JP2563862B2 - 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤 - Google Patents

低濃度窒素酸化物の吸着除去剤

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JP2563862B2 JP3286277A JP28627791A JP2563862B2 JP 2563862 B2 JP2563862 B2 JP 2563862B2 JP 3286277 A JP3286277 A JP 3286277A JP 28627791 A JP28627791 A JP 28627791A JP 2563862 B2 JP2563862 B2 JP 2563862B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種道路トンネル、山
岳トンネル、海底トンネル、地下道路、シェルター付道
路等の各種トンネルにおける換気ガス中に含有される低
濃度の窒素酸化物(NOx)を効率よく除去する吸着除
去剤に関するものである。
【0002】
【発明の背景】各種道路トンネル、山岳トンネル、地下
道路、シェルター付道路等(本明細書では、これらのト
ンネルを総称して「道路トンネル等」と呼ぶこととす
る)において、特に長大で自動車交通量の多いものにつ
いては、通行者の健康保護や明視距離の改善を目的に相
当量の換気を行なう必要がある。また、比較的短距離の
トンネルでも都市部あるいはその近郊では、出入口部に
集中する一酸化炭素(CO)、NOx等による大気汚染
を防止する方法として、トンネル内の空気を吸引排気
(換気)する方法がある。
【0003】しかしながら、換気ガスをそのまま周囲に
放散したのでは、地域的な環境改善にはならず、特に自
動車排ガスによる汚染が平面的に拡がっている都市部あ
るいはその近郊では高度の汚染地域を拡大させることに
なりかねない。既設道路の公害対策としてトンネル化、
シェルター設置を図る場合も、前述の事情は全く同じで
ある。
【0004】本発明は、このような道路トンネル等の換
気ガス中に含有される低濃度のNOxを効率よく除去す
る吸着除去剤に関するものである。
【0005】
【従来の技術】各種トンネルの換気ガスは、その中に含
有されるNOxの濃度が約5ppm と低く、ガス温度は常
温で、ガス量は交通量に従って大きく変動することで特
徴付けられる。
【0006】従来より各種ボイラー燃焼排ガスの浄化を
目的に検討されてきた、固定発生源からのNOxの除去
方法は、次の3つに大別される。
【0007】(1) 接触還元法 これは、アンモニアを還元剤とし排ガス中のNOxを選
択的に還元して無害な窒素と水蒸気にするもので、ボイ
ラー排ガスの脱硝法として最も一般的な方法である。し
かしながら、この方法は、処理ガス温度を200℃以上
にする必要があるため、道路トンネル等の換気ガスのよ
うに常温でガス量が多い場合には、処理ガスの昇温に多
大のエネルギーを要するため、経済的な処理方法ではな
い。
【0008】(2) 湿式吸収法 これは、二酸化窒素(NO2 )や三酸化窒素(N
2 3 )が水やアルカリ水溶液に吸収されることを利用
したもので、酸化触媒やオゾン注入により一酸化窒素
(NO)を酸化した後に吸収させたり、吸収液に酸化性
を付加する方法が知られている。しかしながら、これら
の方法ではNOxが硝酸塩や亜硝酸塩として吸収液に蓄
積されるため、吸収液の管理や後処理が必要であり、プ
ロセスが複雑となる。また酸化剤のモル当りの単価は接
触還元法で用いられるアンモニアと比べ高価であり、プ
ロセスの経済性に問題がある。
【0009】(3) 乾式吸着法 これは、適当な吸着剤を用いて排ガス中のNOxを吸着
除去する方法で、ボイラー排ガスの脱硝法として接触還
元法が定着するまでは数例検討された。しかしながら、
ボイラー排ガスは(ア)NOxの濃度が高い、(イ)ガ
ス温度が高い、(ウ)水分濃度が高いために、乾式吸着
