JP3148203B2 - 窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤、並びに該吸着剤を用いた除去方法 - Google Patents

窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤、並びに該吸着剤を用いた除去方法

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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は窒素酸化物および/
または硫黄酸化物の吸着剤、並びにこの吸着剤を用いた
窒素酸化物および/または硫黄酸化物の除去方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ボイラなどの固定式窒素酸化物発生源か
らの窒素酸化物の除去方法に関しては、従来から、アン
モニアを還元剤に用いて窒素酸化物を選択的に還元して
無害な窒素と水とに変換する接触還元法が最も経済的な
方法として広く用いられている。
【0003】ところで、道路トンネル、シェルター付道
路、大深度地下空間、道路交差点などにおける換気ガス
もしくは大気、および家庭内で使用される燃焼機器から
排出されるガスなどに含まれる窒素酸化物の濃度は、5
ppm程度と、ボイラ排ガス中の窒素酸化物濃度に比べ
て著しく低く、またガス温度は常温であり、しかもガス
量は莫大なものである。このため、例えば道路トンネル
の換気ガスに上記接触還元法を適用して窒素酸化物を効
率よく除去するためには、この換気ガスの温度を300
℃以上にすることが必要であり、その結果、多大なエネ
ルギーが必要となることから、上記接触還元法をそのま
ま適用することには経済的に問題がある。
【0004】このような事情から、上記のような道路ト
ンネルの換気ガスなど、窒素酸化物の濃度が低い、例え
ば5ppm以下の排ガスから窒素酸化物を効率よく除去
することが望まれている。
【0005】そこで、本出願人は、上記のような低濃度
の窒素酸化物含有ガスから窒素酸化物を吸着除去するに
好適な吸着剤を提案している(特開平10−12810
5、同10−192698、同10−309435、同
11−28351および同11−28352)。また、
本出願人は、窒素酸化物のほかに硫黄酸化物を含有する
ガスから窒素酸化物を効率よく除去する方法として、あ
らかじめ硫黄酸化物を除去した後、窒素酸化物用吸着剤
に接触させて窒素酸化物を吸着除去する方法を提案して
いる(特開平10−76136)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、窒素
酸化物および/または硫黄酸化物を吸着除去するに好適
な、特に5ppm程度以下の低濃度の窒素酸化物および
/または硫黄酸化物を吸着除去するに好適な吸着剤、お
よびこの吸着剤を用いた窒素化合物および/または硫黄
酸化物の除去方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、下記の組成を有する吸着剤が上記課題を解決で
きることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
【0008】すなわち、本発明は、(1)白金、金、ル
テニウム、ロジウムおよびパラジウムから選ばれる少な
くとも1種の元素、(2)銅、ニッケル、コバルト、
鉄、鉛およびセリウムから選ばれる少なくとも1種の元
素、および(3)少なくとも1種のアルカリ金属元素を
含有する窒素酸化物および/または硫黄酸化物の吸着剤
である。
【0009】また、本発明は、窒素酸化物および/また
は硫黄酸化物を含むガスを上記吸着剤に接触させて窒素
酸化物および/または硫黄酸化物を吸着除去することを
特徴とする窒素酸化物および/または硫黄酸化物の除去
方法である。
【0010】さらに、本発明は、窒素酸化物および硫黄
酸化物を含有するガスを、該ガスからあらかじめ硫黄酸
化物を除去した後、窒素酸化物用吸着剤に接触させて窒
素酸化物を除去する方法において、該窒素酸化物用吸着
