JPH0858251A - カラー画像形成用熱転写記録媒体 - Google Patents

カラー画像形成用熱転写記録媒体

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JPH0858251A
JPH0858251A JP6201784A JP20178494A JPH0858251A JP H0858251 A JPH0858251 A JP H0858251A JP 6201784 A JP6201784 A JP 6201784A JP 20178494 A JP20178494 A JP 20178494A JP H0858251 A JPH0858251 A JP H0858251A
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淳 曽我部
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着色インク層と基材との間にワックスを主成
分とする離型層を有する熱転写記録媒体を用いて多色の
カラー画像を形成する際に、先に転写されたインクドッ
ト上に次に転写されるインクドットが完全に転写するよ
うにして、色再現性よく多色のカラー画像をうることを
目的とする。 【構成】 イエローの熱溶融性インク層、マゼンタの熱
溶融性インク層およびシアンの熱溶融性インク層と基材
との間に設けられる離型層の溶融粘度を各色のインク層
の転写順位に従って、段階的に低く設定したことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンタ、ファクシミ
リなどの熱転写記録装置に用いる熱転写記録媒体に関す
る。さらに詳しくは、異なる色のインクドットの重ね合
せによる減法混色により色を発現する領域を含む多色の
カラー画像の形成に好適に用いられる熱転写記録媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、表面の平滑性に劣る紙(以下、ラフ紙という)に
も良好な画像を形成するための熱転写記録媒体として、
基材上に橋かけ転写性の熱溶融性インク層(ラフ紙の凹
部に橋をかけるように凸部にのみ付着するように転写し
うるインク層をいう)を設けたものが知られている。橋
かけ転写性のインク層は転写時の凝集力を大きくしかつ
ラフ紙に対する接着性を高めるため、樹脂を多く含有す
る組成とされているが、そうすると基材との接着性が高
くなるための転写性がわるくなる。そのため一般に基材
とインク層との間に低融点、低溶融粘度のワックスを主
成分とする離型層を設けることが行なわれている。
【0003】一方、イエロー、マゼンタ、シアンの熱溶
融性インク層の2種以上を被転写紙上に重ね転写し、異
なる色のインクドットを受像体上で重ね合わせて、減法
混色により色が発現される領域を含む多色のカラー画像
を形成することが行なわれている。
【0004】前記構成の橋かけ転写性の熱転写記録媒体
を用いて多色のカラー画像を形成しようとするばあい、
受像体上に転写されたインクドットの表面側には離型層
が存在することになる。このインクドットの上に他の色
のインクドットを重ね転写しようとすると、先に転写さ
れているインクドットの表面の離型層につぎに転写しよ
うとするインク層が重ねられることになる。
【0005】以下において、受像体上に直接転写された
インクドットを一次色インクドット、一次色インクドッ
トの上に転写されたインクドットを二次色インクドッ
ト、二次色インクドットの上に転写されたインクドット
を三次色インクドットというばあいがある。また前記一
次色インクドット、二次色インクドットおよび三次色イ
ンクドットを与えるインク層をそれぞれ一次色インク
層、二次色インク層および三次色インク層というばあい
がある。
【0006】しかしながら、前記構成の橋かけ転写性の
熱転写記録媒体を用いて多色のカラー画像を形成するば
あい、一次色インクドットの上に転写されるべき二次色
インクドットが完全には転写されず、また二次色インク
ドットの上に転写されるべき三次色インクドットが完全
には転写されず、そのため減法混色による色の発現が良
好に行なわれず、色再現性が劣り、良好な多色のカラー
画像がえられないという問題があった。
【0007】この点を図面を参照して説明する。
【0008】図5は、受像体(ラフ紙)上に形成されて
いる一次色インクドットの上に二次色インクドットを転
写する状況を示す概略断面図である。図5において、ラ
フ紙P上に一次色インクドットD1が形成されている。
一次色インクドットD1は着色インク層12(D1)と
その上に位置する離型層13(D1)とからなる。一次
色インクドットD1が形成されているラフ紙P上に熱転
写記録媒体10のインク層(二次色インク層I2)を重
ね、サーマルヘッドT(図5では1個の発熱素子のみを
示している)で基材11側から加熱し、ついで熱転写記
録媒体10をラフ紙Pから引き剥すと、二次色インクド
ットD2が一次色インクドットD1上に形成されること
になる。二次色インクドットD2は着色インク層12
(D2)とその上に位置する離型層13(D2)とから
なる。
【0009】ラフ紙P上に形成された一次色インクドッ
