JPH06262025A - 一酸化窒素の濃縮法 - Google Patents

一酸化窒素の濃縮法

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JPH06262025A
JPH06262025A JP5253178A JP25317893A JPH06262025A JP H06262025 A JPH06262025 A JP H06262025A JP 5253178 A JP5253178 A JP 5253178A JP 25317893 A JP25317893 A JP 25317893A JP H06262025 A JPH06262025 A JP H06262025A
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nitric oxide
activated carbon
adsorption
gas
temperature
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JP5253178A
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Keita Yura
慶太 由良
Yuji Horii
雄二 堀井
Takeshi Yamashita
岳史 山下
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一酸化窒素を含む被処理気体の温度及び相対
湿度をそれぞれ50℃以下、90%以下に調整して吸着
器中の活性炭に吸着せしめ、該吸着器を100〜200
℃に加熱して吸着濃縮した一酸化窒素を脱離させる。 【効果】 一酸化窒素を一旦二酸化窒素に変えるといっ
た予備処理を行なうことなく一酸化窒素を効率良く吸着
濃縮することができ次工程での浄化処理を容易にする。
従って本発明は自動車トンネル排気や屋内駐車場排気の
処理に利用することによって大気浄化に大きく貢献す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大気中、特に自動車トン
ネル排気や屋内駐車場排気等に含まれる数ppm程度の
低濃度窒素酸化物の主成分である一酸化窒素を、効率的
に分離濃縮して高濃度一酸化窒素を得ることにより、次
工程での大気浄化を容易に行わせることのできる方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】窒素酸化物は代表的な大気汚染物質であ
り、これまでにも多くの処理技術が提案されている。例
えば煙道ガスの様な数100ppmの濃度の窒素酸化物
(その大部分は一酸化窒素である)に対しては、酸化チ
タンに担持された酸化バナジウム触媒上でアンモニアを
還元剤として窒素に還元する方法が広く用いられてい
る。しかし自動車トンネル排気の様な数ppm程度の低
濃度の窒素酸化物(この場合も大部分は一酸化窒素であ
る)に対しては、反応効率が落ちるとともに一酸化窒素
の濃度変動も激しいため、過不足なく適量の還元剤を添
加することが困難であり、さらに常温で高流量の被処理
ガスを反応に必要な温度まで加熱することが経済的でな
いため、直接この方法を用いることは困難である。した
がって、一旦一酸化窒素を吸着させて濃縮させる前処理
工程を併用することが提案されてきた。
【0003】特開平3−258324号公報では、ハニ
カムローター方式の吸着式脱湿装置と窒素酸化物吸着装
置を組み合わせた方式が提案されているが、一酸化窒素
の吸着剤であるゼオライトの吸着能は湿潤ガス中で低減
するため、被処理ガスを予め除湿する必要がある。尚ゼ
オライトに吸着された一酸化窒素は加熱により脱着され
るが、その際にゼオライトの有する触媒機能を利用して
脱硝も行わせることも提案されている。しかしながらこ
の方法は、大型化の困難なハニカムロータ式の吸着剤を
2基以上設置する必要があるため、自動車トンネルの様
に設置面積・容積の制約の大きな場所での大風量の被処
