JPH085924Y2 - ゴミコンテナの搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はビルなどの各階で発生す
るゴミを収容する複数台のゴミコンテナを各階に昇降自
在に停止するケージで搬送するための装置に係り、特に
複数台のゴミコンテナの搬送を自動的になし得るゴミコ
ンテナの搬送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、高層ビルや高層住宅で発生する
ゴミを回収するには既存のエレベータを利用するかある
はゴミを直接ダストシュートに投入しており、エレベー
タを利用してゴミコンテナを搬送する場合にはエレベー
タ内で汚水や臭気の発生があり、また、ダストシュート
を利用した場合にはシュート内壁に付着した汚汁による
臭気の発生やゴミ投入時の騒音の発生などがあり、いず
れの場合にも衛生上環境上好ましくない。

【０００３】これを解消するために、各階にゴミを収容
するコンテナを設置し、これを各階に昇降自在に停止す
るケージに移載して専用のゴミ搬送ルートで回収するこ
とが試みられている。ゴミはコンテナ内に収容されて専
用の搬送ルートで回収されるので、周囲に悪臭などの不
快感を与えることはないし、また、回収効率が高められ
ると共に騒音からも解放されることになる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところで、近年ではゴ
ミのリサイクル化がさけばれており、ゴミを可燃物、不
燃物、再生用など種類別に分別して回収することが求め
られているため、これに対応するには各階にゴミを種類
別に収容する複数台のゴミコンテナを設置することにな
る。このような複数台のコンテナを各階に停止するケー
ジに移載する場合に、コンテナの搬送を手作業に依存し
ていたのでは作業労力を要するし、また、自動搬送して
もコンテナを１単位で搬送していたのでは搬送効率が悪
く、回収時間の長期化を招くという欠点がある。

【０００５】本考案は上記問題点を有効に解決すべく創
案されたものである。

【０００６】本考案は各階に設置されるゴミコンテナを
各階に停止するケージに移載する作業労力を低減すると
共に、ゴミコンテナの搬送効率を高め、回収時間の短縮
化を図ることのできるゴミコンテナの搬送装置を提供す
ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案はビルなどの各階
に整列されて設置される複数台のゴミコンテナを各階に
昇降自在に停止するケージで搬送するための装置におい
て、上記ケージに上記コンテナの配列方向に沿って移動
自在に設けられた台車と、その台車上に上記コンテナを
移載すべく昇降自在に且つ水平方向に伸縮自在に設けら
れた移載フォークと、上記ケージに上記台車の移動方向
に沿って設けられ、上記移載フォークの昇降を許容して
上記コンテナを載置するための載置棚とから構成したも
のである。

【０００８】

【作用】このように構成することにより、各階に設置さ
れてたコンテナはケージから延出される移載フォークに
移載されてケージ内に引き込まれ、コンテナは移載フォ
ークの上昇により載置棚上に載置されることになる。

【０００９】したがって、一台の移載フォークで各階に
設置される全数のコンテナがケージに自動的に移載さ
れ、これらのコンテナを一括して搬送することができ
る。また、複数台のコンテナのうちの任意のコンテナの
みを移載することができ、満杯のコンテナのみの搬送が
可能である。

【００１０】

【実施例】以下、本考案の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。

【００１１】図１および図２は高層ビルあるいは高層住
宅の任意な階を示したものであり、この階１の一角には
ゴミ投入室２が形成されている。この投入室２にはゴミ
を種類別に分別して収容する複数台のゴミコンテナ３が
設置されている。例えば、各階で発生するゴミが可燃ゴ
ミ、不燃ゴミ、ビンあるいは缶にそれぞれに分別され、
これら３種類のゴミがそれぞれ種類別にゴミコンテナ３
に収容されている。したがって、本実施例では３台のコ
ンテナ３ａ〜３ｃが一列に整列されて設置されている。

【００１２】これらのコンテナ３は図２および図３に示
すようにゴミ投入室２に設置されたゴミ投入設備４内に
収容されており、その投入設備４のパネル５の傾斜部６
には各コンテナ３の投入口３ｄに臨んで開放されたゴミ
投入口７が形成され、この投入口７にはこれを開閉する
ための開閉ドラム８が回転自在に支持されている。開閉
ドラム８にはこれを回転させるためのハンドル９が取り
付けられている。

【００１３】また、図１および図２に示すように、各階
に臨んで断面コの字状に開放されたケージ１１が、各階
に停止すべく昇降路１２に沿って昇降自在に収容されて
いる。このケージ１１は各階のコンテナ３を１階あるい
は地下に設置された図示されない回収設備に受け渡すべ
くワイヤ１３で吊り上げられ、このワイヤ１３は図示さ
れない巻上げ装置で巻き取られるようになっている。

【００１４】各階に設置されたコンテナ３をケージ１１
に受け渡すために、昇降路１２には扉１４で開閉される
受渡し口１５が形成されている。図示例においてはこの
受渡し口１５に沿って３台のコンテナ３が整列されて設
置されている。

【００１５】特に、ケ−ジ１１にはコンテナ３の配列方
向に沿って移動自在な台車２１が設置され、この台車２
１は図２および図４に示すようにケ−ジ１１の底部に設
けられた一対のガイドレール２２，２３に沿って案内さ
れるようになっている。一方のガイドレール２２上には
ローラ２４が係合すると共に他方のガイドレール２３に
はこれを上下に挾んで一対のローラ２５，２５が係合す
るように構成されている。

