JPH0512403U - ゴミの搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高層ビル等で収集されたゴミを、限られたス
ペースで効率よく搬送する装置を提供する。 【構成】 エレベータシャフト２を昇降するリフタ７
に、複数の収納室９を上下方向に積み重ねて形成し、そ
の各収納室９にゴミ箱１０を収納して昇降させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、高層ビル等のゴミの搬送に用いられる装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

最近、建物が高層化されるに伴なって、各階フロアから廃棄される大量の紙ゴ ミや不燃物ゴミ、雑芥などの分別収集や搬送が大きな問題となっている。

【０００３】 従来の高層のオフィスビル等では、各階フロアにおいてゴミを排出した各人間 の判断や、清掃作業員、又はゴミ箱を搭載した無人のゴミ搬送車によりゴミを各 種類別に分別して収集し、その収集したゴミ箱やゴミ搬送車を、図５に示すよう な建物内に設けたゴミ専用エレベータ３１を利用して、１階や地下階にあるゴミ 貯留場へ搬送するようにしている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、このようなゴミ専用エレベータ３１の大きさは、建物における省ス ペースの観点から出来るだけ小さく抑まるように制限され、しかも、エレベータ のリフタ３２には、人間用エレベータと同じ様に１つの収納室３３しか設けられ ていないために、通常、エレベータの１回の昇降で搬送できるゴミ箱３４の数は 、１〜２個が限度である場合が多い。

【０００５】 このため、高層階から多数のゴミ箱やゴミ搬送車を搬送するには、エレベータ のリフトを多数回往復させる必要があり、ゴミの搬送に長い時間がかかって、作 業能率が悪いという欠点があった。

【０００６】 そこで、この考案は、小さなスペースで多数のゴミ箱やゴミ搬送車を一度に搬 送することができるゴミの搬送装置を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するため、この考案は、建物を上下に貫通するエレベータシ ャフトに、ゴミ箱又はゴミ搬送車を収納するリフタを昇降可能に設け、エレベー タシャフトに複数のゴミ出入口を臨ませたゴミの搬送装置において、リフタに、 ゴミ箱又はゴミ搬送車の収納室を上下方向に複数個積み重ねて形成した構造とし たものである。

【０００８】 上記の構造において、各収納室の底面と各ゴミ出入口の底面に、各収納室と各 ゴミ排出口の高さが一致したときに連続形状となる搬送路を設け、その搬送路に よりゴミ箱又はゴミ搬送車の移動を補助するようにしてもよい。

【０００９】 その場合、搬送路には、ローラコンベヤや軌道レールを用いることができる。

【００１０】

【作用】

上記の構造においては、リフタの収納室にゴミ箱やゴミ搬送車を収納し、リフ タを昇降させて一度に複数のゴミ箱や搬送車を搬送する。このリフタの収納室の 数を多くすることにより、スペースをとらずに搬送効率を向上させることができ る。

【００１１】 また、各収納室と各ゴミ出入口に搬送路を設けると、ゴミ箱やゴミ搬送車の収 納室に対する出し入れを小さな力で行なうことができる。

【００１２】

【実施例】

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。 図１に示すように、建物１の内部にエレベータシャフト２が上下に貫通し、そ のエレベータシャフト２と建物の各階フロア３ａ、３ｂ、・・・・・との交差部 には、それぞれゴミ出入口４が形成されている。

【００１３】 エレベータシャフト２の上部には、巻上機等の駆動装置５が設けられ、その駆 動装置５から延びた懸引ロープ６の両端に、リフタ７とカウンタウェイト８がそ れぞれ連結されている。

【００１４】 上記リフタ７には、複数個のゴミ箱収納室９が上下方向に所定の間隔で積み重 ねて形成されている。この各ゴミ収納室９は、ゴミ出入口４と対向する側面だけ が開口し、他の３つの側面や上面、底面は壁面で閉塞されており、その底面に、 ゴミ箱１０の動きを補助するローラコンベヤ１１が取付けられている。

【００１５】 また、各ゴミ出入口４の底面には、その底面とリフタ７の各ゴミ箱収納室９の 底面と高さが一致したときに、収納室９のローラコンベヤ１１と連続形状となる ローラコンベヤ１２が取付けられている。

【００１６】 一方、エレベータシャフト２の最下部のゴミ出入口４’には、ゴミ箱搬入出用 コンベヤ１３の一端が臨み、その搬入出用コンベヤ１３に、図２に示すようなゴ ミの分別収集システムが接続されている。

【００１７】 この分別収集システムでは、搬入出用コンベヤ１３に、ターンテーブル１４を 介して横移動用コンベヤ１５が接続され、その横移動用コンベヤ１５に、それぞ れターンテーブル１４を介して複数の誘導用コンベヤ１６ａ、１６ｂ、１６ｃ、 １６ｄ、１６ｅが接続されている。

【００１８】 また、誘導用コンベヤのうち、１つを除く複数の誘導用コンベヤ１６ａ〜１６ ｄには、それぞれゴミを圧縮状態で貯留するゴミ圧縮装置１７ａ、１７ｂ、１７ ｃ、１７ｄが接続されている。この各ゴミ圧縮装置は、ゴミを例えば缶類、ガラ ス類、紙ゴミ類、雑芥類などの各種類ごとに分別収納するもので、ゴミが満杯に なった時点で、後端に設けた搬出コンベヤ１８を介して塵芥収集車に移し替えら れる。なお、１９は、ゴミ箱を反転してゴミ圧縮装置のホッパにゴミを投入する ためのゴミ箱反転装置である。

