JPH0867076A - ワンタイム型熱転写記録媒体 - Google Patents

ワンタイム型熱転写記録媒体

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JPH0867076A
JPH0867076A JP6205242A JP20524294A JPH0867076A JP H0867076 A JPH0867076 A JP H0867076A JP 6205242 A JP6205242 A JP 6205242A JP 20524294 A JP20524294 A JP 20524294A JP H0867076 A JPH0867076 A JP H0867076A
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JP
Japan
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heat
thermal transfer
recording medium
ink layer
transfer recording
Prior art date
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Application number
JP6205242A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Obata
善幸 小畠
Yoshihide Kaneshiro
宜秀 金城
Tomohiro Shinohara
智裕 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujicopian Co Ltd
Original Assignee
Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd
Fujicopian Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 低印字エネルギーで、ドット再現性よく高解
像度の画像を形成しうるワンタイム型熱転写記録媒体を
提供する。 【構成】 基材1の片面に、熱溶融性インク層2を有
し、該熱溶融性インク層2の表面近傍に多孔質膜3を有
する熱転写記録媒体であって、前記熱溶融性インク層2
の塗布量が1.0g/m2 以上で4.0g/m2 未満で
あり、前記多孔質膜3の表面部分の孔4の平均径r(c
m)が1.0×10-5〜1.0×10-3、前記多孔質膜
3の表面部分の単位面積当りの孔密度ρ(個/cm2
が1.0×106 〜1.0×109 であることを特徴と
するワンタイム型熱転写記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワンタイム型熱転写記録
媒体に関し、さらに詳しくは熱溶融性インク層の表面近
傍に多孔質膜を有するワンタイム型熱転写記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、熱転写記録方式は、メンテナンスフリー、小型軽量
化可能、低価格などの特長を有するために広く普及して
いる。
【0003】このような熱転写記録方式は、サーマルヘ
ッドの発熱素子(ドット)の1つ1つを発熱させ、これ
に対応する熱溶融性インク層を、ドット形状で受像体に
転写させて文字などを形成するものであり、高解像度の
画像をうるには、画像のドット再現性を良好にする必要
がある。ドット再現性をよくする方法として、インク層
のビヒクルに切れのよい(DSC曲線における吸熱ピー
クがシャープである)材料の選択がなされていた。たと
えば、インク層のビヒクルとして、カルナバワックスが
好適に用いられていた。カルナバワックスは、DSC曲
線の吸熱ピークがシャープであるために、ドット再現性
のよい画像を形成するが、融点が83℃と高いために低
エネルギー領域での転写性、いわゆる転写感度が悪化す
ることが欠点であった。そこで、転写感度を上げようと
して、融点の低い材料、たとえば融点が50〜65℃の
範囲にある材料を用いると、ドット再現性が悪くなる。
従来の熱溶融性インク層に用いられているビヒクル材料
で、融点が50〜65℃の範囲にあるものは一般にDS
C吸熱ピークがカルナバワックスよりもブロードであ
り、融点が50〜65℃の範囲のものでカルナバワック
スのようなDSC吸熱ピークがシャープな材料は見出さ
れていないのが現状である。
【0004】従来のワンタイム型熱転写記録媒体におけ
る、基材上に熱溶融性インク層を設けた構造では、熱転
