JPH10202038A - 揮発性有機物質の処理方法及び処理装置 - Google Patents

揮発性有機物質の処理方法及び処理装置

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JPH10202038A
JPH10202038A JP9012297A JP1229797A JPH10202038A JP H10202038 A JPH10202038 A JP H10202038A JP 9012297 A JP9012297 A JP 9012297A JP 1229797 A JP1229797 A JP 1229797A JP H10202038 A JPH10202038 A JP H10202038A
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volatile organic
discharge
gas
organic material
organic substance
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Application number
JP9012297A
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English (en)
Inventor
Jun Izumi
順 泉
Akinori Yasutake
昭典 安武
Hiroyuki Tsutaya
博之 蔦谷
Hirohisa Yoshida
博久 吉田
Keisuke Kawamura
啓介 川村
Masayoshi Murata
正義 村田
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 揮発性有機物質を含有する処理ガスから該揮
発性有機物質を吸着除去後、脱着した揮発性物質を放電
管に導いて酸化、分解する場合に、放電処理を最適な操
作条件で運用し処理コストの低減を図る。 【解決手段】 吸着法としては、温度スイング法、圧力
スイング法を用い、吸着した揮発性有機物質を脱着濃縮
した後、放電処理としては、気相ストリーマ放電、強電
体充填槽ストリーマ放電、強電体充填槽コロナ放電を用
い、揮発性有機物質を処理する。また、放電処理後のガ
スを吸着工程の入口に戻すことにより回収率を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】揮発性有機物質を含有するガ
スから揮発性有機物質を吸着処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】揮発性有機物質の処理は、大気環境の保
全、温室効果原因物質の除去の観点から、極めて重要な
技術となりつつある。最も多用されているのが、活性炭
を吸着剤として用いて揮発性有機物質を吸着除去した
後、揮発性有機物質を吸着した活性炭に水蒸気を導入し
て昇温、水蒸気−揮発性有機物質置換効果により脱着
し、揮発性有機物質を含有する水蒸気を凝縮器に導い
て、揮発性有機物質が水不溶の場合には液−液2相分離
を行い、可溶の場合には精留塔で分離する方法であり、
ルルギ社が実用化したことからルルギ法とも呼ばれる。
【0003】他の方法としては、ハニカムを回転ロータ
に装架して、0.5〜3rpm程度の速度で回転して、
1回転の60%程度の時間吸着を行い、吸着したハニカ
ムは20%程度の時間で昇温離脱、再生を行い、残る2
0%程度の時間で室温への冷却を行い、3〜10倍に濃
縮された揮発性有機物質を触媒燃焼器に導くことが最近
行われるようになっている。この方法では、揮発性有機
物質は単に処理されるだけで回収されることはできない
が、設備費としてはルルギ法の1/2程度であり、最近
原油価格が安定していることから、敢えて回収してもそ
れほどのメリットが見いだされない場合には、この方法
が用いられるようになってきた。
【0004】これら昇温して再生する方法(温度スイン
グ法)では、3000〜5000ppm以上では吸着剤
の使用量が急速に増大して実用性を失うことが懸念され
るが、高濃度域では、揮発性有機物質を吸着した吸着剤
を減圧条件に導いて、揮発性有機物質を回収、吸着剤再
生を行う圧力スイング法が用いられる。現在は、濃縮し
た回収溶剤は、液化回収されているが、(触媒)燃焼法
