JPH085843B2 - ロイコトリエンb▲下4▼又はその誘導体の製造法 - Google Patents

ロイコトリエンb▲下4▼又はその誘導体の製造法

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JPH085843B2
JPH085843B2 JP62170300A JP17030087A JPH085843B2 JP H085843 B2 JPH085843 B2 JP H085843B2 JP 62170300 A JP62170300 A JP 62170300A JP 17030087 A JP17030087 A JP 17030087A JP H085843 B2 JPH085843 B2 JP H085843B2
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、下記一般式〔III〕 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基、n−Amはn−
アミル基、Z及びZ′はそれぞれ水素原子又は水酸基の
保護基を示す。) で表されるロイコトリエンB4(LTB4)又はその誘導体の製
造法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
ロイコトリエン類は強い生理活性を有し、例えばロイ
コトリエンB4は強い白血球誘引作用を示すことが知られ
ている。このため、これらロイコトリエン類の合成法が
種々提案されているが、これらの合成法は問題が多い。
例えば、ロイコトリエンB4の合成法は各種知られてい
るが、大部分は糖由来の光学活性中間体を使用して煩雑
な工程を経由する合成法である。これに対し、糖由来の
光学活性中間体を用いない方法としては次のものが知ら
れている。
(1)インオン誘導体を光学活性な水素化ホウ素試剤で
不斉水素還元して得られる光学活性なインオール誘導体
を出発原料とする方法(Nicolaou等,J.A.C.S.,106,3548
(1984))。
(2)酵素による不斉還元や不斉加水分解を利用して得
られる光学活性なα−オキシアルデヒドを出発原料とす
る方法(C.J.Sih等,J.O.C..,51,1253(1986))。
しかし、上述の(1),(2)の方法はいずれも高価
な不斉還元剤を必要としたり、不斉反応の収率及び選択
率が悪かったりして、高純度のロイコトリエンを大量に
製造する方法としては実用的でない。
本発明は上記従来技術の問題点を解決し、ロイコトリ
エンB4又はその誘導体を有利に合成する方法を提供する
ことを目的とする。
〔問題点を解決するための手段及び作用〕
本発明者は、種々の光学活性アリルアルコール誘導体
につき鋭意検討を行っているうち、後述する反応式に従
うことにより、下記一般式〔I〕 (式中、Xはハロゲン原子、Zは水素原子又は水酸基の
保護基、n−Amはn−アミル基を示す。)で表わされる
新規な光学活性なハロゲン置換アリルアルコールと、下
記一般式〔II〕 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基、Z′は水素原
子又は水酸基の保護基を示す。) で表わされる新規な光学活性なアセチレン置換アリルア
ルコールが得られることを見い出すと共に、これら
〔I〕,〔II〕のアリルアルコールを互に反応させるこ
とにより、下記一般式〔III〕、即ち (式中、Z,Z′,R及びn−Amは前記と同じ意味を示
す。) で表わされるロイコトリエンB4又はその誘導体が好収率
で工業的有利に合成し得ることを知見し、本発明を完成
するに至ったものである。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明に係る〔III〕式のロイコトリエンB4又はその
誘導体の製造法は、上記〔I〕式の光学活性なハロゲン
置換アリルアルコールと〔II〕式の光学活性なアセチレ
ン置換アリルアルコールとを反応させるものである。
ここで、〔I〕,〔II〕式において、Xのハロゲン原
子としてはCl,Br,I等が挙げられ、水酸基の保護基とし
ては、トリアルキルシリル基(例えばトリメチルシリル
基,t−ブチルジメチルシリル基,フェニルジメチルシリ
ル基)、アルコキシアルキル基(例えばメトキシメチル
