JP3433137B2 - 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤 - Google Patents

窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤

Info

Publication number
JP3433137B2
JP3433137B2 JP14336599A JP14336599A JP3433137B2 JP 3433137 B2 JP3433137 B2 JP 3433137B2 JP 14336599 A JP14336599 A JP 14336599A JP 14336599 A JP14336599 A JP 14336599A JP 3433137 B2 JP3433137 B2 JP 3433137B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorbent
oxides
sulfur
oxide
nitrogen oxides
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14336599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000325780A (ja
Inventor
光一 山本
信之 正木
久雄 近藤
博信 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP14336599A priority Critical patent/JP3433137B2/ja
Publication of JP2000325780A publication Critical patent/JP2000325780A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3433137B2 publication Critical patent/JP3433137B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素酸化物および
/または硫黄酸化物の吸着剤、並びにこの吸着剤を用い
た窒素酸化物および/または硫黄酸化物の除去方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ボイラなどの固定式窒素酸化物発生源か
らの窒素酸化物の除去方法に関しては、従来から、アン
モニアを還元剤に用いて窒素酸化物を選択的に還元して
無害な窒素と水とに変換する接触還元法が最も経済的な
方法として広く用いられている。
【0003】ところで、道路トンネル、シェルター付道
路、大深度地下空間、道路交差点などにおける換気ガス
もしくは大気、および家庭内で使用される燃焼機器から
排出されるガスなどに含まれる窒素酸化物の濃度は、5
ppm程度と、ボイラ排ガス中の窒素酸化物濃度に比べ
て著しく低く、またガス温度は常温であり、しかもガス
量は莫大なものである。このため、例えば道路トンネル
の換気ガスに上記接触還元法を適用して窒素酸化物を効
率よく除去するためには、この換気ガスの温度を300
℃以上にすることが必要であり、その結果、多大なエネ
ルギーが必要となることから、上記接触還元法をそのま
ま適用することには経済的に問題がある。
【0004】このような事情から、上記のような道路ト
ンネルの換気ガスなど、窒素酸化物の濃度が低い、例え
ば5ppm以下の排ガスから窒素酸化物を効率よく除去
することが望まれている。
【0005】そこで、本出願人は、上記のような低濃度
の窒素酸化物含有ガスから窒素酸化物を吸着除去するに
好適な吸着剤を提案している(特開平10−12810
5、特開平10−192698、特開平10−3094
35、特開平11−28351、特開平11−2835
2および特願平10−340140)。また、本出願人
は、窒素酸化物のほかに硫黄酸化物を含有するガスから
窒素酸化物を効率よく除去する方法として、あらかじめ
硫黄酸化物を除去した後、窒素酸化物用吸着剤に接触さ
せて窒素酸化物を吸着除去する方法を提案している(特
開平10−76136)。さらに、本出願人は、使用に
よって性能の低下した吸着剤を還元剤の存在下で加熱し
て再生する方法も提案している(特願平10−3401
38)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、窒素
酸化物および/または硫黄酸化物を吸着除去するに好適
