JP4256216B2 - ガス処理装置およびガス処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス処理装置およびガス処理方法に関し、特に窒素酸化物を含むガスを処理対象とするガス処理装置およびガス処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
低濃度の窒素酸化物を、ゼオライト系の吸着剤を用いた圧力スイング法、温度スイング法、または温度・圧力スイング法で吸着分離して濃縮したのち、ガスエンジン、焼却炉等の燃焼場に導くことによって、濃縮された窒素酸化物の相当量を窒素に分解することは、後記の特許文献1から従来公知である。
【0003】
また、希薄な窒素酸化物を含有する大気雰囲気下にあるガスを吸着剤で乾式処理して主として窒素酸化物を吸着し、つぎに当該吸着剤を加熱ガスで処理して吸着ガスを脱着して再生させ、脱着した窒素酸化物は脱着触媒で分解処理して系外に排出し、再生した前記吸着剤は、冷却して前記吸脱着を繰り返す方法において、前記吸着剤の再生を酸素濃度を低減したイナートな加熱ガス雰囲気中で行うと共に再生終了時および冷却時の雰囲気の酸素濃度をほぼゼロないし若干の還元雰囲気とする窒素酸化物の除去方法も後記の特許文献2から従来公知である。また特許文献2には、吸着剤としてγ−アルミナに白金を担持させた貴金属系吸着剤や活性炭素系吸着剤の記載、さらには脱着に際しては100〜120℃付近で先ず水分が脱着し、一層高温度において窒素酸化物が脱着することの記載もある。
【0004】
さらに、窒素酸化物を3%以上の濃度で有する被処理ガスを2000K以上の熱プラズマを発生する熱プラズマ発生装置にて加熱分解する技術も後記の特許文献3から従来公知である。また特許文献3には、吸着剤として塩化銅で活性化したゼオライトの記載もある。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−317720号公報(請求項1、段落番号0015、図1)、
【特許文献2】
特開平8−299758号公報(請求項1、段落番号0050〜0058、図2)
【特許文献3】
特開2002−273161号公報(請求項1〜請求項4)
【0006】
ところで吸着剤として、特許文献1で使用されているゼオライト系吸着剤、特許文献2で使用されているγ−アルミナに白金を担持させた貴金属系吸着剤や活性炭素系吸着剤、特許文献3で使用されている塩化銅で活性化したゼオライトのいずれもは、吸水性が強くて吸水した状態では窒素酸化物を吸着する能力が低下するので、使用に際しては事前に脱水乾燥処理をする必要があって、この処理のために窒素酸化物の除去コストが大きくなる問題がある。また窒素酸化物を含む被処理ガスを熱プラズマ発生装置にて加熱分解する場合、特許文献3の記載によれば、被処理ガス中に含まれている窒素酸化物の濃度が低いと、窒素酸化物の分解効率が低下する問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、斯界における如上の諸問題に鑑みて、従来技術と比較して低コストで、しかも高分解効率で窒素酸化物を熱プラズマ発生装置にて加熱分解可能なガス処理装置並びにガス処理方法を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のガス処理装置は、吸着剤としてAl 1モルあたりのSiO のモル比が3〜800の疎水性吸着剤を有する吸着装置、吸着成分を含む上記吸着剤に対して大気圧下または真空下で50℃〜150℃未満での水分の脱着処理と150℃以上〜600℃で窒素酸化物の脱着処理が可能な脱着装置、および上記窒素酸化物を熱分解するための熱プラズマ発生装置を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明のガス処理方法は、窒素酸化物を含む被処理ガスをAl 1モルあたりのSiO のモル比が3〜800の疎水性吸着剤と接触させる第一工程、吸着成分を含む上記吸着剤を大気圧下50℃〜150℃未満で水分を脱着させる第二工程、上記第二工程の後に真空下150℃以上〜600℃で窒素酸化物を脱着させる第三工程、および上記第三工程において脱着した脱着成分を2000K以上の熱プラズマを発生する熱プラズマ発生装置により加熱分解する第四工程を含むことを特徴とするものである。
【0010】
