JPH0863307A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

Info

Publication number
JPH0863307A
JPH0863307A JP6199182A JP19918294A JPH0863307A JP H0863307 A JPH0863307 A JP H0863307A JP 6199182 A JP6199182 A JP 6199182A JP 19918294 A JP19918294 A JP 19918294A JP H0863307 A JPH0863307 A JP H0863307A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
print data
printing
print
switching
data
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6199182A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Inoue
優 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP6199182A priority Critical patent/JPH0863307A/ja
Publication of JPH0863307A publication Critical patent/JPH0863307A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使い勝手の良い割込機能付プリンタを簡単な
構成で実現する。 【構成】 優先度付けされた印刷データを受信し、これ
を予め定められたページ数ごとに分割して記憶する。ま
た、分割された区切り目のページ位置から印刷を開始す
るのに必要な印刷のための付加情報を受信した印刷のた
めの付加情報から予め抽出して記憶する。分割された単
位のページ数の印刷が終了するごとに、次に印刷すべき
印刷データを優先度を基に選択する。選択された印刷デ
ータをこれに対応する予め記憶しておいた印刷のための
付加情報を用いて印刷する。これにより、印刷の対象を
切り換えても印刷のための付加情報の退避や復活を行う
必要がない。また、優先度に応じた順序で印刷すること
ができる。さらに予め設定されたページ数だけは同一の
印刷物が最低限連続して印刷されるので、排紙トレーか
らの回収が容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷データを一旦記憶
して印刷を行う印刷装置に係わり、詳細には印刷途中で
印刷の対象を他の印刷物に切り換えることができる印刷
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ホストコンピュータやワークステーショ
ンなどの文書作成装置で作成された印刷データを印刷す
るプリンタには、解像度が異なるものや、印刷速度の異
なるものがある。また、単色印刷のものと多色印刷が可
能なものなど様々なタイプのものがある。これら全ての
タイプのプリンタをそれぞれのホストコンピュータに直
接接続すると、多大の費用を要し、また設置スペースの
問題も発生する。そこで、近年では、プリンタをLAN
(ローカル・エリア・ネットワーク)などのネットワー
クに接続し、このネットワークに接続されている複数の
ホストコンピュータや文書作成装置でプリンタを共用す
ることが行われている。
【0003】ネットワークを介してプリンタを共用する
と、1つホストコンピュータから受信した印刷データを
プリンタが印刷している最中に、他のホストコンピュー
タから印刷データが送られてくることがある。このよう
な場合でも、送信側のホストコンピュータを早期に開放
するために、大容量のメモリをプリンタ側に用意して、
印刷と並行して印刷データを受信することが一般的に行
われている。このようなプリンタでは印刷データを受信
した順に印刷の順序が決められている。したがって、緊
急性が高くても、印刷データを送信したとき既に多量の
印刷データが蓄積されているときは、印刷の順序はこれ
らが印刷された後になる。このため、印刷物を得るまで
に長い時間待たされる場合がある。
【0004】そこで、メモリに既に蓄積されている印刷
データより、後から受信した印刷データを優先して印刷
することができるようにしたプリンタがある。このよう
に後から受信した印刷データを他の印刷データに優先し
て印刷することを、割込印刷と呼んでいる。割込印刷が
できるプリンタには、2つのタイプがある。その1つ
は、印刷物の変り目、すなわち1つの印刷物が完全に終
了した時点で、割込印刷を受け付けるものである。他の
1つは、ページの変り目で、割込印刷を受け付けるもの
である。このような割込印刷機能付きプリンタについて
は、特開平3−262673号公報に開示されている。
このほか割込印刷中にさらに割込印刷を受け付ける、い
わゆる多重割込ができるプリンタもある。
【0005】ところで、ホストコンピュータから印刷デ
ータを受信するには、受信するデータ量と通信速度に応
じた時間が必要である。ページ単位に印刷を行うページ
プリンタでは、1ページの印刷途中で印刷動作を一時停
止することができないので、通常1ページ分の印刷デー
タを受信し終えてから印刷を開始するようになってい
る。ページ単位で割込印刷を受け付けることができるペ
ージプリンタでは、割込印刷の指示がなされた印刷デー
タの受信が始まると、現在印刷中のページの印刷が終了
した時点で割込印刷の処理に入る。そして実際に割込印
刷についての印刷動作が開始されるのは1ページ分の印
刷データの受信を終えた後になっている。
【0006】また、ページ単位で割込印刷を受け付ける
プリンタでは、割込印刷が終了した時点で割込印刷のた
めに中断したページから印刷を再開させている。このた
め、印刷を中断するときに、その時点における各種印刷
パラメータを退避し、印刷を再開させるときに退避して
おいた印刷パラメータを復活させることが行われてい
る。たとえば、使用していたフォントの種類、記録紙の
サイズ、書式あるいはページ数等が退避および復活の対
象になっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】印刷物の変わり目で割
込印刷を受け付けるタイプのプリンタでは、現在印刷中
の印刷物の残りページ数が多い場合には、割込印刷を指
示して印刷データを送信しても、印刷が開始されるのは
相当の時間が経過した後になる。これでは、緊急性の高
い印刷物を早期に得ることができない場合が生じてしま
い、割込印刷としての機能を十分果たすことができな
い。一方、ページ単位に割込印刷を受け付けるプリンタ
では、割込印刷が頻繁に行われると、1つの印刷物の各
ページの間に他の印刷物が混ざって排紙されてしまう。
このため、排紙トレーからそれぞれの印刷物を取り出す
手間がかかるという問題があった。
【0008】さらにページ単位に印刷を行うページプリ
ンタでは、割込印刷が指示されて印刷を中断したとき
に、割込印刷について受信済の印刷データが1ページ分
にも満たないときは印刷動作がしばらく停止してしまう
という問題があった。さらに印刷データの受信速度が印
刷速度に比べて遅い場合には、ページとページの間で割
込印刷の動作が停止してしまうことがあり、割込印刷が
終了するまでに印刷装置が停止している無駄な時間が多
く発生していた。このため、割り込まれた側の印刷物の
印刷の終了までにかかる時間が長くかかってしまうとい
う問題があった。
【0009】また、割込印刷は現在印刷中の印刷物より
も必ず優先して印刷が行われるので、ユーザは現在印刷
中の印刷物と自己がこれから印刷しようとする印刷物の
いずれの緊急度が高いかを判断しなければならない。す
なわち、他人の印刷物の緊急度が高いにもかかわらず、
割込印刷を行うと、緊急度がその他人の印刷物に比べて
低いにもかかわらず、自己の印刷物が先に印刷されてし
まうからである。このため、現在印刷中の印刷物とこれ
から印刷を行う印刷物の間の緊急度を、印刷データを送
信する側のユーザが判断し、割込印刷を行うか否かを決
めなければならなかった。他人の印刷物との間で緊急度
を比較するためには、現在印刷中の印刷物が誰のもので
あるを調べ、その人のところへ出向いて印刷物の緊急度
を判断しなければならなかった。割込印刷を行うたびに
このような判断を行うことは、ユーザにとって多大な負
担であった。
【0010】さらに、プリンタのメモリに多数の印刷デ
ータが蓄積されている場合には、これら全ての印刷物と
の間で緊急度を比較し、自己の印刷物の印刷順序を判断
する必要がある。たとえば、5つの印刷物がメモリに蓄
積されている場合には、これら全ての印刷物との間で緊
急度を判断する必要があり、ユーザの負担は非常に大き
い。仮に、これから送信する印刷物の緊急度が3番目で
あると判断できたとしても、自己の印刷物よりも緊急度
の高い2つの印刷物の印刷が終了するまで、印刷データ
を送信することができなかった。なぜならば、すぐに割
り込み印刷を指示して印刷データの送信を行うと、緊急
度の高い2つの印刷物よりも先に印刷が開始されてしま
うからである。したがって、ユーザは緊急度の高いそれ
ら2つの印刷物の印刷が終了したことを確認するため
に、何度もプリンタの設置されている場所に出向くか、
プリンタの設置されている場所で待機しなければならな
かった。そして、緊急度の高い2つの印刷物の印刷が終
了したときに、割込印刷を指示して印刷データの送信を
開始しなければならなかった。
【0011】このように、割り込み印刷を行う際に他人
の印刷物との間の緊急度を判断し、さらに印刷データを
