JPH0863721A - 写真フイルム用の磁気ヘッド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】写真フイルムの磁気記録層に押し付けられた際
に、写真フイルムの画像範囲に傷をつけない磁気ヘッド
装置を提供する。 【構成】磁気ヘッド４４の押し付け面７６は、シールド
ケース７０から押し付け方向に突出形成されると共に、
その幅Ｂが磁気記録層２２の幅ｂと略等しく形成され、
押し付け面７６に磁気記録層２２が押し付けられた際
に、写真フイルム１４の画像範囲１８に接触する接触部
分７７が切除された形状に形成されている。従って、こ
の磁気ヘッド４４によれば、磁気ヘッド４４に磁気記録
層２２を押し付けても写真フイルム１４の画像範囲２２
に傷は付かない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は写真フイルム用の磁気ヘ
ッド装置に係り、特に写真フイルムの画像範囲の近傍に
形成された磁気記録層を磁気ヘッドに押し付けて、磁気
記録再生を行う写真フイルム用の磁気ヘッド装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】磁気記録層が形成された写真フイルムを
使用し、撮影時にこの写真フイルムを給送しながら撮影
日時や撮影情報等を磁気ヘッドにより書き込み、或いは
ここから情報を読み出すカメラが提案されている。写真
フイルムの磁気記録層に記録された情報は、この写真フ
イルムが現像された後、フイルム画像をイメージセンサ
によって撮像してモニタＴＶに再生するときの情報とし
て利用されたり、或いは印画紙にフイルム画像を焼き付
けるときの情報として利用されたりしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら前述した
磁気ヘッドは、磁気記録層に対する押し付け面が磁気記
録層のトラックの幅よりも幅広形状に形成されているた
め、これを写真フイルム用の磁気ヘッドとして用いる
と、磁気ヘッドの押し付け面の一部が写真フイルムの画
像範囲に接触してしまい、画像範囲を傷付けてしまうと
いう欠点がある。

【０００４】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、写真フイルムの画像範囲に傷をつけない写真フ
イルム用の磁気ヘッド装置を提供することを目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
する為に、画像範囲の近傍に磁気記録層が形成された写
真フイルムを給送し、該給送中の写真フイルムの磁気記
録層を磁気ヘッドに押し付けて磁気記録再生を行う写真
フイルム用の磁気ヘッド装置に於いて、前記磁気ヘッド
の前記磁気記録層に対する押し付け面は、該押し付け面
に磁気記録層が押し付けられた際に前記写真フイルムの
画像範囲に接触する接触部分が切除された形状に形成さ
れていることを特徴としている。

【０００６】

【作用】本発明の磁気ヘッド装置では、磁気ヘッドの磁
気記録層に対する押し付け面のうち、写真フイルムの画
像範囲に接触する接触部分を切除しているので、磁気ヘ
ッドに磁気記録層を押し付けても写真フイルムの画像範
囲に傷は付かない。

【０００７】

【実施例】以下添付図面に従って本発明に係る写真フイ
ルム用の磁気ヘッド装置の好ましい実施例について詳説
する。図１は、本発明に係る写真フイルム用の磁気ヘッ
ド装置がフイルム画像入力装置に適用された構造図であ
る。

【０００８】フイルム画像入力装置の図中二点鎖線で示
す本体１０内には、フイルムカートリッジ１２が装着さ
れる。前記フイルムカートリッジ１２内には、現像済み
の写真フイルム１４がスプール１６に予め巻回されてい
る。この写真フイルム１４は図２に示すように、長手方
向に沿って所定の間隔で画像範囲１８、１８…が形成さ
れると共に、画像範囲１８を示す孔部２０Ａ、２０Ｂが
画像範囲１８の始端部と終端部とに各々穿設され、更
に、磁気記録層２２が一コマの画像範囲１８毎に前記孔
部２０Ａと孔部２０Ｂとの間に形成されている。