な、特に5ppm程度以下の低濃度の窒素酸化物および
/または硫黄酸化物を吸着除去するに好適な吸着剤、お
よびこの吸着剤を用いた窒素化合物および/または硫黄
酸化物の除去方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、下記の吸着剤が上記課題を解決できることを見
出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、アルカリ金属元素を
含有する窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤
であって、還元剤の存在下に加熱処理したものであるこ
とを特徴とする窒素酸化物および/または硫黄酸化物の
吸着剤である。
【0009】また、本発明は、窒素酸化物および/また
は硫黄酸化物を含むガスを上記吸着剤に接触させて窒素
酸化物および/または硫黄酸化物を吸着除去することを
特徴とする窒素酸化物および/または硫黄酸化物の除去
方法である。
【0010】また、本発明は、窒素酸化物および硫黄酸
化物を含むガスを、該ガスから硫黄酸化物を除去した
後、窒素酸化物用吸着剤に接触させて窒素酸化物を吸着
除去する方法において、該窒素酸化物用吸着剤として上
記吸着剤を用いることを特徴とする窒素酸化物および硫
黄酸化物の除去方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の吸着剤は、5ppm以下
の低濃度の窒素酸化物および/または硫黄酸化物、代表
的には窒素酸化物、または窒素酸化物と硫黄酸化物とを
吸着するためのものである。この窒素酸化物はNOxと
して示されるものであり、具体的にはNOおよびNO2
を挙げることができる。また、硫黄酸化物とはSOxで
示されるものであり、具体的にはSO2を挙げることが
できる。本発明の吸着剤は特にNO2の吸着除去に優れ
ている。
【0012】本発明の吸着剤は、アルカリ金属元素を必
須成分として含有する窒素酸化物および/または硫黄酸
化物の吸着剤であって、還元剤の存在下に加熱処理した
ものである。
【0013】本発明のアルカリ金属元素を含有する窒素
酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤の代表例とし
ては、次のものを挙げることができる。なお、割合につ
いては、成分(1)、(2)および(3)は酸化物換算
であり、成分(4)は金属換算である。
【0014】<吸着剤(A)> (1)アルカリ金属元素(Li、Na、K、Rb、C
s)、および(2)マンガン、ニッケル、コバルト、鉄
および鉛から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する
吸着剤。
【0015】各成分の割合については、成分(1)は1
〜30重量%、好ましくは1〜20重量%であり、成分
(2)は70〜99重量%、好ましくは80〜99重量
%である(合計100重量%。以下同じ)。
【0016】<吸着剤(B)> (1)アルカリ金属元素、(2)マンガン、ニッケル、
コバルト、鉄および鉛から選ばれる少なくとも1種の元
素、および(3)チタン、ケイ素、アルミニウム、ジル
コニウムおよびアルカリ土類金属元素(Be、Mg、C
a、Sr、Ba)から選ばれる少なくとも1種の元素を
含有する吸着剤。
【0017】各成分の割合については、成分(1)は1
〜30重量%、好ましくは1〜20重量%であり、成分
(2)は0.5〜89重量%、好ましくは1〜75重量
%であり、成分(3)は10〜98.5重量%、好まし
くは20〜98重量%である。
【0018】<吸着剤(C)> (1)アルカリ金属元素、(2)マンガン、ニッケル、
コバルト、鉄および鉛から選ばれる少なくとも1種の元
素、(3)チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウ
ムおよびアルカリ土類金属元素から選ばれる少なくとも
1種の元素、および(4)白金、金、ルテニウム、ロジ
ウムおよびパラジウムから選ばれる少なくとも1種の元
素を含有する吸着剤。
【0019】各成分の割合については、成分(1)は1
〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、成分(2)
は0.5〜89重量%、好ましくは1〜75重量%であ
り、成分(3)は10〜98.5重量%、好ましくは2
0〜98重量%であり、成分(4)は0.01〜10重
量%、好ましくは0.05〜5重量%である。
