JPH119957A - 大気中の窒素酸化物の除去方法 - Google Patents

大気中の窒素酸化物の除去方法

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JPH119957A
JPH119957A JP9169781A JP16978197A JPH119957A JP H119957 A JPH119957 A JP H119957A JP 9169781 A JP9169781 A JP 9169781A JP 16978197 A JP16978197 A JP 16978197A JP H119957 A JPH119957 A JP H119957A
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nitrogen oxides
removing nitrogen
adsorbent
air
treatment step
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JP9169781A
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Satoshi Nishikata
聡 西方
Tomoaki Nishimura
智明 西村
Isao Amano
功 天野
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車道路用トンネルの換気ガスなどの大気中
に含まれる低濃度なNOX を、少ないエネルギーを投入
するだけで安全,かつ効率よく除去できるようにした新
規な窒素酸化物の除去方法を提供する。 【解決手段】第1の処理工程で、被処理空気に含むNO
X (大気汚染物質)中のNOをオゾンによる酸化,ある
いは光触媒作用によりNO2 に酸化してNO X 中に占め
るNO2 の比率が当初よりも高く(20〜90%)なる
ように調整し、続く第2の処理工程では、TiO2 ,Z
nO,モルデナイトのいずれかを主成分とする吸着材を
使用してNO,およびNO2 を等モルずつ同時に吸着さ
せて被処理空気中のNOX 濃度を低めるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車道
路用トンネルを換気するに際して、換気空気中から大気
汚染物質である窒素酸化物(NOX :一酸化窒素NO,
二酸化窒素NO2の総称)を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大都市でのNOX による大気汚染は依然
として深刻な問題である。このNOXによる大気汚染の
原因は主として自動車,特にディーゼルエンジンからの
排気ガスにあると言われており、市街地域の道路交差点
周域での大気中のNOX 濃度は0.2〜0.3ppm、
比較的高濃度である自動車道路用トンネルの換気ガスで
は1〜2ppmのNOX を含み、周辺環境への大きな汚
染源になっていることから、自動車エンジンのNOX
減対策のほか、環境側でも大気浄化対策としてNOX
除去技術に関して様々な研究されている。
【0003】また、前記した自動車の排気ガスが汚染源
となる大気中のNOX の組成を調査した結果では、NO
とNO2 の比率が略9:1でNOが大半を占めており、
この観点からも、大気中からのNOX 除去処理には主体
のNOを常温で大量に処理できる技術の確立が求められ
ている。ところで、被処理空気からNOX を除去する技
術として、活性炭による吸着法が知られている。しかし
て、活性炭はNO2 の吸着除去には有効に機能するが、
NOX 組成の大部分を占めるNOの吸着には有効に機能
しない。そこで、この対策としてオゾンを使ってNOを
NO2 に酸化し、被処理空気中のNOX を略100%N
2 に変えた上で、このNO2 を活性炭で吸着除去する
方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たオゾン酸化,活性炭吸着法は以下述べるような欠点が
ある。すなわち、被処理空気のNO濃度は自動車の通行
量により時々刻々変動する。これに対して、被処理空気
に添加するオゾン量はNO濃度に応じて調整する必要が
あるが、オゾンの発生量,添加量をNO濃度の変動に合
わせて適正に制御することは難しく、またオゾンを過剰
に添加するようにすると、オゾンを生成するために余分
なエネルギー(電力)を投入することになるほか、過剰
なオゾンが大気中に放出されて光化学スモッグの発生原
因にもなる。
【0005】この発明は上記の点に鑑みなされたもので
