JPH0860110A - 表面保護フィルム - Google Patents

表面保護フィルム

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Publication number
JPH0860110A
JPH0860110A JP19247594A JP19247594A JPH0860110A JP H0860110 A JPH0860110 A JP H0860110A JP 19247594 A JP19247594 A JP 19247594A JP 19247594 A JP19247594 A JP 19247594A JP H0860110 A JPH0860110 A JP H0860110A
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JP
Japan
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film
protective film
base material
polyolefin resin
strength
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Application number
JP19247594A
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English (en)
Inventor
Masahiko Hiragori
正彦 平郡
Tadashi Kono
忠 甲野
Yoshinori Watanabe
良範 渡辺
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステンレス鋼板など、絞り加工される金属板
の表面に仮着して、塵の付着や傷つきがないように、そ
の表面を保護するために使用される表面保護フィルムを
提供することを目的とする。 【構成】 請求項1乃至3記載の本発明の表面保護フィ
ルムは、結晶化度が20〜50%、密度が0.885〜
0.910g/cm3 、メルトフローレート(MFR)
が7g/10min以下であるポリプロピレン及びプロ
ピレン−エチレン共重合体もしくは、更に、α−オレフ
ィンが共重合された3元共重合体を主体とするポリオレ
フィン系樹脂製フィルムが、温度70〜150℃、延伸
倍率1.2〜5倍にて延伸処理された基材、押出温度1
80〜250℃、ブローアップ比2.5〜5にて製膜さ
れた基材ないしは残存ゲル重量分率が10〜70重量%
であるように架橋されている請求項1記載のポリオレフ
ィン系樹脂からなる基材の一面に、粘着剤層が設けられ
ていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面保護フィルムに関す
る。更に詳しくは、主にステンレス鋼板など絞り加工さ
れる金属板の表面に仮着して、塵の付着や傷つきがない
ようにその表面を保護するために使用される表面保護フ
ィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、絞り加工が施される金属板用の表
面保護フィルムとしては、可塑化塩化ビニル樹脂を基材
としたものや塩化ビニル樹脂ゾルを塗布、乾燥したもの
が多用されてきた。又、ポリオレフィン系樹脂を基材と
した表面保護フィルムは、絞り加工に適したものとし
て、エチレン−α−オレフィン共重合体からなる線状低
密度ポリエチレン(LLDPE)を基材として使用した
表面保護フィルムが、特開昭53−21239号公報や
特公平1−14265号公報等に開示され、絞り加工時
の基材の柔軟性、加工追従性を追求した発明が提案され
ている。
【0003】上記発明では、比較的低密度のエチレン−
α−オレフィン共重合体やポリエチレンとポリプロピレ
ンの混練混合物を使用し、金属板の絞り加工時の冷間加
工追従性、応力緩和性を検討しているが、記載された基
材では、絞り加工で必要な強度特性を持たないので、α
−オレフィンの共重合量を多くすると、基材が柔軟にな
り過ぎ、実際は、α−オレフィンの共重合量を多くする
ことができない。又、ポリエチレンとポリプロピレンの
混練混合物によって、絞り加工で必要な応力緩和性や引
張強度等の強度特性を発現させるには、相当均質な分散
が必要であり、通常の混練混合物では達成が難しい等の
問題点を有していた。
【0004】又、可塑化塩化ビニル樹脂を基材とした表
面保護フィルムは、上記従来のポリオレフィン系樹脂を
基材とした表面保護フィルムに比較して、応力緩和性に
優れるなどから汎用されているが、焼却時有害な塩化水
素を発生させる等、廃棄物の処理問題を抱えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】各種ポリオレフィン系
樹脂からなる基材と各種粘着剤との組合わせにおいて、
金属板の主として絞り加工性に関する公知技術を要約す
ると、ポリオレフィン系樹脂からなる基材に求められる
物性として、(1)引張破壊強度が大きいこと、(2)
応力緩和性に優れること、(3)引張伸長時の降伏点を
有し、その強度が大きいこと、等が挙げられる。就中、
(3)の引張降伏強さに関して、降伏点以降の変形時の
強度が低いため、残留応力が低くなること、更に、剥離
時には、剥離強度が引張降伏強さを超えなければ、剥離
時に伸びが発生し難く、剥離性にも優れるという理由が
挙げられている。
【0006】しかし、保管中の被保護体表面から実際に
フィルムを剥離する場合、使用している粘着剤の性能限
界や保管条件の違い、更には、取扱者の剥離速度の違い
により、剥離力が引張降伏強さを超えてしまい、剥離時
に表面保護フィルムが伸びて非常に剥離し難くなるとい
う問題がしばしば発生している。又、上記剥離時の伸び
を防ぐため、伸長初期の強度を高めているので、基材フ
ィルム自体が非常に堅く、貼付時の追従性が悪く、金属
板の加工時の追従性も悪く、更に、加工後の残留応力も
高いので、被保護体表面から表面保護フィルムの浮きが
発生し易いという問題点を有する。又、引張降伏強さの
大きいフィルムは、実際の金属の加工時、該フィルムの
変形率が多くの部分で降伏点伸度近辺もしくはそれ以下
になるため、加工後、被保護体表面から表面保護フィル
ムの浮きが発生し易いのである。
【0007】叙上の事実に鑑み、本発明者らは、非常に
応力緩和性の優れた材料を用いながら、且つ、基材の製
膜方法によって、基材が降伏点を有さず、伸長とともに
強度が増加するような引張強度特性にすることによっ
て、加工時には残留応力が小さく、加工される金属板の
一部分の極く限られた範囲にしか影響しないものである
ので、全体的な表面保護フィルムの浮きには全く影響を
及ぼすことがないことを知見し、本発明を完成するに至
ったのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、結晶化度が20〜50%、密度が0.885〜0.
