JPH0859424A - 化粧品基材 - Google Patents
化粧品基材Info
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- JPH0859424A JPH0859424A JP22413294A JP22413294A JPH0859424A JP H0859424 A JPH0859424 A JP H0859424A JP 22413294 A JP22413294 A JP 22413294A JP 22413294 A JP22413294 A JP 22413294A JP H0859424 A JPH0859424 A JP H0859424A
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Abstract
毛髪に艶と潤いを付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、か
つ毛髪の枝分かれを防止し、また皮膚に艶と潤いを付与
し、かつ皮膚をなめらかにし、しかも保存中に濁りや沈
殿を生じない化粧品基材を提供する。 【構成】 アミノ酸側鎖のアミノ基を含むペプチドのア
ミノ基に、下記の一般式(I)で表されるケイ素原子を
ただ一つ含む官能基が共有結合したシリル化ペプチドで
化粧品基材を構成する。 【化1】 〔式中、R1 、R2 、R3 はメチル基または水酸基を示
し、これらのR1 、R2、R3 はすべて同じでもよく、
また異なっていてもよい。aは1または3である〕
Description
なる化粧品基材に関するものである。さらに詳しくは、
本発明は、ペプチドのアミノ基にケイ素原子をただ一つ
含む官能基が共有結合したシリル化ペプチドからなり、
水溶性で、毛髪化粧品、皮膚化粧品に配合したときに、
毛髪に艶や潤いを付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、か
つ毛髪の枝分かれを防止し、皮膚に艶や潤いを付与し、
皮膚をなめらかにし、しかもpH安定性や保存安定性に
優れ、保存中に濁りや沈殿を生じない化粧品基材に関す
るものである。
コーン化合物)とポリペプチドを毛髪化粧品に配合し
て、シリコーンオイルの有する優れた伸展性、毛髪への
艶・光沢の付与作用、毛髪への撥水性付与による保護作
用などと、ポリペプチドの有する毛髪への収着作用、皮
膚刺激の緩和作用、造膜による保護作用や保湿作用など
を発揮させることが試みられてきた。
は、疎水性のシリコーンオイルとモノN−長鎖アシル塩
基性アミノ酸低級アルキルエステル塩を配合した毛髪化
粧品が提案され、特開昭63−310812号公報に
は、メチルポリシロキサンやメチルフェニルポリシロキ
サンと加水分解コラーゲンを配合したヘアートリートメ
ントが提案されている。
来、疎水性(親油性)物質であり、ポリペプチドは、本
来、親水性物質であるため、これらは相溶しにくく、こ
れらを併用して配合した場合には、乳化安定性に欠け、
分離しやすいために、化粧品としての商品価値が損なわ
れやすく、また、先にシリコーンオイルと接触した部分
にはポリペプチドが付着しにくく、その逆に、先にポリ
ペプチドと接触した部分にはシリコーンオイルが付着で
きず、両者の特性を充分に発揮させることができないと
いう問題があった。
のシリコーンオイルと親水性のポリペプチドとを反応さ
せて、シリコーンオイルの特性とポリペプチドの特性を
併用する化合物を合成し、それを化粧品基材として用い
ることにより、シリコーンオイルとポリペプチドを併用
配合する場合の欠点を解消し、シリコーンオイルの有す
る特性とポリペプチドの有する特性を発揮させようとす
る試みがなされている(特開平3−223207号公
報)。
開平3−223207号公報に開示のペプチド変性シリ
コーン誘導体は、水に難溶または不溶のシリコーン部分
の影響で、水中でのpH安定性や保存安定性が悪く、毛
髪化粧品や皮膚化粧品が主として水溶性であることもあ
って、保存中に濁りを生じたり、沈殿を生じるという問
題があった。また、上記ペプチド変性シリコーン誘導体
の製造は、水に難溶または不溶のシリコーンオイルと水
溶性ポリペプチドとの反応を水中で行うため、反応性が
悪く、収率が低く、収率向上には、アルコールなどの水
溶性有機溶媒を加えておかねばならないという問題もあ
った。したがって、本発明は、シリコーン化合物の優れ
た特性とポリペプチドの優れた特性を併有し、しかも水
中でのpH安定性や保存安定性に優れ、保存中に濁りや
沈殿を生じない化粧品基材を提供することを目的とす
る。
を達成するため鋭意研究を重ねた結果、ペプチドのアミ
ノ基に、ケイ素原子をただ一つ含む官能基を共有結合さ
せたシリル化ペプチドが、水溶性で、水中でのpH安定
性や保存安定性が優れ、しかもシリコーン化合物の優れ
た特性とポリペプチドの優れた特性を併有し、これを毛
髪化粧品や皮膚化粧品に配合するときは、毛髪に艶や潤
いを付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、かつ毛髪の枝分
かれを防止し、皮膚に艶や潤いを付与し、かつ皮膚をな
めらかにし、なかでも、シャンプーなどの洗浄剤に配合
したときには、泡を軟らかい感触にし、使用後の毛髪や
皮膚をなめらかにし、しかも保存中に濁りや沈殿を生じ
ないことを見出し、本発明を完成するにいたった。
および特性、シリル化ペプチドの毛髪および皮膚への作
用、シリル化ペプチドを合成するにあたって使用するペ
プチド類およびシリル化合物、シリル化ペプチドの合
成、シリル化ペプチドからなる化粧品基材の用途、など
の観点から、詳細に説明する。