写の際に転写するインクをドット形状に確実に周囲のイ
ンクから切断して受像体に転写するのに、発熱素子から
の熱エネルギーを受けた部分のインクと熱エネルギーを
受けていない周囲のインクとの間におけるインクの状態
の差異を利用していたが、このようなインクの熱的変化
の利用のみによっては低印字エネルギーでドット再現性
のよい熱転写は達成できなかった。
【0005】本発明は前記従来技術の問題点に鑑みて、
熱転写記録媒体の構造の改良により、低印字エネルギー
で、ドット再現性よく、高解像度の画像を形成しうるワ
ンタイム型熱転写記録媒体を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材の片面
に、熱溶融性インク層を有し、該熱溶融性インク層の表
面近傍に多孔質膜を有する熱転写記録媒体であって、前
記熱溶融性インク層の塗布量が1.0g/以上で4.0
g/m2 未満であり、前記多孔質膜の表面部分の孔の平
均径r(cm)が1.0×10-5〜1.0×10-3、前
記多孔質膜の表面部分の単位面積当りの孔密度ρ(個/
cm2 )が1.0×106 〜1.0×109 であること
を特徴とするワンタイム型熱転写記録媒体(第1発明)
に関する。
【0007】本発明はさらに、第1発明において、前記
熱溶融性インク層の溶融開始温度が30〜60℃である
ことを特徴とする請求項1記載のワンタイム型熱転写記
録媒体(第2発明)に関する。
【0008】
【作用および実施例】本発明の熱転写記録媒体を図面に
基づいて説明する。
【0009】図1は本発明の熱転写記録媒体の一実施例
を示す概略部分断面図である。
【0010】図1において、1は基材であり、基材1上
に熱溶融性インク層2が形成され、該インク層2の表面
近傍に多孔質膜3が存在している。多孔質膜3の孔4に
は該インク層2のインクが充填されている。
【0011】本発明においては、従来のワンタイム型熱
転写記録媒体と異なり、熱溶融性インクの熱的変化に加
えて、熱溶融性インク層の表面近傍に存在する前記特定
の孔径、孔密度の多孔質膜により、インクの転写を規制
することによって、溶融温度が低い、たとえば溶融開始
温度が30〜60℃のインクを用いて低印字エネルギー
でドット再現性よく高解像度の画像がえられることが見
出された。すなわち、一般の熱転写プリンターにおける
サーマルヘッドの発熱素子1ドットの大きさは100μ
m前後であるが、前記特定の孔径、孔密度の多孔質膜が
フィルターの役目をはたし、発熱素子で加熱された部位
のインクのみを通過させ、周辺のインクを通過させない
から、溶融開始温度が30〜60℃という高感度のイン
クを用いて、良好なドット再現性がえられる。また最新
の可変ドットサーマルヘッド(VDTH)では最小ドッ
ト径が10〜40μm程度であるが、このばあいにも前
記多孔質膜は充分にフィルターの役目をはたすため、高
精細な画像をうることができる。
【0012】さらに、本発明の熱転写記録媒体において
はインク層表面の多孔質膜の存在より、溶融開始温度が
30℃と低いインクを用いても、熱転写記録媒体をロー
ル状に巻回した状態で保存するばあいに、ブロッキング
が生じず、また熱転写時にリボンカセットの摺動部材に
粘着したり、受像体の擦り汚れが生じない。
【0013】本発明の前記構成の熱転写記録媒体はつぎ
の方法により好適に製造できる。
【0014】まず、図2に示されるごとく、基材1上に
熱溶融性インク層2を設け、該インク層2上に多孔質膜
3を形成して中間製品をうる。ついでこの中間製品を熱
溶融性インク層2の軟化温度以上に加熱して多孔質膜3
を熱溶融性インク層2の表面部に沈み込ませ、多孔質膜
3の孔4に熱溶融性インクを充填せしめて、図1に示さ
れる構成の熱転写記録媒体をうる。
【0015】前記多孔質膜は、その表面部分の孔の平均
径r(cm)が1.0×10-5〜1.0×10-3、その
表面部分の孔密度ρ(個/cm2 )が1.0×106
1.0×109 であるのが好ましい。孔径および孔密度
が前記範囲を外れると、良好なドット再現性がえられな
い。
【0016】前記多孔質膜はつぎの方法で形成するのが
好ましい。すなわち、前記熱溶融性インク層上に、セル
ロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネー
ト、セルロースアセテートブチレート、エチルセルロー
ス、ニトロセルロースおよびエチルヒドロキシエチルセ
ルロースよりなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂
を必須成分とするw/o型エマルジョンを塗布、乾燥し
て多孔質膜を形成する。このように多孔質膜を前記特定
