JPH08122965A - 可逆メモリー材料およびそれを用いた可逆メモリー - Google Patents

可逆メモリー材料およびそれを用いた可逆メモリー

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JPH08122965A
JPH08122965A JP6287405A JP28740594A JPH08122965A JP H08122965 A JPH08122965 A JP H08122965A JP 6287405 A JP6287405 A JP 6287405A JP 28740594 A JP28740594 A JP 28740594A JP H08122965 A JPH08122965 A JP H08122965A
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JP
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polymer compound
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reversible
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Noboru Sasa
登 笹
Tatsuya Tomura
辰也 戸村
Tsutomu Sato
勉 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可逆的メモリーの記録層に有用な有機系材料
を得る。 【構成】 光または熱エネルギーにより電子的または構
造変化を可逆的に生じる第一の高分子化合物(50〜7
0重量%)と色素(0.5〜20重量%)と固定化2分
子膜、1分子膜または低融点を有する第二の高分子化合
物のいずれか(20〜40重量%)とからなる可逆メモ
リー材料、並びに該可逆メモリー材料を含有する記録層
を設けてなる可逆メモリー。なお、前記第一の高分子化
合物としてn−ヘキシル基以上の長さのアルキル鎖を有
するポリ(3−アルキルチオフェン)を用いるのが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は書換え型の光情報記録材
料として用いられる有機系材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、書換え型の光情報記録媒体の記録
層には、一般に無機材料が用いられ、例えば、カー効果
を利用したTeFeCo等の合金からなる光磁気記録材
料やカルコゲナイド薄膜により相変化を利用した相変化
型光記録材料などがある。これら無機系材料は有害物質
を多く含んでおり、また、その成膜方法が蒸着やスパッ
タリングなどに限定されるためコスト高になるというデ
メリットを有していることから有機系材料が注目されて
いる。
【0003】有機系の書換え型材料としては、スピロピ
ラン等のフォトクロミック化合物(特開昭59−227
972号公報)や液晶高分子と色素との混合物(特開平
2−136289号公報)などが提案されている。しか
しながら、スピロピラン等のフォトクロミック化合物
は、記録状態の安定性や記録、消去の繰返し性、読み出
し破壊等の問題があり、実用的には未だ未解決の課題が
多い。一方、液晶高分子と色素の混合物系材料の可逆変
化メカニズムは、液晶高分子の側鎖の配例状態が変化す
ることで液晶高分子と色素間の相互作用が変化し、結果
として記録層の光学特性を可逆的に変化させるものであ
る。その他書換え型の記録材料として特開平4−339
865号公報など種々のものが提案されているが、有機
系の材料として実用的に十分なものは未だなく新規な材
料が待たれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたもので、可逆メモリーの記録層に有用な
有機系材料を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一に
光または熱エネルギーにより電子的または構造変化を可
逆的に生じる第一の高分子化合物と色素と固定化2分子
膜、1分子膜または低融点を有する第二の高分子化合物
のいずれかとからなることを特徴とする可逆メモリー材
料が提供される。第二に、前記第一に記載した可逆メモ
リー材料において、第一の高分子化合物が50〜70重
量%、色素が0.5〜20重量%、固定化2分子膜もし
くは1分子膜または低融点を有する第二の高分子化合物
のいずれかが20〜40重量%の組成からなる可逆メモ
リー材料が提供される。第三に、前記第一または第二に
記載した可逆メモリー材料において、第一の高分子化合
物がn−ヘキシル基以上の長さのアルキル鎖を有するポ
リ(3−アルキルチオフェン)である可逆メモリー材料
が提供される。第四に、前記第一または第二に記載した
可逆メモリー材料において、固定化2分子膜が電荷を有
する2分子膜と電荷を有する高分子とがイオン交換し、
高分子性のイオン対を形成するポリイオンコンプレック