【0020】成分(1)のアルカリ金属元素の形態につ
いては特に制限はなく、窒素酸化物および/または硫黄
酸化物を吸着し得るものであれば、いずれの形態にあっ
てもよい。例えば、水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩
などの形態で含有される。成分(1)の出発原料として
は、各元素の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、
亜硝酸塩、酢酸塩やシュウ酸塩などの有機酸塩などを用
いることができる。
【0021】成分(2)、(3)および(4)の形態に
ついても特に制限はなく、窒素酸化物および/または硫
黄酸化物を吸着する機能が得られる限り、いずれの形態
にあってもよい。
【0022】成分(2)の場合、例えば金属、酸化物、
複合酸化物、アルカリ金属やアルカリ土類金属との複合
酸化物や複塩などとして含有される。その出発原料とし
ては、各元素の金属、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸
塩、硫酸塩、ハロゲン化物、有機金属塩、酢酸やシュウ
酸塩などの有機酸塩などを用いることができる。
【0023】成分(3)において、チタン、ケイ素、ア
ルミニウムおよびジルコニウムの場合、例えば酸化物、
複合酸化物、各種ゼオライトなどとして含有される。そ
の出発原料としては、各元素の酸化物、水酸化物、硝酸
塩、硫酸塩、ハロゲン化物、リン酸塩などを用いること
ができる。アルカリ土類金属の場合、例えば酸化物、水
酸化物、炭酸塩、リン酸塩、硫酸塩などとして含有され
る。その出発原料としては、酸化物、水酸化物、炭酸
塩、硫酸塩、ハロゲン化物、リン酸塩などを用いること
ができる。成分(3)のなかでも、耐久性に優れた吸着
剤が得られるという点において、ジルコニウムおよびア
ルカリ土類金属元素が好適に用いられる。成分(4)の
場合、例えば金属、酸化物、複合酸化物などとして包含
される。その出発原料としては、各元素の酸化物、水酸
化物、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、有機金属塩、ア
ンモニウム錯体などを用いることができる。
【0024】本発明の還元処理する前の吸着剤は、この
種の吸着剤の調製に一般に用いられている方法によって
調製することができる。例えば、成分(1)、成分
(2)、成分(3)および成分(4)を含有する吸着剤
について、その代表的な調製方法を以下に説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】成分(1)、成分(2)および成分(4)
の出発原料の水溶液、または粉体を一般に用いられてい
る成型助剤とともに上記成分(3)に加え、混合、撹拌
し、押出成型機で成型する。得られた成型物は、50〜
120℃で乾燥した後、200〜600℃、好ましくは
250〜500℃で1〜10時間、好ましくは2〜6時
間空気中、窒素などの不活性ガス中などで焼成すればよ
い。そのほか、成分(1)、(2)および(4)のうち
の少なくとも一つと成分(3)とを含有する成型体をあ
らかじめ作成し、この成型体に残りに成分を含浸担持さ
せ、その後は上記と同様にして、調製してもよい。
【0026】本発明の吸着剤は、前記吸着剤(A)〜
(C)のような、アルカリ金属元素を必須成分とする吸
着剤を還元剤の存在下に加熱処理することにより得られ
る。
【0027】この還元剤とは、水素および燃焼性有機化
合物を意味する。燃焼性有機化合物としては、炭化水素
類、好ましくは炭素数1〜4の飽和または不飽和の炭化
水素類を用いることができる。かくして、本発明では、
水素または炭化水素類、特に水素が還元剤として好適に
用いられる。
【0028】上記炭化水素類の代表例としては、メタ
ン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレ
ン、ブタジエンなどの飽和または不飽和の炭化水素類を
挙げることができる。
【0029】上記還元剤は、通常、他のガスで希釈し
て、例えば、窒素などの不活性ガスとの混合ガスとして
使用する。具体的には、還元剤として水素を用いる場
合、水素と窒素、ヘリウムなどの不活性ガスとの混合ガ
スとして使用する。この混合ガス中の水素の濃度は、通
常、0.1〜20容量%であり、好ましくは0.5〜1
0容量%である。なお、空気との混合ガスとすることも
できるが、爆発の危険があるので、一般的には、上記の
ような不活性ガスとの混合ガスとして使用するのがよ