理ガスを対象とする操業には問題がある上、多量の水分
の除去が経済的に行ない難いという欠点を有している。
【0004】また、一酸化窒素をオゾンによって二酸化
窒素に酸化し、吸着あるいは反応し易い形態に変える方
法も古くから提案されている(例えば、特開昭49−1
29671、特開平4−78421号公報)。しかし、
特開昭49−129671、特開平4−78421号公
報に記載されている方法では、オゾン発生機が付随的な
機器として必要になる上、濃度変動の大きな対象では一
酸化窒素をオゾンにより定量的に過不足なく二酸化窒素
に酸化することが困難であり、それを解決するために過
剰のオゾンを添加すると、余剰オゾンを処理する設備が
さらに必要となる。炭素質吸着剤を用いる場合は、余剰
オゾンを吸着剤上で分解除去することも可能ではある
が、その際反応により、炭素が次第に減損し劣化してい
く。
【0005】そこで、本出願人は一酸化窒素を予め酸化
を行なわずにそのままの形態で吸着除去できる炭素質吸
着剤を得る技術を開発し、先に特許出願を行なった(特
願平4−329652号)。ところがこの炭素質吸着剤
では、適正な条件設定の下では一酸化窒素主体の窒素酸
化物を酸化あるいは脱湿等の前処理なしに被処理ガス本
体から分離できるが、吸着条件によっては満足のいく除
去率を得ることができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の様な低
濃度一酸化窒素の除去に関する従来技術に指摘される問
題を解決し、高い除去性能と吸着剤の長寿命を両立させ
る方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明に係る一酸化窒素の濃縮法とは、活性炭
を処理容器に充填し、該処理容器に、50℃以下、相対
湿度90%以下で一酸化窒素含有気体を通して一酸化窒
素を吸着せしめ、次いで該処理容器を100〜200℃
に加熱し、吸着した一酸化窒素を脱離させるところに要
旨が存在する。ここで、活性炭がフェノール樹脂を炭素
源とするものである場合は、吸着処理条件を45℃以
下、相対湿度80%以下とするのがよく、また、活性炭
がヤシ殻炭を炭素源とするものである場合の吸着処理条
件は、50℃以下、相対湿度40〜90%が好ましい。
【0008】
【作用】一般に活性炭は、一酸化窒素に対する吸着活性
に欠けるものとされており、前述の如く二酸化窒素に酸
化してから処理する方法が実施されてきた。しかし、本
発明者らが処理条件等を含めて種々検討したところによ
ると、吸着温度や湿度等の条件を適切に調節すれば活性
炭の一酸化窒素除去性能が向上し、また長寿命の除去性
能が得られることを見出し、本発明の完成に至ったもの
である。以下、本発明の各規定条件の限定理由について
詳述する。
【0009】一酸化窒素を含有する被処理気体の相対湿
度は90%以下とする。ただし、この好適相対湿度条件
内でも、より好ましい相対湿度は使用する活性炭の炭素
源によって異なり、フェノール樹脂を炭素源とする活性
炭を用いる場合は相対湿度を80%以下とし、またフェ
ノール樹脂以外を炭素源とする活性炭(たとえヤシ殻活
性炭や石炭系活性炭等)を使用する場合の相対湿度は4
0〜90%とするのがよい。まず、フェノール樹脂以外
を炭素源とする活性炭を使用する場合における好ましい
相対湿度について説明する。
【0010】活性炭を含めた吸着剤による一酸化窒素の
吸着において、水蒸気は吸着能を低下させる要因と考え
られてきた。ところが本発明者らが検討した結果、ヤシ
殻を炭素源とする活性炭の場合は、むしろ相対湿度40
〜90%の条件の方が活性炭の一酸化窒素吸着能が向上
することを知った。
【0011】活性炭の酸素吸着能は、水蒸気共存下で向
上することは知られていたが、このことと、被処理気体
を加湿することによって一酸化窒素吸着能が向上するこ
とは関連があると考えられる。即ち、活性炭に吸着した
酸素と一酸化窒素が活性炭表面で反応して二酸化窒素を
生成して(その一部は更に硝酸を生成する可能性があ
る)吸着するものと思われる。従って水分の吸着が最初
