JPH07225426A - 写真フイルム用の磁気ヘッド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】写真フイルムの給送中に、写真フイルムに形成
された磁気記録層を磁気ヘッドに最適に押し付けるパッ
ドを提供する。 【構成】パッド３４の幅Ｂを磁気ヘッド３２の全トラッ
ク幅ｂよりも広く形成し、磁気記録層３６の幅方向全域
をパッド３４によって磁気ヘッド３２に押し付ける。こ
れにより、本発明では、磁気記録層３６の幅方向全域に
記録された磁気情報を磁気ヘッド３２によって全て読み
取ることができるので、磁気記録層３６の記録領域と再
生領域とが一定になり、良好な磁気記録再生を行うこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は写真フイルム用の磁気ヘ
ッド装置に係り、特に写真フイルムの給送中に写真フイ
ルムに形成された磁気記録層を磁気ヘッドに最適に押し
付けることができる写真フイルム用の磁気ヘッド装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】連続する撮影面の少なくとも一方側の外
側に沿って磁気記録層を有する写真フイルムを使用し、
撮影時に撮影日時や撮影情報等を磁気ヘッドにより書き
込み、或いはここから情報を読み出すカメラが提案され
ている。写真フイルムの磁気記録層に記録された情報
は、この写真フイルムが現像された後、フイルム画像を
イメージセンサによって撮影してモニタＴＶに再生する
ときの情報として利用されたり、或いは印画紙にフイル
ム画像を焼き付けるときの情報として利用されたりして
いる。

【０００３】従来、この種の写真フイルム用の磁気ヘッ
ド装置として、ＷＯ９０／０６５３６（特願平１−５１
０７１２号）に開示されたものがある。この磁気ヘッド
装置は、カメラボディの中で、磁気ヘッドを磁気記録層
に押し付けて支持するためのヘッド支持手段を設け、こ
のヘッド支持手段を磁気的な記録の間に写真フイルムの
縁部との間で一定間隔に維持することにより、磁気ヘッ
ドを磁気記録層に対して位置決めしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ＷＯ９
０／０６５３６に開示された写真フイルム用の磁気ヘッ
ド装置は、磁気記録層を磁気ヘッドに最適に押し付ける
点については何も考慮されていないので、磁気記録トラ
ックへの記録、再生を行う際、ヘッドタッチに不安定な
状態が発生し、良好な磁気記録再生を行うことができな
いという欠点がある。

【０００５】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、写真フイルムに形成された磁気記録層を磁気ヘ
ッドに最適に押し付けて、良好な磁気記録再生を行うこ
とができる写真フイルム用の磁気ヘッド装置を提供する
ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決する為の手段】本発明は、前記目的を達成
する為に、連続する撮影面の少なくとも一方側の外側に
沿って磁気記録層が形成された写真フイルムを給送し、
該給送中の写真フイルムの磁気記録層をパッドで磁気ヘ
ッドに押し付けて磁気記録再生を行う写真フイルム用の
磁気ヘッド装置に於いて、前記パッドの幅を前記磁気ヘ
ッドの全トラック幅よりも広く形成し、パッドで写真フ
イルム磁気記録層の幅方向全域を前記磁気ヘッドに押し
付けたことを特徴としている。

【０００７】

【作用】本発明によれば、パッドの幅を磁気ヘッドの全
トラック幅よりも広く形成し、このパッドで磁気記録層
の幅方向全域を磁気ヘッドに押し付ける。これにより、
本発明は、磁気ヘッドによって磁気記録層の幅方向全域
に情報を安定記録することができ、また、記録された情
報を磁気ヘッドによって全て読み取ることができる。従
って、本発明によれば、磁気記録トラックへの記録、再
生を行う際、安定したヘッドタッチを得ることができる
ので、良好な磁気記録再生を行うことができる。

【０００８】また、本発明によれば、パッドの幅を磁気
ヘッドの全トラック幅に対して１．１倍以上の寸法で、
且つパッドが写真フイルムの撮影面に接触しない寸法で
形成すると、良好な磁気記録再生を行うことができ、ま
た、写真フイルムの撮影面がパッドで損傷することもな
い。

【０００９】

【実施例】以下添付図面に従って本発明に係る写真フイ
ルム用の磁気ヘッド装置の好ましい実施例について詳説
する。図１は、本発明に係る写真フイルム用の磁気ヘッ
ド装置がフイルム画像入力装置に適用された構造図であ
る。