910g/cm3 、メルトフローレート(MFR)が7
g/10min以下であるポリプロピレン及びプロピレ
ン−エチレン共重合体もしくは、更に、α−オレフィン
が共重合された3元共重合体を主体とするポリオレフィ
ン系樹脂が製膜され、70〜150℃において、1.2
〜5倍に延伸されているフィルムを基材とし、その一面
に粘着剤層が設けられていることを特徴とする表面保護
フィルムをその要旨とするものである。
【0009】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
ポリオレフィン系樹脂が押出温度180〜250℃、ブ
ローアップ比2.5〜5にて製膜されたフィルムを基材
とし、その一面に粘着剤層が設けられていることを特徴
とする表面保護フィルムをその要旨とするものである。
【0010】請求項3記載の本発明は、結晶化度が20
〜50%、密度が0.885〜0.910g/cm3
メルトフローレート(MFR)が7g/10min以下
であるポリプロピレン及びプロピレン−エチレン共重合
体もしくは、更に、α−オレフィンが共重合された3元
共重合体が、残存ゲル重量分率が10〜70重量%であ
るように架橋されているポリオレフィン系樹脂を主体と
するフィルムを基材とし、その一面に粘着剤層が設けら
れていることを特徴とする表面保護フィルムをその要旨
とするものである。
【0011】請求項1乃至3記載の本発明で使用される
エチレン−α−オレフィン共重合体は、結晶化度が20
〜50%、密度が0.885〜0.910g/cm3
メルトフローレート(MFR)が7g/10min以下
であるポリプロピレン及びプロピレン−エチレン共重合
体もしくは、更に、αオレフィンが共重合された3元共
重合体を主体とするポリオレフィン系樹脂である。
【0012】上記ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレ
ンとポリプロピレンを充分混練混合し、均一に分散さし
めることによっても得られるが、例えば、特開平3−2
05439号公報等に記載されている如く、重合中に反
応器内でアロイ化する、所謂、リアクターブレンドによ
って調製され、これに、更に、ポリプロピレンやその他
のポリオレフィンをブレンドして使用に供することが好
ましい。
【0013】上記の如くリアクターブレンドによって調
製されたポリオレフィン系樹脂は、エチレン等の各成分
が微細に分散しているので、リアクターブレンドによっ
て調製されたポリオレフィン系樹脂をそのまま使用して
もよいが、該ポリオレフィン系樹脂に、更に、ポリプロ
ピレンやその他のポリオレフィンを50%以下の範囲で
ブレンドしたものも、同様の性能を有するのである。
【0014】請求項1記載の本発明は、上記のポリオレ
フィン系樹脂を、インフレーション法やTダイ法、カレ
ンダー法等によって製膜した後、70〜150℃におい
て、1.2〜5倍、好ましくは2〜3.5倍に延伸さ
れ、アニールされているフィルムを表面保護フィルムの
基材としているが、その強度特性が、縦横で異方性を示
さず、均質であるためには、上記の延伸処理によって、
縦横両方向の延伸がなされ、はじめて、伸長とともに強
度が増加する、応力緩和性等の優れた性能を発現するの
であって、一般的に用いられるポリオレフィン系樹脂フ
ィルムの製膜方法では、初期伸長時が高強度で降伏点を
有し、この降伏点以降強度が500%程度伸長まで増加
しないという、降伏点を超えてしまうと、非常に伸び易
いフィルムとなってしまうのである。
【0015】又、上記延伸倍率が5倍を超えて延伸され
ているフィルムは、延伸による内部歪が強く残り、その
応力緩和性が低下し、且つ、引張強度が増大し過ぎてし
まう。又、上記延伸温度は、70℃未満の場合、延伸性
が悪く、ムラが発生し、逆に、150℃を超えると、充
分な強度が得られない。更に、必要に応じて歪を緩和す
るためにアニールを行うこともできるが、これは延伸時
の歪による応力を熱処理によって緩和するものであっ
て、アニール温度は、80〜160℃で行うのが好まし
い。
【0016】請求項2記載の本発明は、上記のポリオレ
フィン系樹脂を、インフレーション法で、押出温度18
0〜250℃、ブローアップ比2.5〜5にて製膜され
たフィルムを表面保護フィルムの基材としているが、上
記の高いブローアップ比で製膜されたフィルムによっ
て、はじめて、応力緩和性等、優れた性能を発現するの
であって、請求項1記載の発明と同様、一般的に用いら
れるプラスチックフィルムの製膜方法では、引張伸長時
の降伏点或いは10〜100%伸長時の強度が低過ぎて
伸びやすいフィルムとなってしまうのである。
【0017】上記インフレーション法は、空冷法、水冷
法のいずれの方法でもよい。上記ポリオレフィン系樹脂
のインフレーション法成形では、フロストライン以下