に必要となるが、図1に典型的な吸着等温線の一例を示
した通り、ヤシ殻を炭素源とする活性炭の場合、活性炭
への水の吸着は低相対湿度域では殆どなく、40〜50
%程度から急増し、70〜80%程度で飽和値近くにな
り、更に90%程度以上で毛管凝縮を起こして飽和値に
達する。
【0012】後記実施例に示す様に被処理気体が40%
以上の相対湿度の場合、一酸化窒素の高吸着能が得られ
たが、これは水の吸着が酸素の吸着を促進させることが
原因になっているためと考えられるので、本発明におい
てヤシ殻を炭素源とする活性炭を使用する場合は、被処
理気体の相対湿度を40%以上とするのがよい。逆に相
対湿度が高すぎても性能低下が見られる。これは吸着水
が活性炭の細孔を埋めてしまい、酸素や一酸化窒素が吸
着活性点へ拡散しにくくなるためと考えられる。従って
相対湿度は90%以下に抑えるべきである。尚、酸素や
一酸化窒素の拡散を妨害しない程度の十分な水の吸着量
が得られる領域として、ヤシ殻を炭素源とする活性炭を
使用する場合のより好ましい相対湿度は45〜70%の
範囲である。
【0013】上記に対し、フェノール樹脂を炭素源とす
る活性炭を使用する場合は異なった挙動を示し、後記実
施例でも明らかにする如く、相対湿度の好ましい上限は
80%であって下限は特に存在せず、相対湿度0%であ
っても優れた吸着能が発揮される。これは、フェノール
樹脂を炭素源とする活性炭は、細孔系が数Åと非常に小
さく、この場合の吸着機構は一酸化窒素単独の細孔内捕
獲を主体とするものであろうと考えられ、処理系に存在
する水分の影響が少なくなるためと推定される。むしろ
高湿度環境下では、より細孔径の大きな活性炭に比べて
毛管凝縮的に吸着する水分量が多くなるため、一酸化窒
素の吸着が却って阻害されるものと考えている。
【0014】尚本発明において、被処理気体の相対湿度
の調節方法は特に限定されないが、例えば次のように調
節できる。被処理気体は一般的には排熱のために外気よ
りも温度が高く、排気用ブロアによる圧力上昇や吸着熱
の発生による温度上昇によってさらに相対湿度が低くな
っている場合が多いので、このような場合には、被処理
気体に水をスプレーして加湿すればよい。湿度過剰の場
合には除湿してもよいが、水分の凝縮あるいは吸着除去
には多量のエネルギーを要するので好ましくなく、吸着
温度を若干上げる方が良い。その方法として、1つの吸
着器のみを用いる場合には、被処理ガスの一部を吸着剤
再生用のヒータで加熱してから吸着器に送ってもよい
し、2塔(以上)を交互に吸脱着させる場合には一方の
塔の再生排熱を利用することもできる。尚、フェノール
樹脂を炭素源とする活性炭を使用する場合の好適相対湿
度は零であっても構わないので、処理気体の積極的加湿
は不要である。
【0015】被処理気体の温度は50℃以下とする。吸
着温度を検討した結果、同一の相対湿度であれば吸着温
度が上昇してもほぼ同一の吸着能が得られた。酸素の吸
着や、一酸化窒素と酸素との反応に対する活性炭の触媒
活性が温度上昇とともに高まる傾向と、生成物である二
酸化窒素の吸着安定性が温度の上昇と共に低下する傾向
とが打ち消し合うためと考えられる。しかしながら、5
0℃を超えると特に高湿度下での一酸化窒素吸着能の低
下が著しくなるので、上限温度は50℃とする。なお、
フェノール樹脂を炭素源とする活性炭を使用する場合
は、45℃を超えると一酸化窒素吸着能の低下が著しく
なるので45℃以下に抑えることが望まれる。低温側は
5℃まで確認したが大きな性能低下はなく、通常のトン
ネル排気等の温度を考慮すると下限は特に限定されな
い。
【0016】吸着後の脱着処理は、活性炭の種類の如何
を問わず100〜200℃の温度範囲で行なう必要があ
る。100℃未満では脱着不足となり、吸着能の低下が
大きく、一方200℃を超えると活性炭の酸化反応等に
よる消耗・劣化或は発火の恐れが生じるため好ましくな
い。従って実用化に当っては、常温付近での吸着と、1
00〜200℃、好ましくは140〜180℃、より好