送信すべき時期まで待機することは、各ユーザにとって
の負担が大きく、プリンタに割り込み機能が備わってい
ても、この機能を十分に活用することができなかった。
実際には、緊急度の判断を行うことなく割込印刷が行わ
れることが多く、本当に緊急度の高い印刷物を早期に取
得することができない場合が生じるという問題があっ
た。
【0012】さらに、多重に割込印刷を受け付けるよう
な場合には、印刷パラメータの退避および復活も多重化
して行わなければならない。このために印刷パラメータ
の退避および復活のための処理が複雑なものになってし
まうという問題があった。
【0013】そこで本発明の第1の目的は、印刷の対象
が切り換わっても、印刷物が小間切れにならないように
することにある。
【0014】また、本発明の第2の目的は、印刷物相互
間の緊急度の比較判断を容易にすることにある。
【0015】さらに本発明の第3の目的は、印刷データ
の受信待ちのために印刷動作が停止してしまうことを防
止することにある。
【0016】また本発明の第4の目的は、印刷物の切り
換えに伴う印刷パラメータの管理を容易にすることにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、優先度付けされた印刷データを入力する印刷データ
入力手段と、この印刷データ入力手段から入力された印
刷データを蓄積する印刷データ蓄積手段と、この印刷デ
ータ蓄積手段に蓄積された印刷データについて印刷を行
う印刷手段と、印刷データの各ページの境界位置の中か
ら任意の位置を印刷の切換位置として設定する切換ペー
ジ位置設定手段と、この切換ページ位置設定手段によっ
て設定された切換位置まで印刷手段が印刷データを印刷
したとき印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データの
中から最も優先度の高い印刷データを選択する印刷デー
タ選択手段と、この印刷データ選択手段によって選択さ
れた印刷データに印刷手段が印刷する印刷データを切り
換える印刷データ切換手段とを印刷装置に具備させてい
る。
【0018】すなわち請求項1記載の発明では、予め設
定された切換ページ位置まで印刷が行われたときに、印
刷データ蓄積手段に蓄積されている中で最も優先度の高
い印刷データに印刷の対象を切り換えている。このよう
に、印刷の対象が切り換わるのは、予め設定された切換
ページ位置まで印刷が行われたときなので、少なくとも
次の切換ページ位置までは1つの印刷物に属する印刷デ
ータを連続して印刷することができる。また、優先度を
基に次に印刷すべき印刷データを選択しているので、印
刷物の緊急度に応じた順序で印刷を行うことができる。
【0019】また請求項2記載の発明では、優先度付け
された印刷データを入力する印刷データ入力手段と、こ
の印刷データ入力手段から入力された印刷データを蓄積
する印刷データ蓄積手段と、印刷データの各ページの境
界位置の中から任意の位置を印刷の切換位置として設定
する切換ページ位置設定手段と、この切換ページ位置設
定手段によって設定された切換位置まで印刷データ蓄積
手段に印刷データが蓄積されたときこの切換位置まで蓄
積された印刷データを印刷の対象として登録する印刷対
象登録手段と、この印刷対象登録手段によって登録され
た印刷データについての印刷を行う印刷手段と、切換ペ
ージ位置設定手段によって設定された切換位置までこの
印刷手段が印刷データを印刷したとき印刷対象登録手段
によって登録された印刷データの中で最も優先度の高い
印刷データを選択する印刷データ選択手段と、この印刷
データ選択手段によって選択された印刷データに印刷手
段が印刷する印刷データを切り換える印刷データ切換手
段とを印刷装置に具備させている。
【0020】すなわち請求項2記載の発明では、印刷デ
ータが設定された切換ページ位置まで記憶されたとき
に、記憶の終了した印刷データを印刷の対象として登録
している。また、次に印刷すべき印刷データを登録され
た中から選択している。これにより、印刷の対象として
選択された印刷データは少なくとも次の切換ぺージ位置
までは受信が終了しているので、受信と並行して印刷を
行っても印刷データの受信待ちのために印刷動作が停止
してしまうことがない。
【0021】さらに、請求項3記載の発明では、印刷デ
ータと印刷ための付加情報を入力する印刷情報入力手段
と、この印刷情報入力手段から入力された印刷データを
蓄積する印刷データ蓄積手段と、印刷データの各ページ
の境界位置の中から任意の位置を印刷の切換位置として
設定する切換ページ位置設定手段と、この切換ページ位
置設定手段によって設定されたそれぞれの切換位置から
印刷を開始するのに必要な印刷のための付加情報を印刷
情報入力手段から入力された印刷のための付加情報から
抽出する付加情報抽出手段と、この付加情報抽出手段に
よって抽出された印刷のための付加情報を切換位置と対
応付けて記憶する付加情報記憶手段と、印刷を開始すべ
き切換位置を印刷データごとに記憶する印刷開始位置記
憶手段と、印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データ
の中から次に印刷すべき印刷データを選択する印刷デー
タ選択手段と、この印刷データ選択手段によって選択さ
れた印刷データについて印刷を開始すべき切換位置を印
刷開始位置記憶手段から読み出す印刷開始位置読出手段
と、この印刷開始位置読出手段によって印刷を開始すべ
き切換位置が読み出されたのち印刷開始位置記憶手段が
記憶している切換位置を次に印刷を開始すべき切換位置
に更新する印刷開始位置更新手段と、印刷開始位置読出
手段によって読み出された切換位置に対応する印刷のた
めの付加情報を付加情報記憶手段から読み出す付加情報
読出手段と、この付加情報読出手段によって読み出され
た印刷のための付加情報を用いて印刷開始位置読出手段
が読み出した切換位置から次の切換位置まで印刷データ
の印刷を行う印刷手段と、この印刷手段によって次の切
換位置までの印刷が終了したとき印刷データ選択手段に
印刷データを選択させる選択起動手段とを印刷装置に具
備させている。
【0022】すなわち、請求項3記載の発明では、予め
設定された切換ページ位置ごとに、その位置から印刷を
開始するのに必要な印刷のための付加情報を予め記憶し
ている。そして、印刷の対象となる印刷データを切り換
えたときに、予め記憶されている付加情報を用いて切換
ページ位置からの印刷を行っている。切換ページ位置か
ら印刷を開始するのに必要な付加情報を予め記憶してい
るので、付加情報の退避や復活を行う必要がなく印刷の
対象を容易に切り換えることができる。
【0023】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0024】図1は本発明の一実施例における印刷装置
をネットワークに接続した印刷システムの一例を表わし
たものである。図1の印刷システムでは、印刷データを
作成する文書作成装置として、第1のホストコンピュー
タ11と第2のホストコンピュータ12がネットワーク
の通信ケーブル13に接続されている。通信ケーブル1
3には印刷装置14が接続されており、印刷装置14は
第1および第2のホストコンピュータ11、12から通
信ケーブル13を介して送られてくる印刷データを印刷
するようになっている。印刷装置14は、印刷の動作中
においても、ホストコンピュータから印刷データを受信
することができ、内部のメモリに複数の印刷データを蓄
積することができるようになっている。また、第1およ
び第2のホストコンピュータ11、12は、印刷の優先
度を表わした優先度データを印刷データに付加して送る
ことができるようになっている。優先度は印刷装置14
からも設定できるようになっている。
【0025】印刷装置14は、印刷のための各種制御を
行う制御部15と、記録紙への印刷を実行する印刷部1
6と、印刷された記録紙を排出する排出部17を備えて
いる。排出部17は、印刷された記録紙を堆積するため
の第1から第5の排紙トレー21〜25を備えている。
また、排出部17は、印刷の終了した記録紙をどの排紙
トレーに排出するかを切り換える図示しない排紙経路切
換機構を備えている。これらによって印刷物ごとに異な
る排紙トレーに記録紙が排紙されるようになっている。
また、印刷装置14にはオペレータによって優先度のほ
か各種指示を入力するためのキーボード26と、印刷装
置内部の各種情報を表示するためのディスプレイ(モニ
タ)27が設けられている。ディスプレイ27には蓄積
されている印刷データに関する各種情報などが表示され
るようになっている。さらに、ネットワーク以外から、
印刷データを入力するためのフロッピーディスク装置2
8および磁気テープ装置(ストリーマ)29が接続され
ている。
【0026】図2は、印刷装置の回路構成を機能的に表
わしたものである。印刷装置14はネットワークの通信
ケーブル13と接続されたデータ受信部31を備えてい
る。データ受信部31は、ネットワークとの間でのプロ
トコルをサポートし、ホストコンピュータから印刷デー
タ、およびこれを印刷する際の優先度を表わした優先度
データの受信を行うようになっている。また、データ受
信部31は、フロッピーディスク装置28やストリーマ
29を制御しこれらから印刷データを入力することがで
きるようになっている。
【0027】記憶部32は、データ受信部31から入力
された印刷データを、一旦、蓄積する部分である。記憶
部32にはファイル形式で印刷データが記憶されるよう
になっている。受信した印刷データを最初に格納するフ
ァイルを以後スプールファイルと呼ぶことにする。デー
タ受信部31から入力された優先度データは、優先度設
定部33に渡される。優先度設定部33は、印刷データ
