JPH0867374A - 柔軟なシート媒体を回転支持面に固着する方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザ印刷機等の回転ドラム上に、フィルム
シートを巻付け、ドラムの回転速度が上がっても、フィ
ルムシートが剥離・移動することのないように、更にし
っかりと締付け、所望の位置に確保・維持する方法およ
び装置を提供すること。 【構成】 シート媒体（１２）を回転ドラム（１４）の
円筒形支持受面（２０）上に取付け、このシートをこの
支持面に巻付けるように、その前縁および後縁を、遠心
力で作動するクランプ組立体（３２）によってクランプ
する。このクランプ組立体には、１対の前縁クランプ
（４４）と後縁クランプ（４６）、および引張りばね
（５２）がある。前記回転ドラムの静止時は、このばね
の力で前記シート媒体の縁をクランプするが、前記回転
支持受面の回転速度が増すと、これらのクランプは、遠
心力の作用でクランプ力を強め、このシート媒体の縁に
該シート媒体をクランプのピボット軸から離れるように
曲げまたは押さないように力を加え、それによってこの
シート媒体をその精密な巻付け位置から他の状態に曲が
りまたは膨れさせないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、一般的にはシート媒
体を支持面に固着することに関し、更に詳しくは、柔軟
なフィルムシート媒体を、印刷できるように、回転ドラ
ム上の、好ましい巻付け位置に、しっかりと固着し、も
って該フィルムシートに印刷するようにした方法および
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】シート媒体を円筒面にクランプするため
に多種多様なシート処理システムが提案されている。例
えば、ファクシミリ機、コンピュータ・プリンタ、およ
びゼログラフィ複写機で、シート媒体を回転ドラムに解
放可能にクランプし、巻付けて、ドラムの回転中にこの
媒体に印刷できるようにするための要求がある。一般
に、上記の装置の回転ドラムは、比較的遅い速度、例え
ば、約１０ｒｐｍ〜１００ｒｐｍのオーダで回転する。
しかし、高品質放射線透過写真画像を得るために使う、
高速ディジタル乾式レーザ画像形成装置（例えば、米国
マサチューセッツ州ケンブリッジのポラロイド社から市
販されている種類のもの）の出現で、従来の技術と同様
に市場で許容される時間枠内で画像を作れるように、フ
ィルムまたは媒体を、例えば約１，２００ｒｐｍ〜６，
０００ｒｐｍのオーダの高速で回転している中に印刷す
る要求がある。もう一つの要求は、医学分野で要求され
る画像解像度を保証するため、シート媒体を好ましい巻
付け位置に保ったまま画像形成することである。例え
ば、シート媒体がその望ましい巻付け位置からずれまた
は離れた結果の一つとして、解像度の質がかなり落ちる
ことがある。これは、例えば、医学の形式の放射学的画
像で、特に重要である。これに関し、たとえフィルムの
位置が意図した平面から約＋／−４０ミクロンほどしか
ずれていなかったとしても、できた医学的画像は、明ら
かに達成できる品質以下である。シート媒体をその所望
の巻付け位置に維持するときに要する精密さを更によく
理解するために、人間の毛髪の太さが約７０ミクロンで
あることを考慮すべきである。それで、シート媒体がそ
の意図した巻付け位置からわずかずれても、できた医学
的画像が容認できないことがあることは明らかである。

【０００３】上記の種類のディジタル画像形成中にシー
トがその意図した巻付け状態から逸脱する可能性は、印
刷すべきシート媒体の大きさが増すときは必ず重要にな
る。これは、大きなフォーマットのフィルムシート媒体
を、情報の少ない小さなフォーマットのシート媒体と同
じ一般的時間枠内で、かなり多くの情報を印刷できるよ
うに、高速で回転しなければならないからである。回転
速度が増加するために、このシート媒体とクランプに作
用する遠心力が増加する。これは、シート媒体が、例え
ば伸びるために、その支持ドラムから半径方向に分離
し、および、クランプの性能の問題を含むことは言うま
でもなく、その他の方法でずれを起こす問題を生じがち
である。これらの遠心力の潜在的逆効果は、遠心力がド
ラムの回転速度の増加の二乗で増加するという事実を考
慮するときに、更にはっきりする。その上、もし、この
フィルムシート媒体がドラム面から不規則に膨らみまた
はその他の方法で分離すると、レーザ印刷ヘッドは、こ
の印刷面からの所望の焦点距離に維持する動作におい
て、印刷中このシート媒体に付いたり離れたり自動的に
動くので、そのような所望の焦点距離を維持するために
十分には速く出入りできないであろう。その結果、でき
た放射学的画像は、満足できないことがある。