基,エトキシエチル基,テトラヒドロピラニル基)、ア
ラルキルオキシアルキル基(例えばベンジルオキシメチ
ル基)、トリチル基更にはアシル基(例えばアセチル
基,p−ニトロベンゾイル基)が挙げられる。
上記〔I〕,〔II〕式の化合物は新規物質であり、こ
れらの化合物は下記方法によって製造することができ
る。
一般式〔I〕の化合物の合成 (式中、R1,R2,R3,R1,R2,R3はそれぞれ炭素数1〜
5のアルキル基、Z,Xは前記に同じ。) ここで、(a)式の化合物にR1R2R3SnLiを反応させる
にあたり、R1R2R3SnLiが(a)の化合物に対し小過剰モ
ルになるように用いることが好ましい。反応温度は特に
制限されないが、−40℃〜80℃で反応させることが好適
であり、通常室温で1〜5時間で反応は完了する。反応
溶媒は、反応に直接関与しない溶媒、例えばジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエ
ーテル系溶媒に、必要に応じヘキサンやヘキサメチルホ
スホトリアミドやジメチルスルホキシドを添加した溶媒
を用いることができる。
なお、得られた化合物が水酸基の保護基を有する場
合、保護基を上記の反応の後、常法に従い、脱保護或い
は加水分解処理によって水素原子に変換することもでき
る。また逆に、水酸基を保護或いはエステル化すること
もできる。
また、(b)式の化合物とハロゲン分子(X2)とを反
応させて本発明の出発原料である〔I〕式の化合物を製
造するにあたり、ハロゲン分子が小過剰モルになるよう
に用いることが好ましく、反応温度は−80℃〜40℃とし
て反応させることが好適であり、通常−20℃〜20℃にお
いて0.1〜2時間で反応は完了する。反応溶媒は、反応
に直接関与しない溶媒で後処理の容易さなどからなるべ
く低沸点の溶媒が好ましく用いられ、例えばジエチルエ
ーテル、ジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、塩化
メチレン,ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、ベン
ゼン等の芳香族溶媒などが挙げられる。
なお、水酸基の保護基を有する化合物の場合、上記の
反応の後、上述したように脱保護或いは加水分解処理に
よってHに変換することもできる。また逆に水酸基を保
護或いはエステル化することもできる。
更に、上記〔I〕式の化合物は下記方法によっても合
成できる。
この合成法において、反応条件としては(c)の化合
物とハロゲン分子(X2)とを反応させるにあたり、ハロ
ゲン分子が小過剰モルになるように用いることが好まし
い。反応温度は−80℃〜40℃が好適で、通常−20℃〜20
℃において0.1〜2時間で反応は完了する。反応溶媒
は、反応に直接関与しない溶媒で後処理の容易さなどか
らなるべく低沸点の溶媒が好ましく用いられ、例えばジ
エチルエーテル,ジメチルエーテルなどのエーテル系溶
媒、塩化メチレン,ジクロロエタンなどのハロゲン系溶
媒、ベンゼン等の芳香族溶媒などが挙げられる。
なお、上述した(b)の化合物は新規物質である。
一般式〔II〕の化合物の合成 上記合成法において、〔I′〕の化合物とトリアルキ
ルシリルアセチレン(R1R2R3SiC≡CH)とを反応させる
にあたり、トリアルキルシリルアセチレンが小過剰にな
るように用いることが好ましく、反応温度は−80℃〜40
℃とすることが好適で、通常−20℃〜20℃において0.1
〜100時間で反応は完了する。反応溶媒はベンゼン等の
芳香族溶媒を使用することができる。
また、(c)式の化合物から〔II〕の化合物を得る場
合は、(c)式の化合物の−C−SiR1R2R3基の脱シリル
条件が一般的に用いられるが、Z′の保護基の種類によ
っては、それらに影響を与えない方法や逆に場合によっ
てはそれらを同時に脱保護させる方法が選ばれる。一例
としては(c)の化合物のテトラヒドロフラン:エタノ
ール:水=1:1:1溶液を調製し、0℃で硝酸銀、次いで
シアン化カリを加え、攪拌する方法により、Z′に影響
を与えないで〔II〕式の化合物を得ることができる。
なお、上記(c)式の化合物も新規物質である。
而して、本発明に係るロイコトリエンB4又はその誘導
体の製造法、即ち一般式〔I〕の化合物と一般式〔II〕
