JP3553336B2 - 排ガスの脱硝処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオゾンとオゾン吸着剤の作用を組み合わせた排ガスの脱硝処理方法及び装置に関し、特に道路トンネル排ガスなど低濃度のNOxを含有する排ガスの脱硝に適した排ガスの脱硝処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、大都市における自動車排気ガスによる環境汚染、特に窒素酸化物(NOx)による汚染が問題となっており、トンネルなどから排出される排ガスの脱硝処理が検討されている。
従来、ボイラ等の排煙脱硝技術については広く研究開発が行われて実用化されているが、道路トンネル排ガスの脱硝はこれらの固定発生源からの排ガスの脱硝とは条件が全く異なっている。すなわち、道路トンネル排ガスは自動車排気ガスが大量の大気で希釈されたものであって、温度は常温でNOx濃度は最大で3〜5ppmであり、処理ガス量は多いという特性を有している。このような道路トンネル排ガスを通常のボイラ排ガス処理に使用されているアンモニア接触還元脱硝法を適用しようとすると、常温かつ大量の排ガスを200〜300℃に昇温する必要があり、大量のエネルギを必要とする。
そのため、このような排ガスの脱硝方法としては、何らかの方法によりNOxを濃縮し、濃縮した少量のガスを脱硝処理する方法が検討されており、現在最も優位にあるのはゼオライト系吸着剤により吸着濃縮し、アンモニア接触還元脱硝法により処理する方法である。しかしながら、通常のゼオライト系吸着剤は水分にに対する耐性がないため、先ず除湿工程を必要とし、また、NOxの吸着率も小さいためコストが高く、実用化には至っていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来技術における問題点を解決し、効率よくNOxの濃縮を行うことができ、道路トンネル排ガスなど低濃度のNOxを含有する排ガスの脱硝に適用した場合に、装置の小型化、コストの低減が可能な排ガスの脱硝処理方法及び装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決する手段として次の(1)〜()の構成を有するものである。
(1)排ガスにオゾンを注入し、オゾンを吸着しかつNOxを吸着する高シリカペンタシルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト、メソポーラスシリケート又はこれらのうちの2種以上の混合物である高シリカ吸着剤を充填した吸着剤充填層を有する吸着反応装置の吸着反応工程にある吸着剤充填層に導入して排ガス中のNOxをNO2 及びHNO3 に酸化して吸着させ、NOx含有量の低減した処理ガスは大気中に放出し、NO2 及びHNO3 を吸着して吸着剤の吸着能が低下した吸着剤充填層は排ガスの導入を止めて加熱脱着工程とし、加熱することによってNO2 を脱着させ、高濃度NO2 含有ガスを発生させるとともに吸着剤の再生を行い、得られた高濃度NO2 含有ガスを脱硝装置に導いてNO2 を分解除去することを特徴とする排ガスの脱硝処理方法。
【0005】
(2)前記排ガスに注入するオゾンとして水の電解によるオゾン発生器から発生させたオゾンを使用し、オゾン発生器から発生する水素を脱硝装置における還元剤として使用してNOの分解除去を行うことを特徴とする前記(1)の排ガスの脱硝処理方法。
【0007】
)前記排ガスが道路トンネル排ガスであることを特徴とする前記(1)又は)に記載の排ガスの脱硝処理方法。
【0008】
)オゾンを吸着しかつNOxを吸着する高シリカペンタシルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト、メソポーラスシリケート又はこれらのうちの2種以上の混合物である高シリカ吸着剤を充填した高シリカ吸着剤充填層を有し、排ガス中のNOxの酸化吸着と加熱による高濃度NO2 含有ガスの放出及び吸着剤の再生とを交互に行う吸着反応装置と、該吸着反応装置に供給する排ガス中にオゾンを注入するオゾン発生器と、前記吸着反応装置から吸着剤再生時に放出される高濃度NO2 含有ガスを脱硝処理する脱硝装置とを構成要素として含むことを特徴とする排ガスの脱硝処理装置。
【0009】
)前記吸着反応装置が、複数の高シリカ吸着剤充填層を有し、バルブの切り換えによって吸着反応工程と加熱脱着工程とを順次繰り返す吸着反応装置であることを特徴とする前記()に記載の排ガスの脱硝処理装置。