あり、その目的は大気中に含まれる低濃度なNOX を少
ないエネルギーを投入するだけで安全,かつ効率よく除
去できるようにした新規な窒素酸化物の除去方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の方法によれば、第1の処理工程で被処理
空気に含むNOX 中のNO2 比率が当初よりも高まるよ
うにNOをNO2 に酸化し、続く第2の処理工程でN
O,およびNO2 をTiO2 ,ZnO,モルデナイト
(ゼオライトの一種)のいずれかを主成分とする吸着材
に吸着させて被処理空気中のNOX 濃度を低めるように
する(請求項1)ものとし、具体的には次記のような態
様で効果的に実現できる。
【0007】(1) 前記の第1処理工程で、NOX 中に占
めるNO2 の比率が20〜90%(好ましくは50%)
になるようにNOをNO2 に酸化する(請求項2)。 (2) 第1,第2の処理工程に続き、第3の処理工程で被
処理空気中に残存するNO2 を活性炭に吸着させる(請
求項3)ものとし、この場合には第1の処理工程で、N
X 中に占めるNO2 の比率が50%以上になるように
NOをNO2 に酸化し、第2の吸着処理工程で吸着し切
れなかった残存NO2 を第3の処理工程で活性炭に吸着
させる(請求項4)。
【0008】(3) 第1の処理工程で、オゾン,もしくは
光触媒作用によりNOX 中のNOをNO2 に酸化させる
(請求項5)ものとし、この場合に光触媒としてTiO
2 を用い、TiO2 に波長400nm以下の近紫外光を
照射してNOをNO2 に酸化させる(請求項6)。 (4) 第2の処理工程で用いる吸着材として、アルカリ成
分を含有して吸着材を用いる(請求項7)ものとし、第
2の処理工程でNOX を吸着した吸着材を定期的に洗浄
し、吸着NOX を溶出させて再生した後に再使用する
(請求項8)。また、その洗浄法として、吸着材をアル
カリ性溶液単独,もしくは洗浄水とアルカリ溶液により
洗浄し、乾燥して再使用する(請求9)。
【0009】(5) また、被処理空気の通風経路に沿って
TiO2 を主成分とするシートを布設し、その前半ゾー
ンで光触媒として機能するTiO2 シートに波長400
nm以下の近紫外光を照射してNOをNO2 に酸化し、
後半の非照射ゾーンではNO,NO2 を等モル吸着材と
して機能するTiO2 シートに吸着させるようにしたN
X 除去方法もある(請求項10)。
【0010】すなわち、発明者等はNOX の吸着材に関
する研究で、前記したTiO2 ,ZnO,モルデナイト
を主成分とする吸着材は、NOX の吸着過程で略同量
(同モル)のNOとNO2 を同時に吸着する性質のある
ことを見い出した。そこで、従来,吸着材として用いて
いた活性炭に代えてTiO2 ,ZnO,モルデナイトの
いずれかを主成分とする吸着材を採用し、その前段工程
(第1の処理工程)で被処理空気(例えば、自動車道路
トンネルの換気ガス)に含まれるNOX 組成のNO比率
が当初(NOとNO2 の比率は約9:1)よりも低くな
るように酸化して、NOX 中に占めるNO2 の比率が2
0〜90%となるように高めることにより、続く第2の
処理工程では前記吸着材にNOとNO2 を等モルずつ同
時に吸着させることができる。また、この場合に吸着材
にアルカリ成分を添加しておくことでNOX の吸着効果
がより一層高まることも確認されている。
【0011】また、前記の第1処理工程でNOをNO2
に酸化する方法としては、オゾン酸化,あるいは光触媒
作用による酸化法などが利用できる。この場合に、Ti
2を主成分とした光触媒を用い、波長400nm以下
の近紫外光を照射すると、その光触媒作用によりNOX
を硝酸(HNO3 )に酸化してTiO2 の表面に捕捉す
ると同時に、その一部を中間生成物であるNO2 として
放出するために、酸化処理後の状態ではNOX 中に占め
るNO2 の比率が当初よりも高くなる。
【0012】一方、前記の吸着材はNOX (NO,NO
2 )を吸着し続けると、飽和吸着量に近づいてNOX
除去率が次第に低下する。この場合に、吸着材を水洗す
ることにより吸着したNOX を溶出して吸着機能が再生
するので、乾燥後に吸着材を再使用できる。また、当初
よりアルカリを添加した吸着材では、水洗によりアルカ
リ成分が溶出して吸着効果が低下するので、洗浄水とし
てアルカリ水溶液を用いか、あるいは水洗の後にアルカ
リ溶液に浸してアルカリ成分を含浸,補給することで吸
着材効果の低下を回避できる。
【0013】また、前記した第1の酸化処理工程で、N
Oの酸化が進んでNOX 中に占めるNO2 の比率が50
