JPH0858236A - 光メモリー用組成物、光情報記録媒体並びに光情報の記録又は/及び消去方法 - Google Patents

光メモリー用組成物、光情報記録媒体並びに光情報の記録又は/及び消去方法

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JPH0858236A
JPH0858236A JP6220810A JP22081094A JPH0858236A JP H0858236 A JPH0858236 A JP H0858236A JP 6220810 A JP6220810 A JP 6220810A JP 22081094 A JP22081094 A JP 22081094A JP H0858236 A JPH0858236 A JP H0858236A
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polymer compound
recording
change
optical
dye
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JP6220810A
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English (en)
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Noboru Sasa
登 笹
Tsutomu Sato
勉 佐藤
Tatsuya Tomura
辰也 戸村
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易で記録、再生、消去特性が良好な
書換え可能な記録材料として、外部エネルギーにより可
逆的な分光特性変化を生じる光メモリー用組成物、該組
成物を利用した光情報記録媒体並びに該記録媒体を使用
した光情報の記録/消去方法を提供する。 【構成】 少なくとも外部エネルギーにより構造的ある
いは電子的な変化が可逆的に生じる高分子化合物と、該
高分子化合物との構造的あるいは電子的な相互作用によ
り分子の集合状態あるいは分子構造が該高分子化合物の
変化に対応して可逆的に変化する色素と、2分子膜を高
分子化合物により固定化した固定化2分子膜とを含有す
る光メモリー用組成物、該組成物を記録層に含有してな
る光情報記録媒体、並びに該記録媒体を使用した光情報
の記録/消去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は外部エネルギーにより可
逆的な分光特性変化を生じる光メモリー用組成物、該組
成物を利用した光情報記録媒体並びに該記録媒体を使用
した光情報の記録及び消去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】書換え形の光情報記録媒体の記録層とし
ては、従来一般的に無機材料が用いられ、例えばカー効
果を利用した光磁気記録材料や、カルコゲナイト薄膜に
よる相変化を利用した相変化型記録材料などが挙げられ
る。これらの無機材料は有害物質を多く含んでおり、そ
の製膜方法が蒸着やスパッタリングに限定されるため、
コスト高になるというデメリットを有する。その結果、
有機系の材料にも注目が集っている。
【0003】有機系の書換え形の材料としては、スピロ
ピラン等のフォトクロミック化合物を用いたもの(特開
昭59−227972号公報参照)や、記録層が液晶高
分子と色素の混合物からなるもの(特開平2−1362
89号公報参照)などが提案されている。しかし、スピ
ロピラン等のフォトクロミック化合物は、記録状態の安
定性や、記録/消去の繰り返し性、読み出し破壊の問題
などがあり、実用的には未だ未解決な課題が多い。一
方、液晶高分子と色素の混合物系の可逆変化メカニズム
は、液晶高分子の側鎖の配列状態が変化することで液晶
高分子と色素間の相互作用が変化し、結果として記録層
の光学特性を可逆的に変化させるものであるが、安定性
や繰り返し性の点で十分とは言えない。
【0004】これらの点を解決するために、近年、書換
え形の材料として、(A)配位原子を含む基を側鎖又は
主鎖に有する第一の高分子化合物、(B)第一の高分子
化合物との混合物の状態で加熱したときに加熱前と比べ
分光特性が変化する色素及び(C)低融点をもつ第二の
高分子化合物又はオリゴマーを含有してなり、相対的に
高温に加熱された場合と相対的に低温に加熱された場合
で分光特性が変化する機能性樹脂組成物を記録層に用い
ること(特開平4−339865号公報)や、記録層が
熱エネルギーによりコンフォーメーションが変化する共
役系重合体及び光吸収能を有する色素を含む組成物から
なるもの(特開平6−1073号公報)が提案されてい
る。たゞ、これらの組成物を用いた場合も、用いる色素
によっては記録コントラストが低いとか、消去比が十分
でないという点で未だ満足されるものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、製
造が容易で記録、再生、消去特性が良好な書換え可能な