ましくは150〜170℃付近での脱着・再生を繰り返
せばよく、それによって被処理気体中に含まれる数pp
m程度の低濃度の一酸化窒素でも効率良く吸着濃縮する
ことが可能になる。また吸・脱着濃縮を連続的に行なう
場合は、常法に従って吸着塔を複数個並設し、吸着と脱
着を交互に行なう様にすればよい。
【0017】本発明において活性炭の種類としては、従
来のヤシ殻活性炭のほか石炭、石油重質油、木材、パル
プ廃液などを原料とする活性炭、フェノール樹脂活性炭
(フェノールとホルムアルデヒドとを縮重合させて得ら
れる熱硬化性樹脂を総称し、自硬性あるいは硬化剤の使
用により硬化するものを含む)などの市販品等を用いる
ことも勿論可能であるが、不活性ガスおよび/または還
元性ガス雰囲気中400〜1200℃(フェノール樹脂
活性炭の場合は600〜1000℃)で加熱処理する
と、一酸化窒素の吸着能を一段と高めることができるの
で好ましい。この加熱処理は、活性炭表面の官能基濃度
を一酸化窒素吸着能を高める方向に制御する作用による
ものと考えられるが、その機構は不明である。いずれに
しても、加熱処理温度が上記好適範囲未満では、こうし
た吸着性能向上効果が有効に発揮されず、一方温度が上
記範囲を超える高温になると、活性炭内部構造の収縮が
起こって細孔容積が縮小すると共に、細孔径も分子拡散
が起こりにくい程度まで小さくなり、吸着性能は却って
低下してくる。
【0018】また、上記加熱処理に先立ち、酸化性ガス
雰囲気中200〜1000℃で加熱処理するか、あるい
は酸化剤溶液中に浸漬処理した活性炭は、本発明におけ
る一酸化窒素の吸着能向上効果をより一層発揮できるた
め好ましい。
【0019】以下実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0020】
【実施例】図2に、本発明で使用する一酸化窒素濃縮設
備の一例の模式図を示す。一酸化窒素を含む被処理気体
1は、ブロア2により活性炭が充填された吸着器3に導
かれ、一酸化窒素(及び共存する二酸化窒素)が除去さ
れた気体は排気口4から放出される。被処理気体の温度
および湿度は温湿度センサー7によって測定し、被処理
気体を加湿する必要があると判断された場合は、定量ポ
ンプ6により水5が被処理ガスに添加される。また、湿
度を下げる必要があると判断された場合には、少量の外
気をパージガス導入口10から取り入れ、循環ファン8
と加熱器9を用いて昇温して、被処理気体に混合して吸
着器3に導入すればよい。水の添加量、導入ガス温度あ
るいは導入ガス量の制御によって、吸着温湿度を調節で
きる。一酸化窒素を吸着した吸着器3の再生は、被処理
気体1および水5の供給および排気口4からの放出を停
止して、循環ライン(3→8→9→3)を加熱し、かつ
外気を導入口10から徐々に混入させ、溢れるガスを濃
縮ガス排出口11から取り出せばよい。再生完了後は加
熱器9の使用を中止し、導入口10から冷却ガスを吸着
器3に供給し続けて次第に降温させればよい。なお、1
2〜17は自動弁である。
【0021】実施例1 内寸100mmの角形吸着器に、比表面積970m2
g、ミクロ孔平均径約15Åのヤシ殻活性炭(以下吸着
剤A)あるいは同一のヤシ殻炭を700℃の水素中で焼
成して製造した活性炭(以下吸着剤B)を吸着器に40
cmの高さに充填し、窒素酸化物5.0ppm(一酸化
窒素:二酸化窒素=9:1の割合に混合)を添加した空
気を、温度5〜50℃、相対湿度0〜95%、空塔線速
度0.4m/sに調節して12時間吸着させた。湿度調
節は乾燥空気に定量ポンプからの水を注入することによ
って行った。次に吸着器を2時間で150℃まで昇温す
るとともに、再生用空気を空塔線速度0.1m/sで供
給した。150℃に1時間保持した後に1時間冷却し、
常温に戻ってから再び次の吸着を行わせた。同一温度で
の吸脱着を湿度を順次変更しながら行った。一般的に最
初数回の吸着性能は次第に低下し、以後、次第に安定し
た性能が得られたため、比較は数回目以降のデータにつ
いて行い、相互比較に問題がない程度に安定しているこ
