JPH083362Y2 - ビル等のゴミ回収設備 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はビル等のゴミ回収設備に係り、特にビル等の
各階で発生するゴミを種類別に分別して自動的に回収
し、ゴミのリサイクルを可能にするためのビルのゴミ回
収設備に関するものである。

［従来の技術］ 近年、オフィスオートメーションの著しい進歩に伴い
高級紙の大量消費がクローズアップされ、地球環境の破
壊という重要な問題も含め、事務所ビルより発生するゴ
ミの再生利用（リサイクル）が各部署でさけばれてい
る。また、土地の高度利用と相俟って事務所ビルの高層
化が進んでおり、毎日発生する大量のゴミの回収が悩み
の種となっている。

一般に、ビルから発生するゴミの回収は既存のエレベ
ータを利用する方式と、ゴミを直接ダストシュートに投
入する方式とが採用されている。

エレベータ利用の場合はゴミをエレベータに乗せて搬
送した後、これを投入口に投入して貯留排出機を経てゴ
ミ収集車に受け渡すものである。他方、ダストシュート
方式はゴミを投入口からダストシュートに投入し、貯留
排出機を経てゴミ収集車に受け渡すものである。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、エレベータ利用の場合は作業車の運搬距離
が長く、また、エレベータ内で汚水や臭気が発生した
り、ビルの高層化に伴いエレベータの待ち時間が長くな
る問題がある。

また、ダストシュート方式にあってはダストシュート
が１本の場合はゴミの分別収集時に投入時間が制限され
たり、ダストシュート内面に付着した汚汁により臭気が
発生して衛生上好ましくない。さらに、ゴミ投入時の騒
音の発生、ダストシュートの詰り、リサイクルが困難な
どの問題がある。

本考案は上記問題点を有効に解決すべく創案されたも
のである。

本考案はビルなどで発生するゴミを自動的に回収し、
省労力化を図り、ゴミのリサイクル化に対応できるビル
等のゴミ回収設備を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ ビル等の各階で発生するゴミを回収するための設備に
おいて、上記各階に設置され、その階で発生するゴミを
種類別に収容する複数台のゴミ投入用箱と、各ゴミ投入
用箱の底面に設けられ、当該投入用箱をフロア各部に自
在に移動させるキャスタと、各階を鉛直方向に貫く昇降
路内に昇降自在に設けられ、各階で停止してその階のゴ
ミ投入用箱を移載するケージと、各階に設けられその階
のゴミ投入用箱を整列状態で載置すると共にそのゴミ投
入用箱を上記ケージとの間で受渡しする受渡しコンベア
と、任意の階に設けられ上記ケージにより搬送されたゴ
ミ投入用箱内のゴミを種類別に分けてストックする複数
台のストック手段と、該ストック手段が設けられた階に
設けられ、上記ケージにより搬送された実入りゴミ投入
用箱を種類別に各ストック手段へ移送するための実コン
ベアと、該実コンベアの近傍に設けられ、内部のゴミが
ストック手段に移されて空になった空ゴミ投入用箱を複
数待機させると共にこれら空ゴミ投入用箱を順にケージ
に受け渡すための空コンベアとから構成したものであ
る。

［作用］ 先ず、各階で発生したゴミは各階毎に種類別に分別さ
れてゴミ投入用箱に投入される。このゴミ投入用箱は受
渡しコンベアに整列されて載置される。受渡しコンベア
はゴミ投入用箱を１個ずつケージに受渡し、ケージは受
け取ったゴミ投入用箱を降下移送する。

ケージ内のゴミ投入用箱は搬送コンベアにより順次種
類別にストック手段に移送され、ストック手段は所定量
ストックしたゴミをゴミ収集車へ排出することになる。
ゴミをストック手段に受け渡した空ゴミ投入用箱は再び
移送コンベアに移載されてケージに受け渡され、ケージ
は上昇して空ゴミ投入用箱を元の階に設置される受渡し
コンベアに受渡すことになる。

このように予め各階で発生するゴミを種類別に分別し
てゴミ投入用箱に収容し、分別されたゴミをゴミ投入用
箱を搬送媒体として自動的に回収するため、省労力化が
図れ、衛生的であり、リサイクルに対応できる。

