JP2597252B2 - 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤 - Google Patents
低濃度窒素酸化物の吸着除去剤Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種道路トンネル、山
岳トンネル、海底トンネル、地下道路、シェルター付道
路等の各種トンネルにおける換気ガス中に含有される低
濃度の窒素酸化物を効率よく除去する吸着除去剤に関す
るものである。
岳トンネル、海底トンネル、地下道路、シェルター付道
路等の各種トンネルにおける換気ガス中に含有される低
濃度の窒素酸化物を効率よく除去する吸着除去剤に関す
るものである。
【0002】
【発明の背景】各種道路トンネル、山岳トンネル、地下
道路、シェルター付道路等(本明細書では、これらのト
ンネルを総称して「道路トンネル等」と呼ぶこととす
る)において、特に長大で自動車交通量の多いものにつ
いては、通行者の健康保護や明視距離の改善を目的に相
当量の換気を行なう必要がある。また、比較的短距離の
トンネルでも都市部あるいはその近郊では、出入口部に
集中する一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx )等
による大気汚染を防止する方法として、トンネル内の空
気を吸引排気(換気)する方法がある。
道路、シェルター付道路等(本明細書では、これらのト
ンネルを総称して「道路トンネル等」と呼ぶこととす
る)において、特に長大で自動車交通量の多いものにつ
いては、通行者の健康保護や明視距離の改善を目的に相
当量の換気を行なう必要がある。また、比較的短距離の
トンネルでも都市部あるいはその近郊では、出入口部に
集中する一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx )等
による大気汚染を防止する方法として、トンネル内の空
気を吸引排気(換気)する方法がある。
【0003】しかしながら、換気ガスをそのまま周囲に
放散したのでは、地域的な環境改善にはならず、特に自
動車排ガスによる汚染が平面的に拡がっている都市部あ
るいはその近郊では高度の汚染地域を拡大させることに
なりかねない。既設道路の公害対策としてトンネル化、
シェルター設置を図る場合も、前述の事情は全く同じで
ある。 本発明は、このような道路トンネル等の換気ガ
ス中に含有される低濃度の窒素酸化物を効率よく除去す
る吸着除去剤に関するものである。
放散したのでは、地域的な環境改善にはならず、特に自
動車排ガスによる汚染が平面的に拡がっている都市部あ
るいはその近郊では高度の汚染地域を拡大させることに
なりかねない。既設道路の公害対策としてトンネル化、
シェルター設置を図る場合も、前述の事情は全く同じで
ある。 本発明は、このような道路トンネル等の換気ガ
ス中に含有される低濃度の窒素酸化物を効率よく除去す
る吸着除去剤に関するものである。
【0004】
【従来の技術】各種トンネルの換気ガスは、その中に含
有される窒素酸化物の濃度が約5ppmと低く、ガス温度
は常温で、ガス量は交通量に従って大きく変動すること
で特徴付けられる。
有される窒素酸化物の濃度が約5ppmと低く、ガス温度
は常温で、ガス量は交通量に従って大きく変動すること
で特徴付けられる。
【0005】従来より各種ボイラー燃焼排ガスの浄化を
目的に検討されてきた、固定発生源からの窒素酸化物の
除去方法は、次の3つに大別される。
目的に検討されてきた、固定発生源からの窒素酸化物の
除去方法は、次の3つに大別される。
【0006】(1) 接触還元法 これは、アンモニアを還元剤とし排ガス中の窒素酸化物
を選択的に還元して無害な窒素と水蒸気にするもので、
ボイラー排ガスの脱硝法として最も一般的な方法であ
る。しかしながら、この方法は、処理ガス温度を200
℃以上にする必要があるため、道路トンネル等の換気ガ
スのように常温でガス量が多い場合には、処理ガスの昇
温に多大のエネルギーを要するため、経済的な処理方法
ではない。
を選択的に還元して無害な窒素と水蒸気にするもので、
ボイラー排ガスの脱硝法として最も一般的な方法であ
る。しかしながら、この方法は、処理ガス温度を200
℃以上にする必要があるため、道路トンネル等の換気ガ