剤として上記吸着剤を用いることを特徴とする窒素酸化
物および硫黄酸化物の除去方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の吸着剤は、(1)白金、
金、ルテニウム、ロジウムおよびパラジウムから選ばれ
る少なくとも1種の元素(以下、「成分A」という)、
(2)銅、ニッケル、コバルト、鉄、鉛およびセリウム
から選ばれる少なくとも1種の元素(以下、「成分B」
という)、および(3)少なくとも1種のアルカリ金属
元素(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムお
よびセシウム;以下、「成分C」という)を含有する。
【0012】成分A、成分Bおよび成分Cの形態につい
ては特に制限はなく、窒素酸化物および/または硫黄酸
化物を吸着する機能が得られる限り、いずれの形態にあ
ってもよい。また、出発原料によっても変わるので一概
に特定することはできない。成分Aの場合、例えば、金
属、酸化物または複合酸化物として含有される。ルテニ
ウムの場合、酸化物または複合酸化物として含有されて
いるのが好ましい。成分Bの場合、例えば、金属、酸化
物または複合酸化物、もしくは成分Cのアルカリ金属、
または後記する成分Dのアルカリ土類金属との複合酸化
物または複塩として含有される。また、成分Cの場合、
例えば、水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩として含有
される。
【0013】成分A、成分Bおよび成分Cの出発原料と
しては、各成分を、例えば上記形態で含有する吸着剤を
形成し得るものであればいずれも使用することができ
る。具体的には、成分Aの出発原料としては、各元素の
酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、有
機金属塩、アンモニウム錯体などを用いることができ
る。成分Bの出発原料としては、各元素の酸化物、水酸
化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、有機金
属塩、酢酸塩やシュウ酸塩などの有機酸塩などを用いる
ことができる。また、成分Cの出発原料としては、各元
素の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩やシュウ酸
塩などの有機酸塩などを用いることができる。
【0014】本発明の吸着剤は、成分A、成分Bおよび
成分Cのほかに、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジル
コニウムおよびアルカリ土類金属(ベリリウム、マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウム;
以下、「成分D」という)から選ばれる少なくとも1種
の元素を含有していてもよい。成分Dの形態についても
特に制限はなく、窒素酸化物および/または硫黄酸化物
を吸着する機能が得られる限り、いずれの形態にあって
もよい。例えば、酸化物、複合酸化物、水酸化物、炭酸
塩、リン酸塩または硫酸塩として含有される。その出発
原料としては、成分Dを、例えば上記形態で含有する吸
着剤を形成し得るものであればいずれも使用することが
できる。具体的には、各元素の酸化物、水酸化物、炭酸
塩、硫酸塩、ハロゲン化物、リン酸塩などを用いること
ができる。
【0015】なお、成分Dのなかでも、耐久性に優れた
吸着剤が得られるとの点において、ジルコニウムおよび
アルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種が好適に
用いられる。
【0016】本発明の吸着剤における上記成分の割合に
ついては、成分A(金属換算)は0.01〜10重量
%、好ましくは0.05〜5重量%、成分B(酸化物換
算)は60〜99重量%、好ましくは75〜99重量
%、そして成分C(酸化物換算)は1〜30重量%、好
ましくは1〜20重量%である(合計100重量%)。
また、成分Dを含有する場合、成分A(金属換算)は