【００１９】 一方、残りの誘導用コンベヤ１６ｅには、ゴミ箱反転装置１９を介してゴミを 圧縮するコンパクタ２０が接続され、そのコンパクタ２０の出口にゴミ収納用コ ンテナ２１が配置されている。このコンテナ２１は、コンパクタ２０によってゴ ミが圧縮状態で押し込まれ、満杯になって時点で大型車両に搭載されてゴミ廃棄 場に運ばれる。

【００２０】 この実施例は上記のような構造で成り、次にその作用を説明する。 図１に示すように、所定階のフロアのゴミ出入口４に、缶類やガラス類、紙ゴ ミ類、雑芥などの各種のゴミを別々に収納した複数のゴミ箱１０が集められると 、リフタ呼出しスイッチを操作し、リフタ７を呼出し階まで上昇させる。

【００２１】 リフタ７の最上部の収納室９がゴミ出入口４まで上昇すると、リフタ７を停止 させ、先頭のゴミ箱１０をローラコンベヤ１１、１２の上を移動させて収納室９ 内に収納する。

【００２２】 次に、リフタ７を上から２番目の収納室９がゴミ出入口４に向き合うまで上昇 させ、ゴミ箱１０を収納する。このように同じ動作を繰り返して、各収納室９に ゴミ箱１０を収納する。

【００２３】 全ての収納室９にゴミ箱１０が収納されると、リフタ７の降下スイッチを操作 し、リフタを最下部のゴミ出入口４’まで下降させる。この場合、リフタ７から のゴミ箱１０の取り出しは、最下部の収納室９から順にゴミ箱１０を搬入出用コ ンベヤ１３に搬出させて行なう。

【００２４】 搬入出用コンベヤ１３に取り出したゴミ箱１０は、収納されたゴミの種類に合 わせてゴミ圧縮装置１７ａ〜１７ｄやコンパクタ２０の前まで搬送し、種類別に ゴミを分別収納する。

【００２５】 上記の構造では、リフタ７の一回の往復により各階フロアの複数のゴミ箱１０ を一度に搬送できるので、搬送効率を大幅に上げることができる。例えば、リフ タ７の最下部のゴミ出入口から所定階フロアまでの往復に要する時間（ａ）を５ min 、１個のゴミ箱１０をリフタに積込む時間（ｂ）を１min 、リフタ７を各収 納室９ごとにゴミ出入口４に向き合せるのに要する時間（ｃ）を１min とすると 、４個のゴミ箱を搬送するために必要な時間は、図５に示すようなリフタに１個 のゴミ箱しか収納できない従来方式では、（（ａ）５min ＋（ｂ）１min ）×４ ＝２４min となるのに対して、実施例の方式では、（（ｂ）１min ×４）＋（（ ｃ）１min ×４）＋（ａ）５min ＝１３min となり、５０％近い時間短縮を図る ことができる。

【００２６】 図３及び図４は、他の実施例を示している。この例では、ゴミの分別収集にゴ ミ箱２２を搭載した無人のゴミ搬送車２３を利用し、リフタ２４に、ゴミ搬送車 を収納する複数の収納室２５を上下方向に積み重ねて形成している。

【００２７】 また、各収納室２５の底面とゴミ出入口２６の底面には、軌道レール２７、２ ８が設けられ、ゴミ搬送車２３の移動を連続して案内するようになっている。他 の構造や積み込み方法については、上述した実施例と同じであり、説明を省略す る。

【００２８】 なお、上記の各実施例において、ローラコンベヤ１１、１２を電動式としたり 、ゴミ搬送車２３を電動無人動力車とすると、電気的制御によって全ての操作を 遠隔操作又は全自動で行なうことができる。

【００２９】

【効果】

以上のように、この考案は、エレベータシャフトを昇降するリフタに複数の収 納室を積み重ねて形成し、その収納室により多数のゴミ箱やゴミ搬送車を一度に 搬送するようにしたので、限られた小さなスペースで効率よくゴミを搬送できる 効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例を示す縦断正面図

【図２】ゴミの分別収集システムを示す平面図

【図３】他の実施例を示す縦断正面図

【図４】同上の平面図

【図５】従来例を示す縦断正面図

【符号の説明】

１ 建物 ２ エレベータシャフト ４、４’ゴミ出入口 ７ リフタ ８ ゴミ箱収納室 １０ ゴミ箱 １１、１２ ローラコンベヤ ２３ ゴミ搬送車 ２４ リフタ ２５ 収納室 ２６ ゴミ出入口 ２７、２８ 軌道レール

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物を上下に貫通するエレベータシャフ
   トに、ゴミ箱又はゴミ搬送車を収納するリフタを昇降可
   能に設け、エレベータシャフトの側面に複数のゴミ出入
   口を臨ませたゴミの搬送装置において、上記リフタに、
   ゴミ箱又はゴミ搬送車の収納室を上下方向に複数個積み
   重ねて形成したことを特徴とするゴミの搬送装置。
2. 【請求項２】 各収納室の底面と各ゴミ出入口の底面
   に、収納室とゴミ排出口の高さが一致したときに連続形
   状となる搬送路を設け、その搬送路によりゴミ箱又はゴ
   ミ搬送車の移動を補助するようにしたことを特徴とする
   請求項１に記載のゴミの搬送装置。
3. 【請求項３】 上記搬送路をローラコンベヤとしたこと
   を特徴とする請求項２に記載のゴミの搬送装置。
4. 【請求項４】 上記搬送路を軌道レールとしたことを特
   徴とする請求項２に記載のゴミの搬送装置。