発明のシリル化ペプチドは、アミノ酸側鎖のアミノ基を
含むペプチドのアミノ基(すなわち、ペプチドの末端ア
ミノ基および側鎖のアミノ基)に、ケイ素原子をただ一
つ含む官能基を共有結合させたものであり、このケイ素
原子をただ一つ含む官能基としては、たとえば、次の一
般式(I)
は水酸基を示し、これらのR1 、R2、R3 はすべて同
じでもよく、また異なっていてもよい。aは1または3
である〕で表されるものがあげられる。
たとえば、次の一般式(III)
トキシ基、エトキシ基、水酸基またはハロゲン原子を示
し、これらのR6 、R7 、R8 はすべて同一でもよく、
また異なっていてもよい。Xはハロゲン原子で、aは1
または3である〕で表されるシリル化合物を反応させる
ことによって得られ、その代表的なものは、たとえば、
下記の一般式(II)
は水酸基を示し、これらのR1 、R2、R3 はすべて同
じでもよく、また異なっていてもよい。R4 は側鎖の末
端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸の末端アミノ基を
除く残基を示し、R5 はR4 以外のアミノ基を示し、a
は1または3で、mは0〜200、nは0〜200、m
+nは1〜200である(ただし、mおよびnはアミノ
酸の数を示すのみで、アミノ酸配列の順序を示すもので
はない)〕で表されるシリル化ペプチドである。
ド類と疎水性のシリル化合物とを反応させたものである
が、反応を水中で行うため、ケイ素原子に結合するアル
コキシ基、ハロゲン原子などは、水と置換されて、全部
または一部が水酸基になるため、反応後は水溶性にな
る。さらに、シリル化合物部分の分子構造が、親水性の
ポリペプチド部分に比べて小さいため、反応物の水に対
する溶解性が向上する。その結果、水中での保存安定性
が向上する。
ケイ素原子を一個しか含まないため、一般に化粧品に配
合される高分子シリコーン(重合度100〜1000)
に比べると、そのもの自体の造膜性は劣るが、ペプチド
の末端アミノ基やアミノ酸側鎖のアミノ基と反応するの
で、一つのペプチド鎖に数個のシリル基が結合すること
になり、シリル化合物の有する優れた伸展性、摩擦低減
性、艶や光沢の付与作用、撥水性の付与作用など、高分
子シリコーンと同じような作用を発揮できる。同時に、
ペプチドの有する毛髪への収着作用、それに伴う毛髪の
ボリュームアップ、ハリ(張り)の付与、造膜による保
護作用、保湿作用などを発揮させることができる。
チドのアミノ基へのケイ素原子をただ一つ含む官能基
(簡略のため、シリル官能基という)の導入率は、50
%以上85%以下が好ましい。すなわち、シリル官能基
の導入率が50%より少ない場合はシリル化合物に基づ
く特性が充分に発揮されず、また85%より多くなると
疎水性が増して親水性が減少し、保存安定性が悪くなる
からである。
において、R1 、R2 、R3 をメチル基または水酸基に
特定しているのは、シリル化ペプチドが水溶性を保ち得
るようにするためであり、またaを1または3に特定し
ているのは水溶性と安定性を確保するためである。
において、R4 は側鎖の末端にアミノ基を有する塩基性
アミノ酸の末端アミノ基を除く残基であるが、上記のよ
うな側鎖の末端にアミノ基を有する塩基性アミノ酸とし
ては、たとえば、リシン、アルギニン、ヒドロキシリシ
ンなどが挙げられる。また、R5 はR4 以外のアミノ酸
の側鎖を示すが、そのようなアミノ酸としては、たとえ
ば、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、セリ
ン、トレオニン、バリン、メチオニン、ロイシン、イソ
ロイシン、チロシン、フェニルアラニンなどが挙げられ
る。
において、mは0〜200で、好ましくは0より大きく
50以下、より好ましくは0より大きく10以下であ
り、nは0〜200で、好ましくは1〜50、より好ま
しくは2〜40であり、m+nは1〜200で、好まし
くは2〜100、より好ましくは3〜50であるが、こ
れは次の理由によるものである。
と、側鎖のアミノ基に結合するシリル化合物が増え、ペ
プチド本来の毛髪や皮膚への収着作用が減少するためで
あり、nが上記範囲より大きくなると、ペプチド部分に
対するシリル化合物部分の割合が少なくなって、シリル
化合物の有する効果を充分に発揮できなくなり、m+n
が上記範囲より大きくなると、ペプチドとしての収着性
が低分子量のペプチドに比べて減少する上に、保存中に
凝集しやすくなり、化粧品としての保存安定性が低下す
るためである。上記のm、nやm+nは、理論的には整
数であるが、ペプチド部分が後述するような加水分解ペ
プチドである場合には、該加水分解ペプチドが分子量の
異なるものの混合物として得られるため、測定値は平均
値になる。なお、上記一般式(II)で表されるシリル化
ペプチドにおけるペプチド部分は、後にペプチド類のと
ころで詳しく説明するように、アミノ酸、ペプチド、ア
ミノ酸またはペプチドのエステルに基づくものである。
作用〕上記一般式(II)で表されるシリル化ペプチド
は、毛髪化粧品に配合すると、毛髪に艶や潤いを付与
し、毛髪をなめらかにし、かつ毛髪の櫛通り性などを改
善し、枝毛、切毛の発生を防止する。たとえば、従来の
ようにシリコーンオイルで毛髪にハリを付与する場合に
は、高分子量のものが必要であるが、高分子量シリコー
ンは一旦付着すると取れにくく、そのため、パーマ、ブ
リーチ、染毛などの化学的処理が行ないにくくなる上
に、ペプチドやカチオン化ポリマーなどの毛髪への収着
作用を減少させる。
分に低分子シリル基が結合したものであって、毛髪には
通常のペプチドの収着機構で収着するので、ペプチドを
含まない洗浄剤で洗浄することにより、可逆的にシリル