で、フィルムは縦横両方向に伸長される。即ち、フィル
ムが高温で延伸されることになり、若干の分子配向が生
ずるために、得られるフィルムは、伸長とともに強度が
増大するという強度特性が付与される。又、高温で成形
されるため、基材の加工後の収縮も小さくなる。又、上
記成形温度は、180℃未満では、製膜安定性が悪く、
250℃を超えると、インフレーション法成形でのブロ
ーアップの効果が得られない。又、上記ブローアップ比
は、2.5未満では、降伏点が残ってしまい、5を超え
る場合、製膜性が悪く(不安定)なり、且つ、得られる
フィルムの引張伸長時の強度が高くなり過ぎ、金属板の
加工時、フィルムの浮きの問題が発生する。更に、ブロ
ーアップ比が5を超える場合、フィルムの応力緩和性も
大きく低下してしまうため好ましくない。
【0018】請求項3記載の本発明は、残存ゲル重量分
率が10〜70重量%であるように架橋せしめた上記の
ポリオレフィン系樹脂を主体としたフィルムを表面保護
フィルムの基材として使用するものであるが、上記の如
く架橋せしめることによって、はじめて、製膜方法の如
何を問わず、応力緩和特性を含む金属板の絞り加工に適
した性能が発現するのである。
【0019】上記表面保護フィルムの基材は、上記のポ
リオレフィン系樹脂を、インフレーション法やTダイ
法、カレンダー法等によって、製膜した後、種々の方法
で架橋することにより得られる。上記架橋方法は、特に
限定されるものでなく、例えば、ラジカル発生剤の存在
下で、遊離ラジカルが発生する温度以上に加熱する方
法、電離性放射線を照射する方法等が挙げられる。
【0020】上記ラジカル発生剤としては、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イ
ソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド等の有機過酸化物
が例示できる。又、ラジカル発生剤とともに、必要に応
じて、炭素−炭素不飽和結合を1個以上有する化合物を
高分子化助剤として添加してもよい。
【0021】上記ラジカル発生剤の存在下で、遊離ラジ
カルが発生する温度以上に加熱する方法による場合、上
記のポリオレフィン系樹脂にラジカル発生剤、高分子化
助剤等を均一に混合し、押出成形機等にて、上記ラジカ
ル発生剤の分解温度以下の温度でフィルム状に成形した
後、該フィルムを上記ラジカル発生剤の分解温度以上の
温度に加熱し、遊離ラジカルを発生させて上記のポリオ
レフィン系樹脂を架橋させる。又、上記電離性放射線を
照射する方法による場合、上記のポリオレフィン系樹脂
を押出成形機等にて、フィルム状に成形した後、該フィ
ルムに電子線、γ線等の電離性放射線を照射して架橋さ
せる。
【0022】上記ラジカル発生剤の添加量及び電離性放
射線の照射量は、得られるフィルムの残存ゲル重量分率
が10〜70重量%、好ましくは10〜60重量%、よ
り好ましくは25〜55重量%となるよう設定される。
上記残存ゲル重量分率が10重量%未満の場合、得られ
るフィルムは、引張伸長時の降伏点が残り、必要な強度
が得られない。又、70重量%を超える場合、得られる
フィルムは、強度が高くなり過ぎるとともに、応力緩和
性が大幅に低下してしまい所望の性能が得られない。
【0023】請求項1乃至3記載の本発明の上記ポリオ
レフィン系樹脂の結晶化度が20%未満の場合、強度が
低下し、各加工・作業工程において、フィルムが伸び易
くなり、剥離等の被保護金属板との密着性が問題とな
る。逆に、結晶化度が50%を超える場合、フィルムの
強度が大き過ぎて、応力緩和性が優れていても、引張伸
長初期の強度が大きくなり、加工後の浮き等の問題を起
こす。
【0024】上記ポリオレフィン系樹脂の密度について
も同様の傾向があり、密度が0.885g/cm3 未満
の場合、フィルムの強度不足、密度が0.910g/c
3を超えた場合、強度高になってしまう。
【0025】上記ポリオレフィン系樹脂は、MFRが7
g/10minのものが使用されるが、7g/10mi
nを超えると、製膜性が悪くなり、又、得られるフィル
ムの引張破壊強さが低くなるので、加工時の切れ等の発
生の問題や、フィルムの表面保護性が低下してしまう。
【0026】上記ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピ
レン及びプロピレン−エチレン共重合体もしくは、更
に、α−オレフィンが共重合された3元共重合体を主体
とするものであるが、該樹脂を構成するプロピレンの量
は、50〜90重量%が好ましく、50重量%未満で
は、柔軟性が高過ぎ、90重量%を超えると硬くなり過
ぎる。
【0027】又、請求項1乃至3記載の本発明で使用の
上記基材は、上記エチレン−α−オレフィン共重合体を
主体として、ポリプロピレン(ホモポリマー、ランダム
