JP2004275805A - 窒素酸化物の処理方法及び窒素酸化物処理装置 - Google Patents

窒素酸化物の処理方法及び窒素酸化物処理装置 Download PDF

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Jun Izumi
順 泉
Nariyuki Tomonaga
成之 朝長
Hiroyuki Tsutaya
博之 蔦谷
Saburo Narita
三郎 成田
Hidetomo Noda
英智 野田
Masayasu Makihara
正泰 牧原
Yukihiro Takamura
幸宏 高村
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

【課題】排ガス中の窒素酸化物成分を効率よく吸着除去する。
【解決手段】シリカゼオライトからなる吸着剤が充填されて、回転軸Oを中心に回転する回転吸着塔13を具備してなり、回転吸着塔13を回転させることにより、吸着剤が、窒素酸化物を相対的低温で吸着処理させる吸着ゾーン13aと、窒素酸化物を相対的高温で脱着処理させる脱着ゾーン13bと、相対的高温に加熱された吸着剤を冷却する冷却ゾーン13cを順次連続的に回転移動させるようにしたことを特徴とする窒素酸化物処理装置10を採用する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス、特にボイラー等の固定発生源から排出される排ガス中に含まれるNO、NO、NO等の窒素酸化物を、効率よく吸着し、除去・回収する窒素酸化物の処理方法及びその方法に適した処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ディーゼル機関やボイラー等から排出される排ガスには、有害物質である窒素酸化物が含まれるため、この窒素酸化物に対する効率的な処理技術が要望されている。ところで、上記の排ガスに含まれる窒素酸化物は、大部分が一酸化窒素の形態として排出される。そこで、従来の窒素酸化物の処理方法としては、排ガス中に含まれる一酸化窒素と等モルのアンモニアを排ガスに添加した後、酸化バナジウム−チタニア系触媒と接触させることにより、NOを窒素として分解除去する選択的分解法(SCR法)が一般的である。この方法によればSV値が2000〜25000と大きく、装置の機構が簡単で、大容量ガス処理としてスケールアップも容易である。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−57469号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記の選択的分解法では、一酸化窒素と等モルのアンモニアが必要であり、しかも未反応アンモニアの発生を回避するために、一酸化窒素/アンモニアのモル比を0.95〜1に設定する必要がある。
また、窒素酸化物を除去する経済的な濃度下限は50ppm程度と言われており、これ以下の窒素酸化物濃度では処理コストが増大するという課題がある。
【0005】
そこで、排ガス中の窒素酸化物を吸着剤に吸脱着させ、窒素酸化物を濃縮する技術が求められるが、現状では窒素酸化物の主成分である一酸化窒素を効率よく濃縮できる吸着剤が見つかっていない。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、高濃縮率で、アンモニア添加等に要するランニングコストを省略し、かつ保守が簡単な窒素酸化物の処理方法及び窒素酸化物の処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の窒素酸化物の処理方法は、排ガス中の窒素酸化物をシリカゼオライトからなる吸着剤によって相対的低温で吸着した後、該吸着剤を相対的高温に加熱して窒素酸化物を脱着することを特徴とする。
【0008】
窒素酸化物を吸着する際の相対的低温は、50〜200℃の範囲が好ましく、100〜150℃の範囲がより好ましい。また、窒素酸化物を脱着する際の相対的高温は、200〜350℃の範囲が好ましく、200〜300℃の範囲がより好ましい。
【0009】
本発明の窒素酸化物処理方法によれば、シリカゼオライトを用いて排ガス中の窒素酸化物を相対的低温で吸着して濃縮し、次いで吸着された窒素酸化物を相対的高温で脱着して回収する乾式方法であるので、アンモニア添加等に要するランニングコストを省略することができ、かつ保守を簡素化することができる。
【0010】
また本発明の窒素酸化物処理方法は、先に記載の窒素酸化物処理方法であり、排ガス中の窒素酸化物を前記吸着剤に吸着させる前に、前記排ガス中の窒素酸化物を酸化触媒によって酸化することを特徴とする。
係る窒素酸化物処理方法によれば、排ガス中の窒素酸化物を酸化することで、窒素酸化物の主成分である一酸化窒素を二酸化窒素にすることができる。この二酸化窒素はシリカゼオライトに対する吸着性が高いので、窒素酸化物の処理を効率よく行うことができる。
【0011】