トD1上に二次色インクドットD2を重ね転写するばあ
い、一次色インクドットD1の離型層13(D1)に二
次色インクドットD2の着色インク層12(D2)が接
着されることになる。
【0010】ここで、一次色インクドットD1の離型層
13(D1)の内部凝集力をF1、二次色インクドット
D2の離型層13(D2)の内部凝集力をF2とする
と、一般に離型層13(D1)と離型層13(D2)の
組成は同じであるから、F1とF2は同じ大きさであ
る。そのため、図5において、熱転写記録媒体10がラ
フ紙Pから剥離される際に、二次色インクドットD2の
離型層13(D2)内で剥離が生じる可能性と、一次色
インクドットD1の離型層13(D1)内で剥離が生じ
る可能性とがほぼ同程度になり、その結果二次色インク
ドットD2の一部分は一次色インクドットD1上に転写
するが、他の部分は熱転写記録媒体10側に残留し、そ
の結果発熱素子の形状どおりの完全な二次色インクドッ
トD2が一次色インクドットD1上にえられないという
ことが生じる。二次色インクドット上に三次色インクド
ットを転写するばあいにも前記と同様なことが生じる。
【0011】本発明は前記の点に鑑みて、着色インク層
と基材との間にワックスを主成分とする離型層を有する
熱転写記録媒体を用いて多色のカラー画像を形成する際
に、一次色インクドット上に二次色インクドットが、さ
らには二次色インクドットの上に三次色インクドットが
完全に転写するようにして、色再現性よく良好な多色の
カラー画像をうることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、イエローの熱
溶融性インク層、マゼンタの熱溶融性インク層およびシ
アンの熱溶融性インク層のうちの少なくとも2種を受像
体上に所定の順序で選択的に熱転写して、(A1)前記
イエロー、マゼンタおよびシアンの熱溶融性インクのう
ちの少なくとも2種のインクドットが重ね合わされた状
態で存在し、減法混色により色が発現される領域からな
るカラー画像、または(B1)前記領域(A1)と、前
記イエロー、マゼンタおよびシアンの熱溶融性インクの
うちの少なくとも1種のインクドットが重ね合わされな
い状態で存在する単色の領域とからなるカラー画像を形
成するために使用する熱転写記録媒体であって、単一の
基材上に、イエローの熱溶融性インク層、マゼンタの熱
溶融性インク層およびシアンの熱溶融性インク層が所望
の順序で配置され、前記基材と各色のインク層との間
に、ワックスを主成分とする離型層が各色のインク層に
対応してそれぞれ設けられ、該各色のインク層に対応す
る離型層の所定温度における溶融粘度が、各色のインク
層の転写順位に従って、段階的に低く設定されているこ
とを特徴とするカラー画像形成用熱転写記録媒体(第1
発明)に関する。
【0013】本発明はさらに、イエローの熱溶融性イン
ク層、マゼンタの熱溶融性インク層、シアンの熱溶融性
インク層およびブラックの熱溶融性インク層のうちの少
なくとも3種を受像体上に所定の順序で選択的に熱転写
して、(A1)前記イエロー、マゼンタおよびシアンの
熱溶融性インクのうちの少なくとも2種のインクドット
が重ね合わされた状態で存在し、減法混色により色が発
現される領域、ならびに(A2)前記イエロー、マゼン
タおよびシアンの熱溶融性インクの少なくとも1種のイ
ンクドットの上にブラックのインクが重ね合わされた状
態で存在し、ブラックを呈する領域からなるカラー画
像、または(B2)前記領域(A1)および領域(A
2)と、前記イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラッ
クの熱溶融性インクのうちの少なくとも1種のインクド
ットが重ね合わされない状態で存在する単色の領域とか
らなるカラー画像を形成するために使用する熱転写記録
媒体であって、単一の基材上に、イエローの熱溶融性イ
ンク層、マゼンタの熱溶融性インク層、シアンの熱溶融
性インク層およびブラックの熱溶融性インク層が所望の
順序で配置され、前記基材と各色の熱溶融性インク層と
の間に、ワックスを主成分とする離型層が各色のインク
層に対応してそれぞれ設けられ、前記イエロー、マゼン
タ、シアンおよびブラックの各色のインク層に対応する
離型層の所定温度における溶融粘度が、各色のインク層
の転写順位に従って、段階的に低く設定されていること
を特徴とするカラー画像形成用熱転写記録媒体(第2発
明)に関する。
【0014】本発明はさらに、イエローの熱溶融性イン
ク層、マゼンタの熱溶融性インク層およびシアンの熱溶
融性インク層のうちの少なくとも2種を受像体上に所定
の順序で選択的に熱転写して、(A1)前記イエロー、
マゼンタおよびシアンの熱溶融性インクのうちの少なく
とも2種のインクドットが重ね合わされた状態で存在
し、減法混色により色が発現される領域からなるカラー
画像、または(B1)前記領域(A1)と、前記イエロ
ー、マゼンタおよびシアンの熱溶融性インクのうちの少
なくとも1種のインクドットが重ね合わされない状態で
存在する単色の領域とからなるカラー画像を形成するた
めに使用する熱転写記録媒体であって、別々の基材上
に、イエローの熱溶融性インク層、マゼンタの熱溶融性