スのように常温でガス量が多い場合には、処理ガスの昇
温に多大のエネルギーを要するため、経済的な処理方法
ではない。
【0007】(2) 湿式吸収法 これは、二酸化窒素(NO2 )や三酸化窒素(N
2 O3 )が水やアルカリ水溶液に吸収されることを利用
したもので、酸化触媒やオゾン注入により一酸化窒素
(NO)を酸化した後に吸収させたり、吸収液に酸化性
を付加する方法が知られている。しかしながら、これら
の方法では窒素酸化物(NOx )が硝酸塩や亜硝酸塩と
して吸収液に蓄積されるため、吸収液の管理や後処理が
必要であり、プロセスが複雑となる。また酸化剤のモル
当りの単価は接触還元法で用いられるアンモニアと比べ
高価であり、プロセスの経済性に問題がある。
2 O3 )が水やアルカリ水溶液に吸収されることを利用
したもので、酸化触媒やオゾン注入により一酸化窒素
(NO)を酸化した後に吸収させたり、吸収液に酸化性
を付加する方法が知られている。しかしながら、これら
の方法では窒素酸化物(NOx )が硝酸塩や亜硝酸塩と
して吸収液に蓄積されるため、吸収液の管理や後処理が
必要であり、プロセスが複雑となる。また酸化剤のモル
当りの単価は接触還元法で用いられるアンモニアと比べ
高価であり、プロセスの経済性に問題がある。
【0008】(3) 乾式吸着法 これは、適当な吸着剤を用いて排ガス中の窒素酸化物を
吸着除去する方法で、ボイラー排ガスの脱硝法として接
触還元法が定着するまでは数例検討された。しかしなが
ら、ボイラー排ガスは(ア)窒素酸化物の濃度が高い、
(イ)ガス温度が高い、(ウ)水分濃度が高いために、
乾式吸着法は接触還元法と比べ経済性において見劣り
し、現在まで実用化されていない。
吸着除去する方法で、ボイラー排ガスの脱硝法として接
触還元法が定着するまでは数例検討された。しかしなが
ら、ボイラー排ガスは(ア)窒素酸化物の濃度が高い、
(イ)ガス温度が高い、(ウ)水分濃度が高いために、
乾式吸着法は接触還元法と比べ経済性において見劣り
し、現在まで実用化されていない。
【0009】ところが、道路トンネル等の換気ガスの浄
化方法として乾式吸着法を評価すれば、ボイラー排ガス
の場合とは全く異なり、プロセスが簡単となり経済的な
方法であることが判明した。
化方法として乾式吸着法を評価すれば、ボイラー排ガス
の場合とは全く異なり、プロセスが簡単となり経済的な
方法であることが判明した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】吸着剤による窒素酸化
物の吸着除去に関する研究の中で、低濃度の窒素酸化物
の吸着除去に関する研究としては、(財)工業開発研究
所の研究(「特殊な吸着、酸化触媒を使用する新脱硝シ
ステムの開発に関する研究」、昭和53年5月)があ
る。この中で、空気−H2 O−NO系の模擬ガス(入口
NO濃度:100〜120ppm 、乾燥ガス(露点:−1
7℃)、SV:3270Hr -1)による試験が行なわ
れ、吸着剤としては天然擬灰岩に銅系金属(酸化物)を
担持したものがよいことが報告されている。
物の吸着除去に関する研究の中で、低濃度の窒素酸化物
の吸着除去に関する研究としては、(財)工業開発研究
所の研究(「特殊な吸着、酸化触媒を使用する新脱硝シ
ステムの開発に関する研究」、昭和53年5月)があ
る。この中で、空気−H2 O−NO系の模擬ガス(入口
NO濃度:100〜120ppm 、乾燥ガス(露点:−1
7℃)、SV:3270Hr -1)による試験が行なわ
れ、吸着剤としては天然擬灰岩に銅系金属(酸化物)を
担持したものがよいことが報告されている。
【0011】しかしながら、道路トンネル等の換気ガス
中に含有される窒素酸化物の濃度は5ppm 以下と想定さ
れているが、上述の研究(NOx 濃度:約100ppm)で
用いられている吸着剤が、5ppm という低濃度の窒素酸
化物を効率よく吸着するかどうかについては、その可能
性も含め示唆されていない。
中に含有される窒素酸化物の濃度は5ppm 以下と想定さ
れているが、上述の研究(NOx 濃度:約100ppm)で
用いられている吸着剤が、5ppm という低濃度の窒素酸
化物を効率よく吸着するかどうかについては、その可能
性も含め示唆されていない。
【0012】本発明者らは、先に、5ppm という低濃度
の窒素酸化物を効率よく吸着除去することを企図した吸