化ペプチドを毛髪上から脱着することができ、上記のよ
うな弊害を生じない。
い毛髪、すなわち疎水性の性質が強い毛髪には収着する
が、損傷により親水性基が表面に露出して親水性の性質
が強くなった毛髪には収着しにくいといわれているが、
その点、ペプチド類は損傷毛に収着しやすく、シリル化
ペプチドはペプチド部分を介して損傷毛にシリル基を収
着させることができ、損傷毛の強度や感触を回復させる
ことができる。
化ペプチドは、皮膚化粧品に配合すると、皮膚に収着
し、皮膚に艶と潤いを付与し、皮膚をなめらかにする。
中にペプチド部分と、非水溶性的性質のシリル化合物部
分を有するので、従来のシリコーンオイルとポリペプチ
ドを混合したものとは異なり、シリル化合物部分の毛髪
や皮膚への収着性が向上し、かつ乳化安定性が良好で、
化粧品用の乳化剤、乳化安定剤、浸透剤としても使用す
ることができる。
リル化ペプチドにおけるペプチド部分を構成する基とな
るペプチド類には、アミノ酸、ペプチド、アミノ酸また
はペプチドのエステルが含まれる。
ン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロ
リン、フェニルアラニン、チロシン、セリン、トレオニ
ン、メチオニン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、ア
スパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン
酸、シスチン、システイン、システイン酸、トリプトフ
ァン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン、O−ホ
スホセリン、シトルリンなどが挙げられる。
成ペプチド、タンパク質(蛋白質)を酸、アルカリまた
は酵素で部分加水分解して得られる加水分解ペプチドな
どが挙げられる。
チオン、バシトラシンA、インシュリン、グルカゴン、
オキシトシン、バソプレシンなどが挙げられ、合成ペプ
チドとしては、たとえば、ポリグリシン、ポリリシン、
ポリグルタミン酸、ポリセリンなどが挙げられる。
コラーゲン(その変性物であるゼラチンも含む)、ケラ
チン、絹フィブロイン、セリシン、カゼイン、コンキオ
リン、エラスチン、鶏などの卵の卵黄タンパク、卵白タ
ンパクなどの動物由来のものや、大豆、小麦、ビール
粕、トウモロコシ、米(米糠)、イモ類のタンパクなど
の植物由来のもの、さらには、サッカロミセス属、カン
ディタ属、エンドミコプシス属の酵母菌や、いわゆるビ
ール酵母、清酒酵母といわれる酵母菌より分離した酵母
タンパク、キノコ類(担子菌)やクロレラより分離した
タンパクなどの微生物由来のものが挙げられる。
プチドは、上記タンパク質を酸、アルカリまたは酵素に
よって加水分解することによって得られるが、その際、
使用する酸、アルカリや酵素の量、反応温度や反応時間
を適宜選択することにより、得られる加水分解タンパク
のアミノ酸重合度を1〜200の好ましいものにするこ
とができる。
えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸などの無
機酸や、酢酸、蟻酸などの有機酸が用いられる。タンパ
ク質のアルカリ加水分解に際しては、たとえば、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化
バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウ
ムなどの無機アルカリが用いられる。
は、ペプシン、プロクターゼA、プロクターゼBなどの
酸性タンパク質分解酵素、パパイン、ブロメライン、サ
ーモライシン、トリプシン、プロナーゼ、キモトリプシ
ンなどの中性ないしアルカリ性タンパク質分解酵素が使
用される。また、スブチリシン、スタフィロコッカスプ
ロテアーゼなどの菌産性の中性ないしアルカリ性タンパ
ク質分解酵素も使用できる。
としては、上記のアミノ酸またはペプチドのカルボキシ
ル基における炭素数1〜20の炭化水素アルコールとの
エステル、たとえば、メチルエステル、エチルエステ
ル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチル
エステル、ラウリルエステル、セチルエステル、2−エ
チルヘキシルエステル、2−ヘキシルデシルエステル、
ステアリルエステルなどが挙げられる。
の特性を発揮させるために、アミノ基を有するアミノ酸
含量とペプチド部分の分子量が重要な点となる。すなわ
ち、シリル化合物の特性を強く引き出すためには、分子
量が小さく、側鎖にアミノ基を有するアミノ酸含量の多
いペプチドを用いればよく、また逆にペプチド部分の特
性を強調し、それにシリル化合物の性質を付加させたい
場合には、側鎖にアミノ基を有するアミノ酸含量が少な
く、かつ高分子量のペプチドを用いればよい。ただし、
側鎖にアミノ基を有するアミノ酸含量が多い低分子量の
ペプチドでは、結合するシリル官能基が極度に多くなる
と、親水性が減少し、保存安定性が悪くなる上に、ペプ
チド本来の毛髪への収着作用が減少する。逆にペプチド
部分へのシリル官能基の導入が低すぎる場合には、シリ
ル化合物の特性が充分に発揮されない。
にアミノ基を有するアミノ酸、すなわち、リシン、アル
ギニン、ヒドロキシリシンなどの合計含有量が50モル
%を超えるものはなく、天然タンパク質を使用する場合
には、シリル官能基の導入率が高すぎて上記のような問
題を生じることはない。逆に、シリル官能基の導入率が
低い場合は、シリル化合物の特性が充分に発揮できず、
そのため、アミノ基へのシリル官能基の導入率は50%
