JPH0866611A - 一酸化窒素及び二酸化窒素の除去方法 - Google Patents
一酸化窒素及び二酸化窒素の除去方法Info
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- JPH0866611A JPH0866611A JP6205052A JP20505294A JPH0866611A JP H0866611 A JPH0866611 A JP H0866611A JP 6205052 A JP6205052 A JP 6205052A JP 20505294 A JP20505294 A JP 20505294A JP H0866611 A JPH0866611 A JP H0866611A
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- carbonaceous adsorbent
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 NO及びNO2 を含む被処理ガスを、直接又は炭
素質吸着剤を含む充填層に通じた後、遷移金属酸化物を
含む充填層に通じ、次に炭素質吸着剤を含む充填層に通
じることを特徴とするNO及びNO2 の除去方法。 【効果】 従来の炭素質吸着剤単独充填方式に比較し、
炭素質吸着剤の経時的性能低下率が小さく、その取替え
頻度を減少して寿命を向上し得、或いは、炭素質吸着剤
の所要充填量を軽減し得、引いては経済性を高めること
ができ、しかもNO及びNO2 の除去性能を高めることがで
きる。
素質吸着剤を含む充填層に通じた後、遷移金属酸化物を
含む充填層に通じ、次に炭素質吸着剤を含む充填層に通
じることを特徴とするNO及びNO2 の除去方法。 【効果】 従来の炭素質吸着剤単独充填方式に比較し、
炭素質吸着剤の経時的性能低下率が小さく、その取替え
頻度を減少して寿命を向上し得、或いは、炭素質吸着剤
の所要充填量を軽減し得、引いては経済性を高めること
ができ、しかもNO及びNO2 の除去性能を高めることがで
きる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一酸化窒素及び二酸化
窒素の除去方法に関し、詳細には、一酸化窒素及び二酸
化窒素濃度の比較的低い被処理ガスから一酸化窒素及び
二酸化窒素を除去する方法に関し、特には、自動車トン
ネルや閉鎖型自動車駐車場(地下駐車場等)等からの換
気ガス中、或いは大気汚染の著しい地域における居住空
間や医療施設等の空気中に含まれる比較的低濃度(一般
的には数ppm 以下)の一酸化窒素(以下 NO)と二酸化窒
素(以下 NO2)を除去する方法に関するものである。
窒素の除去方法に関し、詳細には、一酸化窒素及び二酸
化窒素濃度の比較的低い被処理ガスから一酸化窒素及び
二酸化窒素を除去する方法に関し、特には、自動車トン
ネルや閉鎖型自動車駐車場(地下駐車場等)等からの換
気ガス中、或いは大気汚染の著しい地域における居住空
間や医療施設等の空気中に含まれる比較的低濃度(一般
的には数ppm 以下)の一酸化窒素(以下 NO)と二酸化窒
素(以下 NO2)を除去する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】酸化チタンに担持された酸化バナジウム
等を活性種とする触媒上でアンモニアを還元剤として窒
素酸化物(以下, NOX [ NO及びNO2 の総称として用い
る] )を窒素に変換する選択的触媒還元法が、固定発生
源からのNOX 削減技術として普及し、高温かつ高濃度の
対象には効果をあげている。
等を活性種とする触媒上でアンモニアを還元剤として窒
素酸化物(以下, NOX [ NO及びNO2 の総称として用い
る] )を窒素に変換する選択的触媒還元法が、固定発生
源からのNOX 削減技術として普及し、高温かつ高濃度の
対象には効果をあげている。
【0003】一方、大都市圏では自動車がNOX の主な発
生源であり、その中で、それ自体有害であり、光化学ス
モッグの原因にもなるため環境基準値が設定されている
NO2濃度が、該基準値近辺に達している地域も多い。か
かる地域に自動車トンネルや地下駐車場等を新設する場
合には、その換気設備からのNOX 、特に NO2の放出量を
できるだけ削減することが望まれる。しかし、上記換気
設備からのNOX 濃度は一般には1〜数ppm 程度(そのう
ちの約10%が NO2、残りは NO)と低く、低温でもあるの
で、前述の選択的触媒還元法を直接適用することは不可
能である(即ち、反応効率が悪いこと等により有効でな
く、好適に適用できない)。そのため、かかるガスに対
しては、以下のような、NOX を吸着・濃縮する技術の開
発が行われてきた。
生源であり、その中で、それ自体有害であり、光化学ス
モッグの原因にもなるため環境基準値が設定されている
NO2濃度が、該基準値近辺に達している地域も多い。か
かる地域に自動車トンネルや地下駐車場等を新設する場
合には、その換気設備からのNOX 、特に NO2の放出量を
できるだけ削減することが望まれる。しかし、上記換気
設備からのNOX 濃度は一般には1〜数ppm 程度(そのう
ちの約10%が NO2、残りは NO)と低く、低温でもあるの
で、前述の選択的触媒還元法を直接適用することは不可
能である(即ち、反応効率が悪いこと等により有効でな
く、好適に適用できない)。そのため、かかるガスに対
しては、以下のような、NOX を吸着・濃縮する技術の開
発が行われてきた。
【0004】 被処理ガスにオゾンを添加し、NOX の
全量をNO2 にして(NOX 中のNOの全量をNO2 に酸化し