の化合物の反応は、化合物〔II〕にハイドロボランを作
用させておき、これと化合物〔I〕を2当量以上の塩基
及びパラジウム触媒の存在下で反応させる条件が好適で
ある。
ここで、ハイドロホランとしては、例えばジサイアミ
ルボラン 1,3,2−ベンゾジオキサボロオール が挙げられる。パラジウム触媒としては、例えばテトラ
キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド、パラジ
ウムジアセテートが挙げられる。塩基としては、水酸化
ナトリウム水溶液、ナトリウムアルコキシドのアルコー
ル溶液、酢酸カリウム等が挙げられる。溶媒としては、
テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒、ベンゼン
のような芳香族系溶媒が好適に用いられる。
この場合、反応温度は−80℃〜40℃とすることが好ま
しい。また、反応時間は通常0.1〜10時間である。
なお、上記方法に従って得られる一般式〔III〕 の化合物において、水酸基の保護基の脱保護や水酸基の
保護は常法によって行なうことができる。また、精製法
等も公知の方法を採用し得る。
〔発明の効果〕
一般式〔I〕の化合物と一般式〔II〕の化合物との反
応により、従来法に比し高純度のロイコトリエンB4を好
収率で製造することができる。
以下、実施例と参考例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。
なお、下記の例において、Meはメチル基、Etはエチル
基、Prはプロピル基、Buはブチル基、Amはアミル基、Ph
はフェニル基を示す。
実施例1 BH3のTHF溶液(1M)並びに2−メチル−2−ブデンの
THF溶液(2M)より調製したジサイアミンボランのTHF溶
液(8.7ml,0.5M,4.38mmol)を0℃に冷却した化合物〔I
Ia〕(863mg,2.92mmol)のTHF溶液(25ml)に滴下し
た。0℃で1時間かきまぜ、薄層クロマトグラフィーで
化合物〔IIa〕が消失したことを確認した後、2N−NaOH
水溶液(8.75ml,17.5mmol)をゆっくり加えた。10分
後、化合物〔Ia〕(1.67g,4.09mmol)並びにPd(PPh3)4
(168mg,0.15mmol)を加えた。この混合物を約50℃に加
熱しながら16時間激しくかきまぜた後、飽和NH4Cl水溶
液に注ぎ、生成物をエーテルで3回抽出した。エーテル
層を集め、MgSO4上で乾燥した。エーテルを留去し、残
液を脱酸素したシリカゲルカラムで精製すると、化合物
〔IIIa〕が1.16g(収率70.4%)得られた。
〔化合物〔IIIa〕の特性値〕 IR(neat):3000,1706,1252,1080,836,774cm-1 1H−NMR(90MHz,CDCl3)δ:0.02(S,3H),0.04(S,9
H),0.85(S,12H),0.88(S,9H),1.1−2.5(m,16H),
3.16(q,J=6.5Hz,1H),4.36−4.67(m,1H),5.2−6.7
(m,8H), 1H−NMR(500MHz,CDCl3)δ:0.02(S,3H),0.05(S,6
H),0.07(S,3H),0.88(t,3H),0.88(S,9H),0.91
(S,9H),1.23−1.78(m,10H),2.01(q,J=7Hz,2H),
2.22−2.38(m,4H),4.18(q,J=7Hz,1H),4.57(q,J=
7Hz,1H),5.38(m,2H),5.44(dt,J=12,7Hz,1H),5.72
(dd,J=7,14Hz,1H),5.96(t,J=12Hz,1H),6.19(m,2
H),6.36(dd,J=12,14Hz,1H) 13C−NMR(22.5MHz,CDCl3)δ:179.8,137.8,134.9,13
3.8,132.0,129.3,128.1,127.1,125.2,73.3,68.8,37.8,3
6.5,34.1,31.6,29.4,27.5,26.0,22.6,20.7,18.3,18.2,1
4.1,−4.1,−4.3,−4.7 〔α〕▲25 D▼:+4.33°(C 0.60,CHCl3) 実施例2 アルゴン雰囲気下、化合物〔IIIa〕(648mg,1.15mmo