%以上になると、続く第2のNOX 吸着工程(NOとN
2を等モルずつ吸着する)では、NO2 の一部が吸着
されずに残る。そこで、第3の処理工程として活性炭を
使って残存NO2 を吸着させることで、NOX の除去効
率がより一層向上する。
【0014】また、被処理空気の通風経路に沿ってTi
2 を主成分とするシートを布設し、その前半ゾーンで
波長400nm以下の近紫外光を照射してNOをNO2
に酸化し、後半の非照射ゾーンでNO,NO2 を吸着さ
せる方法においては、次のようなプロセスを経てNOX
の酸化,吸着が行われる。すなわち、近紫外光を照射す
るTiO2 の前半ゾーン(酸化ゾーン)では、TiO2
のもつ光触媒作用によりNOX を硝酸に酸化してTiO
2 の表面に捕捉すると同時に、その一部を中間生成物で
あるNO2 として放出する。これにより、NOX 中のN
2 比率が高まる。そして、後半の非照射ゾーンでNO
とNO2 を等モルずつ同時吸着し、TiO2 シート全域
を通して被処理空気中のNOX 濃度を低める。したがっ
て、この方法によれば、TiO2 を主成分とした光触
媒,吸着材兼用のシートと、近紫外光の光源とでNOX
除去システムを構成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を形態別
に説明する。まず、この発明の請求項1,2に対応する
NOX 除去の処理工程を図1に、請求項3,4に対応す
る工程を図2に、請求項8に対応する吸着材の洗浄,再
生工程を図3に示し、図4にNOX 除去効果を確認する
ために使用した実験装置の構成を示す。
【0016】図4において、1,2はそれぞれNO,N
2 の標準ガスを入れたガス容器、3は前記標準ガスを
希釈するための清浄空気を入れたガス容器、4は減圧
弁、5は流量調整弁、6は四方弁、7は反応容器(ガラ
ス製容器)、8は反応容器7に収容した吸着材の供試試
料、9は化学発光式の窒素酸化物測定装置、10は空気
ポンプ、11,12は排気口である。
【0017】ここで、図示の実験装置によるNOX 除去
テストは次記のような手順で行う。まず、NO,NO2
の標準ガスと清浄空気を流量調整弁5で所望の比率に混
ぜ合わせ、模擬汚染空気を生成する。次に四方弁6を前
記の模擬汚染空気を所定の流量で吸着材の試料8を入れ
た反応容器7に送りこんで試料8に接触させる。この状
態で空気ポンプ10により反応容器7から採取した被処
理ガスを窒素酸化物測定装置9に導き入れてNOX 濃度
を記録した後、排気口11から放出する。
【0018】なお、この実験では便宜上、図1に示した
第1の処理工程で被処理空気を酸化処理する代わりに、
NOガスとNO2 ガスとの混合比を変えることでNOX
の組成比率を調整した。また、この実験で使用する吸着
材8の供試試料としては、図5のNo1〜12で示すよ
うに、TiO2 ,ZnO2 ,モルデナイト,その他を吸
着材の主成分として、その粉末とポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)の粉末を混合、圧延してシート上に
加工したものを使用した。
【0019】次に、前記の実験装置を用いて実施した供
試試料のNOX 吸着能力の実験結果,並びにその評価に
ついて述べる。 〔実験例1〕TiO2 を63.7%,アルカリ剤として
チタン酸カリウム(K2 TiO3 )を6.3%,PTF
Eを30%の重量割合で混合し、厚さ0.5mmに圧延し
て吸着材8を作成し、これを50×300mmのサイズに
カットして図5におけるNo1の供試試料とした。次に
この供試試料を反応容器7の中に収容し、反応容器7に
供給する被処理ガスのNOX 濃度を3.0ppm,供給
流量を毎分3.0リットルの条件で、NOX 中に占める
NO2 の含有率(NO2 濃度/NO濃度+NO 2 濃度)
を0〜100%の範囲で様々に変えて行い、そのNOX
吸着能力を調べた。
【0020】図6はこの実験結果を表す図であり、NO
X 除去率は実験時間20時間の平均値として示した。ま
た、NOX 除去率(%)は次記のように定義する。 NOX 除去率=(入口NOX 濃度−出口NOX 濃度)/
(入口NOX 濃度) 図6から明らかなように、入口ガスNO2 含有率が低い
範囲ではNO2 濃度の高まりに略比例してNOX 除去率
が大きくなり、NO2 含有率50〜60%で最大のNO
X 除去率65%が得られた。また、NO2 含有率がこれ
以上に増加すると、逆にNOX 除去率は次第に低下する
傾向を示すが、NO2 含有率が100%でもNOX 除去
率は0となることはなく、約40%を保つ。
【0021】この場合に、前記吸着材によるNOX の吸