着剤として、天然または合成ゼオライトに、塩化銅、塩
化銅の複塩および塩化銅のアンミン錯塩から選択される
少なくとも1種の銅塩を担持させて成る、低濃度窒素酸
化物の吸着除去剤(特開平1−299642号公報参
照)、およびアナターゼ型の酸化チタンより成る担体に
バナジウムを担持させて成る吸着除去剤(特願平2−3
40627号公報参照)をそれぞれ提案した。
の窒素酸化物を効率よく吸着除去することを企図した吸
着剤として、天然または合成ゼオライトに、塩化銅、塩
化銅の複塩および塩化銅のアンミン錯塩から選択される
少なくとも1種の銅塩を担持させて成る、低濃度窒素酸
化物の吸着除去剤(特開平1−299642号公報参
照)、およびアナターゼ型の酸化チタンより成る担体に
バナジウムを担持させて成る吸着除去剤(特願平2−3
40627号公報参照)をそれぞれ提案した。
【0013】しかし、これらの吸着剤は、水分(または
湿分)濃度が高くなると、図5に示すように、吸着性能
の低下(劣化現象)が認められた(図5は、上記Cu担
持ゼオライトと上記V担持チタニアの吸着性能に対する
湿分濃度の影響を示しものであり、反応条件は、吸着
剤:5ml、反応ガス量:2.5NL/分、NOx 濃度:3.8 〜
4.1ppm、湿分濃度:〜60ppm と〜500ppm、反応温度:24
〜26℃である)。
湿分)濃度が高くなると、図5に示すように、吸着性能
の低下(劣化現象)が認められた(図5は、上記Cu担
持ゼオライトと上記V担持チタニアの吸着性能に対する
湿分濃度の影響を示しものであり、反応条件は、吸着
剤:5ml、反応ガス量:2.5NL/分、NOx 濃度:3.8 〜
4.1ppm、湿分濃度:〜60ppm と〜500ppm、反応温度:24
〜26℃である)。
【0014】そのため、これら吸着剤では、良好な吸着
性能を発揮させるには、湿分濃度を露点で約−35℃以
下(約200ppm 以下)にする必要があり、NOx 除去
プロセスとしてNOx 吸着除去の前段に脱湿工程を設
け、脱湿ないし除湿を行う必要があった。
性能を発揮させるには、湿分濃度を露点で約−35℃以
下(約200ppm 以下)にする必要があり、NOx 除去
プロセスとしてNOx 吸着除去の前段に脱湿工程を設
け、脱湿ないし除湿を行う必要があった。
【0015】本発明は、上記の点に鑑み、湿分による影
響を受けない吸着除去剤を開発し、NOx 除去装置の小
型化、省エネルギー化を達成することを企図したもので
ある。
響を受けない吸着除去剤を開発し、NOx 除去装置の小
型化、省エネルギー化を達成することを企図したもので
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々検討し
た結果、低濃度の窒素酸化物を含有するガスをγ−アル
ミナ・ルテニウム系吸着剤に常温で接触させることによ
り、窒素酸化物を効率よく吸着除去できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
た結果、低濃度の窒素酸化物を含有するガスをγ−アル
ミナ・ルテニウム系吸着剤に常温で接触させることによ
り、窒素酸化物を効率よく吸着除去できることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0017】すなわち、本発明による低濃度窒素酸化物
の吸着除去剤(以下単に吸着剤という)は、γ−アルミ
ナより成る担体にルテニウムが担持されてなり、かつ5
ppm以下の低濃度窒素酸化物を常温で吸着することを特
徴とするものである。
の吸着除去剤(以下単に吸着剤という)は、γ−アルミ
ナより成る担体にルテニウムが担持されてなり、かつ5
ppm以下の低濃度窒素酸化物を常温で吸着することを特
徴とするものである。
【0018】本発明による吸着剤の第1の特徴は、吸着
剤の担体としてγ−アルミナ(γ−Al2 O3 )を使用
することにある。
剤の担体としてγ−アルミナ(γ−Al2 O3 )を使用
することにある。
【0019】吸着剤担体は、たとえば、γ−アルミナを
必要に応じてシリカゾル等の成型助剤(バインダーまた
は希釈剤として用いる)やセラミック繊維等の繊維状物
質と共に混練した後、好ましい形状(ペレット、ハニカ
ム等)に成形し、成形物を乾燥、焼成して得られる。
必要に応じてシリカゾル等の成型助剤(バインダーまた