以上が必要である。
化粧品に配合する場合には、ペプチドの毛髪や皮膚への
収着性、造膜作用および浸透性などを考慮すると、ペプ
チドのアミノ酸重合度を2〜200にするのが好まし
く、特に3〜50が好ましい。
化するためのシリル化剤としては、上記一般式(III)で
表されるシリル化合物が好適に使用されるが、この一般
式(III)で表されるシリル化合物としては、シランカッ
プリング剤と言われている市販のものを使用することが
できる。たとえば、東芝シリコーン(株)製TSL83
90、TSL8219、TSL8395、TSL832
6、TSL8325、TSL8320、TSL8035
(いずれも、商品名)、東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン(株)製SH6076(商品名)、信越化学工業
(株)製KMB703(商品名)、日本ユニカー(株)
製A−143(商品名)、などがこれに該当する。
R8 をメチル基、メトキシ基、エトキシ基、水酸基また
はハロゲン原子に特定しているのは、ペプチド類との反
応後において、それらがメチル基または水酸基になっ
て、シリル化ペプチドが水溶性を持ち得るようにするた
めである。
一般式(III)で表されるシリル化合物との反応は、ま
ず、シリル化合物を30〜50℃の水中で5〜20分間
攪拌することにより、ケイ素原子に結合するアルコキシ
基やハロゲン原子を水酸基に変換し、この水酸基化した
シリル化合物をペプチド類に滴下し、両者を接触させる
ことによって行われる。
0重量%程度の水溶液にするのが好ましく、水酸基化し
たシリル化合物の滴下は30分〜5時間で終了するのが
好ましい。
成して反応液のpHが低下するので、反応と同時に水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ溶液を滴
下して、反応系内のpHを8〜11、特に9〜10に保
つことが好ましい。反応は常温でも進行するが、温度が
高くなるほど反応速度が速くなる。しかし、pHが高い
状態で温度が高くなるとシリル化合物の加水分解が促進
されるため、高くても70℃以下にすることが好まし
く、特に40〜60℃で行うのが好ましい。
(Van Slyke)法により、反応中のペプチド類
のアミノ態窒素量を測定することによって確認すること
ができる。
縮して、イオン交換樹脂、透析膜、電気透析、ゲル濾
過、限外濾過などによって精製し、液体のまま、あるい
は粉末化して毛髪化粧品や皮膚化粧品に配合される。
用途〕シリル化ペプチドからなる化粧品基材が配合され
る化粧品としては、たとえば、シャンプー、ヘアリン
ス、枝毛コート、パーマネントウェーブ用第1剤および
第2剤、ヘアクリーム、ヘアコンディショナー、セット
ローション、ヘアカラー、ヘアトリートメントリンス、
液体整髪料、ヘアパック、養毛・育毛剤などの毛髪化粧
品、化粧水、アフターシェーブローション、シェービン
グフォーム、バニシングクリーム、クレンジングクリー
ム、エモリエントクリーム、モイスチャークリーム、ハ
ンドクリーム、洗顔クリームなどの各種クリーム、脱毛
剤、フェイスパック、乳液、洗顔料、ボディーシャンプ
ー、各種石鹸、メイキャップ用品、日焼け止め用品など
各種化粧品に利用が可能である。
粧品基材の配合量としては、化粧品中0.05〜50重
量%、特に0.1〜30重量%、とりわけ0.5〜20
重量%程度にするのが好ましい。シリル化ペプチドの化
粧品中への配合量が上記範囲より少ない場合は、毛髪に
艶や潤いを付与したり、毛髪を保護したり、毛髪の櫛通
り性を改善する効果が充分に発現せず、またシリル化ペ
プチドの化粧品中への配合量が上記範囲より多くなって
も、それに伴う効果の増加がみられず、むしろ毛髪や皮
膚に過剰のシリル化ペプチドが収着してベトツキを生じ
るおそれがある。
らなる化粧品基材と併用して配合できる成分としては、
たとえば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸エタ
ノールアミンなどのアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレ
ン(2EO)ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミ
ン(なお、EOはエチレンオキサイドで、EOの前の数
値はエチレンオキサイドの付加モル数を示す)、ポリオ
キシエチレン(3EO)アルキル(炭素数11〜15の
いずれかまたは2種以上の混合物)エーテル硫酸ナトリ
ウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸
塩、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル
ベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンなどのアルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン(3E
O)トリデシルエーテル酢酸などのポリオキシエチレン
アルキルエーテル酢酸塩、ヤシ油脂肪酸−L−グルタミ
ン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシンナトリウムな
どのN−アシルアミノ酸塩、コラーゲン、ケラチン、フ
ィブロイン、カゼイン、大豆、小麦、トウモロコシなど
の動植物由来のタンパク加水分解物や酵母、キノコ類な
どの微生物由来のタンパク加水分解物を炭素数8〜20
の脂肪酸でアシル化したアシル化加水分解タンパクまた