【０００４】乾式レーザ画像フィルムの柔軟なシート媒
体を、レーザで印刷するように、回転ドラムの円筒面上
にクランプするための一つの既知の手法は、１９９０年
２月２７日発行の、共通に譲渡された米国特許明細書第
４，９０３，９５７号に記載されている。この特許明細
書は、回転ドラム上軸方向に取付けられ、回転ドラムに
巻付けられるべき柔軟なシート媒体の前縁と後縁の両方
をクランプし、解放するように外部カムによって順次作
動される前縁および後縁クランプを使うことを開示して
いる。

【０００５】乾式レーザ画像フィルムシート媒体を回転
ドラムにクランプするためのもう一つの既知の手法は、
ヘリオス８１０レーザ・イメジャ機にある。この機械
は、高品質の２０×２５ｃｍフォーマットの放射線透過
写真画像を作り、この出願の譲受人から市販されてい
る。使用しているクランプ装置は、シート媒体の前縁お
よび後縁を回転ドラムの円筒面にクランプする。各クラ
ンプ装置は、遠心力で作動し、その重心がそのピボット
軸の片側にあり、それによってこの重心が求心加速力に
応じて外方に旋回し、このクランプの爪によって、この
シート媒体に直接、半径方向内方に、かなりのクランプ
力を与える。

【０００６】前記の手法は満足のいくものであるが、そ
れでも、特に、例えば、２０×２５ｃｍのフィルムシー
ト媒体ではなく３６×４３ｃｍのオーダの大きなフォー
マットのフィルムに印刷するときのように、回転速度が
高く、遠心力が強い場合に、クランプ性能を改良する要
求がある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従って、この発明の目
的は、数ある中で、柔軟なシート媒体を、回転ドラム上
の好ましい巻付け位置に、回転中このシート媒体が整列
を乱しまたは曲がることがないように、クランプする方
法および装置を提供することである。

【０００８】この発明の他の目的は、フィルム状のシー
ト媒体を、回転ドラムに、遠心力が増すと、このシート
媒体の縁に加えられる媒体クランプ力が増し、媒体締付
け力が自動的に少なくとも一つのシート媒体の縁に加え
られて、高回転速度中、それを更にしっかりと巻付けさ
えするような方法で、クランプすることである。

【０００９】この発明の更に他の目的は、フィルム状の
シート媒体を、回転ドラムに、遠心力が増すと、このシ
ート媒体の縁に加えられる媒体クランプ力が増し、この
クランプの末梢クランプ端が、このクランプのピボット
軸の方へ内方に撓み、この媒体が膨らみまたは曲がらな
いように、この媒体を回転ドラムに締付けるように作用
するような方法で、クランプすることである。

【００１０】この発明の更に他の目的は、フィルム状の
シート媒体を、回転ドラムに、それが、レーザ印刷中、
このドラムの外周面にできるだけ密接に適合するような
方法で、クランプすることである。

【００１１】この発明の更に他の目的は、フィルム状の
シート媒体を、回転ドラムに、それがこのドラムとシー
ト媒体の間に、印刷中レーザ・ヘッドを焦点外れにする
ような性質の隙間を作って不正確な印刷情報が生じない
ようにする方法で、クランプすることである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】この発明によれば、柔軟
なシート材料を回転支持装置にクランプするための、改
良された方法および装置が提供される。

【００１３】一つの図示した実施例では、柔軟なシート
媒体を回転支持面上に、この媒体のしっかりした巻付け
を支援するように、この支持面の回転速度の関数として
独立に増す、クランプおよび締付け力で、自動的にクラ
ンプし、締付ける方法を提供する。この方法には、柔軟
なシート媒体を回転支持面の表面上に取付ける工程、お
よび、このシート媒体をこの支持面に巻付けるように、
その対向する第１縁および第２縁をクランプする工程が
含まれる。これらの縁の少なくとも一つは、遠心力で作
動するクランプ機構によってクランプされ、それによっ
て、このシート媒体の縁のクランプ力は、この支持面の
回転速度が増すにつれて増す。更に、この方法は、この
クランプが、このシート媒体の縁にシート媒体をクラン
プのピボット軸から離れるように曲げまたは押さないよ
うに力を加え、それによってこの媒体をその精密な巻付
け位置から他の状態に曲がりまたは膨れさせないように
することを含む。

【００１４】他の実施例では、この方法は、クランプ
が、このシート媒体の縁に自動的に締付け力を加え、そ
れによってこのシート媒体をさらにしっかりと巻付けさ
えして、このシート媒体がその支持面から遠心力の作用
で分離する傾向を減ずることを含む。