い。燃焼性有機化合物の場合にも、例えば窒素などの不
活性ガスとの混合ガスとして使用する。この混合ガス中
の燃焼性有機化合物の濃度は、通常、0.001〜1容
量%であり、好ましくは0.01〜0.5容量%であ
る。
【0030】上記還元剤の希釈に用いることのできるガ
スとしては、上記の窒素、ヘリウムなどの不活性ガスお
よび空気のほかに、水蒸気(H2O)、二酸化炭素ガス
などを挙げることができる。かくして、上記混合ガスの
代表例としては、水素と不活性ガス、燃焼性有機化合物
と不活性ガスとの組み合せを挙げることができる。
【0031】加熱温度は、通常、200〜600℃であ
り、好ましくは300〜500℃、より好ましくは30
0〜400℃である。なお、還元処理する吸着剤は、通
常、常温であるが、上記加熱温度までの昇温速度には特
に制限はなく、適宜決定することができる。加熱時間
は、一概に特定できないが、通常、30分〜10時間、
好ましくは30分〜5時間の範囲で適宜選ぶことができ
る。
【0032】本発明の加熱処理は、還元剤の通風下で行
うのが好ましい。還元剤の通風下で加熱処理を行う場
合、通風の程度については特に制限はなく、新たな還元
剤が供給されるような条件下にすればよい。
【0033】本発明の吸着剤の形状については特に制限
はなく、円柱状、円筒状、球状、板状、ハニカム状、そ
の他一体に成型されたもののなかから適宜選択すること
ができる。この成型には、一般的な成型方法、例えば打
錠成型、押出成型などを用いることができる。球状の場
合、その平均粒径は、通常、1〜10mmである。ハニ
カム状吸着剤の場合は、いわゆるモノリス担体と同様で
あり、押出成型法やシート状素子を巻き固める方法など
により製造することができる。そのガス通過口(セル形
状)の形は、6角形、4角形、3角形、またはコルゲー
ション形のいずれであってもよい。セル密度(セル数/
単位断面積)は、通常、25〜800セル/平方インチ
であり、好ましくは25〜500セル/平方インチであ
る。
【0034】本発明の方法によれば、窒素酸化物および
/または硫黄酸化物を含むガスを上記吸着剤に接触させ
て窒素酸化物および/または硫黄酸化物を吸着せしめて
ガスを浄化する。この窒素酸化物(NOx)とは一酸化
窒素および二酸化窒素の少なくとも1つであり、硫黄酸
化物(SOx)とは二酸化硫黄である。上記ガスの代表
例は、前記の道路トンネルなどからの換気ガスないしは
大気ガスであり、本発明の方法は、窒素酸化物または硫
黄酸化物の濃度が5ppm以下という濃度が低いガスか
らの窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着除去に
好適に用いられる。
【0035】上記のガスと吸着剤との接触方法について
は特に制限はなく、通常、この吸着剤からなる層中にガ
スを導入して行う。この処理条件については、処理すべ
きガスの性状などにより異なるので一概に特定できない
が、例えば、吸着剤層に供給するガスの温度は、通常、
0〜100℃であり、特に0〜50℃とするのが好まし
い。また、吸着剤層に供給するガスの空間速度(SV)
は、通常、500〜50000hr-1(STP)であ
り、2000〜30000hr-1(STP)の範囲が好
ましい。
【0036】窒素酸化物のほかに硫黄酸化物を含有する
ガスから窒素酸化物を効率よく除去してガスを浄化する
に際しては、あらかじめ硫黄酸化物を除去した後、本発
明の吸着剤に接触させて窒素酸化物を吸着除去すると吸
着剤の耐久性が向上し、長期にわたって効果的に窒素酸
化物を除去することができる。
【0037】硫黄酸化物の除去方法には特に制限はな
く、ガスを水洗して除去する方法、ガスを硫黄酸化物吸
着用の吸着剤に接触させて除去する方法などを用いるこ
とができる。なかでも、装置がコンパクトになる、消費
エネルギーが少ないなどの点から、硫黄酸化物用吸着剤
を用いる方法が好適に用いられる。
【0038】上記硫黄酸化物用吸着剤としては、SOx
を吸着し得るものであればいずれでもよく、なかでも活
性炭、遷移金属、アルカリ金属およびアルカリ土類金属
から選ばれる少なくとも1種を含有する吸着剤が好適に
用いられる。遷移金属の代表例としては、Ni、Co、
Fe、Mn、Cr、Mo、W、V、Nb、Zn、Cuな
どを挙げることができる。アルカリ金属およびアルカリ
土類金属の代表例としては、それぞれ、Li、Na、K
およびMg、Ca、Baを挙げることができる。これら
元素の吸着剤中の形態については特に制限はなく、SO
xを吸着し得るものであれば、どのような形態であって