0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量
%、成分B(酸化物換算)は1〜89重量%、好ましく
は5〜60重量%、成分C(酸化物換算)は1〜30重
量%、好ましくは1〜20重量%、そして成分D(酸化
物換算)10〜98重量%、好ましくは20〜94重量
%である(合計100重量%)。
【0017】本発明の吸着剤の調製方法には特に制限は
なく、窒素酸化物および/または硫黄酸化物を吸着する
機能を有する吸着剤が得られる限り、各種方法で調製す
ることができる。成分A、成分B、成分Cおよび成分D
(チタン−ケイ素)を含有する吸着剤について、その代
表的な調製方法を以下に説明するが、本発明はこれに限
定されるものではない。
【0018】成分Dの出発原料として挙げた、前記のチ
タン源およびケイ素源の化合物をチタンおよびケイ素の
原子比がそれぞれ40〜95%および5〜60%となる
ように取り、酸性の水溶液状態またはゾル状態でチタン
およびケイ素を酸化物に換算して1〜100g/L(リ
ットル、以下同じ)の濃度として10〜100℃に保
つ。そこに撹拌下、中和剤としてアンモニア水を滴下
し、チタンおよびケイ素を含む共沈化合物を生成し、ろ
別し、よく洗浄した後、80〜140℃で1〜10時間
乾燥し、さらに450〜700℃で1〜10時間焼成す
ることによりTiO2−SiO2が得られる。
【0019】成分A、成分Bおよび成分Cの出発原料の
水溶液、または粉体を一般に用いられている成型助剤と
ともに上記成分Dに加え、混合、撹拌し、押出成型機で
成型する。得られた成型物は、50〜120℃で乾燥し
た後、200〜600℃、好ましくは250〜500℃
で1〜10時間、好ましくは2〜6時間空気中、窒素な
どの不活性ガス中などで焼成することにより本発明の吸
着剤が得られる。そのほか、成分A〜Cのうちの一つと
成分Dとを含有する成型体をあらかじめ作成し、この成
型体に残りに成分を含浸担持させ、その後は上記と同様
にして、本発明の吸着剤を得ることもできる。
【0020】本発明の吸着剤の形状については特に制限
はなく、円柱状、円筒状、球状、板状、ハニカム状、そ
の他一体に成型されたもののなかから適宜選択すること
ができる。この成型には、一般的な成型方法、例えば打
錠成型、押出成型などを用いることができる。球状の場
合、その平均粒径は、通常、1〜10mmである。ハニ
カム状吸着剤の場合は、いわゆるモノリス担体と同様で
あり、押出成型法やシート状素子を巻き固める方法など
により製造することができる。そのガス通過口(セル形
状)の形は、6角形、4角形、3角形、またはコルゲー
ション形のいずれであってもよい。セル密度(セル数/
単位断面積)は、通常、25〜800セル/平方インチ
であり、好ましくは25〜500セル/平方インチであ
る。
【0021】本発明の方法によれば、窒素酸化物および
/または硫黄酸化物を含むガスを上記吸着剤に接触させ
て窒素酸化物および/または硫黄酸化物を吸着せしめて
ガスを浄化する。この窒素酸化物(NOx)とは一酸化
窒素および二酸化窒素の少なくとも1つであり、硫黄酸
化物(SOx)とは二酸化硫黄および三酸化硫黄の少な
くとも1つである。上記ガスの代表例は、前記の道路ト
ンネルなどからの換気ガスないしは大気ガスであり、本
発明の方法は、窒素酸化物または硫黄酸化物の濃度が5
ppm以下という濃度が低いガスからの窒素酸化物およ
び/または硫黄酸化物の吸着除去に好適に用いられる。
【0022】上記のガスと吸着剤との接触方法について
は特に制限はなく、通常、この吸着剤からなる層中にガ
スを導入して行う。この処理条件については、処理すべ
きガスの性状などにより異なるので一概に特定できない
が、例えば、吸着剤層に供給するガスの温度は、通常、
0〜100℃であり、特に0〜50℃とするのが好まし
い。また、吸着剤層に供給するガスの空間速度(SV)
は、通常、500〜50000hr-1(STP)であ
り、2000〜30000hr-1(STP)の範囲が好
ましい。
【0023】窒素酸化物のほかに硫黄酸化物を含有する
ガスから窒素酸化物を効率よく除去してガスを浄化する