法は接触還元法と比べ経済性において見劣りし、現在ま
で実用化されていない。
【0010】ところが、道路トンネル等の換気ガスの浄
化方法として乾式吸着法を評価すれば、ボイラー排ガス
の場合とは全く異なり、プロセスが簡単となり経済的な
方法であることが判明した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】低濃度NOxの吸着除
去剤として、本願発明者らは、先に、5ppm という低濃
度のNOxを効率よく吸着除去することを企図した吸着
剤として、天然または合成ゼオライトに、塩化銅、塩化
銅の複塩および塩化銅のアンミン錯塩から選択される少
なくとも1種の銅塩を担持させて成る、低濃度NOxの
吸着除去剤(特開平1−299642号公報参照)、お
よびアナターゼ型のチタニアより成る担体にバナジウム
を担持させて成る吸着除去剤(特願平2−340627
号明細書参照)をそれぞれ提案した。
【0012】しかし、これらの吸着剤は、水分(または
湿分)濃度が高くなると吸着性能の低下(劣化現象)を
来たすという問題を有していた。
【0013】そのため、これら吸着剤では、良好な吸着
性能を発揮させるには、湿分濃度を露点で約−35℃以
下(約200ppm 以下)にする必要があり、NOx除去
プロセスとしてNOx吸着除去の前段に脱湿工程を設
け、処理すべきガスを脱湿(除湿)する必要があった。
【0014】湿分の影響を受けない吸着除去剤が開発さ
れれば、NOx除去装置の小型化、省エネルギー化が図
られ、その経済的効果が高いので、湿分の影響を受けな
い吸着除去剤が切望されている。
【0015】本発明者らは、こうした高湿分下でも機能
する吸着剤として、γ−アルミナより成る担体にルテニ
ウムを担持させてなる吸着除去剤を提案した(特願平3
−194513号明細書参照)。
【0016】しかし、この吸着除去剤は、処理ガス中に
含まれる硫黄酸化物(SOx)により、担体であるアル
ミナ(酸化アルミニウム;Al2 3 )が硫酸塩化され
るために、担体の硫酸塩化の程度に応じて吸着性能が低
下するという難点を有している。
【0017】本発明は、上記の如き実情に鑑み、処理ガ
ス中のSOxによっても被毒されず、しかも高湿分下で
も機能する吸着除去剤を提供し、もってNOx除去装置
の小型化、省エネルギー化に資することを目的としたも
のである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく種々検討した結果、低濃度のNOxを含有す
るガスを、特定の形状を有するアナターゼ型チタニア・
ルテニウム系吸着剤に接触させることにより、NOxを
効率よく吸着除去できることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0019】すなわち、本発明による低濃度NOxの吸
着除去剤(以下単に吸着剤という)は、アナターゼ型チ
タニアを保持したセラミックペーパー担体にルテニウム
が担持されていることを特徴とするものである。
【0020】本発明による低濃度NOxの吸着除去剤を
製造するには、セラミックペーパーにアナターゼ型チタ
ニアゾルを含浸させて乾燥ないし焼成して担体を得、つ
いでこの担体にルテニウムを含浸担持して乾燥ないし焼
成する。
【0021】本発明による吸着剤の第1の特徴は、担体
としてアナターゼ型のチタニアを保持したセラミックペ
ーパーを用いる点である。
【0022】セラミックペーパーは、セラミックスファ
イバーの抄紙によって製造される。セラミックペーパー
の市販品を使用することもできる。
【0023】アナターゼ型のチタニアゾルとしては、た
とえば、硫酸法チタニア製造時の中間品である水和チタ
ニア(チタン酸スラリー)やチタン酸スラリーを解膠・
安定化したものが使用される。
【0024】アナターゼ型のチタニアはその保持量が多
くなるほどNOx吸着性能が高くなる傾向を示す。アナ
ターゼ型のチタニアの保持量が20g/m2 以下では、
NOx吸着性能が急激に低下するため、同保持量として