着作用は、従来よりNOX の吸着材として使用されてい
る活性炭とは吸着メカニズムが異なる。すなわち、活性
炭はNO2 を吸着するがNOを吸着する機能はなく、例
えばNO2 含有率50%の条件で活性炭を使用してNO
X を吸着させたとすると、NOX 除去率は50%しか得
られないはずである。かかる点、前記の実験結果では、
NOX 除去率が約65%でNOとNO2 が同時に吸着さ
れている示している。
【0022】このようなNOX の吸着メカニズムは目下
解明中であるが、これまでの研究から得た知見から次記
のように推定される。すなわち、NOとNO2 が共存し
ているNOX の組成では、吸着材の表面で次記の反応が
生じて吸着されるものと考えられる。 NO+NO2 +H2 O→2HNO2 …………(1) 2NO2 +H2 O→HNO2 +HNO3 …………(2) つまり、NOX 中にNOとNO2 が共存している場合に
は、NOとNO2 が同時に同じ量(等モル)ずつ吸着材
に亜硝酸(HNO2 )の形態で吸着され、さらにNO2
は単独で吸着材の表面に亜硝酸と硝酸(HNO3 )の形
態で等モルずつ保持されているものと推定され、このこ
とは図7に示す実験結果からも裏付けられる。
【0023】すなわち、図7は図4の実験装置で20時
間のNOX 除去実験を行った後、吸着材8を500ml
の洗浄水(純水)に5時間浸漬し、吸着材に吸着保持さ
れているHNO2 ,HNO3 を溶出させて洗浄水の組成
濃度を調べたものである。図から明らかなように、入口
ガスNO2 含有率が60%以下の条件では、亜硝酸イオ
ン(NO2 - )が略100%を占め、入口ガスNO2
有率が増加するにつれて亜硝酸イオンの比率が低下す
る。したがって、NOとNO2 が共存するときは前記反
応式(1) が優先し、洗浄水中の組成濃度はNO2 - が略
100%になり、過剰のNO2 が存在するときには前記
反応式(2) の反応が進んでNO3 - の比率が高くなると
考えられる。
【0024】〔実験例2〕次に、TiO2 を主成分とし
た吸着材の供試試料について、図5のNo2(アルカリ
成分添加なし)と、No1,4(アルカリ成分を混
練),No4(アルカリ成分をTiO2 の表面に担
持),No5,6(アルカリ成分を含浸)とを使ってN
X 除去の実験を行い、その結果を比較した。この実験
結果によれば、No2のアルカリ添加なしに較べて吸着
材にアルカリ成分を添加することで、NOX除去率が向
上することが確認された。なお、アルカリ成分の添加方
法については、混練,担持,含浸方法のいずれでもほぼ
同程度の効果が得られた。
【0025】〔実験例3〕この実験では、吸着材の主成
分として、TiO2 の代替物質に図5のNo7〜12で
示す各種物質を使ってNOX 除去率を調べた。この結果
によれば、No7のZnO,No11のモルデナイトで
はTiO2 と同様に、除去されたNO/NO2 のモル比
は略1に近い値を示し、それ以外の物質ではNO2 の吸
着が優先し、活性炭と同様にNOを殆ど吸着しないこと
が確認された。
【0026】以上述べた実験は、図1に示したNOX
去方法の評価を確認するために行ったものであり、図6
に示すように図1に示す方法では、NOX 中のNO2
有率が50%以上の領域になるとNOX 除去率が次第に
低下する。これは、TiO2,ZnO,モルデナイトを
主成分とする吸着材がNOとNO2 を等モルずつ吸着す
るためであり、NOX 中のNO2 含有率が50%よりも
高くなると、NOのほぼ全量が吸着されたところで等モ
ル吸着がそれ以上進行せず、このためにNO2の一部が
吸着されずに被処理空気中に残存する。
【0027】この点について詳細に調べたところ、例え
ばNOX 中のNO2 含有率が81%では、NOX 除去率
が50%となるが、被処理ガス出口でのNO,NO2
濃度はそれぞれ0.14ppm,1.38ppm、N
O,NO2 の除去率はそれぞれ76.3%,43.4%
であり、NO2 含有率が50%以上の領域では相対的に
濃度の低いNOは高率で除去される反面、濃度の高いN
2 はその一部が残って除去率が低くなる。
【0028】そこで、このような場合には、図2で示す
ように先記した吸着材による第2の吸着工程に続き、第
3の処理工程でNO2 に高い除去率を示す活性炭を使用
し、前段の第2処理工程で吸着し切れなかった残存NO
2 を活性炭に吸着させるように処理すれば、全体で高い
NOX 除去率を得ることができる。一方、吸着材がNO
X を吸着し続けると、やがて飽和吸着量に達してNOX
除去能力が低下する。そこで、この発明によれば、吸着