【００１０】前記フイルム画像入力装置の図中二点鎖線
で示す本体１０内には、フイルムカートリッジ１２が装
着される。前記フイルムカートリッジ１２内には、現像
済みの写真フイルムＦがスプール１４に予め巻回されて
おり、この写真フイルムＦは、フイルム駆動メカによっ
て給送される。前記フイルム駆動メカは、フイルムカー
トリッジ１２のスプール１４と係合し、そのスプール１
４を正転／逆転するフイルム供給部と、フイルム巻取室
１６の巻取スプール１８と係合し、前記フイルム供給部
から送り出される写真フイルムＦを巻き取るフイルム巻
取部と、写真フイルムＦの給送路に配設され写真フイル
ムＦをキャプスタン２０、２０とピンチローラ２２、２
２とで挟持して一定速度で給送するフイルム給送部とか
ら構成される。

【００１１】また、前記フイルム供給部は、フイルムカ
ートリッジ１２のスプール１４を図中時計回り方向に駆
動し、フイルム先端がフイルム巻取部の巻取スプール１
８によって巻き取られるまで、フイルムカートリッジ１
２から写真フイルムＦを送り出すようにしている。更
に、フイルム供給部には、前記スプール１４の回転を制
御するクラッチ機構が設けられており、このクラッチ機
構と前記キャプスタン２０、２０の駆動力の作用によっ
て写真フイルムＦは所定の張力をもって給送される。

【００１２】フイルムカートリッジ１２から送り出され
た写真フイルムＦは、磁気ヘッド装置３０を介してキャ
プスタン２０に導かれる。前記磁気ヘッド装置３０は、
写真フイルムＦを挟んで上方に磁気ヘッド３２が設けら
れ、下方にはパッド３４が設けられている。前記磁気ヘ
ッド３２は本体１０に固定される。また、磁気ヘッド３
２は、図２に示す写真フイルムＦの磁気記録層３６に当
接する位置に位置決めされると共に、前記磁気記録層３
６の幅方向全域に当接する大きさに形成されている。磁
気記録層３６は、２本の磁気記録トラック（以下、「Ｔ
Ｒ」と略称する）１、２を有し、これらのＴＲ１、２は
フイルム撮影面Ｐの外側でパーフォレーション３８、３
８間に平行に形成されている。

【００１３】前記パッド３４は図１に示すように、本体
１０に形成された凹部４０に配置され、ギャップ部３３
を挟んで前部３４Ａと後部３４Ｂとが磁気ヘッド３２に
当接するように断面Ｕ字状に形成されている。また、パ
ッド３４は図３中点線で示すように、その幅Ｂが前記磁
気記録層３６の幅（ＴＲ１の幅ｏ＋ＴＲ２の幅ｐ＋ＴＲ
１、２間の幅ｑ）ｂ、即ち、磁気ヘッド３２の全トラッ
ク幅ｂよりも広く形成されている。更に、パッド３４は
図１に示す凹部４０内に配置されたバネ４２の付勢力に
より磁気ヘッド３２に向けて付勢されている。これによ
り、磁気ヘッド装置３０を通過する磁気記録層３６の幅
方向全域がパッド３４によって磁気ヘッド３２の全トラ
ックに押し付けられる。磁気ヘッド３２で読み取られた
磁気記録層の磁気データは、図１に示す磁気記録再生装
置４６によって再生され、モニタＴＶ４８上に表示され
る。

【００１４】一方、ＣＣＤラインセンサ５０が、キャプ
スタン２０、２０間の上方に設置される。このＣＣＤラ
インセンサ５０は、フイルムＦの給送方向に対して直交
方向に配置され、光源５２によって照明された給送中の
フイルムＦの画像を撮影レンズ５４を介して読み取る。
また、ＣＣＤラインセンサ５０の光電変換素子で変換さ
れた電気信号は、画像処理装置５６によって画像処理さ
れたのち、前記モニタＴＶ４８に映像信号として出力さ
れる。これにより、モニタＴＶ４８には、フイルムＦの
画像と前記磁気データが表示される。

【００１５】次に、前記の如く構成された写真フイルム
用の磁気ヘッド装置の作用について説明する。写真フイ
ルムＦは、給送中に前記パッド３４によって磁気記録層
３６の幅方向全域が磁気ヘッド３２の全トラックに押し
付けられる。これにより、本実施例では、磁気記録層
（ＴＲ１、ＴＲ２）３６の幅方向全域に記録された磁気
情報を磁気ヘッド３２によって全て読み取ることができ
る。従って、本実施例によれば、磁気記録トラックへの
記録、再生を行う際、安定したヘッドタッチを得ること
ができるので、良好な磁気記録再生を行うことができ
る。