はその塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜15)
エーテルリン酸(8〜10EO)ナトリウム、ポリオキ
シエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ヤシ油脂
肪酸メチルタウリン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸イセチ
オン酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、塩化ジ
ステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリ
メチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤、2−
アルキル(炭素数12〜15)−N−カルボキシメチル
−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ウ
ンデシルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナ
トリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−アルギニンエ
チル−DL−ピロリドンカルボン酸塩、ヤシ油脂肪酸ア
ミドプロピルベタイン、N−アルキル(炭素数12〜1
8)ジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性
剤、ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)
エーテル(7EO)、ポリオキシエチレンオレイルエー
テル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ア
ルキルグルコシド、アルキルポリグリコシドなどのノニ
オン性界面活性剤、カチオン化セルロース、カチオン化
ヒドロキシエチルセルロースなどのカチオン性ポリマ
ー、両性ポリマー、アニオン性ポリマーなどの合成ポリ
マー、イソステアリン酸ジエタノールアミド、ラウリン
酸ジエタノールアミドなどの増粘剤、動植物抽出物、ポ
リサッカライドまたはその誘導体、プロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール、グリセリンなどの湿
潤剤、エタノール、メタノール、プロピルアルコールな
どの低級アルコール類、L−アスパラギン酸ナトリウ
ム、DL−アラニン、グリシン、L−アルギニン、L−
システインなどのアミノ酸などを挙げることができる
が、これら以外にも本発明の効果を損なわない範囲で適
宜他の成分を添加することができる。
化ペプチドは、鎖状または環状のメチルポリシロキサ
ン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変成シリコ
ーンオイルなどのシリコーンオイルを併用した場合に、
それらシリコーンオイルの乳化安定性を向上させるとと
もに、シリコーンオイルの作用を増加させることができ
る。
に説明する。ただし、本発明はそれら実施例に例示のも
ののみに限定されることはない。なお、以下の実施例な
どにおいて、溶液の濃度を示す%はいずれも重量%であ
る。
平均値=2、nの平均値=18、m+nの平均値=2
0)の30%水溶液50g(アミノ態窒素の測定によっ
て得られた化学量論的モル数として10.6ミリモル)
に20%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを9.
5にし、55℃に加温した。
おいて、R6 =CH3 、R7 =OCH3 、R8 =OCH
3 、a=3で、X=Clのシリル化合物2.6g(加水
分解コラーゲンのアミノ態窒素量に対し1.0当量)を
水に15%水溶液となるように溶解し、希塩酸でpHを
3.5に調整して、50℃で15分間攪拌を続け、メト
キシ基(−OCH3 )を加水分解して水酸基に変換させ
た。
攪拌しながら、その中に、水酸基に変換したシリル化合
物水溶液を30分間かけて滴下した。滴下終了後、55
℃でさらに5時間攪拌を続け、反応を完結させた。
により、シリル官能基の加水分解コラーゲンのアミノ態
窒素への導入率を求めたところ、シリル官能基の導入率
は67%であった。
置で脱塩し、pHを6.5に調整した後、濃縮して濃度
調整を行うことにより、反応生成物(シリル化加水分解
コラーゲン)濃度が20%の水溶液を75g得た。
mの平均値=1.2、nの平均値=8.8、m+nの平
均値=10)の30%水溶液50g(アミノ態窒素の測
定によって得られた化学量論的モル数として15ミリモ
ル)を20%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH
9.5にし、55℃に加温した。
おいて、R6 =Cl、R7 =CH3、R8 =Cl、a=
1で、X=Clのシリル化合物2.1g(加水分解小麦
ペプチドのアミノ態窒素量に対し1.0当量)を水に1
5%水溶液となるように溶解し、15分間攪拌を続けて
ケイ素原子に直接結合しているCl原子を水酸基に変換
させた。
で攪拌しながら、その中に水酸基に変換したシリル化合
物水溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、55℃
でさらに5時間攪拌を続けて反応を完結させた。
し、濃縮して濃度調整を行うことにより、反応生成物
(シリル化加水分解小麦タンパク)濃度が20%の水溶
液45gを得た。シリル官能基の導入率は65%であっ
た。
加水分解物で、mの平均値=0.6、nの平均値=4.