記録材料として、外部エネルギーにより可逆的な分光特
性変化を生じる光メモリー用組成物、該組成物を利用し
た光情報記録媒体並びに該記録媒体を使用した光情報の
記録/消去方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも外部エネルギーにより構造的あるいは電子的な変化
が可逆的に生じる高分子化合物と、該高分子化合物との
構造的あるいは電子的な相互作用により分子の集合状態
あるいは分子構造が該高分子化合物の変化に対応して可
逆的に変化する色素と、2分子膜を高分子化合物により
固定化した固定化2分子膜とを含有することを特徴とす
る光メモリー用組成物が提供され、また少なくとも外部
エネルギーにより構造的あるいは電子的な変化が可逆的
に生じる第1の高分子化合物と、該第1の高分子化合物
との構造的あるいは電子的な相互作用により分子の集合
状態あるいは分子構造が該第1の高分子化合物の変化に
対応して可逆的に変化する色素と、第1の高分子化合物
に比べて低融点を有する第2の化合物と、2分子膜を高
分子化合物により固定化した固定化2分子膜とを含有す
ることを特徴とする光メモリー用組成物が提供される。
【0007】更に、本発明によれば、基板上に設けられ
た記録層にレーザ光を照射して情報の記録、再生、消去
を行なう光情報記録媒体において、該記録層中に前記光
メモリー用組成物を含有してなることを特徴とする光情
報記録媒体が提供される。
【0008】また、本発明によれば、前記光情報記録媒
体にレーザ光を照射し、このレーザ光照射部の再生波長
における吸光度をレーザ光照射前に比べて増加させるこ
とによって情報を記録する又は/及び前記吸光度をレー
ザ光照射前に比べて減少させることによって情報の消去
を行なうことを特徴とする光情報の記録又は/及び消去
方法が提供され、更に光情報記録媒体にレーザ光を照射
し、このレーザ光照射部の再生波長における吸光度をレ
ーザ光照射前に比べて減少させることによって情報を記
録する又は/及び前記吸光度をレーザ光照射前に比べて
増加させることによって情報の消去を行なうことを特徴
とする光情報の記録又は/及び消去方法が提供される。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の可逆変化は、基本的に高分子化合物(2種類の高
分子化合物を使用する場合は第1の高分子化合物……以
降1種類の高分子化合物を使用する場合も第1の高分子
化合物と記すことがある)と色素で何らかの相互作用、
例えば第1の高分子化合物の配位基と色素の配位結合、
あるいはイオン間、双極子間の引力、斥力等の静電的相
互作用、電荷移動的相互作用、あるいは立体障害的な構
造的相互作用等により、色素の分子集合状態や分子構造
が第1の高分子化合物の構造的あるいは電子的な変化に
対応して可逆的に変化するものである。
【0010】例えば、ヒートモードによる記録の場合、
外部より光や熱などのエネルギーを加え、直接的あるい
は間接的に第1の高分子化合物に構造的あるいは電子的
な変化を引起こさせ、急冷することで色素の状態変化を
凍結することができる。この高温急冷により第1の高分
子化合物も同時にその構造的あるいは電子的変化が凍結
されることが望ましいが、色素の分子集合状態あるいは
分子構造変化が最低限凍結されるものであれば、第1の
高分子化合物の状態変化は凍結される必要がない。
【0011】第1の高分子化合物は色素の集合状態ある
いは電子的状態を変化させる役割として利用し、実際の
記録、再生、消去は色素に対して行なわれる場合は、上
述したように第1の高分子化合物の状態変化が凍結され
る必要はない。他方、色素を光吸収剤として利用し、実
際の記録、再生、消去は第1の高分子化合物に対して行
なわれる場合は、高温急冷により第1の高分子化合物の
状態変化が凍結される必要がある。この高温急冷により
凍結された状態は再び外部エルネギーを加え、第1の高
分子化合物の構造的、電子的な変化を引き起こすような
状態にし、徐冷することで色素の分子集合状態あるいは
分子構造を初期の状態に戻すことができる。
【0012】このように本発明の可逆変化は、基本的に
は第1の高分子化合物と色素間の相互作用変化による色
素分子の分子集合状態あるいは分子構造の変化によりス
ペクトルの変化をもたらすものであるが、一般的に第1
の高分子化合物と色素間の相互作用力をこの2成分のみ
で適当な力に調整することは困難な場合もある。従っ
て、安定な可逆変化を生じさせるためには、両者の相互
作用力を適当なものとすることや、両者の相互作用に加
えて第3の物質間に新たな相互作用をもたせることが必
要である。そのために第3の物質として固定化2分子膜
や第1の高分子化合物に比べて低融点を有する第2の化
合物を用いる。この場合、第2の化合物は色素や第1の
高分子化合物の移動を促進する作用がある。また、固定
化2分子膜の場合は、単にバインダーとして働いたり、
あるいは2分子膜の配列性に色素分子や第1の高分子化
合物が影響を受けたり、あるいはポリイオンコンプレッ
クスの場合は、電気的、電子的な影響を受けることなど
が考えられる。そのため、これらの第3の化合物の添加