て)から金属酸化物吸着剤又は複合金属酸化物吸着剤を
用いてNO2 を除去する方式が提案されている(特開平3-
275126号、特開平4-176335号公報)。その際に、余剰オ
ゾンの分解活性を NO2吸着剤に持たせる方式も提案され
ている(特開平6-275126号公報)。 NOをそのまま吸着させるために、ゼオライトを用い
る方式(特開平1-155934号公報)、酸化チタンにルテニ
ウムを担持させた吸着剤を用いる方式(特開平5-123568
号公報)が提案されている。 本発明者らにより、表面酸化を抑制した炭素質吸着
剤、その中でも特に、特定の直径の細孔の発達した炭素
質吸着剤が高いNO吸着力を有することが見出されている
(特開平5-76753 号公報、特願平4-329652号)。
全量をNO2 にして(NOX 中のNOの全量をNO2 に酸化し
て)から金属酸化物吸着剤又は複合金属酸化物吸着剤を
用いてNO2 を除去する方式が提案されている(特開平3-
275126号、特開平4-176335号公報)。その際に、余剰オ
ゾンの分解活性を NO2吸着剤に持たせる方式も提案され
ている(特開平6-275126号公報)。 NOをそのまま吸着させるために、ゼオライトを用い
る方式(特開平1-155934号公報)、酸化チタンにルテニ
ウムを担持させた吸着剤を用いる方式(特開平5-123568
号公報)が提案されている。 本発明者らにより、表面酸化を抑制した炭素質吸着
剤、その中でも特に、特定の直径の細孔の発達した炭素
質吸着剤が高いNO吸着力を有することが見出されている
(特開平5-76753 号公報、特願平4-329652号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来ののオゾン
添加方式においては、NOX 濃度の変動が大きな対象(被
処理ガス)に対してはオゾンの添加率の安定な制御が困
難であるという問題点がある。即ち、オゾン添加量不足
を防ぐために安全をみてオゾンを過剰に添加すると、NO
X 中のNOの全量がNO2 に酸化されるが、NO2 除去率を高
く維持し続けないと規制対象であるNO2 の濃度がかえっ
て高まることもある。又、オゾン自体が有害なオキシダ
ントであると同時に、被処理ガス中の酸化され易い成分
が酸化され、活性の高いオキシダント類を副生する恐れ
がある。このとき、これらオキシダント類は適当な吸着
剤や分解剤で除去できるとしても、実装置においてはオ
ゾン注入部から該吸着剤(又は分解剤)の充填部に至る
途中のダンパー等からの若干のリークは定常的にも避け
られず、又、その際にはNO2 も同時にリークするという
不具合がある。例えば、被処理ガス中NOX 濃度:3ppm
(自動車トンネル換気ガスではNO2 は0.3ppm程度、残り
はNO )のとき、このNOの全量をNO2 に酸化する場合、処
理後の出口NO2 濃度を環境基準値並みの0.06ppm 以下に
抑制するには、リーク分を含めて98%以上の除去率を維
持する必要があり、リーク率が2%以上あれば、吸着剤
等による除去率が 100%であっても上記処理後出口NO2
濃度:0.06ppm以下を達成できず、又、その比率でオキシ
ダント類もリークするという不具合がある。以上の不具
合や危険性を回避するためにオゾンの添加を抑えると、
未酸化NO濃度が増し、全体としてのNOX 除去率が低下す
るという不具合がある。
添加方式においては、NOX 濃度の変動が大きな対象(被
処理ガス)に対してはオゾンの添加率の安定な制御が困
難であるという問題点がある。即ち、オゾン添加量不足
を防ぐために安全をみてオゾンを過剰に添加すると、NO
X 中のNOの全量がNO2 に酸化されるが、NO2 除去率を高
く維持し続けないと規制対象であるNO2 の濃度がかえっ
て高まることもある。又、オゾン自体が有害なオキシダ
ントであると同時に、被処理ガス中の酸化され易い成分
が酸化され、活性の高いオキシダント類を副生する恐れ
がある。このとき、これらオキシダント類は適当な吸着
剤や分解剤で除去できるとしても、実装置においてはオ
ゾン注入部から該吸着剤(又は分解剤)の充填部に至る
途中のダンパー等からの若干のリークは定常的にも避け
られず、又、その際にはNO2 も同時にリークするという
不具合がある。例えば、被処理ガス中NOX 濃度:3ppm
(自動車トンネル換気ガスではNO2 は0.3ppm程度、残り
はNO )のとき、このNOの全量をNO2 に酸化する場合、処
理後の出口NO2 濃度を環境基準値並みの0.06ppm 以下に
抑制するには、リーク分を含めて98%以上の除去率を維
持する必要があり、リーク率が2%以上あれば、吸着剤
等による除去率が 100%であっても上記処理後出口NO2
濃度:0.06ppm以下を達成できず、又、その比率でオキシ
ダント類もリークするという不具合がある。以上の不具
合や危険性を回避するためにオゾンの添加を抑えると、
未酸化NO濃度が増し、全体としてのNOX 除去率が低下す
るという不具合がある。
【0006】の方式の中、ゼオライトを用いる方式で
は、予め被処理ガスを脱湿しなければ高いNO吸着性能が
えられず経済性に欠ける。特開平5-123568号記載の方式
ではNO2 の除去性能については述べられておらず、不明
である。
は、予め被処理ガスを脱湿しなければ高いNO吸着性能が
えられず経済性に欠ける。特開平5-123568号記載の方式
ではNO2 の除去性能については述べられておらず、不明
である。
【0007】に係る炭素質吸着剤を用いる方式におい
ては、該炭素質吸着剤はNOの酸化活性を高めて高吸着性
のNO2 を生成させる点に特徴があり、気相全体を酸化さ
せる方式ではないのでNO2 以外のオキシダント類を生成