また本発明の窒素酸化物処理方法は、先に記載の窒素酸化物処理方法であり、脱着後の窒素酸化物を高温分解することを特徴とする。
係る窒素酸化物処理方法によれば、吸脱着により濃縮された窒素酸化物を高温で窒素と酸素に熱分解するので、有害な窒素酸化物を無害化させることができる。
なお、熱分解は、燃焼炉やディーゼル機関の火炉に導入することで簡単に行うことができる。
【0012】
前記シリカゼオライトとしては、SiO/Al比が70以上の超安定Y型ゼオライト又はSiO/Al比が25以上のペンタシルゼオライトを用いることが好ましい。また、前記シリカゼオライトとして、SiO/Al比が25以上100未満のペンタシルゼオライトを用いてもよい。更に、前記シリカゼオライトとして、SiO/Al比が100以上のペンタシルゼオライトを用いてもよい。
【0013】
また、前記シリカゼオライトとして、SiO/Al比が25以上100以下のペンタシルゼオライトであり、かつ該シリカゼオライト中に含まれる水素基がNa、K、Li、Mg、Ca、Srのうちのいずれかのカチオンに置換されたものを用いてもよく、特にNa、K、Liのいずれかのカチオンで置換したものがより好ましい。
更に、前記シリカゼオライトとして、SiO/Al比が70以上の超安定Y型ゼオライトであり、かつ該シリカゼオライト中に含まれる水素基がNa、K、Li、Mg、Ca、Srのうちのいずれかのカチオンに置換されたものを用いてもよい。
【0014】
更に、前記酸化触媒としては、CuO:20〜22質量%、MnO:50〜78質量%を含み、これらCuO及びMnOをアルミナに坦持したものを用いることが好ましい。
また、前記酸化触媒の温度を150℃以上400℃以下の範囲とすることが好ましい。
【0015】
次に、本発明の窒素酸化物処理装置は、シリカゼオライトからなる吸着剤が充填されて、回転軸を中心に回転する回転吸着塔を具備してなり、前記回転吸着塔を回転させることにより、前記吸着剤が、窒素酸化物を相対的低温で吸着処理させる吸着ゾーンと、窒素酸化物を相対的高温で脱着処理させる脱着ゾーンとを順次連続的に回転移動させるようにしたことを特徴とする。
また、前記吸着ゾーンと前記脱着ゾーンの間に、脱着ゾーンにおいて相対的高温に加熱された吸着剤を冷却する冷却ゾーンが備えられていることが好ましい。
【0016】
本発明の窒素酸化物処理装置によれば、高シリカゼオライトを回転吸着塔に充填し、この回転吸着塔を回転させることで、窒素酸化物の吸着、脱着、吸着剤の冷却の各処理を順次行うことができ、窒素酸化物処理装置の構成を簡素化できるとともに吸着効率を高めることができる。また、更にランニングコストを低下させて保守も簡素化することができる。
尚、吸着ゾーンの温度(相対的低温)は50〜200℃の範囲が好ましく、100〜150℃の範囲がより好ましい。また、脱着ゾーンの温度(相対的高温)は200〜350℃の範囲が好ましく、200〜300℃の範囲がより好ましい。
【0017】
また、本発明の窒素酸化物処理装置は、先に記載の窒素酸化物処理装置であり、前記回転吸着塔の前段に、排ガス中の窒素酸化物を酸化触媒により酸化する酸化触媒部が備えられることを特徴とする。
係る窒素酸化物処理装置によれば、排ガス中の窒素酸化物を酸化することで、窒素酸化物の主成分である一酸化窒素を二酸化窒素にすることができる。この二酸化窒素はシリカゼオライトに対する吸着性が高いので、窒素酸化物の処理を効率よく行うことができる。
【0018】
また、本発明の窒素酸化物処理装置は、先に記載の窒素酸化物処理装置であり、前記回転吸着塔の後段に、脱着後の窒素酸化物を高温分解する高温分解部が備えられることを特徴とする。
係る窒素酸化物処理装置によれば、吸脱着により濃縮された窒素酸化物を高温で窒素と酸素に熱分解するので、有害な窒素酸化物を無害化させることができる。
なお、高温分解部の例としては、燃焼炉やディーゼル機関の火炉等を例示できる。
【0019】
前記シリカゼオライトとしては、SiO/Al比が70以上の超安定Y型ゼオライト又はSiO/Al比が25以上のペンタシルゼオライトを用いることが好ましい。また、前記シリカゼオライトとして、SiO/Al比が25以上100未満のペンタシルゼオライトを用いてもよい。更に、前記シリカゼオライトとして、SiO/Al比が100以上のペンタシルゼオライトを用いてもよい。
【0020】
また、前記シリカゼオライトとして、SiO/Al比が25以上100以下のペンタシルゼオライトであり、かつ該シリカゼオライト中に含まれる水素基がNa、K、Li、Mg、Ca、Srのうちのいずれかのカチオンに置換されたものを用いてもよく、特にNa、K、Liのいずれかのカチオンで置換したものがより好ましい。
更に、前記シリカゼオライトとして、SiO/Al比が70以上の超安定Y型ゼオライトであり、かつ該シリカゼオライト中に含まれる水素基がNa、K、Li、Mg、Ca、Srのうちのいずれかのカチオンに置換されたものを用いてもよい。
【0021】
更に、前記酸化触媒としては、CuO:20〜22質量%、MnO:50〜78質量%を含み、これらCuO及びMnOをアルミナに坦持したものを用いることが好ましい。