本発明において、脱着装置として50℃〜150℃未満で大気圧下または真空下での水分の脱着処理と150℃以上〜600℃で真空下での窒素酸化物の脱着処理が可能なものを採用する理由、並びに上記の第二工程と第三工程を150℃で分割した理由は、次に説明する実験1〜4から得られた次の知見に基づく。即ち、イ、150℃未満では水分が主体で脱着し、150℃以上では二酸化窒素(以下、NO2)などの窒素酸化物(以下、NOx)も脱着する。ロ、第三工程(以下において高温脱着処理と称することがある。)では、真空中で減圧脱着することにより残留ガスを含むことなく、高濃度のNO2を低温で短時間(450℃で31分間保持)に完全脱着回収できる。ハ、第二工程(以下において低温脱着処理と称することがある。)では、真空中で減圧脱着した場合、80℃で約20分間保持すると、上記イ、ロの高温脱着処理との組み合わせにより、NO2を20%の濃度で89%回収できる。また140℃で約20分間保持すると27%の濃度で81%回収できる。ニ、また、低温脱着処理では、大気中でキャリアガスを流しながら脱着した場合、108℃〜121℃まで3.1分〜3.6分で昇温する(保持なし)と、上記イ、ロの高温脱着処理との組み合わせによりNO2を20%の濃度で99.9%以上回収できる。また150℃まで5分で昇温すると28.2%〜39.9%の濃度で99.9%以上回収できる。したがって、より低エネルギー(温度と時間の積が小)で吸着されている水分の大部分を、NO2を殆ど含まないで脱着できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図11は、本発明のガス処理装置およびガス処理方法における実施の形態1を説明するものであって、そのうちの図1は実施の形態1のガス処理装置の概略フロー図、図2は図1に含まれている脱着装置の詳細フロー図である。
【0012】
図1および図2において、実施の形態1のガス処理装置は、前記吸着装置の一例としての吸着塔1、ブロア2、脱着装置3、熱プラズマ発生装置4、開閉弁5、を備えており、脱着装置3は、脱着塔31、冷却装置32、開閉弁33、ベローズ式吸引・圧縮ポンプ34、開閉弁35a、開閉弁35b、開閉弁35c、貯蔵タンク36、開閉弁37、水タンク38a、低圧水タンク38b、開閉弁39を備えている。図1および図2において、矢印付きの実線は管路を示し、矢印はガスや水などの流体の流れ方向を示す。
【0013】
吸着塔1内には、疎水性吸着剤11が充填されている。疎水性吸着剤11としては、SiO/Al比(Al1モルあたりのSiOのモル数、以下S/A比)が3〜800、特に4〜100のものが好ましい。なお疎水性ゼオライト11としては、Naイオンあるいはその他の金属イオン含有物質を含んだものであってもよいが、上記のS/Aを有しながら、且つNaイオンなどの金属イオン類がHイオンで置換されることによって当該金属イオン含有物質の含有量が、1重量%以下、特に0.5重量%以下となっているものは、吸湿状態であってもNOxに対して優れた吸着性能を有すると共に、後記するように水分とNOxに対する脱着特性に顕著な差異があって、両者を個別に脱着させ易いので特に好ましい。
【0014】
かかる好ましい疎水性ゼオライト11の例としては、結晶構造がフォージャサイト型およびMFI型のものが好ましい。さらにフォージャサイト型においては、S/A比が10〜360、金属イオンがHイオンで交換されたものが好ましい。後記する実験では、S/A比が15程度で、Hイオンで交換されたもの(これをゼオライトタイプAと呼ぶ)が用いられている。また上記のMFI型ゼオライトにおいては、S/A比が40〜800で、金属イオンがHイオンで交換されたものが好ましい。上記で説明したゼオライトは、粉末の形態のみならず、粘土やアルミナをバインダーとした円柱状、球状の形態で用いることもできる。
【0015】
つぎに実施の形態1に示すガス処理装置の動作並びにガス処理方法について説明する。NOxを含む被処理ガス、例えば、道路トンネルなどで発生する低濃度NOx含有大気は、吸着塔1に導入され、NOxは吸着塔1内の疎水性吸着剤11に吸着される。NOxが吸着された処理済みのガスは、無害であるので、ブロア2により大気中に放出される。なお、疎水性吸着剤11は、前記特許文献1〜特許文献3に記載された吸着剤類と異なって、水分を吸着していてもNOxに対する吸着力は実質的に低下しないので、事前に脱水乾燥処理を施すことなく吸着塔1内に投入されてよく、またNOxを含む被処理ガスも乾燥処理を施すことなく吸着塔1に導入されてよい。したがって本発明によれば、疎水性吸着剤11や被処理ガスを事前に乾燥処理する必要がないので、運転エネルギーおよび運転コストを従来技術と比較して大幅に低減できる利点がある。
【0016】