コポリマー、ブロックコポリマー)、その他の樹脂の配
合も可能であるが、このポリオレフィン系樹脂として
は、上記エチレン−α−オレフィン共重合体固有の応力
緩和特性に影響を与えないという観点から、ポリプロピ
レンが最も好ましいが、その他上記エチレン−α−オレ
フィン共重合体と相溶する、例えば、低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合
体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−
エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エ
チレン−n−ブチルアクリレート共重合体等、上記のも
のの任意の組合せによる混合物が使用できる。
【0028】請求項1乃至3記載の本発明の上記基材に
は、酸化防止剤、紫外線防止剤の如き安定剤、タルク、
炭酸カルシウムの如き充填剤、着色剤等も上記エチレン
−α−オレフィン共重合体固有の応力緩和特性に影響を
与えない範囲において適宜選択使用できる。
【0029】又、請求項1乃至3記載の本発明の上記基
材は、単一層のフィルムから形成されてもよいが、多層
構造とすることことや、叙上の本発明の強度特性に影響
を与えない範囲内で、請求項1乃至3記載の本発明のフ
ィルム以外の、後述する離型剤層等のフィルムからなる
表層部を形成した多層構造とすることことも可能であ
る。
【0030】又、請求項1乃至3記載の本発明の上記基
材の厚さは、表面保護フィルムの用途によって種々のも
のが使用されるが、被保護金属板の厚さが1〜2mmで
ある場合、50〜200μm、更に好ましくは、70〜
130μmのものが使用される。
【0031】又、請求項1乃至3記載の本発明で使用さ
れる粘着剤は、表面保護フィルムとしての機能を満足し
得るものであれば、いかなる粘着剤が使用されてもよい
が、例えば、ゴム系、アクリル系等の粘着剤が使用でき
る。
【0032】又、請求項1乃至3記載の本発明におい
て、基材に粘着剤層を積層する方法は、特に限定しない
が、例えば、得られたフィルムの片面にコロナ放電処理
を行い、その上に下塗剤層を介して粘着剤層を溶剤で希
釈したアクリル系粘着剤やゴム系粘着剤等の粘着剤を塗
布、乾燥して設ける方法が採られてもよく、又、例え
ば、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体
(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック
共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・プロピレン
・スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン・
エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SE
BS)、スチレン・イソプレンブロック共重合体〔(S
I)n 〕、エチレン・プロピレンブロック共重合体
〔(EP)n 〕等の熱可塑性エラストマーからなる粘着
樹脂を共押出成形によって、基材と同時に形成する方法
が採られてもよい。又、粘着剤の種類も、上記積層方法
に応じて、適宜選択使用されればよく、例えば、粘着剤
を塗布する方法において、アクリル系粘着剤やゴム系粘
着剤等に制約されない。
【0033】更に、基材の上記粘着剤層が設けられてい
る反対の面に、離型剤、例えば、ポリエチレンイミンを
主成分とする塗膜が設けられ、自背面との親和性を更に
低下せしめることができる。又、基材もしくは粘着剤
層、又は、その両者に、離型剤その他の添加剤を配合
し、表面の滑り性を改善する等、必要に応じ各種の機能
性添加剤を使用することは、本発明の精神を逸脱せざる
範囲において可能である。
【0034】
【作用】請求項1乃至3記載の本発明の表面保護フィル
ムで使用される基材は、結晶化度が20〜50%、密度
が0.885〜0.910g/cm3 、メルトフローレ
ート(MFR)が7g/10min以下であるポリプロ
ピレン及びプロピレン−エチレン共重合体もしくは、更
に、α−オレフィンが共重合された3元共重合体を主体
とするポリオレフィン系樹脂からなるものであり、重合
中に反応器内でアロイ化するリアクターブレンドによっ
て調製することができるので、成形されたフィルムは極
めて均質な物性を示すものである。
【0035】請求項1記載の本発明の表面保護フィルム
で使用される基材は、上記ポリオレフィン系樹脂が製膜
され、70〜150℃において1.2〜5倍に延伸され
ているものであるので、その強度特性が縦横で異方性を
示さず、上記の延伸処理によって、縦横両方向の延伸が
なされ、はじめて、塑性変形を起こし難い、伸長ととも