また、各ゴミ投入用箱の底面にキャスタを設けたの
で、例えば、通常時はゴミ投入用箱をフロアの各部に配
置しておき、ゴミ回収時にのみキャスタによって受渡し
コンベアまで移動させることができる。すなわち、通常
時にゴミ投入用箱をフロア使用者の近傍に配置すること
ができ、フロア使用者は発生したゴミ（紙クズ等）をゴ
ミ投入用箱に投入しやすくなる。

また、空コンベアに複数の空ゴミ投入用箱を待機させ
ることにより、各階の実入りゴミ投入用箱を複数、スト
ック手段のある階に縦搬送（ケージによる搬送）するこ
とができる。これにより、ゴミ投入用箱の縦搬送の自由
度が広がり、ケージの運転スケジュールが楽になる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を添付図面に従って詳述する。

第１図および第２図は高層ビルで発生するゴミを自動
的に回収する設備を示したものであり、この設備１は主
に各階で発生するゴミを種類別に収容する移動可能な複
数台のゴミ投入用箱２と、各階に昇降自在に停止してゴ
ミ投入箱２を移載するケージ３と、ゴミ投入用箱２を上
記ケージ３との間で受け渡しする受渡しコンベア４と、
上記ケージ３により搬送されたゴミ投入箱２内のゴミを
種類別にストックして排出するための複数台のストック
手段５と、ストック手段５とケージ３との間でゴミ投入
箱２を受渡しするための移送コンベア６とから構成され
ている。

具体的にはビル11の各階には１日分のゴミを収容する
容積を有するゴミ投入用箱２がゴミの分別数だけ設置さ
れており、各ゴミ投入用箱２には上方に開放された投入
口が形成されると共に底部にはフロアを移動可能にする
ためにキャスタが設けられている。第１図においては各
階のうちの任意の階のフロア12が示されており、フロア
12にはゴミ投入室13が形成され、このゴミ投入室13内に
は５台の移動可能なゴミ投入用箱２が設置されている。
５台のゴミ投入用箱２にはリサイクルゴミ（OA紙、ビ
ン、カン）、可燃ゴミ、不燃ゴミなど５種類に分別され
たゴミが種類別に投入され収容されるようになってい
る。

また、第２図に示すようにケージ３はビル11に鉛直方
向に形成された昇降路14内に沿ってワイヤロープ15で昇
降自在に吊り上げられるようになっており、ワイヤーロ
ープ15は機械室16内に設置された巻上げ機17で巻き取ら
れるようになっている。昇降路14には第２図および第３
図に示すように内部にケージ３の昇降を案内する一対の
ガイドレール18a,18bが形成されると共に、各階毎にゴ
ミ投入用箱２を出入れするための出入口19が形成されて
いる。この出入口19はゴミ投入室13に開放されている。
21は防火扉、22は安全棚、23は投入室扉である。

ケージ３にはゴミ投入箱２を出入れするために一方向
に相対向して開放された開口部24a,24bが形成されると
共に、ゴミ投入用箱２を載置するための載置面部25が形
成され、この載置面部25にはゴミ投入用箱２を出入れす
るためのスライド板26が設けられている。このスライド
板26はゴミ投入用箱２の受渡し時にケージ３から水平方
向に延出されて受渡しコンベア４上の受渡し位置Ａに延
出されるようになっている。したがって、ケージ３の昇
降移動時にはスライド板26はケージ３の載置面部25上に
重ね合わされて格納されるように構成されている。

なお、受渡しコンベア４には昇降路14側に、スライド
板26のスライド移動を許容して受渡し位置Ａを確保する
ためにゴミ投入用箱１個分の受渡しスペースが形成され
ている。

第２図および第４図に示すように、ビル11の１階ある
いは地下にはゴミ収集室31が形成され、本実施例では地
下に形成されたゴミ収集室31にはケージ３により移送さ
れたゴミ投入用箱２内のゴミを収容してストックするス
トック手段５が設置される。このストック手段５は本実
施例においてはゴミの分別数と同様のドラム32により構
成されている。したがって、本実施例では５台のドラム
が設置されている。

ドラム32の入口側には上方に折り返されて開放された
ホッパ33が形成されると共に、出口側にはストックされ
たゴミを排出するための排出口34が形成されている。排
出口34にはコンベア35を介してゴミ収集車36が接続され
るようになっている。