【００１５】図示した実施例では、シート媒体を支持す
る面を有する回転支持機構を含み、それがそのような面
で回転されているときに、それに印刷できるようにする
装置が提供される。これに含まれるのは、支持体に取付
けられたクランプ機構で、それは旋回クランプを含み、
その重心は、このドラムが回転すると、旋回してそのク
ランプ縁を、このドラムの遠心加速度に対応する力で、
この媒体およびドラムに対して駆動する。この遠心力作
動クランプは、この媒体をクランプのピボット軸から離
れるように曲げまたは押し、それによってこの媒体をそ
の精密な巻付け位置から他の状態に曲げまたは膨らませ
ることのないように構成されている。

【００１６】更に他の実施例では、このクランプは、媒
体の縁をそのピボット軸の方に引いて、このシート媒体
を回転面上に締付け、それによってこのシート媒体を支
持体上に更にしっかりとさえ巻付けて、このシート媒体
がその支持面から分離する傾向を減ずる。

【００１７】この発明のその他の目的や利点は、添付の
図面を参照して以下の詳細な説明を読めば、明白となろ
う。これらの図面で、類似の構造は、全図面を通じて類
似の参照番号で表す。

【００１８】

【実施例】柔軟なシート媒体１２（図６）を好ましい巻
付け位置にクランプして維持するための、全体を参照番
号１０で示す装置の好ましい実施例を説明する目的で添
付の図面を参照する。この装置には、回転ドラム１４が
あり、その上に、例えば約１，２００ｒｐｍ〜６，００
０ｒｐｍのオーダの、非常に高速で回転すべきシート媒
体１２があり、一方このシート媒体１２は、１６で示す
プリンタ機構の中で、例えば共通に譲渡された米国特許
明細書第５，１５９，３５２号に記載されているような
種類の、軸方向に可動のレーザ書込み機構１８によっ
て、印刷されている。この実施例は、プリンタにおける
柔軟なシート媒体１２のレーザ印刷に関係するが、この
発明のクランプ原理に他の用途が有り得ることは理解さ
れよう。この柔軟なシート媒体１２は、例えば米国マサ
チューセッツ州、ケンブリッジのポラロイド社から市販
されているような、サーモグラフによる乾式レーザ画像
形成型であってもよい。更に詳しくは、このフィルム
は、共通に譲渡された米国特許明細書第５，１５５，０
０３号に記載されているようなものでもよい。このシー
ト媒体１２は、３５６×４３２ｍｍの大きさがあっても
よい。しかし、この発明は、そのようなフィルム媒体の
種類や大きさに限定されない。

【００１９】図１および図２に更にはっきりと示すよう
に、このプリンタ機構１６には、円筒形支持受面２０の
ある回転ドラム１４があり、その面の上に、印刷中柔軟
なシート媒体１２が巻き付けられ、支持される。この回
転ドラム１４は、このプリンタのフレーム組立体２４の
一部を形成する端板２２（その一つを図示）に位置づけ
られたジャーナル軸受上で著しく高速回転するように取
付けられている。電気モータ２６が、このフレーム組立
体２４に取付けられ、この回転ドラム１４をその回転軸
周りに、所望の高速度で駆動するように、ドラム・モー
タ軸２６ａに適当に結合されている。この回転ドラム１
４は、所望の高速回転を容易にするようにバランスがと
られ、円筒形支持受面２０は、巻付けたシート媒体１２
が、好ましい巻付け位置に均一に支持され得るように、
精密に機械加工されている。この回転ドラム１４の角度
位置の制御が容易にできるように、この回転ドラム１４
の他端からエンコーダ軸２８が伸びるが、その制御動作
は、この発明の一部ではない。この回転ドラム１４に
は、その軸方向の長さに沿って伸び、遠心力で作動する
クランプ組立体３２をしっかりと取外し可能に受けるた
めのクランプ組立体取付けチャンネル３０がある。この
クランプ組立体取付けチャンネル３０は、それぞれ、各
対向するチャンネル側壁３８、４０に、案内溝３４、３
６を備える。この遠心力で作動するクランプ組立体３２
と、以下に説明する方法で、滑動可能に協働するよう
に、複数の、軸方向に離間した受け切欠き４２が、各々
のチャンネル側壁３８、４０に設けられている。