に強度が増加する、応力緩和性等の優れた性能を発現
し、被保護金属板との密着性、絞り加工性、剥離性の全
てについて満足のいく表面保護フィルムを与えることが
できるのである。
【0036】請求項2記載の本発明の表面保護フィルム
で使用される基材は、実施例1と同一の上記ポリオレフ
ィン系樹脂が用いられ、押出温度180〜250℃、ブ
ローアップ比2.5〜5にて製膜されているものである
ので、その強度特性が、縦横で異方性を示さず、上記の
延伸処理によって、縦横両方向の延伸がなされ、はじめ
て、塑性変形を起こし難い、伸長とともに強度が増加す
る、応力緩和性等の優れた性能を発現し、被保護金属板
との密着性、絞り加工性、剥離性の全てについて満足の
いく表面保護フィルムを与えることができるのである。
【0037】請求項3記載の本発明の表面保護フィルム
で使用される基材は、残存ゲル重量分率が10〜70重
量%であるように架橋せしめた請求項1及び2記載の上
記のポリオレフィン系樹脂を主体としたフィルムを使用
するものであるが、上記の如く架橋せしめることによっ
て、はじめて、製膜方法の如何を問わず、応力緩和特性
を含む金属板の絞り加工に適した性能が発現するのであ
る。
【0038】又、請求項1乃至3記載の本発明の表面保
護フィルムは、可塑化塩化ビニル樹脂からなる基材を使
用しないので、基材の温度依存性が小さく、比較的外気
温の影響を受けやすい金属板の加工工程においても、加
工時のトラブル、就中、表面保護フィルムの剥離は発生
し難い。又、叙上の理由により、表面保護フィルムの基
材の原材料の種類や配合量を季節により変更する必要も
なく、生産管理面からも極めて容易に生産できるのであ
る。
【0039】又、請求項1乃至3記載の本発明の表面保
護フィルムは、可塑化塩化ビニル樹脂からなる基材を使
用した表面保護フィルムに比して、比重差で4割程度も
軽いので、重量が制約になる広幅化、長尺化が実施し易
くなり、表面保護フィルムの繰出装置の設計も容易とな
る等、作業の合理化、コストダウンに大いに貢献でき
る。又、請求項1乃至3記載の本発明の表面保護フィル
ムは、可塑化塩化ビニル樹脂からなる基材を使用しない
ので、廃棄物処理の問題が軽減される。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明
する。猶、実施例において、引張破壊強さ、引張降伏強
さ、残留応力、応力緩和率並びに絞り加工実用試験の浮
き及び伸びの各試験は以下に示した方法で測定、評価し
た。又、絞り加工実用試験は、0.5mm厚さのステン
レス鋼板(#430BA)に、実施例及び比較例の表面
保護フィルムを貼付け、直径50mm、深さ10mm、
底及び肩部がR5mmとなるよう、絞り加工を行い、室
温にて1週間放置し、表面保護フィルムの浮きの発生を
評価した。又、上記ステンレス鋼板に貼付されたた表面
保護フィルムを、80℃で500t/m2 の圧力を加え
て2時間養生したものを、10m/minの速度で剥離
したときの剥離力及び剥離後の表面保護フィルム等を評
価した。
【0041】1.引張破壊強さ、引張降伏強さ JIS K7127(プラスチックフィルム及びシート
の引張試験方法)に準じて測定した。猶、試験片は、表
面保護フィルムの製膜方向とそれに垂直方向の2方向の
ものをそれぞれ幅10mmで採り、標線間(つかみ間
隔)距離40mm、引張速度200mm/minで引張
った時、10%強度、100%強度を測定した。
【0042】2.応力緩和 前2項の引張強さを0〜100%伸度の範囲で求め、そ
の最大強さ(伸長時最大応力)を示す点で引張を止め、
その状態で10分間保持し、10分間経過後の応力を前
項同様表面保護フィルムの製膜方向とそれに垂直方向の
2方向について測定し、下式によって、応力残留率
(%)を算出した。 応力残留率(%)=〔(10分間経過後の応力)/(伸
長時最大応力)〕×100
【0043】3.浮き 絞り加工実用試験を行い、1週間放置後のステンレス鋼
板と表面保護フィルムの密着の度合を目視により観察
し、○:浮き無し、×:浮き有り、の評価を行った。 4.伸び 上記ステンレス鋼板に貼付された表面保護フィルムを、
80℃で500t/m 2 の圧力を加えて2時間養生した
ものを、23℃において、10m/minの速度で剥離
したときの剥離力は、実施例及び比較例の表面保護フィ
ルムとも略245g/10mmであり、この剥離時の剥
離の難易、剥離後の表面保護フィルムの伸びの状態を観
察し、○:殆ど伸びず、剥離性に影響のなかったもの、
×:剥離時の伸びが大きく、剥離し難かったもの、の評
価を行った。
【0044】(実施例1=請求項1記載の発明)基材層
として、ポリプロピレン系樹脂(ハイモント社製、商品
名:NKS−021P、密度:0.89g/cm3 、M
FR:0.8g/10min.結晶化度:25%)をT