は希釈剤として用いる)やセラミック繊維等の繊維状物
質と共に混練した後、好ましい形状(ペレット、ハニカ
ム等)に成形し、成形物を乾燥、焼成して得られる。
【0020】γ−アルミナ担体としては、市販のアルミ
ナ担体およびアルミナゾルより製造されるアルミナ担体
(セラミックペーパー触媒と同じように、アルミナゾル
を含浸したセラミックペーパーを乾燥、焼成して得られ
るアルミナ担体)のいずれも使用することができる。
ナ担体およびアルミナゾルより製造されるアルミナ担体
(セラミックペーパー触媒と同じように、アルミナゾル
を含浸したセラミックペーパーを乾燥、焼成して得られ
るアルミナ担体)のいずれも使用することができる。
【0021】つぎに、本発明による吸着剤の第2の特徴
は、上記担体にルテニウム(Ru)を担持することにあ
る。
は、上記担体にルテニウム(Ru)を担持することにあ
る。
【0022】ルテニウムの担持量については、ルテニウ
ム金属として最終吸着剤の約0.01重量%以上が好ま
しく、さらには約0.1〜5重量%が好ましい。
ム金属として最終吸着剤の約0.01重量%以上が好ま
しく、さらには約0.1〜5重量%が好ましい。
【0023】ルテニウムの担持は、一般には、塩化ルテ
ニウム(RuCl3)等のルテニウム化合物を適当な溶
媒に溶解させた溶液に、アルミナ担体を浸漬することに
より行なう。ただし、この方法は限定的なものではな
い。
ニウム(RuCl3)等のルテニウム化合物を適当な溶
媒に溶解させた溶液に、アルミナ担体を浸漬することに
より行なう。ただし、この方法は限定的なものではな
い。
【0024】ルテニウムの担持量は、一般に、浸漬溶液
中のルテニウム濃度、浸漬温度、浸漬時間等によって調
整する。浸漬後、吸着剤を溶液から分離し、水洗後、空
気中にて約100〜120℃で乾燥する。また、乾燥品
は必要に応じて約300〜500℃で焼成する。なお、
吸着、脱離、再生等の繰返しによる連続使用の際には、
吸着剤の使用最高温度より若干高い温度での処理が必要
な場合もある。
中のルテニウム濃度、浸漬温度、浸漬時間等によって調
整する。浸漬後、吸着剤を溶液から分離し、水洗後、空
気中にて約100〜120℃で乾燥する。また、乾燥品
は必要に応じて約300〜500℃で焼成する。なお、
吸着、脱離、再生等の繰返しによる連続使用の際には、
吸着剤の使用最高温度より若干高い温度での処理が必要
な場合もある。
【0025】吸着剤の形状としては、特に限定するもの
ではなく、円柱状、球状、ラシヒリング状またはハニカ
ム状等のように、接触面が多くてガス流通の容易なもの
であればよい。
ではなく、円柱状、球状、ラシヒリング状またはハニカ
ム状等のように、接触面が多くてガス流通の容易なもの
であればよい。
【0026】道路トンネル等からの換気ガスのように、
大量のガスを処理する場合においては、流通抵抗が少な
く圧力損失を極力小さくする必要がある。そのため、セ
ラミックペーパー触媒(セラミックペーパーにチタニア
ゾルを含浸した後、バナジウムを担持したもの)のよう
に、吸着剤をハニカム状に成形することが望ましい。
大量のガスを処理する場合においては、流通抵抗が少な
く圧力損失を極力小さくする必要がある。そのため、セ
ラミックペーパー触媒(セラミックペーパーにチタニア
ゾルを含浸した後、バナジウムを担持したもの)のよう
に、吸着剤をハニカム状に成形することが望ましい。
【0027】
【実施例】つぎに、本発明の実施例およびこれと比較す
べき比較例をそれぞれいくつか挙げる。
べき比較例をそれぞれいくつか挙げる。
【0028】実施例1 8〜14メッシュに破砕篩分した市販のγ−アルミナ
(触媒化成工業(株)製:サンビード−AN)7mlを塩
化ルテニウム(RuCl3 )水溶液(Ru濃度:0.3
8wt%)10mlに室温で20時間浸漬した。これを水洗
後、約110℃で2時間乾燥してRu担持アルミナ吸着
剤(Ru担持量:0.6wt%)を得た。
(触媒化成工業(株)製:サンビード−AN)7mlを塩
化ルテニウム(RuCl3 )水溶液(Ru濃度:0.3
8wt%)10mlに室温で20時間浸漬した。これを水洗
後、約110℃で2時間乾燥してRu担持アルミナ吸着
剤(Ru担持量:0.6wt%)を得た。
【0029】この吸着剤5ml(3.5g)を内径22mm
のステンレス製反応管に充填し、乾燥空気(湿分濃度:
約50ppm )流通中(2.5NL/分)約300℃で1時
間処理した後、室温まで放冷した。放冷後、乾燥空気の
流通を一旦止め、吸着剤層に3.5ppm の酸化窒素物
(NOx )を含む湿分濃度500ppm の調湿空気(2.
5NL/分)を導入し、導入直後から反応管の出口ガス中
のNOx 濃度を化学発光式分析計で測定した。出口ガス
中のNOx 濃度の経時変化を図1に示す。なお、図1中
の縦軸には、出口ガス中のNOx 濃度を入口ガス中のN
Ox濃度で除した値(「破過率」と呼ぶ)が目盛ってあ
る。
のステンレス製反応管に充填し、乾燥空気(湿分濃度:
約50ppm )流通中(2.5NL/分)約300℃で1時
間処理した後、室温まで放冷した。放冷後、乾燥空気の
流通を一旦止め、吸着剤層に3.5ppm の酸化窒素物
(NOx )を含む湿分濃度500ppm の調湿空気(2.
5NL/分)を導入し、導入直後から反応管の出口ガス中
のNOx 濃度を化学発光式分析計で測定した。出口ガス
中のNOx 濃度の経時変化を図1に示す。なお、図1中
の縦軸には、出口ガス中のNOx 濃度を入口ガス中のN
Ox濃度で除した値(「破過率」と呼ぶ)が目盛ってあ
る。
【0030】同図中の実施例1の曲線から明らかなよう
に、出口ガス中のNOx 濃度が入口濃度の10%(破過
率:0.1)、すなわち0.35ppmに到達するまでの
時間(「10%破過時間」と呼ぶ)は、30.0分であ
った。
に、出口ガス中のNOx 濃度が入口濃度の10%(破過
率:0.1)、すなわち0.35ppmに到達するまでの
時間(「10%破過時間」と呼ぶ)は、30.0分であ
った。
【0031】比較例1、2 担体としてチタン酸スラリー(TiO2 含有量:約30
wt%)を空気中にて400℃で5時間焼成して得たアナ
ターゼ型の酸化チタン(チタニア)を用い、これにメタ
バナジン酸アンモニウム(NH4 VO3)を含浸担持し
てバナジウム(V)担持チタニア吸着剤を得た。この吸
着剤を用い、実施例1と同様の条件で出口NOx 濃度を
測定した。このNOx 濃度の経時変化を図1中に比較例
1として示す。
wt%)を空気中にて400℃で5時間焼成して得たアナ
ターゼ型の酸化チタン(チタニア)を用い、これにメタ
バナジン酸アンモニウム(NH4 VO3)を含浸担持し
てバナジウム(V)担持チタニア吸着剤を得た。この吸
着剤を用い、実施例1と同様の条件で出口NOx 濃度を
測定した。このNOx 濃度の経時変化を図1中に比較例
1として示す。
【0032】また、担体として市販のY型ゼオライトを
用い、これに塩化第2銅(CuCl2 )を含浸担持して
Cu担持ゼオライト吸着剤を得た。この吸着剤を用い、
実施例1と同様の条件で出口NOx 濃度を測定した。こ
の時のNOx 濃度の経時変化を図1中に比較例2として
示す。
用い、これに塩化第2銅(CuCl2 )を含浸担持して
Cu担持ゼオライト吸着剤を得た。この吸着剤を用い、
実施例1と同様の条件で出口NOx 濃度を測定した。こ
の時のNOx 濃度の経時変化を図1中に比較例2として
示す。
【0033】同図中の比較例1および2の曲線から明ら
かなように、500ppm 湿分濃度においては、Ru担持
アルミナ吸着剤(実施例1)は、V担持チタニア吸着剤
(比較例1)やCu担持ゼオライト吸着剤(比較例2)
と比べ、きわめて優れた性能を示すことが判る。
かなように、500ppm 湿分濃度においては、Ru担持
アルミナ吸着剤(実施例1)は、V担持チタニア吸着剤
(比較例1)やCu担持ゼオライト吸着剤(比較例2)
と比べ、きわめて優れた性能を示すことが判る。
【0034】実施例2 日産化学工業(株)製のコロイダルアルミナ200を約
110℃で44時間乾燥した後、空気中400℃で24
時間焼成して得たγ−アルミナ担体を用い、実施例1と
同様の方法で吸着剤を得た。この吸着剤を用い、実施例
1と同様の条件で出口NOx 濃度を測定した。この時の
NOx 濃度の経時変化を図2中に実施例2として示す。
110℃で44時間乾燥した後、空気中400℃で24
時間焼成して得たγ−アルミナ担体を用い、実施例1と
同様の方法で吸着剤を得た。この吸着剤を用い、実施例
1と同様の条件で出口NOx 濃度を測定した。この時の
NOx 濃度の経時変化を図2中に実施例2として示す。
【0035】同図中の実施例1の曲線との比較により明