【００２０】さて、この遠心力で作動するクランプ組立
体３２を説明するために、図１、図２、および図６を参
照する。この遠心力で作動するクランプ組立体３２に含
まれているのは、それぞれ、シート媒体１２の前縁およ
び後縁４８、５０をクランプするための、複数の、軸方
向に整列し、離間した、前縁および後縁クランプ４４お
よび４６の対である。このクランプ組立体３２は、各前
縁および後縁クランプ４４および４６の対をそれらの通
常の閉位置に片寄せるために、それらの間に結合された
引張りばね５２も含む（図７参照）。このクランプ組立
体３２には、クランプ組立体取付チャンネル３０の長さ
に沿って伸び、回転ドラム１４に固着できる、全体とし
て薄い矩形のクランプ基板５４が含まれる。複数の垂直
支持体５６が、このクランプ基板５４に、互いに軸方向
に離間した関係に取付けられ、それらの間に１対の前縁
および後縁クランプ４４および４６を支持する。この垂
直支持体５６には、１対の孔５８がある（図１）。各々
の孔５８は、横耳５８ａにあって、それぞれ、長いピボ
ット軸６０、６２を取外し可能に受け、これらのクラン
プをピボット回転するように支持する。各々の横耳５８
ａは、それぞれの案内溝３４、３６の中を滑動できて、
クランプ組立体３２を保持し、このクランプ組立体３２
を保持するために、切欠き４２と協働する。ピボット軸
６０、６２は、それぞれ、各々の前縁および後縁クラン
プ４４、４６を、垂直支持体５６に、ピボット回転する
ように取付けるようにされている。クランプの軸方向最
外対の各々は、カム従動軸６６と協働するようにされて
いる。各々のカム従動軸６６には、回転ドラム１４の端
を越えて突出するその末端に、カム・ローラ６８があ
る。これらのカム・ローラ６８は、全体を参照番号７０
で示すカム機構によって、係合して下方に動くと、ドラ
ム軸に対して半径方向に内方に選択的に変位されるよう
になっている。

【００２１】回転ドラム１４の両端に位置するカム機構
７０があり（その一つだけを図１および図３に示す）、
以下に説明する方法で軸方向のカム・ローラ６８と係合
する。これに関しては、このカム機構７０が、この機械
の端板２２に取付けられ、その組立体は、前記したよう
に、孔が明き、ドラム軸の一端を回転可能に受ける。ス
ライダ７４が、この端板２２に取付けられていて、カム
位置と非カム位置の間を垂直に動く。このスライダ７４
には、前縁クランプ４４と関連する１組のカム・ローラ
６８と係合するようにされたカム面７６ａを有する弓形
のカム部材７６が取付けられている。カム部材７８が、
図３に示すように、このカム部材７６に固定されてい
る。このカム部材７８には、後縁クランプ４６と関連す
る他の組のカム・ローラ６８と係合するようにされたカ
ム面７８ａがある。ソレノイド組立体８０が、スライダ
７４に結合され、後者をそのカム位置と非カム位置の間
で垂直に動かすように作動する。これらのカム面は、異
なる平面内にあって、前縁クランプ４４と後縁クランプ
４６のカム・ローラ６８は、回転ドラム１４の端から適
当に異なる軸方向距離だけ離れていることに注意すべき
である。これによって、カム面７６ａ、７８ａがそれら
それぞれのクランプ・ローラ６８と独立に係合でき、前
縁および後縁クランプ４４，４６が互いに独立に作動す
る。前および後という反対語は、相対的であること、並
びにこれらの反対語をこれらのクランプに適用できるこ
とが理解されよう。そのような運動は、これらのクラン
プを、図示するそれらのクランプ位置から、開状態（図
示せず）に旋回する。更にこれに関して、前記の独立作
動をするための角度位置に停止する。このカム機構７０
は、これらの前縁および後縁クランプ４４，４６を互い
に独立に開くために、他の装置を設けることができるの
で、それ自体では、この発明の局面とはならない。この
カム機構７０が非カム位置にあるときは必ず、引張りば
ね５２は、前縁および後縁クランプ４４，４６の両方を
それらの通常の閉またはクランプ位置に駆動するように
機能することに注意すべきである。

【００２２】今度は、クランプを説明するために、図４
ないし図６を参照する。図示の実施例では、全ての対の
各クランプが、同じ対の他のクランプと同じであるが、
そうである必要はない。しかし、以下に説明する理由
で、中間対のクランプは、軸端のものとは違うものとし
て構成する。各軸端対のクランプは、明瞭にするために
その一つだけを図示するが、釣合い重り部８２、クラン
プ部８４、およびこの釣合い重り部８２の軸方向端から
上方に伸びる支持部８６を備える。この支持部８６に
は、整列された軸孔８６ａおよびカム軸孔８６ｂがあ
る。これらは、遠心力で作動するクランプであるので、
この発明の教示に従って、どんなクランプの形状および
材料を選ぼうとも、各クランプの重心をクランプのピボ
ット軸９０から離して、所望のクランプ力を与えること
に注意すべきである。これに関して、クランプの重心が
そのピボット軸９０から遠ければ遠いほど、働くクラン
プ力は強くなる。また、強いクランプ力は、重いクラン
プで発生することができるが、しかし、重いクランプ
は、印刷のサイクル時間を長くするために望まれる回転
ドラムの高速回転に慣性の問題を付加するという欠点が
ある。

