などを配合することができる。
【0038】
なお、本発明のゴム組成物には、必要に応じて、アクリルゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合ゴム(EPDM)、天然ゴム、ポリイソプレンゴムなどの他のゴムを不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体に組合せて使用することができる。
本発明のゴム組成物の製造方法は特に限定されないが、通常は、ロール、バンバリーミキサーなどの通常の混合機により原料ゴムと加硫系、その他の配合剤とを混練・混合することによって該ゴム組成物を製造する。
【0039】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例、比較例及び参考例中の部及び%は特に断りのないかぎり重量基準である。
ゴム組成物および原料成分の特性は以下のように測定した。
(1)高速加硫性評価試験
日本ゴム協会規格SRIS 3102 に従い、表1または表2の配合処方によって調製した未加硫ゴム組成物約10グラムを用いて、オシレーティング・ディスクレオメーターによって、160℃におけるスコーチ時間(T)(単位:分)および最大トルク(Vmax )(単位:kgf・cm)を測定した。Tの値は小さいほど加硫速度が速い。また、Vmaxの値は大きいほど架橋効率が高い。
【0040】
(2)加硫物性評価試験
日本工業規格JIS K6301 に従い、表1(配合A)または表2(配合B)の配合処方によって調製した未加硫ゴム組成物を160℃×20分の条件で加硫して得られた厚さ2mmのシートを、3号形ダンベルを用いて打ち抜いて試験片を作成し、引張強さ(単位:kgf/cm)、100%引張り応力(単位:kgf/cm)および伸び(単位:%)を測定した。また、硬さはJISスプリング式A形硬さ試験機を用いて測定した。
【0041】
耐油性試験については、JIS K6301 に従い、フューエルC(イソオクタン50容量%とトルエン50容量%との混液)中にゴム試験片を浸漬し、体積変化率(単位:%)を測定した。圧縮永久歪は JIS K6301 に従って100℃において測定した(単位:%)。耐寒性試験については、JIS K6301 に従い、ゲーマンねじり試験により評価した。ねじれ角が低温時(23℃)ねじれ角の10倍になる時の温度(T10)をもって表示した(単位:℃)。温度が低いほど耐寒性がよいことを示す。
【0042】
耐オゾン性(耐候性)は、JIS K6301 に従い、オゾン濃度80pphm、温度40℃にて、静的20%伸長後336時間放置し、または静的40%伸長後72時間放置した後、亀裂発生状況を観察した。
【0043】
【表1】
Figure 0003582110
【0044】
(3)結合ニトリル量
日本工業規格JIS K6384 に従い、ケルダール法によって共重合体中の窒素含量を測定し、計算により結合ニトリル量を求めた(単位:%)。
(4)ムーニー粘度
日本工業規格JIS K6383 に従い、共重合体約40グラムを用いて100℃にて測定した。
【0045】
(5)分子量、分子量分布
ゲルパーミエーション(溶媒:テトラヒドロフラン)により、標準ポリスチレンに換算した数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定した(単位:万)。
測定した分子量分布全体の面積と数平均分子量35,000以下の成分の面積とを用いて該成分の重量%を求めた。
【0046】
(6)不飽和ニトリルの組成分布幅(△AN)
不飽和ニトリルの組成分布幅は高速液体クロマトグラフィー法により求められ、その概要はラバー・ケミストリー・アンド・テクノロジー(Rubber Chemistry and Technology) 63、(2)、P181〜191(1990)に記載されている。すなわち、下記の測定条件にて不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体を高速液体クロマトグラフィーにて測定し、クロマトグラムの半値巾を△ANとする。なお、△ANの決定に際しては不飽和ニトリル量既知のサンプルを用いて溶出量−不飽和ニトリル量の検量線を作成しておく。
【0047】
1.カラム
ゲル:(2−クロロアクリロニトリル/エチレンジメタクリレート)架橋ポリマー
ゲル粒径:2〜6μm
カラム:ステンレススチールカラム
カラム径 x 長さ:0.46cm x 25cm
2.溶離液
クロロホルム/n−ヘキサン(重量比)30/70→100/0(30分間でグラジエント溶出)。但し、初期設定クロロホルム/n−ヘキサン=30/70にて20分間流す。
3.流速 0.5ml/分
4.試料濃度 1重量%クロロホルム溶液
5.注入量 10〜20μl
6.検出器 光散乱マスディテクター(Mass Detector:Model 750/I4 ACS Co.)