することはなく、又、該炭素質吸着剤はNO2 を極めて強
く吸着するので、NO2 は実質的に完全に除去される。し
かしながら、該炭素質吸着剤は高コストであるので、除
去性能を損なわずに充填量を減らすか、寿命を長くする
ことが望まれる。
ては、該炭素質吸着剤はNOの酸化活性を高めて高吸着性
のNO2 を生成させる点に特徴があり、気相全体を酸化さ
せる方式ではないのでNO2 以外のオキシダント類を生成
することはなく、又、該炭素質吸着剤はNO2 を極めて強
く吸着するので、NO2 は実質的に完全に除去される。し
かしながら、該炭素質吸着剤は高コストであるので、除
去性能を損なわずに充填量を減らすか、寿命を長くする
ことが望まれる。
【0008】本発明はこの様な事情に着目してなされた
ものであって、その目的は、前記従来方式〜の有す
る問題点を解消し、特に前記の炭素質吸着剤を用いる
方式をベースとし、それが有する課題を解決し、該方式
の場合よりも、高コストの炭素質吸着剤の経時的な性
能低下を抑制し、その取替え頻度を減少し得、或いは、
高コストの炭素質吸着剤の所要充填量を軽減し得、引い
ては経済性を高めることができ、しかもNO及びNO2 の除
去性能が該方式の場合と同等もしくはそれ以上に優れ
たNO及びNO2 の除去方法を提供しようとするものであ
る。
ものであって、その目的は、前記従来方式〜の有す
る問題点を解消し、特に前記の炭素質吸着剤を用いる
方式をベースとし、それが有する課題を解決し、該方式
の場合よりも、高コストの炭素質吸着剤の経時的な性
能低下を抑制し、その取替え頻度を減少し得、或いは、
高コストの炭素質吸着剤の所要充填量を軽減し得、引い
ては経済性を高めることができ、しかもNO及びNO2 の除
去性能が該方式の場合と同等もしくはそれ以上に優れ
たNO及びNO2 の除去方法を提供しようとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るNO及びNO2 の除去方法は次のような
構成としている。即ち、請求項1記載のNO及びNO2 の除
去方法は、一酸化窒素及び二酸化窒素をともに含む被処
理ガスを遷移金属酸化物を含む充填層に通じ、次に炭素
質吸着剤を含む充填層に通じることを特徴とする一酸化
窒素及び二酸化窒素の除去方法である。
めに、本発明に係るNO及びNO2 の除去方法は次のような
構成としている。即ち、請求項1記載のNO及びNO2 の除
去方法は、一酸化窒素及び二酸化窒素をともに含む被処
理ガスを遷移金属酸化物を含む充填層に通じ、次に炭素
質吸着剤を含む充填層に通じることを特徴とする一酸化
窒素及び二酸化窒素の除去方法である。
【0010】請求項2記載のNO及びNO2 の除去方法は、
一酸化窒素及び二酸化窒素をともに含む被処理ガスを炭
素質吸着剤を含む充填層に通じ、次いで遷移金属酸化物
を含む充填層に通じ、さらに炭素質吸着剤を含む充填層
に通じることを特徴とする一酸化窒素及び二酸化窒素の
除去方法である。
一酸化窒素及び二酸化窒素をともに含む被処理ガスを炭
素質吸着剤を含む充填層に通じ、次いで遷移金属酸化物
を含む充填層に通じ、さらに炭素質吸着剤を含む充填層
に通じることを特徴とする一酸化窒素及び二酸化窒素の
除去方法である。
【0011】請求項3記載のNO及びNO2 の除去方法は、
炭素源からの炭素質吸着剤の製造の際に表面酸化防止処
理を行った炭素質吸着剤が、少なくとも最下流側の炭素
質吸着剤充填層に含まれている請求項1又は2記載の一
酸化窒素及び二酸化窒素の除去方法である。請求項4記
載のNO及びNO2 の除去方法は、前記炭素質吸着剤の表面
酸化防止処理後での直径4Å以上10Å以下の細孔容積が
0.03cm3/g以上である請求項3記載の一酸化窒素及び二
酸化窒素の除去方法である。
炭素源からの炭素質吸着剤の製造の際に表面酸化防止処
理を行った炭素質吸着剤が、少なくとも最下流側の炭素
質吸着剤充填層に含まれている請求項1又は2記載の一
酸化窒素及び二酸化窒素の除去方法である。請求項4記
載のNO及びNO2 の除去方法は、前記炭素質吸着剤の表面
酸化防止処理後での直径4Å以上10Å以下の細孔容積が
0.03cm3/g以上である請求項3記載の一酸化窒素及び二
酸化窒素の除去方法である。
【0012】請求項5記載のNO及びNO2 の除去方法は、
前記遷移金属酸化物としてマンガンの酸化物、銅の酸化
物の少なくとも一種が含まれている請求項1、2、3又
は4記載の一酸化窒素及び二酸化窒素の除去方法であ
る。
前記遷移金属酸化物としてマンガンの酸化物、銅の酸化
物の少なくとも一種が含まれている請求項1、2、3又
は4記載の一酸化窒素及び二酸化窒素の除去方法であ
る。
【0013】
【作用】遷移金属酸化物、特に鉄(3価)或いはマンガ
ン(3価,4価)の酸化物は、NOの吸着能及び/又は酸
化能を有することが知られている。このような酸化物と
しては、例えば、含水酸化鉄類(尾関寿美男ら,日本化
学会誌,1986,1710)、二酸化マンガンやマンガンの複
合酸化鉄類(特開平5-154339号、特開平5-253474号公
報)がある。
ン(3価,4価)の酸化物は、NOの吸着能及び/又は酸
化能を有することが知られている。このような酸化物と
しては、例えば、含水酸化鉄類(尾関寿美男ら,日本化
学会誌,1986,1710)、二酸化マンガンやマンガンの複
合酸化鉄類(特開平5-154339号、特開平5-253474号公
報)がある。
【0014】本発明は、主にかかる遷移金属酸化物及び
炭素質吸着剤に着目し、遷移金属酸化物のNOの吸着能及
び酸化能、炭素質吸着剤のNOやNO2 の吸着能を克明に調
べ、又、遷移金属酸化物と炭素質吸着剤とを組合せたと