【００１６】図４、図５は、磁気ヘッド３２のトラック
幅ｂを２．０ｍｍとした場合に於ける、パッド３４の押
し圧幅Ｂに対する再生振幅変動の実験データを示す図で
ある。前記再生振幅変動とは図５に示すように、磁気記
録層の幅方向領域αに対する、実際に再生される磁気記
録層の幅方向領域βを示すもので、その値が１（１００
％）になることが好ましい。

【００１７】図４に示すように、本実験では押し圧幅が
１．８ｍｍ〜２．８ｍｍまで０．２ｍｍ間隔で形成され
たパッドを６種類使用し、各々のパッドにおける再生振
幅変動を確認した。この実験結果によれば、押し圧幅を
１．８ｍｍ、２．０ｍｍにすると再生振幅変動は５０％
となり良好な磁気再生を行うことができないが、２．２
ｍｍ（磁気記録層幅に対して１．１倍）以上にすると８
５％〜９５％に向上し、磁気再生を良好に行えることが
判明した。

【００１８】ここで、本実施例では、前記実験結果に基
づいてパッド３４の幅を磁気ヘッド３２の全トラック幅
に対して１．１倍以上の寸法で形成し、且つパッド３４
が写真フイルムＦの撮影面Ｐに接触しない寸法で形成し
た。これにより、本実施例では、磁気ヘッド３２によっ
て良好な磁気記録再生を行うことができ、また、写真フ
イルムＦの撮影面Ｐがパッド３４で損傷することもな
い。

【００１９】また、本実施例では、断面Ｕ字状に形成し
た磁気ヘッド３４を使用したが、これに限られるもので
はなく図６に示すように、磁気記録層の当接面を円弧状
に形成した磁気ヘッド６０を使用しても良い。本実施例
では、フイルム画像入力装置に適用した写真フイルム用
の磁気ヘッド装置について説明したが、これに限られる
ものではなく、磁気ヘッドを有するカメラに適用しても
良い。この場合、カメラの磁気ヘッドは、磁気記録層の
幅方向全域に磁気データを記録する。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る写真フ
イルム用の磁気ヘッド装置によれば、磁気ヘッドの全ト
ラック幅よりも広く形成したパッドで磁気記録層の幅方
向全域を磁気ヘッドに押し付けることにより、磁気記
録、再生を行う際のヘッドタッチを安定にしたので、良
好な磁気記録再生を行うことができる。

【００２１】また、本発明の写真フイルム用の磁気ヘッ
ド装置によれば、パッドの幅を磁気ヘッドの全トラック
幅に対して１．１倍以上の寸法で、且つパッドが写真フ
イルムの撮影面に接触しない寸法で形成したので、良好
な磁気記録再生を行うことができ、また、写真フイルム
の撮影面がパッドで損傷することもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る写真フイルム用の磁気ヘッド装置
がフイルム画像入力装置に適用された実施例を示す構造
図

【図２】本発明に係る写真フイルム用の磁気ヘッド装置
に適用された写真フイルムの実施例を示す平面図

【図３】写真フイルムの要部拡大図

【図４】磁気記録層の幅に対するパッドの押し圧幅に於
ける再生振幅変動の実験データを示す図

【図５】磁気ヘッドによる再生振幅変動の説明図

【図６】本発明に係る写真フイルム用の磁気ヘッド装置
の他の実施例を示す拡大図

【符号の説明】

１０…フイルム画像入力装置本体 １２…フイルムカートリッジ ３０…磁気ヘッド装置 ３２…磁気ヘッド ３４、６０…パッド ４８…モニタＴＶ ５０…ＣＣＤラインセンサ Ｆ…フイルム

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】連続する撮影面の少なくとも一方側の外側
   に沿って磁気記録層が形成された写真フイルムを給送
   し、該給送中の写真フイルムの磁気記録層をパッドで磁
   気ヘッドに押し付けて磁気記録再生を行う写真フイルム
   用の磁気ヘッド装置に於いて、 前記パッドの幅を前記磁気ヘッドの全トラック幅よりも
   広く形成し、パッドで磁気記録層の幅方向全域を前記磁
   気ヘッドに押し付けたことを特徴とする写真フイルム用
   の磁気ヘッド装置。
2. 【請求項２】前記パッドの幅は、前記磁気ヘッドの全ト
   ラック幅に対して１．１倍以上の寸法で、且つパッドが
   写真フイルムの前記撮影面に接触しない寸法で形成され
   ていることを特徴とする請求項１記載の写真フイルム用
   の磁気ヘッド装置。