により、分光特性の変化を大幅に向上することができ
る。
【0013】本発明に用いることができる第1の高分子
化合物としては、例えば主鎖あるいは側鎖に、O、N、
S、P、As、Se等の配位原子を含んだ配位基をもつ
高分子化合物、あるいは外部エネルギーに対して分子鎖
の形態が変化するような高分子化合物などが用いられ
る。外部エネルギーが例えば光である場合、上述の分子
鎖形態の変化する高分子は光誘起分子鎖形態変化する光
応答性高分子ということができ、例えば以下のようなタ
イプのものが本発明に適する高分子化合物の1例として
挙げることができる。 高分子の主鎖又は側鎖に含まれている光感応基間の
相互作用を光異性化により変化させる。 高分子主鎖に含まれている光感応基の構造を変化さ
せる。 光照射により高分子鎖に沿って電荷を可逆的に発生
させ、それらの静電反発を利用する。
【0014】本発明はこのように第1の高分子化合物と
して、色素と何らかの相互作用、例えば第1の高分子化
合物の配位基と色素の配位結合、あるいはイオン間、双
極子間の引力、斥力等の静電的相互作用、電荷移動的相
互作用、あるいは構造的な相互作用を示すものであれば
特に制限はない。好ましい第1の高分子化合物の例とし
ては、導電性高分子が挙げられる。導電性高分子として
特に好ましいものは、側鎖が外部エネルギーにより構造
変化(例えばシス−トランス、トランス−ゴーシュな
ど)が起きるような基を有するもの、例えばポリ(3−
アルキルチオフェン)がある。好ましい導電性高分子の
具体例としては、次の表1に示すような基本骨格を有す
るものが挙げられる。 (以下余白)
【0015】
【表1】
【0016】本発明に用いることのできる色素として
は、第1の高分子化合物との相互作用により色素の分子
集合状態、あるいは分子構造が可逆的な変化を示すよう
なものであれば良く、例えばポリメチン色素、ポルフィ
リン系、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、シア
ニン系、スクアリリウム系、コロコニウム系、ピリリウ
ム系、ナフトキノン系、アントラキノン(インダンスレ
ン)系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレ
ン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリ
フェノチアジン系色素などが挙げられる。
【0017】これらの色素の中でも、好ましいものとし
ては、下記一般式化1及び化2で示されるナフタロシア
ニン系色素及びフタロシアニン系色素が挙げられる。
【化1】 (以下余白)
【化2】
【0018】上記一般式化1及び化2において、Qは置
換基を示し、k、l、m、nは0又は1〜4の整数を示
し、Qが複数個存在するときは同一でも異なっていても
良い。Mは2個の水素原子、金属原子、金属酸化物、金
属水酸化物あるいは置換基を有する金属を示す。Mとし
ての金属としては、置換基を有する金属が好ましく、置
換基としてアルキルシロキシ基、トリアルキルシロキシ
基、アルコキシシロキシ基、トリアルコキシシロキシ
基、アリールシロキシ基、トリアリールシロキシ基、ア
リールオキシシロキシ基、トリアリールオキシシロキシ
基、アルコキシル基、アリールオキシ基、トリチルオキ
シ基、アシロキシ基等が2個結合したものが挙げられ
る。また、M中の金属としては、Zn、Cd、Hg、C
u、Ni、Co、Mg、V、Pd、Si、Ge、Sn、
Al、Ca、Ti、Mn、Fe、Mo、Ru、Rh、R
d、In、Pt、Pbが挙げられる。Qとしては、アル
キル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、ア
リール基などが挙げられ、これらは置換基を有していて
も良い。上記の色素の中でも特に好ましいのは、大きな
置換基を有する金属を持ち、しかも(Q)k〜(Q)nが
無置換あるいは非常に小さい置換基であるフタロシアニ
ンである。
【0019】第2の化合物としては、第1の高分子化合
物に比べて低融点、具体的には第1の高分子化合物のガ
ラス転移点以下の融点、又は第1の高分子化合物と色素
の混合物が外部エネルギーの吸収によりスペクトル変化
をもたらす温度以下に融点を有するものであれば良く、
例えばパラフィン、ポリエチレングリコール、ポリカプ
ロラクタム、ポリビニルステアレート、ステアリン酸メ
チル等が挙げられる。
【0020】2分子膜はリン脂質のような両親媒性化合
物が水中で自己会合して形成する分子2重層の膜であ
り、一般にアルキル鎖を主成分とする疎水部分と極性の
親水基を併せ持つ両親媒性化合物が2分子膜を形成す
る。2分子膜はミセルとは異なり(ミセルは規則的な集
合構造をもたない球状の会合体)、2次元的な広がりを
もった秩序構造を自発的に形成するものである。具体的
な2分子膜としては、下記表2に示すものが挙げられ
る。 (以下余白)
【0021】
【表2】
【0022】2分子膜は水に分散した状態で形成される
ので、材料化に当っては何らかの方法で固定化する必要
がある。本発明ではこの固定化にポリイオンコンプレッ
クス形成による固定化方法を用いる。2分子膜は多くは