に際しては、あらかじめ硫黄酸化物を除去した後、本発
明の吸着剤に接触させて窒素酸化物を吸着除去すると吸
着剤の耐久性が向上し、長期にわたって効果的に窒素酸
化物を除去することができる。
【0024】硫黄酸化物の除去方法には特に制限はな
く、ガスを水洗して除去する方法、ガスを硫黄酸化物吸
着用の吸着剤に接触させて除去する方法などを用いるこ
とができる。なかでも、装置がコンパクトになる、消費
エネルギーが少ないなどの点から、硫黄酸化物用吸着剤
を用いる方法が好適に用いられる。
【0025】上記硫黄酸化物用吸着剤としては、SOx
を吸着し得るものであればいずれでもよく、なかでも活
性炭、遷移金属、アルカリ金属およびアルカリ土類金属
から選ばれる少なくとも1種を含有する吸着剤が好適に
用いられる。遷移金属の代表例としては、Ni、Co、
Fe、Mn、Cr、Mo、W、V、Nb、Zn、Cuな
どを挙げることができる。アルカリ金属およびアルカリ
土類金属の代表例としては、それぞれ、Li、Na、K
およびMg、Ca、Baを挙げることができる。これら
元素の吸着剤中の形態については特に制限はなく、SO
xを吸着し得るものであれば、どのような形態であって
もよい。具体的には、例えば、酸化物、炭酸塩、硫酸
塩、塩化物および水酸化物を挙げることができる。
【0026】上記硫黄酸化物用吸着剤は、担体として、
アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、シリカ−ア
ルミナ、アルミナ−ジルコニア、シリカ−チタニア、シ
リカ−ジルコニア、チタニア−ジルコニアおよびアルカ
リ土類金属の少なくとも1種を含んでいてもよい。
【0027】かくして、本発明の好適な態様は、窒素酸
化物および硫黄酸化物を含むガスを最初に硫黄酸化物用
吸着剤に接触させて硫黄酸化物を吸着除去し、次いで本
発明の吸着剤に接触させて窒素酸化物を吸着除去してガ
スを浄化することからなるものである。これにより、本
発明の吸着剤の耐久性が向上する。
【0028】
【発明の効果】本発明の吸着剤は、窒素酸化物および/
または硫黄酸化物、特に低濃度の窒素酸化物および/ま
たは硫黄酸化物に対し高い吸着性能を有し、しかも優れ
た耐久性を示す。
【0029】窒素酸化物および硫黄酸化物を含有するガ
スを浄化するに当り、あらかじめ硫黄酸化物を除去し、
その後に本発明の吸着剤に接触させて窒素酸化物を除去
すると、吸着剤の耐久性が向上し、長期にわたり効果的
に窒素酸化物を吸着除去することができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0031】実施例1 白金硝酸水溶液(田中貴金属(株)製、白金金属を3.
75重量%含有)80gと塩基性炭酸銅(日本化学産業
(株)製、銅金属を50重量%含有)1473gとを適
量の水を添加しつつニーダーでよく混合した後、押出成
型機で直径5mm、長さ5mmのペレット状に成型し
た。このペレットを100℃で10時間乾燥した後、3
50℃で3時間空気雰囲気下で焼成した。さらに、この
ペレットを4N−NaOH水溶液に2分間含浸した後、
120℃で5時間乾燥した。
【0032】このようにして得られた吸着剤(1)の組
成は、Pt:Cu:Na(Pt:CuO:Na2Oとし
て)=0.3:92.2:7.5(重量%)であった。
【0033】実施例2〜6 実施例1において、塩基性炭酸銅の代わりに塩基性炭酸
ニッケル、塩基性炭酸コバルト、水酸化鉄、塩基性炭酸
鉛または炭酸セリウムを用いた以外は実施例1と同様に
して表1に示す組成の吸着剤(2)〜(6)のペレット
を得た。
【0034】実施例7〜10 実施例1において、白金硝酸水溶液の代わりに硝酸ルテ
ニウム水溶液、塩酸金水溶液、硝酸ロジウム水溶液また
は硝酸パラジウム水溶液を用いた以外は実施例1と同様
にして表1に示す組成の吸着剤(7)〜(10)のペレ
ットを得た。
【0035】実施例11 水400Lにアンモニア水(NH3、25%)286L
を添加し、これにスノーテックスNCS−30(日産化
学(株)製のシリカゾル、SiO2を約30重量%含
有)24kg加えた。得られた溶液中に硫酸チタニルの