NOxを吸着した疎水性吸着剤11は、脱着塔31に移され、そこで脱着処理されるが、NOx以外に多量の水分を吸着しているので、先ず50℃〜150℃未満の低温度で脱着処理される。この低温脱着処理では、疎水性吸着剤11に吸着されたNOxは脱着せず、吸着水分の大部分を脱着させることができる。なお後記する実験1および実験2から明らかにされるように、低温脱着処理は、それが過度の低温で行われると水分の脱着に長時間を要し、一方、150℃以上では著しいNOxの脱着が生じるので、本発明では上記の温度範囲で行われる。第二工程においては、開閉弁33を閉じ開閉弁37、39を開いて、キャリアガスとして清浄空気を流しながら大気圧下で脱着する。脱着水分は冷却装置32により凝縮され、水タンク38aに収納される。キャリアガスは水タンク38aを通過後(A)大気中へ排気または図1の吸着塔1の入口(A)に戻される。
【0017】
低温脱着処理の後、150℃以上〜450℃の高温度で脱着処理する。この際、後記の実験2ではキャリアガスを流したが出来るだけ高濃度のNOxを回収するために、予め、脱着塔31と低圧水タンク38bと貯蔵タンク36とこれらを繋ぐ配管を含む系内の残留ガスを排気しておく。まず、脱着塔31の温度は150℃のままでもよいが、望ましくは真空中でもNOxが脱着しにくい80℃にまでキャリアガスを流しながら冷却する。次いで開閉弁35c、開閉弁37、開閉弁39を閉じる。そして開閉弁33、開閉弁35a、開閉弁35bを開き、且つベローズ式吸引・圧縮ポンプ34を稼動して、貯蔵タンク36内の残留ガスを排気する。排気ガスは、開閉弁35bを通過して水タンク38aを経由して(A)大気中へ排気または図1の吸着塔1の入口に戻される。その後、開閉弁35a、開閉弁35bを閉じ、開閉弁33、開閉弁35cを開き、脱着塔31を150℃以上に加熱する。
【0018】
吸着塔31内に脱着・拡散する脱着水分と脱着NOxは、ベローズ式吸引・圧縮ポンプ34によって吸引されるので、脱着塔31内部は10Torr以下に維持される。一方、圧縮された脱着ガスは、最大2気圧まで貯蔵タンク36に圧縮収納される。その際に当該脱着水分の一部は、冷却装置32により凝縮されて低圧水タンク38bに収納される。貯蔵タンク36へ収納後は、開閉弁33、開閉弁35cを閉じ、吸引・圧縮ポンプ34を停止する。ついで開閉弁39、開閉弁37を開き清浄空気を流し、脱着塔31の温度を下げるとともに、低圧水タンク38bの水を水タンク38aに回収する。後記の実験1、2および実験3から明らかにされるように、高温脱着処理の温度が450℃以上であると、疎水性吸着剤11に吸着されたNOxの大部分は脱着する。
【0019】
以上のように、疎水性吸着剤11に吸着された吸着水分は、低温脱着処理によりその大部分が脱着除去され、さらに高温脱着処理の際に脱着する残余の吸着水分の一部も冷却装置32により凝縮され除去されるので、貯蔵タンク36にはNOxを高濃度で、例えば20容量%程度で含むガスが収納される。ついで開閉弁5を開くと貯蔵タンク36内のNOx含有ガスは、熱プラズマ発生装置4に注入され、加熱分解される。熱プラズマ発生装置4において加熱処理された処理済みガスは、NOxの除去を一層確実にするために、新しい被処理ガスと一緒に吸着塔1に導入される。熱プラズマ発生装置4およびその加熱分解条件は、前記特許文献3に記載された通りであってよい。
【0020】
つぎに疎水性吸着剤11における、水分とNOxとの吸・脱着の挙動を実験1および実験2により示す。なお一般的に、処理対象とされるNOxガス類中で、有害度並びに含有量において最も主要なものはNO2である。よってこれらの実験では、相対湿度80%の清浄な空気にNO2を20容量ppm混合したものを試料ガスとして用いた。また疎水性吸着剤11として、ゼオライトタイプAを204mg用い、それを充填した吸着塔1に上記試料ガスを導入し、15時間かけてNO2を吸着させた(吸着量は29.8mg/g)、ゼオライトタイプA(以下NOx吸着物1)と24時間かけてNO2を吸着させた(吸着量は40.3mg/g)N0x吸着物2を得た。
【0021】
実験1
上記NOx吸着物1を10.7mg採取し、これに就き昇温速度10℃/分の条件で熱重量分析した。その結果を図3に示す。図3は、脱着時間と脱着温度と脱着に基づく重量低下率の関係を示すグラフであって、同図において、横軸は脱着時間、縦軸(右)はNOx吸着物の温度(℃)であり、縦軸(左)は次式(1)のようにNOx吸着物の初期重量に対する重量低下率(%)を示す。
初期重量に対する重量低下率
=−(初期重量−測定された重量)/(初期重量)・・・・・(1)
これによると、600℃では重量変化が殆どなくなり完全に脱着していることがわかる。完全脱着重量(600℃までのNOx吸着物1の重量低下量)に対するNOx吸着物1の重量低下量(以下重量低下率相対値とする)は、100℃までに−56%、150℃までに−71%、450℃までに−98%、580℃までに−99.8%になる。
【0022】
実験2.
