JPH085928Y2 - ゴミ搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、分別ゴミなどを収納す
るゴミコンテナを昇降機により搬出入することでゴミを
搬送する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、高層住宅や事業所用ビルなどの建
物においては、各階で発生するゴミを回収するために、
既存のエレベータを利用して運ぶか、或いはダストシュ
ートに直接投入するようにしていた。このため、エレベ
ータ内やダストシュートが、汚水で汚れたり臭気が発生
する、或いはダストシュートへのゴミ投入に伴う騒音が
生ずる、などの問題があった。

【０００３】このような課題に対して本出願人は、各階
にゴミコンテナを配置してゴミをストックしておき、こ
れを昇降機によって自動的に搬出入するシステムを開発
し、出願した（実願平２−１２５０９８号、他）。この
ゴミ搬送システムにより、清潔で効率の良いゴミ回収が
達成されるものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】ところで近来にあって
は、ゴミの種類（可燃ゴミ、不燃ゴミ、再生ゴミなど）
によって分別して回収する考えが定着している。このた
め上記システムにおけるゴミコンテナも、その種類に応
じた数だけ並べておき、これらを搬出入することとな
る。

【０００５】しかしながらゴミコンテナの数が多くなる
とそれだけ搬出入のための時間が掛り、また超高層の建
物である場合はさらに長い時間が必要となる。このた
め、ゴミ投入不能の状態が長期間に亘ってしまい、何時
でもゴミ捨てができるという本ゴミ搬送システムの特長
が損なわれてしまう。

【０００６】そこで本考案は、上記事情に鑑み、清潔で
効率の良いゴミ回収が達成されると共に、ゴミコンテナ
の搬出入が短時間でできるゴミ搬送装置を提供すべく創
案されたものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案は、高層建物など
の各階に設置されたゴミコンテナと、このゴミコンテナ
を積載するケージにより各階毎に搬出入する昇降機とを
有するゴミ搬送装置において、ケージ内のコンテナ受渡
し場所に昇降自在に設けられゴミコンテナを載置するた
めの載置域を有する昇降台と、この昇降台が上昇した後
の受渡し場所とその側方の待機場所との間を往復移動す
ると共に上記ゴミコンテナと同数の空コンテナを載置す
る台車と、ケージ内の受渡し場所と各階毎のゴミコンテ
ナの設置場所との間で空コンテナ或いは実入りコンテナ
を移載させる受渡し手段とを備えたものである。

【０００８】

【作用】上記構成によって、各階のゴミコンテナの搬出
入を行うに際して、昇降台を受渡し場所に位置させ、待
機場所の台車に空コンテナを載せておき、ケージがゴミ
コンテナの設置場所に到着した時に、受渡し手段が設置
場所の実入りコンテナを昇降台の載置域に移載する。こ
の移載を行った後、昇降台を上昇させて台車をその下方
に移動させる。そしてその空コンテナを、受渡し手段に
より設置場所に移載する。実入りコンテナを積載したケ
ージは、貯留排出設備等まで移動してそのゴミを排出さ
せる。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の実施例を添付図面に従って説
明する。

【００１０】図１乃至図３は、本考案に係わるゴミ搬送
装置の一実施例を示したものであり、高層建物などの各
階に設けられた三台のゴミコンテナ１，２，３と、この
ゴミコンテナ１…３を積載するケージ４によりこれらを
各階毎に搬出入する昇降機５とを有して構成されてい
る。さらにこのゴミ搬送装置は、ケージ４内のコンテナ
受渡し場所６に昇降自在に設けられた昇降台７と、昇降
台７が上昇した後の受渡し場所６とその側方の待機場所
８との間を往復移動する台車９と、受渡し場所６とゴミ
コンテナ１…３の設置場所１０との間でゴミコンテナ１
…３を移載させる受渡し手段１１とを備えて構成されて
いる。

【００１１】ゴミコンテナ１…３は、各階に設けられた
ゴミ投入室１２内に一列に並べられており、本実施例に
あっては順に、可燃ゴミ用１、不燃ゴミ用２、ビンや缶
などの再生ゴミ用３として配置されている。これらゴミ
コンテナ１…３は、上部が全面に亘って開口されてお
り、底部には所定の高さで成る二枚の並行な脚台１３が
取り付けられている。そしてケージ４の昇降路１４とゴ
ミ投入室１２とを隔てる区画壁１５には、ゴミコンテナ
１…３を搬出入させるためのコンテナ受渡し口１６が形
成されており、設置場所１０の整列方向一端側に位置さ
れている。この受渡し口１６には、ケージの昇降・停止
動作に同期してスライドされる開閉扉１７が設けられて
いる。