4、m+nの平均値=5)の30%水溶液50g(アミ
ノ態窒素の測定によって得られた化学量論的モル数とし
て42ミリモル)を用い、シリル化剤として、一般式
(III)において、R6 =CH3 、R7 =OC2 H5 、R
8 =OC2 H5 、a=3で、X=Clのシリル化合物を
14.1g(加水分解ケラチンのアミノ態窒素量に対し
0.8当量)用いたほかは、実施例1と同様にして、反
応生成物(シリル化加水分解ケラチン)濃度が20%の
水溶液68gを得た。シリル官能基の導入率は61%で
あり、また一般式(III)で表されるシリル化合物におい
てケイ素原子に直接結合していたエトキシ基(OC2H
5 )は上記反応の間に水酸基に変換されていた。
豆タンパクの加水分解物で、mの平均値=0.5、nの
平均値=5.5、m+nの平均値=6)の30%水溶液
50g(アミノ態窒素の測定によって得られた化学量論
的モル数として18.4ミリモル)を用い、シリル化剤
として、一般式(III)において、R6 =OCH3 、R7
=OCH3 、R8 =OCH3 、a=1で、X=Clのシ
リル化合物を3.1g(加水分解大豆タンパクのアミノ
態窒素量に対して1.0当量)用いたほかは、実施例1
と同様にして、反応生成物(シリル化加水分解大豆タン
パク)濃度が20%の水溶液33gを得た。シリル官能
基の導入率は59%であり、また一般式(III)で表され
るシリル化合物においてケイ素原子に直接結合していた
メトキシ基は上記反応の間に水酸基に変換されていた。
母タンパクの加水分解物で、mの平均値=1.2、nの
平均値=6.8、m+nの平均値=8)の30%水溶液
50g(アミノ態窒素の測定によって得られた化学量論
的モル数として30ミリモル)を用い、シリル化剤とし
て、一般式(III)において、R6 =CH 3 、R7 =OC
2 H5 、R8 =OC2 H5 、a=3で、X=Clのシリ
ル化合物を3.9g(加水分解酵母タンパクのアミノ態
窒素量に対して1.0当量)用いたほかは、実施例1と
同様にして、反応生成物(シリル化加水分解酵母タンパ
ク)濃度が20%の水溶液58gを得た。シリル官能基
の導入率は68%であり、また一般式(III)で表される
シリル化合物においてケイ素原子に直接結合していたエ
トキシ基は上記反応の間に水酸基に変換されていた。
ミリモル)を100mlの水に溶解し、20%水酸化ナ
トリウム水溶液を滴下してpHを9.5にし、55℃に
加温した。
おいて、R6 =OCH3 、R7 =OCH3 、R8 =OC
H3 、a=3で、X=Clのシリル化合物20g(L−
リシン塩酸塩のアミノ態窒素量に対し1.0当量)を水
に15%水溶液となるよう溶解し、希塩酸でpHを3.
5に調整して50℃で15分間攪拌を続け、メトキシ基
を加水分解して水酸基に変換させた。
の中に、水酸基に変換したシリル化合物溶液を30分間
かけて滴下した。滴下終了後、55℃でさらに5時間攪
拌を続けて反応を完結させた。
とによりシリル官能基の導入率を求めたところ、シリル
官能基の導入率は65%であり、ペプチド末端のアミノ
基だけでなく、側鎖のアミノ基も反応していることがわ
かった。反応液を希塩酸で中和した後、電気透析装置で
脱塩精製し、pHを6.5に調整した後、濃縮して濃度
調整を行うことにより、反応生成物(シリル化L−リシ
ン塩酸塩)濃度が15%の水溶液を155g得た。
g(分子量146.1、68.4ミリモル)を用い、シ
リル化剤として、一般式(III)において、R6=Cl、
R7 =CH3 、R8 =CH3 、a=1で、X=Clのシ
リル化合物を9.7g(グリシル−L−アラニンのアミ
ノ態窒素量に対し1.0当量)を用いたほかは、実施例
6と同様にして、反応生成物(シリル化グリシル−L−
アラニン)濃度が15%の水溶液121gを得た。シリ
ル官能基の導入率は68%であり、また一般式(III)で
表されるシリル化合物においてケイ素原子に直接結合し
ていたCl原子は上記反応の間に水酸基に変換されてい
た。
施例1〜7で得られたシリル化ペプチドの水溶液を90
日間室温(ただし、10〜25℃)および5℃の冷蔵庫
に保存した時の沈殿物の発生の有無を目視により調べ
た。評価基準は下記の通りである。
ら取り出した後、試料の温度が室温に達した後、観察し
た。その結果を表1〜2に示す。なお、表1〜2には、
各実施例のシリル化ペプチドの合成にあたって使用した
ペプチド類の種類をその実施例番号の下部に併記する。
製したシリル化ペプチドは、いずれも、室温保存および
5℃の冷蔵保存でも濁りや沈殿物を生じることがなかっ
た。
1〜7で調製したシリル化ペプチドのpH安定性を調べ
た。すなわち、シリル化ペプチドの10%水溶液を6N
塩酸または20%水酸化ナトリウムでpH3、4、5、
7、9、10に調整し、室温で24時間放置後の沈殿物
や濁りの有無を目視により確認した。その結果を表3に
示す。なお、評価基準は保存安定性の場合と同様であ
る。
水分解ケラチンと実施例5のシリル化加水分解酵母タン
パクと実施例6のシリル化L−リシンは、pH3でわず
かに濁りが認められたが、他のシリル化ペプチドは、試
験したpH範囲内では濁りや沈殿物がまったく認められ
なかった。また、実施例3のシリル化加水分解ケラチ
ン、実施例5のシリル化加水分解酵母タンパクおよび実
施例6のシリル化L−リシンでも、pH4以上では濁り