)前記吸着反応装置が、回転軸を中心にして円盤状に配置された複数の高シリカ吸着剤充填層を有し、回転により順次吸着反応ゾーンと加熱脱着ゾーンを通過することによって吸着反応工程と加熱脱着工程とを順次繰り返す吸着反応装置であることを特徴とする前記()に記載の排ガスの脱硝処理装置。
【0011】
)前記オゾン発生装置が水の電解によるオゾン発生器であり、前記脱硝装置が還元剤として水素を使用する脱硝装置であることを特徴とする前記()〜()のいずれかの排ガスの脱硝処理装置。
【0012】
)前記()〜()のいずれかの構成を有することを特徴とする道路トンネル排ガスの脱硝装置。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明においては、吸着剤としてオゾンを吸着しかつNOxを吸着する、高シリカペンタシルゼオライト(シリカライト又はSiO 2 /Al 2 3 比が高いZSM−5)、脱アルミニウムフォージャサイト(超安定Y型ゼオライト:USY)、メソポーラスシリケート(MCM−41、FSM−16、テトラエトキシシランをシリカ源とする1)低温酸性合成メソポーラスシリケート、又は2)低分子ケイ酸をシリカ源とする低温酸性合成メソポーラスシリケートなど)、又はこれらのうちの2種以上の混合物である、高シリカ吸着剤を使用し、オゾンを注入した排ガスを吸着剤と接触させることによって、NOxの主成分であるNOのNO2 及びHNO3 への酸化反応と吸着を同時に行なわせるようにしている。ここで使用するこれらの高シリカ吸着剤はいずれもオゾンの吸着能力が高く、しかも吸着したオゾンの分解率が低く、かつNOxも吸着するので、吸着剤相中におけるオゾンとNOxとの接触効率は、単に排ガス中にオゾンを添加した場合に比較して飛躍的に大きくなり、NOxからNO2 及びHNO3 への酸化が極めて効率よく進行するのである。酸化により生成するNO2 及びHNO3 は、排ガス中に含まれるNOを主体とするNOxに比較して吸着剤に吸着されやすいので、極めて効率よくNOxの濃縮が達成される。さらに、これらの吸着剤は水に対する耐性があり、除湿工程を設ける必要がないという利点もある。
【0014】
前記高シリカ吸着剤のうち、高シリカペンタシルゼオライトは、シリカ源としてケイ酸ナトリウムやヒュームドシリカを使用し、有機テンプレートとしてテトラプロピルアンモニウムブロミドを使用して150〜180℃程度で水熱合成を行って得られるSiO/Al比10〜1000程度のペンタシルゼオライトである。
脱アルミニウムフォージャサイトは、SiO/Al比5程度のNa−Y型ゼオライトをアンモニア水で処理することによりゼオライト骨格のAlの大半を除去して得られたSiO/Al比10〜400の超安定Y型ゼオライト(USY)である。
【0015】
メソポーラスシリケートは10〜1000オングストロームのメソ孔を有するシリカ系多孔質体であって、種々の製造方法があり、製造条件等によりSiO/Al比10から実質的にSiOのみのものまで得られている。例えば、MCM−41はモービル社により開発された温度140℃、pH13.5、シリカ源として水ガラス、ケイ酸ナトリウム、有機テンプレートとしてカチオン系界面活性剤(炭素数8以上)を使用して得られる比表面積1600m/g程度、SiO/Al比1000程度のシリカ系多孔質体である。FMS−16は同じく黒田、稲垣等により開発されたカネマイトにカチオン系界面活性剤をインターカレーションして得られたMCM−41と類似の構造のSiO/Al比1000程度のシリカ系多孔質体である。また、低温メソポーラスシリケート▲1▼はstucky等により提唱された方法、すなわち、シリカ源としてテトラエトキシシラン(TEOS)を、有機テンプレートとしてカチオン系界面活性剤を使用して室温下にpH1以下で合成するものであり、低温メソポーラスシリケート▲2▼は本発明者等が開発した方法、すなわち、シリカ源として縮重合したシリカを含まないケイ酸を、有機テンプレートとしてカチオン系界面活性剤を使用して室温pH1以下で合成するものである。これらの低温メソポーラスシリケートは製造条件等によりSiO/Al比10から実質的にSiOのみのものまで得ることができる。
【0016】