また、前記酸化触媒の温度を150℃以上400℃以下の範囲とすることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態である窒素酸化物処理装置について説明する。本実施形態の窒素酸化物処理装置は、耐高温性・耐酸性のシリカゼオライトからなる窒素酸化物の吸着剤が充填されて、回転軸を中心に回転する回転吸着塔を具備してなり、前記回転吸着塔を回転させることにより、前記吸着剤が、窒素酸化物を相対的低温で吸着処理させる吸着ゾーンと、窒素酸化物を相対的高温で脱着処理させる脱着ゾーンとを順次連続的に回転移動させるようにしたものである。すなわち、相対的低温で窒素酸化物を吸着し、相対的高温で窒素酸化物を脱着するいわゆる回転再生式温度スイング法(TSA)を用いた処理装置である。
なお、前記吸着ゾーンと前記脱着ゾーンの間に、脱着ゾーンにおいて相対的高温に加熱された吸着剤を冷却する冷却ゾーンを備えてもよい。
【0023】
図1には本実施形態の回転再生式温度スイング法(TSA)を用いた処理装置10を示す模式図である。符号13は、吸着剤が充填されて回転軸Oを中心に回転する回転吸着塔であり、この回転吸着塔13の内部には、図2に示すように吸着剤21を充填した圧損を低く抑えるハニカム状(300φ×500h)の筒22が設置され、排ガスが図1の吸着塔13の上下(軸)方向に通過できる構造となっている。
【0024】
また、符号11はディーゼル機関やボイラー等の燃焼器であり、回転吸着塔13の前段に接続されている。更に符号23は酸化触媒塔(酸化触媒部)であり、酸化触媒が充填されている。この酸化触媒塔は、排気管12を介して燃焼器11と回転吸着塔13の間に配置されている。
【0025】
酸化触媒塔23に充填される酸化触媒には、CuO:20〜22質量%、MnO:50〜78質量%を含み、これらCuO及びMnOをアルミナに坦持したものが用いられる。
【0026】
図1に示す回転吸着塔13には、窒素酸化物を相対的低温で吸着処理させる吸着ゾーン13aと、吸着ゾーン13aの回転方向後方側に隣接して窒素酸化物を相対的高温で脱着処理させる脱着ゾーン13bと、脱着ゾーン13bの回転方向後方側に隣接して脱着ゾーン13bにて相対的高温に加熱された吸着剤を冷却する冷却ゾーン13cとが設けられている。冷却ゾーン13cの回転方向後方側には先の吸着ゾーン13aが配置されている。そして回転吸着塔13は、回転軸Oを中心に3〜10rph程度の回転速度で図中矢印d方向に回転駆動されるようになっており、回転吸着塔13の内部に充填された吸着剤21が、吸着ゾーン13a、脱着ゾーン13b及び冷却ゾーン13cを順次通過し、1回転して最初の状態に復帰するように構成されている。また、吸着ゾーン13aは、回転吸着塔13の円周の約半分を占め、脱着ゾーン13b及び冷却ゾーン13cは、回転吸着塔13の円周のそれぞれ1/4程度を占めるようになっている。
【0027】
なお、冷却ゾーン13cを省略する場合は、排気管16を排気管17に直結すればよい。これにより、脱着ゾーン13bを通過した吸着剤は直ちに吸着ゾーン13aに入る。この場合、脱着ゾーン13bにおいて高温に加熱された吸着剤は、排気管12から吸着ゾーン13aに導入された排ガスにより冷却され、吸着剤の温度が約200℃以下程度になってから窒素酸化物の吸着が開始される。
【0028】
回転吸着塔13の回転機構はここでは図示しないが、電気モータ等を駆動源とする駆動機構により、回転軸Oを中心として回転する公知の方法で構成することができる。回転部分は内部の筒22だけであり、後述する排気管等は回転することなく固定されている。
従って、装置の効率を上げるためには、回転吸着塔13と後述の各排気管とのガス密閉が必要であるが、その密閉機構には特に限定はなく、公知の方法を利用して行うことができる。また、通常排ガスを送るために必要な配気管途中のブロアー等の装置についても、必要に応じて設置されるが、ここでは記載を省略している。
【0029】
吸着ゾーン13aの下側には前述の排気管12が接続され、酸化触媒塔23から排出された酸化処理後の排ガスを供給できるようになっている。また、吸着ゾーン13aの上側には排気管14が接続され、吸着処理後のオフガスをこの排気管14を介して煙突15から大気中に排出できるようになっている。また、処理装置10には排気管14の途中から分岐する別の排気管16が備えられ、この排気管16を通って吸着後のオフガスの一部を冷却ゾーン13cに供給できるようになっている。なお、オフガスは吸着ゾーン13aを通過する際に吸着剤と熱交換されて冷却されるようになっている。
尚、吸着ゾーンの温度(相対的低温)は50〜200℃の範囲が好ましく、100〜150℃の範囲がより好ましい。
【0030】
冷却ゾーン13cの下側には前述の排気管16が接続され、この排気管16を介して供給されたオフガスによって、加熱ゾーン13bで加熱された吸着剤を冷却できるようになっている。また、冷却ゾーン13cの吸着ゾーン13aに隣接する側には別の排気管17が接続され、冷却ゾーン13cを通過したオフガスがこの排気管17を通って加熱ゾーン13bに供給されるようになっている。なお、オフガスは冷却ゾーン13cを通過する際に吸着剤と熱交換されて加熱されるようになっている。