は20g/m2 以上が好ましい。
【0025】つぎに、本発明による吸着剤の第2の特徴
は、上記担体にルテニウム(Ru)を担持することにあ
る。
【0026】ルテニウムの担持量については、ルテニウ
ム金属として最終吸着剤の約0.01重量%以上が好ま
しく、さらには約0.1〜5重量%が好ましい。
【0027】ルテニウムの担持は、一般には、塩化ルテ
ニウム(RuCl3)等のルテニウム化合物を適当な溶
媒に溶解させた溶液に、上記担体を浸漬することにより
行なう。ただし、この方法は限定的なものではない。
【0028】ルテニウムの担持量は、一般に、浸漬溶液
中のルテニウム濃度、浸漬温度、浸漬時間等によって調
整する。浸漬後、吸着剤を溶液から分離し、水洗後、空
気中にて約100〜120℃で乾燥する。また、乾燥品
は必要に応じて約300〜500℃で焼成する。なお、
吸着、脱着、再生等の繰返しによる連続使用の際には、
吸着剤の使用最高温度より若干高い温度での処理が必要
な場合もある。
【0029】また、吸着剤に吸着したNOxは加熱によ
り容易に脱着する。そのため吸着剤の再生が簡便になし
得る。したがって、本発明による吸着剤は、NOxの吸
着と脱着(再生)を連続的に繰り返す回転式のNOx吸
着ローターの吸着剤として好適に利用可能である。
【0030】道路トンネル等からの換気ガスのように、
大量のガスを処理する場合においては、流通抵抗が少な
く圧力損失を極力小さくする必要がある。そのため、平
板状のアナターゼ型チタニア保持セラミックペーパーと
波板状のアナターゼ型チタニア保持セラミックペーパー
を1枚置きに配してなる平板・波板多層構造の吸着剤担
体にルテニウムが担持されているハニカム状の吸着剤が
望ましい。
【0031】
【実施例】つぎに、本発明の実施例およびこれと比較す
べき比較例をそれぞれいくつか挙げる。
【0032】実施例1 市販のセラミックペーパー(日本無機(株)製、成分;
シリカ:アルミナ=50:50、厚さ;0.25mm、坪
量;46g/m2 )を所定の寸法に切断し、アナターゼ
型のチタニアゾル(TiO2 含有量;約30重量%)に
室温で浸漬した。浸漬後、直ちにこのセラミックペーパ
ーを平板上に取り出し、ローラー等により余分なチタニ
アゾルを落とし均一な厚さとすると同時に、熱風により
乾燥した。こうして成形した平板状チタニアゾル含浸セ
ラミックペーパーを電気炉に入れ、空気中400℃で3
時間焼成して、平板状のチタニア保持セラミックペーパ
ー担体を得た。
【0033】また、上記アナターゼ型チタニアゾル浸漬
後のセラミックペーパーを波板上に取り出し、それ以後
は上記と同じ操作を行うことにより、波板状のチタニア
保持セラミックペーパー担体を得た。
【0034】チタニアゾル含浸前の重量と焼成後の重量
との差により、TiO2 担持量を求めた結果、85g/
2 のTiO2 が保持されていた。
【0035】上記操作により幅の異なる複数の平板状の
チタニア保持セラミックペーパー担体と波板状のチタニ
ア保持セラミックペーパー担体とをそれぞれ製作した。
ついで、図1に示すように、所要幅の平板(1) と波板
(2) を1枚置きに積重ねて円柱状の積重ね体を形成し、
これをセラミックペーパー製のバンドで仮結束し、平板
・波板多層構造の吸着剤担体(外寸;径22mm×長さ5
0mm、幾何表面積;0.0385m2 、重量;4.3g
(TiO2 含有量;3.3g)を得た。
【0036】この平板・波板多層構造の吸着剤担体を塩
化ルテニウム(RuCl3 )水溶液(Ru濃度;0.3
8重量%)100mlに室温で30分間浸漬した。ついで
これを水洗した後、約110℃で2時間乾燥してハニカ
ム状のRu担持チタニア吸着剤(Ru担持量;0.55
重量%)を得た。
【0037】この吸着剤を内径22mmのステンレス製反
応管(3) に充填すると共に、仮結束用バンドを取外し
た。ついでこの吸着剤を乾燥空気(湿分濃度;約50pp
m )流通中(2.5NL/分)約300℃で1時間処理し
た後、室温まで放冷した。放冷後、乾燥空気の流通を一