に優先度データが付加されている場合には、優先度デー
タが表わしている優先度を、優先度データが付加されて
いない場合には、最下位の優先度を設定するようになっ
ている。なお、フロッピーディスク装着28やストリー
マ29から印刷データを入力する場合には、キーボード
26から優先度を設定できるようになっている。ここで
は、“0”〜“7”の8段階の優先度が設定できるよう
になっており、“0”が最も優先度が高く、“7”が最
も低い。なお、優先度の段階は8段階に限られるもので
はなく、たとえば、8ビットで表すことのできる256
段階にすることもできる。ユーザは自己がこれから印刷
する印刷物の緊急度を判断し、それに見合った優先度デ
ータを付加して、ホストコンピュータから印刷データの
送信を行うようになっている。
【0028】優先度の割り振り方は、印刷装置の使用者
の間で予め共通に定めておく必要がある。会社のオフィ
スで使用される場合には、たとえば、優先度“0”は部
長以上の役職者の緊急印刷用とし、優先度“1”は、係
長以上の者の緊急印刷用とする。優先度“2”は、会議
の資料の緊急印刷用とするなど“0”から“6”までの
優先度に対応する緊急度を客観的な基準で定める。
“7”は優先度が最下位であり、急ぐ必要のないものに
割り振る。このように、優先度の割り振り方を予め共通
の基準で定めておけば、自己の印刷物の緊急度を判断す
るだけ優先度を設定することができる。さらに、ホスト
コンピュータに入力するユーザ名に対応して、設定でき
る最高の優先度を制限するようにして優先度の管理を行
うこともできる。先の例では、係長以下の者のユーザ名
では、優先度“2”が上限となるようにホストコンピュ
ータ側で制限することができる。
【0029】データ分割部34は、印刷データの最後ま
でが受信されスプールファイルに記憶された後、ここか
ら印刷データの読み出しを開始し予め定められたページ
数ごとに分割することを行う。分割の単位となるページ
数は、キーボード26から予め設定するようになってい
る。分割するページ数の変更はパスワードを入力して行
うようになっており、たとえば、印刷装置の管理者のみ
に制限されている。データ分割部34によって分割され
たそれぞれの印刷データを以後、分割データと呼ぶこと
にする。分割データはそれぞれ個別のファイルとして、
再び記憶部32に記憶されるようになっている。
【0030】データ分割部34は、読み出した印刷デー
タの中に含まれる各種制御コードの検出を行う部分でも
ある。制御コードには、たとえば、記録紙のサイズ、使
用するフォントの種別、文字のサイズ、書式など印刷の
態様を変更する様々なものがある。データ分割部34
は、予め定められたページ数ごとに印刷データを分割す
るほか、検出した制御コードが、記録紙の種類の変更、
あるいは印刷された記録紙が排出される排紙トレーの変
更を指示するものであるときに、その制御コードを検出
した所で印刷データを分割するようになっている。
【0031】属性管理部35は、印刷の態様を設定する
ための各種印刷パラメータの管理を行う部分である。属
性管理部35には印刷パラメータを展開するための図示
しない印刷パラメータ管理テーブルが設けられている。
印刷パラメータ管理テーブルには、用紙サイズ、排紙ト
レーの番号、フォントの種別、文字サイズ、文字間隔、
行間隔、文字列方向など印刷の態様を定める各種パラメ
ータがコード化して格納されるようになっている。属性
管理部35は、データ分割部34によって検出された制
御コードを受け取り、その内容に従って、印刷パラメー
タ管理テーブルの値を変更する。たとえば、制御コード
がフォントの種類をゴシック体に変更するものである場
合には、印刷パラメータ管理テーブルのフォント種別の
欄に格納されている印刷パラメータの値を、ゴシック体
のフォントに対応する値に変更する。印刷パラメータ管
理テーブルに格納されている印刷パラメータの値は、デ
ータ分割部34によって印刷データが分割されたとき
に、別の記憶領域に複写して記憶されるようになってい
る。
【0032】分割テーブル管理部36は、データ分割部
34によって分割された分割データが、印刷データの先
頭から何番目の分割データに相当するかを記憶する部分
である。分割テーブル管理部36に記憶されている情報
を基に印刷物を正しいページ順序で印刷するようになっ
ている。また、分割されたときに印刷パラメータを複写
した記憶領域のアドレスを各分割データと対応付けて記
憶するようになっている。さらに、分割テーブル管理部
36は各分割データの印刷が終了しているか否かを管理
するようになっている。優先度変更部37は、優先度設
定部33で一旦設定された優先度の変更を行うものであ
る。優先度の変更は、キーボード26から所定のコマン
ドを入力することによって行うことができる。
【0033】スケジュール部38は、分割データの印刷
順序を管理する部分である。スケジュール部38には印
刷環境検出部39が検出する印刷部16の現在の状態を
表わした情報が入力されるようになっている。スケジュ
ール部38は印刷部16で印刷可能な条件に適合する分
割データを検索し、印刷可能な分割データの中から次に
印刷すべきものを選択するようになっている。印刷環境
検出部39はたとえば、印刷部16にセットされている
記録紙のサイズを検出するようになっている。
【0034】図3は図2に示したスケジュール部の回路
構成を機能的に表わしたものである。スケジュール部3
8は、印刷可否判断部41と、データ選択部42から構
成される。データ選択部42は、優先度をもとに分割デ
ータの印刷順序を管理するための図示しないスケジュー
ル管理テーブルを備えている。データ選択部42はスケ
ジュール管理テーブルを基に、優先度が最も高く、次に
印刷すべき順序の分割データを選択するようになってい
る。印刷可否判断部41は、属性管理部35に記憶され
ている印刷パラメータの値を基に、印刷環境検出部39
によって検出された印刷部16の状態で、分割データの
印刷が可能か否かを判断するようになっている。これら
により印刷が可能なものの中で、優先度が最も高い分割
データが選択されるようになっている。
【0035】図2に戻って説明を続ける。出力制御部4
5は、スケジュール部38によって選択された分割デー
タを記憶部32から読み出し、これを印刷部16に転送
する部分である。また、記録紙を排出する排紙トレーの
選択を行うようになっている。この際、1つの印刷物の
間に他の印刷物が排紙されないように排紙トレーの選択
が行われるようになっている。印刷部16は出力制御部
45から転送される分割データについての印刷を行よう
になっている。
【0036】図4は出力制御部の回路構成を機能的に表
わしたものである。排紙トレー管理部52は、第1から
第5の排紙トレー21〜25がどの印刷物によって使用
中であるかを管理する部分である。排紙トレー選択部5
1は、スケジュール部38によって選択された分割デー
タを印刷した記録紙をどの排紙トレーに排出するべきか
を判断する部分である。ここでは同一の印刷データから
分割された分割データは、同一の排紙トレーに排紙され
るように選択が行われる。排紙経路変更部53は排紙ト
レー選択部51によって選択された排紙トレーに記録紙
が排紙されるように排紙経路の切り換えを行うものであ
る。
【0037】図5は図1に示した印刷装置の回路構成の
概要を表わしたものである。印刷装置14は各種制御の
中枢となるCPU(中央処理装置)61を備えている。
CPU61はデータバス等のバス62を通じて各種回路
装置と接続されている。このうち、ROM(リード・オ
ンリ・メモリ)63は起動用のプログラムや、固定的な
データを格納したものである。RAM(ランダム・アク
セス・メモリ)64は、プログラムを実行する上で必要
なデータを一時的に格納する作業用のメモリである。デ
ィスク制御装置65は、磁気ディスク装置66の読み書
きを制御する装置である。磁気ディスク装置66は、各
種プログラムや印刷データの記憶を行う記憶装置であ
る。不揮発性メモリ67は、磁気ディスク装置66に記
憶されている印刷データに関する各種の情報や印刷デー
タを管理するための各種管理テーブルを記憶するメモリ
である。不揮発性メモリ67は印刷装置14の電源が断
となったときでも、記憶された内容を保持するようにな
っている。
【0038】通信制御装置68は、ネットワークを構成
する通信ケーブル13と接続されており、印刷データや
優先度データをネットワーク上に接続されたホストコン
ピュータから入力するようになっている。表示制御装置
69はCRT等からなるディスプレイ71に対して各種
データを表示させる装置である。入力制御装置72はオ
ペレータからの各種指示を入力するためのキーボード2
6と接続されており、ここから優先度の変更が行なえる
ようになっている。また、入力制御装置72はフロッピ
ーディスク装置28およびストリーマ29と接続されて
おり、これらから印刷データを入力できるようになって
いる。印刷部用I/F73は、印刷部16との間で各種
信号の入出力を行うインターフェイス回路である。
【0039】図6は、以上の構成による印刷装置がネッ
トワークから印刷データを受信し、これを分割データと
して磁気ディスク装置に記憶するまでの処理の流れにつ
いてその概要を表わしたものである。図5に示した通信
制御装置68は通信ケーブル13を介してホストコンピ
ュータから送られてくる印刷データおよび優先度データ
を受信する(ステップS101)。CPU61は受信し
たこれらのデータをバス62およびディスク制御装置6
5を通じて磁気ディスク装置66にスプールファイルと
して一旦記憶する(ステップS102)。CPU61は
入力した優先度データを基に、優先度の設定を行い(ス
テップS103)、これをスプールファイルと対応付け