l)のTHF溶液(15ml)中に、n−Bu4NF(11.5ml,11.5mm
ol,THF中1モル)を加え、室温下で18時間かきまぜた。
反応溶液をMcIlvaineの緩衝液(pH〜4)中に注ぎ、エ
ーテルで抽出した。この有機層をもう一度緩衝液で洗
い、最後に飽和食塩水で洗った。新たにエーテルを用意
し、上で使用した緩衝液、飽和食塩水を逆抽出した。こ
の操作を3回行い、エーテル溶液を無水硫酸マグネシウ
ム上で乾燥した。減圧下エーテルを留去し、残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、化合物
〔IIIb〕(ロイコトリエンB4)が310mg得られた(80.2
%)。
〔ロイコトリエンB4の特性値〕 〔α〕▲25 D▼:+13.1°(C 0.26,CDCl3)lit〔α〕▲
25 D▼+12.6°(C 0.46,CDCl3):JOC,51,1253(1986) 参考例1(化合物〔Ia〕の合成) アルゴン雰囲気下、(E)−1−トリ−n−ブチル錫
−2−トリメチルシリルエテン6.2g(16mmol)のTHF溶
液(25ml)を−78℃に冷却後、n−BuLi(10ml,15.3mmo
l)を滴下し、1時間攪拌した。この溶液に化合物
(1)(1.2g,8.2mmol)を加え、1時間攪拌後、飽和NH
4Cl水溶液(10ml)を加えた。有機層をn−ヘキサン(5
0ml×2)で抽出した。集めた混合溶液をMgSO4上で乾燥
し、減圧下に濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマト
グラフィー(n−ヘキサン/Et2O=20/1→3/1)で精製
すると化合物(2)が1.69g(7.0mmol,86%)得られ
た。
〔化合物(2)の特性値〕 1H−NMR(CCl4,PhH)δ:0.10(S,9H),0.90(t,J=6.
6Hz,3H),1.1−1.6(m,6H),1.86−2.14(m,2H),2.22
(t,2H,J=6Hz),3.98(dt,J=4Hz,6Hz,1H),5.14−5.6
0(m,2H),5.74(d,J=18.6Hz,1H),6.02(dd,J=18.6H
z,3.8Hz,1H) IR(neat):3340,1610,1240,830cm-1 13C−NMR(CDCl3)δ:148.0,133.3,129.2,124.5,73.
8,35.1,31.5,29.3,27.4,22.4,14.0,−1.4 アルゴン雰囲気下、Ti(OPrι(0.65ml,2.18mmo
l)のCH2Cl2(15ml)溶液を−21℃に冷却後、L−
(+)−酒石酸ジイソプロピル(0.55ml,2.61mmol)を
加えた。更に10分攪拌した後、化合物(2)(522mg,3.
3ml)のCH2Cl2(4ml)を加えた。10分攪拌後、TBHP(3.
397M/CH2Cl2)を0.95ml(3.26mmol)を加え、−21℃で
3.5時間攪拌した。反応混合液にMe2S(0.5ml)を加え、
−21℃で30分攪拌した後、10%酒石酸を0.5ml加えた反
応液をセライト過して減圧下濃縮した。得られた粗生
成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、化
合物(3)(230mg,44%)及び化合物(4)(243mg,44
%)を得た。
〔化合物(3)の特性値〕 〔α〕▲25 D▼:+7.59°(C 1.37,CHCl31H−NMR,IR,13C−NMRは化合物(2)と同じ。
〔化合物(4)の特性値〕 1H−NMR(CCl4,PhH)δ:0.05(S,9H),0.90(t,J=6H
z,3H),1.1−1.7(m,6H),1.87−2.18(m,2H),2.15−
2.38(m,3H),2.62(brs 1H),2.73(t,J=3Hz,1H),2.
65(dt,J=4Hz,6Hz,1H),5.20−5.70(m,2H) IR(neat):3420,1243,840cm-1 〔α〕▲25 D▼:4.23°(C 1.13,CHCl3 アルゴン雰囲気下、3Aモレキュラーシーブ(1g)、CH
2Cl2(15ml)、Ti(OPrι(1.4ml,4.7mmol)を−20
℃に冷却した。D(−)−酒石酸ジイソプロピル(1.2m
l、5.7mmol)を加え、10分間攪拌後、化合物(3)(3.