また、昇降路14の下部には第２図に示すように相対向
して搬出口19aと搬入口19bとが形成され、これら搬出口
19a,19bには第４図に示すようにゴミ投入用箱２を移送
する移送コンベア６が接続されている。この移送コンベ
ア６はゴミを収容した実入り投入用箱2aを昇降路14から
ストック手段５に移送する実コンベア41と、ゴミをスト
ック手段５に受け渡した後の空投入用箱2bを昇降路14に
移送する空コンベア42とから構成されている。

これらコンベア41,42のストック手段５側に臨む一端
部には各ドラム32を並列に結ぶレール43が接続され、こ
のレール43には無人台車44が走行自在に設置されてい
る。無人台車44は実コンベア41から移送された実入り投
入用箱2aをゴミの種類別に各ドラム32前に移送し、ま
た、空投入用箱2bを空コンベア42に移送するようになっ
ている。

なお、ゴミがビン、カン、一般ゴミなどである場合に
は反転装置45を介してドラム32のホッパ33内に投入され
る。この反転装置45は第２図に示すように、ゴミ投入用
箱２を把持して反転させて上方に開放された投入用箱２
の投入口をホッパ33に向けて傾斜させるようになってい
る。また、きちんと結束されたOA紙の場合にはドラム32
には投入することなくゴミ投入用箱２に収容した状態で
ストックできる専用のストック手段を設けるように構成
してもよい。

次に、上記実施例の作用について説明する。

第１図および第２図に示すように、各階で発生したゴ
ミはゴミ投入室13内の受渡しコンベア４上に所定の順序
で整列されたゴミ投入用箱２に種類別に分別されて投入
される。各種のゴミは一時ストックされる。なお、ゴミ
投入用箱２は移動可能なため、これを移動させてフロア
の隅々までゴミを収集することもできる。ゴミの収集の
完了後、ゴミ投入用箱２は受渡しコンベア４上の予め定
められたゴミの分類順にセットされる。

受渡しコンベア４にセットされたゴミ投入用箱２は一
日一回所定時間（例えば夜間）に押し釦、あるいはタイ
マによりゴミの収集が完了したことがケージ３に送信さ
れることにより、ケージ３に自動的に受け渡されて下階
に移送される。所定の時間外であってもゴミ投入用箱２
が満杯になったときはそのゴミ投入用箱２を受渡しコン
ベア４の受渡し位置Ａにセットし、これをセンサで感知
することにより、個別に投入用箱２の受渡しが可能であ
る。したがって、任意の時間に任意のゴミ投入用箱２の
受渡しが可能である。

第２図および第４図に示すように、ケージ３に収容さ
れたゴミ投入用箱２は昇降路14内を降下して昇降路14の
下端部に形成された搬出口19aから実コンベア41に受け
渡され、実コンベア41から無人台車44に移載され、ゴミ
は種類別に設置された該当するドラム32に投入されてス
トックされる。この場合、ビン、カン、一般ゴミは種類
別に反転装置45でゴミ投入用箱２を反転させることによ
り投入され、OA紙は上述したように別置のストックライ
ンにゴミ投入用箱２に収容した状態で仮置きされる。種
類別にストックされたゴミはゴミ収集車36に排出される
ことになる。

一方、ゴミをドラム36に開け渡した空投入用箱2bは無
人台車44に移載されて空コンベア42上に一時的にストッ
クされる。この空投入用箱2bは空コンベア42で移送され
て昇降路14の搬入口19bからケージ３に受け渡され、元
の階の受渡しコンベア４に種類別に整列されてセットさ
れることになる。

したがって、該階で種類別に投入されたゴミはゴミ投
入用箱２を搬送媒体として種類別に移送されて種類別に
ストックされることになる。

なお、ケージ３による実入り投入用箱2aあるいは空投
入用箱2bの昇降移送は５台の実入り投入箱2aを降下移送
した後、５台の空投入用箱2bを上昇移送してもよいし、
移送効率を高めるために、１台の実入り投入用箱2aを実
コンベア41に受け渡した後、空コンベア42から１台の空
投入用箱2bを受け取り、これを受渡しコンベア４に受け
渡し、他の階から実入り投入用箱2aを受け取って実コン
ベア41に受け渡すことを一サイクルとして複数サイクル
を繰り返すようにしてもよい。つまり、後者の場合、実
入り投入用箱2aと空投入用箱2bとを１台ずつ交互に移送
することになる。