て不揮発性メモリ67の所定の領域に記憶する。CPU
61は次に磁気ディスク装置66のスプールファイルか
ら印刷データを順次読み出し、予め設定されているペー
ジ数分の印刷データを読み出した時点で、そのページ数
分の印刷データを再び磁気ディスク装置66に新しいフ
ァイルとして格納する(ステップS104)。このファ
イルを以後分割ファイルと呼ぶことにする。
【0040】CPU61は読み出した印刷データから制
御コードを検出しこれに応じてパラメータ管理テーブル
の値を更新する。そして新たな分割ファイルを作成する
ごとに、その時点での印刷パラメータ管理テーブルの値
を、不揮発性メモリ67のそれぞれ異なる領域に複写し
て記憶する(ステップS105)。CPU61はスプー
ルファイルに記憶されている印刷データを最後まで分割
したかどうかを判断し、分割が終了していない場合には
(ステップS106;N)、印刷データの分割をさらに
行う(ステップS104〜ステップS106)。最後ま
で分割を終了した場合には(ステップS106;Y)、
CPU61は磁気ディスク装置66に格納した分割ファ
イルを印刷の対象としてスケジュール管理テーブルに登
録し(ステップS107)処理を終了する(エンド)。
【0041】このように、受信された印刷データは、複
数の分割ファイルに分けて磁気ディスク装置66に記憶
される。また、分割ファイルに格納された分割データの
印刷を開始する時に設定されるべき印刷パラメータの値
は、各分割ファイルと対応づけられて予め記憶される。
記憶された印刷パラメータを用いて印刷の態様を設定す
ることで、どの分割ファイルからでも印刷を開始するこ
とができるようになる。また、全ての印刷データの受信
が終了したのち印刷の対象として登録されるので、登録
された中から分割ファイルを選択すれば、印刷データの
受信待ちのために印刷動作が中断してしまうことがな
い。以下、図6に示した各処理を詳細に説明する。
【0042】図7は図6に示したデータ受信処理の流れ
を表わしたものである。CPU61は通信制御装置68
から印刷データが受信されるのを待機している(ステッ
プS201)。印刷データが受信されると(ステップS
201;Y)、CPU61は受信した印刷データについ
てすでに文書番号が割り付けらているか否かを判断する
(ステップS202)。割り付けの有無は、図示しない
割り付け済フラグが不揮発性メモリ67の所定の領域に
セットされているか否かによって判断される。なお、こ
のフラグは、文書番号を割りつけたときにセットされ、
同一印刷物についての最終の印刷データを受信したとき
にリセットされる。文書番号とは、ホストコンピュータ
から送られてくる1つの印刷物に対応する一連の印刷デ
ータを他の印刷物に属する印刷データと区別するために
印刷装置14の内部で割り振られる番号である。CPU
61は割り付け済フラグがセットされていない場合に
は、(ステップS202;N)、新たな文書番号を獲得
し、この文書番号を登録し(ステップS203)、割り
付け済フラグをセットする。割り付け済フラグがすでに
セットされている場合には(ステップS202;Y)、
新たな文書番号の獲得は行わない。
【0043】図8は文書番号などを登録する文書管理デ
ーブルの登録内容の一例を表わしたものである。文書管
理テーブルの登録内容は、受信した印刷データの印刷が
終了するまで保持される。文書管理テーブル81には、
文書番号に対応するスプールファイル名、優先度、分割
テーブルアドレスおよび送信元端末名が格納される。こ
のうち、文書番号は、新たな印刷物の印刷データを受信
したときにCPU61が割り当てるものである。優先度
は印刷データを印刷する優先順位を表わしており、図6
の優先度設定処理で設定されたものが登録される。スプ
ールファイル名は、受信したデータを一時的に記憶する
ファイルの名称である。スプールファイル名は図6の一
時記憶処理でCPU61によって獲得され、文書管理テ
ーブル81に登録される。分割テーブルアドレスは、分
割ファイル関する各種情報をまとめて記憶する分割テー
ブルが記憶されている領域のアドレスを表わしている。
分割テーブルはCPU61によって不揮発性メモリ67
の所定の領域に、1つの文書番号に対して1つずつ確保
される。
【0044】図8に示した文書管理テーブルには、文書
番号が、“0010”、“0020”、“0123”の
3つの印刷物に関する印刷データが登録されている。
“AAAA”(16進表記)は文書管理テーブルのこの
位置が未使用であることを表わしている。文書番号が
“0010”の印刷データを例に文書管理テーブルを説
明する。文書番号“0010”の印刷データはスプール
ファイル名が“SPL0010”のファイルに格納され
ている。このファイルは磁気ディスク装置66に記憶さ
れている。優先度は“3”が登録されている。対応する
分割テーブルは、その先頭アドレスが“8100”の領
域に記憶割り当てられていることを表わしている。送信
元端末名は“ND1”が登録されており、第1のホスト
コンピュータ11から送られてきたものであることを表
わしている。文書管理テーブル81は、不揮発性のメモ
リ67に格納されており、印刷装置14の電源が断した
場合でも、印刷データに関する情報が失われないように
なっている。
【0045】図7に戻って説明を続ける。文書番号の獲
得(ステップS203)を行った後、CPU61は受信
したデータが印刷データであるか、優先度データである
かを判断する(ステップS204)。印刷データである
場合には(ステップS204;Y)、一時記憶処理(ス
テップS205)を行い、スプールファイルへ印刷デー
タを格納する。印刷データでないときは(ステップS2
04;N)、優先度設定処理(ステップS206)を行
う。優先度データは受信するデータの先頭に付加されて
おり、優先度データにつづいて印刷データが送られてく
るようになっている。CPU61は受信したデータが印
刷データの最終データであるか否かを判断し(ステップ
S207)、最終データの場合には(ステップS20
7;Y)、受信終了通知を送信する(ステップS20
8)。CPU61は再び受信待機状態に戻り、次の印刷
物の印刷データの受信を待機する。最終データでない場
合には(ステップS207;N)、受信待機状態(ステ
ップS201)に戻り、同一の印刷物について継続する
印刷データの到来を待機する。
【0046】図9は一時記憶処理の流れを表わしたもの
である。CPU61は、受信終了通知が送られてきたか
否かを判断する(ステップS301)。受信終了通知で
ない場合には(ステップS301;N)、CPU61は
スプールファイルが既に獲得されているかどうかを判断
する。(ステップS302)。これは文書管理テーブル
にスプールファイル名が登録されているかどうかを基に
判断する。スプールファイルが獲得されていない場合に
は(ステップS302;N)、磁気ディスク装置66に
新たなファイルをオープンしてスプールファイルを獲得
する。続いて獲得したスプールファイル名を文書管理テ
ーブルの該当箇所に登録する(ステップS303)。ス
プールファイルがすでに獲得されている場合には(ステ
ップS302;Y)、新たなスプールファイルの獲得は
行わない。CPU61は印刷データをスプールファイル
に格納して(ステップS304)一時記憶処理を終了す
る(エンド)。受信終了通知が送られてきた場合には
(ステップS301;Y)、スプールファイルをクロー
ズし(ステップS305)一時記憶処理を終了する(エ
ンド)。こうして、受信した印刷データは磁気ディスク
装置66にスプールファイルとして一時的に記憶され
る。
【0047】図10は優先度設定処理の流れを表わした
ものである。まず、CPU61は受信した印刷データに
優先度データが付加されているか否かを判断する(ステ
ップS401)。優先度データが付加されている場合に
は(ステップS401;Y)、付加されている優先度デ
ータが表わしている優先度を図8に示した文書管理テー
ブルに登録する(ステップS402)。優先度データが
付加されていない場合には(ステップS401;N)、
最下位の優先度、ここでは優先度“7”を文書管理テー
ブルに登録する(ステップS403)。このように、優
先度が指定されていない場合に、デフォルトの優先度を
設定することで、優先度データを付加できないホストコ
ンピュータからの印刷データであっても印刷することが
できる。また、最下位の優先度で良い場合には、ホスト
コンピュータから優先度データの送信を省略することが
でき、優先度を設定するためのユーザの負担を軽減する
ことができる。
【0048】図11は分割デーブルの登録内容の一例を
表わしたものである。分割テーブル82はスプールファ
イルの印刷データを分割して記憶した分割ファイルを管
理するための各種情報を登録するものである。分割ファ
イル名は分割データを格納しているファイルの名称を表
わしている。印刷パラメータ格納アドレスは、分割ファ
イルに対応した印刷パラメータの値が格納されている記
憶領域のアドレスを表わしている。書き込み終了フラグ
は各分割ファイルへの書き込みが終了していることを表
わすもので、書き込みの終了しているものは“オン”に
なっている。印刷終了フラグは、該当する分割ファイル
に格納された分割データの印刷が終了しているか否かを
識別するために使用され、印刷が終了しているものは
“オン”にされる。図11に示した登録の例は、図8に
示した文書番号“0010”に対応する分割テーブルを
表わしている。文書番号“0010”の印刷データは、
“BF010001”〜“BF010008”までの8
つの分割ファイルに分割されている。“END”の文字
は、“BF010008”で印刷データの全てについて
分割処理が終了していることを表わしている。最後に