材を定期的に洗浄して吸着した成分を洗浄液中に溶出さ
せ再生し、吸着材のNOX 吸着能力が回復した状態で再
使用するものとする。この場合に当初よりアルカリ成分
を添加した吸着材では、水洗によりアルカリ成分も溶出
することから、図3(a) のように洗浄液としてアルカリ
性溶液を使用するか、あるいは図3(b) のように吸着材
を通常水で水洗した後に吸着材をアルカリ溶液に浸して
アルカリ成分を補給し、その後に乾燥することにより、
吸着能力が当初の状態に回復する。
【0029】次に、この発明の請求項10に対応した実
施例を図8に示す。この実施例では、図1でNOをNO
2 に酸化する第1の処理工程、およびNOとNO2 を等
モルずつ吸着する第2の処理工程を、TiO2 を主成分
として作成したシート13を使って行うものとする。す
なわち、被処理空気を流す導風ダクト14に沿ってその
内壁面に前記のTiO2 シート13を布設するととも
に、その前半領域には近紫外光の光源としての光化学蛍
光灯14を配して波長400nm以下の近紫外光16の
照射ゾーンとし、後半領域は非照射ゾーンとする。
【0030】かかる構成で導風ダクト14に入口側から
NOX を含む被処理空気を流すと、TiO2 シート13
の前半ゾーンでは近紫外光の照射により光触媒として機
能し、NOX 中のNOをTiO2 シートとの接触反応に
よりNO2 →NO3 - に酸化するとともに、その酸化過
程で中間生成物であるNO2 を放出し、後半ゾーンの領
域を流れる被処理空気中のNOX のNO2 比率を相対的
に高める。一方、近紫外光を照射しないTiO2 シート
13の後半ゾーンはNO,NO2 の等モル吸着材として
機能し、先記の実験例で述べたようにNOX のNO,お
よびNO2 成分が等モルずつTiO2 シート13に吸
着,除去され、導風ダクト14の出口側では被処理空気
のNOX 濃度が低下する。なお、図10の実施例では、
被処理空気の通風路に沿ってTiO2 シート13に近紫
外光照射ゾーンと非照射ゾーンを1段分ずつ設けた例を
示したが、近紫外光照射ゾーンと非照射ゾーンを複数段
ずつ交互に配列して構成することもできる。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、この発明のNOX
去方法によれば、第1の処理工程で被処理空気に含むN
X 中のNO2 比率が当初よりも高まるようにNOをN
2 に酸化し、続く第2の処理工程でNO,およびNO
2 をTiO2 ,ZnO,モルデナイトのいずれかを主成
分とする吸着材に吸着させるようにしたことにより、自
動車道路用トンネルの換気ガスのようにNOX 濃度が広
範囲に変動するような環境下でも、大気中からNOX
効率よく除去することができる。
【0032】また、特にNOX 中のNOをNO2 に酸化
する処理工程で、オゾンを使用する場合でも、吸着材と
して活性炭を使用する従来方法と較べてオゾンの消費量
が少なくて済み、過剰オゾンをそのまま周囲環境中に放
出する危険がないほか、オゾン供給量をNO濃度に追従
して調整する面倒な制御が必要がないなど、NOX 除去
システムの運転が容易で、かつ安全,経済的に大気中の
NOX 濃度を低めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の請求項1,2に対応するNOX 除去
の処理工程図
【図2】この発明の請求項3,4に対応するNOX 除去
の処理工程図
【図3】この発明の請求項8に対応する吸着材の洗浄,
再生工程図であり、(a) はアルカリ性溶液を使用した
例、(b) は洗浄,再生工程を水洗浄とアルカリ性溶液の
含浸補充に分けて行う例の工程図
【図4】NOX 除去効果を確認するために使用した実験
装置の構成図
【図5】図4の実験装置で使用した吸着材の各種供試試
料について、その組成,アルカリ成分の添加方法,NO
X 除去率,除去したNOとNO2 との比率を表にまとめ
て表した図
【図6】実験結果による入口ガスNO2 含有率とNOX
除去率の関係を表す特性線図
【図7】実験結果による入口ガスNO2 含有率と吸着材
の洗浄水中におけるNO2 - 含有比率との関係を表す特
性線図
【図8】この発明の請求項10に対応する実施例の構成
【符号の説明】
1 NOのガス容器 2 NO2 のガス容器 3 清浄空気の容器 7 反応容器 8 吸着材(供試試料) 9 窒素酸化物測定器 13 TiO2 シート 14 被処理空気の導風ダクト 15 光化学蛍光灯 16 近紫外光

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大気中から大気汚染物質である窒素酸化物