上記NOx吸着物2のほぼ全量(約0.2g)を採取し、これに就き、相対温度80%の清浄な空気を1420mリットル/分の流量で流しながら実験1とほぼ同じ平均昇温速度10℃/分(初期は速い)で450℃昇温まで昇温する。引き続き450℃で約240分間保持して脱着処理し、脱着ガス中のNO2の濃度を測定した。その結果を図4のグラフに示す。図4は、脱着時間と脱着温度と脱着NO2濃度との関係を示すグラフであって、同図において、横軸は時間、縦軸(左)は脱着ガス中のNO2濃度の相対値(%)、縦軸(右)は、NOx吸着物の温度(℃)を示す。このグラフから次式(2)を用いて、ある時間までの脱着重量(NO2重量低下率)を計算でき、脱着終了時までに吸着量(40.3mg/g、19.6ml/g)の34%が脱着したことがわかる。
NO2脱着重量=キャリアガス流量×
Σ(ガス中のNO2濃度×時間幅)/22.4×46・・・(2)
【0023】
図5は、実験2における時間毎の温度と次式で定義するNOx吸着物1g当りに含まれる水分とNO2の合計重量低下率相対値、および水分とNO2各々の重量低下率相対値、即ち上記実験2の合計の飽和脱着重量(完全脱着重量=40.3mg/g)を100%とした値、を示す。これら図5、図4は、後記の図6にもとづいて作成したものである。ただし実験2の水分の飽和脱着重量は、実験1と同じ104mg/gとし、NO2との合計飽和重量は144mg/gとする。そして、飽和に至る途中の合計重量低化率相対値は、次式(3)で定義する温度時間積が実験1に等しい時の値とした。ただし実験1の450℃〜600℃の温度時間積は、温度×時間(但しnは、1.46:最終値が実験2と同じ値になる値)に等しいとした。図5において、NO2(a)は、NO2の飽和脱着重量が吸着量の34.2%(13.8mg/g、6.71mg/g)のときのNO2重量低下率の変化を示し、水分(a)はその時の水分重量低下率相対値、合計重量(a)は、水分とNO2の合計重量の低下率相対値を示す。
時間t2の温度時間積=(時間t2までの温度時間積)+(時間t1の温度+時間t2の温度)/2(t2−t1)・・・・(3)
【0024】
ここで、NO2の脱着量および水分とNO2の合計脱着量は、高温脱着処理工程条件(圧力、450℃以上の温度や保持時間など)の違いにより異なる。前記の実験1に示すように600℃まで昇温した場合や後記の実施の形態2(実験3)に示すように、真空中で減圧脱着すれば吸着量にほぼ等しい値が得られる。そこで図5、図6、および後記の図7には、NO2の飽和脱着量が吸着量(40.3mg/g)に等しいとした場合のNO2重量低下率相対値(NO2(b))、その時の水分重量低下率相対値、および水分とNO2の合計重量低下率相対値(合計(b))も併記する。ただし以下の補正をしている。
【0025】
即ち、水分(b)は、合計(b)とNO2(b)との差とし、NO2(b)は、NO2(a)/34.2%とする。450℃以上では、水分(b)が水分(b)(水分の飽和値)を越えるので、その間は線形に低下するとして補正し、NO2(b)は合計(b)と補正後の水分(b)との差とする。水分(a)は、NO2(b)がNO2(a)に等しいときの水分(b)に等しいとし、合計(a)は、水分(b)とNO2(a)との和とする。飽和に至る途中の合計(a)は、合計(b)に比例し、合計(a)=合計(b)/合計(b)・合計(a)とし、水分(a)は合計(a)とNO2(a)との差とする。さらに340℃以上では、水分(a)が水分(a)(水分の飽和値)を越えるので、その間は線形に低下するとして補正し、NO2(a)は合計(a)と補正後の水分(a)との差とする。
【0026】
図6は、上記実験2における時間毎の温度とNOx吸着物1g当りに含まれる水分とNO2とその合計についての重量低下率相対値、および低温脱着処理中のガスに含まれるNO2の濃度(容量%)と最大濃度を100%とした脱着ガスのNO2濃度相対値(%)を示す図である。図7は、上記実験2における時間毎のNOx吸着物1gあたりに含まれる水分とNO2とその合計重量に就いての脱着速度相対値、および低温脱着処理以後高温脱着処理(大気中で600℃までもしくは真空中で450℃に保持して完全脱着)したガス中に含まれるNO2濃度(容量%)とNO2回収率の計算値を示す図である。
【0027】
ここで上記各量は、次式(4)〜(10)で定義した値である。
ある時間帯の脱着速度相対値
=ある時間帯の脱着重量相対値/ある時間帯の時間幅・・・・(4)
NO2の脱着重量相対値
=(ある時間帯の脱着ガスのNO2濃度相対値)×時間幅×(NO2の飽和脱着重量相対値)/(NO2濃度相対値×時間幅の合計)・・・・(5)
水分の脱着重量相対値
=ある時間帯の合計脱着ガス重量相対値−NO2の脱着重量相対値・・・・(6)
高温脱着処理回収ガスのNO2濃度 =高温脱着処理回収ガスのNO2の容量相対値/(同NO2の容量相対値+同水分の容量相対値)・・・・(7)
NO2回収率=高温脱着処理回収ガスのNO2の重量相対値/NO2の完全脱着重量相対値・・・・(8)