このように本考案は各階で発生するゴミを種類別にゴ
ミ投入用箱２を搬送媒体として自動搬送し種類別にスト
ックするため、ゴミのリサイクルが容易である。また、
ゴミを収容したゴミ投入用箱２が自動搬送さるため、省
労力化を図ることができると共にゴミのこばれや汚汁の
洩れがなく、クリーンで快適な環境を保持できる。さら
に、ゴミの落下騒音の発生がなく、エレベータと別個に
ゴミの回収がなされるため、エレベータの待ち時間が長
くなることはない。

なお、各階で発生するゴミの収集について上記実施例
では単一箇所にゴミ投入用箱２を設置するというホーム
ステーション方式を採用したが、第１図に示すように、
フロアスペースが広い場合にはホームステーション方式
とサテライト方式との双方を採用してもよい。すなわ
ち、受渡しコンベア４が設置されるホームステーション
と別個に同一フロア上にゴミ投入用箱２の設置位置Ｂ、
Ｃを形成し、これらサテライトステーションと上記ホー
ムステーションとの間でゴミ投入用箱２を搬送する搬送
ラインを形成することになる。

この場合、ゴミ投入用箱２の搬送はマニュアル方式、
無人車51を移動させる方式、モノレール52による方式を
採用することができる。無人車方式、モノレール方式は
自動搬送することになる。

［考案の効果］ 以上要するに本考案によれば、次の如き優れた効果を
発揮する。

（１）各階で発生するゴミを種類別に投入用箱を搬送媒
体として搬送し種類別にストックするため、ゴミのリサ
イクルが容易である。

（２）ゴミを収容した投入用箱が自動搬送されるため、
省労力化を図ることができると共にゴミのこぼれや汚汁
の洩れがなく、クリーンで快適な環境を保持できる。

（３）ゴミの落下騒音の発生がない。

（４）回収時を除き24時間いつでも全てのゴミを捨てる
ことができる。

（５）各ゴミ投入用箱の底面にキャスタを設けたので、
通常時にゴミ投入用箱をフロア使用者の近傍に配置する
ことができ、フロア使用者は発生したゴミをゴミ投入用
箱に投入しやすくなる。

（６）複数の空ゴミ投入用箱を待機させる空コンベアを
設けたので、ゴミ投入用箱の縦搬送の自由度が広がり、
ケージの運転スケジュールが楽になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のゴミ回収設備を示す斜視図、第２図は
ゴミ回収設備の要部を示す断面図、第３図は第２図のII
I−III線矢視図、第４図は主にストック手段を示す平面
図である。 図中、１はゴミ回収設備、２はゴミ投入用箱、３はケー
ジ、４は受渡しコンベア、５はストック手段、６は移送
コンベア、14は昇降路、41は実コンベア、42は空コンベ
アである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ビル等の各階で発生するゴミを回収するた
   めの設備において、各階に設置され、その階で発生する
   ゴミを種類別に収容する複数台のゴミ投入用箱と、各ゴ
   ミ投入用箱の底面に設けられ、当該投入用箱をフロア各
   部に自在に移動させるキャスタと、各階を鉛直方向に貫
   く昇降路内に昇降自在に設けられ、各階で停止してその
   階のゴミ投入用箱を移載するケージと、各階に設けられ
   その階のゴミ投入用箱を整列状態で載置すると共にその
   ゴミ投入用箱を上記ケージとの間で受渡しする受け渡し
   コンベアと、任意の階に設けられ上記ケージにより搬送
   されたゴミ投入用箱内のゴミを種類別に分けてストック
   する複数台のストック手段と、該ストック手段が設けら
   れた階に設けられ、上記ケージにより搬送された実入り
   ゴミ投入用箱を種類別に各ストック手段へ移送するため
   の実コンベアと、該実コンベアの近傍に設けられ、内部
   のゴミがストック手段に移されて空になった空ゴミ投入
   用箱を複数待機させると共にこれら空ゴミ投入用箱を順
   にケージに受け渡すための空コンベアとを備えたことを
   特徴とするビル等のゴミ回収設備。