65g,15mmol)のCH2Cl2溶液(8ml)を加えた。混合液を
−40℃に冷却後、TBHP(4.09M/CH2Cl2)(7.5ml,30.6mm
ol)を滴下した。混合液を−21℃で4時間攪拌後、Me2S
(4ml),10%酒石酸水溶液(4ml)を加え、セライト
過した。溶媒を減圧下留去し、粗生成物をシリカゲルク
ロマトグラフィー(n−ヘキサン/Et2O=10/1→3/1,0.
5%Et3N)により精製し、化合物(5)(3.3g,85%)を
得た。
〔化合物(5)の特性値〕 〔α〕▲25 D▼:−4.25°(C 1.15,CHCl3H−NMR,IRは化合物(4)と同じ。
化合物(5)(2.78g,10.8mmol)、イミダゾール(1.
5g,22mmol)、DMF(20ml)を0℃に冷却し、t−ブチル
ジメチルクロロシラン(2.5g,16.5ml)を加えた。混合
液を室温で3時間攪拌後、飽和NaHCO3水溶液(30ml)を
加えた。n−ヘキサン(50ml×2)で抽出した後、生成
物をMgSO4上で乾燥した。濃縮後、得られた粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/
Et2O=50/1→10/1,0.5%,Et3N)により精製し、化合物
(6)(4.04g,〜100%)を得た。
〔化合物(6)の特性値〕 〔α〕▲25 D▼:−0.18°(C 1.11,CHCl31H−NMR(CCl4,PhH)δ:0.03(S,6H),0.06(S,9H),
0.88(m,12H),1.1−1.7(m,6H),1.90−2.16(m,2H),
2.02(d,J=3Hz,1H),2.26(t,J=5Hz,2H),2.59(dd,J
=4Hz,5Hz,1H),3.46(q,J=5Hz,1H),5.18−5.70(m,2
H) IR(neat):1250,1090,840cm-1 ιPr2NH(4.2ml,30mmol)とnBuLi(11.0ml,20mmol)よ
り調製したリチウムジイソプロピルアミドのTHF(20m
l)溶液に0℃でBu3SnH(3.5ml,13.0mmol)を加え、30
分攪拌した。混合液に化合物(6)(4.04g,10.8mmol)
を加え、有機層をn−ヘキサン(40ml)で抽出した。溶
媒を減圧下留去し、得られた粗生成物をシリカゲルクロ
マトグラフィーにより精製し、化合物(7)(5.68g,92
%)を得た。
〔化合物(7)の特性値〕 1H−NMR(CCl4,PhH)δ:0.07(S,9H),0.92(m,24
H),1.10−2.3(m),3.89−4.13(m,1H),5.27−5.47
(m,2H),5.95(m,2H) IR(neat):1605,1070,840cm-1 化合物(7)(2.21g,3.88mmol)のEt2O(20ml)溶液
を0℃に冷却し、沃素(1.04g,4.09mmol)を加えて30分
攪拌した混合液に飽和Na2S2O3水溶液(20ml)を加え、
生成物をn−ヘキサン(30ml)で抽出し、3N−NaOH水溶
液(10ml)で洗浄し、MgSO4上で乾燥した。溶媒を減圧
下留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ
ー(n−ヘキサン→n−ヘキサン/Et2O=10/1)により
精製し、化合物〔Ia〕(1.52g,96%)を得た。
〔化合物〔Ia〕の特性値〕 〔α〕▲25 D▼:+7.15°(C 2.06,CHCl31H−NMR(CCl4,PhH)δ:0.06(S,9H),0.88(m,12
H),1.10−1.7(m,6H),1.88−2.12(m,2H),2.22(t.J
=6Hz,2H),4.07(q,J=6Hz,1H),5.12−5.63(m,2H),
6.16(d,J=15Hz,1H),6.47(dd,J=6Hz,15Hz,1H) IR(neat):1605,1250,1080cm-1 13 C−NMR(CDCl3)δ:148.8,132.6,124.2,75.6,75.1,3
5.8,31.6,29.3,27.5,25.8,22.6,18.2,14.0,−4.6,−4.8 参考例2(化合物〔IIa〕の合成) 化合物(8)(7.0g,54mmol)のTHF溶液(30ml)を−
78℃に冷却した。この溶液に化合物(9)のTHF−n−
ヘキサン溶液を滴下した。−78℃で30分間かきまぜた
後、水層をベンゼンで抽出した。集めたベンゼン溶液を
MgSO4上で乾燥し、減圧下濃縮した。粗生成物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:Et2O=
30:1→3:1)で精製すると化合物(10)が6.92g(収率5
5.9%)得られた。
〔化合物(10)の特性値〕 IR(neat):3400,1727,842cm-1 1 H−NMR(CCl4)δ:5.97(dd,J=18.3,3.6Hz,1H),5.77
(d,J=18.3Hz,1H),4.08−3.86(m,1H),3.58(S,3
H),3.02(brs,1H),2.26(t,J=7Hz,2H)2.05−1.25
(m,4H),0.07(S,9H)13 C−NMR(CDCl3)δ:174.0,148.3,129.4,74.0,51.4,3
6.2,33.8,20.8,−1.4 化合物(10)(4.0g,17.4mmol),Ti(OιPr)(5.
18ml,17.4mmol),D(−)−酒石酸ジイソプロピル(4.4
3ml,20.9mmol),t−ブチルハイドロパーオキサイド(6.
9ml,CH2Cl2中3.78モル,26.1mmol),CH2Cl2(120ml)を
用い、不斉エポキシ化反応と同じ操作を行い(−21℃,2
0h;ワークアップ:Me2S(2.6ml,34.8mmol),10%酒石酸
(〜8ml),Et2O(120ml),NaF(30g))、化合物(1
1)を1.71g(42.8%)並びにエポキシド(12)を1.93g
(45.1%)を得た。
〔化合物(11)の特性値〕 〔α〕▲25 D▼:+6.78°(C 1.75,CHCl3) 〔化合物(12)の特性値〕 IR(neat):3410,1726,1248,843cm-1 1H−NMR(CDCl3)δ:−0.08(S,9H),1.2−1.8(m,4
H),2.08−2.29(m,3H),2.62(t,J=5.1Hz,1H),2.82
(br d,J=2.4Hz,1H),3.46(S,3H),3.40−3.62(m,1
H) 13C−NMR(CDCl3)δ:173.4,69.5,58.1,50.9,47.5,3
3.6,33.0,20.5,−4.1 〔α〕▲25 D▼:+6.74°(C 1.75,CHCl3 0℃に冷却した化合物(11)(1.71g,7.43mmol)のCH
2Cl2溶液(30ml)に臭素(0.39ml,7.5mmol)を滴下し
た。10分後TLCで化合物(11)が消失したことを確認し
た。この溶液をNa2S2O3水溶液及び飽和NaHCO3水溶液の
混合水溶液に注いだ。生成物をn−ヘキサンで2回抽出
した。ヘキサン層をMgSO4上で乾燥し、濃縮すると臭素
の付加物が得られた。
上で得た粗生成物をTHF(15ml)に溶かし、0℃に冷
却した。この溶液にn−Bu4NF(14ml,8.8mmol,THF中0.6
3mol)を滴下し、10分間かきまぜた。原料の消失を確認
した後、飽和NaCl水溶液に注いだ。生成物はエーテルで
3回抽出した。集めた有機層をMgSO4上で乾燥し、濃縮
すると化合物(13)が1.7g得られた(収率100%)。こ
のものは精製することなしに次の反応に供した。なお、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製する
と、次のようなデーターを得られた。
〔化合物(13)の特性値〕 1H−NMR(CCl4)δ:1.23−1.88(m,7H),2.17−2.38
(m,2H),3.56(S.3H),4.37−4.61(m,1H),5.82−6.3
8(m,2H) 化合物(13)(1.7g)をDMF(20ml)に溶かし、0℃
に冷却した。この溶液にイミダゾール(1.52g,22.3mmo
l)並びにt−ブチルジメチルクロルシラン(1.68g,11.