7.機器 Trirotor VI型(日本分光社製)
【0048】
(7)共重合体中の1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基濃度
共重合体をベンゼンに溶解した後、メチルアルコール中で凝固する操作を3回繰り返して精製し、精製共重合体についてNMR測定を行なった。
H−NMR測定(400MHz)により、該エチルチオ基中の末端メチル基のプロトンに起因するピークが1.05ppm 付近に検出され、さらに、13C−NMR測定(100MHz)により、該エチルチオ基中のメチレン基の炭素に起因するピークが54.6ppm 付近に検出される。
共重合体中の該エチルチオ基濃度の定量はH−NMR測定における末端メチル基に起因するピークの積分値と、4.8〜5.8ppm 付近に検出されるブタジエンの不飽和結合に結合するプロトンに起因するピークの積分値との比を用いて計算により求めた(単位:モル%)。
【0049】
(8)金型汚染性の評価
表1の配合処方によって調製した未加硫ゴム組成物を径12mmの穴に詰めた厚さ2mmの金属板の上下を、表面をきれいにみがいた2枚の1mmの金属板(JIS G3141 軟鋼板)ではさみ、220℃、20kg/cm、2分間の条件で加硫する。次いで、加硫したゴム片を除去し、再び未加硫ゴム組成物を詰めて同様な操作を行う。この操作を50回繰り返した後、上下の軟鋼板の表面の汚染を評価した。
評価は、該軟鋼板の表面が汚染されないものを1とし、表面全体が著しく汚染されたものを5とし、汚染の程度に従って5段階で表示した。
【0050】
(9)加工性の評価
ASTM D−2230−77に従い、ガーベダイを用いて未加硫ゴム組成物を押出し、ダイスエル(%)および押出量(g/分)を求めるとともに、押出物の形状ないし状態を、膨張量・多孔度ならびにエッジ、表面およびコーナー部の状態について評価し、それぞれ5段階で表示した(いずれも5が最良、1が最悪である。)
【0051】
実施例1〜9
内容積10リットルの反応器中に、乳化剤としてオレイン酸カリウム2部、安定剤としてリン酸カリウム0.1部、水150部を仕込み、さらに表2に記載した量のブタジエンおよびアクリロニトリル、および分子量調整剤として2,2′,4,6,6′−ペンタメチルヘプタン−4−チオール(以下、PMHTと記す)を加えて、活性剤として硫酸第一鉄0.015部および重合開始剤としてパラメンタンハイドロパーオキサイド0.05部の存在下に10℃で乳化重合を開始した。次いで表2に記載した重合転化率に達した時にさらにアクリロニトリルまたはブタジエンを添加し、重合を継続した。所定の重合転化率に達した時点で、単量体100部あたり0.2部のヒドロキシルアミン硫酸塩を添加して重合を停止させた。続いて、加温し、減圧下で約70℃にて水蒸気蒸溜により残留単量体を回収した後、老化防止剤としてアルキル化フェノールを2部添加し、次いで、塩化カルシウム溶液中に重合体ラテックスを加え重合体を凝固した。生成したクラムを取り出し、水洗後50℃減圧下で乾燥し、それぞれ共重合体I〜VIを得た。
【0052】
なお、共重合体IV、VおよびVIの製造に際しては重合転化率が35%および55%に達したときに表2に示す量のアクリロニトリルを重合系に分割添加した。また、共重合体VIの製造に際しては重合添加率が50%に達したときに表2に示す量のPMHTを加えた。
各共重合体中の結合ブタジエン量および結合ニトリル量、さらに共重合体のムーニー粘度その他の特性の測定結果を表2に示す。
次に、アクリロニトリル−ブタジエン各共重合体を表1に示す配合処方に従って、塩化ビニル樹脂とともにバンバリーミキサーにより混練してゴム組成物を得た後、160℃で20分間プレス加硫し、得られた加硫物の物性を評価した。結果を表3に示す。
【0053】
比較例1
分子量調整剤を市販のt−ドデシルメルカプタン(フィリプス石油社製)に変え、それ以外は実施例2と同様の条件でブタジエンとアクリロニトリルとを共重合し、共重合体VIIを得た。重合結果を表2に示す。次に、実施例1と同様に共重合体VIIの加硫物の物性を評価した結果を表3に示す。
【0054】
【表2】
Figure 0003582110
【0055】
【表3】
Figure 0003582110
【0056】
なお、共重合体IIのH−NMR測定チャートを図1に示し、また、13C−NMR測定チャートを図2に示す。
また、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体I〜VIのNMR測定により1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基の存在が確認された。
【0057】
表3から、不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体I〜VIと塩化ビニル樹脂と硫黄系加硫剤とを配合した加硫性ゴム組成物(実施例1〜8)は、オシレーティング・ディスクレオメーターで測定したスコーチ時間(T)が短く、また、最大トルク(Vmax )が高い値を示し、高速加硫性に優れていることがわかる。その結果、加硫物性における100%引張り応力、引張強さおよび圧縮永久歪が良好であって、架橋効率の高い加硫が行われていることがわかる。さらに、引張強さおよび100%引張応力が高水準に保持されながら、耐オゾン劣化性に優れることがわかる。
【0058】
重合時アクリロニトリルを分割添加して得た共重合体IV、V、VIを用いた場合(実施例6、7、8)は、共重合体中の結合アクリロニトリル量が低いにもかかわらず、ゲーマンねじり試験によるT10が低く、体積変化率が低いことから、高い機械的強度の水準を保ちながら、耐油性と耐寒性が良好で且つバランスがとれていることがわかる。
さらに、分子量調整剤PMHTを重合時分割添加した場合(共重合体VI、実施例8)は、さらにガーベダイによる加工性評価結果も良好であり、機械的強度と加工性に優れた共重合体であることがわかる。
【0059】
これに対して、従来、ラジカル重合において汎用の分子量調整剤として知られているt−ドデシルメルカプタンを(市販品)使用して乳化重合したものを用いた場合(共重合体VII、比較例1)は、スコーチ時間(T)が長く、最大トルク(Vmax)が低く、十分な高速加硫性が得られず、機械的強度が低い。金型汚染性も不良である。
また、市販のt−ドデシルメルカプタンを使用して得た共重合体についてNMR測定を行なったが、1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基の存在は確認されなかった。
【0060】
【発明の効果】
