JPH085541Y2

JPH085541Y2 - エンジンの点火コイル装置

Info

Publication number: JPH085541Y2
Application number: JP4635590U
Authority: JP
Inventors: 靖彦井田; トムジャンボートマン
Original assignee: Toyo Denso Co Ltd
Current assignee: Toyo Denso Co Ltd
Priority date: 1990-04-28
Filing date: 1990-04-28
Publication date: 1996-02-14
Anticipated expiration: 2005-04-28
Also published as: JPH045623U

Description

【考案の詳細な説明】技術分野本考案は、エンジンの点火コイル装置に関する。

従来技術最近、ディストリビュータを用いることなく、エンジ
ンの気筒数に応じた複数のコイルユニットを１つのコイ
ルケース内に配設したうえで、そのコイルケース内にエ
ポキシなどの絶縁性の樹脂を注入して、その樹脂の硬化
によってコイルケースと各コイルユニットとが一体に成
形されるようにしたエンジンの点火コイル装置が開発さ
れている。

このようなエンジンの点火コイル装置では、コイルケ
ース内に並設された複数のコイルユニットにおける各一
次コイルの共通端子が１つの端子ピンによって共用され
るように、各コイルユニットの一次端子ピンをターミナ
ルベース上のコイルケース側の端子カプラ部分に対応す
る箇所にまとめて設けるとともに、各コイルユニットに
おける一次コイルの端末と各対応する端子ピンとの間を
それぞれ接続するリード部材を同一のターミナルベース
上に配設し、そのターミナルベースをコイルケース内の
所定位置に組み込むようにしている。

その際、従来では、例えば、第12図に示すように、コ
イルケース（図示せず）内に３つのコイルユニット1,2,
3が並設されている場合、その各コイルユニット1,2,3に
おける一次コイルの両端の端子接続箇所T11,T12,T21,T2
2,T31,T32が同一のライン上に配列されているため、そ
の各端子接続箇所と一次端子ピンP1〜P4との間をそれぞ
れ接続するリード部材１〜l4が交差してしまってい
る。

図中、P4は（＋）側の共通端子ピンであり、コイルユ
ニット1,2,3における一次コイルの共通端子となる各端
子接続箇所T12,T22,T32がリード部材l4によって共通端
子ピンP4に接続されている。

しかして、このように交差するリード部材１〜l4を
ターミナルベース上に配設するには、各リード部材１
〜l4を立体的に設置しなければならず、ターミナルベー
ス自体の形状が複雑になって大形化してしまい、コイル
ケース内での占積率が悪くなっている。

目的本考案は以上の点を考慮してなされたもので、コイル
ケース内に並設された複数のコイルユニットにおける各
一次コイルの端末と、端子カプラ内に設けられる各対応
する一次端子ピンとの間をそれぞれターミナルベース上
に配設されたリード部材によって接続する際、そのリー
ド部材が交差することがないようにターミナルベース上
に平面的に配設することができるようにしたエンジンの
点火コイル装置を提供するものである。

構成以下、添付図面を参照して本考案の一実施例について
詳述する。

本考案に係るエンジンの点火コイル装置にあっては、
第２図および第３図に示すように、その構成部分が、３
つのコイルユニット1,2,3と、その各コイルユニット1,
2,3が並列的に設置されるコイルベース４と、そのコイ
ルベース４の上に装着されるコイルケース５とからなっ
ており、そのコイルケース５内における余地部分にエポ
キシなどの絶縁性をもった熱硬化性の樹脂がポッティン
グされて、各構成部分が一体となるように成形されてい
る。

各コイルユニット1,2,3は、それぞれ第４図に示すよ
うに構成されている。

Ｃ型コア61の一辺に、一次コイル７が巻装されている
一次側ボビン８がはめ込まれ、さらにその上から重ねて
二次コイル９が巻装されている二次側ボビン10がはめ込
まれている。