による処理も当然考えられる。
【0005】これら吸着法とは全く違う原理として注目
を集めているのが、強電改質を充填した放電管でのコロ
ナ放電で処理をする方法(Packed Bedコロナ
放電法)である。この方法では、排ガスを充填槽に全量
導いて、放電で揮発性有機物質をCO2 、水にまで酸
化、分解するものである。この方法は、アメリカ環境保
護局での評価によると、ルルギ法の80%程度の設備費
で処理が可能であり、将来最も有望とされている。しか
し、現在の処理の主体は、回収を前提としないのであれ
ば、前述のハニカムロータ+触媒燃焼法に移行してお
り、この方法はルルギ法の60〜70%であるので競合
性に疑問が持たれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】吸着法で揮発性有機物
質を含有する処理ガスを減容濃縮した後、放電管に導い
て酸化、分解することで、放電処理を最適な操作条件で
運用し処理コストの低減を図る。
【0007】
【課題を解決するための手段】揮発性有機物質を含有す
るガスから吸着法で該揮発性有機物質を吸着除去し、該
揮発性有機物質を含有しないガスを系外に放出した後、
吸着した揮発性有機物質を脱着濃縮した後、放電処理に
て分解、酸化方法で処理することを特徴とする揮発性有
機物質の処理方法を提供する。また、揮発性有機物質を
含有するガスから吸着法により該揮発性有機物質を吸着
する手段、吸着処理後の該揮発性有機物質を含有しない
ガスを系外に放出する手段、吸着した揮発性有機物質を
脱着濃縮する手段、放電処理にて分解、酸化方法で処理
する手段を含むことを特徴とする揮発性有機物質の処理
装置を提供する。吸着法としては、温度スイング法、圧
力スイング法を用いることができ、放電処理としては、
気相ストリーマ放電、強電体充填槽ストリーマ放電、強
電体充填槽コロナ放電を用いることができる。また、放
電処理後のガスを吸着工程の入口に戻すことにより回収
率を高めることこともできる。
【0008】
【実施の形態】揮発性有機物質を含有する排ガスを吸着
装置に導くと、排ガス中の揮発性有機物質の95%以上
が除去されて、排出ガスは、系外に放出される。吸着さ
れた揮発性有機物質は脱着されて3〜10倍に濃縮され
る。減容濃縮のための吸着法としては、 1)揮発性有機物質の濃度が3000ppm以下につい
ては、ハニカムロータを装架した回転式吸着塔を使用し
た温度スイング法、 2)揮発性有機物質の濃度が3000ppm以上につい
ては、固定床又は回転式吸着塔を使用した圧力スイング
法を用いる。また、減容濃縮後の揮発性有機物質の放電
処理については、 a)気相でストリーマ放電により、揮発性有機物質の放
電酸化、分解を行う b)強誘電体を充填した放電管でストリーマ放電によ
り、揮発性有機物質の酸化、分解を行う c)強誘電体を充填した放電管でコロナ放電により、揮
発性有機物質の酸化、分解を行う が用いられる。
【0009】吸着法では、揮発性有機物質の濃度が30
00ppm以下の場合、ハニカムロータ温度スイング法
により、3〜10倍に最も効率よく濃縮することができ
る。一方、放電管による揮発性有機物質の処理において
は、装置の設備費が排ガス処理量に比例して増大すると
ころから、大容量になるとその経済性を維持することが
難しい。このため、本発明では、吸着法により排ガスを
減容濃縮した後、放電管に導いて揮発性有機物質を酸
化、分解する。この結果、処理にかかわる設備は、ルル
ギ法を100とすると吸着法+放電処理の併用により4
0%程度に低減し得る。
【0010】本発明の対象である揮発性有機物質を含有
するガスとは、具体的には、印刷、塗料、樹脂、化学工
業等のオフガスが挙げられる。揮発性有機物質として
は、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、トルエ
ン、シクロヘキサノン、イソプロピルアルコール等が挙
げられる。
【0011】本発明で用いる吸着剤は、揮発性有機物質
を吸着できるものでなければならないが、脱着性等も考
慮して、シリカゼオライトが挙げられる。具体的には、
SiO2 /Al2 3 比が5以上のものでY型、US
Y、ZSM−5、シリカライト、メソポーラスシリケー
ト、メソポーラスアルミノシリケート、SiO2 /Al
2 3 比400のペンタシルゼオライトが挙げられる。