【０００９】前記写真フイルム１４は、フイルム駆動メ
カによって図１に示すフイルムカートリッジ１２から送
り出されたのち、図１中矢印方向に給送される。フイル
ム駆動メカは、フイルムカートリッジ１２のスプール１
６と係合し、そのスプール１６を正転／逆転するフイル
ム供給部と、フイルム巻取室２４の巻取スプール２６と
係合し、前記フイルム供給部から送り出される写真フイ
ルム１４を巻き取るフイルム巻取部と、フイルム供給部
から送り出された写真フイルム１４をキャプスタン２
８、２８とピンチローラ３０、３０とで挟持して一定速
度で給送するフイルム給送部とから構成される。

【００１０】前記フイルム供給部は、フイルムカートリ
ッジ１２のスプール１６を図中時計回り方向に駆動し、
フイルム先端が巻取スプール２６によって巻き取られる
まで、フイルムカートリッジ１２から写真フイルム１４
を送り出すようにしている。更に、フイルム供給部に
は、前記スプール１６の回転を制御するクラッチ機構が
設けられており、このクラッチ機構と前記キャプスタン
２８、２８の駆動力の作用によって写真フイルム１４は
所定の張力をもって給送される。

【００１１】一方、ＣＣＤラインセンサ３２が、キャプ
スタン２８、２８間の上方に設置される。このＣＣＤラ
インセンサ３２は、写真フイルム１４の給送方向に対し
て直交方向に配置され、光源３４によって照明された給
送中のフイルム１４の透過画像を撮影レンズ３６を介し
て読み取る。また、ＣＣＤラインセンサ３２の光電変換
素子で変換された電気信号は、画像処理装置３８によっ
て画像処理されたのち、モニタＴＶ４０に映像信号とし
て出力される。これにより、モニタＴＶ４０には、写真
フイルム１４の画像が表示される。

【００１２】また、フイルムカートリッジ１２から送り
出された写真フイルム１４は、磁気ヘッド装置４２を介
してキャプスタン２８に導かれる。磁気ヘッド装置４２
は図１、図３に示すように、写真フイルム１４の上方に
記録用磁気ヘッド４４、再生用磁気ヘッド４６が並設さ
れる。磁気ヘッド４４、４６は、フイルム画像入力装置
本体１０に固定されたプレート４８に取り付けられてい
る。また、磁気ヘッド４４、４６に対応した写真フイル
ム１４の下方にはパッド５０、５２が並設される。パッ
ド５０、５２は、押し付け用の板ばね５４を介してアー
ム５６の上端に取り付けられ、写真フイルム１４から退
避した位置に設けられている。アーム５６には、その長
手方向にピン５８、６０が植設され、このピン５８、６
０はフイルム画像入力装置本体１０に固定されたプレー
ト６２の長孔６４、６６に係合されている。

【００１３】従って、前記アーム５６が長孔６４、６６
に沿って上昇移動されると、写真フイルム１４は、その
下面が上方してきたパッド５０、５２と接触し、そして
パッド５０、５２によって図３中二点鎖線で示すように
押し上げらて磁気記録層２２が磁気ヘッド４４、４６に
押し付けられる。これにより、磁気ヘッド４４から磁気
記録層２２に磁気データを記録することができ、また、
磁気ヘッド４６で磁気記録層２２に記録された磁気デー
タを読み取ることができる。磁気ヘッド４６で読み取ら
れた磁気データは、図１に示す磁気記録再生装置６８に
よって再生されて前記モニタＴＶ４０上にフイルム画像
と共に表示される。

【００１４】図４（Ａ）は、本発明に係る写真フイルム
用の磁気ヘッド装置に適用された磁気ヘッド４４、４６
の第１実施例を示す斜視図、（Ｂ）はその正面図であ
る。磁気ヘッド４４と磁気ヘッド４６とは同一形状なの
で、ここでは磁気ヘッド４４のみを説明し、磁気ヘッド
４６についてはその説明を省略する。同図（Ａ）に示す
ように前記磁気ヘッド４４は、コアのシールドケース７
０を外観上本体としており、そのコア７２とそのギャッ
プ７４が露出した円弧状の面を図２に示した磁気記録層
２２に対する押し付け面７６としている。