高温脱着処理回収ガスのNO2の容量相対値=(NO2の完全脱着重量相対値−NO2の低温脱着処理での脱着重量相対値)/46・・・・(9)
高温脱着処理回収ガスの水分の容量相対値=(水分の完全脱着重量相対値−水分の低温脱着処理での脱着重量相対値)/18・・・・(10)
【0028】
図8は、NO2の脱着量の合計が吸着量の34.2%(13.8mg/g、6.71mg/g)とした場合(NO2(a))と100%(40.3mg/g、19.6mg/g)とした場合(NO2(b))について、温度とNO2と水分の脱着速度の計算値の時間変化を図7に基づいて作成したグラフである。図9は、図7をもとに作成した高温脱着処理回収ガスのNO2濃度およびNO2回収率(縦軸)の低温脱着(脱水)処理温度(横軸)依存性を示すグラフであり、図10は、低温脱着(脱水)処理までの温度時間積(横軸)依存性を示すグラフである。比較のため、後記の実験3(低温脱着(脱水)処理も真空中で行った場合)の結果を併記する。図11は、その基データである。
【0029】
これらの大気中での実験から次の新しい知見が得られた。即ち図5が示すように、450℃で310分保持(実験2)した場合、NO2脱着量は、吸着量の34.2%になる可能性がある。しかし、図3から明らかなように、450℃から600℃までを15分で昇温(実験1)すればNO2を100%脱着できる。また後記の図13と図14から明らかなように、真空中では450℃で31分保持(実験3)すれば100%脱着できる。
【0030】
図8から明らかな通り、150℃未満ではNO2の脱着量は著しく低く、実質的に水分のみが脱着し、150℃程度以上からは残存する水分の脱着に加えてNO2の脱着が生じることがわかる。そこで150℃未満で脱水処理(低温脱着処理)してから真空中でNO2回収(高温脱着処理)すると高濃度・高効率で回収できる。図9と図10より、低温脱着処理温度または温度時間積が大きいほどNO2濃度は高くなるが、回収率は低下する。NO2濃度が20%以上となる低温脱着処理温度は、108℃〜121℃であり、温度時間積では210℃×分〜270℃×分である。このときのNO2回収率は99.9%以上である。NO2濃度が20%になる温度は、真空中で低温で保持しながら脱着処理する方法(実験3)の80℃以下にくらべると高いが、その他の真空中での処理方法に比べて低く、NO2回収率も高い。またNO2濃度が20%になる温度時間積は、他の真空中で低温脱着処理した実験3にくらべ最も小さく、脱着エネルギーが小さい。またNO2回収率も高い。
【0031】
実施の形態2
図12〜図23は、本発明のガス処理装置およびガス処理方法における実施の形態2を説明するものであって、図12は、前記図1に含まれている脱着装置の詳細フロー図である。図12において、脱着装置3は、脱着塔31、冷却装置32、開閉弁33a、開閉弁33b、開閉弁33c、ベローズ式吸引・圧縮ポンプ34、開閉弁35、低圧貯蔵タンク36b、貯蔵タンク36a、開閉弁37、水タンク38a、低圧水タンク38b、開閉弁39、40、41、真空ポンプ42、を備えている。図12において、矢印付きの実線は管路を示し、矢印はガスや水などの流体の流れ方向を示す。
【0032】
つぎに、実施の形態2に示すガス処理装置の動作並びにガス処理方法について説明する。実施形態1では低温脱着処理において大気圧下にてキャリアガス(清浄空気)を用いたが実施形態2では減圧脱着をすることにより、より低温で脱着が可能となる。まず図12の開閉弁39、33a、33b、33c、35、37を閉じ、開閉弁40、41を開いて真空ポンプ42を稼動し、脱着塔31の温度を80℃まで昇温し、保持する。そして脱着着塔31内の圧力を10Torr以下の圧力にまで排気する。脱着水分は実施形態1と同様に、冷却装置32により凝縮され、低圧水タンク38bに収納され、排気ガスは水タンクを通過後(A)、図1の吸着塔1に戻される。
【0033】
低温脱着後、開閉弁40を閉じ開閉弁33b、開閉弁33c、開閉弁35を開き、低圧貯蔵タンク33b、ベローズ式吸引・圧縮ポンプ34、貯蔵タンク36a内の残留ガスを10Torr以下の圧力にまで排気する。その後、開閉弁33b、40、41を閉じ真空ポンプ42を停止し、開閉弁41を閉じて開閉弁33aを開き脱着塔31を450℃まで昇温し保持すると、脱着塔31内の残余の脱着水分と脱着NOxは低圧貯蔵タンク36bに収納される。低圧貯蔵タンク36bの容積は、脱着塔31内のガスを吸引しても10Torr以下の圧力に保持できる大きさとしている。その際に当該脱着水分の一部は、冷却装置32により凝縮されて低圧水タンク38bに収納される。
【0034】
つぎに開閉弁33a、開閉弁33bを閉じベローズ式吸引・圧縮ポンプ34を稼動すると、低圧貯蔵タンク36bの内の脱着ガスは、貯蔵タンク36aに最大2気圧まで圧縮収納される。収納後は、開閉弁33c、開閉弁35を閉じ、吸引・圧縮ポンプ34を停止する。ついで開閉弁39、開閉弁37を開き清浄空気を流し、脱着塔31の温度を下げるとともに、低圧水タンク38bの水を水タンク38aに回収する。後記の実験3から明らかにされるように、疎水性吸着剤11に吸着された吸着水分は、80℃までの低温度で処理することによりその大部分が脱着除去され、450℃で短時間(約32分)保持することにより貯蔵タンク36aにはNOxを高濃度、例えば20容量%程度以上、含むガスが収納される。