【００２３】引続いて図４ないし図６を参照して、この
釣合い重り部８２は、比較的剛く、例えば、鋼で作られ
た長い部材で、全体に傾斜した直立部９２、および中央
に平坦な基部９４を有する。この基部９４は、その両端
に支持部８６が一体に作られている。この傾斜部９２に
も、引張りばね５２を収容する、中央に位置するくぼみ
９６があり、旋回中前者が後者に対して自由に動くこと
ができる。更に、この傾斜部９２には、隣接するクラン
プに接触し、それをその開状態に駆動するように配列さ
れた、軸方向のタブ９８がある。このようにして、最端
クランプは、このタブ９８によって、その隣接する最も
内側のクランプを駆動する。次に、この隣接する最も内
側のクランプにも、中間クランプと係合して開くタブ９
８がある。このようにして、このカム機構が、このカム
機構７０による作動に応じて特定の組のクランプに関連
するカム・ローラ６８と係合するとき、全てのクランプ
が開くように作動される。しかし、一つのクランプの傾
斜部９２は、旋回運動中、その対の隣接するクランプの
傾斜部９２とは接触しない（図６参照）。

【００２４】クランプ部８４を参照すると、それには、
基礎ビーム１００、直立撓みビーム部１０２、および下
方に向いた爪先端１０６のある爪１０４がある。この爪
先端１０６は、シート媒体１２のタブ部１２ａの上に伸
びる大きさになっている。くぼみタブ１０８は、直立撓
みビーム部１０２にあって、引張りばね５２の一端がそ
れに取付けられている。この引張りばね５２の他端は、
この対の他のクランプにあるタブ９８に取付けられてい
る（図６参照）。クランプ部８４は、種々の材料で作る
ことができ、この実施例では、鋼でできている。このク
ランプ部８４は、釣合い重り部８２より比較的軽いよう
な寸法になっている。これらのクランプ部８４の寸法お
よび材料を選ぶときは必ず、それが、以下に説明するよ
うに、その爪に加えられるクランプ力を受けるとき、こ
の釣合い重り部に対し撓めるようにすべきである。クラ
ンプ部が釣合い重り部より軽い他の利点は、このクラン
プの重心をピボット軸９０から遠く離すことが容易なこ
とである。

【００２５】前に示したように、この発明は、図６に示
すように、クランプ部８４がピボット軸９０の方に撓む
備えをする。この撓みは、爪先端１０６に加えられる回
転ドラム１４の反力によって生じ、その反力は、このク
ランプの重心に作用する遠心力によって生じるクランプ
力に対抗する。それで、遠心力が爪１０４をシート媒体
１２および回転ドラム１４に押付けることが分かるだろ
う。特に、基部１００および直立撓みビーム部１０２
は、図６に示すように撓む。そのような撓みは、爪先端
１０６を、従ってクランプしたシート媒体１２の縁をピ
ボット軸９０の方に変位するのに有効である。この変位
は、回転ドラム１４上のシート媒体１２を締付けまたは
更にきつく巻付けるようにさえ作用し、このシート媒体
１２が円筒形支持受面２０に対して他の状態に分離し、
曲がる傾向を打消す。この発生する締付け力は、シート
媒体１２をレーザ・ヘッドに対してその好ましい巻付け
位置に維持するように選択することができる。この利点
は、この締付けが、他の場合なら爪先端１０６とシート
媒体１２をこのピボット軸９０から離して動かすように
この爪１０４を撓ませる、このクランプに作用する動的
遠心クランプ力に、シート媒体１２をその精密な巻付け
位置から受け入れ難いほどずらすようさせないことであ
る。この爪１０４のクランプ力は、求心加速力が増し、
重心を軸９０の周りにクランプ方向に駆動すると、増す
ことが分かるだろう。従って、反力は、ドラム速度の増
加によりクランプの遠心力が増加すると、増加する。こ
のように、反力Ｆが増加し、従って、この反力が撓みを
生ずるので、締付け力が増す。これは、締付け力が、そ
の必要が増すにつれて、しかも自動的に増すので、非常
に有利である。もし、前記のような撓みがなければ、爪
部がシート媒体１２の縁をピボット軸９０から離れるよ
うに押しまたは変位しようとするだろうことが確認され
ている。従って、シート媒体１２は、一般的にその巻付
け位置から不規則な態様で曲がりまたは膨らむ。

