JPH086092Y2 - 護岸パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は護岸用のコンクリート矢板に、岸壁におけ
る消波と、魚巣形成のために接合される護岸パネルに関
するものである。

（考案が解決しようとする課題） 岸壁に護岸用に打ち込まれるコンクリート矢板は通
常、主として岸壁の浸食を防止することを目的としてお
り、波を破砕し、その流勢を弱める機能を持たないた
め、護岸の防御対策としての消波を行うには改めてその
ためのブロックを矢板の表面側に敷き詰める等の工事が
必要であり、従来はそれぞれ独立した施工を実施してい
るのが実情である。

この考案はこうした背景を踏まえてなされたもので、
矢板に消波の機能を与えるパネルを新たに提案しようと
するものである。

（課題を解決するための手段） 本考案では矢板の前面で波を破砕するための複数の孔
が厚さ方向に穿設されたパネルを、矢板壁面との間に距
離をおいてこれに接合することにより矢板に消波の機能
を与え、矢板による護岸の保護効果を高める。

パネルの背面側の四隅にはコンクリート矢板に当接
し、コンクリート矢板への接合用のボルトが挿通される
脚が突設され、この脚によってパネルと矢板表面との間
の間隔が確保される。

パネルは脚においてボルトを矢板に挿通することによ
りこれに接合される。

（実施例） 以下本考案を一実施例を示す図面に基づいて説明す
る。

この考案の護岸パネル１は第１図−I,IIに示すように
護岸用に打設されたコンクリート矢板２の表面側に、距
離をおいて接合され、その護岸機能を高めるものであ
る。

護岸パネル１の本体にはその製作例を示す第２図のよ
うに、その厚さ方向に複数の孔1aが穿設され、背面側の
四隅にはコンクリート矢板２に当接し、これとの間のス
ペーサとなる脚1bが突設されている。

孔1aは図示するように多数、適当な間隔をおいて明け
られる他に、連続的に長孔状等に明けられる。

コンクリート矢板２に打ち突ける波は、この護岸パネ
ル１の孔1aと、脚1bによって形成される背面の空間の存
在によって多数の孔1aを通過し、護岸パネル１の背面の
空間に達するまでに破砕され、勢いが弱められた状態で
コンクリート矢板２に衝突することになる。

脚1bにはコンクリート矢板２へのボルト接合用のボル
ト孔1cが明けられており、一方の、コンクリート矢板２
の表面側にはこのボルト孔1cに対応してボルト３が螺合
するナット４が埋め込まれている。

ナット４は例えば図示するようにコンクリート矢板２
内に予め埋め込まれたインサートであり、ボルト３はこ
れに護岸パネル１の表面側から螺合されて接続される。

護岸パネル１は第１図，第２図に示すようにボルト３
をナット４に螺合することによりコンクリート矢板２の
表面に連続的に張り付けられる。

護岸パネル１の背面とコンクリート矢板１の表面間に
形成される、流勢の弱められた空間は魚巣として活用さ
れる。

第１図は平板状のコンクリート矢板２への取付例を示
したものであるが、魚巣用の空間の奥行きは護岸パネル
１の脚1bの長さを変える他に、第３図に示すようにコン
クリート矢板２の断面形状を溝形にすることによっても
調整される。

（考案の効果） この考案は以上の通りであり、本体に複数の孔を明
け、背面の四隅にコンクリート矢板との間隔を確保する
脚を突設することにより矢板の表面を保護するものであ
るため、矢板に打ち突ける波の勢いを緩和することがで
き、矢板を効果的に保護することが可能である。

この結果、コンクリート矢板の寿命を高めることがで
きる。

また本護岸パネルとコンクリート矢板間には魚巣用の
空間が形成されるため河川の環境の向上に貢献すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図−I,IIは本考案の取付例を示したそれぞれ縦断面
図，立面図、第２図はその斜視図、第３図は他の形状の
矢板への取付例を示した平面図である。 １……護岸パネル、1a……孔、1b……脚、1c……ボルト
孔、２……コンクリート矢板、３……ボルト、４……ナ
ット。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】岸壁に護岸用に打ち込まれたコンクリート
   矢板の表面側に、その壁面との間に距離をおいて接合さ
   れるパネルであり、本体にその厚さ方向に複数の孔が穿
   設され、背面側の四隅にはコンクリート矢板に当接して
   これとの間隔を確保し、コンクリート矢板への接合用の
   ボルトが挿通される脚が突設されていることを特徴とす
   る護岸パネル。