【0031】
加熱ゾーン13bの上側には前述の排気管17が接続され、この排気管17には加熱装置18が取り付けられている。そして、加熱装置18によって更に加熱されたオフガスが加熱ゾーン13bに供給されることにより、加熱ゾーン13b内の吸着剤が加熱され、窒素酸化物を脱着するようになっている。また加熱ゾーン13bの下側には別の排気管19が接続され、加熱ゾーンで脱着された窒素酸化物がこの排気管19を介して燃焼器11に供給されるようになっている。尚、脱着ゾーンの温度(相対的高温)は200〜350℃の範囲が好ましく、200〜300℃の範囲がより好ましい。
【0032】
回転吸着塔13に充填される吸着剤21にはシリカゼオライトが用いられる。このシリカゼオライトとしては、SiO/Al比が70以上の超安定Y型ゼオライト又はSiO/Al比が25以上のペンタシルゼオライトを用いることが好ましい。また、シリカゼオライトとして、SiO/Al比が25以上100未満のペンタシルゼオライトを用いてもよい。更に、シリカゼオライトとして、SiO/Al比が100以上のペンタシルゼオライトを用いてもよい。また、シリカゼオライトとして、SiO/Al比が25以上100以下のペンタシルゼオライトであり、かつ該シリカゼオライト中に含まれる水素基がNa、K、Li、Mg、Ca、Srのうちのいずれかのカチオンに置換されたものを用いてもよく、特にNa、K、Liのいずれかのカチオンで置換したものがより好ましい。
更に、シリカゼオライトとして、SiO/Al比が70以上の超安定Y型ゼオライトであり、かつ該シリカゼオライト中に含まれる水素基がNa、K、Li、Mg、Ca、Srのうちのいずれかのカチオンに置換されたものを用いてもよい。
【0033】
超安定Y型ゼオライト、ペンタシルゼオライトはいずれも高シリカゼオライトと称されるものである。これらのゼオライトはいずれも窒素酸化物の吸着能力が高く、しかも比較的低温で吸着し、比較的高温で脱着するので、温度スイング法による処理には最適な吸着剤である。更にこれらの吸着剤は耐熱性、耐酸性に優れるので、高温での脱着操作が可能であり、濃縮率を向上できるという利点もある。
【0034】
ペンタシルゼオライトは、シリカ源としてケイ酸ナトリウムやヒュームドシリカを使用し、有機テンプレートとしてテトラプロピルアンモニウムブロミドを使用して150〜180℃程度で水熱合成を行って得られるSiO/Al比が10〜1000程度のゼオライトである。その中でもSiO/Al比が25以上のものが好ましい。また、超安定Y型ゼオライトは、SiO/Al比5程度のNa−Y型ゼオライトをアンモニア水で処理することによりゼオライト骨格のAlの大半を除去して得られたSiO/Al比10〜400のゼオライトである。
【0035】
これらの吸着剤は前述したように、処理装置における圧損を低く抑えるため、ハニカム形状に成形して使用するのが好ましい。それによって、100万Nm/h程度の規模の処理装置においても圧損を50mmAq以下に抑えることができる。
【0036】
次に、この処理装置10による窒素酸化物の処理方法について説明する。
【0037】
燃焼器11の運転により排出された排ガスは、排気管12を通って酸化触媒塔23に導入される。排ガス中には窒素酸化物が含まれ、この窒素酸化物は一酸化窒素を主成分とするものである。この一酸化窒素は酸化触媒塔23内に充填された酸化触媒によって酸化され、二酸化窒素に変換される。尚、酸化触媒の温度は、200〜300℃の範囲の温度に加熱しておくことが好ましい。酸化触媒の加熱には、排ガスの熱を利用することができる。
【0038】
次に、酸化触媒塔23を通過した排ガスは、排気管12を通って回転吸着塔13に導入される。排ガス中の窒素酸化物は、吸着塔13内のハニカム筒22が吸着ゾーン13aを通過する際に吸着剤21に吸着される。即ち、回転吸着塔13の吸着ゾーン13aでは、燃焼器11からの排ガス(例えば、温度150〜200℃、二酸化窒素の濃度100〜500ppm)が相対的低温(例えば100〜150℃程度)で導入されて窒素酸化物が吸着される。窒素酸化物がおよそ95%除去されたオフガスは、排気管14を介して煙突15により大気中に排出されるが、オフガスの一部は取り出されて排気管16により、吸着塔13の冷却ゾーン13cに下側から導入されて吸着剤21を100〜150℃程度に冷却して活性化する。
脱着ゾーン13cを出た吸着剤は直ちに吸着ゾーン13aに入り、排ガス中の窒素酸化物の吸着に供される。
なお、排気管16により取り出されるオフガスは、最終的には脱着される窒素酸化物のパージガスとなるので、窒素酸化物の濃縮率を向上させるためには、このオフガス量をできるだけ少なくすることが好ましく、例えば、オフガス全量のうちの5分の1〜20分の1程度にすることが好ましい。
【0039】