もよい。具体的には、例えば、酸化物、炭酸塩、硫酸
塩、塩化物および水酸化物を挙げることができる。
【0039】上記硫黄酸化物用吸着剤は、担体として、
アルカリ土類金属塩、アルミナ、シリカ、チタニア、ジ
ルコニア、シリカ−アルミナ、アルミナ−ジルコニア、
シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニアおよびチタニア
−ジルコニアの少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0040】かくして、本発明の好適な態様は、窒素酸
化物および硫黄酸化物を含むガスを最初に硫黄酸化物用
吸着剤に接触させて硫黄酸化物を吸着除去し、次いで本
発明の吸着剤に接触させて窒素酸化物を吸着除去してガ
スを浄化することからなるものである。これにより、本
発明の吸着剤の耐久性が向上する。
【0041】
【発明の効果】本発明の吸着剤は、窒素酸化物および/
または硫黄酸化物、特に低濃度の窒素酸化物および/ま
たは硫黄酸化物に対して高い吸着性能を有し、しかも優
れた耐久性を示す。
【0042】窒素酸化物および硫黄酸化物を含有するガ
スを浄化するに当たり、あらかじめ硫黄酸化物を除去
し、その後に本発明の吸着剤に接触させて窒素酸化物を
除去すると、吸着剤の耐久性が向上し、長期にわたり効
果的に窒素酸化物を吸着除去することができる。
【0043】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0044】実施例1 炭酸マンガン1000gを適量の水を添加しつつニーダ
ーでよく混合した後、押出成型機で直径5mm、長さ5
mmのペレット状に成型した。このペレットを100℃
で10時間乾燥した後、500℃で3時間空気雰囲気下
で焼成した。次いで、このペレットを4N−炭酸カリウ
ム水溶液に2分間含浸した後、120℃で5時間乾燥し
た。このペレットの組成は、Mn:K(MnO2:K2
として)=89.5:10.5(重量%)であった。
【0045】上記ペレットを400℃で2時間、水素/
窒素(5/95容量%)の雰囲気下で還元処理して吸着
剤(1)を得た。
【0046】実施例2〜5 実施例2における炭酸マンガンの代わりに塩基性炭酸ニ
ッケル、塩基性炭酸コバルト、水酸化鉄および塩基性炭
酸鉛を用いた以外は実施例1と同様にして表1に示す組
成のペレットを製造し、引続き実施例1と同様に還元処
理して吸着剤(2)〜(5)を得た。
【0047】実施例6 水400Lにアンモニア水(NH3、25%)286L
を添加し、これにスノーテックスNCS−30(日産化
学(株)社製シリカゾル、SiO2を約30重量%含
有)24kg加えた。得られた溶液中に硫酸チタニルの
硫酸水溶液(TiO2として250g/L含有。全硫酸
濃度1,100g/L)153Lを水300Lに添加し
て希釈したチタン含有硫酸水溶液を撹拌下、徐々に添加
し、共沈ゲルを得た。更にそのまま15時間放置してT
iO2−SiO2ゲルを得た。このゲルをろ過し、水洗し
た後、200℃で10時間乾燥した。次いで、600℃
で6時間空気雰囲気下で焼成し、更にハンマーミルを用
いて粉砕し、分級機で分級して平均粒径10μmの粉体
を得た。得られた粉体は(以下、TS−1と称す)の組
成はTi:Si=4:1(原子比)であった。
【0048】炭酸マンガン226.2g、上記TS−1
の828gを適量の水を添加しつつニーダーでよく混合
した後、押出成型機で直径5mm、長さ5mmのペレッ
ト状に成形した。このペレットを100℃で10時間乾
燥した後、350℃で3時間空気雰囲気下で焼成した。
更にこのペレットを4N−炭酸カリウム水溶液に2分間
含浸した後、120℃で5時間乾燥した。このペレット
の組成は、Mn:K:TS−1(MnO2:K2O:T
S−1として)=15.0:12.6:72.4(重量
%)であった。
【0049】引続き、上記ペレットを400℃で2時
間、水素/窒素(5/95容量%)の雰囲気下で還元処
理して吸着剤(7)を得た。
【0050】実施例7〜11 実施例6においてTS−1の代わりに酸化チタン、酸化
アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウムおよ
び炭酸バリウムを用いた以外は実施例6と同様にして表
1に示す組成のペレットを製造し、引続きこれらペレッ
トを実施例6と同様に還元処理して吸着剤(7)〜(1
1)を得た。
【0051】実施例12 酸化ルテニウム(田中貴金属(株)社製、ルテニウム金
属を65重量%含有)1.5g、炭酸マンガン198.