“END”の文字が登録されていない場合には、印刷デ
ータの分割処理がまだ続いていることを表わしている。
【0049】図11の登録例では書き込み終了フラグは
全て“オン”になっており、これらすべての分割ファイ
ルは印刷データの書き込みが終了していることを表わし
ている。また、“BF010001”に対応する印刷終
了フラグは“オン”になっており、この分割ファイルに
ついての印刷が終了していることを表わしている。“B
F010002”〜“BF010008”に対応する印
刷終了フラグは“オフ”になっており、印刷がまだ終了
していないことを表わしている。
【0050】図12は印刷データを分割するときに行う
初期化の処理の流れを表わしたものである。CPU61
は、分割テーブルを作成するための記録領域を不揮発性
メモリ67に獲得し、分割テーブルの初期化を行う(ス
テップS501)。この際、書き込み終了フラグおよび
印刷終了フラグを全て“オフ”にする。獲得した分割テ
ーブルの先頭アドレスを文書管理テーブルに登録する
(ステップS502)。次に、印刷パラメータ管理テー
ブルにデフォルト値を登録して初期化する(ステップS
503)。CPU61は印刷パラメータ管理テーブルの
内容を複写するための記憶領域を不揮発性メモリ67に
獲得し、初期化した印刷パラメータ管理テーブルの内容
をここに複写する(ステップS504)。複写した領域
のアドレスを分割テーブルの印刷パラメータ格納アドレ
ス欄の先頭に登録する(ステップS505)。これによ
り、先頭の分割ファイルに格納された分割データについ
てデフォルト値の印刷パラメータが準備される。CPU
61は、分割データを格納するための分割ファイルを磁
気ディスク装置66に確保し(ステップS506)、フ
ァイル名を分割テーブルの分割ファイル名の欄の先頭に
登録する(ステップS507)。これらにより、印刷デ
ータから最初に分割する分割データに対する初期化が完
了する。なお、分割ファイル名などは分割テーブルの先
頭から順に登録され、その昇順により分割元の印刷デー
タの先頭から何番目の分割ファイルであるかが分かるよ
うになっている。
【0051】図13は印刷データを分割する処理につい
て初期化後の処理の流れを表わしたものである。CPU
61は磁気ディスク装置66に格納されているスプール
ファイルから印刷データの読み出しが全て終了したか否
かを判断する(ステップS601)。終了していない場
合には(ステップS601;N)、スプールファイルか
ら印刷データを読み出し、これが制御データであるか否
かを判断する(ステップS602)。制御データでない
場合には(ステップS602;N)、現在書込み中の分
割ファイルに印刷データを格納する(ステップS60
3)。制御データの場合には(ステップS602;
Y)、これが表わしている内容に従って、印刷パラメー
タ管理テーブルの該当箇所の値を変更する(ステップS
604)。CPU61は制御データが、記録紙の給紙元
あるいは排紙先を変更する搬送経路変更要求であるか否
かを判断する(ステップS605)。搬送経路変更要求
でない場合には(ステップS605;N)、すでにファ
イルに格納した印刷データが予め設定されている分割ペ
ージ数に達したどうかを判断する(ステップS60
6)。分割ページ数に達していない場合には(ステップ
S606;N)、分割ファイルに印刷データを格納する
(ステップS603)。分割ページ数に達している場合
(ステップS606;Y)および制御データが搬送経路
変更要求である場合には(ステップS605;Y)、現
在の分割ファイルをクローズしてこのファイルへの記憶
処理を終了する。そして、書き込み終了フラグを“オ
ン”にし(ステップS607)、書き込みの終了を分割
テーブルに登録する。
【0052】その後CPU61は新たな分割ファイルを
磁気ディスク装置66に獲得し、そのファイル名を分割
テーブルの昇順がつぎの位置へ登録する(ステップS6
08)。印刷パラメータ格納領域を新たに獲得し、現在
の印刷パラメータ管理テーブルの値をこの領域に複写す
る(ステップS609)。また、獲得した印刷パラメー
タ格納領域の先頭アドレスを分割テーブルに登録する
(ステップS610)。こうして、分割ファイルに格納
された分割データの先頭から印刷するのに必要な印刷パ
ラメータの値はそれぞれの分割ファイルに対応して記憶
される。
【0053】CPU61は新しく獲得した分割ファイル
に印刷データを格納し(ステップS603)、ステップ
S601の処理に戻る。スプールファイルから印刷デー
タの読み出しが終了した場合は(ステップS601;
Y)、現在の分割ファイルをクローズし(ステップS6
11)、分割テーブルの最後に“END”を登録する
(ステップS612)。これによりスプールファイルの
すべての印刷データの分割の終了したことが登録され
る。CPU61は、全ての印刷データの読み出しを終了
したので磁気ディスク装置66に記憶されているスプー
ルファイルを消去する(ステップS613)。
【0054】図14は、スケジュール管理テーブルの登
録内容の一例を表わしたものである。スケジュール管理
テーブルは、次に印刷すべき分割データを検索するため
に使用されるもので、このテーブルに登録されることに
よって印刷データは印刷の対象になる。スケジュール管
理テーブル83は、優先度テーブル84とリンク部85
〜87によって構成される。リンク部85〜87は、分
割テーブルの先頭アドレスを登録するテーブルアドレス
領域と、次のリンク部の存在するアドレスを格納するポ
インタ領域から構成されている。リンク部はポインタに
よっていくつでも接続できるようになっている。優先度
テーブル84には“0”から“7”までの各優先度に対
応して、リンク部の存在するアドレスを格納するアドレ
スポインタ欄が設けられている。該当する優先度の分割
データが存在しない場合には、優先度テーブル84のア
ドレスポインタ欄に終了データが登録されるようになっ
ている。図14では、優先度“1”および優先度“2”
の分割データが印刷の対象として登録されていないこと
を表わしている。
【0055】図14に示した登録例では優先度“0”の
アドレスポインタ欄に第1のリンク部85のアドレスが
登録されている。第1のリンク部85には第2のリンク
部86のアドレスが、第2のリンク部86には第3のリ
ンク部87のアドレスがそれぞれ登録されている。第3
のリンク部87には終了データが登録されおり、同一の
優先度における最後のリンク部であることを表わしてい
る。次に印刷すべき分割データは、優先度“0”から順
に、リンク部に登録されている分割テーブルを検索する
ことによって決定されるようになっている。
【0056】図15は、分割の終了した印刷データをス
ケジュール管理テーブルに登録する処理の流れを表わし
たものである。CPU61は新たに印刷の対象として登
録する印刷データの優先度を文書管理テーブル81から
読み出し(ステップS701)、優先度テーブルの該当
する優先度の最後部のリンク部に、分割テーブルの先頭
アドレスを登録する(ステップS702)。CPU61
は新たなリンク部の領域を不揮発性メモリ67に確保し
(ステップS703)、これをリンク部の最後部につな
ぎ(ステップS704)、終了データを登録して(ステ
ップS705)処理を終了する(エンド)。このように
スケジュール管理テーブル83に分割テーブルを登録す
ることによって、各分割データは印刷の対象とされる。
したがって、優先度の高い印刷データの受信が開始され
た後であっても、スケジュール管理テーブル83に登録
されるまでの間は、印刷の対象とならない。これによ
り、優先度の高い印刷データの受信が開始されても、印
刷データの受信待ちのために印刷動作が停止してしまう
ことがなく、この間も既に登録されている印刷物の印刷
を行うことができる。
【0057】図16は次に印刷すべき分割データを選択
する処理の流れを表わしたものである。CPU61は、
印刷部用I/F73を通じて、印刷部16の状態を読み
出す(ステップS801)。ここでは、複数ある給紙ト
レーのうち、どの給紙トレーに記録紙がセットされてい
るか否か、および印刷部16が備えているフォントの種
別が読み出される。CPU61は不揮発性メモリ67に
記憶されている優先度テーブル84を検索し、登録され
ている中で最も優先度が高く、その優先度の中で、リン
ク部の先頭に登録されている分割テーブルのアドレスを
読み出す(ステップS802)。たとえば、図14に示
した登録状態では優先度“0”の第1のリンク部85に
登録されている第1の分割テーブルアドレスが読み出さ
れる。このアドレスに格納されている分割テーブルをそ
の先頭から検索し、書き込み終了フラグが“オン”であ
って、かつ印刷終了フラグが“オフ”のものを検出す
る。すなわち、ファイルへの書き込みが終了しており、
かつ未印刷のものを検出する。
【0058】たとえば、図11に示した分割テーブルの
場合には、最初の分割ファイルの印刷終了フラグは“オ
ン”であるので、2番目の分割ファイル、“BF010
002”が検出される。つぎに、検出した分割ファイル
に対応する印刷パラメータを不揮発性メモリ67から読
み出す(ステップS803)。分割ファイル“BF01
0002”の場合には、“9080”を先頭アドレスと
した領域に格納されている印刷パラメータの値が読み出
される。CPU61は先にステップS801で読み出し
た印刷部16の状態と、印刷パラメータの該当箇所の値
を比較し、検出した分割ファイルの印刷が現在の印刷部
16の状態で可能か否かを判断する(ステップS80
4)。たとえば、印刷部16にセットされている記録紙
のサイズがA4のみであって、印刷パラメータの記録紙
サイズの欄の値がB5を表わしているときは、印刷を実
行することができないと判断される(ステップS80
4;N)。