また、本発明者らの実験結果によれば、これらの高シリカ吸着剤の中でもSiO/Al比70以上の高シリカペンタシルゼオライト、SiO/Al比20以上の脱アルミニウムフォージャサイト、SiO/Al比20以上のメソポーラスシリケートが、オゾン吸着能が高く、吸着したオゾンの分解率も低いので好ましい吸着剤である。これらの中では高シリカペンタシルゼオライトはオゾン分解率が若干高い傾向にあり、オゾン吸着能及び分解率を勘案するとSiO/Al比20以上のメソポーラスシリケートが最も良好な性能を示し、次いでSiO/Al比20以上の脱アルミニウムフォージャサイト、SiO/Al比70以上の高シリカペンタシルゼオライトの順である。
【0017】
これらの吸着剤は、吸着反応装置における圧損を低く抑えるため、ハニカム形状に成形して使用するのが好ましい。それによって、100万Nm/h程度の規模の処理装置においても圧損を50mmAq以下に抑えることができる。
【0018】
以下、道路トンネル排ガスの処理を例にとって、本発明をさらに詳細に説明する。0.5〜3ppmのNOを主体とするNOxを含有する道路トンネル排ガスにオゾンを添加、混合した後、前記吸着反応装置の吸着反応工程にある吸着剤充填層に導入し、吸着剤相中で酸化反応させNOxをNO及びHNOに酸化して吸着させる。これによって、NOx濃度が0.04〜0.1ppmに低下した処理済ガスは大気中に放出される。オゾンの添加量は排ガス中のNOx濃度の種類、処理条件等によって適宜設定すればよいが、通常は排ガス中のNOxに対しモル比で1〜1.5程度である。
【0019】
排ガス中にオゾンを供給するためのオゾン発生器(オゾナイザー)としてはそれ自体公知の無声放電方式、紫外線ランプ方式、水電解方式などいずれの方式のものでも適用できる。中でも水電解法は、特殊処理したイオン交換膜を、カーボンとフッ素樹脂からなるガス透過性電極(水素極)と二酸化鉛電極(オゾン極)で挟み、オゾン極に原料水としてイオン交換水を供給して電気分解し、オゾン極にオゾンと酸素を発生させ、水素極に水素を発生させるものであって、高濃度でクリーンなオゾンガスが得られ、しかも副生する水素を後の脱硝工程において還元剤として使用することにより、極めて効率的なシステムを構築できるので、本発明で使用するオゾン発生装置として特に好適である。
【0020】
NO及びHNOを吸着して吸着剤の吸着能が低下した吸着剤充填層は、排ガスの導入を止めて加熱脱着工程とし、加熱することによってNOを脱着させ(吸着されたHNOもほとんどがNOの形で脱着する)、高濃度NO含有ガスを発生させるとともに吸着剤の再生を行う。加熱温度は吸着時の温度にもよるが、常温吸着の場合で実用的には70〜200℃に加熱する。なお、本発明を、ボイラ排ガスやディーゼルエンジン排ガスを通常の脱硝方法によって処理し、40ppm程度までNOx濃度を低減させたガスの二次処理に適用する場合など、処理ガスが比較的高温の場合には50〜100℃で吸着反応させ、200〜300℃で脱着させることもできるが、この場合はオゾンの分解を考慮し、NOxに対するオゾンのモル比を1.2〜2モル比程度に増量する必要がある。
加熱方法としては吸着反応処理後の処理ガスの1部を加熱し、脱着ガスとして使用するのが好都合である。本発明においては前記の高性能吸着剤を使用しているのでNOxガスの濃縮効果が大きく、NO濃度が1000〜20000ppmの高濃度NO含有ガスが得られる。
【0021】
実際の道路トンネル排ガスの処理に当たっては、複数の高シリカ吸着剤充填層を有する吸着反応装置を使用して、バルブの切り換えによって吸着反応工程と加熱脱着工程とを順次繰り返す方式とするか、あるいは、回転軸を中心にして円盤状に配置された複数の高シリカ吸着剤充填層を有する吸着反応装置を使用して、回転により順次吸着反応ゾーンと加熱脱着ゾーンを通過することによって吸着反応工程と加熱脱着工程とを順次繰り返す方式とすることによって、連続的な排ガス処理が可能となる。
【0022】
加熱脱着工程から得られる高濃度NO含有ガスを脱硝装置に導入して脱硝処理を行う。脱硝装置としては、従来からボイラ排ガスの脱硝等に用いられているアンモニアなどの還元剤を使用した接触還元脱硝装置が使用できる。この種の接触還元脱硝装置は通常180〜350℃で運転されているが、最近開発されている200℃付近の低温で活性を示す脱硝触媒を使用すれば、加熱脱着工程で得られるガスをさらに加熱するエネルギを低減することができる。なお、前記のとおりオゾン発生器として水電解方式のオゾン発生器を使用すればオゾンとともに水素が得られるので、この水素を脱硝装置の還元剤として使用することにより、極めて効率的な排ガス処理システムとなる。また、この場合は有害なアンモニアを使用しないので、市街地に設置しても二次公害のおそれがない。さらに、オゾン発生器で副生する水素の処理が不要となる利点もある。
【0023】