インク層およびシアンの熱溶融性インク層がそれぞれ設
けられ、前記各基材と各色のインク層との間に、ワック
スを主成分とする離型層が各色のインク層に対応してそ
れぞれ設けられ、該各色のインク層に対応する離型層の
所定温度における溶融粘度が、各色のインク層の転写順
位に従って、段階的に低く設定されていることを特徴と
するカラー画像形成用熱転写記録媒体(第3発明)に関
する。
【0015】本発明はさらに、イエローの熱溶融性イン
ク層、マゼンタの熱溶融性インク層、シアンの熱溶融性
インク層およびブラックの熱溶性インク層のうちの少な
くとも3種を受像体上に所定の順序で選択的に熱転写し
て、(A1)前記イエロー、マゼンタおよびシアンの熱
溶融性インクのうちの少なくとも2種のインクドットが
重ね合わされた状態で存在し、減法混色により色が発現
される領域、ならびに(A2)前記イエロー、マゼンタ
およびシアンの熱溶融性インクの少なくとも1種のイン
クドットの上にブラックのインクが重ね合わされた状態
で存在し、ブラックを呈する領域からなるカラー画像、
または(B1)前記領域(A1)および領域(A2)
と、前記イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの
熱溶融性インクのうちの少なくとも1種のインクドット
が重ね合わされない状態で存在する単色の領域とからな
るカラー画像を形成するために使用する熱転写記録媒体
であって、別々の基材上に、イエローの熱溶融性インク
層、マゼンタの熱溶融性インク層、シアンの熱溶融性イ
ンク層およびブラックの熱溶融性インク層がそれぞれ設
けられ、前記各基材と各色の熱溶融性インク層との間
に、ワックスを主成分とする離型層が各色のインク層に
対応してそれぞれ設けられ、前記イエロー、マゼンタ、
シアンおよびブラックの各色のインク層に対応する離型
層の所定温度における溶融粘度が、各色のインク層の転
写順位に従って、段階的に低く設定されていることを特
徴とするカラー画像形成用熱転写記録媒体(第4発明)
に関する。
【0016】本発明はさらに、前記第1、第2、第3ま
たは第4発明において、先に転写されるインク層に対応
する離型層の溶融粘度η1 と次の転写されるインク層に
対応する離型層の溶融粘度η2 との間に η2 /η1 <0.7 の関係があることを特徴とするカラー画像形成用熱転写
記録媒体(第5発明)に関する。
【0017】
【作用および実施例】本発明においては、イエローの熱
溶融性インク層、マゼンタの熱溶融性インク層、シアン
の熱溶融性インク層と基材(単一の基材であるばあい
と、別々の基材であるばあいとがある)との間に設けら
れるそれぞれの離型層の所定温度における溶融粘度を各
色のインク層の転写順位に従って、段階的に低く設定し
ている。
【0018】そのため、たとえば図5を参照して説明す
ると、一次色インクドットD1の離型層13(D1)の
内部凝集力F1は二次色インクドットD2の離型層13
(D2)の内部凝集力F2より有意に大きくなる。その
ため、熱転写記録媒体10がラフ紙Pから剥離される際
に、二次色インクドットD2の離型層13(D2)内で
確実に剥離が起り、一方一次色インクドットD1の離型
層(D2)内では剥離が起らないから、発熱素子の形状
どおりのほぼ完全な形状の二次色インクドットD2が一
次色インクドットD1上にえられる。二次色インクドッ
ト上に三次色インクドットを転写するばあいにも前記と
同じことが成立する。
【0019】かくして本発明によるときは、所望の各色
の分解画像がえられるので、所定の減法混色が生じ、そ
のため色再現性の良好な多色のカラー画像をうることが
できる。
【0020】つぎに本発明を詳細に説明する。
【0021】図1は第1発明の熱転写記録媒体の一実施
例を示す部分平面図、図2はその部分断面図である。
【0022】図1〜2において、単一の基材1上に離型
層2R(Y)、離型層2R(M)および離型層2R
(C)が並べて配列されており、そのうえにイエローの
熱溶融性インク層3Y、マゼンタの熱溶融性インク層3
Mおよびシアンの熱溶融性インク層3Cがそれぞれ並べ
て配列されている。インク層3Y、3Mおよび3C(離
型層2R(Y)、2R(M)および2R(C)も同様)
はそれぞれ一定の大きさを有し、それぞれの一定順序の
並びを1つの繰返し単位U1として基材の長手方向に繰
返し並べて配列されている。繰返し単位U1における3
色のインク層の並べ方は3色の転写順位にしたがって適
宜選択できる。
【0023】インク層が3Y、3M、3Cの順序で転写
されるばあい、離型層の溶融粘度は2R(Y)、2R
(M)、2R(C)の順序に段階的に低くされている。
【0024】図3は第2発明の熱転写記録媒体の一実施
例を示す部分平面図、図4はその部分断面図である。
【0025】図3〜4において、単一の基材1上に離型
層2R(Y)、離型層2R(M)、離型層2R(C)お
よび離型層2R(B)が並べて配列されており、そのう
えにイエローの熱溶融性インク層3Y、マゼンタの熱溶
融性インク層3M、シアンの熱溶融性インク層3Cおよ
びブラックの熱溶融性インク層3Bがそれぞれ並べて配
列されている。インク層3Y、3M、3Cおよび3B