のセルロース系樹脂のw/o型エマルジョンから形成す
ることにより、多孔質膜の孔径および孔密度を設計値ど
おりに制御することができる。
【0017】前記多孔質膜の形成方法について詳細に説
明すると、多孔質膜の形成に使用するw/o型エマルジ
ョンの樹脂成分として、セルロースアセテート、セルロ
ースアセテートプロピオネート、セルロースアセテート
ブチレート、エチルセルロース、ニトロセルロースおよ
びエチルヒドロキシエチルセルロースの1種または2種
以上を使用する。
【0018】このような特定の樹脂を使用することによ
って、該樹脂を溶解させた油相と水相の比率、乳化剤の
種類など乳化条件を適正に選択すれば、所定の粒径の水
相を有する安定したw/o型エマルジョンがえられ、こ
れを熱溶融性インク層上に塗布、乾燥することによっ
て、ほぼ設計どおりの孔径、孔密度を有する多孔質膜が
形成できる。
【0019】前記w/o型エマルジョンは以下のように
して製造する。
【0020】前記特定の樹脂を水と不混和性または難混
和性の有機溶剤に溶解させる。有機溶剤に対する樹脂の
使用量は、樹脂の種類によっても異なるが、w/o型エ
マルジョンを製造する上で適正な溶液粘度をうる観点か
ら、有機溶剤100部(重量部、以下同様)に対して、
樹脂3〜10部の割合が好ましい。樹脂の使用量がこの
範囲より少ないと、安定したエマルジョンがえられない
傾向があり、一方多いとえられたエマルジョンの粘度が
高くなり、塗工適性が低下する。樹脂の溶解速度を大き
くするために、、撹拌機による撹拌下および/または加
熱下に溶解させてもよい。多孔質膜をうるためには有機
溶剤が水より早く揮散する必要があり、この点から沸点
が90℃以下の有機溶剤が好ましい。有機溶剤としては
メチルエチルケトン(沸点79.6℃)がとくに好まし
い。
【0021】水に乳化剤を溶解する。乳化剤は水100
部に対して1〜5部の範囲で使用するのが好ましい。乳
化剤の量がこの範囲を外れると、エマルジョンの安定性
がわるくなり、エマルジョンの破壊が生じる傾向にあ
る。乳化剤の溶解速度を大きくするため、撹拌機による
撹拌下および/または加熱下に溶解させてもよい。乳化
剤はw/o型乳化剤から適宜選択され、たとえばポリグ
リセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
アルキルエーテルなどが使用できる。
【0022】前記乳化剤を溶解した水溶液と樹脂溶液を
混合し、撹拌機で撹拌して乳化を行なう。水溶液と樹脂
溶液の混合比は1:9〜4:6(重量比)の範囲が好ま
しく、このように水溶液の割合を少なくする。撹拌を続
けると、樹脂溶液の中に水の小さな粒子が生じ、乳濁し
てくる。かくして安定なw/o型エマルジョンがえられ
る。エマルジョン中の水粒子の平均粒径は、多孔質膜の
平均孔径をどの程度に設定するかによって異なるが、
0.1〜15μmの範囲とするのが好ましい。
【0023】前記w/o型エマルジョンを熱溶融性イン
ク層上に適宜の塗布機で塗布し、乾燥する。乾燥は熱風
ドライヤーなどで40〜70℃で行なえばよく、容易に
乾燥する。乾燥後は加熱下にエージングする必要はな
い。かくして多孔質膜がえられる。多孔質膜の塗布量
(乾燥後塗布量、以下同様)は0.1〜1.5g/m2
の範囲が好ましい。塗布量が0.1g/m2 より少ない
と、熱溶融性インクの転写量の制御が困難となり、また
転写時に多孔質膜が破壊される惧れがある。一方1.5
g/m2 より多いと、熱溶融性インクの滲み出しが困難
となり、画像濃度が低下する傾向にある。
【0024】ついで前記多孔質膜を熱溶融性インク層の
表層部に沈み込ませ、多孔質膜の孔中に熱溶融性インク
を充填する。それによって所定濃度の印字がえられるよ
うになる。この沈み込みは、熱溶融性インクの軟化温度
以上でかつ多孔質膜を構成する樹脂の軟化温度より低い
温度で加熱処理することによって行なうことができる。
この加熱処理の温度は通常60〜90℃の範囲から選択
される。加熱手段としてはホットロールなどが使用でき
る。かくして目的とする熱転写記録媒体がえられる。
【0025】前記の方法にしたがって、前記のように適
正な材料と材料の配合比および適正な製造条件でえられ
たw/o型エマルジョンは、その中の水の粒子の粒径お
よび密度がほぼ設計どおりの粒子径および密度となり、
かつ保存しても安定である。そしてこの水の粒子は、w
/o型エマルジョンを塗布、乾燥する際に多孔質膜の孔
部分を形成するものであり、w/o型エマルジョン中に
所定の粒径の水粒子が所定密度で存在するため、所定の
孔径および孔密度の多孔質膜がえられる。
【0026】本発明における熱溶融性インク層のインク