【0059】印刷が不可能と判断された場合には(ステ
ップS804;N)、登録されている他の分割テーブル
を検索する。CPU61は、先に検出したものと同じ優
先度に他の分割テーブルが登録されているかどうかを判
断する(ステップS805)。同一優先度につぎのリン
ク部が接続されている場合には(ステップS805;
Y)、ステップS803に戻り印刷が可能な分割データ
が格納されている分割ファイルの検索を行う。同一の優
先度に次のリンク部が存在しない場合には(ステップS
805;N)、現在検索している優先度が最下位である
かどうかを判断する(ステップS806)。最下位でな
ければ(ステップS806;N)、優先度を1ランク下
げて(ステップS807)同様の検索が行われる(ステ
ップS803〜S804)。優先度が最下位である場合
には、処理の先頭に戻り、印刷環境の読み出しから再び
行われる(ステップS801)。したがって印刷環境が
変化したときに、すぐに印刷可能な分割データを検出す
ることができる。印刷が可能な分割データが格納された
分割ファイルを検出した場合には(ステップS804;
Y)、検出した分割ファイル名と分割テーブルのアドレ
スとをRAM64の所定の領域に一時的に記憶する(ス
テップS808)。その後、印刷依頼を表わしたメッセ
ージを送信して(ステップS809)処理を終了する
(エンド)。
【0060】図17は印刷の終了した記録紙を排紙する
排紙トレーを管理するための排紙トレー管理テーブルの
登録内容の一例を表わしたものである。排紙トレー管理
テーブル91は、1つの印刷物の間に他の印刷物が混ざ
らないように排紙トレーを選択するために使用される。
排紙トレー管理テーブル91には、図1に示した第1か
ら第5の排紙トレー21〜25にそれぞれ対応して、分
割テーブルのアドレスを登録する箇所が設けられてい
る。排紙トレーに対応して分割テーブルのアドレスを記
憶することによって、同一の分割テーブルに登録されて
いる分割ファイルについて同一の排紙トレーを選択する
ことができる。なお、分割テーブルに登録されている中
で最後の分割ファイルについての印刷が終了したとき
は、排紙トレーが未使用状態であることを示した未使用
データが登録される。図17に示した例では、第1の排
紙トレー21と第3の排紙トレー23は未使用状態とな
っており、第2の排紙トレー22に対応する欄には、第
1の分割テーブルアドレスが登録されている。これによ
り、第2の排紙トレー22は第1の分割テーブルに登録
されている分割ファイルに格納されている分割データの
印刷のために現在使用中であることが分かる。
【0061】図18は次に印刷すべき分割データが検索
された後、これを印刷部に転送するまでの処理の流れを
表わしたものである。CPU61は印刷依頼のメッセー
ジの到来を待機している(ステップS901)。印刷依
頼が到来すると(ステップS901;Y)、図17で示
した分割データを選択する処理でRAM64に格納した
分割ファイル名と分割テーブルアドレスを読み出す。排
紙トレー管理テーブル91に読み出した分割テーブルの
アドレスと同じアドレスが登録されているか否かを検索
する(ステップS902)。同じアドレスの登録がある
場合には(ステップS902;Y)、そのアドレスが登
録されている箇所に対応する排紙トレーを選択する(ス
テップS903)。同じアドレスが登録されていない場
合には(ステップS902;N)、未使用の排紙トレー
があるかどうかを検索する(ステップS904)。未使
用の排紙トレーがある場合には(ステップS904;
Y)、未使用の中で排紙トレーに割り振られている番号
が最も小さいものを選択する(ステップS905)。選
択した排紙トレーに対応する箇所に分割テーブルのアド
レスを格納し(ステップS906)その排紙トレーが使
用中であることを登録する。全ての排紙トレーが使用中
の場合には(ステップS904;N)、固定的に第1の
排紙トレーを選択する(ステップS907)。
【0062】次に、CPU61は選択された排紙トレー
に記録紙が排紙されるように排紙経路の切り換えを印刷
部用I/F73を通じて排出部17に指示する(ステッ
プS908)。その後、分割デーブルに記憶されている
印刷パラメータ格納アドレスから、印刷パラメータを読
み出しこれを印刷部用I/F73を介して印刷部16に
設定する(ステップS909)。CPU61はRAM6
4から読み出した分割ファイル名のファイルを磁気ディ
スク装置66から読み出し、分割データを印刷部用I/
F73を介して印刷部16に転送し(ステップS91
0)、処理を終了する(エンド)。このように分割テー
ブルのアドレスを基に排紙トレーを選択しているので、
印刷途中で印刷の対象が他の印刷物に切り替わっても、
各印刷物の間に他の印刷物が混ざることなく記録紙を排
紙トレーに排出することができる。また、分割データの
印刷を開始する前に印刷パラメータが印刷部16に設定
されるので、どの分割データからでも印刷を開始するこ
とができる。
【0063】図19は分割データを印刷する処理の流れ
を表わしたものである。印刷部16は印刷部用I/F7
3を通じて分割データが転送されてくるのを待機してい
る(ステップS1001)。印刷部16は分割データが
到来すると(ステップS1001;Y)、分割データの
印刷を行い(ステップS1002)、選択されている排
紙トレーに印刷の終了した記録紙を排紙する。印刷部1
6は転送された分割データの印刷が終了したかどうかを
判断し(ステップS1003)、終了していない場合に
は(ステップS1003;N)印刷を継続する。分割デ
ータの印刷が終了した場合には(ステップS1003;
Y)、印刷の終了を表わした印刷終了通知を印刷用I/
F73を通じてCPU61に送出し(ステップS100
4)処理を終了する(エンド)。このように印刷部16
では分割データ単位に印刷が行われる。したがって、優
先度の高い印刷物が登録されても、印刷の対象が切り換
わるのは1つの分割ファイルに格納された分割データの
印刷が終了した時点になり、分割ファイルに記憶されて
いるページ数分は同一の印刷物についての印刷が連続し
て行われる。
【0064】図20は印刷終了通知を印刷部から受信し
たときの処理の流れを表わしたものである。CPU61
は印刷部用I/F73を通じて印刷終了通知が送られて
くるのを待機している(ステップS1101)。印刷終
了通知を受信すると(ステップS1101;Y)CPU
61は印刷の終了した分割ファイルに対応する印刷終了
フラグを“オン”にする(ステップS1102)。その
後分割テーブルの先頭から昇順が次の分割ファイル名の
欄に“END”が登録されているどうかを判断する(ス
テップS1103)。これにより最後の分割ファイルま
で印刷が終了したかどうかを判別する。全ての分割ファ
イルについての印刷が終了している場合には(ステップ
S1103;Y)、分割テーブルに登録されている分割
ファイルを全て磁気ディスク装置66から消去する(ス
テップS1104)。また、印刷の終了した印刷データ
についての各種登録を消去する。すなわち、排紙トレー
管理テーブル91、文書管理テーブル81および分割デ
ーブルの登録内容を消去する(ステップS1105)。
さらに、印刷の終了した分割テーブルの登録をスケジュ
ール管理テーブルから消去(ステップS1106)し、
印刷の対象としての登録を抹消する。CPU61は印刷
部16で次に印刷すべき分割データを選択するために、
スケジュール処理を起動する(ステップS1107)。
全ての分割ファイルの印刷が終了していない場合には
(ステップS1103;N)、次に印刷すべき分割デー
タを検索するためスケジュール処理を起動し(ステップ
S1107)、処理を終了する(エンド)。
【0065】このようにして、1つの分割ファイルに格
納された分割データの印刷が終了するたびに、つぎに印
刷すべき分割ファイルが検索される。これにより、いつ
優先度の高い新たな印刷データがスケジュール管理テー
ブル83に登録されても、1つの分割ファイルについて
の印刷が終了したときはじめて印刷の対象が切り替わる
ことになる。
【0066】第1の変形例
【0067】以上説明した実施例では、受信した印刷デ
ータを一旦スプールファイルに記憶したのち、印刷デー
タの分割を行いこれらを印刷の対象として登録してい
る。したがって、優先度が“0”の印刷データであって
も、印刷が開始されるのはデータの受信が終了した後に
なる。印刷物のページ数が多い場合には、印刷データの
受信にも相当の時間を要するので、最終的に印刷物の印
刷が終了するまでの時間が長くなってしまう。そこで、
第1の変形例では、受信したデータを一旦スプールファ
イルに記憶することなく、受信と並行して印刷データの
分割を行っている。そして、1つの分割ファイルへの書
き込みが終了するごとに、その分割ファイルをスケジュ
ール管理テーブルに登録する。これにより、書き込みの
終了した分割ファイルは順次印刷の対象となるので、受
信と並行して印刷が行われ、印刷終了までに要する時間
を短縮することができる。
【0068】第1の変形例では、図7のステップS20
5で受信した印刷データをスプールファイルに一時記憶
する処理を行う代わりに、図13に示した印刷データを
分割する処理を行う。これにより受信した印刷データは
直接分割ファイルに書き込まれる。また、印刷データの
受信が終了したときは、図7のステップS208でスプ
ールファイルをクローズする処理を行う代わりに、分割
ファイルをクローズし、分割テーブルに“END”を登
録する処理(図13のステップS611〜ステップS6
12)を行う。1つの分割ファイルの書き込みが終了す
るごとに、これを印刷の対象としてスケジュール管理テ
ーブルに登録するために、図13のステップS607と
ステップS608の間に新たに逐次登録処理を追加す