Ｃ型コア61は、一次側ボビン８がはめ込まれる一辺が
裸出するように、コアカバー111内に入れられている。

そして、そのＣ型コア61の開放端の部分に、コアカバ
ー112内に入れられたＩ型コア62が圧入によってはめ込
まれて、１つの閉磁路型のコアが形成されている。

各コアカバー111,112は、コア61,62に生ずる熱ひずみ
を吸収できる比較的柔軟性のあるPPなどの樹脂によって
モールド成形されている。

このように、閉磁路型に形成されるコア61,62の裸出
部がコアカバー111,112によって覆われているので、内
部のコア61,62が熱膨張したり熱収縮しても、その熱応
力が周囲のポッティングされた樹脂部分に伝わらず、そ
の樹脂部分にクラックを生ずるようなことが防止され
る。

コアカバー111には、一次コイル７の両端からそれぞ
れ引き出された各コイルワイヤをそれぞれからげて止め
るワイヤホルダ12が一体に形成されている。

また、二次側ボビン10の両側の鍔部には、それぞれ端
子ホルダ13が設けられ、その各ホルダ13内には二次端子
14がそれぞれ装着される。

その各二次端子14は、第５図および第６図に示すよう
に、端子ホルダ13内に差し込まれたときに、その端子14
側の切り起し片142がホルダ13側の段部131に係止するこ
とによってホルダ13内に保持される。

コイルケース５には、ボス51の部分に圧入されて先端
のプラグ部151がケース内に突出するように二次端子ピ
ン15が取り付けられている。

そして、二次端子14には、二次端子ピン15のプラグ部
151と共働するバネ性をもったソケット部141が形成され
ており、第３図および第10図に示すように、そのソケッ
ト部141に二次端子ピン15のプラグ部151が差し込まれて
両者間の電気的な接続がとられるようになっている。

また、二次端子14には、二次コイル９からの引出ワイ
ヤ91が電気溶接などによって取り付けられる接続部143
が設けられている。

コイルベース４側には、３つの溝16が形成されてお
り、その各溝16内にコイルユニット1,2,3のコアカバー1
11部分がそれぞれはめ込まれてコイルベース４上に各コ
イルユニット1,2,3が配設される。

コイルベース４には、ポッティング成形時における溶
融樹脂の注入孔17が設けられている。

また、コイルベース４には、車載のオーディオ・ビジ
ュアル機器などにノイズを与えることがないように、ノ
イズキラー用のコンデンサ18が組み込まれている。

そして、そのコンデンサ18の接地用プレート19がコイ
ルベース４側に形成されたすき間20を通して配されて、
その接続部191がコイルベース４側におけるカラー取付
座21上にのせられて、コイルベース４とコイルケース５
とを結合する導電性を有するカラー22がその取付座21に
圧入される際に、そのカラー22が接続部191を貫通しな
がら接触して、両者の電気的接続がとられるようになっ
ている。なお、そのカラー22は中空状となっており、そ
のカラー22にエンジン部分への取付用の導電性をもった
ボルトが通されて車体アースがとられることになる。

また、そのコンデンサ18のリードワイヤ181が、コイ
ルベース４側に形成されたワイヤホルダ23に止められて
いる。

コイルケース５には、一次端子カプラ24が一体に形成
されている。

そのカプラ24内には、コイルユニット1,2,3にそれぞ
れ応じた４つの一次端子ピン25が取り付けられており、
各端子ピン25にはそれぞれリード部材としてのターミナ
ルプレート26が接続されている。

そして、その各ターミナルプレート26がコイルユニッ
ト1,2,3における各一次コイル７から引き出されたコイ
ルワイヤにそれぞれ接続される。

その際、第８図に示すように、ターミナルプレート26
に、奥方の溝幅がコイルワイヤ71よりも若干細くなった
切溝27が設けられた噛込部28を二重に設けて、ワイヤホ
ルダ12側に保持されている一次コイル７から引き出され
たコイルワイヤ71に各噛込部28の切溝27をそれぞれくい
込ませて、ターミナルプレート26とコイルワイヤ71との
電気的導通をとるようにしている。

コイルユニット1,2,3側の各ワイヤホルダ12には、そ
れぞれ一次コイル７から引き出されたコイルワイヤ71が
２つの溝29をまたぐようにして止められている。

そして、各コイルユニット1,2,3がセットされたコイ
ルベース４にコイルケース５をかぶせたときに、一次側
のターミナルプレート26における各噛込部28がワイヤホ
ルダ12側の各溝29内にそれぞれ差し込まれる。

その際、第９図に示すように、その各切溝27がワイヤ
ホルダ12に止められているコイルワイヤ71にそれぞれく
い込み、それによりコイルワイヤ71の被膜がはがれて、
両者間の電気的な接続がなされる。

４つの端子ピン25（251〜254）およびその各ターミナ
ルプレート26（261〜264）は、第１図（ａ），（ｂ）に
示すように、ターミナルベース30上に配設されている。
図中、31はカラー22の通し穴である。そして、そのター
ミナルベース30がコイルケース５内の所定箇所に組み込
まれることになる。

そのターミナルベース30には、第７図に示すように、
ターミナルプレート26の噛込部28が挿入される穴31が設
けられている。そして、噛込部28側には突起32が設けら
れており、穴31に噛込部28が挿入された状態で、その突
起32がターミナルベース30の下面に係合して、ターミナ
ルプレート26をターミナルベース30側に仮固定させるよ
うにしている。

端子ピン251およびそれにつながるターミナルプレー
ト261は各コイルユニット1,2,3に対して共通端子用のも
のとして設けられている。

また、その共通端子用のターミナルプレート261に設
けられた噛込部28における切溝27が、前述と同様に、ワ
イヤホルダ23にからげて止められているコンデンサ18の
リードワイヤ181にくい込んで電気的に接続されるよう
になっている。

このようなものにあって、特に本考案では、第４図に
示すように、各コイルユニットにおけるワイヤホルダ12
における一次コイル７から引き出された一方の共通端末
の接続部Ａよりも他方の端末の接続部Ｂが外方に突出す
るように、その各接続部A,B間に段差ｄを設けるように
している。

そして、それに応じて、第１図（ａ）に示すように、
各端子ピン251〜254に対して共通端子用のターミナルプ
レート261が外側に位置するように、共通端子用のター
ミナルプレート261を他のターミナルプレート262,263,2
64から距離ｄだけずらして、各ターミナルプレート261
〜264をターミナルベース30上に配設するようにしてい
る。

しかして、このような構成をとることにより、各ター
ミナルプレート261〜264を交差させることなくターミナ
ルベース30上に平面的に配設することができるようにな
る。

したがって、ターミナルベース30の形状が簡素化され
て小形になり、コイルケース５内に組み込む際の占積率
が良いものとなる。

コイルケース５内には、第10図に示すように、その内
部に配設される各コイルユニット1,2,3の各収納部分を
それぞれ仕切る隔壁33がコイルケース５側に一体に設け
られて、それぞれ独立した各コイルユニット1,2,3の収
納室34,35,36が形成されている。

そして、第11図に示すように、コイルベース４とコイ
ルケース５とが組み合せられた状態で、各収納室34,35,
36内に溶融樹脂が注入され、その注入された樹脂37の硬
化によって全体が一体となるようにポッティング成形さ
れる。

その際、コイルケース５の各隔壁33には収納室34,35,
36を連通するスリット38がそれぞれ設けられており、各
収納室34,35,36内に注入される樹脂37のレベルが一様に
なるようにしている。