【００２６】この実施例では、クランプ部８４は、爪１
０４の曲げ１１０での柔軟部から、このクランプ部８４
の撓みが前記の締付け機能を果たせる量だけ下に位置す
る曲げ１０８で柔軟である。この基礎ビーム１００は、
曲げ１１０で柔軟で、爪先端１０６が変位してシートを
締付けできるような方法で、この基礎ビーム１００が上
方に撓める。このクランプ部８４の部品の全撓み量を制
御することによって、爪先端１０６の変位量を制御する
ことができる。例えば、これらのクランプを、直立撓み
ビーム部１０２が撓む必要がなく、締付けのための全て
の撓みが基部１００からくるように、作ることができ
る。その代わりに、この基部１００を剛体にして、全撓
み量を、直立撓みビーム部１０２の撓みによって制御す
ることができる。その上、締付けの量は、直立撓みビー
ム部１０２の高さによって制御することができる。この
ように、締付けは、クランプ部８４の部品の機械的性質
は勿論、クランプ部８４の形状寸法を管理することによ
って調節することができる。他の利点は、比較的軽量で
コンパクトに形作ったクランプによって、自動締付けが
達成できることである。この軽量でコンパクトな利点
は、高速で回転する必要のある回転ドラムに非常に有利
である。もし、遠心力クランプを、爪の外向き撓みに抗
するため、およびクランプ力を他の方法で増すために努
力して重く、大きく作ったなら、クランプはかなり重く
なり、従って、これがドラムの加速および減速時間を商
業的に受入れ難くするだろう。更に、大きなクランプ
は、レーザがこのクランプの上を回転するので、このレ
ーザが印刷できない、円周むだ時間を増すだろう。

【００２７】この発明は、その精神または本質的特徴か
ら逸脱することなく、他の特定の形に具体化することが
できる。従って、これらの実施例は、全ての点で例示で
あって、限定ではないと考えるべきである。この発明の
範囲は、前記の説明ではなくて、前記の請求項によって
示し、従って、これらの請求項の均等物の意味および範
囲に入る全ての変更は、その中に包含する意図である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の改良したシートクランプ機構を示
す、プリンタ機構の分解透視模式図。

【図２】この発明のクランプ組立体の拡大破断透視図。

【図３】カム機構を支持するドラム端板組立体の透視
図。

【図４】この発明のクランプ機構の透視図。

【図５】図４に示すクランプの端面図。

【図６】この発明のクランプ機構の拡大破断端面図。

【図７】このクランプ装置をその組立てた関係で示す、
ドラム・クランプ組立体の透視図。

【符号の説明】 １２ シート媒体 １４ 回転ドラム ２０ 円筒形支持受面（回転支持面） ３２ クランプ組立体 ４４ 前縁クランプ ４６ 後縁クランプ ４８ 前縁 ５０ 後縁 ５２ 引張りばね ６０ ピボット軸 ６２ ピボット軸 ８４ クランプ部 ８６ 支持部 ９０ ピボット軸 １０６ 爪先端