きのNO及びNO2 の除去性能や吸着剤寿命等の各種性能に
ついて研究し、その結果、遷移金属酸化物と炭素質吸着
剤とを組合せると両者の欠点が補完され、NO及びNO2 の
除去性能が高められると共に炭素質吸着剤の寿命を向上
し得るようになるという知見等を得、これら知見に基づ
き完成されたものである。
炭素質吸着剤に着目し、遷移金属酸化物のNOの吸着能及
び酸化能、炭素質吸着剤のNOやNO2 の吸着能を克明に調
べ、又、遷移金属酸化物と炭素質吸着剤とを組合せたと
きのNO及びNO2 の除去性能や吸着剤寿命等の各種性能に
ついて研究し、その結果、遷移金属酸化物と炭素質吸着
剤とを組合せると両者の欠点が補完され、NO及びNO2 の
除去性能が高められると共に炭素質吸着剤の寿命を向上
し得るようになるという知見等を得、これら知見に基づ
き完成されたものである。
【0015】即ち、遷移金属酸化物のNOの吸着能及び酸
化能、炭素質吸着剤のNOやNO2 の吸着能を克明に調べた
ところ、遷移金属酸化物は、概して乾燥下(低湿度下)
ではNO吸着能が比較的強く、湿度が高くなるとNO2 への
酸化能が増し、これら吸着能と酸化能とを合わせた性能
は湿度が高くなるほど低下した。又、遷移金属酸化物の
NO2 吸着能は、炭素質吸着剤に比べると低かった。これ
に対して、炭素質吸着剤は、一般にはNO吸着能は低い
が、NO2 吸着能は高く、表面酸化防止処理或いは更に特
定の範囲の径を有する細孔容積を制御することによって
NO吸着性能を高めることもできた。
化能、炭素質吸着剤のNOやNO2 の吸着能を克明に調べた
ところ、遷移金属酸化物は、概して乾燥下(低湿度下)
ではNO吸着能が比較的強く、湿度が高くなるとNO2 への
酸化能が増し、これら吸着能と酸化能とを合わせた性能
は湿度が高くなるほど低下した。又、遷移金属酸化物の
NO2 吸着能は、炭素質吸着剤に比べると低かった。これ
に対して、炭素質吸着剤は、一般にはNO吸着能は低い
が、NO2 吸着能は高く、表面酸化防止処理或いは更に特
定の範囲の径を有する細孔容積を制御することによって
NO吸着性能を高めることもできた。
【0016】従って、遷移金属酸化物充填層単独の場合
にはNOの一部がNO2 に酸化されるため、NO2 吸着能が低
いことも相まって、NO2 濃度は処理前よりも増加するこ
ともあるが、炭素質吸着剤充填層を後流に設けると、NO
2 をほぼ完全に除去することができることになる。又、
遷移金属酸化物もNOの一部を吸着除去するため、炭素質
吸着剤の負荷を下げ、その炭素質吸着剤の寿命を延ばす
か、或いは必要充填量を下げる効果もあることになる。
即ち、かかる遷移金属酸化物と炭素質吸着剤との二層充
填によって、両者の欠点が互いに補完され、両者の相乗
効果により、NO及びNO2 の除去性能が高められると共に
炭素質吸着剤の寿命を向上し得る(吸着剤の経時的な性
能低下を抑制し、その取替え頻度を減少し得る)ことに
なる。そこで、遷移金属酸化物と炭素質吸着剤とを組合
せて研究実験したところ、以上のことが確認された。
にはNOの一部がNO2 に酸化されるため、NO2 吸着能が低
いことも相まって、NO2 濃度は処理前よりも増加するこ
ともあるが、炭素質吸着剤充填層を後流に設けると、NO
2 をほぼ完全に除去することができることになる。又、
遷移金属酸化物もNOの一部を吸着除去するため、炭素質
吸着剤の負荷を下げ、その炭素質吸着剤の寿命を延ばす
か、或いは必要充填量を下げる効果もあることになる。
即ち、かかる遷移金属酸化物と炭素質吸着剤との二層充
填によって、両者の欠点が互いに補完され、両者の相乗
効果により、NO及びNO2 の除去性能が高められると共に
炭素質吸着剤の寿命を向上し得る(吸着剤の経時的な性
能低下を抑制し、その取替え頻度を減少し得る)ことに
なる。そこで、遷移金属酸化物と炭素質吸着剤とを組合
せて研究実験したところ、以上のことが確認された。
【0017】本発明に係るNO及びNO2 の除去方法は、以
上の如き知見に基づき完成されたものであり、一酸化窒
素:NO及び二酸化窒素:NO2 をともに含む被処理ガスを
遷移金属酸化物を含む充填層(以降、遷移金属酸化物充
填層B)に通じ、次に炭素質吸着剤を含む充填層(以
降、炭素質吸着剤充填層C)に通じるようにしている。
従って、前記の炭素質吸着剤を用いる方式に比較し、
充填層Cでの高コストの炭素質吸着剤の経時的な性能低
下を抑制し、その取替え頻度を減少し得(寿命を向上し
得)、或いは、高コストの炭素質吸着剤の所要充填量を
軽減し得、引いては経済性を高めることができ、しかも
NO及びNO2 の除去性能を高めることができる。又、本発
明法は、オゾンを添加するものではなく、脱湿を要する
ものでもないから、前記従来方式及びの如き問題点
はなく、解消される。
上の如き知見に基づき完成されたものであり、一酸化窒
素:NO及び二酸化窒素:NO2 をともに含む被処理ガスを
遷移金属酸化物を含む充填層(以降、遷移金属酸化物充
填層B)に通じ、次に炭素質吸着剤を含む充填層(以
降、炭素質吸着剤充填層C)に通じるようにしている。
従って、前記の炭素質吸着剤を用いる方式に比較し、
充填層Cでの高コストの炭素質吸着剤の経時的な性能低
下を抑制し、その取替え頻度を減少し得(寿命を向上し
得)、或いは、高コストの炭素質吸着剤の所要充填量を
軽減し得、引いては経済性を高めることができ、しかも
NO及びNO2 の除去性能を高めることができる。又、本発
明法は、オゾンを添加するものではなく、脱湿を要する
ものでもないから、前記従来方式及びの如き問題点
はなく、解消される。
【0018】ここで、炭素質吸着剤とは一般に活性炭を
指すが、炭化のみに止め賦活を行わないもの(活性コー