【００１５】前記押し付け面７６は、シールドケース７
０から押し付け方向に突出形成されると共に、図４
（Ｂ）に示すようにその幅Ｂは磁気記録層２２の幅ｂと
略等しく形成されている。即ち、この磁気ヘッド４４
は、前記押し付け面７６に磁気記録層２２が押し付けら
れた際に、写真フイルム１４の画像範囲１８に接触する
図４（Ｂ）中二点鎖線で示す接触部分７７が切除された
形状に形成されている。従って、このように形成された
磁気ヘッド４４によれば、磁気ヘッド４４に磁気記録層
２２を押し付けても写真フイルム１４の画像範囲２２に
傷は付かない。

【００１６】図５（Ａ）は、磁気ヘッド４４の第２実施
例を示す平面図、（Ｂ）はその正面図、（Ｃ）はその左
側面図である。この磁気ヘッド４４は、押し付け面７６
の両側にテーパ面７８、７８を形成し、押し付け面７６
の強度を向上させたものである。また、このテーパ面７
８、７８は図６に示すように、押し付け面７６に沿って
円弧状に形成しても良い。

【００１７】図７（Ａ）は、磁気ヘッド装置４４の第３
実施例を示す平面図、（Ｂ）はその正面図である。同図
に示す磁気ヘッド４４は、押し付け面７６の一方側のみ
接触部分７７の切除を行ったものである。この磁気ヘッ
ドは、図４〜図６に示した磁気ヘッドとは異なり、その
切除部が写真フイルム１４の画像範囲２２側に向くよう
に予め位置決めする必要がある。

【００１８】また、本実施例では、磁気ヘッドによる磁
気記録再生モード以外の時には図３に示すように、磁気
ヘッド４４、４６、及びパッド５０、５２が写真フイル
ム１４から退避した状態となっているので、磁気ヘッド
４４、４６、及びパッド５０、５２の無用な摩耗を防止
することができる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る写真フ
イルム用の磁気ヘッド装置によれば、磁気ヘッドの磁気
記録層に対する押し付け面のうち、写真フイルムの画像
範囲に接触する接触部分を切除したので、磁気ヘッドに
磁気記録層を押し付けても写真フイルムの画像範囲に傷
は付かない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る写真フイルム用の磁気ヘッド装置
がフイルム画像入力装置に適用された実施例を示す構造
図

【図２】写真フイルムの平面図

【図３】本発明に係る写真フイルム用の磁気ヘッド装置
の拡大図

【図４】本発明に係る写真フイルム用の磁気ヘッド装置
の第１実施例を示し、（Ａ）は斜視図、（Ｂ）は正面図

【図５】本発明に係る写真フイルム用の磁気ヘッド装置
の第２実施例を示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は正面
図、（Ｃ）は側面図

【図６】図５に示した磁気ヘッド装置の変形例を示す側
面図

【図７】本発明に係る写真フイルム用の磁気ヘッド装置
の第３実施例を示し、（Ａ）は平面図、（Ｂ）は正面図

【符号の説明】

１４…写真フイルム １８…画像範囲 ２２…磁気記録層 ４４、４６…磁気ヘッド ５０、５２…パッド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】画像範囲の近傍に磁気記録層が形成された
   写真フイルムを給送し、該給送中の写真フイルムの磁気
   記録層を磁気ヘッドに押し付けて磁気記録再生を行う写
   真フイルム用の磁気ヘッド装置に於いて、 前記磁気ヘッドの前記磁気記録層に対する押し付け面
   は、該押し付け面に磁気記録層が押し付けられた際に前
   記写真フイルムの画像範囲に接触する接触部分が切除さ
   れていることを特徴とする写真フイルム用の磁気ヘッド
   装置。