硫酸水溶液(TiO2として250g/L含有、全硫酸
濃度1100g/L)153Lを水300Lに添加して
希釈したチタン含有硫酸水溶液を撹拌下、徐々に添加し
て共沈ゲルを得た。さらに、そのまま15時間放置して
TiO2−SiO2ゲルを得た。このゲルをろ過し、水洗
した後、200℃で10時間乾燥した。次いで、600
℃で6時間空気雰囲気下で焼成し、さらにハンマーミル
を用いて粉砕し、分級機で分級して平均粒径10μmの
粉体を得た。得られた粉体(以下、「TS−1」とい
う)の組成は、Ti:Si=4:1(原子比)であっ
た。
【0036】硝酸ルテニウム水溶液(田中貴金属(株)
製、ルテニウム金属を4.20重量%含有)71.4
g、塩基性炭酸銅(日本化学産業(株)製、銅金属を5
0重量%含有)479gおよび上記TS−1の595g
を適量の水を添加しつつニーダーでよく混合した後、押
出成型機で直径5mm、長さ5mmのペレット状に成型
した。このペレットを100℃で10時間乾燥した後、
350℃で3時間空気雰囲気下で焼成した。さらに、こ
のペレットを4N−KOH水溶液に2分間含浸した後、
120℃で5時間乾燥した。
【0037】このようにして得られた吸着剤(11)の
組成は、Ru:Cu:TS−1:K(Ru:CuO:T
S−1:K2Oとして)=0.3:30:59.5:1
0.2(重量%)であった。
【0038】実施例12〜18 実施例11において、TS−1の代わりに酸化チタン、
酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、アルミナ−シリ
カ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムまたは炭酸バリ
ウムを用いた以外は実施例11と同様にして表1に示す
組成の吸着剤(12)〜(18)のペレットを得た。
【0039】実施例19 硝酸ルテニウム水溶液(田中貴金属(株)製、ルテニウ
ム金属を4.20重量%含有)71.4g、塩基性炭酸
銅(日本化学産業(株)製、銅金属を50重量%含有)
159.7g、塩基性炭酸コバルト(コバルト金属を4
2重量%含有)87.4gおよび炭酸カルシウム747
gに酢酸カリウム209gを水300gに溶解した酢酸
カリウム水溶液を加え、さらに適量の水を添加しつつニ
ーダーでよく混合した後、押出成型機で直径5mm、長
さ5mmのペレット状に成型した。このペレットを10
0℃で10時間乾燥した後、500℃で3時間空気雰囲
気下で焼成した。
【0040】このようにして得られた吸着剤(19)の
組成は、Ru:Cu:Co:Ca:K(Ru:CuO:
Co34:CaO:K2Oとして)=0.4:14.
9:7.4:62.4:14.9(重量%)であった。
【0041】実施例20、21 実施例19において、塩基性炭酸銅、塩基性炭酸コバル
トおよび炭酸カルシウムの代わりに、塩基性炭酸ニッケ
ル、硝酸セリウム、水酸化鉄、TS−1または酸化チタ
ンを用いて、表1に示す組成の吸着剤(20)、(2
1)のペレットを得た。
【0042】比較例1 塩基性炭酸銅(日本化学産業(株)製、銅金属を50重
量%含有)1425gを適量の水を添加しつつニーダー
でよく混合した後、押出成型機で直径5mm、長さ5m
mのペレット状に成型した。このペレットを100℃で
10時間乾燥した後、350℃で3時間空気雰囲気下で
焼成した。さらに、このペレットを4N−NaOH水溶
液に2分間含浸した後、120℃で5時間乾燥した。こ
のようにして得られた吸着剤(比較1)の組成は、C
u:Na(CuO:Na2Oとして)=92.4:7.
6(重量%)であった。
【0043】比較例2 硝酸ルテニウム水溶液(田中貴金属(株)製、ルテニウ
ム金属を4.20重量%含有)71.4gおよび塩基性
炭酸ニッケル(ニッケル金属を43重量%含有)182
2gを適量の水を添加しつつニーダーでよく混合した
後、押出成型機で直径5mm、長さ5mmのペレット状
に成型した。このペレットを100℃で10時間乾燥し
た後、350℃で3時間空気雰囲気下で焼成した。
【0044】このようにして得られた吸着剤(比較2)
の組成は、Ru:Ni(Ru:NiOとして)=0.