クス等)や、他材料と活性炭との複合材料、或いは活性
炭が他材料上に担持されたものであってもよい。
指すが、炭化のみに止め賦活を行わないもの(活性コー
クス等)や、他材料と活性炭との複合材料、或いは活性
炭が他材料上に担持されたものであってもよい。
【0019】前記遷移金属酸化物充填層Bの前にも炭素
質吸着剤充填層(以降、炭素質吸着剤充填層A)を設け
ると、より効果的である。即ち、NO及びNO2 をともに含
む被処理ガスを炭素質吸着剤充填層Aに通じ、次いで遷
移金属酸化物充填層Bに通じ、さらに炭素質吸着剤充填
層Cに通じるようにすると、次の如き作用効果があり更
によい(請求項2記載のNO及びNO2 の除去方法)。炭素
質吸着剤充填層Aは、被処理ガスに微量含まれる硫黄酸
化物の被毒物質を吸着することによって遷移金属酸化物
充填層Bの劣化を防止する作用効果がある。又、炭素質
吸着剤は、一般に相対湿度が40%を上回るころから吸湿
能が増し、その際に発生する吸着熱も寄与して、遷移金
属酸化物充填層Bを比較的低い相対湿度に維持するた
め、そのNO吸着能を比較的高く保つことができ、更に、
炭素質吸着剤充填層Aは被処理ガス中のNOの一部とNO2
とを除去する作用効果もある。
質吸着剤充填層(以降、炭素質吸着剤充填層A)を設け
ると、より効果的である。即ち、NO及びNO2 をともに含
む被処理ガスを炭素質吸着剤充填層Aに通じ、次いで遷
移金属酸化物充填層Bに通じ、さらに炭素質吸着剤充填
層Cに通じるようにすると、次の如き作用効果があり更
によい(請求項2記載のNO及びNO2 の除去方法)。炭素
質吸着剤充填層Aは、被処理ガスに微量含まれる硫黄酸
化物の被毒物質を吸着することによって遷移金属酸化物
充填層Bの劣化を防止する作用効果がある。又、炭素質
吸着剤は、一般に相対湿度が40%を上回るころから吸湿
能が増し、その際に発生する吸着熱も寄与して、遷移金
属酸化物充填層Bを比較的低い相対湿度に維持するた
め、そのNO吸着能を比較的高く保つことができ、更に、
炭素質吸着剤充填層Aは被処理ガス中のNOの一部とNO2
とを除去する作用効果もある。
【0020】ここで、充填層Aの炭素質吸着剤に代えて
ゼオライトや活性アルミナ等の親水性吸着剤を用いる
と、遷移金属酸化物の活性があまり大きな影響を受けな
い低湿度域での除湿性能も過剰に高いため短時間で飽和
吸湿状態となり、その再生費用が大きくなり経済的では
ない。これに対し、炭素質吸着剤は低湿度域では殆ど除
湿しない他、高湿度域で吸着した水も、親水性吸着剤に
比べて容易に脱着する。
ゼオライトや活性アルミナ等の親水性吸着剤を用いる
と、遷移金属酸化物の活性があまり大きな影響を受けな
い低湿度域での除湿性能も過剰に高いため短時間で飽和
吸湿状態となり、その再生費用が大きくなり経済的では
ない。これに対し、炭素質吸着剤は低湿度域では殆ど除
湿しない他、高湿度域で吸着した水も、親水性吸着剤に
比べて容易に脱着する。
【0021】前記炭素質吸着剤充填層C(即ち、最下流
側の充填層)においてNO吸着力を増した炭素質吸着剤を
用いることによって、全体としてのNOX 吸着能が高ま
る。かかる炭素質吸着剤は、炭素源を熱処理して製品化
する際に表面酸化防止処理を行うことによって得ること
ができる(請求項3記載のNO及びNO2 の除去方法)。こ
こで、表面酸化防止処理は、具体的には、炭化や賦活工
程からの冷却時において不活性ガス雰囲気に保持した
り、常温付近まで急冷したり、密封容器へ封入して冷却
する処理等である。このとき、特に、表面酸化防止処理
後での直径4Å以上10Å以下の細孔容積が0.03cm3/g 以
上になるようにし、それを用いるようにすると、一層NO
吸着性能を高めることができる(請求項4記載のNO及び
NO2 の除去方法)。尚、かかる炭素質吸着剤は、通常の
活性炭に比べて高コストであるため、その使用量を減ら
すためにも吸着負荷を下げることが好ましく、遷移金属
酸化物充填層Bの下流側の充填層Cにのみ充填しても実
質的効果は殆ど変わらない。又、充填層Bの遷移金属酸
化物によって生成したNO2(及び被処理ガスに最初から含
まれていたNO2)は、他の吸着剤(より安価な炭素質吸着
剤等)に処理させてもよく、これを上記のNO吸着力を増
した炭素質吸着剤と混合充填しても、二層に分けて充填
してもよい。
側の充填層)においてNO吸着力を増した炭素質吸着剤を
用いることによって、全体としてのNOX 吸着能が高ま
る。かかる炭素質吸着剤は、炭素源を熱処理して製品化
する際に表面酸化防止処理を行うことによって得ること
ができる(請求項3記載のNO及びNO2 の除去方法)。こ
こで、表面酸化防止処理は、具体的には、炭化や賦活工
程からの冷却時において不活性ガス雰囲気に保持した
り、常温付近まで急冷したり、密封容器へ封入して冷却
する処理等である。このとき、特に、表面酸化防止処理
後での直径4Å以上10Å以下の細孔容積が0.03cm3/g 以
上になるようにし、それを用いるようにすると、一層NO
吸着性能を高めることができる(請求項4記載のNO及び
NO2 の除去方法)。尚、かかる炭素質吸着剤は、通常の
活性炭に比べて高コストであるため、その使用量を減ら
すためにも吸着負荷を下げることが好ましく、遷移金属
酸化物充填層Bの下流側の充填層Cにのみ充填しても実
質的効果は殆ど変わらない。又、充填層Bの遷移金属酸
化物によって生成したNO2(及び被処理ガスに最初から含
まれていたNO2)は、他の吸着剤(より安価な炭素質吸着
剤等)に処理させてもよく、これを上記のNO吸着力を増
した炭素質吸着剤と混合充填しても、二層に分けて充填
してもよい。
【0022】前記充填層Bの遷移金属酸化物としては、