冷却ゾーン13cから排出されたオフガスは、排気管17を通じて吸着塔の加熱ゾーン13bに導入されるが、この間に加熱装置18により相対的高温(例えば300℃程度)に加熱される。このオフガス熱によって、吸着塔13内のハニカム筒22が脱着ゾーン13bを通過する際に加熱され、これにより吸着ゾーン13aで吸着剤21に吸着された窒素酸化物が脱着されて、排気管19を通じてオフガスにより搬送され、燃焼器11に送られる。燃焼器では、燃料が酸素とともに燃焼され、この燃焼熱によって回収された窒素酸化物が窒素と酸素に分解される。
【0040】
なお、冷却ゾーン13cを省略した場合は、脱着ゾーン13bを通過した吸着剤が直ちに吸着ゾーン13aに入る。この場合、脱着ゾーン13bにおいて高温に加熱された吸着剤は、排気管12から吸着ゾーン13aに導入された排ガスにより冷却され、吸着剤の温度が約200℃以下程度になってから窒素酸化物の吸着が開始される。
【0041】
本発明の高シリカゼオライトを用いた窒素酸化物の処理方法によれば、触媒酸化装置で吸着剤に吸着されにくいNO成分を酸化して吸着されやすいNOとし、高温・耐酸性のシリカゼオライトを吸着剤として用いて相対的低温で吸着した後、相対的高温で脱着して濃縮回収する、いわゆる温度スイング法を用いて処理する乾式方法であるので、加熱のための熱量や廃液処理等に要するランニングコストを低下させることができ、かつアンモニアを使用しないので保守が簡単で、回収した窒素酸化物成分の処理も、燃焼炉やディーゼル機関の火炉に導入することにより簡単に分解させることができる。
【0042】
また、本発明の窒素酸化物処理装置によれば、高シリカゼオライトを円筒状の吸着塔に充填し、この吸着塔を回転することにより、高シリカゼオライトに、低温ゾーンで窒素酸化物 吸着処理、高温ゾーンで窒素酸化物 脱着処理及び冷却ゾーンで触媒活性再生処理が順次行われ、吸着塔が1回転する間に、窒素酸化物の吸着、脱着と同時に吸着剤である高シリカゼオライトの吸着、再生が行われるので、機構が簡単で且つ効率が良く、ランニングコストを低下させて保守も容易となる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
【0044】
図1に示す処理装置10の酸化触媒塔23に下記表1に記載の酸化触媒をそれぞれ充填した状態で、酸化触媒塔23に対して排ガスを導入し、この排ガスを酸化触媒によって酸化することにより、各酸化触媒のNO酸化率の温度依存性を調べた。結果を図3に示す。
尚、試験条件は、いずれも触媒重量2.35g、SV:10000h−1、Ugs:0.1 m/sec、排ガス中の一酸化窒素濃度200ppm、 酸素濃度5体積%、水分濃度10体積%、 バランスガス:N2、ガス流量500ml/minとした。また、NO酸化率は下記の式1で定義した。
【0045】
【表1】
Figure 2004275805
【0046】
NO酸化率=〔窒素酸化物濃度−出口NO濃度〕/×出口NO濃度×100…(式1)
【0047】
図3に示すように、どちらの酸化触媒も150〜400℃で活性が認められるが、特に200〜350℃の範囲で酸化活性が高く、200〜300℃ではNO酸化率が80%に達しており、高い酸化活性が得られることがわかる。これにより、酸化触媒の温度範囲は、150〜400℃の範囲が好ましく、200〜350℃の範囲がより好ましく、200〜300℃の範囲が特に好ましいことがわかる。
【0048】
次に、図1に示す処理装置10の回転吸着塔13に下記表2に記載の吸着剤21をそれぞれ充填した状態で、回転吸着塔13に対し、先程の酸化触媒塔を通過させた排ガスを導入し、排ガスを吸着剤に吸着させることにより、各吸着剤の吸着量を調べた。結果を図4に示す。
なお、排ガスの入口温度を100℃とし、排ガス中に含まれる二酸化窒素濃度を100ppmとし、入口ガス量を150mN/hとした。
更に、操作条件として、回転吸着塔の回転数:3rph、空塔速度:4m/秒、脱着温度(触媒再生温度)300℃とした。
【0049】
尚、表2中、試験No1のUSYは超安定化Y型ゼオライト(Ultra Stable Y型ゼオライト)であり、試験No2のシリカライトはSiO/Al比が100を超えるペンタシルゼオライトであり、試験No3のZSM−5は、SiO/Al比が100以下のペンタシルゼオライトである。試験No4のメソポーラスシリカは、1〜100nmのメソ孔を有するシリカ系多孔質体であって、製造条件によりSiO/Al比が10から実質的にSiOのみのものまで得られており、比較のために、上記No1〜3の3種のゼオライトと同様にして吸着試験を行った。これらのシリカゼオライトは、いずれもカチオン種を水素イオンで100%置換したものを用いた。
【0050】
【表2】
Figure 2004275805
【0051】
図4に示すように、試験No3のZSM−5は吸着剤1gに対してNO吸着量が0.35 mlNであり、試験No2のシリカライトは0.28mlNであり、試験No1のUSYは0.25mlNであり、いずれも高い吸着量を示したが、試験No4のメソポーラスシリカは0.03mlNと低い吸着性を示した。