ダイ法によって、押出温度200℃で製膜し、延伸温度
100℃でテンター及びロールによる逐次2軸延伸で、
1.5倍に延伸を行い、120℃で1分間アニールを行
い、厚さ70μmのフィルムを得た。次いで、その一面
にコロナ放電処理を施し、該処理面に粘着剤(綜研化学
社製、商品名:AG105)を乾燥後の粘着剤層の厚さ
が5μmとなるように塗布、乾燥し、表面保護フィルム
を得た。得られた表面保護フィルムの性能は、表1に示
した。
【0045】(実施例2=請求項1記載の発明)基材層
として、実施例1と同一のポリプロピレン系樹脂を実施
例1と同一の装置で製膜し、実施例1と同一の装置で
3.0倍に延伸を行い、120℃で1分間アニールを行
い、厚さ70μmのフィルムを得た。次いで、その一面
にコロナ放電処理を施し、該処理面に粘着剤(綜研化学
社製、商品名:AG105)を乾燥後の粘着剤層の厚さ
が5μmとなるように塗布、乾燥し、表面保護フィルム
を得た。得られた表面保護フィルムの性能は、表1に示
した。
【0046】(実施例3=請求項1記載の発明)基材層
として、実施例1と同一のポリプロピレン系樹脂を実施
例1と同一の装置で製膜し、実施例1と同一の装置で、
延伸温度130℃で、1.5倍に延伸を行い、120℃
で1分間アニールを行い、厚さ70μmのフィルムを得
た。次いで、その一面にコロナ放電処理を施し、該処理
面に粘着剤(綜研化学社製、商品名:AG105)を乾
燥後の粘着剤層の厚さが5μmとなるように塗布、乾燥
し、表面保護フィルムを得た。得られた表面保護フィル
ムの性能は、表1に示した。
【0047】(比較例1)基材層として、実施例1と同
一のポリプロピレン系樹脂をTダイ法によって、押出温
度200℃で製膜し、延伸温度60℃でテンター及びロ
ールによる逐次2軸延伸で、1.5倍に延伸を行い、1
20℃で1分間アニールを行い、厚さ70μmのフィル
ムを得た。次いで、その一面にコロナ放電処理を施し、
該処理面に粘着剤(綜研化学社製、商品名:AG10
5)を乾燥後の粘着剤層の厚さが5μmとなるように塗
布、乾燥し、表面保護フィルムを得た。得られた表面保
護フィルムの性能は、表1に示した。
【0048】(比較例2)基材層として、実施例1と同
一のポリプロピレン系樹脂をTダイ法によって、押出温
度200℃で製膜し、延伸温度170℃でテンター及び
ロールによる逐次2軸延伸で、1.5倍に延伸を行い、
120℃で1分間アニールを行い、厚さ70μmのフィ
ルムを得た。次いで、その一面にコロナ放電処理を施
し、該処理面に粘着剤(綜研化学社製、商品名:AG1
05)を乾燥後の粘着剤層の厚さが5μmとなるように
塗布、乾燥し、表面保護フィルムを得た。得られた表面
保護フィルムの性能は、表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】(実施例4=請求項2記載の発明)基材層
として、実施例1と同一のポリプロピレン系樹脂をイン
フレーション法によって、押出温度200℃、ブローア
ップ比2.8で製膜し、厚さ70μmのフィルムを得
た。次いで、その一面にコロナ放電処理を施し、該処理
面に粘着剤(綜研化学社製、商品名:AG105)を乾
燥後の粘着剤層の厚さが5μmとなるように塗布、乾燥
し、表面保護フィルムを得た。得られた表面保護フィル
ムの性能は、表2に示した。
【0051】(実施例5=請求項2記載の発明)基材層
として、実施例1と同一のポリプロピレン系樹脂をイン
フレーション法によって、押出温度200℃、ブローア
ップ比4.5で製膜し、厚さ70μmのフィルムを得
た。次いで、その一面にコロナ放電処理を施し、該処理
面に粘着剤(綜研化学社製、商品名:AG105)を乾
燥後の粘着剤層の厚さが5μmとなるように塗布、乾燥
し、表面保護フィルムを得た。得られた表面保護フィル
ムの性能は、表2に示した。
【0052】(比較例3)基材層として、実施例1と同
一のポリプロピレン系樹脂をインフレーション法によっ
て、押出温度200℃、ブローアップ比6.0で製膜
し、厚さ70μmのフィルムを得ようとしたが、製膜が
安定せず、フィルムは得られなかった。
【0053】(比較例4)基材層として、実施例1と同
一のポリプロピレン系樹脂をインフレーション法によっ
て、押出温度150℃、ブローアップ比1.5で製膜
し、厚さ70μmのフィルムを得ようとしたが、製膜が
安定せず、フィルムは得られなかった。
【0054】(比較例5)基材層として、ポリプロピレ
ン系樹脂(ハイモント社製、商品名:NKS−011
P、密度:0.89g/cm3 、MFR:5.0g/1
0min)をインフレーション法によって、押出温度2
00℃、ブローアップ比2.8で製膜し、厚さ70μm
のフィルムを得た。次いで、その一面にコロナ放電処理
を施し、該処理面に粘着剤(綜研化学社製、商品名:A