遷移金属の酸化物であればよく、その種類は特に制限さ
れることはないが、マンガンの酸化物、銅の酸化物、或
いはそれらの複合酸化物は、低温酸化触媒としての活性
が高く、NOの吸着能及びNO2への酸化能も有するため、
これら酸化物の少なくとも一種が含まれていることが望
ましい(請求項5記載のNO及びNO2 の除去方法)。
遷移金属の酸化物であればよく、その種類は特に制限さ
れることはないが、マンガンの酸化物、銅の酸化物、或
いはそれらの複合酸化物は、低温酸化触媒としての活性
が高く、NOの吸着能及びNO2への酸化能も有するため、
これら酸化物の少なくとも一種が含まれていることが望
ましい(請求項5記載のNO及びNO2 の除去方法)。
【0023】本発明において、NO及びNO2 を吸着した炭
素質吸着剤及び遷移金属酸化物は、出口濃度(最下流側
充填層の出口でのNO及びNO2 濃度)が許容値に達する前
に吸着操作を停止し、再生ガス(一般には大気)を供給
しつつ加熱してNO及びNO2 を脱着させることによって再
生することができる。このとき、システム全体として停
止することなく連続的な吸着操作を行わせるには、前記
遷移金属酸化物充填層と炭素質吸着剤充填層とを組合せ
た充填層群を、並列に複数設ければよい。これらは、ガ
ス吸着用に通常行われている方法をそのまま適用でき
る。
素質吸着剤及び遷移金属酸化物は、出口濃度(最下流側
充填層の出口でのNO及びNO2 濃度)が許容値に達する前
に吸着操作を停止し、再生ガス(一般には大気)を供給
しつつ加熱してNO及びNO2 を脱着させることによって再
生することができる。このとき、システム全体として停
止することなく連続的な吸着操作を行わせるには、前記
遷移金属酸化物充填層と炭素質吸着剤充填層とを組合せ
た充填層群を、並列に複数設ければよい。これらは、ガ
ス吸着用に通常行われている方法をそのまま適用でき
る。
【0024】
【実施例】以下に、例を挙げて本発明の構成及び作用効
果を一層明確にする。遷移金属酸化物及び2種類の炭素
質吸着剤を単独で、あるいは適宜多層充填して、低濃度
NOX を含む空気を処理した。その条件は次の通りであ
る。
果を一層明確にする。遷移金属酸化物及び2種類の炭素
質吸着剤を単独で、あるいは適宜多層充填して、低濃度
NOX を含む空気を処理した。その条件は次の通りであ
る。
【0025】 吸着剤としては下記3種類のものを使
用した。 吸着剤a(炭素質吸着剤):武田薬品工業社製粒状椰子
殻活性炭(4〜10Å径の細孔容積:0.012cm3/g)であっ
て水蒸気賦活品 吸着剤b(炭素質吸着剤):武田薬品工業社製粒状椰子
殻活性炭(4〜10Å径の細孔容積:0.032cm3/g)であっ
て水蒸気賦活終了後の冷却を窒素気流中で実施(表面酸
化防止処理)したもの 吸着剤c(遷移金属酸化物):日産ガードラー社製の銅
/マンガン複合酸化物(粒状) 上記吸着剤を内寸 3.2cmの吸着管内に充填し下記8
種類の充填層(本発明の実施例に係るもの:5種類、比
較例に係るもの:3種類)を形成した。このとき、各吸
着管での吸着剤充填高さの合計Hは、下記8種類のいづ
れの場合も 150mm(共通)にした。尚、下記において、
複数の充填層を有する場合、左側のものが上流側の充填
層で、右側に向けて下流側の充填層となり、各吸着管で
の吸着剤充填高さの比HRは上流側から下流側に向けて
のものである。 〔充填層構成〕 〔HR〕 実施例I : 吸着剤c/吸着剤a 3/7 実施例II :吸着剤a/吸着剤c/吸着剤a 3/3/4 実施例III : 吸着剤c/吸着剤b 3/7 実施例IV :吸着剤a/吸着剤c/吸着剤b 3/3/4 実施例V :吸着剤a/吸着剤c/吸着剤a/吸着剤b 3/3/2/2 比較例I : 吸着剤a (:単独充填) 比較例II : 吸着剤b (:単独充填) 比較例III : 吸着剤c (:単独充填) 上記充填層に、被処理ガスとして温度:35℃、相対
湿度:30%又は60%の空気で NO:4.5ppm, NO2:0.5ppm/
空気バランスのものを、空間速度:6000/hで流し、出口
のNO及びNO2 濃度を測定し、NOX 除去率を式〔:NOX 除
去率=1−(出口NO濃度+出口NO2 濃度)/(入口NO濃
度+入口NO2 濃度)〕を用いて求めた。
用した。 吸着剤a(炭素質吸着剤):武田薬品工業社製粒状椰子
殻活性炭(4〜10Å径の細孔容積:0.012cm3/g)であっ
て水蒸気賦活品 吸着剤b(炭素質吸着剤):武田薬品工業社製粒状椰子
殻活性炭(4〜10Å径の細孔容積:0.032cm3/g)であっ
て水蒸気賦活終了後の冷却を窒素気流中で実施(表面酸
化防止処理)したもの 吸着剤c(遷移金属酸化物):日産ガードラー社製の銅
/マンガン複合酸化物(粒状) 上記吸着剤を内寸 3.2cmの吸着管内に充填し下記8
種類の充填層(本発明の実施例に係るもの:5種類、比
較例に係るもの:3種類)を形成した。このとき、各吸
着管での吸着剤充填高さの合計Hは、下記8種類のいづ
れの場合も 150mm(共通)にした。尚、下記において、
複数の充填層を有する場合、左側のものが上流側の充填
層で、右側に向けて下流側の充填層となり、各吸着管で
の吸着剤充填高さの比HRは上流側から下流側に向けて
のものである。 〔充填層構成〕 〔HR〕 実施例I : 吸着剤c/吸着剤a 3/7 実施例II :吸着剤a/吸着剤c/吸着剤a 3/3/4 実施例III : 吸着剤c/吸着剤b 3/7 実施例IV :吸着剤a/吸着剤c/吸着剤b 3/3/4 実施例V :吸着剤a/吸着剤c/吸着剤a/吸着剤b 3/3/2/2 比較例I : 吸着剤a (:単独充填) 比較例II : 吸着剤b (:単独充填) 比較例III : 吸着剤c (:単独充填) 上記充填層に、被処理ガスとして温度:35℃、相対