旦止め、吸着剤層に3.5ppm のNOxを含む湿分濃度
500ppm の調湿空気(2.5NL/分)を導入し、導入
直後から反応管の出口ガス中のNOx濃度を化学発光式
分析計で測定した。出口ガス中のNOx濃度の経時変化
を図2に実施例1として示す。なお、図2中の縦軸に
は、出口ガス中のNOx濃度を入口ガス中のNOx濃度
で除した値(「破過率」と呼ぶ)が目盛ってある。
【0038】同図中の実施例1の曲線から明らかなよう
に、出口ガス中のNOx濃度が入口濃度の10%(破過
率;0.1)、すなわち0.35ppm に到達するまでの
時間(「10%破過時間」と呼ぶ)は、24.0分であ
った。
【0039】比較例1 チタニアゾル(TiO2 含有率;約30重量%)を空気
中にて400℃で3時間焼成してアナターゼ型チタニア
(比表面積;99.3m2 /g)を得、これを8〜14
メッシュに破砕篩分した。得られたアナターゼ型チタニ
ア粉末を担体として用いる以外は、実施例1と同じ操作
を行い、Ru担持アナターゼ型チタニア吸着剤(Ru担
持量;0.21重量%)を調製した。
【0040】この吸着剤5ml(4.2g)を実施例1と
同様に反応管に充填し、同じ条件で出口NOx濃度を測
定した。この時のNOx濃度の経時変化を図2に比較例
1として示す。同図中の比較例1の曲線より明らかなよ
うに、破過時間は31.3分であった。
【0041】このことにより、アナターゼ型チタニアを
保持したセラミックペーパーよりなる担体にルテニウム
が担持されている実施例1の吸着剤は、チタニアの微粒
子がセラミックペーパー全体に広範囲に均一に分散担持
された状態になっているため、粒状のチタニア担体を用
いた比較例1の吸着剤と比べ、チタニア重量当たりの吸
着性能が高く、チタニア担体の表面だけでなく内部も無
駄なく有効に機能していることが判る。
【0042】実施例2 セラミックペーパーにアナターゼ型のチタニアゾルを含
浸する際、浸漬時間および浸漬回数だけを変えて、その
ほかは実施例1と同様に操作し、TiO2 担持量20g
/m2 の平板状および波板状のチタニア保持セラミック
ペーパー担体を得た。
【0043】これらの平板と波板を用いて実施例1と同
様に操作し、平板・波板多層構造の吸着剤担体(外寸;
径22mm×長さ50mm、幾何表面積;0.0417
2 、重量;4.2g(TiO2 含有量;0.8g)を
得た。
【0044】この平板・波板多層構造の吸着剤担体に実
施例1と同様の方法でルテニウムを担持して、ハニカム
状のRu担持チタニア吸着剤(Ru担持量;0.13重
量%)を得た。
【0045】この吸着剤を実施例1と同様に反応管に充
填し、同じ条件で出口NOx濃度を測定した。この測定
結果を図3に実施例2として示す。
【0046】また、セラミックペーパー担体中のTiO
2 保持量と10%破過時間の関係を図4に示す。
【0047】実施例3 セラミックペーパーにアナターゼ型のチタニアゾルを含
浸する際、浸漬時間および浸漬回数だけを変えて、その
ほかは実施例1と同様に操作し、TiO2 担持量100
g/m2 の平板状および波板状のチタニア保持セラミッ
クペーパー担体を得た。
【0048】これらの平板と波板を用いて実施例1と同
様に操作し、平板・波板多層構造の吸着剤担体(外寸;
径22mm×長さ50mm、幾何表面積;0.0375
2 、重量;4.4g(TiO2 含有量;3.8g)を
得た。
【0049】この平板・波板多層構造の吸着剤担体に実
施例1と同様の方法でルテニウムを担持して、ハニカム
状のRu担持チタニア吸着剤(Ru担持量;0.66重
量%)を得た。
【0050】この吸着剤を実施例1と同様に反応管に充
填し、同じ条件で出口NOx濃度を測定した。この測定
結果を図3に実施例3として示す。
【0051】また、セラミックペーパー担体中のTiO
2 保持量と10%破過時間の関係を図4に示す。
【0052】図3および図4に見られるとおり、TiO
2 保持量が多くなるほどNOx吸着性能が高くなる傾向
が見られる。TiO2 保持量が20g/m2 以下では、