吸着剤の形状としては、ハニカム、ビーズ状が挙げられ
る。吸着剤の比表面積については、好ましくは、500
〜1800m2 /gである。吸着剤の細孔径について
は、好ましくは、4〜100オングストロームである。
使用する吸着剤の量としては、1トンの吸着剤で1,0
00〜10,000m 3 N/hが処理できる。
【0012】本発明で用いる温度スイング法とは、揮発
性有機物質を吸着した吸着剤を昇温して、揮発性を物質
を含まない再生用ガスを流して揮発性有機物質を回収、
吸着剤再生を行う方法である。再生用ガスとしては、通
常、熱風が用いられるが、本発明では、後述する放電処
理後のガスを用いことにより回収率を高めることを特徴
する。再生用ガスとして放電処理後のガスを用いる場合
には、再生ガスの量としては、吸着搭に送られる揮発性
有機物質を含有するガスのうち、1/3〜1/10が用
いられる。再生ガスの量が少ないほど、揮発性有機物質
が濃縮されることになり、即ち、後述する放電処理を有
効に行う前に、3倍から10倍に濃縮されることにな
る。昇温方法としては、吸着搭自体を昇温する方法、昇
温した再生用ガスを用いる方法、それらの併用であって
もよい。再生温度が高いほど、再生ガスは少なくて良い
が、再生温度が極端に高い場合、吸着剤の表面で揮発性
有機物質が変質して付着したり、吸着剤が熱変質して性
能が低下する危険があり、再生温度としては120〜2
00℃が望ましい。温度スウイング法を用いる場合に
は、ハニカムロータを装架した回転式吸着塔を使用する
ことが望ましい。ハニカムロータを装架した回転式吸着
塔とは、例えば、ハニカムを回転ロータに装架して、
0.5〜3rpm程度の速度で回転して、1回転の60
%程度の時間吸着を行い、吸着したハニカムは20%程
度の時間で昇温離脱、再生を行い、残る20%程度の時
間で室温への冷却を行うものである。ハニカムロータを
装架した回転式吸着塔を使用することが望ましいのは、
設備費としてはルルギ法の1/2程度だからである。昇
温して再生する温度スイング法では、3000ppm以
上では吸着剤の使用量が急速に増大して実用性を失うお
それがある。このため、高濃度域では、圧力スイング法
が用いられる。
【0013】本発明で用いる圧力スイング法とは、揮発
性有機物質を吸着した吸着剤を減圧条件に導いて、揮発
性有機物質を回収、吸着剤再生を行う方法である。使用
する減圧条件は、吸着した揮発性物質の種類、吸着剤の
種類等により異なるが、0.02atm〜0.15at
mである。圧力スイング法を用いる場合には、固定床又
は回転式吸着塔を使用することが好ましい。この理由
は、連続的に排ガスを処理することが多いためである。
圧力スイング法においても、減圧条件下、再生用ガスを
流すことにより、再生を促進することができる。この再
生ガスの量としては、吸着搭に送られる揮発性有機物質
を含有するガスのうち、1/10程度が用いられる。即
ち、後述する放電処理を有効に行う前に、10倍程度に
濃縮されることになる。必要があれば、昇温するが、昇
温方法としては、吸着搭自体を昇温する方法、昇温した
再生用ガスを用いる方法、それらの併用であってもよ
い。再生温度については、溶剤が劣化しないことと、ラ
ンニングコストの抑制の観点から50〜120℃が採用
される。
【0014】本発明では、次に、回収された減容濃縮後
の揮発性有機物質を放電処理する。放電処理は、揮発性
有機物質の放電酸化、分解を目的とするが、気相でスト
リーマ放電、強誘電体を充填した放電管でストリーマ放
電、強誘電体を充填した放電管でコロナ放電を用いるこ
とができる。
【0015】まず、気相でのストリーマ放電(気相スト
リーマ放電)について述べる。ストリーマ放電とは、プ
ラズマ処理の一種をいい、放電初期部の高エネルギー電
子密度の高いパルス放電であり、コロナ放電に比べて分
解に消費される電力は30〜50%少ない。印加電圧に
ついては、500〜20,000Vが望ましい。周波数
については、10〜1kHzが望ましい。
【0016】次に、強誘電体を充填した放電管を用いる
ストリーマ放電(強誘電体充填槽ストリーマ放電)につ
いて述べる。強誘電体充填槽ストリーマ放電とは、スト
リーマ放電時の酸化、分解反応を高効率化することを目
的として採用されたものであり、気相ストリーマ放電と
の違いは、強誘電体充填槽を有することである。強誘電