3:99.7(重量%)であった。
【0045】比較例3 硝酸ルテニウム水溶液(田中貴金属(株)製、ルテニウ
ム金属を4.20重量%含有)71.4gとTS−1の
885gとを適量の水を添加しつつニーダーでよく混合
した後、押出成型機で直径5mm、長さ5mmのペレッ
ト状に成型した。このペレットを100℃で10時間乾
燥した後、350℃で3時間空気雰囲気下で焼成した。
さらに、このペレットを4N−KOH水溶液に2分間含
浸した後、120℃で5時間乾燥した。
【0046】このようにして得られた吸着剤(比較3)
の組成は、Ru:TS−1:Na(Ru:TS−1:N
2Oとして)=0.3:87.9:11.8(重量
%)であった。
【0047】上記のようにして得られた吸着剤(1)〜
(21)および比較吸着剤(1)〜(3)の組成をまと
めて表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】なお、表1において、成分B、CおよびD
は、その組成比算出の基礎となる酸化物として示してあ
る。
【0050】実施例22 吸着剤(1)〜(21)および比較吸着剤(1)〜
(3)の窒素酸化物吸着能および硫黄酸化物吸着能を下
記の2つの方法により評価した。
【0051】(評価方法(1))吸着剤46mlを内径
30mmのガラス製反応管に充填した。この吸着剤層に
下記組成の合成ガス(A)を下記条件下に導入した。
【0052】合成ガス(A)組成 一酸化窒素(NO):0.9ppm、二酸化窒素(NO
2):0.1ppm、二酸化硫黄(SO2):0.05p
pm、H2O:1.9容量%、残り:空気処理条件 ガス量:15.2NL/min、処理温度:25℃、空
間速度(SV):20,000hr-1(STP)、ガス
湿度:60%RH 上記合成ガスを導入してから1時間後、上記吸着剤層の
入口および出口における合成ガス中の窒素酸化物(N
O、NO2)濃度を化学発光式NOx計により、また硫
黄酸化物(SO2)濃度を紫外線吸収式SO2計で測定
し、次式にしたがってNO、NO2およびSO2の除去率
を算出した。
【0053】NO除去率(%)=(入口NO濃度−出口
NO濃度)/(入口NO濃度)(×100) NO2除去率(%)=(入口NO2濃度−出口NO2
度)/(入口NO2濃度)(×100) SO2除去率(%)=(入口SO2濃度−出口SO2
度)/(入口SO2濃度)×100 (評価方法(2))ここでは、下記の加速耐久試験を行
った後の各吸着剤の窒素酸化物吸着能および硫黄酸化物
吸着能を評価方法(1)と同様にして評価した。
【0054】<加速耐久試験>吸着剤46mlを内径3
0mmのガラス製反応管に充填した。この吸着剤層に下
記組成の合成ガス(B)を下記条件下に導入した。
【0055】合成ガス(B)組成 一酸化窒素(NO):2.7ppm、二酸化窒素(NO
2):0.3ppm、二酸化硫黄(SO2):0.15p
pm、H2O:1.9容量%、残り:空気処理条件 ガス量:15.2NL/min、処理温度:25℃、空
間速度(SV):20,000hr-1(STP)、ガス
湿度:60%RH 上記加速耐久試験を500時間行った後、合成ガス
(B)を合成ガス(A)に変更し、合成ガス(A)を導
入してから1時間後、上記吸着剤層の入口および出口に
おける合成ガス中の窒素酸化物(NO、NO2)濃度を
評価方法(1)と同様にして求めた。
【0056】評価結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】実施例23 (硫黄酸化物用吸着剤の調製)実施例11で得たTS−
1粉体1000gに適量の水を添加しつつニーダーでよ
く練った後、押出成型機で直径5mm、長さ5mmのペ
レット状に成形した。このペレットを100℃で10時
間乾燥した後、350℃で3時間空気雰囲気下で焼成し
た。さらに、このペレットを24重量%−NaOH水溶
液に2分間含浸した後、120℃で5時間乾燥した。
【0059】このようにして得られた硫黄酸化物用吸着
剤の組成は、TS−1:Na(TS−1:Na2Oとし
て)=85:15(重量%)であった。 (評価方法)実施例22の評価方法(1)および(2)
において、ガス流れに対して前段に上記硫黄酸化物用吸
着剤を19ml、後段に実施例1で得た吸着剤(1)を
46ml充填した以外は評価方法(1)および(2)と