1mmol)を加え、室温で一夜かきまぜた。DMF溶液を飽和
NaHCO3水溶液に注ぎ、生成物をn−ヘキサンで3回抽出
した。ヘキサン層をMgSO4上で乾燥し、濃縮すると化合
物(14)の粗生成物が得られた。シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製すると化合物(14)が1.92g
(化合物(11)からの収率73.6%)得られた。
〔化合物(14)の特性値〕 IR(neat):1737,1249,1088,836,779cm-1 1H−NMR(CCl4)δ:0.02(S,3H),0.07(S,3H),0.88
(S,9H),1.18−1.84(m,4H),2.11−2.38(m,2H),3.5
8(S,3H),4.36−4.69(m,1H),5.93−6.18(m,2H) 13C−NMR(CDCl3)δ:173.4,138.5,106.1,70.6,51.1,
36.4,33.9,25.8,20.5,18.0,−4.5,−4.9 アルゴン雰囲気下、化合物(14)(1.54g,4.39mmo
l)、Me3SiC≡CH(1.24ml,8.78mmol)、n−PrNH2(1.0
8ml,13.2mmol)のベンゼン溶液(20ml)にCuI(58mg,0.
31mmol)、Pd(PPh3)4(152mg,0.13mmol)を加えた。室
温下、暗所で20時間かきまぜた後、飽和NH4Cl水溶液中
に注いだ。ヘキサンで3回抽出し、MgSO4上で乾燥した
後、濃縮すると化合物(15)が得られた。このものは精
製することなしに次の反応に供した。なお、シリカゲル
カラムクロマトグラフィーで精製すると次のようなデー
タが得られた。
〔化合物(15)の特性値〕 1H−NMR(CCl4)δ:0.01(S,3H),0.06(S,3H),0.18
(S,9H),0.88(S,3H),1.30−1.82(m,4H),2.11−2.3
8(m,2H),3.58(S,3H),4.48−4.76(m,1H),5.39(d,
J=11.1Hz,1H),5.80(dd,J=8.4,11.1Hz,1H) 化合物(15)をTHF(15ml)、EtOH(15ml)、H2O(15
ml)に溶かし、0℃に冷却した。この中にAgNO3(2.98
g,17.6mmol)を加えた。約15分後、KCN(2.0g,30.7mmo
l)を少しつづ加えていった。0℃で約3時間かきまぜ
た後、飽和NaCl水溶液に注いだ。生成物はヘキサンで3
回抽出した。ヘキサン層を1つに集め、MgSO4上で乾燥
した。溶媒を留去し、得られた残液をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで生成すると化合物〔IIa〕が1.24g
(化合物(14)からの収率95.4%)得られた。
〔化合物〔IIa〕の特性値〕 〔α〕▲25 D▼:+49.6°(C 1.15,CHCl3) IR(neat):3290,1737,1249,1083,838,774cm-1 1H−NMR(CCl4)δ:0.01(S,3H),0.04(S,3H),0.88
(S,9H),1.37−1.83(m,4H),2.08−2.34(m,2H),2.9
9(d,J=3.0Hz,1H),3.57(S,3H),4.47−4.73(m,1
H),5.38(dd,J=3.0,11.1Hz,1H),5.87(dd,J=8.4,1
1.1Hz,1H) 13C−NMR(CDCl3)δ:173.0,148.0,107.4,82.5,79.5,
70.2,50.8,36.8,33.6,25.7,20.4,17.9,−4.6,−5.1

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔I〕 (式中、Xはハロゲン原子、Zは水素原子又は水酸基の
    保護基、n−Amはn−アミル基を示す。)で表わされる
    光学活性なハロゲン置換アリルアルコールと、一般式
    〔II〕 (式中、Rは炭素数1〜5のアルキル基、Z′は水素原
    子又は水酸基の保護基を示す。) で表わされる光学活性なアセチレン置換アリルアルコー
    ルとを反応させることを特徴とする一般式〔III〕 (式中、Z,Z′,R及びn−Amは前記と同じ意味を示
    す。) で表わされるロイコトリエンB4又はその誘導体の製造
    法。
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