このように、本発明にかかるシリカゼオライトは、いずれも二酸化窒素に対して高い吸着性能を示すことがわかる。
【0052】
次に、最も高い吸着率を示したZSM−5吸着剤を用いて、吸着量の温度依存性を調査した。
なお、排ガスの入口温度を100℃とし、排ガス中に含まれる二酸化窒素濃度を1000ppmとし、入口ガス量を150mN/hとした。
更に、操作条件として、回転吸着塔の回転数:3rph、空塔速度4m/秒、脱着温度(触媒再生温度)300℃とした。
図5に、排ガス中の二酸化窒素濃度が1000ppmの場合の温度依存性を示す。
【0053】
図5に示すように、温度が高くなるほどNO吸着量が減少することが分かる。特に図5に示すように、100℃では1.3mlN/gの吸着量を示しており、二酸化窒素濃度の上昇に伴い吸着量が増大することが分かる。
【0054】
因みに、この処理装置の操作条件とその性能の1例を示すと、窒素酸化物を含有する排ガスを、表1の酸化触媒1を充填した酸化触媒塔23に導入し、250℃で一酸化窒素の95%以上を二酸化窒素に酸化した後、回転吸着塔13に導入した。吸着剤として高シリカゼオライト(SiO/Al比が3000のシリカライト)を用い、入口二酸化窒素濃度を400ppmとし、回転吸着塔13の回転数を3rphとし、空塔速度を4m/秒とし、脱着温度(触媒再生温度)を200℃とし、窒素酸化物吸着剤負荷を1950mN/h/tonとし、必要熱量を18kcal・mNとし、必要電力(加熱、冷却ブロアー)を1.36×10−3kwh/mNとした。
その結果、窒素酸化物の除去率は95%で、吸着による濃縮率は20倍であった。また、煙突15から排出されたオフガス中の窒素酸化物濃度は20ppmであった。
【0055】
さらに回転吸着塔13によって8000ppmに濃縮された二酸化窒素を、ディーゼル機関(燃焼器11)に送り、燃料と空気とともに燃焼させた結果、発生した排ガスには二酸化窒素を含む窒素酸化物が400ppm含まれていた。このように、濃縮した二酸化窒素をディーゼル機関等に再度導入することで、窒素と酸素に熱分解することができ、二酸化窒素濃度を減少させることが可能になる。
【0056】
次に、図1に示す処理装置10の回転吸着塔13に下記表3に記載の吸着剤21をそれぞれ充填した状態で、回転吸着塔13に対し、先程の酸化触媒塔を通過させた排ガスを導入し、排ガスを吸着剤に吸着させることにより、各吸着剤の吸着量を調べた。結果を図6に示す。
なお、排ガスの入口温度を100℃とし、排ガス中に含まれる二酸化窒素濃度を100ppmとし、共存する水分量を12体積%とし、入口ガス量を150mN/hとした。
更に、操作条件として、回転吸着塔の回転数:3rph、空塔速度:4m/秒、脱着温度(触媒再生温度)300℃とした。
【0057】
尚、表3中、試験No5のUSYは超安定化Y型ゼオライト(Ultra Stable Y型ゼオライト)であり、試験No6のシリカライトはペンタシルゼオライトであり、試験No7のメソポーラスシリカは1〜100nmのメソ孔を有するシリカ系多孔質体であって、製造条件によりSiO/Al比が10から実質的にSiOのみのものまで得られており、比較のために、上記No5〜6の2種のゼオライトと同様にして吸着試験を行った。これらのシリカゼオライトは、いずれもカチオン種をカリウムイオンで100%置換したものを用いた。
【0058】
【表3】
Figure 2004275805
【0059】
図6に示すように、試験No5のカリウム置換USY(K−USY)はSiO/Al比が10〜100の範囲で0.25mlN以上のNO吸着量を示しており、試験No6のカリウム置換シリカライト(K−シリカライト)はSiO/Al比が10〜100の範囲で0.2mlN以上のNO吸着量を示しており、いずれも高い吸着量を示したが、試験No7のカリウム置換メソポーラスシリカ(K−メソポーラスシリカ)はどのSiO/Al比のときでも0.1mlN以下であり、低い吸着性を示した。
このように、カリウムで置換したシリカゼオライトは、いずれも二酸化窒素に対して高い吸着性能を示すことがわかる。
【0060】
次に、試験例No5〜No7の吸着剤について、吸着量の温度依存性を調査した。
なお、排ガスの入口温度を100℃とし、排ガス中に含まれる二酸化窒素濃度を100ppmとし、共存する水分量を12体積%とし、入口ガス量を150mN/hとした。また、操作条件として、回転吸着塔の回転数:3rph、空塔速度:4m/秒とした。更に、試験例No5(K−USY)のSiO/Al比を12とし、試験例No6(K−シリカライト)のSiO/Al比を25とし、試験例No7(K−メソポーラスシリカ)のSiO/Al比を25とした。
図7に、排ガス中の二酸化窒素濃度が100ppmの場合の吸着量の温度依存性を示す。
【0061】