る。
【0069】図21は図13のステップS607とステ
ップS608の間に追加する逐次登録処理の流れを表わ
したものである。CPU61は書き込みの終了した分割
ファイルが同一の印刷物に属する印刷データの中で最初
の分割ファイルであるかどうかを判断する(ステップS
1201)。最初の分割ファイルの場合には(ステップ
S1201;Y)、図15に示したスケジュール管理テ
ーブルへ分割テーブルの登録処理を行い(ステップS1
202)処理を終了する(リターン)。最初の分割ファ
イルでない場合には(ステップS1202;N)、すで
に、分割テーブルがスケジュール管理テーブルに登録さ
れているので登録処理を行わずに処理を終了する(リタ
ーン)。
【0070】2番目以降に書き込みの終了した分割ファ
イルについては、すでにスケジュール管理テーブルに分
割テーブルが登録されているので、分割ファイル名を分
割テーブルに登録するだけで印刷の対象になる。図20
に示した印刷終了後の処理では、分割テーブルに印刷の
終了した分割ファイルの次に“END”の登録がないと
きは、分割テーブルの登録が消去されないようになって
いる。これにより登録済の分割ファイルの印刷を全て終
了しても、まだ同一の印刷物について継続する印刷デー
タを受信していることが分かり、スケジュール管理テー
ブルから分割テーブルの登録は消去されない。
【0071】第2の変形例
【0072】印刷装置が備えている排紙トレーの数は、
設置スペースや機械的な制限から無制限に多くすること
はできない。したがって、印刷途中で印刷物の切り換え
が頻繁に起こると排紙トレーの全てが使用中になること
がある。実施例では、全ての排紙トレーが使用中の場合
に、第1の排紙トレー21に固定的に排出している。こ
のため、ユーザは自己の印刷物が第1の排紙トレーに排
出されているときは、他人の印刷物が混ざっていないか
どうかを調べる必要がある。第2の変形例は、1つの印
刷物の間に他の印刷物が混ざっていることをユーザが認
識し易くするように、印刷物が切り換わる境界位置に境
界識別用の記録紙を挿入している。
【0073】第2の変形例の排紙トレー管理テーブル
は、各排紙トレーについて複数の分割テーブルアドレス
が登録できるようになっている。全ての排紙トレーにつ
いて1つの分割テーブルアドレスが登録されているとき
は、2番目以降の領域に新たな分割テーブルアドレスを
登録する。そして同一の排紙トレーについて2以上の分
割テーブルアドレスが登録されているときは、境界識別
用の記録紙を排出してから、分割データの印刷を行う。
また排出する記録紙のサイズを変更すれば、境界がより
分かり易くなる。また、色つきの記録紙を挿入しても良
い。さらに、切り換わる前後の印刷物に関する情報とし
て文書番号や送信元端末名を境界識別用の記録紙に印刷
すれば、区切られた印刷物の識別を容易に行うことがで
きる。
【0074】第3の変形例
【0075】第3の変形例では、他の印刷物との境界を
識別させる記録紙を挿入する代わりに、排紙トレー上で
記録紙が排紙される位置をずらしている。
【0076】図22は、第3の変形例における排紙位置
変更機構の概略構成を表わしたものである。排紙位置変
更機構は、第1から第5の排紙トレー21〜25のうち
第1の排紙トレー21に設けてある。排紙位置変更機構
は、印刷部16から送られてくる記録紙を第1の排紙経
路95に送るか第2の排紙経路96に送るかを選択する
排紙経路選択部97を備えている。第1の排紙経路95
は第2の排紙経路96よりも記録紙の排出位置をズラす
分だけ長くなっている。第1の排紙経路95によって排
出された場合には、第1の排紙トレー上の第1の位置9
8に排出される。第2の排紙経路96によって排出され
た場合には、第2の位置99に排出されるようになって
いる。
【0077】未使用の排紙トレーがなくなった後は、第
1の排紙トレーの第1の位置98と第2の位置99とに
交互に記録紙を排出すれば、その排出位置の変化で印刷
物の境界を容易に認識することができる。
【0078】以上説明した実施例および変形例では、分
割したデータをファイル形式で記憶しているが、ファイ
ル形式で記憶する必要はない。また、実施例では印刷デ
ータを分割する単位のページ数をキーボード26によっ
て設定しているが、固定的な値をROMに記憶しておい
ても良い。また、ネットワークを介してリモートで設定
することも可能である。さらに、分割する単位のページ
数を、印刷データの受信が終了してから、印刷が開始さ
れるまでの最大許容時間を基準に定めることができる。
たとえば、最も優先度の高い印刷データを送信したの
ち、2分で印刷が開始されるようにしたい場合に、印刷
装置の平均印刷速度が毎分50枚であるとすると、分割
の単位として100ページを設定すればよい。このよう
な基準で分割する単位のページ数を設定すれば、一定の
時間内に優先度の高い印刷物の印刷が開始されるので、
割込印刷としての機能を十分に果たすことができる。ま
た、最低100ページは同一の印刷物が連続して印刷さ
れるので、同一の排紙トレーに他の印刷物と混ざって排
紙されてもその仕分けを比較的容易に行うことができ
る。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、優先度を基に印刷の対象を切り換えているの
で、印刷の緊急性に応じた順序で印刷物を印刷すること
ができる。たとえば、複数のユーザ間で優先度の割り振
り方を共通に取り決めておけば、他人の印刷物の緊急性
を判断しなくても、自己の印刷物の優先度を設定するだ
けで、適切な順序で印刷が行われる。また、印刷の対象
が切り換わるのは予め設定された切換ページ位置まで印
刷が行われたときなので、少なくとも次の切換ページ位
置までは1つの印刷物に属する印刷データを連続して印
刷することができる。これにより、印刷物の間に他の印
刷物が混ざって排紙されても、ある程度のページ数は同
一の印刷物が連続するので、排紙トレーからの回収を比
較的容易に行うことができる。また、切換ページ位置ま
では印刷の対象が切り換わらないので、優先度の低い印
刷物であっても、優先度の高い印刷物を印刷する合間に
ある程度のページ数ずつ印刷が行われる。さらに次の切
換ページ位置までのページ数を適当に選べば、緊急性の
高い印刷物の印刷が比較的短時間の内に開始され、割込
印刷としての機能を十分に果たすことができる。
【0080】また請求項2記載の発明によれば、印刷デ
ータが設定された切換ページ位置まで記憶されたとき
に、記憶の終了した印刷データを印刷の対象として登録
している。これにより、印刷の対象として登録された中
から選択された印刷データは少なくとも次の切換ぺージ
位置までの受信が終了しているので、受信と並行して印
刷を行っても印刷データの受信待ちのために印刷動作が
停止してしまうことがない。また、切換ページ位置まで
印刷したときに、継続する印刷データが受信中の場合に
は、登録されている他の印刷物に印刷の対象が切り換わ
るので、印刷装置を効率良く稼働させることができる。
【0081】さらに請求項3記載の発明によれば、切換
ページ位置から印刷を開始するのに必要な印刷のための
付加情報を予め切換ページ位置ごとに記憶しているの
で、印刷の対象を切り換えても、印刷のための付加情報
の退避や復活を行う必要がなく、印刷途中で印刷の対象
を容易に切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例における印刷装置およびホ
ストコンピュータをネットワークに接続した印刷システ
ムの概要を表わしたシステム構成図である。
【図2】 本実施例の印刷装置の機能的な回路構成の概
要を表わしたブロック図である。
【図3】 図2に示したスケジュール部の機能的な回路
構成の概要を表わしたブロック図である。
【図4】 図2に示した出力制御部の機能的な回路構成
の概要を表わしたブロック図である。
【図5】 本実施例の印刷装置についてその回路構成の
概要を表わしたブロク図である。
【図6】 本実施例の印刷装置において印刷データを受
信しこれを印刷の対象として登録するまでの処理の流れ
についてその概要を表わした流れ図である。
【図7】 本実施例で送られてきた印刷データを受信す
る処理の流れを表わした流れ図である。
【図8】 文書管理テーブルの登録内容の一例を表わし
た説明図である。
【図9】 本実施例で受信した印刷データを一時記憶す
る処理の流れを表わした流れ図である。
【図10】 本実施例で優先度を設定する処理の流れを
表わした流れ図である。
【図11】 分割デーブルの登録内容の一例を表わした
説明図である。
【図12】 本実施例で一時記憶した印刷データを複数
の分割データに分割する際に行う初期化の処理の流れを
表わした流れ図である。
【図13】 本実施例で印刷データを複数の分割データ
に分割する処理の流れを表わした流れ図である。
【図14】 スケジュール管理テーブルの登録内容の一
例を表わした説明図である。
【図15】 本実施例で分割データを印刷の対象として
登録する処理の流れを表わした流れ図である。
【図16】 本実施例で登録された印刷データの中から
次に印刷すべきものを選択する処理の流れを表わした流
れ図である。
【図17】 排紙トレー管理テーブルの登録内容の一例
を表わした説明図である。
【図18】 本実施例で排紙トレーを選択し印刷データ
を印刷部に転送する処理の流れを表わした流れ図であ
る。
【図19】 図1に示した印刷部が行う処理の流れを表
わした流れ図である。
【図20】 本実施例で1つの分割データの印刷が終了
したときに行う処理の流れを表わした流れ図である。
【図21】 第1の変形例の印刷データを分割する処理
において図13に示した処理に追加する処理の流れを表
わした流れ図である。