【0035】
実験3
つぎに実施の形態2でおこなった脱着実験結果を示す。タイプAの吸着剤に相対湿度が約60%、NO2濃度が7容量ppmの空気を約20時間流入し、NO2として6.4Nml(=0.0131g、9.09mg/g、但し10%の誤差を含む)を吸着させた重量が1.521gの試料を用いた。7個の試料についてキャリアガスとして乾燥空気を0.1cc/minで流しながら80℃、100℃、120℃、140℃、250℃、350℃、および450℃まで、各温度までの平均昇温速度を27℃/分、33℃/分、37℃/分、39℃/分、45℃/分、41℃/分、25℃/分(80℃からは24℃/分)で昇温し、各温度にて約20分(450℃では約31分)保持して脱着処理した重量を測定し脱着重量を求めた。そして、脱着過程で容量が2150mlの低圧貯蔵タンク36bに収納された脱着ガス中のNO2濃度を測定し、その重量を求めた。
【0036】
図13は、7つの試料の脱着温度履歴を示すグラフであり、図14は、後記の図15を基に作成したそのときの重量低下率相対値(完全脱着重量が90mg/gである場合の合計の飽和脱着重量を100%とした値)とその内のNO2重量低化率相対値の時間経過を示すグラフである。ただし、各試料の合計重量低化率相対値の最終温度までの変化は、簡単のため温度時間積に比例するとして推定した値である。そしてNO2重量低化率相対値は、昇温時間帯では試料7と同じであり、保持時間帯では温度時間積が試料7に等しいときの値に等しいとした。図16には、450℃脱着まで保持時間なしで昇温した試料7の脱着温度経過と脱着塔31の出口で測定した、NO2濃度相対値の時間変化を示すグラフである。
【0037】
図15は、このときのNO2濃度データとこれをもとに計算した水分とNO2およびその合計の重量低下率を示す。ただしNO2重量低化率相対値は、次式(11)で定義する脱着ガス流量NO2濃度積に比例するとした計算値であり、同図の温度時間積が図11における同じ温度時間積の平均脱着容量速度合計に等しいとした。
時間t2の脱ガス流速NO2濃度積=(時間t2までの脱ガス流速NO2濃度積)+(時間t1の脱ガス流速×NO2濃度+時間t2の脱ガス流速×NO2濃度)/2(t2−t1)・・・・・(11)
【0038】
図17には、時間毎のNOx吸着物1g当りに含まれる水分とNO2およびその合計に就いての脱着速度相対値、および次式(12)で定義する低温脱着(脱水)処理終了温度Tから最終温度までに脱着(高温脱着処理)したガスに含まれるNO2濃度と次式(13)で定義するNO2回収率の計算値を示す。ただし高真空にして残留ガスとキャリアガスのない場合について計算した。脱着速度相対値の時間変化を図18のグラフに示し、NO2濃度と回収率を前記の図9と図10のグラフに併記する。
T℃から450℃保持までの高温脱着処理ガスに含まれるNO2濃度
=(T℃から450℃保持までのNO2脱着モル数)/(T℃から450℃保持までのNO2と水分の脱着モル数+残留ガスのモル数+ T℃から450℃保持までのキャリアガスのモル数)・・・・(12)
回収率=(T℃から450℃保持までのNO2脱着モル数)/(450℃保持までのNO2脱着モル数)・・・・(13)
【0039】
これらの結果から次の新しい知見が得られた。即ち、低温で保持すると水分のみ脱着する。保持温度が高いほど、高温処理回収ガスのNO2濃度は高くなるがNO2の回収率は低下する。低温貯蔵タンク内の残留ガス圧力が10Torrで保持時間が約20分の場合、140℃で低温処理すると高温処理回収ガスのNO2濃度は15%、回収率は81%である。キャリアガスとして乾燥空気を0.1ml/minを流入しているが、貯蔵タンクの容量が2150mlであり52分間流入しても1.9Torrにしかならない量であり、残留ガスにくらべて小さい。キャリアガスを用いず、且つ低温貯蔵タンクの残留ガスを高真空化により完全に除去しておけば、140℃で低温処理した高温処理ガスに含まれるNO2濃度は27%、回収率は81%(変わらず)にできる。また、昇温速度が速く(昇温速度を27℃/分〜74℃/分)保持しない場合は低温では脱水量が少ないため、キャリアガスを用いず、且つ低温貯蔵タンクの残留ガスを高真空化により完全に除去しておいても、250℃で低温脱着処理した高温脱着処理ガスに含まれるNO2濃度は12%程度であり、400℃で低温脱着処理してはじめて20%程度になる。
【0040】
実験4
次に実施の形態2で行った脱着実験結果を示す。試料は、実験3と同じものを用いた。約12℃/分の昇温速度で80℃まで昇温し、約16分保持して脱水し、その後は実験3の試料7と同じ平均昇温速度(約24℃/分)で450℃まで昇温し約31分保持した。
【0041】