図7に示すように、温度が高くなるほどNO吸着量が減少することが分かる。特に、図7に示すように、吸着温度が100℃以下で試験No5及びNo6の吸着剤はいずれも0.2mlN/g以上の吸着量を示し、更に温度250℃から300℃の範囲で0.1mlN/g以下の吸着量を示しており、相対的高温時と相対的低温時における吸着量の差が大きくなっている。従って、吸着時の温度を50〜100℃とし、脱着時の温度範囲を250〜300℃とすることで、吸脱着効率を高くできることが分かる。
一方、試験No7のK−メソポーラスシリカでは、温度が高くなるほどNO吸着量が減少するのは試験No5,6と同様であるが、図7に示すように、吸着温度が100℃以下での吸着量が0.2mlN/g以下であり、温度250℃から300℃の範囲で吸着量が0.1mlN/g以下であるため、相対的高温時と相対的低温時における吸着量の差が少なく、吸脱着効率が低いことが分かる。
【0062】
次に、試験例No5〜No7の吸着剤について、カリウムイオンの置換量と吸着量との関係を調査した。
なお、排ガスの入口温度を100℃とし、排ガス中に含まれる二酸化窒素濃度を100ppmとし、共存する水分量を12体積%とし、入口ガス量を150mN/hとした。また、操作条件として、回転吸着塔の回転数:3rph、空塔速度:4m/秒とした。更に、試験例No5(K−USY)のSiO/Al比を12とし、試験例No6(K−シリカライト)のSiO/Al比を25とし、試験例No7(K−メソポーラスシリカ)のSiO/Al比を25とした。更に、カチオン(Na)交換量の全体に占めるカリウムの交換量を0〜100モル%の範囲とした。
図8に、排ガス中の二酸化窒素濃度が100ppmの場合の吸着量のカリウム置換量依存性を示す。
【0063】
図8に示すように、試験5及び試験6については、カリウム置換量が70モル%を超えた付近から吸着量が急激に増大し、カリウム置換量が100モル%となったときに、試験No5(K−USY)で吸着量が7倍、試験No6(K−シリカライト)で吸着量が5倍に増加している。従って、カチオン置換量を70モル%以上にすることで、吸脱量を大幅に増加できることがわかる。
一方、試験No7のK−メソポーラスシリカでは、試験例No5、No6と同様に、カリウム置換量が70モル%を超えた付近から吸着量が増大するものの、カリウム置換量が100モル%になったときでも吸着量の絶対値は0.1mlN/g程度しかなく、試験No5、6の吸着量には全く及ばないことが分かる。
【0064】
次に、SiO/Al比が25のシリカライトと、SiO/Al比が12のUSYについて、カチオン種をLi、Na、K、Mg、Ca、Sr、Cuにそれぞれ100モル%置換したものについて、二酸化窒素の吸着量を調査した。
尚、排ガスの入口温度を100℃とし、排ガス中に含まれる二酸化窒素濃度を100ppmとし、共存する水分量を12体積%とし、入口ガス量を150mN/hとした。また、操作条件として、回転吸着塔の回転数:3rph、空塔速度:4m/秒とした。結果を表4に示す。
【0065】
【表4】
Figure 2004275805
【0066】
表4に示すように、どのカチオン種でも優れた吸着量を示すが、特にLi、Na、K、Mgで置換したものが比較的優れた吸着量を示すことが分かる。
【0067】
【発明の効果】
本発明の窒素酸化物の処理方法は、NO等の窒素酸化物を酸化触媒により酸化して吸着性を高くした後、USY、ペンタシルゼオライト等の高温・耐酸性の高シリカゼオライトを用いて、排ガス等のガス中の窒素酸化物を吸着して濃縮し、次いで吸着した窒素酸化物を加熱により脱着した後、ディーゼル機関等の燃焼器に還流することにより分解する乾式方法による処理方法であり高い吸着率が得られる。
【0068】
従って、濃縮率が高いので装置がコンパクトとなり、更に、アンモニア等の処理液が不要であり、加熱のための熱量等に要するランニングコストを低下させ、窒素酸化物成分を選択的に吸着でき極めて実用的である。
【0069】
また、本発明の窒素酸化物処理装置を用いることにより、窒素酸化物の吸着から分解まで連続的に処理でき、窒素酸化物の吸着率も高く、更に、装置の動力エネルギー等のランニングコストを著しく低下させることが可能であり、かつ保守が簡単で経済的であり、極めて効率の高い実用的な装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である処理装置を示す模式図。
【図2】回転吸着塔の内部構造を示す斜視図。
【図3】反応温度とNO酸化率の関係を示すグラフ。
【図4】各吸着剤の二酸化窒素吸着量を示すグラフ。
【図5】ZSM−5の二酸化窒素吸着量の温度依存性を示すグラフ。
【図6】各吸着剤のSiO/Al比と二酸化窒素吸着量との関係を示すを示すグラフ。
【図7】各吸着剤の二酸化窒素吸着量と吸着温度との関係を示すを示すグラフ。
【図8】各吸着剤のカリウムイオン交換量と二酸化窒素吸着量との関係を示すを示すグラフ。
【符号の説明】
10 処理装置(窒素酸化物処理装置)
11 燃焼器
13 回転吸着塔
13a 吸着ゾーン
13b 脱着ゾーン
13c 冷却ゾーン
21 吸着剤
23 酸化触媒塔(酸化触媒部)
O 回転軸

Claims (17)