【図22】 第3の変形例における排紙位置変更機構の
概要を表わした概略構成図である。
【符号の説明】
11、12…ホストコンピュータ、13…通信ケーブ
ル、14…印刷装置、15…制御部、16…印刷部、1
7…排出部、21〜25…排紙トレー、26…キーボー
ド、27、71…ディスプレイ、28…プロッピディス
ク装置、29…ストリーマ、61…CPU、66…磁気
ディスク装置、67…不揮発性メモリ、68…通信制御
装置、73…印刷部用I/F、81…文書管理テーブ
ル、82…分割テーブル、83…スケジュール管理テー
ブル、91…排紙トレー管理テーブル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 優先度付けされた印刷データを入力する
    印刷データ入力手段と、 この印刷データ入力手段から入力された印刷データを蓄
    積する印刷データ蓄積手段と、 この印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データについ
    て印刷を行う印刷手段と、 印刷データの各ページの境界位置の中から任意の位置を
    印刷の切換位置として設定する切換ページ位置設定手段
    と、 この切換ページ位置設定手段によって設定された切換位
    置まで前記印刷手段が印刷データを印刷したとき前記印
    刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データの中から最も
    優先度の高い印刷データを選択する印刷データ選択手段
    と、 この印刷データ選択手段によって選択された印刷データ
    に前記印刷手段が印刷する印刷データを切り換える印刷
    データ切換手段とを具備することを特徴とする印刷装
    置。
  2. 【請求項2】 優先度付けされた印刷データを入力する
    印刷データ入力手段と、 この印刷データ入力手段から入力された印刷データを蓄
    積する印刷データ蓄積手段と、 印刷データの各ページの境界位置の中から任意の位置を
    印刷の切換位置として設定する切換ページ位置設定手段
    と、 この切換ページ位置設定手段によって設定された切換位
    置まで前記印刷データ蓄積手段に印刷データが蓄積され
    たときこの切換位置まで蓄積された印刷データを印刷の
    対象として登録する印刷対象登録手段と、 この印刷対象登録手段によって登録された印刷データに
    ついての印刷を行う印刷手段と、 前記切換ページ位置設定手段によって設定された切換位
    置までこの印刷手段が印刷データを印刷したとき前記印
    刷対象登録手段によって登録された印刷データの中で最
    も優先度の高い印刷データを選択する印刷データ選択手
    段と、 この印刷データ選択手段によって選択された印刷データ
    に前記印刷手段が印刷する印刷データを切り換える印刷
    データ切換手段とを具備することを特徴とする印刷装
    置。
  3. 【請求項3】 印刷データと印刷ための付加情報を入力
    する印刷情報入力手段と、 この印刷情報入力手段から入力された印刷データを蓄積
    する印刷データ蓄積手段と、 印刷データの各ページの境界位置の中から任意の位置を
    印刷の切換位置として設定する切換ページ位置設定手段
    と、 この切換ページ位置設定手段によって設定されたそれぞ
    れの切換位置から印刷を開始するのに必要な印刷のため
    の付加情報を前記印刷情報入力手段から入力された印刷
    のための付加情報から抽出する付加情報抽出手段と、 この付加情報抽出手段によって抽出された印刷のための
    付加情報を前記切換位置と対応付けて記憶する付加情報
    記憶手段と、 印刷を開始すべき切換位置を印刷データごとに記憶する
    印刷開始位置記憶手段と、 前記印刷データ蓄積手段に蓄積された印刷データの中か
    ら次に印刷すべき印刷データを選択する印刷データ選択
    手段と、 この印刷データ選択手段によって選択された印刷データ
    について印刷を開始すべき切換位置を前記印刷開始位置
    記憶手段から読み出す印刷開始位置読出手段と、 この印刷開始位置読出手段によって印刷を開始すべき切
    換位置が読み出されたのち前記印刷開始位置記憶手段が
    記憶している切換位置を次に印刷を開始すべき切換位置
    に更新する印刷開始位置更新手段と、 前記印刷開始位置読出手段によって読み出された切換位
    置に対応する印刷のための付加情報を前記付加情報記憶
    手段から読み出す付加情報読出手段と、 この付加情報読出手段によって読み出された印刷のため
    の付加情報を用いて前記印刷開始位置読出手段が読み出
    した切換位置から次の切換位置まで印刷データの印刷を
    行う印刷手段と、 この印刷手段によって次の切換位置までの印刷が終了し
    たとき前記印刷データ選択手段に印刷データを選択させ
    る選択起動手段とを具備することを特徴とする印刷装
    置。
JP6199182A 1994-08-24 1994-08-24 印刷装置 Pending JPH0863307A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6199182A JPH0863307A (ja) 1994-08-24 1994-08-24 印刷装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6199182A JPH0863307A (ja) 1994-08-24 1994-08-24 印刷装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0863307A true JPH0863307A (ja) 1996-03-08

Family

ID=16403510

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6199182A Pending JPH0863307A (ja) 1994-08-24 1994-08-24 印刷装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0863307A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6229622B1 (en) 1996-03-05 2001-05-08 Canon Kabushiki Kaisha Printer apparatus and method of controlling same
JP2013091318A (ja) * 2012-12-12 2013-05-16 Canon Inc 印刷制御装置、方法及びプログラム
JP2020177692A (ja) * 2016-07-25 2020-10-29 株式会社リコー 印刷システム、情報処理システム、方法およびプログラム

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6229622B1 (en) 1996-03-05 2001-05-08 Canon Kabushiki Kaisha Printer apparatus and method of controlling same
JP2013091318A (ja) * 2012-12-12 2013-05-16 Canon Inc 印刷制御装置、方法及びプログラム
JP2020177692A (ja) * 2016-07-25 2020-10-29 株式会社リコー 印刷システム、情報処理システム、方法およびプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004531799A (ja) 印刷待ち行列を使用する印刷システムの制御方法
JP4995064B2 (ja) 画像出力装置及び画像出力方法
JP2932346B2 (ja) 印刷装置並びに印刷装置における印刷制御方法及び文字フォントパターン管理方法
JP2002067453A (ja) 印刷装置、印刷制御システム、および、印刷制御方法、並びに、記録媒体
JPH0863307A (ja) 印刷装置
JP2001290625A (ja) 分散印刷制御装置および分散印刷制御方法並びに記録媒体
JPH0564925A (ja) 画像形成装置
JP2945403B2 (ja) 記録制御装置
JP3223704B2 (ja) プリントシステムおよび文書処理装置
EP1244054B1 (en) Print queue managing method and printer
JP2005349768A (ja) 印刷装置及び印刷方法
JP3797528B2 (ja) プリンタ及び印刷システム
KR100334102B1 (ko) 프린터의 이력 관리방법
JPH0728612A (ja) プリンタ
JPH0659833A (ja) ネットワーク環境のプリンタ
JPS5829043A (ja) プリンタ制御方法
JP3417426B2 (ja) 画像記録装置
JPH11224170A (ja) 画像データ印刷装置およびその印刷制御方法
KR100306752B1 (ko) 프린터에서의 인쇄에러 처리방법
JP2002154730A (ja) 画像形成装置
JP2000305723A (ja) プリンタ切替方法
JPH08234942A (ja) プリンタ装置
JPH01173094A (ja) 文字表示器を有する画像出力装置
JPH08324039A (ja) 印刷装置、印刷制御装置、印刷方法および印刷制御方法
JPH0948155A (ja) 印刷装置