とは、同一条件での吸着を途中に挟みながら実施して確
認した。結果を表1及び2に示す。尚ここでいう除去率
とは[1−(出口窒素酸化物濃度/入口窒素酸化物濃
度)]である。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表1及び2からも明らかなように、本発明
の規定要件を満たす実施例では、規定要件のいずれかに
欠ける比較例に比べて相対的に除去率が高いことが分か
る。また、還元性雰囲気中での加熱処理を施した活性炭
は、加熱処理を施さない活性炭よりも同一の湿度及び温
度の被処理気体の場合、除去率が高いことが分かる。
【0025】実施例2 吸着剤Bを40cmの高さに充填し、窒素酸化物5.0
ppm(一酸化窒素:二酸化窒素=9:1の割合に混
合)を添加した空気を、温度25℃、相対湿度60%、
空塔線速度0.4m/sに調節して12時間吸着させ
た。次に吸着器を2時間で150℃まで昇温するととも
に、再生用空気を空塔線速度0.1m/sで供給した。
150℃に1時間保持した後に1時間冷却し、常温に戻
ってから再び次の吸着を行なわせた。ついで脱着温度を
表3に示す様に順次変更しながら吸脱着を行なった。結
果を表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】表3からも明らかな様に、150℃での脱
着では最初数回の吸着能は次第に低下し、以後安定した
性能が得られる。脱着温度を下げると、次の吸着時の除
去率が低下するが、これは吸着していた窒素酸化物が完
全には脱着しきれなくなるためと考えられる。しかしな
がら125℃、100℃では同一温度で再度脱着すると
収支がとれる様になり、相対的に減少した吸着窒素酸化
物に対して脱着が十分に行なえることが分かる。これに
対して本発明の規定要件から外れる75℃で脱着する
と、脱着能は回復せず、除去率も次第に低下することが
分かる。
【0028】実施例3 吸着剤Bを表4に示す温度の空気中に20日間放置し、
重量変化率を測定した。結果を表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】表4から明らかな様に、200℃を超える
温度に吸着剤を放置した場合、重量増加が著しいことが
分かる。この重量増加は、吸着剤表面の炭素が酸化さ
れ、酸素を含有する官能基が増加したためと考えられ
る。この様な官能基が増加することは、一酸化窒素吸着
能の低下の原因となるので好ましくない。従って吸着剤
の脱着温度は200℃以下が好ましいことが分かる。
【0031】実施例4 円筒容器内に、下記吸着剤C〜Fを高さ40cmに充填
し、窒素酸化物5.0ppm(一酸化窒素:二酸化窒素
=9:1の割合に混合)を添加した空気を、所定の温度
および相対湿度で空塔線速度0.4m/sに調節して1
2時間吸着させた。次に吸着器を2時間で150℃まで
昇温すると共に、再生用空気を空塔線速度0.1m/s
で供給して脱着を行なった。150℃に1時間保持した
後に1時間冷却し、常温に戻ってから再び次の吸着を行
なった。この吸脱着を数回繰返し、吸脱着が安定した時
点で前記と同様にして一酸化窒素の除去率を測定し、表
5〜8に示す結果を得た。
【0032】吸着剤C:自硬化性フェノール樹脂粉末に
メチルセルロースをバインダーとして10重量%添加
し、円柱状に押出成形してからスチーム気流中800℃
で3時間賦活したもの。 吸着剤D:吸着材Cのスチーム賦活に代えて、窒素気流
中800℃で3時間賦活したもの。 吸着剤E:熱融解性フェノール樹脂粉末にヘキサミンを
硬化剤として5重量%添加し、120℃で硬化させてか
ら粉砕し、以下、吸着剤Cと同様にして成形、賦活した
もの。 吸着剤F:吸着剤Eのスチーム賦活に代えて窒素で賦活
したもの。
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】
【表8】
【0037】表5〜8より次の様に考えることができ
る。表2および表5〜8は、活性炭としてフェノール樹
脂活性炭を用いたものであり、いずれも相対湿度が80