3g、炭酸カルシウム800gに炭酸カリウム73.3
gを水100gに溶解した炭酸カリウム水溶液を加え、
更に適量の水を添加しつつニーダーでよく混合した後、
押出成型機で直径5mm、長さ5mmのペレット状に成
形した。このペレットを100℃で10時間乾燥した
後、500℃で3時間空気雰囲気下で焼成した。このペ
レットの組成は、Ru:Mn:K:Ca(Ru:MnO
2:K2O:CaOとして)=0.2:23.1:7.
7:69.0(重量%)であった。
【0052】引続き、このペレットを400℃で2時
間、水素/窒素(5/95容量%)の雰囲気下で還元処
理して吸着剤(12)を得た。
【0053】実施例13 実施例12において炭酸マンガンの代わりに塩基性炭酸
ニッケルを用いた以外は実施例12と同様にして表1に
示す組成のペレットを製造し、引続き実施例12と同様
に還元処理して吸着剤(13)を得た。
【0054】実施例14〜17実施例13において酸化
ルテニウムの代わりに白金硝酸水溶液、塩酸金水溶液 、硝酸ロジウム水溶液および硝酸パラジウム水溶液を用
いた以外は実施例13と同様にして表1に示す組成のペ
レットを製造し、引続き実施例13と同様に還元処理し
て吸着剤(14)〜(17)を得た。
【0055】比較例1〜3 実施例1、6および13において最後の水素/窒素(5
/95容量%)の雰囲気下での還元処理を行わなかった
以外は実施例1、6および13と同様にして、それぞ
れ、表1に示す組成の吸着剤(比較1)、(比較2)お
よび(比較3)のペレットを得た。
【0056】上記のようにして得られた吸着剤(1)〜
(17)および比較吸着剤(比較1)〜(比較3)の組
成をまとめて表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】なお、表1において、成分(1)〜(4)
は、その組成算出の基礎となる化合物(酸化物)および
金属として示してある。
【0059】実施例18 吸着剤(1)〜(17)および比較吸着剤(比較1)〜
(比較3)の窒素酸化物吸着能および硫黄酸化物吸着能
を下記の2つの方法により評価した。
【0060】(評価方法(1))吸着剤35mlを内径
30mmのガラス製反応管に充填した。この吸着剤層に
下記組成の合成ガス(A)を下記条件下に導入した。
【0061】合成ガス(A)組成 一酸化窒素(NO):0.9ppm、二酸化窒素(NO
2):0.1ppm、二酸化硫黄(SO2):0.05p
pm、H2O:1.9容量%、残り:空気処理条件 ガス量:17.3NL/min、処理温度:25℃、空
間速度(SV):30,000hr-1(STP)、 ガ
ス湿度:60%RH 上記合成ガスを導入してから1時間後、上記吸着剤層の
入口および出口における合成ガス中の窒素酸化物(N
O、NO2)濃度を化学発光式NOx計により、また、
硫黄酸化物(SO2)濃度を紫外線吸収式SO2計で測定
し、次式に従ってNO、NO2およびSO2除去率を算出
した。
【0062】NO除去率(%)={(入口NO濃度−出
口NO濃度)/(入口NO濃度)}×100 NO2除去率(%)={(入口NO2濃度−出口NO2
度)/(入口NO2濃度)}×100 SO2除去率(%)={(入口SO2濃度−出口SO2
度)/(入口SO2濃度)}×100 (評価方法(2))ここでは、下記の加速耐久試験を行
った後の各吸着剤の窒素酸化物吸着能および硫黄酸化物
吸着能を評価方法(1)と同様にして評価した。
【0063】<加速耐久試験>吸着剤35mlを内径3
0mmのガラス製反応管に充填した。この吸着剤層に下
記組成の合成ガス(B)を下記条件下に導入した。
【0064】合成ガス(B)組成 一酸化窒素(NO):2.7ppm、二酸化窒素(NO
2):0.3ppm、二酸化硫黄(SO2):0.15p
pm、H2O:1.9容量%、残り:空気処理条件 ガス量:17.3NL/min、処理温度:25℃、空
間速度(SV):30,000hr-1(STP)、 ガ
ス湿度:60%RH 上記加速耐久試験を200時間行った後、合成ガス
(A)を導入してから1時間後、上記吸着剤層の入口お
よび出口における合成ガス中の窒素酸化物(NO、NO
2)濃度および硫黄酸化物(SO2)濃度を評価方法
(1)と同様にして測定し、NO、NO2およびSO2
去率を算出した。評価試験の結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】実施例19 (硫黄酸化物用吸着剤の調製)実施例6で得られたTS
−1粉体1000gに適量の水を添加しつつニーダーで
よく練った後、押出成型機で直径5mm、長さ5mmの
ペレット状に成型した。このペレットを1100℃で1
0時間乾燥した後、350℃で3時間空気雰囲気下で焼
成した。さらに、このペレットを6N−炭酸ナトリウム
水溶液に2分間含浸した後、120℃で5時間乾燥し
た。このようにして得られた硫黄酸化物用吸着剤の組成
は、TS−1:Na(TS−1:Na2Oとして)=7
6.1:23.9(重量%)であった。
【0067】(評価方法)実施例18の評価方法(1)
および(2)において、ガスの流れに対して前段に上記
硫黄酸化物用吸着剤を19ml、後段に実施例1で得た
吸着剤(1)を35ml充填した以外は評価方法(1)
および(2)と同様にして、その窒素酸化物吸着能およ
び硫黄酸化物吸着能を評価した。結果を表3に示す。