(離型層2R(Y)、2R(M)、2R(C)および2
R(B)も同様)はそれぞれ一定の大きさを有し、それ
ぞれの一定順序の並びを1つの繰返し単位U2として基
材の長手方向に繰返し並べて配列されている。繰返し単
位U2における4色のインク層の並べ方は4色の転写順
位にしたがって適宜選択できる。
【0026】インク層が3Y、3M、3C、3Bの順序
で転写されるばあい、離型層の溶融粘度は2R(Y)、
2R(M)、2R(C)、2R(B)の順序に段階的に
低くされる。ブラックのインク層3Bは他の色のインク
層と重ね合わせるばあい、イエロー、マゼンタ、シアン
のインク層3Y、3M、3Cのうちの少なくとも1種の
上にまたは少なくとも2種が重ね合された上に重ね合わ
せてブラック色を呈するようにする。
【0027】なお、ブラックのインク層3Bを他の色の
インク層と重ね合わせないばあい、ブラックのインク層
3Bに対応する離型層2R(B)は他の離型層との間に
溶融粘度に関し、前記特定の関係を持たせる必要はとく
にない。
【0028】第3発明の熱転写記録媒体は、イエローの
熱溶融性インク層、マゼンタの熱溶融性インク層および
シアンの熱溶融性インク層をそれぞれ別々の基材上に離
型層を介在させて設けた3種の熱転写記録媒体の組合せ
からなるものであり、それぞれの離型層は対応するイン
ク層の転写順序に従って段階的に低く設定されている。
【0029】第4発明の熱転写記録媒体は、第3発明の
熱転写記録媒体に、ブラックの熱溶融性インク層を基材
上に離型層を介在させて設けた熱転写記録媒体を加えた
組合せからなるものである。インク層がイエロー、マゼ
ンタ、シアン、ブラックの順序で転写されるばあい、離
型層の溶融粘度はこの順序で段階的に低くされる。ブラ
ックのインク層を他の色のインク層と重ね合わせるばあ
い、イエロー、マゼンタ、シアンのインク層のうちの少
なくとも1種の上にまたは少なくとも2種が重ね合わさ
れた上に重ね合わせてブラック色を呈するようにする。
【0030】なお、ブラックのインク層を他の色のイン
ク層と重ね合わせないばあい、このブラックの熱転写記
録媒体における離型層は他の色の熱転写記録媒体におけ
る離型層との間に溶融粘度に関し、前記特定の関係を持
たせる必要はとくにない。
【0031】前記において、離型層の溶融粘度を規定す
る所定温度は、転写条件に依存して変わるものである
が、通常の印字エネルギー条件(10〜30mJ/mm
2 )下においては100℃における溶融粘度を規定する
ことにより、本発明の目的が達成できる。
【0032】本発明において、イエロー、マゼンタ、シ
アンの各色のインク層に対応する離型層の溶融粘度を各
色の転写順序に従って段階的に低くする方法としては、
離型層に用いるワックスなどの材料の種類、配合割合を
適宜選択する方法を採ることができる。
【0033】たとえば一次色インク層用の離型層(以
下、一次色離型層という)は、高溶融粘度のワックスを
主成分として用いるか、あるいは低溶融粘度のワックス
に熱溶融性樹脂を配合して溶融粘度を調整し、溶融粘度
を高くする。
【0034】二次色インク層用の離型層(以下、二次色
離型層という)は、高溶融粘度のワックスに対して低溶
融粘度のワックスを配合するか、あるいは低溶融粘度の
ワックスに熱溶融性樹脂を配合して溶融粘度を調整し、
溶融粘度を一次色離型層より低くする。
【0035】三次色インク層用の離型層(以下、三次色
離型層という)は、低溶融粘度のワックスを主成分とし
て用い、溶融粘度を二次色離型層より低くする。粘度調
整のために低溶融粘度のワックスに熱溶融性樹脂や高溶
融粘度ワックスを配合してもよい。
【0036】前記高溶融粘度ワックスとしては、たとえ
ばモンタンワックス、セレシンワックスなどの天然ワッ
クス、エステルワックス、ポリエチレンワックス、α−
オレフィン−無水マレイン酸共重合体ワックスなどの合
成ワックス、これら天然ワックス、合成ワックスの酸化
ワックスや変性ワックスなどがあげられる。
【0037】前記低溶融粘度ワックスとしては、たとえ
ばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、木ロウ、密ロウ、カルナバワックス、キャンデリラ
ワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャトロプシ
ュワックス、これらワックスの酸化ワックスや変性ワッ
クス、さらにミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘン酸な
どの高級脂肪酸類、ステアリルアルコール、ドコサノー
ルなどの高級脂肪族アルコール類、高級脂肪酸モノグリ
セリド、ショ糖の高級脂肪酸エステル、ソルビタンの高
級脂肪酸エステルなどの高級脂肪酸エステル類などがあ
げられる。
【0038】前記熱溶融性樹脂(エラストマーを含む)
としては、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン
系共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニルアル
コール系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、スチレ