電荷を有している。ジアルキルアンモニウム塩2分子膜
の水溶液にポリスチレンスルホン酸のようなアニオン性
高分子の水溶液を混合すると、2分子膜の親水基である
アンモニウム塩の対アニオンであった臭素イオンと高分
子性のアニオンとがイオン交換し、高分子性のイオン
対、即ちポリイオンコンプレックスが形成される。この
ポリイオンコンプレックスのフィルムは2分子膜を基本
とする層状構造を有しており、2分子膜の性質をもって
いる。ポリイオンコンプレックスを形成するための高分
子は、アニオン性、あるいはカチオン性の高分子であれ
ば、特に制限はない。
【0023】本発明では、上述したような組成物に対し
て例えば高温急冷、高温徐冷を繰り返すことにより、異
なる分光特性を交互に出現させることができるため、こ
れを利用することでこの組成物を記録層に含有させた光
情報記録媒体を提供することができる。この場合の層構
成としては、例えば基板、記録層、下引き層、反射層、
ハードコート層、保護層(順不同)等により構成され、
次に記す様な特性及び材料であることが好ましい。
【0024】まず、光情報記録媒体の構成について述べ
る。図1は、本発明の光情報記録媒体に適用し得る層構
成例を示す図で、基板1の上に、必要に応じて下引き層
3を介して、記録層2を設け、更に必要に応じ保護層4
が設けられる。
【0025】図2は、本発明の光情報記録媒体に適用し
得る別のタイプの層構成例を示す図で、図1の構成の記
録層2の上に金属反射層5が設けられている。
【0026】本発明の光情報記録媒体は、図1及び図2
に示した構造で、他の基板と空間を介して密封したエア
ーサンドイッチ構造にしてもよく、また保護層を介して
接着した貼合せ構造にしてもよい。
【0027】次に、構成各層の必要特性及びその構成材
料について述べる。 1)基板 基板の必要特性としては、基板側より記録再生を行なう
場合には使用レーザー光に対して透明でなければならな
いが、記録層側から記録再生を行なう場合は透明である
必要はない。基板材料としては、例えばポリエステル、
アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポ
リオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リイミドなどのプラスチック、ガラス、セラミックある
いは金属などを用いることができる。なお、基板の表面
にトラッキング用の案内溝や案内ピット、更にアドレス
信号などのプレフォーマットが形成されていてもよい。
【0028】2)記録層 記録層はレーザー光の照射により何らかの光学的変化を
生じさせその変化により情報を記録できるものであっ
て、この記録層中には前記の光メモリー用組成物が含有
されている必要がある。記録層の形成は蒸着、スパッタ
リング、CVD又は溶剤塗布などの通常の手段によって
行なうことができる。塗布法を用いる場合には、前記組
成物などを有機溶剤に溶解して、スピンコート、ロール
コート、ディッピングなどの慣用の塗布方法で行なう。
有機溶剤としては、一般にテトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル
などのエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジク
ロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタンなどの脂肪
族ハロゲン化炭素類、ベンゼン、キシレン、モノクロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族類などを用い
ることができる。
【0029】3)下引き層 下引き層は、(a)接着性の向上、(b)水又はガスな
どに対するバリヤー、(c)記録層の保存安定性の向
上、(d)反射率の向上、(e)溶剤からの基板の保
護、(f)案内溝、案内ピット、プレフォーマットの形
成などを目的として使用される。(a)の目的に対して
は高分子、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド、ビニ
ル系樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴ
ムなどの種々の高分子物質及びシランカップリング剤な
どを用いることができ、(b)及び(c)の目的に対し
ては、上記高分子材料以外に無機化合物、例えばSiO
2、MgF2、SiO、TiO2、ZnO、TiN、Si
N、及びZn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、
Ag、Alなどの金属又は半金属などを用いることがで
きる。また、(b)の目的に対しては、金属、例えばA
l、Agなどや、金属光沢を有する有機薄膜、例えばメ
チン染料、キサンテン系染料などを用いることができ、
(e)及び(f)の目的に対しては、紫外線硬化樹脂、
熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
下引き層の膜厚は0.01〜30μm、好ましくは0.