Claims (18)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 柔軟なシート媒体を回転支持面上に固着
   し、前記シート媒体を前記回転支持面上の好ましい巻付
   け位置に維持することを支援するように、該回転支持面
   の回転速度が増すと固着力を増す固着方法であって、 柔軟なシート媒体（１２）を回転支持面（２０）の表面
   上に取付ける工程、および、前記シート媒体の対向する
   縁（４８，５０）に固着力を加え、前記シート媒体の少
   なくとも一つの縁は、遠心力で作動し、ピボット軸（６
   ０，６２）のあるクランプ機構（３２）によってこの固
   着力が加えられる工程を含み、その固着力は、前記クラ
   ンプ機構が、前記シート媒体を好ましい巻付け位置に維
   持するために、該シート媒体を前記ピボット軸から離し
   て動かさないように、前記回転支持面の回転速度が増す
   につれて増す柔軟なシート媒体を回転支持面に固着する
   方法。
2. 【請求項２】 柔軟なシート媒体を回転支持面上に、該
   回転支持面の回転速度が増すにつれて増すクランプおよ
   び締付け力で、クランプし、締付ける方法であって、 柔軟なシート媒体（１２）を回転支持面（２０）の表面
   上に取付ける工程、 前記シート媒体を前記回転支持面に固着する工程、 少なくとも一つの縁に、前記回転支持面の回転速度が増
   すにつれて増すクランプ力を加える工程、並びにこの一
   つの縁に、前記回転支持面の速度が増すにつれて増す締
   付け力を加える工程を含み、これらのクランプおよび締
   付け力は、このシート媒体が前記回転支持面から、前記
   シート媒体の好ましい巻付け位置を乱すような態様で、
   半径方向に膨らみ、分離しようとする傾向に抗するレベ
   ルに達する柔軟なシート媒体を回転支持面に固着する方
   法。
3. 【請求項３】 請求項２に記載する柔軟なシート媒体を
   回転支持面に固着する方法において、前記締付けおよび
   クランプ力が、前記回転支持面の回転速度が増すにつれ
   て自動的に増す柔軟なシート媒体を回転支持面に固着す
   る方法。
4. 【請求項４】 請求項２に記載する柔軟なシート媒体を
   回転支持面に固着する方法であって、更に、前記シート
   媒体の一つの縁（４８，５０）に対向する縁（５０，４
   ８）を、前記クランプ力および締付け力の両方がこの回
   転面の速度が増すにつれて増し、それによって前記シー
   ト媒体が意図した好ましい巻付け位置から半径方向に分
   離しまたは膨らむ傾向を減ずる態様で、クランプし、締
   付ける工程を含む柔軟なシート媒体を回転支持面に固着
   する方法。
5. 【請求項５】 請求項２に記載する柔軟なシート媒体を
   回転支持面に固着する方法において、前記締付け力は、
   前記シート媒体と係合する末梢先端（１０６）を有する
   撓み部（８４，８６）を含む、遠心力で作動するクラン
   プ（４４，４６）によって加えられ、前記撓み部が、前
   記クランプのピボット軸（９０）の方に撓み、それによ
   って前記末梢先端に、回転速度が増すと前記回転支持面
   上の前記シート媒体を締付けさせる柔軟なシート媒体を
   回転支持面に固着する方法。
6. 【請求項６】 請求項５に記載する柔軟なシート媒体を
   回転支持面に固着する方法において、前記撓み部が前記
   クランプ上にピボット軸（９０）を有し、前記締付け力
   の量が、前記末梢先端と前記撓み部のピボット軸の距離
   の関数である柔軟なシート媒体を回転支持面に固着する
   方法。
7. 【請求項７】 請求項６に記載する柔軟なシート媒体を
   回転支持面に固着する方法において、前記締付け力の量
   は、前記末梢先端と前記撓み部のピボット点の距離が増
   すことにより増す柔軟なシート媒体を回転支持面に固着
   する方法。
8. 【請求項８】 柔軟なシート媒体を回転支持面上に固着
   し、該回転支持面上に前記シート媒体を精密に巻付ける
   ことを維持するように、前記回転支持面の回転速度が増
   すとこの固着力が増す装置であって、 回転するように作動し、その上に柔軟なシート媒体（１
   ２）を支持するための回転支持面（２０）を提供するた
   めの装置（１４）、および前記シート媒体を選択的に精
   密な巻付け位置に維持するように、該シート媒体に固着
   力を加える固着力印加装置（３２）を含み、 前記固着力印加装置が、ピボット軸（９０）を有する、
   遠心力で作動するクランプ機構を含み、それによって固
   着力が、前記シート媒体の少なくとも一つの縁（４８，
   ５０）に加えられ、且つ前記回転支持面の回転速度が増
   すにつれて増し、前記固着力印加装置が、回転中に前記
   シート媒体の縁を前記ピボット軸から離れるように曲げ
   または押して、該シート媒体がこの精密な巻付け位置か
   ら容認できないほど変位しないようにする柔軟なシート
   媒体を回転支持面に固着する装置。
9. 【請求項９】 柔軟なシート媒体を回転支持面上に、該
   回転支持面の回転速度が増すにつれて増すクランプおよ
   び締付け力で、クランプし、且つ締付け、前記シート媒
   体を所定の巻付け位置に維持する装置であって、 回転するように作動し、その上に柔軟なシート媒体（１
   ２）を支持するための回転支持面（２０）を提供するた
   めの装置（１４）、 前記シート媒体の第１縁（４８）および第２縁（５０）