G105)を乾燥後の粘着剤層の厚さが5μmとなるよ
うに塗布、乾燥し、表面保護フィルムを得た。得られた
表面保護フィルムの性能は、表2に示した。
【0055】
【表2】
【0056】(実施例6=請求項3記載の発明)基材層
として、実施例1と同一のポリプロピレン系樹脂100
重量部に対して、ラジカル発生剤として、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−
3を0.5重量部と高分子化助剤として、ジビニルベン
ゼン3重量部とを添加し、Tダイ法によって、金型温度
180℃にて押出した後、200℃に加熱して、架橋さ
せ、厚さ70μmのフィルムを得た。次いで、その一面
にコロナ放電処理を施し、該処理面に粘着剤(綜研化学
社製、商品名:AG105)を乾燥後の粘着剤層の厚さ
が5μmとなるように塗布、乾燥し、表面保護フィルム
を得た。得られた表面保護フィルムの性能は、表3に示
した。
【0057】(実施例7=請求項3記載の発明)基材層
として、実施例1と同一のポリプロピレン系樹脂をTダ
イ法によって、金型温度200℃にて押出した後、加速
電圧200KV、10Mradの条件で電子線を照射
し、架橋させ、厚さ70μmのフィルムを得た。次い
で、その一面にコロナ放電処理を施し、該処理面に粘着
剤(綜研化学社製、商品名:AG105)を乾燥後の粘
着剤層の厚さが5μmとなるように塗布、乾燥し、表面
保護フィルムを得た。得られた表面保護フィルムの性能
は、表3に示した。
【0058】(比較例6)基材層として、実施例1と同
一のポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、ラジ
カル発生剤として、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3を0.1重量部と高
分子化助剤として、ジビニルベンゼン3重量部とを添加
し、Tダイ法によって、金型温度180℃にて押出した
後、200℃に加熱して、架橋させ、厚さ70μmのフ
ィルムを得た。次いで、その一面にコロナ放電処理を施
し、該処理面に粘着剤(綜研化学社製、商品名:AG1
05)を乾燥後の粘着剤層の厚さが5μmとなるように
塗布、乾燥し、表面保護フィルムを得た。得られた表面
保護フィルムの性能は、表3に示した。
【0059】(比較例7)基材層として、実施例1と同
一のポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、ラジ
カル発生剤として、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3を1.5重量部と高
分子化助剤として、ジビニルベンゼン3重量部とを添加
し、Tダイ法によって、金型温度180℃にて押出した
後、200℃に加熱して、架橋させ、厚さ70μmのフ
ィルムを得た。次いで、その一面にコロナ放電処理を施
し、該処理面に粘着剤(綜研化学社製、商品名:AG1
05)を乾燥後の粘着剤層の厚さが5μmとなるように
塗布、乾燥し、表面保護フィルムを得た。得られた表面
保護フィルムの性能は、表3に示した。
【0060】(比較例8)基材層として、実施例1と同
一のポリプロピレン系樹脂をTダイ法によって、金型温
度200℃にて押出した後、加速電圧200KV、2M
radの条件で電子線を照射し、架橋させ、厚さ70μ
mのフィルムを得た。次いで、その一面にコロナ放電処
理を施し、該処理面に粘着剤(綜研化学社製、商品名:
AG105)を乾燥後の粘着剤層の厚さが5μmとなる
ように塗布、乾燥し、表面保護フィルムを得た。得られ
た表面保護フィルムの性能は、表3に示した。
【0061】(比較例9)基材層として、実施例1と同
一のポリプロピレン系樹脂をTダイ法によって、金型温
度200℃にて押出した後、加速電圧200KV、25
Mradの条件で電子線を照射し、架橋させ、厚さ70
μmのフィルムを得た。次いで、その一面にコロナ放電
処理を施し、該処理面に粘着剤(綜研化学社製、商品
名:AG105)を乾燥後の粘着剤層の厚さが5μmと
なるように塗布、乾燥し、表面保護フィルムを得た。得
られた表面保護フィルムの性能は、表3に示した。
【0062】
【表3】
【0063】
【発明の効果】請求項1乃至3記載の本発明の表面保護
フィルムで使用される基材は、結晶化度が20〜50
%、密度が0.885〜0.910g/cm3 、メルト
フローレート(MFR)が7g/10min以下である
ポリプロピレン及びプロピレン−エチレン共重合体もし
くは、更に、α−オレフィンが共重合された3元共重合
体を主体とするポリオレフィン系樹脂からなるものであ
り、重合中に反応器内でアロイ化するリアクターブレン
ドによって調製することができるので、成形されたフィ
ルムは極めて均質な物性を示すものである。