体充填槽を有することにより、処理溶剤の滞留時間の延
長、充填剤表面での処理、溶剤の濃度上昇による有効な
プラズマとの接触を向上する。充填する強誘電体として
は、直径0.1mm〜10mmの石英球、Y、USY、
ZSM−5、シリカライト、メソポーラスシリケート、
メソポーラスアルミノシリケートが挙げられる。
【0017】強誘電体を充填した放電管を用いるコロナ
放電(強誘電体充填槽コロナ放電)について述べる。強
誘電体充填槽コロナ放電とは、ストリーマ放電と比較し
てパルス幅の長い放電である。印加電圧については、5
00〜20,000Vが望ましい。周波数については、
10〜1kHzが望ましい。充填する強誘電体として
は、直径0.1mm〜10mmの石英球、Y、USY、
ZSM−5、シリカライト、メソポーラスシリケート、
メソポーラスアルミノシリケートが挙げられる。
【0018】
【実施例】
(実施例1)図1に、温度スイング法と強誘電体充填ス
トリーマ放電の組合せによる本発明の一実施態様を示
す。図1において、プラント1から10,000m3
/hの容量の排ガスが放出され、これには、揮発性有機
物質の一種であるメチルエチルケトンが1,000pp
mが含まれる。排ガスは、ブロワー2から回転式吸着塔
3に入る。吸着塔3には、高シリカゼオライトがハニカ
ム4に成型されて装架されており、3rphで回転して
いる。ここで、吸着は室温で行われ、約12分を要す
る。12分経過すると、吸着剤4はほぼ飽和して、塔3
の出口からメチルエチルケトンが流過するが、その前に
ハニカムは再生工程に入り、溶剤を含有しないガスを、
熱交換器5を経てヒータ6で150℃に加熱して、吸着
剤4に向流に流過すると、吸着剤は昇温して、メチルエ
チルケトンは吸着剤4から離脱する。この時、再生用の
ガスとしては入口ガス量の1/3〜1/10が用いら
れ、再生温度が高いほど、再生用ガスは少なくて良い
が、再生温度が極端に高い場合、吸着剤の表面で揮発性
有機物質が変質して付着したり、吸着剤が熱変質して性
能が低下する危険があり、再生温度としては120〜2
00℃が用いられる。本実施例では、150℃、パージ
ガス量1,000m3 N/hを用いた。
【0019】吸着剤としては、高シリカゼオライトとし
て、a)SiO2 /Al2 3 比70の超安定Y型ゼオ
ライト、b)SiO2 /Al2 3 比400のペンタシ
ルゼオライト、c)ほぼシリカのみから構成されるメソ
ポーラスシリケートの3種類を使用した。本発明では、
入口濃度1,000ppmを50ppmまで低減するこ
ととして、この性能達成のために吸着剤ハニカムの使用
量を変更して調整した。吸着剤の種類を変更したときの
必要ハニカム量としては、超安定型ゼオライトが3.5
3 、ペンタシルゼオライトが5m3 、メソポーラスシ
リケートが2.5m3 であった。ここで、超安定Y型ゼ
オライト、ペンタシルゼオライトとしては、市販のもの
を使用したが、メソポーラスシリケートについては、ケ
イ酸ナトリウム液とドデシルトリメチルアンモニウムク
ロライドを、SiO2/ドデシルトリメチルアンモニウム
クロライドのモル比を1/0.15とし、また、ケイ酸
ナトリウム濃度15w%、最終混合後のpHは塩酸で0
近傍の強酸性として、重縮合時間3時間、室温で合成し
たものであり、比表面積1650m2 /g、メソ孔直径
は35オングストロームであった。ハニカムロータ回転
式吸着塔3による温度スイング法でメチルエチルケトン
濃度10,000ppmの濃縮ガス1,000m3 N/
hが得られた。この後、ハニカム4は冷却ゾーンに入
り、パージガスが流路7から塔3の入口から並流に流過
してハニカム4は冷却され、一方、パージガスは昇温さ
れ塔3出口から前述のヒーター6に至る。この工程で、
約4分でハニカム4は室温まで冷却される。10,00
0ppmに濃縮された1,000m3 N/hの濃縮ガス
は、流路7から放電管8に至る。
【0020】放電管8は線対円筒の形状であり、放電管
8には、強誘電体として、直径3mmの石英球9が線電
極と円筒電極管に2m3 充填されていた。線対円筒部を
平行に配置した電極間で、印加電圧10〜50V、周波
数10〜100Hzでストリーマ放電を行った。ストリ
ーマ放電とは、放電初期部の高エネルギー電子密度の高
いパルス放電であり、コロナ放電に比べて分解に消費さ
れる電力は30〜50%少ない。放電管8の出口からガ