脱硝後のガス中のNOx濃度は50〜1000ppm程度であり、量が少ないのでそのまま前記吸着反応工程から排出される処理済ガスと合わせて大気中に放出することもできるが、全量を吸着反応装置へ導入する排ガス中に戻すようにすれば、系外への放出ガスはNOx濃度0.04〜0.1ppmの処理済ガスのみとすることができる。
【0024】
本発明の排ガスの脱硝方法及び装置は、NOxを高度に濃縮して脱硝処理することができるので、NOx濃度が0.5〜3ppmの道路トンネル排ガスなどのNOx濃度が低い(40ppm程度以下)排ガスの処理に好適である。また、比較的高濃度のNOxを含むボイラ排ガスなどを通常のアンモニア還元脱硝方法などによって脱硝処理し、NOx濃度が40ppm程度に低減された処理ガスに適用してさらに高度の脱硝処理を行うことも可能である。
【0025】
【実施例】
次に図面を参照した実施例により本発明を詳細に説明する。
(実施例1)
図1は本発明による道路トンネル排ガス脱硝処理プロセスの1実施態様を示す概略説明図である。図1のプロセスは水電解方式のオゾン発生器を使用し、吸着反応装置は回転式とし、脱硝装置は水素を還元剤とする脱硝装置を使用した例である。
図1において、ブロア2を経由して供給される道路トンネルからの排ガス1に、混合器3でオゾン発生器4からオゾン5を注入し、吸着反応装置10の吸着反応ゾーン7にある吸着剤充填層に導入して吸着反応処理する。オゾン発生器4は水6を供給して電解しオゾンを発生させる方式のものである。
【0026】
吸着反応器10は高シリカ吸着剤を充填した吸着剤充填層が円盤状に配置された形式のもので、吸着反応ゾーン7、予熱ゾーン8及び加熱脱着ゾーン9とに区分されており、全体が回転することにより各吸着剤充填層が順次、吸着反応工程、予熱工程及び加熱脱着工程を繰り返すようになっている。吸着反応ゾーンにある吸着剤充填層に導入された排ガス1中のオゾン及びNOx(NOが主体)は高シリカ吸着剤に吸着され、NOxは高濃度のオゾンと接触して酸化されNO及びHNOとなり吸着される。このようにしてNOx濃度が低減した排ガスは処理済ガス11として大気中に放出される。
【0027】
処理済ガス11の1部は脱着ガス12として予熱ゾーン8の吸着剤層に導入され、加熱脱着ゾーン9で大部分のNOが脱着された吸着剤と接触して、残留するNOを脱着させるとともに吸着剤を冷却したのち、ヒータ13で脱着温度(75〜200℃)に加熱され、加熱脱着ゾーン9にある吸着剤層に導入される。そしてNOを吸着した吸着剤と接触してNOを脱着させて吸着剤を再生し、高濃度NO含有ガス14として排出される。
【0028】
高濃度NO含有ガス14は、180〜350℃の温度で表1に示した脱硝触媒を充填した脱硝装置15に導入され、オゾン発生器4からの水素16により還元脱硝処理される。処理後の脱硝ガス17は、吸着反応ゾーン7からの処理済ガス11と合わせて大気中に放出するか、吸着反応装置10へ導入される前の排ガス中に返送される。
図1のプロセスによりNO濃度2ppmの道路トンネル排ガス10Nm/hを処理する場合の諸元は表1のとおりである。
【0029】
【表1】
Figure 0003553336
【0030】
(実施例2)
吸着剤充填層が75mのメソポーラスシリケート(実質的にSiO:100%のハニカム)である図1の形式の回転式吸着反応装置を使用してNOx(NO/NO比:1/0.2)濃度2ppmのガスを処理してNOx除去試験を行った。
〔吸着反応装置の回転数とNOx吸着能力〕
NOxに対し1.5モル比のオゾンを添加し、吸着温度25℃、脱着温度200℃とし、吸着反応装置の回転数を変化させてNOx除去試験を行い、90%のNOx除去率が得られる処理ガス量を調べた結果を図2に示す。
【0031】
〔吸着反応装置入口オゾン/NOxモル比とNOx除去率〕
吸着反応装置入口におけるオゾン/NOxモル比を変化させ、吸着温度25℃、脱着温度200℃とし、吸着反応装置の回転数を3rphとしてNOx除去試験を行い、吸着反応装置入口オゾン/NOxモル比とNOx除去率との関係を調べた。結果を図3に示す。
【0032】
〔再生温度とNOx吸着能力〕
NOxに対し1.5モル比のオゾンを添加し、吸着温度25℃、吸着反応装置の回転数を3rphとし、再生温度を変化させてNOx除去試験を行い、90%のNOx除去率が得られる処理ガス量を調べた結果を図4に示す。
【0033】
【発明の効果】