【0064】請求項1記載の本発明の表面保護フィルム
で使用される基材は、上記ポリオレフィン系樹脂が製膜
され、70〜150℃において、1.2〜5倍に延伸さ
れているものであるので、その強度特性が、縦横で異方
性を示さず、上記の延伸処理によって、縦横両方向の延
伸がなされ、はじめて、塑性変形を起こし難い、伸長と
ともに強度が増加する、応力緩和性等の優れた性能を発
現し、被保護金属板との密着性、絞り加工性、剥離性の
全てについて満足のいく表面保護フィルムを与えること
ができるのである。
【0065】請求項2記載の本発明の表面保護フィルム
で使用される基材は、実施例1と同一の上記ポリオレフ
ィン系樹脂が用いられ、押出温度180〜250℃、ブ
ローアップ比2.5〜5にて製膜されているものである
ので、その強度特性が、縦横で異方性を示さず、上記の
延伸処理によって、縦横両方向の延伸がなされ、はじめ
て、塑性変形を起こし難い、伸長とともに強度が増加す
る、応力緩和性等の優れた性能を発現し、被保護金属板
との密着性、絞り加工性、剥離性の全てについて満足の
いく表面保護フィルムを与えることができるのである。
【0066】請求項3記載の本発明の表面保護フィルム
で使用される基材は、残存ゲル重量分率が10〜70重
量%であるように架橋せしめた請求項1及び2記載の上
記のポリオレフィン系樹脂を主体としたフィルムを使用
するものであるが、上記の如く架橋せしめることによっ
て、はじめて、製膜方法の如何を問わず、応力緩和特性
を含む金属板の絞り加工に適した性能が発現するのであ
る。
【0067】又、請求項1乃至3記載の本発明の表面保
護フィルムは、可塑化塩化ビニル樹脂からなる基材を使
用しないので、基材の温度依存性が小さく、比較的外気
温の影響を受けやすい金属板の加工工程においても、加
工時のトラブル、就中、表面保護フィルムの剥離は発生
し難い。又、叙上の理由により、表面保護フィルムの基
材の原材料の種類や配合量を季節により変更する必要も
なく、生産管理面からも極めて容易に生産できるのであ
る。
【0068】又、請求項1乃至3記載の本発明の表面保
護フィルムは、可塑化塩化ビニル樹脂からなる基材を使
用した表面保護フィルムに比して、比重差で4割程度も
軽いので、重量が制約になる広幅化、長尺化が実施し易
くなり、表面保護フィルムの繰出装置の設計も容易とな
る等、作業の合理化、コストダウンに大いに貢献でき
る。又、請求項1乃至3記載の本発明の表面保護フィル
ムは、可塑化塩化ビニル樹脂からなる基材を使用しない
ので、廃棄物処理の問題が軽減される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶化度が20〜50%、密度が0.8
    85〜0.910g/cm3 、メルトフローレート(M
    FR)が7g/10min以下であるポリプロピレン及
    びプロピレン−エチレン共重合体もしくは、更に、α−
    オレフィンが共重合された3元共重合体を主体とするポ
    リオレフィン系樹脂が製膜され、70〜150℃におい
    て、1.2〜5倍に延伸されているフィルムを基材と
    し、その一面に粘着剤層が設けられていることを特徴と
    する表面保護フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリオレフィン系樹脂が
    押出温度180〜250℃、ブローアップ比2.5〜5
    にて製膜されたフィルムを基材とし、その一面に粘着剤
    層が設けられていることを特徴とする表面保護フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 結晶化度が20〜50%、密度が0.8
    85〜0.910g/cm3 、メルトフローレート(M
    FR)が7g/10min以下であるポリプロピレン及
    びプロピレン−エチレン共重合体もしくは、更に、α−
    オレフィンが共重合された3元共重合体が、残存ゲル重
    量分率が10〜70重量%であるように架橋されている
    ポリオレフィン系樹脂を主体とするフィルムを基材と
    し、その一面に粘着剤層が設けられていることを特徴と
    する表面保護フィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008115212A (ja) * 2006-11-01 2008-05-22 Mitsui Chemical Fabro Inc 表面保護フィルム
JP5663701B1 (ja) * 2013-12-27 2015-02-04 ニチバン株式会社 打ち抜き・絞り加工用表面保護粘着シート又はテープ

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