は着色剤と熱溶融性ビヒクルとからなり、溶融開始温度
が30〜60℃のものである。
【0027】本発明において、熱溶融性インクの溶融開
始温度は、熱溶融性インクのDSC曲線から求められる
ものであり、熱溶融性インクのDSC曲線を図3に示さ
れるものとすると、吸熱ピーク10の高温側のベースラ
イン11を低温側に延長した直線12と吸熱ピーク10
の低温側の曲線との交点Aの温度をいう。
【0028】インクの溶融開始温度が60℃より高い
と、低エネルギー印字での転写感度がわるくなり、一方
30℃より低いと、ブロッキング、受像体の擦り汚れな
どの不具合が生じる。
【0029】本発明においては、さらにDSC曲線の吸
熱ピークがシャープなインクよりもブロードなインクの
方が、低エネルギー印字条件での転写感度がより高くな
ることが見出された。具体的には、融点と溶融開始温度
との差が20℃より大きいインクが好ましい。溶融開始
温度が30〜60℃で、融点と溶融開始温度との差が2
0℃より大きいインクは、低い温度領域で長い間溶融状
態で存在するから、低エネルギー印字条件下においても
高い転写感度がえられる。
【0030】本発明において、熱溶融性インクの融点
は、熱溶融性インクのDSC曲線から求められるもので
あり、熱溶融性インクのDSC曲線を図3に示されるも
のとすると、吸熱ピーク10の頂点Bの温度をいう。
【0031】さらに熱溶融性インクは溶融粘度が10-1
〜10ポイズ/90℃のものが好ましい。溶融粘度が前
記範囲を外れると良好なドット再現性がえられにくくな
る。
【0032】前記ビヒクルは、ワックスまたはワックス
と熱溶融性樹脂との混合物を主体とするものである。
【0033】前記ワックスとしては、たとえば木ロウ、
蜜ロウ、カルナバワックス、キャンデリラワックス、モ
ンタンワックス、セレシンワックスなどの天然ワック
ス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
スなどの石油系ワックス;酸化ワックス、エステルワッ
クス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュ
ワックス、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合ワッ
クスなどの合成ワックス;ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸;ステア
リルアルコール、ドコサノールなどの高級脂肪族アルコ
ール;高級脂肪酸モノグリセリド、ショ糖の脂肪酸エス
テル、ソルビタンの脂肪酸エステルなどのエステル類;
ステアリン酸アミド、オレイルアミドなどのアミド類お
よびビスアミド類などが単独でまたは混合して使用でき
る。
【0034】前記熱可塑性樹脂としては、インクの受像
紙に対する接着性を良好にする観点から、粘着付与剤樹
脂が好ましく用いられる。
【0035】このような粘着付与剤樹脂としては、たと
えば石油系樹脂(C5 系の脂肪族もしくは脂環族炭化水
素またはそれらの誘導体の重合体、C9 系の芳香族もし
くは脂環族炭化水素またはそれらの誘導体の重合体な
ど)、フェノール系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系
樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、ロジン系樹
脂、ピネン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂など、お
よびこれらの共重合体樹脂などが単独でまたは混合して
使用できる。
【0036】その他に使用可能な熱溶融性樹脂(エラス
トマーを含む)としては、たとえばエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体な
どのオレフィン系共重合樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系
樹脂、ビニルアルコール系樹脂、スチレン系樹脂、酢酸
ビニル系樹脂や、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポリイソブチ
レン、ポリブテンなどの1種または2種以上があげられ
る。
【0037】前記ビヒクル材料を適宜混合して、溶融開
始温度が30〜60℃の範囲、さらに好ましくは融点と
溶融開始温度との差が20℃以上のインクをうる。
【0038】前記着色剤としては、従来からこの種の熱
溶融性インクの着色剤として使用されているものがいず