ス形成法を用いて作製されたものである可逆メモリー材
料が提供される。
【0006】第五に、記録、再生、消去用のレーザ波長
に対して透明な基板の上に、少なくとも前記第一、第
二、第三または第四に記載した可逆メモリー材料を含有
する記録層を設けてなることを特徴とする可逆メモリー
が提供される。第六に、少なくとも記録、再生、消去用
のレーザ波長に対して透明な基板と前記第一、第二、第
三または第四に記載した可逆メモリー材料を含有する記
録層と該記録層上に形成された反射層から構成され、情
報記録前または情報記録後の基板側からの再生光に対す
る反射率が60%以上であることを特徴とする可逆メモ
リーが提供される。
【0007】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おける第一の高分子化合物は、色素の集合状態あるいは
電子的状態を変化させる役割として用い、実際の記録、
再生、消去は色素に対して行なわれる場合は、第一の高
分子化合物の状態変化が凍結される必要はない。他方、
色素を光吸収剤として利用し、実際の記録、再生、消去
は第一の高分子化合物に対して行なわれる場合は、高温
急冷により第一の高分子化合物の状態が凍結される必要
がある。この高温急冷により凍結された状態は再び外部
エネルギーを加え、第一の高分子化合物の構造的、電子
的な変化を引き起こすような状態にし、徐冷することで
色素の分子集合状態あるいは分子構造を初期の状態に戻
すことができる。
【0008】このように本発明の可逆変化は、基本的に
は第一の高分子化合物と色素間の相互作用の変化による
色素分子の分子集合状態、あるいは分子構造の変化によ
りスペクトルの変化をもたらすものであるが、第一の高
分子化合物と色素間の相互作用力をこの2成分のみで適
当な力に調整することは困難な場合もある。そこで、安
定な可逆変化を生じさせるためには、両者の相互作用力
を適当なものとするために、両者の相互作用に加えて第
三の物質間に新たな相互作用をもたせることが必要であ
る。そのために第三の物質として固定化2分子膜や1分
子膜、あるいは第一の高分子化合物に比べて低融点を有
する第二の高分子化合物を用いる。この場合、第二の高
分子化合物は、色素や主成分の第一の高分子化合物の移
動を促進する作用がある。また、固定化2分子膜の場合
は、単にバインダーとして使ったり、あるいは2分子膜
の配列性に色素分子や高分子化合物が影響を受けたり、
あるいはポリイオンコンプレックスの場合は、電気的、
電子的な影響を受けることなどが考えられる。そのため
これらの第三の化合物の添加により、分光特性の変化を
大幅に向上させることができる。
【0009】本発明に用いることができる第一の高分子
化合物としては、例えば主鎖あるいは側鎖にO、N、
S、P、As、Se等の配位原子を含んだ配位基をもつ
高分子化合物、あるいは外部エネルギーに対して分子鎖
の形態が変化するような高分子化合物などが用いられ
る。外部エネルギーが例えば光である場合、上述の分子
鎖形態の変化する高分子は光誘起分子鎖形態変化する光
応答性高分子ということができ、例えば、以下のような
タイプのものが本発明に適する高分子化合物の一例とし
て挙げることができる。 (1)高分子の主鎖または側鎖に含まれている光感応基
間の相互作用を光異性化により変化させる。 (2)高分子主鎖に含まれている光感応基の構造を変化
させる。 (3)光照射により高分子鎖に沿って電荷を可逆的に発
生させ、それらの静電反発を利用する。
【0010】本発明はこのように第一の高分子化合物と
して色素となんらかの相互作用、例えば、第一の高分子
化合物の配位基と色素の配位結合、あるいはイオン間、
双極子間の引力、斥力等の静電的相互作用、電荷移動的
相互作用、あるいは構造的な相互作用を示すものであれ
ば特に制限はない。好ましい高分子化合物の例として
は、導電性高分子が挙げられる。導電性高分子として特
に好ましいものは側鎖が外部エネルギーにより構造変化
(例えば、シス−トランス、トランス−ゴーシュなど)
が起きるような基を有するもの、例えば、ポリ(3−ア
ルキルチオフェン)が挙げられる。好ましい導電性高分
子の具体例としては、下記表1に示すような基本骨格を
有するものが挙げられる。
【0011】
【表1】
【0012】本発明に用いることができる色素として
は、高分子化合物との相互作用により色素の分子集合状
態、あるいは分子構造が可逆的な変化を示すようなもの
であればよく、例えば、ポリメチン色素、ポルフィリン
系、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、シアニン
系、スクアリリウム系、コロコニウム系、ピリリウム
系、ナフトキノン系、アントラキノン(インダンスレ
ン)系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレ
ン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリ
フェノチアジン系色素などが挙げられる。好ましくは下
記一般式(A)、(B)で示されるナフタロシアニン