ン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、天然ゴム、スチレン−ブ
タジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リイソブチレン、ポリブデンなどの1種または2種以上
が使用できる。
【0039】本発明においては、一次色離型層と二次色
離型層、あるいは二次色離型層と三次色離型層との間
に、先に転写される離型層の溶融粘度をη1 、つぎに転
写される離型層の溶融粘度をη2 とするとき、 η2 /η1 <0.7 なる関係が成立するのが好ましい。先に転写される離型
層とつぎに転写される離型層との間にこのような溶融粘
度比を設けることにより、先に転写されているインクド
ットの上に次のインクドットがより確実に完全転写され
る。
【0040】なお、一次色離型層、二次色離型層および
三次色離型層のいずれも溶融粘度が1〜2000cps
/100℃の範囲にあるのが好ましい。溶融粘度が前記
範囲より高いと離型性が劣り、一方前記範囲より低いと
基材との接着剤が劣り、インク落ちが発生する傾向があ
る。したがって一次色離型層、二次色離型層および三次
色離型層はそれらの溶融粘度がこの溶融粘度の範囲内
で、かつ前記溶融粘度差を有するようにするのが好まし
い。
【0041】また、各離型層の溶融温度は50〜90℃
の範囲が好ましい。各離型層の溶融温度が前記範囲より
低いと熱転写記録媒体の保存安定性が低下する傾向にあ
り、一方前記範囲より高いと離型性が劣る傾向にある。
【0042】各離型層の塗布量(乾燥後塗布量をいう、
以下同様)は0.5〜2g/m2 の範囲が好ましい。離
型層の塗布量が前記範囲より少ないと離型性が劣る傾向
にあり、一方前記範囲より多いと転写感度が劣る傾向に
ある。
【0043】各離型層は前記ワックスおよび必要に応じ
て使用する熱可塑性樹脂の溶剤溶液、溶剤分散液または
水性エマルジョンを基材上に塗布、乾燥することによっ
て形成できる。ホットメルトコーティング法で形成する
こともできる。
【0044】本発明におけるイエロー、マゼンタ、シア
ンおよびブラックの各色の熱溶融性インクは溶融粘度の
高い橋かけ転写性の層であり、熱溶融性樹脂を主成分と
するものである。溶融粘度の調整のためにワックスを少
量配合してもよい。
【0045】前記熱溶融性樹脂(エラストマーを含む)
としては、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エステル共重合体などのオレフィン
系共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニルアル
コール系樹脂、石油系樹脂、フェノール系樹脂、スチレ
ン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、天然ゴム、スチレン−ブ
タジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ポ
リイソブチレン、ポリブデンなどの1種または2種以上
が使用できる。
【0046】前記ワックスとしては前記離型層用に例示
したものが適宜選択使用できる。
【0047】各着色インクは軟化温度が45〜90℃、
溶融粘度が103 〜108 cps/160℃であるのが
好ましい。軟化温度が前記範囲未満では熱転写記録媒体
の保存安定性が劣る傾向にあり、一方前記範囲を超える
と転写感度が劣る傾向にある。溶融粘度が前記範囲未満
では橋かけ転写性が劣る傾向にあり、一方前記範囲を超
えると転写感度が劣る傾向にある。
【0048】着色剤としては、この種のカラー画像形成
用熱転写記録媒体に用いられる着色剤がいずれも使用で
きる。イエロー、マゼンタ、シアンの着色剤としては透
明性のものが好ましく用いられる。ブラックの着色剤は
通常不透明性のものが使用される。
【0049】イエローの透明性着色剤としては、たとえ
ばナフトールエローS、ハンザエロー5G、ハンザエロ
ー3G、ハンザエローG、ハンザエローGR、ハンザエ
ローA、ハンザエローRN、ハンザエローR、ベンジジ
ンエロー、ベンジジンエローG、ベンジジンエローG
R、パーマネントエローNCG、キノリンエローレーキ
などの有機顔料やオーラミンなどの染料の1種または2
種以上が使用できる。
【0050】マゼンタの透明性着色剤としては、たとえ
ばパーマネントレッド4R、ブリリアントファストスカ
ーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントカ
ーミンFB、リソールレッド、パーマネントレッドF5
R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレッ
ト3B、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、ア
リザリンレーキなどの有機顔料やローダミンなどの染料
の1種または2種以上が使用できる。
【0051】シアンの透明性着色剤としては、たとえば
ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシニアニンブル
ー、フタロシニアニンブルー、フアストスカイブルーな
どの有機顔料やビクトリアブルーなどの染料の1種また
は2種以上が使用できる。
【0052】ここで、前記透明性顔料とは、透明なビヒ
クル中に分散させたとき、透明に着色されたインクを与
える顔料をいう。
【0053】ブラックの着色剤としては、たとえばカー
ボンブラックなどの無機顔料、アニリンブラックなどの
有機顔料や、ニグロシンなどの染料の1種または2種以
上が使用できる。
【0054】各着色インク層中における着色剤の含有量
は通常10〜50重量%程度が適当である。
【0055】各着色インク層の塗布量は1〜6g/m2
程度が適当である。
【0056】各着色インク層は、前記熱溶融性樹脂およ
び必要により使用するワックスを適宜の溶剤に溶解し、
これに着色剤を分散、溶解した塗工液を前記各離型層上
に塗布、乾燥することによって形成できる。
【0057】前記基材としては、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、
ポリアリレートフィルムなどのポリエステルフィルム、
ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、アラ
ミドフィルム、その他この種のインクリボンの基材用フ
ィルムとして一般に使用されている各種のプラスチック
フィルムが使用できる。またコンデンサーペーパーのよ
うな高密度の薄い紙を使用してもよい。基材の厚さは熱
伝導を良好にする点から、1〜10μm、とくに1〜6
μm程度が好ましい。サーマルヘッドを備えた熱転写プ
リンタで使用する記録媒体のばあいは、基材の背面(サ
ーマルヘッドに摺接する側の面)にスティック防止層を
設けるのが好ましい。スティック防止層としては、たと
えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ニトロセルロース樹
脂、あるいはこれらによって変性された、たとえばシリ
コーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂
など各種の耐熱性樹脂、あるいはこれら耐熱性樹脂に滑
剤を混合したものなどからなるものがあげられる。
【0058】本発明の熱転写記録媒体を用いる多色のカ
ラー画像の形成は、熱転写プリンタで多色のカラー画像
の分解色信号、すなわちイエロー信号、マゼンタ信号、
シアン信号にしたがって、イエローインクドット、マゼ
ンタインクドット、シアンインクドットをそれぞれ所定
の順序で順次重ね転写して受像体上にイエローの分解画
像、マゼンタの分解画像、シアンの分解画像を形成する
ことによって行なうことができる。イエローインクドッ
ト、マゼンタインクドット、シアンインクドットの転写
順序は任意に選択できる。通常の多色カラー画像のばあ
いは3色の色信号にしたがって3色の分解画像が形成さ
れるが、2色の色信号しかないばあいは対応する2色の
分解画像が形成される。
【0059】かくして、(A1)イエロー、マゼンタお
よびシアンのうちの少なくとも2種の減法混色により色
が発現される領域、または(B1)前記(A1)の領域
と、イエロー、マゼンタおよびシアンのうちの少なくと
も1種からなる単色の領域との組合せからなる領域を含
む多色のカラー画像がえられる。ここで、イエローイン
クドットとマゼンタインクドットの重ね合せ部分ではレ
ッド色が、イエローインクドットとシアンインクドット
の重ね合せ部分ではグリーン色が、マゼンタインクドッ
トとシアンインクドットの重ね合せ部分ではブルー色
が、イエローインクドットとマゼンタインクドットとシ
アンインクドットの重ね合せ部分ではブラック色が呈せ
られる。
【0060】前記においてはブラック色をイエローイン
クドットとマゼンタインクドットとシアンインクドット
の重ね合せでえているが、3色のインクドットを使用せ
ずに、ブラックインクドットのみでブラック色をうるよ
うにしてもよい。
【0061】なおブラックインクドットをイエローイン
クドット、マゼンタインクドット、シアンインクドット
の少なくとも1種の上にまたは少なくとも2種が重ね合
わされた上に重ね合せて、ブラック色を呈するようにし
てもよい。
【0062】前記においては主に本発明の熱転写記録媒
体を用いてラフ紙上に多色のカラー画像を形成するばあ
いについて説明したが、本発明の熱転写記録媒体は表面
の平滑性がよい受像体に多色のカラー画像を形成するの
にも好適に使用できるものである。
【0063】また本発明の熱転写記録媒体を使用する熱
転写プリンタとしては、サーマルヘッドを使用するもの
の他に、レーザー光や赤外線を利用するもの、通電方式
のものなど各種のものが使用できる。
【0064】つぎに実施例をあげて本発明をより詳細に
説明する。
【0065】実施例1 片面に厚さ0.1μmのシリコーン樹脂系スティック防
止層を設けた、厚さ3.5μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルムを基材として用い、この基材のスティッ
ク防止層と反対側の面に、表1に示される離型層用塗工
液のうち、表2に示される着色インク層の色の組合せに
対応するものを図1〜2に示される着色インク層の色の
配列に対応させて塗布、乾燥して塗布量1.0g/m2
の離型層を形成した。
【0066】前記各離型上に、表3に示される処方の各
色の着色インク塗工液を表2に示される離型層との組合
せに対応させて塗布、乾燥して塗布量2.0g/m2
各色の着色インク層を形成して、図1〜2に示される構
成および色の配列の熱転写記録媒体をえた。
【0067】実施例2 実施例1において、表2に示される着色インク層の色と
の組合せに対応させて各色着色インク層用の離型層を形
成したほかは、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を
えた。
【0068】比較例 実施例1において、表2に示されるように各色着色イン
ク層の色に対応させて同一の離型層(R4)を形成した
ほかは実施例1と同様にして熱転写記録媒体をえた。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】前記各熱転写記録媒体を用い、下記の条件
下に1ドットの重ね印字をイエロー、マゼンタ、シアン
の順序で行ない、えられた1次色インクドット(イエロ
ーインクドット)、二次色インクドット(マゼンタイン
クドット)および三次色イクドット(シアンインクドッ
ト)の面積の発熱素子の1ドットの面積(0.0061
mm2 )に対する比(以下、ドット転写比という)を求
め、下記の基準で1次色インクの転写性、二次色、三次
色インクの重ね合せ性を評価した。なおドット転写比は
432個のドットについての平均値である。結果を表4
に示す。
【0073】[印字条件] プリンタ:PCPR150V(日本電気(株)製) 印字エネルギー:18mJ/mm2 印字スピード:100cps 受像紙:PPC用紙(ベック平滑度60秒) [評価基準] A:ドット転写比 0.95〜1.05 B:ドット転写比 0.90以上、0.95未満 C:ドット転写比 0.90未満 ドット転写比が0.90以上であれば実用範囲内であ
る。
【0074】
【表4】
【0075】
【発明の効果】各色の熱溶融性インク層は橋かけ転写性
のものであるのでラフ紙上に良好な一次色インクドット
がえられる。また各色の熱溶融性インク層と基材との間
に設けられる離型層の溶融粘度が各色のインク層の転写
順位に従って段階的に低く設定されていることにより、
一次色インクドットへの二次色インクドットの転写、さ
らに二次色インクドット上への三次色インクドットの転
写が良好に行われる。したがって、所望の減法混色が生
じ、色再現性よく多色のカラー画像がえられる。さら
に、先に転写されるインク層に対応する離型層の溶融粘
度η1 と次に転写されるインク層に対応する離型層の溶
融粘度η2 との間に η2 /η1 <0.7 の関係が成立するようにすることによって、インクドッ
トの重ね合せがより良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の熱転写記録媒体の一実施例を示す部
分平面図である。
【図2】図1に示される実施例の部分断面図である。
【図3】第2発明の熱転写記録媒体の一実施例を示す部
分平面図である。
【図4】図3に示される実施例の部分断面図である。
【図5】一次色インクドットの上に二次色インクドット
を転写する状態を示す概略断面図である。
【図面の符号】
1 基材 2R(Y)、 2R(M)、 2R(C)、 2R(B) 離型層 3Y イエローの熱溶融性インク層 3M マゼンタの熱溶融性インク層 3C シアンの熱溶融性インク層 3B ブラックの熱溶融性インク層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イエローの熱溶融性インク層、マゼンタ
    の熱溶融性インク層およびシアンの熱溶融性インク層の
    うちの少なくとも2種を受像体上に所定の順序で選択的
    に熱転写して、(A1)前記イエロー、マゼンタおよび
    シアンの熱溶融性インクのうちの少なくとも2種のイン
    クドットが重ね合わされた状態で存在し、減法混色によ
    り色が発現される領域からなるカラー画像、または(B
    1)前記領域(A1)と、前記イエロー、マゼンタおよ
    びシアンの熱溶融性インクのうちの少なくとも1種のイ
    ンクドットが重ね合わされない状態で存在する単色の領
    域とからなるカラー画像を形成するために使用する熱転
    写記録媒体であって、単一の基材上に、イエローの熱溶
    融性インク層、マゼンタの熱溶融性インク層およびシア
    ンの熱溶融性インク層が所望の順序で配置され、前記基
    材と各色のインク層との間に、ワックスを主成分とする
    離型層が各色のインク層に対応してそれぞれ設けられ、
    該各色のインク層に対応する離型層の所定温度における
    溶融粘度が、各色のインク層の転写順位に従って、段階
    的に低く設定されていることを特徴とするカラー画像形
    成用熱転写記録媒体。
  2. 【請求項2】 イエローの熱溶融性インク層、マゼンタ
    の熱溶融性インク層、シアンの熱溶融性インク層および
    ブラックの熱溶融性インク層のうちの少なくとも3種を