らかなように、コロイダルアルミナ(アルミナゾル)を
原料として得たアルミナ担体を用いても、市販のアルミ
ナ担体を用いてもNOx 吸着性能に際だった差異は認め
られず、いずれの担体も使用できることが判る。
らかなように、コロイダルアルミナ(アルミナゾル)を
原料として得たアルミナ担体を用いても、市販のアルミ
ナ担体を用いてもNOx 吸着性能に際だった差異は認め
られず、いずれの担体も使用できることが判る。
【0036】実施例3 実施例2と同様にして得た吸着剤5ml(3.5g)を内
径22mmのステンレス製反応管に充填し、乾燥空気(湿
分濃度:約50ppm )流通中(2.5NL/分)約300
℃で1時間処理した後、室温まで放冷した。放冷後、乾
燥空気の流通を一旦止め、吸着剤層に3.5ppm の酸化
窒素物(NOx )を含む空気(温度:24.5℃、相対
湿度:49%、湿分濃度:約15,000ppm )2.5
NL/分を導入し、導入直後から反応管の出口ガス中のN
Ox 濃度を測定した。出口ガス中のNOx 濃度の経時変
化を図3中に実施例3として示す。
径22mmのステンレス製反応管に充填し、乾燥空気(湿
分濃度:約50ppm )流通中(2.5NL/分)約300
℃で1時間処理した後、室温まで放冷した。放冷後、乾
燥空気の流通を一旦止め、吸着剤層に3.5ppm の酸化
窒素物(NOx )を含む空気(温度:24.5℃、相対
湿度:49%、湿分濃度:約15,000ppm )2.5
NL/分を導入し、導入直後から反応管の出口ガス中のN
Ox 濃度を測定した。出口ガス中のNOx 濃度の経時変
化を図3中に実施例3として示す。
【0037】同図中の実施例2(湿分濃度:500ppm
)の曲線との比較により明らかなように、湿分濃度が
高くなってもNOx 吸着性能は低下せず、大気空気の湿
分濃度でも効率よくNOx を吸着除去できることが判
る。
)の曲線との比較により明らかなように、湿分濃度が
高くなってもNOx 吸着性能は低下せず、大気空気の湿
分濃度でも効率よくNOx を吸着除去できることが判
る。
【0038】実施例4 実施例2で用いた担体を8〜14メッシュに破砕篩分し
た後、所定濃度の塩化ルテニウム水溶液に室温で20時
間浸漬し、これを水洗ついで乾燥してRu担持量の異な
る吸着剤を得た。
た後、所定濃度の塩化ルテニウム水溶液に室温で20時
間浸漬し、これを水洗ついで乾燥してRu担持量の異な
る吸着剤を得た。
【0039】これらの吸着剤5ml(3.5g)を内径2
2mmのステンレス製反応管に充填し、実施例1と同様の
条件で出口NOx 濃度を測定し、10%破過時間を求め
た。Ru担持量と10%破過時間の関係を図4に示す。
2mmのステンレス製反応管に充填し、実施例1と同様の
条件で出口NOx 濃度を測定し、10%破過時間を求め
た。Ru担持量と10%破過時間の関係を図4に示す。
【0040】同図に見られるとおり、Ru担持量が増加
するにつれて10%破過時間が長く、すなわちNOx 吸
着性能が良くなるが、Ru担持量が約3wt%以上では1
0%破過時間がほぼ一定になることが判る。
するにつれて10%破過時間が長く、すなわちNOx 吸
着性能が良くなるが、Ru担持量が約3wt%以上では1
0%破過時間がほぼ一定になることが判る。
【0041】
【発明の効果】本発明による吸着除去剤は湿分の影響を
受けないため、NOx吸着除去の前段で必要とした脱湿
工程が省略あるいは軽減できる。そのため脱湿工程で必
要とする多大なエネルギーが軽減でき、しかも脱湿装置
が不要あるいは簡素化できる。したがって、従来プロセ
スと比べて大幅な省エネルギーおよび省スペース(小型
化)が図れ、経済的効果がきわめて高い。
受けないため、NOx吸着除去の前段で必要とした脱湿
工程が省略あるいは軽減できる。そのため脱湿工程で必
要とする多大なエネルギーが軽減でき、しかも脱湿装置
が不要あるいは簡素化できる。したがって、従来プロセ
スと比べて大幅な省エネルギーおよび省スペース(小型
化)が図れ、経済的効果がきわめて高い。
【図1】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図2】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図3】時間と破過率の関係を示すグラフである。