系、フタロシアニン系色素が挙げられる。
【0013】
【化1】
【化2】
【0014】上記一般式(A)および(B)において、
Q置換基を表し、k、l、m、nは0または1〜4の整
数を表す。Qが複数個存在するときは同一でも異なって
いてもよい。Mは2個の水素原子、金属、金属酸化物、
金属水酸化物、あるいは置換基を有する金属を表し、中
でも置換基を有する金属が好ましい。置換基としてはア
ルキルシロキシ基、トリアルキルシロキシ基、アルコキ
シシロキシ基、アリールシロキシ基、トリアリールシロ
キシ基、アリールオキシシロキシ基、トリアリールオキ
シシロキシ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、ト
リチルオキシ基、アシロキシ基等が2個結合したものが
挙げられる。また、金属としては、Zn、Cd、Hg、
Cu、Ni、Co、Mg、V、Pd、Si、Ge、S
n、Al、Ca、Ti、Mn、Fe、Mo、Ru、R
h、Rd、In、Pt、Pbが挙げられる。Qの例とし
てはアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシ
ル基、アリール基などが挙げられ、これらは置換基を有
していてもよい。上記色素の中でも特に好ましいのは大
きな置換基を有する金属を持ち、しかも(Q)k、
(Q)l、(Q)m、(Q)nが無置換、あるいは非常
に小さい置換基であるフタロシアニンである。
【0015】2分子膜はリン脂質のような両親媒性化合
物が水中で自己会合して形成する分子2重層の膜であ
り、一般にアルキル鎖を主成分とする疎水部分と極性の
親水基を併せ持つ両親媒性化合物が2分子膜を形成す
る。2分子膜はミセルとは異なり(ミセルは規則的な集
合構造を持たない球状の会合体)、2次元的な広がりを
持った発序構造を自発的に形成するものである。具体的
な2分子膜としては下記表2に示すものが挙げられる。
【0016】
【表2】
【0017】2分子膜は水に分散した状態で形成される
ので、材料化に当たっては何らかの方法で固定化する必
要がある。本発明ではこの固定化にポリイオンコンプレ
ックス形成による固定化方法を用いる。2分子膜は多く
は電荷を有している。ジアルキルアンモニウム塩2分子
膜の水溶液にポリスチレンスルホン酸のようなアニオン
性高分子の水溶液を混合すると、2分子膜の親水基であ
るアンモニウム塩の対イオンであった臭素イオンと高分
子性のアニオンとがイオン交換し、高分子性のイオン
対、すなわち、ポリイオンコンプレックスが形成され
る。このポリイオンコンプレックスのフィルムは2分子
を基本とする層状構造を有しており、2分子膜の性質を
もっている。ポリイオンコンプレックスを形成するため
の高分子は、アニオン性あるいはカチオン性の高分子で
あれば特に制限はない。
【0018】1分子膜形成化合物としては例えば下記表
3に示すものが挙げられる。
【0019】
【表3】
【0020】さらに可逆特性を向上させるために第2の
高分子化合物を添加してもよい。第2の高分子化合物と
しては主成分の高分子化合物に比べて低融点、具体的に
は主成分の高分子化合物のガラス転移点以下の融点また
は主成分の高分子化合物と色素の混合物が外部エネルギ
ーの吸収によりスペクトル変化をもたらす温度以下に融
点を有するものであればよく、例えば、パラフィン、ポ
リエチレングリコール、ポリカプロラクタム、ポリビニ
ルステアレート等が挙げられる。
【0021】本発明では、上述したような組成物に対し
て例えば高温急冷、高温徐冷を繰り返すことにより、異
なる分光特性を交互に出現させることができるため、こ
れを利用することで、この組成物を記録層に含有させた
光情報記録媒体を提供することができる。本発明の可逆
メモリー材料における上記各組成物の組成比は、特に記
録、消去コントラストに関わり、第一の高分子化合物が
50〜70%、色素が0.5〜20重量%、固定化2分
子膜もしくは1分子膜または低融点の第二の高分子化合
物のいずれかが20〜40重量%であるときは好ましい
結果を与える。
【0022】本発明を適用する光情報記録媒体の層構成
としては、例えば、基板、記録層、下引き層、反射層、
ハードコート層、保護層(順不同)等により構成され、
次に示すような特性および材料であることが好ましい。
【0023】〈基板〉基板の必要特性としては、基板側
より記録再生を行なう場合のみ使用レーザ光に対して透
明でなければならず、記録層側から行なう場合は透明で
ある必要はない。基板材料としては、例えば、ポリスエ
テル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹
脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、ポリイミドなどのプラスチック、ガラス、セラミッ
クあるいは金属などを用いることができる。なお、基板
の表面にトラッキング用の案内溝や案内ピット、さらに
アドレス信号などのプレフォーマットが形成されていて
もよい。
【0024】〈下引き層〉下引き層は、(a)接着性の
向上、(b)水またはガスなどのバリヤー、(c)記録