や沈殿物が見られなかった。加水分解ケラチンや加水分
解酵母タンパクは、側鎖の末端にアミノ基を有するアミ
ノ酸を多く含むため、ペプチド部分に結合しているシリ
ル官能基が多く、疎水性の性質が現れやすいので、低い
pHで濁りを生じたものと考えられる。また、シリル化
L−リシンでは一つのリシンに対して2つのシリル官能
基が結合しているため、低いpHで濁りを生じたものと
考えられる。
度増強確認試験〕シリル化ペプチドによる毛髪の引張り
強度増強の確認は、Journal of SCCJ,
vol.21,No.2の「毛髪の損傷度評価法
(I)」に記載の方法に従って行った。
バラツキを低く抑えるため、毛髪の強度がほぼ一定とな
るように一度脱色処理を施した毛髪を用いた。すなわ
ち、長さ10cmで重さ1gの毛束を10%過酸化水素
水と10%アンモニア水の1:1混合液10gに30分
間浸漬して脱色し、イオン交換水でゆすいだ後、乾燥し
て試験に供した。
加水分解コラーゲンの5%水溶液と実施例3で得られた
シリル化加水分解ケラチンの5%水溶液を用いて、上記
の脱色処理を施した毛束を40℃で5分間浸漬した。浸
漬後、イオン交換水で充分にゆすぎ、ヘアドライヤーで
乾燥した。この操作を3回繰り返した後、この毛束より
30本の毛髪を抜き取り、それらを引張り強度試験に供
した。
から5cm)の長径および短径をマイクロメータで測定
して断面積を計算した後、この部分の引張り強度を引張
り強度試験機〔不動工業(株)製、レオメータ〕で測定
し、断面積当りの引張り強度を算出した。
処理毛と、加水分解コラーゲン(m+nの平均値=2
0)の5%水溶液と加水分解ケラチン(m+nの平均値
=5)の5%水溶液で同様に処理を施した毛髪の引張り
強度を測定した。それらの結果を表4に示す。
水分解コラーゲンで処理した毛髪は未処理毛に対して引
張り強度が約9.5%増加し、実施例3のシリル化加水
分解ケラチンで処理した毛髪は未処理毛に対して約16
%引張り強度が増加していた。また、実施例1のシリル
化加水分解コラーゲンで処理した毛髪や実施例3のシリ
ル化加水分解ケラチンで処理した毛髪は、シリル化して
いない同じ分子量の加水分解コラーゲンや加水分解ケラ
チンで処理した毛髪と比べても、それぞれ強度の増加が
認められ、シリル化ペプチドが毛髪によく収着し、損傷
毛の強度回復に寄与しているのが明らかであった。
チドからなる化粧品基材を各種化粧品に配合した応用例
について説明する。なお、応用例においては、一般式
(II)で表されるシリル化ペプチドを実施例番号で示
し、その番号の後にシリル化ペプチドの種類も括弧書き
で併記する。また、配合量は重量部によるものであり、
特に括弧内に濃度を示したもの以外は、純分としての配
合量を示す。
品1および比較品1〜2)を調製し、該トリートメント
ベースとLPGガスを重量比8:2の割合で加圧容器内
に充填して、トリートメントムース剤を調製した。
トメントムース剤をそれぞれ長さ10cmで重さ1gの
毛束に使用し、5人の女性パネラーに毛髪の艶、潤い、
櫛通り性について5段階評価させた。評価基準は下記の
通りであり、その結果を表6に平均値で示す。
水分解コラーゲンを配合した実施品1のトリートメント
ムース剤は、シリコーンオイル(ジメチルシリコーン)
を配合した比較品1のトリートメントムース剤やシリル
化加水分解コラーゲンなどを配合していない比較品2の
トリートメントムース剤に比べて、艶、潤い、櫛通り性
のいずれにおいても評価値が高く、シリル化加水分解コ
ラーゲンを配合した効果が明らかであった。
比較品3〜4)を調製した。
プーを用いて、それぞれ長さ10cmで重さ1gの毛束
を洗浄した。洗浄には各シャンプー0.5gずつを使用
し、温水を用いて洗浄後、温水ですすいだ後、ヘアドラ
イヤーで乾燥した。この操作を5回繰り返した後、5人
の女性パネラーに、洗髪後の毛髪の艶、なめらかさ、櫛
通り性および洗髪時の泡の感触(軟らかさおよびなめら
かさ)について応用例1と同様の評価基準で評価させ
た。その結果を表8に示すが、評価値は平均値である。
水分解小麦タンパクを配合した実施品2のシャンプー
は、シリコーンオイル(オクタメチルトリシロキサン)
を配合した比較品3のシャンプーやシリル化加水分解小
麦タンパクなどを配合していない比較品4のシャンプー
に比べて、いずれの項目でも評価値が高く、シリル化加
水分解小麦タンパクを配合した効果が明らかであった。
剤(実施品3および比較品5)を調製した。
試験用毛束として重さ1gで長さ15cmの毛束を用
い、第2剤には6%臭素酸ナトリウム水溶液を用いて、
実施品3および比較品5のパーマネントウェーブ用第1
剤により、それぞれ1回、3回、6回のパーマネントウ
ェーブ処理を行い、処理後の毛髪の外観および触感につ
いて、5名の女性パネラーに応用例1と同様の評価基準
で評価させた。その結果を表10に示すが、評価値は平
均値である。
加水分解大豆タンパクを配合した実施品3のパーマネン
トウェーブ用第1剤による場合は、シリル化加水分解大
豆タンパクを配合していない比較品5のパーマネントウ
ェーブ用第1剤による場合に比べて、処理後の毛髪の外
観、触感とも評価値が高く、シリル化加水分解大豆タン
パクを配合した効果が明らかであった。
記組成のトリートメントリンス(実施品4)を調製し
た。
を配合した実施品4のトリートメントリンスを毛髪に使