【0068】表2および表3の結果より、前段に硫黄酸
化物用吸着剤を設置することにより吸着剤(2)の耐久
性能が向上することがわかる。
【0069】実施例20〜21 実施例19の評価方法において、後段の吸着剤として実
施例10および13で得た吸着剤(10)および(1
3)を用いた以外は実施例19と同様にして、その窒素
酸化物吸着能および硫黄酸化物吸着能を評価した。結果
を表3に示す。
【0070】表2および表3の結果より、前段に硫黄酸
化物用吸着剤を設置することにより吸着剤(10)およ
び(13)の耐久性能が向上することがわかる。
【0071】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01D 53/74 B01D 53/34 132Z 53/81 B01J 20/30 (72)発明者 小野 博信 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 株式会社日本触媒内 (56)参考文献 特開 昭49−63685(JP,A) 特開 平7−256054(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/00 - 20/34

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属元素を含有する窒素酸化物
    および/または硫黄酸化物の吸着剤であって、還元剤の
    存在下に加熱処理したものであることを特徴とする窒素
    酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属元素を含有する窒素酸化物
    および/または硫黄酸化物の吸着剤が、(1)アルカリ
    金属元素と(2)マンガン、ニッケル、コバルト、鉄お
    よび鉛から選ばれる少なくとも1種の元素とを含有する
    吸着剤である請求項1記載の吸着剤。
  3. 【請求項3】 アルカリ金属元素を含有する窒素酸化物
    および/または硫黄酸化物の吸着剤が、(1)アルカリ
    金属元素と(2)マンガン、ニッケル、コバルト、鉄お
    よび鉛から選ばれる少なくとも1種の元素と(3)チタ
    ン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびアルカ
    リ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素とを
    含有する吸着剤である請求項1記載の吸着剤。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属元素を含有する窒素酸化物
    および/または硫黄酸化物の吸着剤が、(1)アルカリ
    金属元素と(2)マンガン、ニッケル、コバルト、鉄お
    よび鉛から選ばれる少なくとも1種の元素と(3)チタ
    ン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびアルカ
    リ土類金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素と
    (4)白金、金、ルテニウム、ロジウムおよびパラジウ
    ムから選ばれる少なくとも1種の元素とを含有する吸着
    剤である請求項1記載の吸着剤。
  5. 【請求項5】 還元剤が水素である請求項1、2、3ま
    たは4に記載の吸着剤。
  6. 【請求項6】 窒素酸化物および/または硫黄酸化物を
    含むガスを請求項1〜5のいずれかに記載の吸着剤に接
    触させて窒素酸化物および/または硫黄酸化物を吸着除
    去することを特徴とする窒素酸化物および/または硫黄
    酸化物の除去方法。
  7. 【請求項7】 窒素酸化物および硫黄酸化物を含むガス
    を、該ガスから硫黄酸化物を除去した後、窒素酸化物用
    吸着剤に接触させて窒素酸化物を吸着除去する方法にお
    いて、該窒素酸化物用吸着剤として請求項1〜5のいず
    れかに記載の吸着剤を用いることを特徴とする窒素酸化
    物および硫黄酸化物の除去方法。
JP14336599A 1999-05-24 1999-05-24 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤 Expired - Fee Related JP3433137B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14336599A JP3433137B2 (ja) 1999-05-24 1999-05-24 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14336599A JP3433137B2 (ja) 1999-05-24 1999-05-24 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000325780A JP2000325780A (ja) 2000-11-28
JP3433137B2 true JP3433137B2 (ja) 2003-08-04

Family