スを採取してガスクロマト質量分析計で分析したとこ
ろ、メチルエチルケトンの濃度は500ppmで有り、
残りのガスはCO2 、H2Oに酸化されていた。これ
は、メチルエチルケトンが分解されると伴に、空気成分
中の酸素も分解して酸化反応が進行したものと思われ
る。処理後のガスは流路10から吸着塔3の入口の流路11
に戻されるため、メチルエチルケトンの除去率は、装置
全体としては、ほぼ95%であった。
【0021】本発明の設備費を従来法の代表であるルル
ギ法と比較すると、ルルギ法を100として、本発明の
方法では、回転式ロータが30、放電管が20、合計5
0であり、従来法の半分程度のコストで処理可能と評価
された。
【0022】(実施例2)図2に、圧力スイング法と強
誘電体充填ストリーマ放電の組合せによる本発明の一実
施態様を示す。図2において、プラント21から10,0
00m3 N/hの容量の排ガスが放出され、これには揮
発性有機物質の一種であるメチルエチルケトンが5,0
00ppmが含まれた。揮発性有機物質の濃度が3,0
00ppmを越えると、実施例1のハニカムロータによ
る温度スイング法の適用が難しいため、圧力スイング法
を採用することとした。排ガスはブロワー22から回転式
吸着塔23に入る。吸着塔23には吸着剤24として高シリカ
ゼオライトがハニカム又はビーズ状で成型されて充填さ
れており、1/3〜3rpmでの回転が可変であり、こ
こでは1rpmを採用した。ここで、吸着は、室温、大
気圧近傍で行われ30秒を要する。30秒の吸着で吸着
剤24はほぼ飽和して、塔23の出口からメチルエチルケト
ンが流過するが、その前に吸着剤は再生工程に入り、流
路5、真空ポンプ6から減圧された。圧力が所定の真空
圧力(ここでは0.08atm)に達すると、溶剤を含
有しないガスを、流路27から減圧弁28、流路29を経て吸
着剤24に、減圧条件下、向流に流過すると、メチルエチ
ルケトンは吸着剤24から離脱した。この時、再生用のパ
ージガスとしては、入口ガス量の1/10程度が用いら
れた。
【0023】吸着剤としては、第1実施例と同様に高シ
リカゼオライトとして、a)SiO 2 /Al2 3 比7
0の越安定Y型ゼオライト、b)SiO2 /Al2 3
比400のペンタシルゼオライト、c)ほぼシリカのみ
から構成されるメソポーラスシリケートの3種類を使用
した。本発明では、入口濃度1,000ppmを50p
pmまで低減することとして、この性能達成のために吸
着剤ハニカムの使用量を変更して調整した。吸着剤の種
類を変更したときの必要ハニカム量としては、超安定型
ゼオライトが3m3 、ペンタシルゼオライトが4.5m
3 、メソポーラスシリケートが2m3 であった。回転式
吸着塔23による圧力スイング法で、メチルエチルケトン
濃度25,000ppmの濃縮ガス2,000m3 N/
hが得られた。この後、吸着剤4は昇圧ゾーンに入り大
気圧に復圧した。本実施例では、シーケンスとして吸着
30秒、減圧5秒、パージ再生20秒、大気圧昇圧5秒
に設定した。
【0024】25,000ppmに濃縮された2,00
0m3 N/hの濃縮ガスは、流路30から放電管31に至
る。放電管31は、実施例1と同様な強誘電体として、直
径3mmの石英球32が充填されたストリーマ放電用のも
のである。放電管31出口からガスを採取してガスクロマ
ト質量分析計で分析したところ、メチルエチルケトンの
濃度は1000ppmであり、残りのガスはCO2 、H
2 Oに酸化されていた。これはメチルエチルケトンが分
解されると伴に、空気成分中の酸素も分解して酸化反応
が進行したものと思われる。処理後のガスは、実施例1
と同様に流路33から吸着塔23の入口の流路34に戻される
ため、メチルエチルケトンの除去率は、装置全体として
は、ほぼ95%であった。
【0025】高濃度ガスを対象とした処理に関するルル
ギ法のコストを100とすると、本発明の方法では、回
転式ロータ温度スイング法が45、放電管が20、合計
65であり、従来法の65%程度のコストで処理可能と
評価された。
【0026】(実施例3)実施例1において強誘電体を
充填したストリーマ放電で濃縮した揮発性有機物質の処
理を行ったが、本実施例では強誘電体を実施することな
く分解、酸化処理することとした。このため、本発明で
は、放電管8に流入したメチルエチルケトン10,00
0ppmの分解は8,000ppmであり、分解されず
にメチルエチルケトンとして残った量は2,000pp
mであったが、第1段のハニカム入口の濃度上昇は20
%程度のため、吸着塔の増設で対応が可能であった。本
発明の設備費を従来法と比較すると、ルルギ法を100
として、本発明では、回転式ロータ温度スイング法が4
0、ストリーマ放電管が15、合計55とほぼ半分の設
備費に低減できた。
【0027】(実施例4)実施例1において強誘電体を
充填したストリーマ放電で濃縮した揮発性有機物質の処
理を行ったが、本実施例では強誘電体充填コロナ放電に
よる分解、酸化処理を行った。本実施例では、放電管8
に流入したメチルエチルケトン10,000ppmの分
解は、強誘電体充填ストリーマ放電と同様に、500p
pmであった。本発明の設備費を従来法と比較すると、
ルルギ法を100として、本発明では、回転式ロータ温
度スイング法が30、ストリーマ放電管が25、合計5
5とほぼ半分の設備費に低減できた。
【0028】
【発明の効果】本発明により、放電処理コストの低減が
達成でき、環境保護の点で優れるという放電処理の長所
を活用が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】温度スイング法と強誘電体充填ストリーマ放電
の組合せによる本発明の一実施態様を示す。
【図2】圧力スイング法と強誘電体充填ストリーマ放電
の組合せによる本発明の一実施態様を示す。
【符号の説明】
1 プラント 2 ブロワー 3 吸着塔 4 吸着剤 5 熱交換器 6 ヒータ 7 流路 8 放電管 9 石英球 10 流路 11 流路 21 プラント 22 ブロワー 23 吸着塔 24 吸着剤 25 流路 26 真空ポンプ 27 流路 28 減圧弁 29 流路 30 流路 31 放電管 32 石英球 33 流路 34 流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 博久 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 川村 啓介 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 (72)発明者 村田 正義 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮発性有機物質を含有するガスから、吸
    着法で該揮発性有機物質を吸着除去し、該揮発性有機物
    質を含有しないガスを系外に放出した後、吸着した揮発
    性有機物質を脱着濃縮した後、放電処理にて分解、酸化
    方法で処理することを特徴とする揮発性有機物質の処理
    方法。
  2. 【請求項2】 揮発性有機物質を含有するガスから吸着
    法により該揮発性有機物質を吸着する手段、吸着処理後
    の該揮発性有機物質を含有しないガスを系外に放出する
    手段、吸着した揮発性有機物質を脱着濃縮する手段、放
    電処理にて分解、酸化方法で処理する手段を含むことを
    特徴とする揮発性有機物質の処理装置。
  3. 【請求項3】 上記吸着法として温度スイング法を用い
    ることを特徴とする請求項1に記載の揮発性有機物質の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 上記吸着法として圧力スイング法を用い
    ることを特徴とする請求項1に記載の揮発性有機物質の
    処理方法。
  5. 【請求項5】 上記放電処理として気相ストリーマ放電
    を用いることを特徴とする請求項1に記載の揮発性有機
    物質の処理方法。
  6. 【請求項6】 上記放電処理として強誘電体充填槽スト
    リーマ放電を用いることを特徴とする請求項1に記載の
    揮発性有機物質の処理方法。
  7. 【請求項7】 上記放電処理として強誘電体充填槽コロ
    ナ放電を用いることを特徴とする請求項1に記載の揮発
    性有機物質の処理方法。
  8. 【請求項8】 上記放電処理後のガスを吸着工程の入口
    に戻すことにより回収率を高めることを特徴とする請求
    項1に記載の揮発性有機物質の処理方法。
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