05〜10μmが適当である。
【0030】4)金属反射層 金属反射層は単体で高反射率の得られる腐食されにくい
金属、半金属などが使用できる。具体的材料としては、
Au、Ag、Cu、Al、Cr、Niなどが挙げられ、
好ましくはAu、Alがよい。これらの金属、半金属は
単独で使用してもよく、2種以上の合金としてもよい。
膜形成法としては蒸着、スパッタリングなどが挙げら
れ、膜厚としては50〜3000Å、好ましくは100
〜1000Åである。
【0031】5)保護層、基板表面ハードコート層 保護層又は基板表面ハードコート層は、(a)記録層を
傷、埃、汚れなどから保護する、(b)記録層の保存安
定性の向上、(c)反射率の向上などを目的として使用
される。これらの目的に対しては、前記の下引き層に示
した材料を用いることができる。また無機材料としてS
iO、SiO2なども用いることもでき、有機材料とし
てアクリル樹脂、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポ
リスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロー
ス、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、天然ゴ
ム、スチレン−ブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワ
ックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジンなどの熱軟化
性、熱溶融性樹脂も用いることができる。上記材料のう
ち保護層又は基板表面ハードコート層に最も好ましいも
のは、生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。保護層又
は基板表面ハードコート層の膜厚は0.01〜30μ
m、好ましくは0.05〜10μmが適当である。本発
明において、前記の下引き層及び保護層には、安定剤、
分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑
剤などを含有させることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0033】実施例1 ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ビス(トリ−n−ヘ
キシルシロキシ)シリコンナフタロシアニン、ポリエチ
レングリコール(分子量4000、融点55℃)及び2
分子膜である臭化ジオクタデシルジメチルアンモニウム
とポリ(4−スチレンスルホン酸ナトリウム)によりポ
リイオンコンプレックスを形成させた固定化2分子膜
を、CHCl3に対して3.0、0.02、0.5、
0.5重量%の比で混合溶液を調製し、この溶液を用い
て石英基板上にスピンコート法により薄膜(厚さ約1.
5μm)を形成させた。この時の吸光スペクトルは図3
の実線で示される。この薄膜をホットプレートで160
℃、1分間の条件で加熱した後、ただちに液体窒素中で
急冷処理した。この時の吸光スペクトルは図3の破線の
ようになり、800nm付近の吸収が減少し、新たに7
75nm付近に鋭いピークが現れた。次いで、この薄膜
を100℃、10分間ホットプレートにて加熱した後、
室温で徐冷した。この処理を行なった後に測定した吸光
スペクトルを図3の一点破線で示す。これを見ると80
0nm付近のピークも775nm付近のピークも、それ
ぞれほぼ初期の状態に戻っていることが確認できた。
【0034】実施例2 ポリ(3−デシルチオフェン)、ビス(トリ−n−ヘキ
シルシロキシ)シリコンフタロシアニン、ステアリン酸
メチル、及び2分子膜である臭化ジオクタデシルジメチ
ルアンモニウムとポリ(4−スチレンスルホン酸ナトリ
ウム)によりポリイオンコンプレックスを形成させた固
定化2分子膜を、CHCl3に対して3.0、0.0
2、0.5、0.5重量%の比で混合溶液を調製した。
この溶液を用いて石英基板上にスピンコート法により薄
膜(厚さ約1.5μm)を形成させた。この時の吸光ス
ペクトルは図4の実線で示される。この薄膜をホットプ
レートで160℃、1分間の条件で加熱した後、ただち
に液体窒素中で急冷処理した。この時の吸光スペクトル
は図4の破線のようになり、670nm付近の吸収が大
幅に向上した。次いで、この薄膜を100℃、10分間
ホットプレートにて加熱した後、室温で徐冷した。この
処理を行なった後に測定した吸光スペクトルを図4の一
点破線で示す。これを見ると670nm付近のピークが
ほぼ初期の状態に戻っていることが確認できた。
【0035】比較例 ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ビス(トリ−n−ヘ
キシルシロキシ)シリコンナフタロシアニン、ポリエチ
レングリコール(分子量4000、融点55℃)を、C
HCl3に対して3.0、0.02、0.5重量%の比