ID=15337100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14336599A Expired - Fee Related JP3433137B2 (ja) 1999-05-24 1999-05-24 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3433137B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3634795B2 (ja) * 2001-11-29 2005-03-30 株式会社日本触媒 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤
JP3660300B2 (ja) * 2001-11-30 2005-06-15 株式会社日本触媒 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤
JP2006272115A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Yanmar Co Ltd 排気ガス浄化装置
JP2006272116A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Yanmar Co Ltd 排気ガス浄化装置
EP1867381A4 (en) * 2005-03-29 2010-05-26 Yanmar Co Ltd EXHAUST GAS PURIFIER

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000325780A (ja) 2000-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3433137B2 (ja) 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤
JP3457953B2 (ja) 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤
JP3027219B2 (ja) 窒素酸化物の除去方法
JP3148155B2 (ja) 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤およびその使用方法
JP3660080B2 (ja) 窒素酸化物吸着剤および窒素酸化物の除去方法
JP3031823B2 (ja) 窒素酸化物の吸着剤及びこの吸着剤を用いた窒素酸化物の除去方法
JP3244520B2 (ja) 窒素酸化物の吸着剤及びこの吸着剤を用いた窒素酸化物の除去方法
JP3095604B2 (ja) 窒素酸化物の吸着剤およびこの吸着剤を用いた窒素酸化物の除去方法
JP2002320847A (ja) 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤および窒素酸化物および/または硫黄酸化物の除去方法
JP3705933B2 (ja) 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤、並びに該吸着剤を用いた窒素酸化物および/または硫黄酸化物の除去方法
JP3634795B2 (ja) 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤
JP3148203B2 (ja) 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤、並びに該吸着剤を用いた除去方法
JP3760076B2 (ja) 窒素酸化物等の吸着剤、その製造方法および窒素酸化物等の除去方法
JPH08173796A (ja) 窒素酸化物酸化吸着剤及び窒素酸化物除去法
JP4044490B2 (ja) 窒素酸化物等の吸着剤、その製造および再生方法、窒素酸化物等の除去方法、ならびに窒素酸化物含有ガスの浄化方法
JP2597252B2 (ja) 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤
JP2000167394A (ja) 窒素酸化物等吸着剤の再生法
JPH08243356A (ja) 窒素酸化物除去法
JP3705955B2 (ja) 窒素酸化物等吸着剤の再生方法
JPH1128352A (ja) 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤およびその使用方法
JP2007319859A (ja) 窒素酸化物等の吸着剤、その製造および再生方法、窒素酸化物等の除去方法
JP2896912B2 (ja) 触媒再生方法
JP2004237140A (ja) 窒素酸化物等の吸着剤、その製造および再生方法、窒素酸化物等の除去方法、ならびに窒素酸化物含有ガスの浄化方法
JP2000061259A (ja) 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の除去方法および装置
JP3660300B2 (ja) 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees