JP3632094B2 - 光情報記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は情報記録媒体に関するものであって、特に光ビームを照射することにより、記録材料に透過率、反射率等の光学的な変化を生じさせ、情報の記録、再生を行ない、且つ追記が可能な光情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在の追記光型ディスクシステム(WORM、CD−R)では、使用レーザの発振波長が770nm〜790nmにあり、記録媒体は上記波長で記録、再生が可能なように構成されている。今後、情報量の増大に伴い記録媒体の大容量化への流れは必然であり、それに伴って、記録、再生に用いるレーザ波長が短波長化することも必須である。たゞ、データ用追記光型ディスクとして、シアニン色素やフタロシアニン色素を記録材として用いた数多くの提案がなされているが、耐光性、保存安定性に優れ、且つ700nm以下のレーザを用いた光ピックアップで記録、再生が可能な記録材料は、未だ開発されていないのが現状である。
【0003】
現在のCD−Rディスクシステムも、使用レーザの発振波長である770nm〜790nmで、記録、再生が可能なように構成されている。このシステムも上記同様に、大容量化、レーザ波長が短波長化は必須である。この点、現在のCD及びCD−ROMは、基板自体の凹凸上にAlがコーティングしてあり、Alの反射率の波長依存性が小さいため、将来、レーザ波長が短波長化されても再生は可能である。しかしながら、CD−Rは記録層に690nm〜730nmに最大吸収波長を有する色素を用い、その光学定数及び膜厚構成から770nm〜790nmに高い反射率が得られる様設定してあるため、700nm以下の波長域では反射率は極めて低く、レーザ波長の短波長化に対応できず、現在のCD−Rシステムで記録、再生している情報が、将来のシステムでは再生出来ない事態となる。これまでCD−Rとして、シアニン色素/金属反射層、フタロシアニン色素又はアゾ金属キレート色素などを記録材として用いた数多くの提案がなされているが、このような点に解決を与えるものは未だ見出されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであって、上記従来システムに比べて、短波長に発振波長を有する半導体レーザを用いる高密度光ディスクシステムに適用可能な耐光性、保存安定性に優れた光情報記録媒体用の記録材料を提供するとともに、現状システムで記録、再生が可能で且つ次世代の高密度光ディスクシステムにおいても再生可能なCD−R媒体用の記録材料を提供すること目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定な色素を主成分とする記録層とすることにより、発振波長700nm以下の半導体レーザを用いる高密度光ディスクシステムに適用可能なことを見出し、更には本化合物を現在CD−R用記録材料として用いられている有機色素と混合して用いることにより、700nm以下の波長域にも高い反射率を得ることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明によれば、第一に、基板上に直接又は下引き層を介して記録層を設け、更に必要に応じて、その上に金属反射層及び保護層を設けてなる光情報記録媒体において、前記記録層中に下記一般式(I)で示される化合物の少なくとも1種を主成分として含有させてなることを特徴とする光情報記録媒体が提供される。
一般式(I)
【化2】
(上式中、R1〜R7及びXはそれぞれ以下のものを表わす。
R1〜R3:水素原子又は置換されていても良い炭素数1〜6のアルキル基であり、それぞれが同じでも異なっていても良い。
R4〜R7:水素原子又は置換されていても良い炭素数1〜12のアルキル基であり、それぞれが同じでも異なっていても良い。
X:酸アニオン。)
第二に、上記第一に記載した光情報記録媒体において、前記記録層が、前記一般式(I)で示される化合物の少なくとも1種と、680nm〜750nmに最大吸収波長を有する有機色素との混合層からなることを特徴とする光情報記録媒体が提供される。第三に、上記第二に記載した光情報記録媒体において、前記680nm〜750nmに最大吸収波長を有する有機色素がペンタメチンのシアニン色素、フタロシアニン色素及びアゾ金属キレート色素の少なくとも1種である光情報記録媒体が提供される。第四に、上記第一又は第二に記載した光情報記録媒体において、前記金属反射層の金属が金、銀及びアルミニウムの少なくとも1種を主成分とするものである光情報記録媒体が提供される。第五に、上記第一又は第二に記載した光情報記録媒体において、前記保護層が紫外線硬化型樹脂からなる光情報記録媒体が提供される。
【0007】
本発明の光情報記録媒体は、前記一般式(I)で示される化合物の少なくとも1種を主成分とする記録層を設けたことから、700nm以下の波長域のレーザ光で記録、再生が可能で、しかも耐光性且つ保存安定性に優れたものとなり、更に前記一般式(I)で示される化合物の少なくとも1種と、680〜750nmに最大吸収波長を有する有機色素との混合物を主成分とする記録層を設けたことから、現状システムでのCD−Rとして使用でき、しかも次世代の高密度光ディスクシステムとなっても、記載された情報を再生することが可能なものとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の光情報記録媒体は、その記録層に前記一般式(I)で示される化合物の少なくとも1種を主成分として含有することを特徴とする。前記一般式(I)おいて、R1〜R3は水素原子又は置換されていても良い炭素数1〜6のアルキル基を表わし、それぞれが同じでも異なっていても良く、またR4〜R7は水素原子又は置換されていても良い炭素数1〜12のアルキル基を表わし、それぞれが同じでも異なっていても良い。また、前記一般式(I)においてXは、ハロゲンイオン、過ハロゲン酸イオン、アルキル硫酸アニオン、PF6アニオン、BF4アニオン、SbF6アニオン等の酸アニオンを表わす。
【0009】
前記一般式(I)において、R1〜R3が炭素数6を越え、R4〜R7が炭素数12を越えると、安定性(耐光性、保存安定性)が極端に低下する。
【0010】
前記一般式(I)で示される化合物の具体例を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
また、記録層においては、前記したように、前記一般式(I)で示される化合物の少なくとも1種と、680〜750nmに最大吸収波長を有する有機色素との混合物を主成分とすることにより、現状システムで記録再生が可能であるとともに、次世代システムにおいても再生のみは可能なCD−R記録媒体となる。この場合の680〜750nmに最大吸収波長を有する色素としては、ペンタメチンのシアニン色素、フタロシアニン色素及びアゾ金属キレート色素が好ましい。
【0013】
ペンタメチンのシアニン色素の好ましい例としては、下記一般式(IV)で示されるものが挙げられる。
【化3】
式中、R31、R32は炭素数1〜4のアルキル基、R33は水素原子、メチル基又はフェニル基、R34〜R37は炭素数1〜2のアルキル基、Xは酸アニオンを表す。なお、芳香族環は他の芳香族環と縮合されていても良い。
【0014】
フタロシアニン色素の好ましい例としては、下記一般式(V−1)若しくは(V−2)で示されるものが挙げられる。
【化4】
〔式中、Mは、Al、Ga、In、Si、Ge又はSnを表わす。Xは、互いに同一であっても異なっていてもよく、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環残基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、スルホン酸基、−OR41、−SR42、−COOR43、−NR44R45、−SO2NR46R47、−CONR48R49、−CH2NHCOCH2N50R51、−NHCOR52、−N=NR53又は−N=CHR54を表わす。R41、R42、R43、R44、R45、R46、R47、R48、R49、R50及びR51は、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、アシル基、シクロアルキル基、又はポリエーテル基を表わし、また、R46とR47とで、R48とR49とで、あるいはR50とR51とで、4〜7員環を形成していてもよく、これらの4〜7員環は窒素原子などのヘテロ原子を含む複素環であってもよい。R52、R53及びR54は、互いに同一であっても異なっていてもよく、置換基を有するアルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基を表わす。
【化5】
Zは、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、
【化6】
R55、R56、R57、R58、R59及びR60は、互いに同一であっても異なっていてもよく、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アシル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリロキシ基、ポリエーテル基、水酸基、又はハロゲン原子を表わす。Wは、O、S、Se又はTeを表わす。k、l、m、nは、それぞれ独立に0〜8の整数を表わす。pは、0又は1を表わす。〕
【化7】
〔式中、R61は、各々独立に炭素数3〜20の2級アルキル基を表わし、Mは2価の金属原子、又はオキシ金属を表わす。−OR61基の置換位置は1又は4、5又は8、9又は12及び13又は16位である。〕で表わされるアルコキシフタロシアニン。
【0015】
また、アゾ金属キレート色素の好ましい例としては、下記一般式(VI)で示されるアゾ系化合物と金属とのアゾ金属キレート化合物が挙げられる。
【化8】
式中、Aはそれが結合している炭素原子及び窒素原子と一緒になって複素環を形成する残基を表わし、Bはそれが結合している二つの炭素原子と一緒になって芳香環又は複素環を形成する残基を表わし、またXは活性水素を有する基を表わす。
【0016】
なお、記録層においては、前記一般式(I)で示される化合物、あるいは該化合物と前記特定の有機色素とを混合するのみではなく、光学特性、記録感度、信号特性の向上のため、他の有機色素及び金属、金属化合物と混合又は積層化して用いることも、もちろん可能である。この場合、有機色素としては、ポリメチン色素、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、コロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン(インダンスレン)系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系染料、及び金属錯体化合物などが挙げられ、また金属、金属化合物例としては、In、Te、Bi、In、Se、Sb、Ge、Sn、Al、Be、TeO2、SnO、As、などが挙げられ、それぞれを分散混合あるいは積層の形態で用いることができる。更には特性改良の目的で、安定剤(例えば遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などと一緒に用いることができる。膜形成法としては溶剤キャスト法が使用でき、膜厚としては100Å〜5μm、好ましくは300Å〜2μmである。
【0017】
次に、記録媒体の構成について述べる。
本発明の記録媒体の構造は、データ用追記型の光ディスクとしては図1〜4で示されるものであり、これらの2枚を貼り合わせたサンドイッチ構造としてもよい。また、追記型コンパクトディスクとしては図3、4の構造が適用できる。すなわち、図1は、基板1の上に記録層2を設け、その上に金属反射層5が設けられている。図2は、図1の構成の基板1と記録層2の間に、下引き層3が設けられている。図3は、図1の構成の金属反射層5の上に、更に保護層4が設けられている。また、図4は、図2の構成の金属反射層5の上に、更に保護層4が設けられた構成となっている。
【0018】
次に、本発明の記録媒体を構成する記録層以外の各層について、その必要特性及び構成材料例を説明する。
〈基板〉基板の必要特性としては、基板側より記録再生を行なう場合のみ使用レーザ光に対して透明でなければならず、記録層側から行なう場合は透明である必要はない。基板材料としては例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック、ガラス、セラミックスあるいは金属などを用いることができる。なお、基板の表面にトラッキング用の案内溝や案内ピット、更にアドレス信号などのプレフォーマットが形成されていてもよい。
【0019】
〈下引き層〉下引き層は、(a)接着性の向上、(b)水又はガスなどのバリヤー、(c)記録層の保存安定性の向上、(d)反射率の向上、(e)溶剤からの基盤の保護、(f)案内溝、案内ピット、プレフォーマットの形成などを目的として使用される。(a)の目的に対しては、高分子材料、例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子物質及びシランカップリング剤などを用いることができ、(b)及び(c)の目的に対しては、上記高分子材料以外に無機化合物、例えば、SiO2、MgF2、SiO、TiO2、ZnO、TiN、SiNなど、金属又は半金属、例えば、Zn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Alなどを用いることができる。また、(d)の目的に対しては、金属、例えば、Al、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えば、メチン染料、キサンテン染料等を用いることができ、(e)及び(f)の目的に対しては、紫外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。下引き層の膜厚は、0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
【0020】
〈金属反射層〉反射層は単体で高反射率の得られる腐食されにくい金属、半金属等が挙げられ、材料例としては、Au、Ag、Cu、Cr、Ni、Alなどが挙げられるが、反射率、生産性の点から、Au、Ag、Alが最も好ましい。これらの金属、半金属は単独で使用してもよく、2種以上の合金としてもよい。膜形成法としては、蒸着、スパッタリングなどが挙げられ、膜厚としては50〜5000Å、好ましくは100〜3000Åである。
【0021】
〈保護層、基板表面ハードコート層〉保護層、又は基板表面ハードコート層は、(a)記録層(反射吸収層)を傷、ホコリ、汚れ等から保護する、(b)記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、(c)反射率の向上等を目的として使用される。これらの目的に対しては、前記下引き層に示した材料を用いることができる。また、無機材料として、SiO、SiO2なども用いることができ、有機材料としてポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性脂、ロジン等の熱軟化性又は熱溶融性樹脂も用いることができる。上記材料のうち、保護層、又は基板表面ハードコート層に最も好ましい物は、生産性にすぐれた紫外線硬化樹脂である。保護層又は基板表面ハードコート層の膜厚は0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。本発明において、前記下引き層、保護層、及び基板表面ハードコート層には、記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0023】
実施例1
厚さ1.2mmのPMMA板上に、フォトポリマーにて深さ1200Å、半値巾0.4μm、トラックピッチ1.4μmの案内溝を形成した基板上に、化合物具体例No.4の1,2−ジクロルエタン溶液をスピンナー塗布し、厚さ800Åの記録層を形成し記録媒体とした。
【0024】
比較例1
実施例1における化合物具体例No.4のかわりに、以下に示す化合物(式VII)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして比較用の記録媒体を形成した。
【化9】
【0025】
〈評価〉上記のようにして作製した実施例1及び比較例1の記録媒体について、反射率並びに記録及び再生特性について、耐光テスト及び保存テストを含めて評価した。結果を表2に示す。
〈測定方法〉
(1)記録条件
レーザー発振波長:680nm
記録周波数 :1.25MHz
記録線速 :1.2m/sec
(2)再生条件
レーザー発振波長:680nm
再生パワー :0.25〜03mWの連続光
スキャニングバンド巾:30KHz
(3)耐光テスト条件
耐光テスト :4万Lux、Xe光、200時間連続照射
保存テスト :85℃、85%RH、720時間放置
【0026】
【表2】
【0027】
実施例2
深さ1000Å、半値巾0.4μm、ピッチ1.6μmの案内溝を有する厚さ1.2mmの射出成形ポリカーボネート基板上に、化合物具体例No.1の2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液をスピンナー塗布し、厚さ1600Åの有機色素層を形成し、次いでスパッタ法により金、2000Åの反射層を形成し、更にその上にアクリル系フォトポリマーで厚さ2μmの保護層を設け、記録媒体とした。
【0028】
比較例2
実施例2における有機薄膜として、化合物具体例No.1のかわりに、前記式(VII)で示される化合物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして比較用の記録媒体を形成した。
【0029】
〈評価〉上記のようにして作製した実施例2及び比較例2の記録媒体について、反射率並びに記録及び再生特性について評価を行なった。結果を表3に示す。
〈測定方法〉この記録媒体に発振波長680nm、ビーム径1.4μmの半導体レーザを用い、トラッキングしながらEFM信号を記録し(線速1.4m/sec)、同じレーザの連続光で再生し、再生波形を観察した。
【0030】
【表3】
【0031】
実施例3
深さ1000Å、半値巾0.45μm、ピッチ1.6μmの案内溝を有する厚さ1.2mmの射出成形ポリカーボネート基板上に、前記式(VII)で示される化合物と化合物具体例No.4とを重量比(1/1)で含む2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール溶液をスピンナー塗布し、厚さ1600Åの有機色素層を形成し、次いでスパッタ法により金、2000Åの反射層を形成し、更にその上にアクリル系フォトポリマーで厚さ2μmの保護層を設け、記録媒体とした。
【0032】
比較例3
実施例2における有機薄膜として、下記式(VIII)に示される化合物を用いたこと以外は、実施例2と同様にして比較用の記録媒体を形成した。
【化10】
【0033】
〈評価〉上記のようにして作製した実施例3及び比較例3の記録媒体について、反射率並びに記録及び再生特性について評価を行なった。結果を表4に示す。
〈測定方法〉この記録媒体に発振波長780nm、ビーム径1.6μmの半導体レーザを用い、トラッキングしながらEFM信号を記録し(線速1.4m/sec)、同じレーザ及び発振波長680nm、ビーム径1.4μmの半導体レーザの連続光で再生し再生波形を観察した。
【0034】
【表4】
【0035】
【発明の効果】
請求項1の光情報記録媒体は、前記一般式(I)で示される化合物の少なくとも1種を主成分とする記録層を設けたことから、700nm以下の波長域のレーザ光で記録、再生が可能で、耐光性、保存安定性に優れたものとなる。
【0036】
請求項2の光情報記録媒体は、前記記録層が前記一般式(I)で示される化合物の少なくとも1種と、680nm〜750nmに最大吸収波長を有する有機色素との混合層からなるものとしたことから、現状システムでのCD−Rとして使用でき、且つ次世代の高密度光ディスクシステムとなっても、記録された情報を再生することが可能になる。
【0037】
請求項3の光情報記録媒体は、前記680nm〜750nmに最大吸収波長を有する有機色素がペンタメチンのシアニン色素、フタロシアニン色素及びアゾ金属キレート色素の少なくとも1種であるものとしたことから、高品位の信号特性が記録可能となる。
【0038】
請求項4の光情報記録媒体は、前記金属反射層の金属が金、銀及びアルミニウムの少なくとも1種を主成分とするものとしたことから、生産性の良い高反射率化、CD−Rメディア化が可能となる。
【0039】
請求項5の光情報記録媒体は、前記保護層が紫外線硬化型樹脂からなるものとしたことから、生産性の良い保護層化したメディア化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録媒体の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明の記録媒体の別の一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の記録媒体の更に別の一例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の記録媒体の更に別の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 記録層
3 下引き層
4 保護層
5 金属反射層
Claims (5)
- 前記記録層が、前記一般式(I)で示される化合物の少なくとも1種と、680nm〜750nmに最大吸収波長を有する有機色素との混合層からなることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体。
- 前記680nm〜750nmに最大吸収波長を有する有機色素が、ペンタメチンのシアニン色素、フタロシアニン色素及びアゾ金属キレート色素の少なくとも1種である請求項2記載の光情報記録媒体。
- 前記金属反射層の金属が、金、銀及びアルミニウムの少なくとも1種を主成分とするものである請求項1又は2記載の光情報記録媒体。
- 前記保護層が、紫外線硬化型樹脂からなる請求項1又は2記載の光情報記録媒体。
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