本発明においては、オゾンの吸着能力が大きく、吸着したオゾンの分解率が低く、かつNOxを吸着する、オゾン吸着能力の大きいメソポーラスシリケート、高シリカペンタシルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト、又はこれらのうち2種以上の混合物からなる高シリカ吸着剤を吸着反応装置の吸着剤充填層に使用し、オゾンを注入した排ガスを接触させることによって、NOのNO2 への酸化とNO2 の吸着濃縮を効率よく行うことができるため、吸着酸化反応効率及びNO2 の濃縮効率が高く、装置の小型化の効果が大きい。また、本発明で使用する高シリカ吸着剤は疎水性で排ガス中の水分の影響を受けないので、脱湿装置を設ける必要がない。水電解方式のオゾン発生装置を使用し、副生する水素を後の脱硝工程において還元剤として使用することにより、極めて効率的なシステムの構築が可能である。さらに、脱硝装置における脱硝触媒として低温脱硝型の触媒の適用が可能であり、その場合はより一層の省エネルギ設備となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による道路トンネル排ガス脱硝処理プロセスの1実施態様を示す概略説明図。
【図2】実施例2における吸着反応装置の回転数とNOx吸着能力との関係を示すグラフ。
【図3】実施例2における吸着反応装置入口オゾン/NOxモル比とNOx除去率との関係を示すグラフ。
【図4】実施例2における再生温度とNOx吸着能力との関係を示すグラフ。

Claims (8)

  1. 排ガスにオゾンを注入し、オゾンを吸着しかつNOxを吸着する高シリカペンタシルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト、メソポーラスシリケート又はこれらのうちの2種以上の混合物である高シリカ吸着剤を充填した吸着剤充填層を有する吸着反応装置の吸着反応工程にある吸着剤充填層に導入して排ガス中のNOxをNO2 及びHNO3 に酸化して吸着させ、NOx含有量の低減した処理ガスは大気中に放出し、NO2 及びHNO3 を吸着して吸着剤の吸着能が低下した吸着剤充填層は排ガスの導入を止めて加熱脱着工程とし、加熱することによってNO2 を脱着させ、高濃度NO2 含有ガスを発生させるとともに吸着剤の再生を行い、得られた高濃度NO2 含有ガスを脱硝装置に導いてNO2 を分解除去することを特徴とする排ガスの脱硝処理方法。
  2. 前記排ガスに注入するオゾンとして水の電解によるオゾン発生器から発生させたオゾンを使用し、オゾン発生器から発生する水素を脱硝装置における還元剤として使用してNO2 の分解除去を行うことを特徴とする請求項1に記載の排ガスの脱硝処理方法。
  3. 前記排ガスが道路トンネル排ガスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガスの脱硝処理方法。
  4. オゾンを吸着しかつNOxを吸着する高シリカペンタシルゼオライト、脱アルミニウムフォージャサイト、メソポーラスシリケート又はこれらのうちの2種以上の混合物である高シリカ吸着剤を充填した高シリカ吸着剤充填層を有し、排ガス中のNOxの酸化吸着と加熱による高濃度NO 2 含有ガスの放出及び吸着剤の再生とを交互に行う吸着反応装置と、該吸着反応装置に供給する排ガス中にオゾンを注入するオゾン発生器と、前記吸着反応装置から吸着剤再生時に放出される高濃度NO 2 含有ガスを脱硝処理する脱硝装置とを構成要素として含むことを特徴とする排ガスの脱硝処理装置
  5. 前記吸着反応装置が、複数の高シリカ吸着剤充填層を有し、バルブの切り換えによって吸着反応工程と加熱脱着工程とを順次繰り返す吸着反応装置であることを特徴とする請求項4に記載の排ガスの脱硝処理装置。
  6. 前記吸着反応装置が、回転軸を中心にして円盤状に配置された複数の高シリカ吸着剤充填層を有し、回転により順次吸着反応ゾーンと加熱脱着ゾーンを通過することによって吸着反応工程と加熱脱着工程とを順次繰り返す吸着反応装置であることを特徴とする請求項に記載の排ガスの脱硝処理装置。
  7. 前記オゾン発生装置が水の電解によるオゾン発生器であり、前記脱硝装置が還元剤として水素を使用する脱硝装置であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の排ガスの脱硝処理装置。
  8. 請求項4〜7のいずれか1項に記載の構成を有することを特徴とする道路トンネル排ガスの脱硝装置。
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