層の保存安定性の向上、(d)反射率の向上、(e)溶
剤からの基板の保護、(f)案内溝、案内ピット、プレ
フォーマットの形成などを目的として使用される。
(a)の目的に対しては、高分子材料、例えば、アイオ
ノマー樹脂、ポセアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹
脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高
分子物質およびシランカップリング剤などを用いること
ができ、(b)および(c)の目的に対しては、上記高
分子材料以外に無機化合物、例えば、SiO2、Mg
2、SiO、TiO2、ZnO、TiN、SiNなど
と、金属または反金属、例えば、Zn、Cu、Cr、G
e、Se、Au、Ag、Alなどを用いることができ
る。また、(d)の目的に対しては、金属、例えば、A
l、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えば、メ
チン染料、キサンテン系染料等を用いることができ、
(e)および(f)の目的に対しては、紫外線硬化樹
脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができ
る。下引き層の膜厚は、0.01〜30μm、好ましく
は0.05〜10μmが適当である。
【0025】〈金属反射層〉反射層は、単体で高反射率
の得られる腐食されにくい金属、半金属等が挙げられ、
材料例としては、Au、Ag、Cu、Cr、Ni、Al
等が挙げられ、好ましくはAu、Alがよい。これらの
金属、半金属は単独で使用してもよく、2種類以上の合
金としてもよい。膜形成法としては、蒸着、スパッタリ
ングなどが挙げられ、膜厚としては、50〜3000
Å、好ましくは100〜1000Åである。
【0026】〈保護層、基板表面ハードコート層〉保護
層、または基板表面ハードコート層は、(a)記録層
(反射吸収層)を傷、ホコリ、汚れ等から保護する、
(b)記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、
(c)反射率の向上等を目的として使用される。これら
の目的に対しては、前記下引き層に示した材料を用いる
ことができる。また、無機材料として、SiO、SiO
2なども用いることができ、有機材料としてポリメチル
アクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリ
スチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロー
ス、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、天然ゴ
ム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワッ
クス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、
熱溶融性樹脂も用いることができる。上記材料のうち保
護層、または基板表面ハードコート層に最も好ましい物
は、生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。保護層また
は基板表面ハードコート層の膜厚は0.01〜30μ
m、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
【0027】本発明において、前期下引き層、保護層お
よび基板表面ハードコート層には記録層の場合と同様
に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面
活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
【0028】
【実施例】次に実施例によりさらに具体的に説明する。
【0029】実施例1 ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ビス(トリ−n−ヘ
キシルシロキシ)シリコンフタロシアニンおよび2分子
膜を形成する臭化ジオクタデシルジメチルアンモニウム
とポリ(4−スチレンスルホン酸ナトリウム)によりポ
リイオンコンプレックスを形成させた固定化2分子膜
を、CHCl3に対して6:1:3の重量比で混合液を
調製し、この溶液を用いて石英基板上にスピンコートに
より薄膜を形成し、さらにこの薄膜上にAu層をスパッ
タリングにより形成させた。この時の反射スペクトルは
図1の実線にて示した。次いで、この薄膜をホットプレ
ートで160℃で1分間の条件で加熱した後、直ちに液
体窒素中で急冷処理した。この時の反射スペクトルは図
1の破線のようになり、670nm付近の反射率が65
%から35%へと低下した。この薄膜をさらに100
℃、10分間ホットプレートにて加熱した後、室温で徐
冷した。この処理を行なった後に測定した反射スペクト
ルは図1の1点破線で示す。これを見ると、670nm
付近の反射率がほぼ初期の状態に戻っていることが確認