用したところ、実施例3のシリル化加水分解ケラチンを
配合していないトリートメントリンス〔つまり、実施例
3のシリル化加水分解ケラチンを含まず、そのぶん滅菌
イオン交換水を増量したほかは、実施品4と同組成のト
リートメントリンス〕に比べて、毛髪に潤いを与え、櫛
通り性、ブラッシング性が良く、毛髪のコンディショニ
ングが容易であった。
の洗顔料(実施品5)を調製した。
した実施品5の洗顔料で洗顔したところ、実施例6のシ
リル化L−リシンを配合していない洗顔料〔つまり、実
施例6のシリル化L−リシン塩酸塩を含まず、そのぶん
滅菌イオン交換水で増量したほかは、実施品5と同組成
の洗顔料〕を使用した場合に比べて、使用後の皮膚に艶
と潤いがあり、かつ皮膚がなめらかであった。
6および比較品6〜7)を調製した。
シャンプーを10人のパネラー(男性5人、女性5人)
に1週間にわたって使用させ(使用回数は7回の人が7
人、4回の人が3人)、洗浄時の泡質(軟らかさおよび
なめらかさ)および洗浄後の肌のなめらかさおよびしっ
とり感について下記の基準で評価させた。その結果を表
12に示す。表12の評価値は10人の平均値である。
グリシル−L−アラニンを配合した実施品6のボディシ
ャンプーを使用した場合は、洗浄時の泡が軟らかく、な
めらかで、使用後は肌になめらかさとしっとり感を与
え、シリコーンオイル〔ジメチルシロキサン・メチル
(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体〕を配合し
た比較品6のボディシャンプーやそれらのいずれも配合
していない比較品7のボディシャンプーよりも優れてい
ることが明らかであった。
較品9〜10)を調製した。
(第一剤)と上記第二剤を用いて、それぞれ重さ1gで
長さ15cmの毛束を染毛した。染毛処理は、第一剤と
第二剤を同量ずつ混合し、その混合物を毛束に塗付した
後、30分間放置し、その後、温水ですすぎ、ついで、
2%ポリオキシエチレンノニフェニルエーテル水溶液で
洗浄することによって行った。染毛処理後、ヘアドライ
ヤーで毛束を乾燥した後、毛髪の均染性、艶、潤いおよ
び櫛通り性を10人のパネラー(女性6人、男性4人)
に、応用例1と同じ評価基準で評価させた。
髪を30本ずつ抜き取り、それらの毛髪の中央部(端か
ら7.5cm)の長径および短径をマイクロメータで測
定して断面積を計算した後、その部分の引張り強度を引
張り試験機〔不動工業(株)製、レオメータ〕で測定
し、断面積当りの引張り強度を算出した。その結果を表
14に示す。
加水分解酵母タンパクを配合した実施品8の染毛剤は、
シリコーンオイル(ジメチルポリシロキサン)を配合し
た比較品9の染毛剤やシリル化加水分解酵母タンパクな
どを配合していない比較品10の染毛剤に比べて、染毛
後の毛髪の均染性、艶、潤い、櫛通り性のいずれに関し
ても評価値が大きかった。
シリル化加水分解酵母タンパクを配合した実施品8の染
毛剤を使用した場合、比較品10の染毛剤〔すなわち、
シリル化加水分解酵母タンパクも、シリコーンオイル
(ジメチルポリシロキサン)も配合していない染毛剤〕
に比べて強度が約5%増強していて、シリル化加水分解
酵母タンパクが、染毛時の化学的処理による毛髪の損傷
から毛髪を保護していることが明らかであった。
ペプチドからなる化粧品基材は、毛髪化粧品に配合する
と、毛髪に艶と潤いを付与し、毛髪の櫛通り性を改善
し、シャンプーなどの洗浄剤に配合すると、泡を軟らか
く、かつなめらかにして、皮膚に対する感触を向上さ
せ、また、皮膚化粧品に配合すると、皮膚に艶と潤いを
付与し、皮膚をなめらかにする。
化粧品基材は、水溶性で、水中でのpH安定性や保存安
定性が優れていて、水溶液系の毛髪化粧品や皮膚化粧品
に配合したときに、保存中に濁りや沈殿を生じない。
Claims (4)
- 【請求項1】 アミノ酸側鎖のアミノ基を含むペプチド
のアミノ基に、ケイ素原子をただ一つ含む官能基が共有
結合したシリル化ペプチドからなることを特徴とする化
粧品基材。 - 【請求項2】 ケイ素原子をただ一つ含む官能基が、下
記の一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 、R2 、R3 はメチル基または水酸基を示
し、これらのR1 、R2、R3 はすべて同じでもよく、
また異なっていてもよい。aは1または3である〕で表
されるものである請求項1記載の化粧品基材。 - 【請求項3】 シリル化ペプチドにおけるペプチド部分
のアミノ酸重合度が、1〜200である請求項1記載の
化粧品基材。 - 【請求項4】 シリル化ペプチドが、下記の一般式(I
I) 【化2】 〔式中、R1 、R2 、R3 はメチル基または水酸基を示
し、これらのR1 、R2、R3 はすべて同じでもよく、
また異なっていてもよい。R4 は側鎖の末端にアミノ基
を有する塩基性アミノ酸の末端アミノ基を除く残基を示
し、R5 はR4 以外のアミノ基を示し、aは1または3
で、mは0〜200、nは0〜200、m+nは1〜2
00である(ただし、mおよびnはアミノ酸の数を示す
のみで、アミノ酸配列の順序を示すものではない)〕で
表されるシリル化ペプチドである請求項1記載の化粧品
基材。
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