【００１６】また、台車２１にはジャッキアップ装置２
６を介して昇降自在に支持された移載フォーク２７が設
けられ、この移載フォーク２７は各階に設置されるコン
テナ３を移載するために水平方向に伸縮自在に設置され
ている。移載フォーク２７は上下に多段に重ね合わされ
た複数のフォーク片２７ａにより構成されており、各階
に延出された最前のフォーク片２７ａはコンテナ３を移
載すべくコンテナ３の底部に係脱自在に係合するように
なっている。２７ｂは移載フォーク２７を伸縮させるた
めのモータである。

【００１７】また、ケージ１１内にはコンテナ３を載置
するための載置棚２８が台車２１の移動方向に沿って設
けられている。この載置棚２８は図４に示すようにガイ
ドレール２２，２３に沿って並行にケージ１１内を横断
するように設置されており、載置棚２１にはこれに載置
されるコンテナ３を仕切る仕切り部２８ａが形成される
と共に、移載フォーク２７の昇降を許容するためにコン
テナ３の設置台数と同数の間隙２８ｂが形成されてい
る。この間隙２８ｂは各仕切り部２８ａを互いに並行に
離間させて移載フォーク２７のみの昇降を許容するよう
になっている。すなわち、載置棚２８は移載フォーク２
７の通抜けを許容するために中抜き構造になっている。

【００１８】なお、ゴミ投入設備４には図２に示すよう
に台車２１の作動および移載フォーク２７の作動を制御
する制御盤３１が設けられている。この制御盤３１には
コンテナ３内のゴミの収容レベルが送信されるようにな
っている。例えば、投入口７を開閉するドラム８の回転
数をカウントするカウンタ３２がゴミ投入設備４に設け
られている。このカウンタ３２はゴミを回収すべきドラ
ム回転数を検知したことを制御盤３１に送信するように
なっている。

【００１９】次に実施例の作用について説明する。

【００２０】図１および図２に示すように、ゴミ投入設
備４内に設置された各コンテナ３には各階で発生する一
日分のゴミが種類別に投入されて収容されることにな
る。これらのコンテナ３は例えば夜間などの所定時間に
１階あるいは地下などに設置された回収設備に回収され
ることになる。

【００２１】そこで、これらのコンテナ３を回収すべく
ケージ１１が停止し、ケージ１１内の移載フォーク２７
は水平方向に伸長されていずれかのコンテナ３の底部に
係合することになる。コンテナ３はジャッキアップ装置
２６により所定高さ上昇支持されると共に移載フォーク
２７の短縮により図４に示すように載置棚２８の上方に
搬送され、さらにジャッキアップ装置２６の降下により
載置棚２８上に載置されることになる。移載フォーク２
７は載置棚２８に形成された間隙２８ｂを通って降下さ
れると共に台車２１の移動によりつぎの搬送すべきコン
テナ３に向かって伸長されることになる。

【００２２】したがって、各階に設置されるコンテナ３
は移載フォーク２７の伸縮とジャッキアップ装置２６に
よる昇降と台車２１による横行とにより３軸方向に移動
され、ケージ１１の載置棚２８には１台の移載フォーク
２７で１台ずつ移載されたコンテナ３が３台載置される
ことになる。これらのコンテナ３は一括してケージ１１
で回収設備に搬送されることになる。

【００２３】回収設備でゴミの投入を完了した空のコン
テナ３は一括してケージ１１で元の階に搬送され、その
１台ずつが再び移載フォーク２７で元の階に移載されて
設置されることになる。

【００２４】なお、３台のコンテナ３がいずれも満杯の
ときは上述したように一括して搬送することになるが、
ゴミの収容レベルに差異が生じている場合には３台のコ
ンテナ３のうち満杯のコンテナ３のみをケージ１１に移
載することになる。すなわち、カウンタ３２から出力さ
れた満杯信号が制御盤３１に入力され、制御盤３１は満
杯のコンテナ３に向けて台車２１を移動させることにな
る。したがって、満杯のコンテナ３のみがケージ１１で
搬送されることになる。

【００２５】このように本考案はコンテナ３を３軸方向
に移動可能に移載するため、各階に設置される複数台の
コンテナ３の自動搬送が可能であり、コンテナ移載作業
の省労力化を図ることができる。また、各階に設置され
る複数台のコンテナ３を一括して一度に搬送できるた
め、搬送効率を高めることができ、ゴミの回収時間を短
縮できる。さらに、複数台のコンテナ３のうちの任意な
コンテナのみの移載が可能であり、満杯のコンテナ３の
みを移載することができ、経済的である。

【００２６】

【考案の効果】以上要するに本考案によれば、コンテナ
を３軸方向に移動可能に移載するため、搬送作業の省労
力化を達成できると共に、各階の複数台のコンテナを一
括して搬送できるためゴミの回収効率を高めることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す側面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線矢視図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線矢視図である。

【図４】図１のＣ−Ｃ線矢視図である。

【符号の説明】

３ ゴミコンテナ １１ ケージ ２１ 台車 ２７ 移載フォーク ２８ 載置棚

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ビルなどの各階に整列されて設置される
   複数台のゴミコンテナを各階に昇降自在に停止するケー
   ジで搬送するための装置において、上記ケージに上記コ
   ンテナの配列方向に沿って移動自在に設けられた台車
   と、該台車上に上記コンテナを移載すべく昇降自在に且
   つ水平方向に伸縮自在に設けられた移載フォークと、上
   記ケージに上記台車の移動方向に沿って設けられ、上記
   移載フォークの昇降を許容して上記コンテナを載置する
   ための載置棚とを備えたことを特徴とするゴミコンテナ
   の搬送装置。