れも使用でき、カーボンブラックをはじめとして無機、
有機の各種顔料や染料などが適宜使用される。
【0039】熱溶融性インク層における前記各成分の配
合割合を下記に示す。
【0040】 成分 重量% ワックス 20〜90 粘着付与剤樹脂 0〜20 (好ましくは5〜20) その他の熱溶融性樹脂 0〜40 着色剤 5〜40 熱溶融性インク層の塗布量は1g/m2 以上で4.0g
/m2 未満、なかんづく1〜3.5g/m2 の範囲が好
ましい。熱溶融性インクの塗布量が前記範囲未満では印
字濃度が低くなり、一方前記範囲より多いと転写感度が
わるくなる。
【0041】熱溶融性インク層は、前記材料からなるイ
ンクをホットメルトコーティング法あるいは溶剤コーテ
ィング法など適宜の塗布法で塗布し、乾燥することによ
り形成できる。
【0042】本発明においては、基材と熱溶融性インク
層との間に接着層を介在させてもよい。基材と熱溶融性
インク層との間の接着性が劣るばあい、接着層を設ける
ことによって、インク層の脱落などの不具合を防止でき
る。
【0043】前記接着層は、樹脂を主体とするものであ
り、樹脂としてはポリウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリレート共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエ
チレン、ポリエステル樹脂、石油樹脂などの1種または
2種以上があげられる。必要によりワックスを少量配合
してもよい。さらにカーボンブラックなどの粒子を配合
して接着層の表面に凹凸を設け、熱溶融性インク層との
接着性を高めるようにしてもよい。
【0044】前記接着層は前記成分を有機溶剤に溶解、
分散した塗工液を基材上に塗布、乾燥することによって
形成できる。接着層の塗布量は0.3〜1.5g/m2
程度が適当である。
【0045】前記基材としては、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、
ポリアリレートフィルムなどのポリエステルフィルム、
ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、アラ
ミドフィルム、その他この種のインクリボンの基材用フ
ィルムとして一般に使用されている各種のプラスチック
フィルムが使用できる。またコンデンサーペーパーのよ
うな高密度の薄い紙を使用してもよい。基材の厚さは熱
伝導を良好にする点から1〜10μm程度、なかんづく2
〜7μm程度が好ましい。
【0046】基材として前記プラスチックフィルムを使
用するばあい、その背面(サーマルヘッドに摺接する側
の面)にシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ニトロセルロー
ス樹脂、あるいはこれらによって変性された、たとえば
シリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル
樹脂など各種の耐熱性樹脂、あるいはこれら耐熱性樹脂
に滑剤を混合したものなどからなる、従来から知られて
いるスティック防止層を設けてもよい。
【0047】つぎに実施例および比較例をあげて本発明
を説明する。
【0048】実施例1〜3および比較例1〜4 [熱溶融性インク層の形成]表1に示される処方の混合
物を加熱した3本ロールで充分に混練して熱溶融性イン
クを調製した。
【0049】片面に塗布量0.2g/m2 のシリコーン
樹脂系ステイック防止層を設けた厚さ4.5μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムの他面に、このインク
をホットメルトコータで塗布して、熱溶融性インク層を
形成した。熱溶融性インクの溶融開始温度および融点
は、セイコー電子(株)製の示差走査熱量計、SSC/
5200でえられたDSC曲線から求めた。また溶融粘
度は(株)レオロジー製のソリキッドメーター、MR−
300で測定した。結果を表1に示す。
【0050】[多孔質膜の形成]表1に示される処方の
樹脂を溶剤に加え、デイスパーで撹拌して溶解させて、
樹脂溶液を調製した。溶解しにくい樹脂のばあいは50
℃に加熱して溶解させた。この樹脂溶液中に乳化剤水溶
液を加え、前記デイスパーで1時間撹拌してw/o型エ
マルジョンを調製した。
【0051】このw/o型エマルジョン中の水粒子の平
均粒径をレーザー回析式粒度分布測定装置(島津製作所
(株)製SALD−1100)で測定した。結果を表1
に示す。
【0052】前記w/o型エマルジョンを前記熱溶融性
インク層上に塗布し、45℃で乾燥させて、塗布量0.