%以下、より好ましくは60%以下で且つ45℃以下の
条件で優れた除去率が得られている。しかし、相対湿度
が80%を超え或は処理温度が45℃を超えると除去率
が急激に低下している。
【0038】一方、表2で示したようにヤシ殻活性炭を
用いたものは、相対湿度が40〜90%、より好ましく
は45〜80%、処理温度が50℃以下の条件で高い除
去率が得られている。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
一酸化窒素を一旦二酸化窒素に変えるといった予備処理
を行なうことなく一酸化窒素を効率良く吸着濃縮するこ
とができ、次工程での浄化処理を容易にする。従って本
発明は自動車トンネル排気や屋内駐車場排気の処理に利
用することによって大気浄化に大きく貢献するものであ
る。しかも低温側で吸着された一酸化窒素は濃縮脱着さ
れるので吸着剤の活性が回復し、多数回にわたって繰返
し処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】活性炭に対する水の吸着等温線(20℃)の一
例を示すグラフである。
【図2】本発明の濃縮法において用いる一酸化窒素濃縮
設備の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 被処理気体 3 吸着器 7 温湿度センサー 9 加熱器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭を処理容器内に充填し、該処理容
    器に、50℃以下、相対湿度90%以下で一酸化窒素含
    有気体を通して一酸化窒素を吸着せしめ、次いで該処理
    容器を100〜200℃に加熱し、吸着した一酸化窒素
    を脱離させることを特徴とする一酸化窒素の濃縮法。
  2. 【請求項2】 活性炭がフェノール樹脂を炭素源とする
    ものであり、該活性炭の充填された処理容器に、45℃
    以下、相対湿度80%以下で一酸化窒素含有気体を通し
    て一酸化窒素の吸着を行なう請求項1記載の一酸化窒素
    の濃縮法。
  3. 【請求項3】 活性炭がヤシ殻炭を炭素源とするもので
    あり、該活性炭の充填された処理容器に、50℃以下、
    相対湿度40〜90%で一酸化窒素含有気体を通して一
    酸化窒素の吸着を行なう請求項1記載の一酸化窒素の濃
    縮法。
  4. 【請求項4】 活性炭が、不活性ガスおよび/または還
    元性ガス雰囲気中400〜1200℃で加熱処理された
    ものである請求項1〜3のいずれかに記載の一酸化窒素
    の濃縮法。
  5. 【請求項5】 活性炭が、前記加熱処理に先立ち、酸化
    性ガス雰囲気中200〜1000℃で加熱処理される
    か、或いは酸化剤溶液に浸漬し、乾燥されたものである
    請求項4記載の一酸化窒素の濃縮法。
JP5253178A 1993-01-14 1993-10-08 一酸化窒素の濃縮法 Withdrawn JPH06262025A (ja)

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JP2003275531A (ja) * 2002-03-26 2003-09-30 Nippon Steel Corp ガス分離装置および混合ガス分離方法
CN108579368A (zh) * 2018-03-13 2018-09-28 浙江工业大学 一种固相化学吸收技术净化氮氧化物
JP2022502241A (ja) * 2018-10-02 2022-01-11 エボニック ファイバース ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングEvonik Fibres GmbH メタン、二酸化炭素および硫化水素を含有するガス混合物からメタンを分離するための装置および方法

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