   を前記回転支持面にクランプするための装置、 前記縁の少なくとも一つに、前記回転支持面の回転速度
   が増すにつれて増すクランプ力を加えるための装置、並
   びに前記一つの縁に、前記回転支持面の速度が増すにつ
   れて増す締付け力を加えるための装置を含み、 前記クランプ力および締付け力を加えるための装置が、
   そのようなクランプ力および締付け力を加え、それら
   は、前記シート媒体が回転中に前記回転支持面から、該
   シート媒体をその好ましい巻付け位置から容認できない
   ほど変位させるような態様で、半径方向に分離しまたは
   膨らもうとする傾向を最小にするレベルに達する柔軟な
   シート媒体を回転支持面に固着する装置。
10. 【請求項１０】 請求項９に記載する柔軟なシート媒体
    を回転支持面に固着する装置において、前記締付け力お
    よびクランプ力を加えるための装置は、前記回転支持面
    の回転速度が増すにつれて自動的に増すように作動する
    柔軟なシート媒体を回転支持面に固着する装置。
11. 【請求項１１】 請求項９に記載する柔軟なシート媒体
    を回転支持面に固着する装置において、前記クランプお
    よび締付けのための装置が、前記シート媒体の一つの縁
    （４８，５０）に対向する縁（５０，４８）を、前記ク
    ランプ力および締付け力の両方が前記回転支持面の速度
    が増すにつれて増し、それによって前記シート媒体がそ
    の好ましい巻付け位置から半径方向に分離しまたは膨ら
    む傾向を減ずる態様で、クランプし、締付けるように作
    動する柔軟なシート媒体を回転支持面に固着する装置。
12. 【請求項１２】 請求項１１に記載する柔軟なシート媒
    体を回転支持面に固着する装置において、上記締付け力
    を加えるための装置は、前記シート媒体と係合する前記
    末梢先端（１０６）を含む撓み部（８４，８６）を有す
    る、遠心力で作動するクランプ（４４，４６）を含み、
    前記撓み部が、前記クランプ機構のピボット軸（９０）
    の方に撓み、それによって前記末梢先端に、前記回転支
    持面の回転速度が増すと前記回転支持面上の前記シート
    媒体を締付けさせる柔軟なシート媒体を回転支持面に固
    着する装置。
13. 【請求項１３】 請求項１２に記載する柔軟なシート媒
    体を回転支持面に固着する装置において、前記撓み部が
    前記クランプ上にピボット軸（９０）を有し、締付け力
    の量が、前記末梢先端と前記撓み部の前記ピボット軸と
    の距離の関数である柔軟なシート媒体を回転支持面に固
    着する装置。
14. 【請求項１４】 請求項１２に記載する柔軟なシート媒
    体を回転支持面に固着する装置において、前記固着力印
    加装置が１対のクランプ機構（４４，４６）を含み、前
    記機構の各々は、前記回転ドラム（１４）に取付けら
    れ、一般的にその軸方向長さに沿って伸び、一つは前記
    シート媒体（１２）の前縁（４８）を解放可能にクラン
    プするようにされ、他はこのシート媒体の後縁（５０）
    と解放可能に接触するようにされた柔軟なシート媒体を
    回転支持面に固着する装置。
15. 【請求項１５】 請求項１４に記載する柔軟なシート媒
    体を回転支持面に固着する装置において、更に、前記前
    および後クランプ機構をそれらの閉またはクランプ位置
    に片寄せるための装置（５２）を含む柔軟なシート媒体
    を回転支持面に固着する装置。
16. 【請求項１６】 柔軟なシート媒体を回転支持面上に固
    着するための装置であって、 上に印刷用にシート媒体（１２）を巻付けるべき、全体
    として円筒形の表面（２０）を有する回転ドラム（１
    ４）、および該回転ドラムに取付け可能であり、該回転
    ドラム上で旋回運動するように作動でき、重心がそのピ
    ボット軸（９０）から横にずれている、遠心力で作動す
    るクランプ装置（４４，４６）を含み、 前記クランプ装置が末梢端部（１０６）を備えたシート
    クランプ部（８４）を有し、前記末梢端部は、前記クラ
    ンプ装置がこの軸周りにクランプ位置へ旋回するとき、
    前記シート媒体を前記回転支持面に直接クランプし、 前記シートクランプ部も柔軟で弾力的な材料で作られ、
    遠心力で作用する力が増す結果、前記シートクランプ部
    が大きな力で前記シート媒体をクランプするときに、柔
    軟でクランプ部が撓んで、前記末梢端部を前記クランプ
    装置のピボット軸の方へ動かして、前記シート媒体に締
    付け力を加え、該シート媒体を前記回転支持面上のその
    意図した固着位置に維持するようにした柔軟なシート媒
    体を回転支持面に固着する装置。
17. 【請求項１７】 請求項１６に記載する柔軟なシート媒
    体を回転支持面に固着する装置において、前記シートク
    ランプ部が前記クランプ装置に対して旋回され、加えら
    れる締付け力の量が、前記末梢端部と前記シートクラン
    プ部のピボット軸との距離の関数である柔軟なシート媒
    体を回転支持面に固着する装置。
18. 【請求項１８】 請求項１７に記載する柔軟なシート媒
    体を回転支持面に固着する装置であって、更に、前記回
    転ドラム上に、通常前記クランプ装置および前記シート
    クランプ部をその閉位置に片寄せるための装置（５２）
    を含む柔軟なシート媒体を回転支持面に固着する装置。