【図4】Ru担持量と破過時間の関係を示すグラフであ
る。
る。
【図5】時間と破過率の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鬼塚 重則 大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日 立造船株式会社内 (72)発明者 福寿 厚 大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日 立造船株式会社内 (72)発明者 西良 友紀 大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日 立造船株式会社内 (72)発明者 小林 秀次 大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日 立造船株式会社内 (56)参考文献 特開 昭49−5861(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】 γ−アルミナより成る担体にルテニウム
が担持されてなり、かつ5ppm 以下の低濃度窒素酸化物
を常温で吸着することを特徴とする、低濃度窒素酸化物
の吸着除去剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3194513A JP2597252B2 (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3194513A JP2597252B2 (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0531357A JPH0531357A (ja) | 1993-02-09 |
JP2597252B2 true JP2597252B2 (ja) | 1997-04-02 |
Family
ID=16325784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3194513A Expired - Fee Related JP2597252B2 (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 低濃度窒素酸化物の吸着除去剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2597252B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6455463B1 (en) | 2001-03-13 | 2002-09-24 | Delphi Technologies, Inc. | Alkaline earth/transition metal lean NOx catalyst |
US6624113B2 (en) | 2001-03-13 | 2003-09-23 | Delphi Technologies, Inc. | Alkali metal/alkaline earth lean NOx catalyst |
GB201900482D0 (en) * | 2019-01-14 | 2019-02-27 | Univ Leeds Innovations Ltd | Catalytic converter |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IT979899B (it) * | 1972-03-20 | 1974-09-30 | Gulf Research Development Co | Procedimento per la rimozione degli ossidi di azoto da gas di scarico di motori a combustione interna |
-
1991
- 1991-08-02 JP JP3194513A patent/JP2597252B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0531357A (ja) | 1993-02-09 |
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