【００１２】ゴミ投入室１２は、パネル１８によってゴ
ミコンテナ側１９と利用者立入り側２０とに仕切られて
おり、パネル１８の一部には、各ゴミコンテナ１…３の
開口上部に臨むゴミ投入口２１が形成されている。この
ゴミ投入口２１には、回転ドラム型のシャッタ２２が取
り付けられ、ハンドル２３にて開閉操作されてゴミが投
入できるようになっている。

【００１３】ケージ４には、これを昇降自在に吊り下げ
るワイヤ２４が取り付けられ、このワイヤ２４を巻上機
（図示せず）にて適宜巻き取り、巻き出しすることで、
ケージ４を各階に停止させつつ昇降させるようになって
いる。本実施例にあっては、このケージ４は、その内部
となる受渡し場所６及び待機場所８においてそれぞれ三
台のゴミコンテナ１…３を充分積載できる程度の規模の
ものとして形成されている。そしてケージ４の底面に
は、ゴミコンテナ１…３の整列方向に直交する方向に延
長されたレール２５が設けられ、このレール２５に沿っ
て、台車９が走行するようになっている。

【００１４】昇降台７は、三台の実入りコンテナ１ｂ，
２ｂ，３ｂを整列状態で載置させるための載置域２６を
有し、ケージ４内の受渡し場所６の四隅に起立されたガ
イドロッド２７に沿って上昇・下降するようになってい
る。

【００１５】台車９は、三台の空コンテナ１ａ，２ａ，
３ａを載置するための載置板２８と、載置板２８の下面
に取り付けられてレール２５上を転動する車輪２９とに
より構成されている。載置板２８は、昇降台７の下方に
入り込むことができるような大きさで形成されている。
そしてこれら昇降台７及び台車９は、受渡し場所６に位
置されたときに、設置場所１０の整列方向に直線状に揃
うようになっている。

【００１６】受渡し手段１１は、ゴミ投入室１２の設置
場所１０に沿って形成された第一のベルトコンベア２９
と、昇降台７の載置域２６に整列方向に沿って形成され
た第二のベルトコンベア３０と、台車９の載置板２８上
に形成された第三のベルトコンベア３１とにより構成さ
れている。従ってゴミコンテナ１…３は、設置場所１０
及びケージ４内において、脚台１３を介してベルトコン
ベア２９…３１上に載置されるものである。そして、昇
降台７或いは台車９が受渡し場所６に位置されたとき
に、第一のベルトコンベア２９とこれに接続される第二
或いは第三のベルトコンベア３０，３１とが協動するこ
とにより、ケージ４とゴミ投入室１２との間でゴミコン
テナ１…３の受け渡しが為されるようになっている。

【００１７】このほかこのゴミ搬送装置には、昇降機
５、ベルトコンベア２９…３１、昇降台７、台車９など
を適宜連動させて制御する中央制御部（図示せず）が備
えられている。この制御部の制御によって、夜間などの
定時に、各階において実入りゴミコンテナ１ｂ…３ｂと
空コンテナ１ａ…３ａとを交換し、実入りコンテナ１ｂ
…３ｂを建物の一階或いは地下に設けられた貯留排出設
備（図示せず）まで運搬して、収容していたゴミを排出
すると共に、空になったゴミコンテナ或いは予備の空コ
ンテナ１ａ…３ａを積み込んで、次の階の搬出入に向か
うようになっている。

【００１８】次に本実施例の作用を説明する。

【００１９】定時などに各階の全ゴミコンテナ１…３を
回収するに際して、台車９に三台の空コンテナ１ａ…３
ａを整列させて積み込んでおき、ケージ４を各階の受渡
し口１６まで上昇或いは下降移動させる。そして、ケー
ジ４内の受渡し場所６とゴミ投入室１２の設置場所１０
とのレベルを一致させて停止させる。

【００２０】次に昇降台７を受渡し場所６に下降位置さ
せた後、第一のベルトコンベア２９及び第二のベルトコ
ンベア３０を駆動させて、設置場所１０のゴミコンテナ
１…３（実入りコンテナ１ｂ…３ｂ）を昇降台７の載置
域２６に移載する。