で混合溶液を調製した。この溶液を用いて石英基板上に
スピンコート法により薄膜(厚さ約1.5μm)を形成
させた。この時の吸光スペクトルは図5の実線で示され
る。この薄膜をホットプレートで160℃、1分間の条
件で加熱した後、ただちに液体窒素中で急冷処理した。
この時の吸光スペクトルは図5の破線のようになり、新
たに775nm付近にピークが出現したが、実施例に比
べてそのコントラストは低く、また記録(高温急冷処
理)状態が800nm付近と775nm付近の状態の両
方を含んだ中間状態となっていることがわかった。次い
で、この薄膜を100℃、10分間ホットプレートにて
加熱した後、室温で徐冷した。この処理を行なった後に
測定した吸光スペクトルを図5の一点破線で示す。これ
を見ると800nm付近のピークも775nm付近のピ
ークもそれぞれほぼ初期の状態に戻っていることが確認
できた。
【0036】
【発明の効果】本発明の光メモリー用組成物は、前述し
た構成からなるものとしたことから、外部エネルギーに
よる処理条件の違いにより異なる分光特性を示し、その
変化は可逆的である。その上、本組成物を用いることに
より、その記録コントラストを向上させることが可能で
ある。
【0037】本発明の光情報記録媒体は、上記光メモリ
ー用組成物を記録層に用いたことから、製造が容易であ
り、且つ本発明の光情報の記録又は/及び消去方法を用
いることにより、記録、再生、消去特性の良好な書換え
型、例えばCD−R等の光情報記録媒体として有用なも
のとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体に適用し得る層構成例
を示す図である。
【図2】本発明の光情報記録媒体に適用し得る他のタイ
プの層構成例を示す図である。
【図3】実施例1で得られた光メモリー用組成物の吸光
スペクトルを示す。
【図4】実施例2で得られた光メモリー用組成物の吸光
スペクトルを示す。
【図5】比較例で得られた光メモリー用組成物の吸光ス
ペクトルを示す。
【符号の説明】
1 基板 2 記録層(有機色素層) 3 下引き層 4 保護層 5 金属反射層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 7/00 K 9464−5D 7/24 516 7215−5D

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも外部エネルギーにより構造的
    あるいは電子的な変化が可逆的に生じる高分子化合物
    と、該高分子化合物との構造的あるいは電子的な相互作
    用により分子の集合状態あるいは分子構造が該高分子化
    合物の変化に対応して可逆的に変化する色素と、2分子
    膜を高分子化合物により固定化した固定化2分子膜とを
    含有することを特徴とする光メモリー用組成物。
  2. 【請求項2】 少なくとも外部エネルギーにより構造的
    あるいは電子的な変化が可逆的に生じる第1の高分子化
    合物と、該第1の高分子化合物との構造的あるいは電子
    的な相互作用により分子の集合状態あるいは分子構造が
    該第1の高分子化合物の変化に対応して可逆的に変化す
    る色素と、第1の高分子化合物に比べて低融点を有する
    第2の化合物と、2分子膜を高分子化合物により固定化
    した固定化2分子膜とを含有することを特徴とする光メ
    モリー用組成物。
  3. 【請求項3】 基板上に設けられた記録層にレーザ光を
    照射して情報の記録、再生、消去を行なう光情報記録媒
    体において、該記録層中に請求項1又は2に記載の光メ
    モリー用組成物を含有してなることを特徴とする光情報
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光情報記録媒体にレー
    ザ光を照射し、このレーザ光照射部の再生波長における
    吸光度をレーザ光照射前に比べて増加させることによっ
    て情報を記録する又は/及び前記吸光度をレーザ光照射
    前に比べて減少させることによって情報の消去を行なう
    ことを特徴とする光情報の記録又は/及び消去方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の光情報記録媒体にレー
    ザ光を照射し、このレーザ光照射部の再生波長における
    吸光度をレーザ光照射前に比べて減少させることによっ
    て情報を記録する又は/及び前記吸光度をレーザ光照射
    前に比べて増加させることによって情報の消去を行なう
    ことを特徴とする光情報の記録又は/及び消去方法。
JP6220810A 1994-08-24 1994-08-24 光メモリー用組成物、光情報記録媒体並びに光情報の記録又は/及び消去方法 Pending JPH0858236A (ja)

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