3g/m2 の多孔質膜を形成した。
【0053】えられた多孔質膜の表面部分を走査型電子
顕微鏡(日本電子(株)製JSM/T−20)を用い、
倍率2000倍で観察して平均孔径を求め、倍率500
倍で観察して孔密度を求めた。結果を表1に示す。
【0054】前記多孔質膜を有する積層物を80℃に加
熱されたホットロール上を基材側がホットロールと接す
るように通した。加熱後の積層物表面を前記走査型電子
顕微鏡で観察したところ、表面には多孔質膜は認められ
ず、熱溶融性インク層の表面近傍に沈み込んでいること
がわかった。
【0055】[評価試験] (1)ドット再現性 前記でえられた各熱転写記録媒体をラインプリンタ(東
京電気(株)製B−30)に装着し、下記印字条件下に
印字を行ない、印字のドット再現性を調べた。 印字条件 サーマルヘッド:ラインヘッドタイプ ヘッド圧 :1000g/インチ 印字エネルギー:14.0mJ/mm2 、25.8mJ/mm2 印字速度 :4インチ/秒 受像紙 :バーコードラベル紙(ベック平滑度450秒) ドット再現性は、受像紙上にえられた印字のドットを金
属顕微鏡(日本光学(株)製XF(U)NR)にて観察
し、発熱素子の1ドットの面積に対する印字の1ドット
の面積比を求め、つぎの基準で評価した。結果を表1に
示す。 ○・・・面積比0.95〜1.05 △・・・面積比0.90以上、0.95未満 ×・・・面積比0.90未満 評価値○におけるドット再現性はすぐれているが、評価
値△でも実用範囲である。
【0056】(2)耐ブロックキング性 各熱転写記録媒体を、幅18mmのリボンにスリット
し、これをパンケーキ状に巻回してロール状にしたもの
を、温度50℃、湿度85%RHの条件下で96時間保
存したのち、つぎのようにして耐ブロッキング性を評価
した。
【0057】保存後のロール状リボンの一端を持ちロー
ルを自重落下させ、ロールが床に着いた後に、リボンの
一端を引張ってリボンをほどき、リボン全長がほどける
か否かを調べた。
【0058】○・・・リボン全長がほどける。 ×・・・途中でとまってすべてはほどけない。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本発明の熱転写記録媒体によれば、低エ
ネルギー印字条件下でドット再現性よく高解像度の画像
がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写記録媒体の一実施例を示す概略
断面図である。
【図2】本発明の熱転写記録媒体の中間製品を示す概略
断面図である。
【図3】熱溶融性インクのDSC曲線を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 基材 2 熱溶融性インク層 3 多孔質膜 4 孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の片面に、熱溶融性インク層を有
    し、該熱溶融性インク層の表面近傍に多孔質膜を有する
    熱転写記録媒体であって、前記熱溶融性インク層の塗布
    量が1.0g/m2 以上で4.0g/m2 未満であり、
    前記多孔質膜の表面部分の孔の平均径r(cm)が1.
    0×10-5〜1.0×10-3、前記多孔質膜の表面部分
    の単位面積当りの孔密度ρ(個/cm2 )が1.0×1
    6 〜1.0×109 であることを特徴とするワンタイ
    ム型熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記熱溶融性インク層の溶融開始温度が
    30〜60℃であることを特徴とする請求項1記載のワ
    ンタイム型熱転写記録媒体。
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