【００２１】そして昇降台７を所定高さに位置するまで
上昇させた後、台車９を図１中、右方向に移動させて、
昇降台７の下方の受渡し場所６にスライドさせる。そし
て第三のベルトコンベア３１及び第一のベルトコンベア
２９を駆動させることにより、積み込んでいた空コンテ
ナ１ａ…３ａをゴミ投入室１２内の設置場所１０にセッ
トする。

【００２２】積載したゴミコンテナ１ｂ…３ｂは、ケー
ジ４の下降により貯留排出設備まで運搬され、台車９上
に替わりの空コンテナ１ａ…３ａを積み込んだ後、次の
搬出入を行う階へと上昇する。そして上記動作を繰り返
し行うことにより、順次建物全階のゴミコンテナ１…３
の搬出入を行う。

【００２３】このように、整列されて設置されたゴミコ
ンテナ１…３と、ケージ４によりゴミコンテナ１…３の
搬出入を行う昇降機５と、コンテナ受渡し場所６におい
て昇降する昇降台７と、待機場所８から受渡し場所６ま
で移動する台車９と、台車９，昇降台７及び設置場所１
０に設けられたベルトコンベア２９…３１とを備えたの
で、高層住宅等において各階で捨てられる分別ゴミを自
動的に回収でき、清潔で効率の良いゴミ回収が達成され
る。

【００２４】そして、空コンテナ１ａ…３ａを台車９に
積み込んでおくことにより、極めて迅速にゴミコンテナ
１…３の交換ができ、ゴミコンテナ数及び建物階数が多
い場合でも、回収に費やされる時間を必要最少限のもの
に短縮できる。即ち、何時でもゴミ捨てができるという
本システムの基本的な特長を充分発揮することができ
る。

【００２５】また昇降台を昇降させることによって受渡
し場所６を有効に使用し、ゴミコンテナ１…３の交換を
行うようにしたので、ケージ４内に必要な平面的積載ス
ペースを最少限のものにできる。

【００２６】なお本実施例にあっては、受渡し手段１１
としてベルトコンベア２９…３１を設けるものとした
が、ローラコンベア或いは移載フォーク（リフト）など
を適宜備えるようにしてもよい。

【００２７】また本考案は、例示したような三台のゴミ
コンテナである場合に限らず、四台以上或いは二台以下
であっても適用できるものであり、特に分別ゴミ用の多
数のゴミコンテナを各階に設置する場合において有効で
ある。

【００２８】

【考案の効果】以上要するに本考案によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。

【００２９】各階に設置されたゴミコンテナと、ケージ
によりゴミコンテナを搬出入する昇降機と、ケージ内の
コンテナ受渡し場所にゴミコンテナを載置させる載置域
を有して昇降する昇降台と、待機場所と受渡し場所とを
往復する台車と、受渡し場所と設置場所との間でゴミコ
ンテナを移載させる受渡し手段とを備えたので、清潔で
効率の良いゴミ回収が達成されると共に、ゴミコンテナ
の搬出入が短時間でできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わるゴミ搬送装置の一実施例を示し
た平面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線矢視断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線矢視断面図である。

【符号の説明】

１，２，３ ゴミコンテナ １ａ，２ａ，３ａ 空コンテナ １ｂ，２ｂ，３ｂ 実入りコンテナ ４ ケージ ５ 昇降機 ６ コンテナ受渡し場所 ７ 昇降台 ８ 待機場所 ９ 台車 １０ 設置場所 １１ 受渡し手段 ２６ 載置域

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高層建物などの各階に設置されたゴミコ
   ンテナと、該ゴミコンテナを積載するケージにより各階
   毎に搬出入する昇降機とを有するゴミ搬送装置におい
   て、上記ケージ内のコンテナ受渡し場所に昇降自在に設
   けられ上記ゴミコンテナを載置するための載置域を有す
   る昇降台と、該昇降台が上昇した後の受渡し場所とその
   側方の待機場所との間を往復移動すると共に上記ゴミコ
   ンテナと同数の空コンテナを載置する台車と、上記ケー
   ジ内の受渡し場所と各階毎のゴミコンテナの設置場所と
   の間で空コンテナ或いは実入りコンテナを移載させる受
   渡し手段とを備えたことを特徴とするゴミ搬送装置。