また、コイルベース４側には、溶融樹脂を注入する際
のマーキング用の突起39が各注入部分にそれぞれ設けら
れている。

そして、そのマーキング用の突起39が見えなくなるレ
ベルまで溶融樹脂が注入されることになる。

効果以上、本考案によるエンジンの点火コイル装置にあっ
ては、コイルケース内に複数のコイルユニットが並設さ
れ、各コイルユニットにおける一次コイルの共通端子が
１つの端子ピンによって共用されるように、ターミナル
ベース上に各コイルユニットの一次端子ピンが一箇所に
まとめられて設けられ、各コイルユニットにおける一次
コイルの端末と各対応する端子ピンとの間をそれぞれタ
ーミナルプレートによって接続するようにしたものにお
いて、各コイルユニットにおける一次コイルの共通端末
の接続部（Ａ）よりもその一次コイルの他方の端末の接
続部（Ｂ）が外方に突出するようにしたうえで、各コイ
ルユニットにおける一次コイルの共通の端末が接続され
るターミナルプレートが、各端子ピンに対して、各コイ
ルユニットにおける一次コイルの他方の端末が接続され
るターミナルプレートよりも外側に位置するようにし
て、各リード部材を前記ターミナルベースにおける同一
平面上に配設することができるようにしている。

したがって、従来のように各リード部材を交差させな
がらターミナルベースに配設する場合に比して、ターミ
ナルベース自体の形状が簡素化されて小形になり、コイ
ルケース内に組み込む際の占積率が向上して、その分コ
イルケースを小形化することができるものとなってい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ），（ｂ）はターミナルベース上に配設され
たターミナルプレートを示す平面図および正面図、第２
図は本考案に係るエンジンの点火コイル装置の分解斜視
図、第３図はそのエンジンの点火コイル装置の側断面
図、第４図はコイルユニットの分解斜視図、第５図は二
次端子および二次側ボビン側に一体に設けられた二次端
子ホルダを示す斜視図、第６図は二次端子ホルダ内に二
次端子が組み込まれた状態を示す斜視図、第７図は噛込
部およびターミナルベースの一部分を示す斜視図、第８
図は一次コイルのワイヤホルダおよび一次端子側につな
がるターミナルプレートの先端に設けられた噛込部の部
分を示す斜視図、第９図は一次コイルから引き出された
コイルワイヤに噛込部が噛み込んだ状態を示す斜視図、
第10図はエンジンの点火コイル装置の正断面図、第11図
は内部に樹脂がポッティングされた状態を示すエンジン
の点火コイル装置の正断面図、第12図は従来の複数並設
されたコイルユニットと一次端子ピンとの間を接続する
リード部材の配設状態を示す簡略図である。 1,2,3……コイルユニット、４……コイルベース、５…
…コイルケース、７……一次コイル、71……コイルワイ
ヤ、９……二次コイル、12……ワイヤホルダ、14……二
次端子、15……二次端子ピン、18……コンデンサ、24…
…一次端子カプラ、25（251〜254）……一次端子ピン、
26（261〜264）……ターミナルプレート、27……切溝、
28……噛込部、30……ターミナルベース

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】コイルケース（５）内に複数のコイルユニ
ット（1,2,3）が並設され、各コイルユニットにおける
一次コイル（７）の共通端子が１つの端子ピン（251）
によって共用されるように、ターミナルベース（30）上
に各コイルユニットの一次端子ピン（251〜254）が一箇
所にまとめられて設けられ、各コイルユニットにおける
一次コイルの端末と各対応する一次端子ピンとの間をそ
れぞれターミナルプレート（261〜264）によって接続す
るようにしたエンジンの点火コイル装置において、各コ
イルユニットにおける一次コイルの共通端末の接続部
（Ａ）よりもその一次コイルの他方の端末の接続部
（Ｂ）が外方に突出するようにしたうえで、一次コイル
の共通端末が接続されるターミナルプレート（261）
が、各一次端子ピン（251〜254）に対して、その一次コ
イルの他方の端末が接続されるターミナルプレート（26
2〜264）よりも外側に位置するようにして、各ターミナ
ルプレート（261〜264）を前記ターミナルベース（30）
における同一平面上に配設したことを特徴とするエンジ
ンの点火コイル装置。