NOx吸着性能が急激に低下するため、TiO2 保持量
としては20g/m2 以上が好ましい。
【0053】吸着NOxの脱着再生温度 実施例1に従ってNOxの吸着除去を行なった後、反応
管に、湿分濃度500ppm に調整した空気を2.5NL
/分で流通させながら吸着剤の温度を昇温した。この場
合の反応管出口ガス中のNOx濃度の変化を図5に示
す。
【0054】同図に見られるとおり、吸着剤の温度が高
くなるにつれて、脱着するNOx量が増加し、その結果
として出口NOx濃度が急激に高くなる。
【0055】一方、脱着により、吸着剤中に残存するN
Ox量が減るのに伴って、脱着NOx量が低下し出口N
Ox濃度も低くなる。このため出口NOx濃度はピーク
(脱着ピークと呼ぶ)を持つ曲線となる。実施例1の吸
着剤を用いたNOx吸着除去後の場合、脱着ピークは約
240℃であった。
【0056】これに対して、比較例1の吸着剤を用いた
NOx吸着除去後、この吸着剤を上記と同じ操作で脱着
処理した場合、図6に示すように、脱着ピークは約29
0℃であった。
【0057】このことにより、担体として、チタニア保
持セラミックペーパー担体を用いた実施例1の吸着剤の
方が、粒状のチタニア担体を用いた比較例1の吸着剤と
比べて、吸着NOxの脱着がより低温で行なえ、吸着剤
の再生が容易であることが判る。
【0058】実施例4(吸着剤の再生) 実施例1に従ってNOxの吸着除去を行なった後、反応
管に、湿分濃度500ppm に調整した空気を2.5NL
/分で流通させながら吸着剤の温度を昇温した。こうし
て、図5に示すように、吸着剤の再生を行なった。その
後、反応管に、湿分濃度500ppm の調湿空気(2.5
NL/分)を流通させながら、吸着剤を室温まで放冷し
た後、調湿空気の流通を一旦止め、実施例1と同様の条
件で反応管出口ガス中のNOx濃度を測定した。この時
のNOx濃度の経時変化を図7に実施例4として示す。
【0059】図7において、実施例1と実施例4の各曲
線の比較より明らかなように、吸着剤に吸着したNOx
は、吸着剤を空気流通下で加熱することにより脱着させ
ることが可能で、吸着剤は容易に再生できることが判
る。このことは、吸着・再生を繰り返して吸着剤を連続
的に使用できることを示唆しており、本発明者らが提案
している道路トンネル換気ガスの浄化装置(特開平2−
26616号公報参照)において用いる回転式のNOx
吸着ローターとしてこの吸着剤を利用できる。
【0060】実施例5(湿分濃度の影響) 実施例1と同様の方法で調製したRu担持チタニア吸着
剤を実施例と同様に反応管に充填し、同じ条件で乾燥つ
いで放冷した後、乾燥空気の流通を一旦止め、吸着剤層
に反応ガスとして3.5ppm のNOxを含む調湿空気
(湿分濃度;約22,000ppm 、温度;26.0℃、
相対湿度;51%)を2.5NL/分でを導入し、反応
管出口ガス中のNOx濃度を測定した。この濃度の経時
変化を図8に実施例5として示す。また、同図に実施例
1の結果も示す。
【0061】図8において、湿分濃度の異なる2つの曲
線の比較より明らかなように、湿分濃度が高くなっても
NOx吸着性能は低下せず、大気空気の湿分濃度でも効
率よくNOxを吸着除去できることが判る。
【0062】Ru担持量 実施例1と同様の操作で平板・波板積層構造の吸着剤担
体を調製した。この吸着剤担体を所定濃度の塩化ルテニ
ウム水溶液に室温で所定時間浸漬し、これを水洗ついで
乾燥してRu担持量の異なる吸着剤を得た。
【0063】これらの吸着剤を実施例1と同様に反応管
に充填し、同様の条件で出口ガス中のNOx濃度を測定
し、10%破過時間を求めた。Ru担持量と10%破過
時間の関係を図9に示す。
【0064】同図に見られるとおり、Ru担持量が増加
するにつれて10%破過時間が長くなり、すなわちNO
x吸着性能が良くなるが、Ru担持量が約2重量%以上
では10%破過時間がほぼ一定になることが判る。
【0065】また、担体として粒状のチタニア担体を用
いた点を除いて上記と同じ操作を行った。この場合のR