かくして、本発明によれば、耐候性(耐オゾン劣化性)および機械的強度に優れ、圧縮永久歪が小さく、さらに高温短時間の加硫において、優れた高速加硫性を示し、金型汚染性の問題が改善された不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体と塩化ビニル樹脂とを含むゴム組成物が提供される。このゴム組成物は優れた高速加硫性を有することにより、特に、射出成型用途に好適であって、ゴム製品の成型における生産性の向上、省力化が可能となる。
【0061】
特に、重合時に単量体を分割添加することによって製造した不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体を用いたゴム組成物は耐油性と耐寒性とが良好で両者がバランスしており、また、重合時に分子量調整剤を分割添加することにより製造した不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体を用いたゴム組成物は加工性がよい。
本発明のゴム組成物は、Oリングその他シール材用途に好適であり、さらに、ベルト、ホース、ロールなどのゴム製品を始めとし、防振ゴム、電気製品、自動車部品、工業用品、はきものなど広範囲に利用することができる。
【0062】
本発明のゴム組成物、すなわち、少なくとも3個の第3級炭素原子およびその中の少なくとも1個の第3級炭素原子に直接結合した硫黄原子を有する炭素数12〜16のアルキルチオ基を、分子を構成する単量体単位100モル当り0.03モル以上の割合で分子内に有し、ムーニー粘度が15〜150である不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体と塩化ビニル樹脂とを含んでなるゴム組成物の好ましい具体的態様は以下のとおりである。
【0063】
(1)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体と塩化ビニル樹脂との重量比が(95〜50)/(5〜20)、より好ましくは(80〜60)/(20〜40)である本発明のゴム組成物。
(2)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体が、該アルキルチオ基を、分子を構成する単量体単位100モル当り0.07モル以上の割合で分子内に有するゴム組成物。
(3)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体中の該アルキルチオ基が1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基および1−(2,2−ジメチルプロピル)−1−(2,2,4,4−テトラメチルペンチル)−1−エチルチオ基から選ばれる少なくとも1種であるゴム組成物。
【0064】
(4)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体中の該アルキルチオ基が1,1−ジ(2,2−ジメチルプロピル)−1−エチルチオ基であるゴム組成物。
(5)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体がアクリロニトリル10〜60重量%とブタジエン90〜40重量%との共重合体であってムーニー粘度20〜90を有するものであるゴム組成物。
(6)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体が、単量体混合物100重量部に対し、該アルキルチオ基を有するアルキルチオール化合物0.05〜3重量部の存在下にラジカル重合して得たものであるゴム組成物。
【0065】
(7)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体が、数平均分子量(Mn)35,000以下の低分子量成分を3〜20重量%含有するゴム組成物。
(8)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体が、該アルキルチオール化合物の全使用量の10〜95%を重合前の単量体混合物中に含有せしめ、さらに重合転化率が20〜70%に達した時点で該アルキルチオール化合物の残量を重合系に転化する方法によって調製したものである上記(7)記載のゴム組成物。
(9)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)、が2.3〜5.5であるゴム組成物。
【0066】
(10)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体中の結合不飽和ニトリル量が20〜50重量%であり、不飽和ニトリルの組成分布幅(△AN)が5〜15であるゴム組成物。
(11)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体が、分子量調整剤として、上記アルキルチオ基を有するアルキルチオール化合物を使用し、且つ全単量体量の30〜80重量%の存在下に重合を開始し、さらに重合転化率が20〜70%に達した時点で単量体の残量を重合系に添加する方法によって調製したものであるゴム組成物。
【0067】
(12)不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体100重量部当り硫黄系加硫剤0.01〜10重量部を含有してなる加硫性の上記ゴム組成物。
(13)射出成型用であるゴム組成物。
(14)ホース、ベルトまたはOリング用であるゴム組成物。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で得られた本発明の不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体IIのH−NMR測定チャート。
【図2】実施例2で得られた本発明の不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体IIの13H−NMR測定チャート。

Claims (1)

  1. 少なくとも3個の第3級炭素原子およびその中の少なくとも1個の第3級炭素原子に直接結合した硫黄原子を有する炭素数12〜16のアルキルチオ基を、分子を構成する単量体単位100モル当り0.03モル以上の割合で分子内に有し、ムーニー粘度が15〜150である不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体と塩化ビニル樹脂とを含んでなるゴム組成物。
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