湿度:30%又は60%の空気で NO:4.5ppm, NO2:0.5ppm/
空気バランスのものを、空間速度:6000/hで流し、出口
のNO及びNO2 濃度を測定し、NOX 除去率を式〔:NOX 除
去率=1−(出口NO濃度+出口NO2 濃度)/(入口NO濃
度+入口NO2 濃度)〕を用いて求めた。
【0026】このようにして求められたNOX 除去率を表
1に示す。実施例I〜比較例III の中で、比較例III の
みが出口にNO2 が認められた。その他の場合は全てNOの
みが認められた。
1に示す。実施例I〜比較例III の中で、比較例III の
みが出口にNO2 が認められた。その他の場合は全てNOの
みが認められた。
【0027】吸着剤aは吸着を高めたものではないた
め、比較例IでのNOX 除去率は低かった。比較例III で
のNOX 除去率は比較的低かったものの、ある程度の活性
が長時間持続した。しかし、処理後のNO2 濃度が処理前
以上となったため、単独では使用できないことがわかっ
た。
め、比較例IでのNOX 除去率は低かった。比較例III で
のNOX 除去率は比較的低かったものの、ある程度の活性
が長時間持続した。しかし、処理後のNO2 濃度が処理前
以上となったため、単独では使用できないことがわかっ
た。
【0028】実施例Iでは、比較例III と異なり、NO2
は完全に除去され、比較例IよりもNOX 除去性能も上が
り、二層充填の効果が認められた。実施例IIは、充填量
が同一であるにもかかわらず、実施例Iよりも更にNOX
除去性能が向上し、特に相対湿度が高い場合に効果的で
あった。実施例III は、比較例IIに比べて初期性能はや
や低かったものの、長時間活性が持続した。これは、活
性持続時間の長い吸着剤cによってNOの一部が吸着され
ると共に、一部がNO2 に酸化され、それが吸着剤bによ
って容易に吸着されるため、全体としての活性持続時間
が長くなったためと考えられる。更に、吸着剤bの充填
量を減らし、その減少量と同容積の吸着剤aを吸着剤c
の上流側に充填した実施例IVの性能は、相対湿度の高い
場合には、むしろ実施例III を上回った。これは、吸着
剤cが低い相対湿度で作用したため、その吸着性能が増
したものと考えられる。更に、実施例IVにおける吸着剤
bの充填層を2分割し、その前半を吸着剤aに変更した
実施例Vにおいても性能は大差なく、実施例III と同程
度であった。
は完全に除去され、比較例IよりもNOX 除去性能も上が
り、二層充填の効果が認められた。実施例IIは、充填量
が同一であるにもかかわらず、実施例Iよりも更にNOX
除去性能が向上し、特に相対湿度が高い場合に効果的で
あった。実施例III は、比較例IIに比べて初期性能はや
や低かったものの、長時間活性が持続した。これは、活
性持続時間の長い吸着剤cによってNOの一部が吸着され
ると共に、一部がNO2 に酸化され、それが吸着剤bによ
って容易に吸着されるため、全体としての活性持続時間
が長くなったためと考えられる。更に、吸着剤bの充填
量を減らし、その減少量と同容積の吸着剤aを吸着剤c
の上流側に充填した実施例IVの性能は、相対湿度の高い
場合には、むしろ実施例III を上回った。これは、吸着
剤cが低い相対湿度で作用したため、その吸着性能が増
したものと考えられる。更に、実施例IVにおける吸着剤
bの充填層を2分割し、その前半を吸着剤aに変更した
実施例Vにおいても性能は大差なく、実施例III と同程
度であった。
【0029】次に、上記の吸着処理操作を終了した実施
例III 、IV、V及び比較例IIに係る充填層について、空
気を流しつつ最高温度200 ℃まで加熱し、吸着NOX を脱
着させた後、再び同一条件での吸着を行わせた。そし
て、かかる再生及び吸着を繰り返し、その際のNOX 除去
性能の変化を求めた。表2に、このようにして求めたNO
X 除去性能(再生終了吸着開始後24hの時点のNOX 除去
率)を示す。全てNOとして破過し、NO2 は認められなか
った。実施例III 、IV、Vは、比較例IIよりも性能低下
が小さかった。これは、寿命の長い吸着剤cにNOX の一
部を処理させることによって、吸着剤a及びbのNOX 負
荷が下がった効果であると考えられる。
例III 、IV、V及び比較例IIに係る充填層について、空
気を流しつつ最高温度200 ℃まで加熱し、吸着NOX を脱
着させた後、再び同一条件での吸着を行わせた。そし
て、かかる再生及び吸着を繰り返し、その際のNOX 除去
性能の変化を求めた。表2に、このようにして求めたNO
X 除去性能(再生終了吸着開始後24hの時点のNOX 除去
率)を示す。全てNOとして破過し、NO2 は認められなか
った。実施例III 、IV、Vは、比較例IIよりも性能低下
が小さかった。これは、寿命の長い吸着剤cにNOX の一
部を処理させることによって、吸着剤a及びbのNOX 負
荷が下がった効果であると考えられる。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】以上の実施例からもわかる如く、本発明に
よれば、遷移金属酸化物あるいは炭素質吸着剤をそれぞ
れ単独で充填した場合に比べて、NO及びNO2 をともに含
む数ppm 程度のNOX を、より高い除去率(同一容積充填
した場合の比較)で処理できるようになると共に、炭素
質吸着剤のみを充填した場合に比べて性能の経時的な低
下率が小さくなり、吸着剤の取替え頻度を下げ、寿命を
向上することが可能となる。又、遷移金属酸化物の場合
に避けられなかったNO2 の放出が実質上なくなり、環境