同様にして、その窒素酸化物吸着能および硫黄酸化物吸
着能を評価した。結果を表3に示す。
【0060】表2および3の結果より、前段に硫黄酸化
物用吸着剤を設置することにより吸着剤(1)の耐久性
能が向上することがわかる。
【0061】実施例24、25 実施例23の評価方法において、後段の吸着剤として、
実施例11および17で得た吸着剤(11)および(1
7)を用いた以外は実施例23と同様にして、その窒素
酸化物吸着能および硫黄酸化物吸着能を評価した。結果
を表3に示す。表2および3の結果より、前段に硫黄酸
化物用吸着剤を設置することにより吸着剤(11)およ
び(17)の耐久性能が向上することがわかる。
【0062】比較例4〜6 実施例23の評価方法において、後段の吸着剤として、
比較例1〜3で得た比較吸着剤(それぞれ比較1〜3)
を用いた以外は実施例23と同様にして、その窒素酸化
物吸着能および硫黄酸化物吸着能を評価した。結果を表
3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】実施例26 塩基性炭酸銅(日本化学産業(株)製、銅金属を50重
量%含有)479gと炭酸カルシウム622gとを適量
の水を添加しつつニーダーでよく混合した後、押出成型
機で直径5mm、長さ5mmのペレット状に成型した。
このペレットを100℃で10時間乾燥した後、350
℃で3時間空気雰囲気下で焼成した。さらに、このペレ
ットを塩化ルテニウム(RuCl3)水溶液(ルテニウ
ム金属を1.11重量%含有)に2分間含浸させた後、
110℃で5時間乾燥した。さらに、このペレットを4
N−NaOH水溶液に2分間含浸した後、120℃で5
時間乾燥した。
【0065】このようにして得られた吸着剤(22)の
組成は、Ru:Cu:Ca:K(Ru:CuO:Ca
O:K2Oとして)=0.4:41.3:47.9:1
0.4(重量%)であった。この吸着剤(22)の組成
を表1に示す。
【0066】上記吸着剤(22)の窒素酸化物吸着能お
よび硫黄酸化物吸着能を実施例22の方法により評価し
た。評価結果を表2に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01D 53/60 B01D 53/34 123A 53/74 129A 53/81 132Z B01J 20/08 20/10 (56)参考文献 特開 平7−204468(JP,A) 特開 平7−256054(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/00 - 20/34 B01D 53/34

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)白金、金、ルテニウム、ロジウム
    およびパラジウムから選ばれる少なくとも1種の元素、
    (2)銅、ニッケル、コバルト、鉄、鉛およびセリウム
    から選ばれる少なくとも1種の元素、および(3)少な
    くとも1種のアルカリ金属元素を含有する窒素酸化物お
    よび/または硫黄酸化物の吸着剤。
  2. 【請求項2】 さらに、チタン、ケイ素、アルミニウ
    ム、ジルコニウムおよびアルカリ土類金属から選ばれる
    少なくとも1種の元素を含有する請求項1記載の吸着
    剤。
  3. 【請求項3】 ルテニウムが酸化物または複合酸化物の
    形態で含まれる請求項1または2記載の吸着剤。
  4. 【請求項4】 窒素酸化物および/または硫黄酸化物を
    含むガスを請求項1、2または3の吸着剤に接触させて
    窒素酸化物および/または硫黄酸化物を吸着除去するこ
    とを特徴とする窒素酸化物および/または硫黄酸化物の
    除去方法。
  5. 【請求項5】 窒素酸化物および硫黄酸化物を含有する
    ガスを、該ガスからあらかじめ硫黄酸化物を除去した
    後、窒素酸化物用吸着剤に接触させて窒素酸化物を除去
    する方法において、該窒素酸化物用吸着剤として請求項
    1、2または3の吸着剤を用いることを特徴とする窒素
    酸化物および硫黄酸化物の除去方法。
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