u担持量と10%破過時間の関係も図9に示す。
【0066】担体の形状を異にする2つの吸着剤の比較
より、同じ吸着性能を得るにはセラミックペーパー担体
を用いる方が粒状担体を用いるよりもRu担持量が少な
くてすむことより、セラミックペーパー担体の方が効率
的で優れていることが判る。
【0067】
【発明の効果】本発明による吸着剤は、アナターゼ型チ
タニアを保持したセラミックペーパー担体にルテニウム
が担持されているものであるので、粒状のチタニア担体
を用いた吸着剤と比べて、TiO2 重量当たりのNOx
吸着性能およびRu担持量当りのNOx吸着性能がいず
れも高く、さらに吸着NOxの脱着がより低温で行な
え、吸着剤の再生が容易である点で、優れた吸着剤であ
る。
【0068】また、粒状のチタニア担体を用いた吸着剤
と同様に、本発明による吸着剤は湿分の影響を受けない
ため、NOx吸着除去の前段で必要とした脱湿工程が省
略あるいは軽減できる。そのため脱湿工程で必要とする
多大なエネルギーが軽減でき、しかも脱湿装置が不要あ
るいは簡素化できる。したがって、従来プロセスと比べ
て大幅な省エネルギーおよび省スペース(小型化)が図
れ、経済的効果がきわめて高い。
【0069】また、吸着剤に吸着したNOxは加熱によ
り容易に脱着するため、吸着剤の再生が簡便になし得
る。したがって、本発明による吸着剤は、NOxの吸着
と脱着(再生)を連続的に繰り返す回転式のNOx吸着
ローターの吸着剤として好適に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】平板・波板多層構造の吸着剤示す斜視図であ
る。
【図2】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図3】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図4】TiO2 保持量と10%破過時間の関係を示す
グラフである。
【図5】時間とNOx濃度および温度の関係を示すグラ
フである。
【図6】時間とNOx濃度および温度の関係を示すグラ
フである。
【図7】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図8】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図9】Ru担持量と10%破過時間の関係を示すグラ
フである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市来 正義 大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日 立造船株式会社内 (72)発明者 福寿 厚 大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日 立造船株式会社内 (72)発明者 西良 友紀 大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日 立造船株式会社内 (72)発明者 小林 秀次 大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日 立造船株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アナターゼ型チタニアを保持したセラミ
    ックペーパー担体にルテニウムが担持されていることを
    特徴とする、低濃度窒素酸化物の吸着除去剤。
  2. 【請求項2】 平板状のアナターゼ型チタニア保持セラ
    ミックペーパーと波板状のアナターゼ型チタニア保持セ
    ラミックペーパーを1枚置きに配してなるハニカム状の
    平板・波板多層構造の吸着剤担体にルテニウムが担持さ
    れていることを特徴とする、低濃度窒素酸化物の吸着除
    去剤。
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