図19は、脱着時間に対する脱着温度と脱着にもとづくNOx吸着物1g当りに含まれる水分とNO2の合計重量低下率相対値、および水分とNO2各々の重量低下率相対値(完全脱着重量が90mg/gである場合の合計の飽和脱着重量を100%とした値)を示すグラフであり、後記の図21にもとづいて作成したものである。
【0042】
図20は、脱着時間に対するNOx吸着物の温度(℃)と脱着塔出口の脱着ガス中に含まれるNO2濃度の相対値(%)を示すグラフであり、後記の図21にもとづいて作成したものである。図22は、脱着温度と脱着時間に対する水分とNOxの脱着速度の関係を示すグラフであり、後記の図23にもとづいて作成したものである。図21は、時間に対する脱着温度、温度時間積、NOx吸着物の重量実測値と重量低下率、吸着物1g当りに含まれる水分とNO2およびその合計の重量低下率相対値(合計飽和脱着重量;90mg/g、に対する脱着重量)、全脱着ガスに含まれるNO2の濃度(容量%)と最大濃度を100%とした脱着ガスのNO2濃度相対値(%)および装置内部圧力計測値を示す表である。同表において、27℃〜80℃保持後までの脱着(主として脱水)による合計重量低下率(合計脱着量)は、同表に示すその間の次式(14)で定義する圧力時間積に比例するとして計算し、80℃〜450℃保持における合計重量低下率(合計脱着量)は温度時間積に比例するとし、実験3における同じ温度時間積の合計重量低化率相対値に等しいとして計算した。そしてNO2の重量低下率は、同表に示す脱ガス流速NO2濃度積に比例するとして計算した。
【0043】
図21は、脱着速度相対値、および低温脱着(脱水)処理終了温度から最終温度までに脱着(高温脱着処理)したガスに含まれるNO2濃度とNO2回収率の計算値を示す図である。ただしキャリアガスを用いず且つ低圧貯蔵タンクの残留ガスは、無視できる程度に高真空化している。
時間t2の圧力時間積=(時間t2までの圧力時間積)+(時間t1の圧力+時間t2の圧力)/2(t2−t1)・・・・(14)
【0044】
図19、20、および図22から明らかなように、およそ80℃まで昇温して保持するまではほぼ水分のみが脱着する。図21、図23によれば、77.5℃まで昇温して83.8℃まで15.6分保持する低温脱着(脱水)処理すると、水分とNO2の合計の重量低下率相対値は73.7%、NO2重量低下率相対値は1.02%である。その後高温脱着処理(450℃に加熱しその後約31分保持)すると飽和(100%)し、NO2の重量低下率相対値は11.7%になるので、脱着回収ガス中に含まれるNO2濃度は21.3%[(11..7−1.02)×100/(11.7−1.02+88.3−72.7)×46/18)]になる。以上のように低温脱着処理を減圧脱着した場合は、実施の形態1の大気圧脱着にくらべ低温で脱水処理できる。また後記の実施の形態3にくらべ、真空ポンプ42と低圧貯蔵タンク35bを備えているために一層低い圧力にまで減圧脱着が可能であり、より低温で短時間に脱着できる。
【0045】
実施の形態3
実施の形態の3は、実施形態の2と同様に低温脱着処理工程を減圧下にて行うものであるが、脱着装置の詳細フロー図は図2と同じである。つぎに実施の形態3に示すガス処理装置の動作並びにガス処理方法について説明する。まず図2の開閉弁39、35a、35c、37を閉じ、開閉弁33、開閉弁35bを開いてベローズ式吸引・圧縮ポンプ34を稼動し、脱着塔の温度を80℃まで昇温し、保持する。そして脱着着塔31内の圧力を10Torr以下にまで排気する。脱着水分は、実施形態1と同様に冷却装置32により凝縮され、低圧水タンク38bに収納され、排気ガスは水タンクを通過後(A)、図1の吸着塔1に戻される。
【0046】
低温脱着処理の後、150℃以上〜450℃の高温度で脱着処理する。この際、開閉弁33、開閉弁35cを閉じ、開閉弁35a、開閉弁35bを開き、且つベローズ式吸引・圧縮ポンプ34を稼動して、系内の残留ガスを排気する。その後、開閉弁35a、開閉弁35bを閉じ、開閉弁33、開閉弁35cを開き、脱着塔31を150℃以上に加熱する。吸着塔31に残余する脱着水分と脱着N0xは、10Torr以下の圧力にまで吸引され、最大2気圧まで貯蔵タンク36に圧縮収納される。
【0047】
その際に当該脱着水分の一部は、冷却装置32により凝縮されて低圧水タンク38bに収納される。収納後は開閉弁33、開閉弁35を閉じ、吸引・圧縮ポンプ34を停止する。ついで開閉弁39、開閉弁37を開き清浄空気を流し、脱着塔31の温度を下げるとともに、低圧水タンク38bの水を水タンク38aに回収する。前記の実験3から明らかなように、疎水性吸着剤11に吸着された吸着水分は、80℃までの低温度で処理することによりその大部分が脱着除去され、450℃で短時間(約32分)保持することにより、貯蔵タンク36aにはNOxを例えば20容量%以上の高濃度で含むガスが収納される。
【0048】
【発明の効果】