    (NOX )を除去する方法であり、第1の処理工程で被
    処理空気に含むNOX 中のNO2 比率が当初よりも高ま
    るようにNOをNO2 に酸化し、続く第2の処理工程で
    NO,およびNO2 をTiO2 ,ZnO,モルデナイト
    のいずれかを主成分とする吸着材に吸着させて被処理空
    気中のNOX 濃度を低めるようにしたことを特徴とする
    大気中の窒素酸化物の除去方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の窒素酸化物の除去方法にお
    いて、第1の処理工程で、NOX 中に占めるNO2 の比
    率が20〜90%になるようにNOをNO2に酸化する
    ことを特徴とする大気中の窒素酸化物の除去方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の窒素酸化物の除去方法にお
    いて、第1,第2の処理工程に続き、第3の処理工程で
    被処理空気中に残存するNO2 を活性炭に吸着させるこ
    とを特徴とする大気中の窒素酸化物の除去方法。
  4. 【請求項4】請求項3記載の窒素酸化物の除去方法にお
    いて、第1の処理工程で、NOX 中に占めるNO2 の比
    率が50%以上になるようにNOをNO2 に酸化し、第
    2の吸着処理工程で吸着し切れなかった残存NO2 を第
    3の処理工程で活性炭に吸着させることを特徴とする大
    気中の窒素酸化物の除去方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の窒素酸化物の除去方法にお
    いて、第1の処理工程では、オゾン,もしくは光触媒作
    用によりNOX 中のNOをNO2 に酸化させることを特
    徴とする大気中の窒素酸化物の除去方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の窒素酸化物の除去方法にお
    いて、光触媒としてTiO2 を用い、TiO2 に波長4
    00nm以下の近紫外光を照射してNOをNO2 に酸化
    させることを特徴とする大気中の窒素酸化物の除去方
    法。
  7. 【請求項7】請求項1記載の窒素酸化物の除去方法にお
    いて、第2の処理工程で用いる吸着材がアルカリ成分を
    含有していることを特徴とする大気中の窒素酸化物の除
    去方法。
  8. 【請求項8】請求項1記載の窒素酸化物の除去方法にお
    いて、第2の処理工程でNOX を吸着した吸着材を洗浄
    し、吸着NOX を溶出させて再生した後に吸着材を再使
    用することを特徴とする大気中の窒素酸化物の除去方
    法。
  9. 【請求項9】請求項8記載の窒素酸化物の除去方法にお
    いて、吸着材をアルカリ性溶液単独,もしくは洗浄水と
    アルカリ溶液により洗浄し、乾燥して再使用することを
    特徴とする大気中の窒素酸化物の除去方法。
  10. 【請求項10】請求項1記載の窒素酸化物の除去方法に
    おいて、被処理空気の通風経路に沿ってTiO2 を主成
    分とするシートを布設し、その前半ゾーンで光触媒とし
    て機能するTiO2 シートに波長400nm以下の近紫
    外光を照射してNOをNO2 に酸化し、後半の非照射ゾ
    ーンではNO,NO2 を等モル吸着材として機能するT
    iO2 シートに吸着させることを特徴とする大気中の窒
    素酸化物の除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003080034A (ja) * 2001-09-10 2003-03-18 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 酸化装置および酸化装置の保守方法
JP2009240973A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Nishimatsu Constr Co Ltd 排気ガス処理システムおよび排気ガス処理方法
US7722704B2 (en) 2004-03-09 2010-05-25 Nishimatsu Construction Co., Ltd. Equipment and method for removing nitrogen oxide

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