基準への適合の点で、より有利になる。
よれば、遷移金属酸化物あるいは炭素質吸着剤をそれぞ
れ単独で充填した場合に比べて、NO及びNO2 をともに含
む数ppm 程度のNOX を、より高い除去率(同一容積充填
した場合の比較)で処理できるようになると共に、炭素
質吸着剤のみを充填した場合に比べて性能の経時的な低
下率が小さくなり、吸着剤の取替え頻度を下げ、寿命を
向上することが可能となる。又、遷移金属酸化物の場合
に避けられなかったNO2 の放出が実質上なくなり、環境
基準への適合の点で、より有利になる。
【0033】
【発明の効果】本発明に係るNO及びNO2 の除去方法は、
前述の如く、遷移金属酸化物充填層と炭素質吸着剤充填
層とを組合せて、両者の欠点を互いに補完し、両者の相
乗効果により、NO及びNO2 の除去性能が高められると共
に炭素質吸着剤の経時的性能低下を抑制し、その取替え
頻度を減少して寿命を向上し得るものであり、従って、
従来の炭素質吸着剤単独充填方式に比較し、炭素質吸
着剤の経時的性能低下率が小さく、その取替え頻度を減
少して寿命を向上し得、或いは、炭素質吸着剤の所要充
填量を軽減し得、引いては経済性を高めることができ、
しかもNO及びNO2の除去性能を高めることができるとい
う効果を奏する。又、本発明法は、オゾンを添加するも
のではなく、脱湿を要するものでもないから、前記従来
のオゾン添加方式及びゼオライト充填方式の如き問
題点はなくて解消することができるという効果を奏す
る。更に、遷移金属酸化物を単独で充填した場合に比べ
ると、NO及びNO2 の除去性能を格段と高めることがで
き、同時に遷移金属酸化物単独充填方式では避けられな
いNO2 の放出がなく、環境基準への適合の点でより有利
になるという効果もある。
前述の如く、遷移金属酸化物充填層と炭素質吸着剤充填
層とを組合せて、両者の欠点を互いに補完し、両者の相
乗効果により、NO及びNO2 の除去性能が高められると共
に炭素質吸着剤の経時的性能低下を抑制し、その取替え
頻度を減少して寿命を向上し得るものであり、従って、
従来の炭素質吸着剤単独充填方式に比較し、炭素質吸
着剤の経時的性能低下率が小さく、その取替え頻度を減
少して寿命を向上し得、或いは、炭素質吸着剤の所要充
填量を軽減し得、引いては経済性を高めることができ、
しかもNO及びNO2の除去性能を高めることができるとい
う効果を奏する。又、本発明法は、オゾンを添加するも
のではなく、脱湿を要するものでもないから、前記従来
のオゾン添加方式及びゼオライト充填方式の如き問
題点はなくて解消することができるという効果を奏す
る。更に、遷移金属酸化物を単独で充填した場合に比べ
ると、NO及びNO2 の除去性能を格段と高めることがで
き、同時に遷移金属酸化物単独充填方式では避けられな
いNO2 の放出がなく、環境基準への適合の点でより有利
になるという効果もある。
Claims (5)
- 【請求項1】 一酸化窒素及び二酸化窒素をともに含む
被処理ガスを遷移金属酸化物を含む充填層に通じ、次に
炭素質吸着剤を含む充填層に通じることを特徴とする一
酸化窒素及び二酸化窒素の除去方法。 - 【請求項2】 一酸化窒素及び二酸化窒素をともに含む
被処理ガスを炭素質吸着剤を含む充填層に通じ、次いで
遷移金属酸化物を含む充填層に通じ、さらに炭素質吸着
剤を含む充填層に通じることを特徴とする一酸化窒素及
び二酸化窒素の除去方法。 - 【請求項3】 炭素源からの炭素質吸着剤の製造の際に
表面酸化防止処理を行った炭素質吸着剤が、少なくとも
最下流側の炭素質吸着剤充填層に含まれている請求項1
又は2記載の一酸化窒素及び二酸化窒素の除去方法。 - 【請求項4】 前記炭素質吸着剤の表面酸化防止処理後
での直径4Å以上10Å以下の細孔容積が 0.03cm3/g以上
である請求項3記載の一酸化窒素及び二酸化窒素の除去
方法。 - 【請求項5】 前記遷移金属酸化物としてマンガンの酸
化物、銅の酸化物の少なくとも一種が含まれている請求
項1、2、3又は4記載の一酸化窒素及び二酸化窒素の
除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6205052A JPH0866611A (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 一酸化窒素及び二酸化窒素の除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6205052A JPH0866611A (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 一酸化窒素及び二酸化窒素の除去方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0866611A true JPH0866611A (ja) | 1996-03-12 |
Family
ID=16500656
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6205052A Pending JPH0866611A (ja) | 1994-08-30 | 1994-08-30 | 一酸化窒素及び二酸化窒素の除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0866611A (ja) |
-
1994
- 1994-08-30 JP JP6205052A patent/JPH0866611A/ja active Pending
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