以上の結果から、本発明のガス処理装置およびガス処理方法によれば、NOxより桁違いに吸着量の多い水分が脱着する状況下にありながら、専ら水分が脱着する150℃未満と、NO2および水分が脱着する150℃以上とに脱着処理温度を区別することができる。さらに脱着した水分とNO2との混合物中の水分を凝縮除去すれば、NOxの一層の高濃度化も可能となる。また低温脱着(脱水)処理(第一工程)ではキャリアガスを流しながら大気中で行い、高温脱着処理(第二工程)では真空中で行うことにより温度と時間の積が小さい、つまり低エネルギーでNO2を高濃度で回収率も高く脱着できる。
【0049】
NOxを熱プラズマにより80%以上の高分解率にて分解させるには、被分解ガス中に含まれるNOxの濃度を少なくとも20容量%とする必要があるが、以上の脱着処理温度の区分と水分の凝縮除去により、それが可能となる。また、脱着したNOxガスが多量の水分と共存する場合には、水に溶解したNOxにより硝酸や亜硝酸が生じて容器内壁に結露して容器を腐食する問題があるが、水分の相対量を少なくすることによりNOxの溶解量が少なくなって、かかる腐食問題も免れる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1のガス処理装置の概略フロー図。
【図2】 図1に含まれている脱着装置の詳細フロー図。
【図3】 脱着時間および脱着温度と脱着に基づく重量低下率との関係を示すグラフ。
【図4】 脱着時間および脱着温度と脱着NO2濃度との関係を示すグラフ。
【図5】 脱着時間および脱着温度と脱着に基づく重量低下率との関係を示すグラフ。
【図6】 脱着時間および脱着温度と脱着に基づく重量低下率との関係を示す表。
【図7】 脱着時間および脱着温度と脱着速度相対値およびNO2回収率の関係を示す表。
【図8】 脱着時間および脱着温度とNO2および水分の脱着速度の関係を示すグラフ。
【図9】 高温脱着処理回収ガスのNO2濃度およびNO2回収率の脱水処理温度依存性を示すグラフ。
【図10】 高回収NO2濃度および回収率の脱水処理温度時間積依存性を示すグラフ。
【図11】 図9および図10のグラフ作成のための基データを示す表。
【図12】 実施の形態2のガス処理装置に含まれている脱着装置の詳細フロー図。
【図13】 7つの試料の脱着温度履歴を示すグラフ。
【図14】 脱着時間と合計重量低下率およびNO2重量低化率の関係を示すグラフ。
【図15】 図14のグラフ作成のための基データを示す表。
【図16】 脱着時間および脱着温度と脱着塔出口でのNO2濃度相対値の関係を示すグラフ。
【図17】 脱着時間および脱着温度と脱着速度相対値およびNO2回収率の関係を示す表。
【図18】 脱着時間および脱着温度と脱着速度相対値の関係を示すグラフ。
【図19】 脱着時間および脱着温度と合計重量低下率相対値および水分とNO2各の重量低下率相対値の関係を示すグラフ。
【図20】 脱着時間および脱着温度と脱着塔出口での脱着NO2濃度の関係を示すグラフ。
【図21】 図20のグラフ作成のための基データを示す表。
【図22】 脱着時間および脱着温度と水分およびNOxの脱着速度の関係を示すグラフ。
【図23】 図22のグラフ作成のための基データを示す表。
【符号の説明】
1 吸着塔、11 疎水性吸着剤、2 ブロア、3 脱着装置、
31 脱着塔、32 冷却装置、33 開閉弁、
34 ベローズ式吸引・圧縮ポンプ、35 開閉弁、35a 開閉弁、
35b 開閉弁、35c 開閉弁、36 貯蔵タンク、36a 貯蔵タンク、
36b 低圧貯蔵タンク、貯蔵タンク36a、37 開閉弁、
38a 水タンク、38b 低圧水タンク、39 開閉弁、40 開閉弁、
41 開閉弁、42 真空ポンプ、4 熱プラズマ発生装置、5 開閉弁。

Claims (4)

  1. 吸着剤としてAl 1モルあたりのSiO のモル比が3〜800の疎水性吸着剤を有する吸着装置、吸着成分を含む上記吸着剤に対して大気圧下または真空下で50℃〜150℃未満での水分の脱着処理と150℃以上〜600℃で窒素酸化物の脱着処理が可能な脱着装置、および上記窒素酸化物を熱分解するための熱プラズマ発生装置を備えたことを特徴とするガス処理装置。
  2. 上記脱着装置は、上記窒素酸化物の脱着処理の少なくとも最終段階において上記吸着剤を実質的に一定の温度に保持可能であることを特徴とする請求項1記載のガス処理装置。
  3. 上記プラズマ発生装置は、2000K以上の熱プラズマを発生すると共に上記窒素酸化物を含む脱着成分を加熱分解するものであることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか一項記載のガス処理装置。
  4. 窒素酸化物を含む被処理ガスをAl 1モルあたりのSiO のモル比が3〜800の疎水性吸着剤と接触させる第一工程、吸着成分を含む上記吸着剤を大気圧下50℃〜150℃未満で水分を脱着させる第二工程、上記第二工程の後に真空下150℃以上〜600℃で窒素酸化物を脱着させる第三工程、および上記第三工程において脱着した脱着成分を2000K以上の熱プラズマを発生する熱プラズマ発生装置により加熱分解する第四工程を含むことを特徴とするガス処理方法
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