できた。
【0030】実施例2 ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ビス(トリ−n−ヘ
キシルシロキシ)シリコンフタロシアニンおよび低融点
を有する第2の高分子化合物としてステアリン酸メチル
を、CHCl3に対して6:2:2の重量比で混合液を
調製し、実施例1と同様に試料を作製し、同様の実験を
行なった。このとき急冷処理で図1とほぼ同様のスペク
トル変化が得られ、670nm付近の反射率65%から
40%の可逆変化を示し、徐冷処理で60%とほぼ初期
の状態に戻ることが確認できた。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明の可逆メモリー材
料によれば、外部エネルギーによる処理条件の違いによ
り異なる分光特性を示し、その変化は可逆的である。そ
して、この可逆メモリー材料を用いた可逆メモリーによ
れば、記録、消去コントラストを向上させることができ
る。さらに、本発明における第一の高分子化合物と色素
と固定化2分子膜、1分子膜または低融点の第二の高分
子化合物のいずれかを、上記特定の組成比を用いた可逆
メモリー材料とすることにより、従来に比べて記録、消
去コントラストが向上し、繰り返し特性も改善すること
ができる。また、第一の高分子化合物としてn−ヘキシ
ル基以上のアルキル基を有するポリ(3−アルキルチオ
フェン)を用いることにより、上記組成比を容易に組む
ことができ、さらに比較的低温で可逆変化が起こるため
高感度化も図れる。
【0032】上述したことから明らかなように、本発明
の可逆メモリー材料を光情報記録媒体に応用することに
より、製造が容易で、記録再生、消去特性の良好な、例
えばCD−Rのような書換え型光情報記録媒体を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた可逆メモリーの反射スペク
トルである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光または熱エネルギーにより電子的また
    は構造変化を可逆的に生じる第一の高分子化合物と色素
    と固定化2分子膜、1分子膜または低融点を有する第二
    の高分子化合物のいずれかとからなることを特徴とする
    可逆メモリー材料。
  2. 【請求項2】 前記第一の高分子化合物が50〜70重
    量%、色素が0.5〜20重量%、固定化2分子膜もし
    くは1分子膜または低融点を有する第二の高分子化合物
    のいずれかが20〜40重量%の組成からなる請求項1
    記載の可逆メモリー材料。
  3. 【請求項3】 前記第一の高分子化合物がn−ヘキシル
    基以上の長さのアルキル鎖を有するポリ(3−アルキル
    チオフェン)である請求項1または2記載の可逆メモリ
    ー材料。
  4. 【請求項4】 前記固定化2分子膜が電荷を有する2分
    子膜と電荷を有する高分子とがイオン交換し、高分子性
    のイオン対を形成するポリイオンコンプレックス形成法
    を用いて作製されたものである請求項1または2記載の
    可逆メモリー材料。
  5. 【請求項5】 記録、再生、消去用のレーザ波長に対し
    て透明な基板の上に、少なくとも請求項1、2、3また
    は4記載の可逆メモリー材料を含有する記録層を設けて
    なることを特徴とする可逆メモリー。
  6. 【請求項6】 少なくとも記録、再生、消去用のレーザ
    波長に対して透明な基板と請求項1、2、3または4記
    載の可逆メモリー材料を含有する記録層と該記録層上に
    形成された反射層から構成され、情報記録前または情報
    記録後の基板側からの再生光に対する反射率が60%以
    上であることを特徴とする可逆メモリー。
JP6287405A 1994-10-27 1994-10-27 可逆メモリー材料およびそれを用いた可逆メモリー Pending JPH08122965A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2158764A1 (es) * 1999-01-27 2001-09-01 Fundacion Cidetec Barnices termocronicos, procedimiento para su preparacion y su utilizacion como termoindicador.

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2158764A1 (es) * 1999-01-27 2001-09-01 Fundacion Cidetec Barnices termocronicos, procedimiento para su preparacion y su utilizacion como termoindicador.

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