  1. 排ガス中の窒素酸化物をシリカゼオライトからなる吸着剤によって相対的低温で吸着した後、該吸着剤を相対的高温に加熱して窒素酸化物を脱着することを特徴とする窒素酸化物の処理方法。
  2. 排ガス中の窒素酸化物を前記吸着剤に吸着させる前に、前記排ガス中の窒素酸化物を酸化触媒によって酸化することを特徴とする請求項1に記載の窒素酸化物の処理方法。
  3. 脱着後の窒素酸化物を高温分解することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒素酸化物の処理方法。
  4. 前記シリカゼオライトとして、SiO/Al比が70以上の超安定Y型ゼオライト又はSiO/Al比が25以上のペンタシルゼオライトを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の窒素酸化物の処理方法。
  5. 前記シリカゼオライトとして、SiO/Al比が25以上100以下のペンタシルゼオライトであり、かつ該シリカゼオライト中に含まれる水素基がNa、K、Li、Mg、Ca、Srのうちのいずれかのカチオンに置換されたものを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の窒素酸化物の処理方法。
  6. 前記シリカゼオライトとして、SiO/Al比が70以上の超安定Y型ゼオライトであり、かつ該シリカゼオライト中に含まれる水素基がNa、K、Li、Mg、Ca、Srのうちのいずれかのカチオンに置換されたものを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の窒素酸化物の処理方法。
  7. 前記酸化触媒として、CuO:20〜22質量%、MnO:50〜78質量%を含み、これらCuO及びMnOをアルミナに坦持したものを用いることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれかに記載の窒素酸化物の処理方法。
  8. 前記酸化触媒の温度を、150℃以上400℃以下の範囲とすることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれかに記載の窒素酸化物の処理方法。
  9. シリカゼオライトからなる吸着剤が充填されて、回転軸を中心に回転する回転吸着塔を具備してなり、
    前記回転吸着塔を回転させることにより、前記吸着剤が、窒素酸化物を相対的低温で吸着処理させる吸着ゾーンと、窒素酸化物を相対的高温で脱着処理させる脱着ゾーンとを順次連続的に回転移動させるようにしたことを特徴とする窒素酸化物処理装置。
  10. 前記吸着ゾーンと前記脱着ゾーンの間に、脱着ゾーンにおいて相対的高温に加熱された吸着剤を冷却する冷却ゾーンが備えられていることを特徴とする請求項9に記載の窒素酸化物処理装置。
  11. 前記回転吸着塔の前段に、排ガス中の窒素酸化物を酸化触媒により酸化する酸化触媒部が備えられることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の窒素酸化物処理装置。
  12. 前記回転吸着塔の後段に、脱着後の窒素酸化物を高温分解する高温分解部が備えられることを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の窒素酸化物処理装置。
  13. 前記シリカゼオライトとして、SiO/Al比が70以上の超安定Y型ゼオライト又はSiO/Al比が25以上のペンタシルゼオライトを用いることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の窒素酸化物処理装置。
  14. 前記シリカゼオライトとして、SiO/Al比が25以上100以下のペンタシルゼオライトであり、かつ該シリカゼオライト中に含まれる水素基がNa、K、Li、Mg、Ca、Srのうちのいずれかのカチオンに置換されたものを用いることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の窒素酸化物処理装置。
  15. 前記シリカゼオライトとして、SiO/Al比が70以上の超安定Y型ゼオライトであり、かつ該シリカゼオライト中に含まれる水素基がNa、K、Li、Mg、Ca、Srのうちのいずれかのカチオンに置換されたものを用いることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の窒素酸化物処理装置。
  16. 前記酸化触媒として、CuO:20〜22質量%、MnO:50〜78質量%を含み、これらCuO及びMnOをアルミナに坦持したものを用いることを特徴とする請求項11ないし請求項15のいずれかに記載の窒素酸化物処理装置。
  17. 前記酸化触媒の温度を、150℃以上400℃以下の範囲とすることを特徴とする請求項11ないし請求項16のいずれかに記載の窒素酸化物の処理装置。
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