    受像体上に所定の順序で選択的に熱転写して、(A1)
    前記イエロー、マゼンタおよびシアンの熱溶融性インク
    のうちの少なくとも2種のインクドットが重ね合わされ
    た状態で存在し、減法混色により色が発現される領域、
    ならびに(A2)前記イエロー、マゼンタおよびシアン
    の熱溶融性インクの少なくとも1種のインクドットの上
    にブラックのインクが重ね合わされた状態で存在し、ブ
    ラックを呈する領域からなるカラー画像、または(B
    2)前記領域(A1)および領域(A2)と、前記イエ
    ロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの熱溶融性イン
    クのうちの少なくとも1種のインクドットが重ね合わさ
    れない状態で存在する単色の領域とからなるカラー画像
    を形成するために使用する熱転写記録媒体であって、単
    一の基材上に、イエローの熱溶融性インク層、マゼンタ
    の熱溶融性インク層、シアンの熱溶融性インク層および
    ブラックの熱溶融性インク層が所望の順序で配置され、
    前記基材と各色の熱溶融性インク層との間に、ワックス
    を主成分とする離型層が各色のインク層に対応してそれ
    ぞれ設けられ、前記イエロー、マゼンタ、シアンおよび
    ブラックの各色のインク層に対応する離型層の所定温度
    における溶融粘度が、各色のインク層の転写順位に従っ
    て、段階的に低く設定されていることを特徴とするカラ
    ー画像形成用熱転写記録媒体。
  3. 【請求項3】 イエローの熱溶融性インク層、マゼンタ
    の熱溶融性インク層およびシアンの熱溶融性インク層の
    うちの少なくとも2種を受像体上に所定の順序で選択的
    に熱転写して、(A1)前記イエロー、マゼンタおよび
    シアンの熱溶融性インクのうちの少なくとも2種のイン
    クドットが重ね合わされた状態で存在し、減法混色によ
    り色が発現される領域からなるカラー画像、または(B
    1)前記領域(A1)と、前記イエロー、マゼンタおよ
    びシアンの熱溶融性インクのうちの少なくとも1種のイ
    ンクドットが重ね合わされない状態で存在する単色の領
    域とからなるカラー画像を形成するために使用する熱転
    写記録媒体であって、別々の基材上に、イエローの熱溶
    融性インク層、マゼンタの熱溶融性インク層およびシア
    ンの熱溶融性インク層がそれぞれ設けられ、前記各基材
    と各色のインク層との間に、ワックスを主成分とする離
    型層が各色のインク層に対応してそれぞれ設けられ、該
    各色のインク層に対応する離型層の所定温度における溶
    融粘度が、各色のインク層の転写順位に従って、段階的
    に低く設定されていることを特徴とするカラー画像形成
    用熱転写記録媒体。
  4. 【請求項4】 イエローの熱溶融性インク層、マゼンタ
    の熱溶融性インク層、シアンの熱溶融性インク層および
    ブラックの熱溶融性インク層のうちの少なくとも3種を
    受像体上に所定の順序で選択的に熱転写して、(A1)
    前記イエロー、マゼンタおよびシアンの熱溶融性インク
    のうちの少なくとも2種のインクドットが重ね合わされ
    た状態で存在し、減法混色により色が発現される領域、
    ならびに(A2)前記イエロー、マゼンタおよびシアン
    の熱溶融性インクの少なくとも1種のインクドットの上
    にブラックのインクが重ね合わされた状態で存在し、ブ
    ラックを呈する領域からなるカラー画像、または(B
    2)前記領域(A1)および領域(A2)と、前記イエ
    ロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの熱溶融性イン
    クのうちの少なくとも1種のインクドットが重ね合わさ
    れない状態で存在する単色の領域とからなるカラー画像
    を形成するために使用する熱転写記録媒体であって、別
    々の基材上に、イエローの熱溶融性インク層、マゼンタ
    の熱溶融性インク層、シアンの熱溶融性インク層および
    ブラックの熱溶融性インク層がそれぞれ設けられ、前記
    各基材と各色の熱溶融性インク層との間に、ワックスを
    主成分とする離型層が各色のインク層に対応してそれぞ
    れ設けられ、前記イエロー、マゼンタ、シアンおよびブ
    ラックの各色のインク層に対応する離型層の所定温度に
    おける溶融粘度が、各色のインク層の転写順位に従っ
    て、段階的に低く設定されていることを特徴とするカラ
    ー画像形成用熱転写記録媒体。
  5. 【請求項5】 先に転写されるインク層に対応する離型
    層の溶融粘度η1 と次の転写されるインク層に対応する
    離型層の溶融粘度η2 との間に η2 /η1 <0.7 の関係があることを特徴とする請求項1、2、3または
    4記載のカラー画像形成用熱転写記録媒体。
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